JP3363191B2 - 管状部材およびその製造方法 - Google Patents

管状部材およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は管状部材およびその製造
方法に関し、さらに詳しくは例えば釣竿、ゴルフシャフ
ト等に好適に用いられる管状部材と、その管状部材を効
率良く得ることのできる製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば釣竿、ゴルフシャフト等の管状
部材においては、軽量化、高弾性化、高強度化などの機
械特性の向上が要求される。
【0003】一方、このような要求に応える管状部材の
形成材料の一つとして繊維強化樹脂が知られており、従
来より広く用いられている。ところで、この繊維強化樹
脂の機械特性は強化材である繊維の特性に大きく依存し
ているため、繊維強化樹脂を用いて形成された釣竿、ゴ
ルフシャフト等の管状部材の性能は樹脂と複合化される
繊維の特性に著しく依存することになる。
【0004】しかし、最近では繊維の性能向上が限界に
達しつつあり、もはや繊維性能の大幅な向上は望み得な
いのが実情である。そのため、繊維自体の性能向上に依
存することなく繊維強化樹脂の特性の向上を図る試みが
なされている。
【0005】具体的には、たとえばメッキ、スパッタリ
ング等の各種の被覆法により繊維の被覆を行ない、この
繊維を複合化することで繊維強化樹脂の特性の向上を図
る試みがなされている(特開昭62−247839号公報、同63
−145340号公報等参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、メッ
キやスパッタリングにより被覆してなる上記の被覆繊維
は樹脂の強化材として必ずしも適当な特性を有するもの
ではなく、また、樹脂と複合化しても釣竿あるいはゴル
フシャフトに要求される機械特性を充分に満たすまでに
繊維強化樹脂の特性の向上を図れるものでもない。
【0007】したがって、釣竿、ゴルフシャフト等に要
求される充分な機械特性を備えた管状部材が望まれてい
る。本発明はかかる事情に基づいてなされたものであ
り、本発明の目的は、曲げ強度、曲げ弾性等の機械特性
が向上していて軽量化が容易であり、例えば釣竿、ゴル
フシャフト等に好適に用いられる管状部材およびその製
造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の構成は、強化複合体よりなる管状部材にお
いて、無機材料、金属材料または単体元素からなるとと
もに平均粒径が0.05μm〜1μmの範囲にある超微
粒子が単層でかつ均質に繊維状または織布状の基材の表
面に8〜90%の割合で分散付着してなる超微粒子分散
被覆材と樹脂との複合体である超微粒子分散被覆材強化
複合体よりなることを特徴とする管状部材であり、前記
基材が有機材料、無機材料、金属材料および単体元素の
いずれかよりなる管状部材であり、プリプレグの巻回体
を焼成する管状部材の製造方法において、無機材料、金
属材料または単体元素からなるとともに平均粒径が0.
05μm〜1μmの範囲にある超微粒子が単層でかつ均
質に繊維状または織布状の基材の表面に8〜90%の割
合で分散付着してなる超微粒子分散被覆材と樹脂との複
合体である超微粒子分散被覆材強化複合体のプリプレグ
を巻回して巻回体を形成し、その後、該巻回体を焼成す
ることを特徴とする管状部材の製造方法であり、前記基
材が有機材料、無機材料、金属材料および単体元素のい
ずれかよりなる管状部材の製造方法である。
【0009】
【作用】本発明の管状部材は、平均粒径が0.05μm
〜1μmの範囲にある超微粒子が単層でかつ均質に繊維
状または織布状の基材の表面に該表面の8〜90%の割
合で分散付着してなる超微粒子分散被覆材と、樹脂との
複合体である超微粒子分散被覆材強化複合体により形成
されている。この超微粒子分散被覆材強化複合体を構成
する超微粒子分散被覆材は、繊維状または織布状の基材
の表面に超微粒子が単層でかつ均質に分散付着してなる
ものであり、この超微粒子分散被覆材を樹脂と複合化し
た場合には、該超微粒子のマイクロアンカー効果により
基材と樹脂との間の結合性がきわめて大きくなる。した
がって、この超微粒子分散被覆材強化複合体は、曲げ強
度、曲げ弾性、靭性破壊限界などの機械特性に優れ、例
えば管状の管状部材であれば、肉厚を薄くしても充分な
曲げ強度が得られ、これにより軽量化が達成されること
になる。
【0010】また、本発明の製造方法においては、平均
粒径が0.05μm〜1μmの範囲にある超微粒子が単
層でかつ均質に繊維状または織布状の基材の表面に該表
面の8〜90%の割合で分散付着してなる超微粒子分散
被覆材と樹脂との複合体である超微粒子分散被覆材強化
複合体のプリプレグを巻回して巻回体を形成した後、該
巻回体を焼成することにより管状部材を製造する。
【0011】ここで、使用に供される超微粒子分散被覆
材強化複合体は、繊維状または織布状の基材の表面に超
微粒子が単層でかつ均質に分散付着してなる超微粒子分
散被覆材が樹脂と複合化されてなるものである。そし
て、超微粒子分散被覆材においては、繊維状または織布
状の基材の表面に単層でかつ均質に超微粒子が分散付着
しているので、超微粒子分散被覆材強化複合体を構成す
る基材と樹脂との間の結合性が超微粒子の奏するマイク
ロアンカー効果によりきわめて大きく、このような特性
を有する超微粒子分散被覆材強化複合体のプリプレグの
巻回体を焼成して得られる管状部材は曲げ強度、曲げ弾
性等の機械特性に優れ、また軽量である。したがって、
本発明の製造方法により、曲げ強度、曲げ弾性、靭性破
壊限界等の機械特性に優れているとともに軽量化が図ら
れた管状部材を容易に得ることができる。
【0012】
【実施例】次に本発明の実施例について図面を参照しな
がらさらに具体的に説明する。図1に本発明の管状部材
の一例である釣竿本体の断面を模式的に示す。
【0013】図1に示すように、この管状部材1は、超
微粒子分散被覆材2が樹脂と複合化されてなる超微粒子
分散被覆材強化複合体3により形成され、この超微粒子
分散被覆材強化複合体3により管状に形成されている。
【0014】超微粒子分散被覆材2は、図2に示すよう
に繊維状または織布状の基材4の表面に超微粒子5が単
層でかつ均質に分散付着してなり、樹脂を含浸した場合
には、基材4と樹脂との間に介在する超微粒子5が奏す
るマイクロアンカー効果により基材4と樹脂との間の結
合密着性が極めて高いものとなる。
【0015】基材4は有機材料、無機材料、金属材料お
よび単体元素のいずれかよりなる繊維で形成され、この
繊維は単繊維であってもよいし、単繊維束の状態であっ
てもよく、また織布状に織られた状態のものであっても
よい。この基材4を形成する繊維の物性および形状には
特に制限はなく、管状部材の用途・目的に応じて適宜に
選定すればよい。
【0016】ここで、上記の有機材料としては、たとえ
ばポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニ
ルサルファィド等が挙げられ、上記の無機材料として
は、たとえばガラス、石綿、ロックウール、アルミナ系
繊維、シリコンカーバイド、ケイ酸カルシウム等が挙げ
られる。また、上記の金属材料としては、たとえば鉄
(Fe)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、コバル
ト(Co)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、
金(Au)、銀(Ag)、タングステン(W)等が挙げ
られる。さらに、上記の単体元素としては、たとえば炭
素(C)、ほう素(B)等が挙げられる。
【0017】このような基材4の表面に分散付着してい
る超微粒子5は、超微粒子分散被覆材2に要求される性
質または機能に応じて基材4の構成成分と同一または異
なった成分により形成されている。具体的には、Al2
3 ,SiO2 ,ZrO2 ,Y2 3 ,CaO,Mg
O,SiO2 −ZnO−B2 3 等の酸化物、Si3
4 ,AlN,TiN,BN等の窒化物、WC,TiC,
SiC等の炭化物、BP,BN等のほう化物などの無機
材料;Si,Al,Ni,Cr,Co,Cu,Fe,T
i,Wなどの単体金属;Ti−Alなどの金属間化合
物;各種合金;各種材料の複合体;炭素(C)、ほう素
(B)等の単体元素などが挙げられる。
【0018】たとえばこのような成分で構成される超微
粒子5の平均粒径は0.05μm〜1.0μmである。
この平均粒径が0.05μm未満あるいは1.0μmを
超えると、超微粒子5が奏すべきマイクロアンカー効果
が充分ではないことがある。
【0019】また、基材4の表面に対する超微粒子5の
付着率は、基材4の表面の8〜90%、好ましくは25
〜60%である。この付着率が8%未満であると、超微
粒子5が奏すべきマイクロアンカー効果が減殺されてそ
の効果が充分ではないことがある。一方、90%を超え
ると、実質的に基材4の表面が全面にわたって超微粒子
5で被覆されるのと同じになり、マイクロアンカー効果
が奏されないことがある。なお、ここでいう付着率と
は、基材4の単位表面に付着する超微粒子5の投影面積
の比で表わしたものであり、具体的には付着した超微粒
子の平均粒径と付着繊維の径から求められる。
【0020】このような超微粒子5は、例えばプラズマ
ジェット法、RFプラズマ法、マイクロ波プラズマ法、
DCプラズマ法、レーザー法等の各種PVD法あるいは
無機または有機材料蒸気の還元または酸化を伴うCVD
法等の公知の技術手段を採用して生成させることができ
る。
【0021】基材4の表面に8〜90%の割合で平均粒
径0.05〜1.0μmの超微粒子5が単層でかつ均質
に分散付着してなる超微粒子分散被覆材2は、例えば上
記の方法を採用して気相中で生成された超微粒子5が含
まれる流れの中に繊維状または織布状の基材4を適当な
速度で連続的にまたは半連続的に供給することにより、
超微粒子5と基材4とが活性な状態で両者を接触させ、
その接触時間を適当に設定することによって得ることが
できる。
【0022】すなわち、上記の方法を採用して気相中で
生成された超微粒子5が含まれる気体流の中に、繊維状
または織布状の基材4を任意の手段で導入し、超微粒子
5と基材4とを超微粒子5が活性な状態で接触させれ
ば、基材4と超微粒子5とは共有結合手として結合し、
強固に化学結合するものである。これは、物理的あるい
は化学的手段により生成せしめられた直後の超微粒子5
が遊離ラジカルを有し、活性化された状態にあるからで
ある。ここで、超微粒子5と接触する基材4は、超微粒
子5が含まれる気体流の中に単数本または複数本でこの
気体流とほぼ直交または任意の角度で交差する方向に移
動させる。この基材4は結束された状態であってもよい
し、結束されていない状態であってもよい。超微粒子5
の生成速度を一定にすれば、気体流の中での基材4の移
動速度を変えることにより付着量と付着する面積を変え
ることが可能であり、超微粒子5は基材4の表面全体に
ほぼ一様に分散分布状態で付着する。また、基材4を結
束したままで移動させても実用上は内部の繊維表面にま
で十分に付着する。なお、基材4に対する超微粒子5の
付着の態様については、超微粒子5の形成材料の濡れ性
によりほぼ球形のまま結合して基材4に付着する場合や
半球状に溶着するように付着する場合あるいはこれらの
中間の結合様式のいずれであってもよい。
【0023】超微粒子分散被覆材強化複合体3は、超微
粒子分散被覆材2が樹脂と複合化されてなるものであ
り、この樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が
挙げられる。さらに具体的には、熱硬化性樹脂として
は、たとえばエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、ビニ
ルエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール−ホルム
アルデヒド初期縮合物、ポリウレタン樹脂組成物などの
熱硬化性樹脂が挙げられる。また、熱可塑性樹脂として
は、たとえばポリサルフォン、ポリエーテルサルフォ
ン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニ
ル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロク
ロロエチレン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、SB
R、天然ゴムなどが挙げられる。
【0024】これらの樹脂のなかでも、この管状部材が
例えば釣竿本体、ゴルフシャフト等に用いられるもので
ある場合には熱硬化性樹脂が好ましい。そして、これら
の樹脂と超微粒子分散被覆強化材2との複合化は、次の
ようにして行われる。
【0025】すなわち、樹脂が熱硬化性樹脂である場合
には、たとえば液状の熱硬化性樹脂を超微粒子分散被覆
強化材2に配合したり塗布したりすることにより、ある
いは液状の熱硬化性樹脂を超微粒子分散被覆強化材2に
配合し、これを混練してマトリックスとすることにより
行われる。また、樹脂が熱可塑性樹脂である場合には、
たとえばスティプル状にした基材繊維を溶融状態にした
樹脂中に混合し、混練し、流延、注型などの手段で成型
したり、あるいはロールがけなどの手段で成型したり、
さらには基材4と粒状または粉末状の樹脂との圧縮成型
などの種々の成型手段によって成型品とすることにより
行われる。
【0026】このようにして得られる超微粒子分散被覆
材強化複合体3は、基材4と樹脂との間に介在する超微
粒子5のマイクロアンカー効果により、超微粒子分散被
覆材2を構成する基材4と樹脂との結合性が著しく向上
しており、その強度は超微粒子が用いられていない強化
複合体の強度の1.2〜1.5倍に達するものである。
【0027】図1に示すように、この実施例の釣竿本体
1は、このような特長を有する超微粒子分散被覆材強化
複合体3により管状に形成されたものである。したがっ
て、この釣竿本体において、従来品と同等の曲げ強度、
曲げ弾性等の機械特性を確保するためには、肉厚を薄く
することが可能であり、これにより軽量化も達成され
る。また、同様に、この管状部材が中実の円柱体である
場合には、直径を小さくすることが可能であり、これに
より軽量化が達成される。
【0028】具体的には、この管状部材を釣竿本体に用
いた場合、たとえば長さ10mのアユ竿では従来の強化
複合体を用いてなるものに比較して10〜20gの軽量
化が可能である。
【0029】このような利点を有する本発明の管状部材
は、本発明の方法を好適に採用して次のようにして効率
良く製造される。図3は本発明の製造方法の工程例を示
す流れ図である。
【0030】図3に示すように、まず、プリプレグ化工
程で前記の超微粒子分散被覆材強化複合体をプリプレグ
化し、次いでこのプリプレグのシートをパターン図面に
従って所定の形状に裁断する。
【0031】ここで、使用に供されるプリプレグの基材
繊維の態様は、一方向、織物およびランダムマットのい
ずれであってもよい。次いで、所定形状に裁断されたプ
リプレグをマンドレルに巻き付け、プリプレグの巻回体
を形成し、その状態で加熱焼成する。この焼成温度は、
通常、130℃〜140℃程度であり、処理時間は、通
常、2〜3時間程度である。
【0032】加熱焼成後、マンドレルを抜き取り、得ら
れた素管の外径研摩を定法に従って行ない管状部材とす
る。以後、必要に応じて、下塗装→下地塗膜の研摩→中
塗装→研摩→上塗装等の塗装工程を経て製品化される。
【0033】この方法によれば、曲げ強度、曲げ弾性等
の機械特性に優れ、軽量化が容易な管状部材を、効率良
く得ることができる。なお、本発明の管状部材は、たと
えば超微粒子分散被覆材2と熱硬化樹脂とをガラス管等
の管状体に充填し、この状態で熱硬化樹脂を硬化させる
方法、あるいは熱可塑性樹脂に超微粒子分散被覆材2を
含浸させた後、加熱しながら引き抜く方法によっても製
造可能である。
【0034】次に実験例を示し、本発明の管状部材につ
いてさらに具体的に説明する。実験例1 直径7μmのPAN系炭素繊維からなる基材にガラス超
微粒子(粒径0.01〜0.1μm、主として0.05
μm)が付着率60%の割合で単層でかつ均質に分散付
着してなる超微粒子分散被覆材とエポキシ樹脂との複合
体である超微粒子分散被覆材強化複合体(樹脂含有率3
4重量%)のプリプレグシートをパターン図面に従って
所定の形状に裁断した。
【0035】所定形状に裁断したプリプレグをマンドレ
ルに巻き付けて巻回体を作成し、この状態で温度130
℃および140℃でそれぞれ1時間づつの加熱焼成を行
なった。
【0036】その後、マンドレルを抜き取り、元径2.
5mm、先径1.5mm、長さ60cmの釣竿(鮎竿第
1節目)として試料Aを得た。この試料Aに74gの荷
重をかけて、たわみ量を測定した。結果を表1に示す。
【0037】
【表1】 実験例2 前記実験例1において、超微粒子分散被覆材強化複合体
(樹脂含有率34重量%)のプリプレグシートに代えて
直径7μmのPAN系炭素繊維からなる基材とエポキシ
樹脂との複合体である炭素繊維強化樹脂(樹脂含有率3
4重量%)のプリプレグシートを用いたほかは、前記実
験例1と同様にして元径2.5mm、先径1.5mm、
長さ60cmの釣竿(鮎竿第1節目)を作成し、得られ
た釣竿を試料Bとした。この試料Bに74gの荷重をか
けて、たわみ量を測定した。結果を表1に示す。実験例3 直径7μmのPAN系炭素繊維からなる基材にガラス超
微粒子(粒径0.01〜0.1μm、主として0.05
μm)が付着率30%の割合で単層でかつ均質に分散付
着してなる超微粒子分散被覆材とアミン系エポキシ樹脂
との複合体である超微粒子分散被覆材強化複合体(樹脂
含有率55.5体積%)を成形した。
【0038】成形方法は樹脂を含浸した繊維を内径2.
3mmのガラス管内に引き込み、この状態で温度85
℃、2時間の加熱焼成を行なった。その後、超微粒子分
散被覆材強化複合体をガラス管より引き抜いて得られた
直径2.3mmの管状部材を試料Cとした。この試料C
について曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。結果を
表2に示す。
【0039】なお測定条件は次の通りである。 (測定条件)超微粒子分散被覆材強化複合体はPAN系
炭素繊維[三菱レイヨン(株)製「TR40」]を基材
とする超微粒子分散被覆材とエポキシ樹脂[田辺化学工
業(株)製「エピコートン」,「キャスターN09」+
硬化剤「H43」90%および「エピコートン」、「キ
ャスターEX1」+硬化剤「PTX2482」10%の
混合使用]とを用いて樹脂含有率55.5体積%の繊維
強化複合体として成形した。
【0040】測定装置は島津製作所製、卓上精密万能試
験機「AGS1kNA」を使用し、測定はロードセル:
1kN,レンジ:5,テストスピード:5mm/mi
n、試料直径:2.3mm、試料の支点間距離30mm
で3点曲げ試験を行なった。
【0041】
【表2】 実験例4 前記実験例3において、超微粒子分散被覆強化複合体
(樹脂含有率55.5体積%)のプリプレグシートに代
えて直径7μmのPAN系炭素繊維からなる基材とエポ
キシ樹脂との複合体(樹脂含有率55.5体積%)から
なるプリプレグシートを用いたほかは、前記実験例3と
同様にして直径2.3mmの管状部材を作成し、これを
試料Dとした。この試料Dについて、前記実験例3と同
様にして曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。結果を
表2に示す。実験例5 直径7μmのPAN系炭素繊維からなる基材にガラス超
微粒子(粒径0.01〜0.1μm、主として0.05
μm)が単層でかつ均質に分散付着してなる超微粒子分
散被覆材とアミン系エポキシ樹脂との複合体(樹脂含有
率44.7体積%)を成形した。
【0042】成形方法は樹脂を含浸した繊維を内径3.
0mmのガラス管内に引き込み、この状態で温度80℃
および150℃でそれぞれ2時間の加熱焼成を行なっ
た。その後、複合体をガラス管より引き抜いて得られた
直径3.0mmの管状部材を試料とした。このとき使用
した繊維はガラス超微粒子が表面被覆率0%、8%、2
5%、60%、90%の割合で単層でかつ均質に分散付
着したものであり、これらを用いて得られた試料をそれ
ぞれ試料E、F、G、H、Iとした。各試料について曲
げ弾性率を測定した。結果を表3および図4に示す。
【0043】なお、測定条件は次の通りである。 (測定条件)複合体はPAN系炭素繊維[東邦レーヨン
製「ベスファイトHTA−12K」]とエポキシ樹脂
[田辺化学工業(株)製「エピコートン」,「キャスタ
ー115」+硬化剤「CA80」]とを用いて樹脂含有
率44.7体積%の繊維強化複合体として成形した。
【0044】測定装置は島津製作所製、卓上精密万能試
験機「AGS1kNA」を使用し、測定はロードセル:
1kN,レンジ:2,テストスピード:5mm/mi
n、試料直径:3.0mm、試料の支点間距離30mm
で3点曲げ試験を行なった。
【0045】
【表3】 結果の検討 表1から明らかなように、実験例1の試料A(本発明
品)は実験例2の試料B(従来品)に比較してたわみ量
が減少していることがわかる。また、表2から明らかな
ように、実験例3の試料C(本発明品)は実験例4の試
料D(従来品)に比較して曲げ強度および曲げ弾性率の
いずれもが向上していることがわかる。さらに表3か
ら、実験例5の試料F,G,H,I(本発明品)は試料
E(従来品)に比較していずれも曲げ弾性率が向上して
いることがわかる。
【0046】これより、本発明の管状部材を釣竿に用い
れば、従来品よりも硬い調子の竿を得ることが可能であ
り、したがって、従来よりも広範囲で繊細な竿調子の設
定が可能になることがわかる。
【0047】
【発明の効果】以上に詳述したとおり、本発明によれ
ば、基材の表面に超微粒子が分散付着した超微粒子分散
被覆材と樹脂との複合体である超微粒子分散被覆材強化
複合体を形成材料とする構成としたので、基材の表面に
分散付着した超微粒子が奏するマイクロアンカー効果に
より基材と樹脂との結合性が極めて高く、曲げ強度、曲
げ弾性率等の機械特性に優れ、軽量化された管状部材が
提供されるとともに、そのような利点を有する管状部材
を効率良く得ることができる管状部材の製造方法が提供
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の管状部材の一例を模式的に示す断面図
である。
【図2】本発明における超微粒子分散被覆材の一例を示
す説明図である。
【図3】本発明の製造方法の工程例を示す流れ図であ
る。
【図4】実験例5における試料E,F,G,HおよびI
について、それぞれの曲げ弾性率の測定結果を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1…管状部材 2…超微粒子分散被覆材 3…超微粒子分散被覆材強化複合体 4…基材 5…超微粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08J 5/24 B29C 67/14 X // D06M 10/00 A01K 87/00 630A (72)発明者 永坂 均 東京都千代田区外神田3丁目15番1号 リョービ株式会社内 (72)発明者 山田 幸良 埼玉県比企郡川島町八幡3−6−18 (72)発明者 冬木 正 埼玉県入間郡大井町緑ヶ丘2−23−16 (72)発明者 黒田 英輔 埼玉県川越市西小仙波町2−16−4 (72)発明者 秋山 聡 埼玉県川越市稲荷町17−22 沢田コーポ 202 (72)発明者 外ノ池 直人 埼玉県入間郡大井町緑ヶ丘2−23−16 (72)発明者 梅屋 薫 宮城県仙台市太白区八木山本町1−30− 13 (56)参考文献 特開 昭62−267329(JP,A) 特開 昭63−186840(JP,A) 特開 昭63−162726(JP,A) 特開 平6−123067(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 70/00 - 70/88 A01K 87/00 A63B 53/10 B29D 23/00 B32B 5/02 C08J 5/24 D06M 10/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強化複合体よりなる管状部材において、
    無機材料、金属材料または単体元素からなるとともに平
    均粒径が0.05μm〜1μmの範囲にある超微粒子が
    単層でかつ均質に繊維状または織布状の基材の表面に8
    〜90%の割合で分散付着してなる超微粒子分散被覆材
    と樹脂との複合体である超微粒子分散被覆材強化複合体
    よりなることを特徴とする管状部材。
  2. 【請求項2】 前記基材が有機材料、無機材料、金属材
    料および単体元素のいずれかよりなる請求項1記載の管
    状部材。
  3. 【請求項3】 プリプレグの巻回体を焼成する管状部材
    の製造方法において、無機材料、金属材料または単体元
    素からなるとともに平均粒径が0.05μm〜1μmの
    範囲にある超微粒子が単層でかつ均質に繊維状または織
    布状の基材の表面に8〜90%の割合で分散付着してな
    る超微粒子分散被覆材と樹脂との複合体である超微粒子
    分散被覆材強化複合体のプリプレグを巻回して巻回体を
    形成し、その後、該巻回体を焼成することを特徴とする
    管状部材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記基材が有機材料、無機材料、金属材
    料および単体元素のいずれかよりなる請求項3記載の管
    状部材の製造方法。
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