JP3362170B2 - 石炭ガス化装置で発生した合成ガスを冷却する熱交換器 - Google Patents

石炭ガス化装置で発生した合成ガスを冷却する熱交換器

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JP3362170B2
JP3362170B2 JP28810592A JP28810592A JP3362170B2 JP 3362170 B2 JP3362170 B2 JP 3362170B2 JP 28810592 A JP28810592 A JP 28810592A JP 28810592 A JP28810592 A JP 28810592A JP 3362170 B2 JP3362170 B2 JP 3362170B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、冷却すべき合成ガスが
貫流するようにされていて、２つのチューブ・プレート
の間で保持されているとともに、ジャケットにより取り
囲まれている熱交換器用の管群を備えている石炭ガス化
装置で発生した合成ガスを冷却する熱交換器であって、
ガス入口側のチューブ・プレートがセラミック層で覆わ
れている熱交換器に関する。
【０００２】
【従来の技術】石炭をガス化するに伴って発生した合成
ガスは、灰分の粒子のごとく侵食をもたらすかあるいは
硫黄酸化物のごときチューブ・プレートやチューブ挿入
部に高温腐食をもたらす成分を含んでいる。アンモニア
合成から生じたガスに使用される廃熱用熱交換器につい
て、セラミックの搗き固め材料を使用して被覆すること
によりガス入口側のチューブ・プレートを保護するとと
もに、セラミックの搗き固め材料からなるセラミック層
を通してチューブ挿入部にチューブ片を延在させること
は公知の事実である（雑誌“Ｃｈｅｍｉ．−Ｉｎｇ．−
Ｔｅｃｈ．”の（１９８４年）５８号、３５６ページよ
り３５８ページまでを参照されたい）。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、石炭
ガス化装置から到来した被冷却合成ガスに適合した構成
措置を講じることにより、ガス入口側を高温腐食と侵食
から保護することができるよう構成された当初に挙げた
種類の熱交換器を提供することである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係る熱交換器は、この種の熱交換器におい
て、前記セラミック層が、互いに隣接して配置されてい
るとともに、上部に互いに当接する直方形の外縁部を、
下部に前記管群の各チューブ内に差し込まれたチューブ
部分をそれぞれ具備し、かつ前記直方形外縁部の内側か
ら下に向かって円錐状に挟窄されて前記チューブ部分内
部に移行する開口をそれぞれ備えた複数のソケットから
構成されていること、前記複数のソケットの各直方形外
縁部の各コーナーに縦溝がそれぞれ形成されているこ
と、及び、前記ガス入口側のチューブ・プレートに固定
されたボルトが互いに当接する前記直方形外縁部の前記
縦溝によって形成されたボルト挿通孔に挿通されている
ことを特徴とするものである。本発明の有利な実施態様
については、請求項２より６までを参照されたい。
【０００５】
【作用と効果】本発明を実施するために使用される複数
のソケットは、温度変化に対して高い抵抗を示すととも
に、すぐれた耐侵食性を有するセラミック材料から製作
されている。前記ソケットは円錐状に狭窄された開口を
有するガス取入口として機能し、組み立てられた状態で
は、熱交換器管群の各チューブ挿入部を含めたチューブ
・プレート全体をカバーして保護の働きをする一種の連
続的な床張りないし層を形成する。前記した複数のセラ
ミック製ソケットを使用してする熱交換器の組立ては、
各ソケットが上部に互いに当接する直方形の外縁部を具
備し、該直方形外縁部の各コーナーには縦溝がそれぞれ
形成され、ガス入口側のチューブ・プレートに固定され
たボルトが互いに当接する前記直方形外縁部の前記縦溝
によって形成されたボルト挿通孔に挿通される構成とな
っているので、その作業を能率的に遂行できると共に、
ソケットを互いに隣接させた態様で堅固に固定すること
ができる。ソケットのガス流入部が円錐状に形成されて
いるので、合成ガスに含まれていて、橋架現象によりチ
ューブのガス流入部を閉塞するおそれのある固体粒子が
ガス流入部に付着することを回避することができる。特
に、本発明においては、ソケットのガス流入部が特殊な
円錐状に形成されているので、流入するガス速度を高め
ることができ、これにより合成ガスと該合成ガス内に含
まれている固体粒子が加速されるので、固体粒子がソケ
ットのガス流入部に堆積することを防止することができ
る。チューブ・プレートとチューブの溶接部とチューブ
の流入部が２層にコーティングされているものにあって
は、これら部分にすぐれた耐高温腐食特性と耐侵食特性
を与えることができる。ソケットが損傷したときでも、
上記の部分の保護機能が失われることはない。
【０００６】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を図解した添付
図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。熱交換器
は管群１を備えており、該管群１のうち２本のチューブ
が図１に示されているにすぎない。管群１の両端はチュ
ーブ・プレート２と３により保持されている。該チュー
ブ・プレート２と３は管群１を取り囲んでいるジャケッ
ト４に固定されている。該ジャケット４内のガス入口チ
ャンバー５は図面で見て上部のチューブ・プレート２に
固定されており、一方、ガス出口チャンバー６は下部の
チューブ・プレート３に固定されている。ガス入口チャ
ンバー５は、図示されていない管路を介して石炭をガス
化する反応器（図示せず）と接続されている。ガス化に
より発生した合成ガスはガス入口チャンバー５に流入
し、熱を伝達しながら管群１を貫流し、冷却された状態
でガス出口チャンバー６から流出する。
【０００７】熱交換器のジャケット４は入口側継手７と
出口側継手８を備えている。入口側継手７を通ってジャ
ケット４の内部に水が冷却媒体として供給され、管群１
を貫流する高温の合成ガスとの熱交換により水は蒸発
し、ガス出口継手８を通って水蒸気として排流される。
水蒸気は図示されていない蒸気発生系の蒸気ドラムに供
給される。
【０００８】熱交換器の管群１の各チューブは複合構造
管として構成されていて、各チューブは、高温の合成ガ
スによる熱交換器の管群１の高温腐食を防止するために
オーステナイト系の金属から作られた内管９を備えてい
る。内管９は外管１０により密接状態に囲まれており、
該外管１０はチューブ溶接部１１を介してチューブ・プ
レート２に固定されている。
【０００９】ガス入口側のチューブ・プレート２のうち
ガス入口チャンバー５に面している側を高温腐食と侵食
から保護するため、チューブ・プレート２はセラミック
層を備えており、該セラミック層は複数のセラミック製
のソケット１２から構成されている。該ソケット１２は
上部に直方形をした外縁部１３を備えているとともに、
該外縁部１３の内側から下に向かって円錐状に先細に形
成された開口１５を備えていて、下端部はチューブ部分
１４で終わっている。また、円錐状に先細に形成された
前記開口１５はチューブ１４内部に移行している。ソケ
ット１２のチューブ部分１４の外径は管群１のチューブ
の内径より若干小さく寸法ぎめされているので、チュー
ブ部分１４を熱交換器の管群１の各チューブに差し込む
ことができる。ソケット１２のチューブ部分１４は管群
１のチューブ内に十分深く挿入されていて、該チューブ
部分１４の下端は前記内管９と係合している。
【００１０】各ソケット１２は、該ソケット１２のチュ
ーブ部分１４が管群１のうちの１つのチューブに挿入さ
れるとともに、直方形の輪郭部１３が隣接しているソケ
ット１２の直方形の輪郭部１３とチューブ・プレート２
の上方で互いに当接するようチューブ・プレート２上に
載置されている。かくして、チューブ・プレート２全体
のガス入口が覆われて保護されているセラミック層とし
ての閉止された接続体が上述のやり方で形成される。
【００１１】ソケット１２は、直方形外縁部１３の各コ
ーナーに断面四分円状の縦溝１６を備えている。チュー
ブ・プレート２に固定されたボルト１７が互いに当接し
ているソケット１２の縦溝１６によって形成された断面
円形のボルト挿通孔を通って延設されている。ソケット
１２は、ボルト１７に螺合されたナット１７を介してチ
ューブ・プレート上で固定される。
【００１２】チューブ・プレート２と管群１の各チュー
ブの溶接部１１はそれぞれ２層のコーティング層２０を
備えている。チューブ・プレート２の金属材料にコーテ
ィングされた第１の層はプラズマ溶射された非晶質の金
属のコーティング層であって、基材を酸化と高温腐食か
ら保護するとともに、第２の層の付着媒体として機能し
ている。第２の層はプラズマ溶射された非晶質のセラミ
ック層であって、すぐれた耐高温特性と耐腐食特性を備
えている。また、前記２層コーティング層２０は、チュ
ーブのガス流入部の乱流領域、特に、ソケット１２の端
部における渦流により引き起こされる著しい腐食の危険
と熱伝達のソケット１２の影響を最小限度に抑えるた
め、熱交換器の管群１のチューブ流入部に配置されてお
り、ソケットのチューブ部分１４の下端を越えてその下
方まで延在している。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る熱交換器を長さ方向に切断した断
面図。
【図２】ガス入口側のチューブ・プレートの一部を上か
ら目視した平面図。
【図３】図１のＺ部の詳細断面図。
【図４】本発明に係る熱交換器に使用されるソケットの
斜視図。
【符号の説明】
１ 管群 ２、３ チューブ・プレート ４ ジャケット ５ ガス入口チャンバー ６ ガス出口チャンバー ７ 入口側継手 ８ 出口側継手 ９ 内管 １０ 外管 １１ 溶接部 １２ ソケット １３ 直方形の外縁部 １４ チューブ部分 １５ 開口 １６ 縦溝 １７ ボルト １８ ナット １９ セラミック・マット ２０ コーティング層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−162103（ＪＰ，Ａ) 実開 昭62−45592（ＪＰ，Ｕ) 米国特許4750553（ＵＳ，Ａ) 欧州特許出願公開277070（ＥＰ，Ａ １) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) F28F 9/00 - 9/26 F28F 19/00 - 19/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 冷却すべき合成ガスが貫流するようにさ
    れていて、２つのチューブ・プレート（２、３）の間で
    保持されているとともに、ジャケット（４）により取り
    囲まれている熱交換器用の管群（１）を備えている石炭
    ガス化装置で発生した合成ガスを冷却する熱交換器であ
    って、ガス入口側のチューブ・プレート（２）がセラミ
    ック層で覆われている熱交換器において、前記セラミッ
    ク層が、互いに隣接して配置されているとともに、上部
    に互いに当接する直方形の外縁部（１３）を、下部に前
    記管群（１）の各チューブ内に差し込まれたチューブ部
    分（１４）をそれぞれ具備し、かつ前記直方形外縁部
    （１３）の内側から下に向かって円錐状に挟窄されて前
    記チューブ部分（１４）内部に移行する開口（１５）を
    それぞれ備えた複数のソケット（１２）から構成されて
    いること、前記複数のソケット（１２）の各直方形外縁
    部（１３）の各コーナーに縦溝（１６）がそれぞれ形成
    されていること、及び、前記ガス入口側のチューブ・プ
    レート（２）に固定されたボルト（１７）が互いに当接
    する前記直方形外縁部（１３）の前記縦溝（１６）によ
    って形成されたボルト挿通孔に挿通されていることを特
    徴とする熱交換器。
  2. 【請求項２】 前記ソケット（１２）の互いに当接して
    いる直方形外縁部（１３）がガス入口側のチューブ・プ
    レート（２）から隔置されていることと、該ソケット
    （１２）の下側と該チューブ・プレート（２）との間の
    スペースがセラミック・マット（１９）で充填されてい
    ることとを特徴とする請求項１に記載の熱交換器。
  3. 【請求項３】 ガス入口側のチューブ・プレート（２）
    と、管群（１）の各チューブ入口のうちソケット（１
    ２）に面している側とが、金属材料とセラミック材料よ
    り成る２層のコーティング層（２０）で被覆されている
    ことを特徴とする請求項１又は２に記載の熱交換器。
  4. 【請求項４】 前記各チューブ入口内側の前記２層コー
    ティング層（２０）が、管群（１）の各チューブに挿入
    されたソケット（１２）のチューブ部分（１４）の下端
    を越えてその下方まで延在していることを特徴とする請
    求項３に記載の熱交換器。
  5. 【請求項５】 前記各チューブが外管（１０）により密
    接状態に取り囲まれている耐高温腐食性にすぐれた内管
    を備えた複合構造管として構成されていることを特徴と
    する請求項１より４までのいずれか１項に記載の熱交換
    器。
  6. 【請求項６】 冷却すべき合成ガスが貫流するようにさ
    れていて、２つのチューブ・プレート（２、３）の間で
    保持されているとともに、ジャケット（４）により取り
    囲まれている熱交換器用の管群（１）を備えている石炭
    ガス化装置で発生した合成ガスを冷却する熱交換器であ
    って、ガス入口側のチューブ・プレート（２）がセラミ
    ック層で覆われている熱交換器において、前記セラミッ
    ク層が、互いに隣接して配置されているとともに、上部
    に互いに当接する直方形の外縁部（１３）を、下部に前
    記管群（１）の各チューブ内に差し込まれたチューブ部
    分（１４）をそれぞれ具備し、かつ前記直方形外縁部
    （１３）の内側から下に向かって円錐状に挟窄されて前
    記チューブ部分（１４）内部に移行する開口（１５）を
    それぞれ備えた複数のソケット（１２）から構成されて
    おり、前記ソケット（１２）の各直方形外縁部（１３）
    の各コーナーに断面四分円状の縦溝（１６）がそれぞれ
    形成されており、前記ガス入口側のチューブ・プレート
    （２）に固定されたボルト（１７）が互いに当接する前
    記直方形外縁部（１３）の前記縦溝（１６）によって形
    成された断面円形のボルト挿通孔に挿通されており、前
    記ソケット（１２）の互いに当接している直方形外縁部
    （１３）がガス入口側のチューブ・プレート（２）から
    隔置されているとともに、該ソケット（１２）の下側と
    該チューブ・プレート（２）との間のスペースがセラミ
    ック・マット（１９）で充填されており、ガス入口側の
    チューブ・プレート（２）と、管群（１）の各チューブ
    入口のうちソケット（１２）に面している側とが、金属
    材料とセラミック材料より成る２層のコーティング層
    （２０）で被覆されているとともに、前記各チューブ入
    口内側の前記２層コーティング層（２０）が、管群
    （１）の各チューブに挿入されたソケット（１２）のチ
    ューブ部分（１４）の下端を越えてその下方まで延在し
    ており、また、前記各チューブが外管（１０）により密
    接状態に取り囲まれている耐高温腐食性にすぐれた内管
    を備えた複合構造管として構成されていることを特徴と
    する熱交換器。
JP28810592A 1992-04-29 1992-09-15 石炭ガス化装置で発生した合成ガスを冷却する熱交換器 Expired - Lifetime JP3362170B2 (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
DE92107283.1 1992-04-29
EP92107283A EP0567674B1 (de) 1992-04-29 1992-04-29 Wärmetauscher zum Kühlen von in einer Kohlevergasungsanlage erzeugtem Synthesegas

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JPH05306893A JPH05306893A (ja) 1993-11-19
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JP28810592A Expired - Lifetime JP3362170B2 (ja) 1992-04-29 1992-09-15 石炭ガス化装置で発生した合成ガスを冷却する熱交換器

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DE (1) DE59200074D1 (ja)

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