JP3362110B2 - 共役ジエン重合体の水添方法 - Google Patents

共役ジエン重合体の水添方法

Info

Publication number
JP3362110B2
JP3362110B2 JP25218097A JP25218097A JP3362110B2 JP 3362110 B2 JP3362110 B2 JP 3362110B2 JP 25218097 A JP25218097 A JP 25218097A JP 25218097 A JP25218097 A JP 25218097A JP 3362110 B2 JP3362110 B2 JP 3362110B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrogenation
compound
conjugated diene
mmol
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP25218097A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1171426A (ja
Inventor
浩一 宮本
裕一 北川
茂 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP25218097A priority Critical patent/JP3362110B2/ja
Publication of JPH1171426A publication Critical patent/JPH1171426A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3362110B2 publication Critical patent/JP3362110B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機アルカリ金属
化合物を重合開始剤として重合した共役ジエン重合体を
不活性有機溶媒中にて水素と接触させて共役ジエンの二
重結合を水素添加する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィン性不飽和二重結合を含有する
重合体は、不飽和二重結合が加硫等に有利に利用される
反面、かかる二重結合は耐熱性、耐酸化性等の安定性に
劣る欠点を有している。これらの安定性に劣る欠点は、
重合体を水添して重合体鎖中の不飽和二重結合をなくす
ことにより著しく改善される。しかし、重合体を水添す
る場合には低分子化合物を水添する場合に比べて、反応
系の粘度や重合体鎖の立体障害等の影響をうけて水添し
にくくなる。さらに水添終了後、触媒を物理的に除去す
ることが極めて難しく、実質上完全に分離することがで
きない等の欠点がある。従って経済的に有利に重合体を
水添するためには、脱灰の不要な程度の使用量で活性を
示す高活性水添触媒、あるいは極めて容易に脱灰できる
触媒の開発が強く望まれている。また、アルカリ金属化
合物の残存量が高いと水添された重合体の耐候変色性が
悪化するなどの問題がある。
【0003】本願出願人らは既に特定のチタノセン化合
物とアルキルリチウムを組み合わせて、オレフィン化合
物を水添する方法(特開昭61−33132号、特開平
1−53851号)、メタロセン化合物と有機アルミニ
ウム、亜鉛、マグネシウムと組み合わせでオレフィン性
不飽和(共)重合体を水添する方法(特開昭61−28
507号、62−209103号)、特定のチタノセン
化合物とアルキルリチウムとの組合せでオレフィン性不
飽和基含有リビングポリマーを水添させる方法(特開昭
61−47706号、特開昭63−5402号)等をす
でに発明してきた。しかし、これらの方法は高活性なも
のの、水添触媒の取扱い方が難しく、長期貯蔵安定性に
も難があった。またチタノセン化合物を低原子価に還元
するために還元剤(有機金属)が必要であった。これら
還元剤とチタノセンのモル比、接触条件により水添活性
が大きく変わるため取り扱いにくい欠点があった。
【0004】さらに、チタノセン化合物とトリメチルア
ルミニウムのメタラサイクル化合物であるTebbe試
薬とアルキルアルカリ金属化合物を組み合わせた反応物
によるオレフィン性不飽和二重結合含有ポリマー中のオ
レフィン性二重結合を水添する方法(米国特許5244
980号)が公知である。この方法では、高い水添活性
を発現するためには、助触媒として多量のアルキルアル
カリ金属化合物を必要とし、また触媒の活性が劣るので
触媒使用量が多いなどの欠点がある。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、有機アル
カリ金属化合物を重合開始剤として重合した共役ジエン
重合体を不活性有機溶媒中にて水素と接触させて共役ジ
エンの二重結合を水素添加する際に、水添触媒が安定で
取り扱い易く、また助触媒としてアルカリ金属化合物を
必要とせず、触媒使用量が極めて少なく、広い温度領域
で再現性よく定量水添可能な、工業的に有利な方法を提
供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、
(1)有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として重合
した共役ジエン重合体に失活剤を加えて失活せしめ、不
活性有機溶媒中にて水素と接触させて共役ジエンの二重
結合を水素添加する際に、下記(A)成分の触媒の存在
下に、(M−Z+Al−Ti)/Tiが−6から+2の
範囲で行うことを特徴とする共役ジエン重合体の水素添
加方法、(A)成分は、下記一般式で示される有機金属
化合物
【0007】
【化2】
【0008】(但し、R1〜R10は水素、C1〜C12の炭
化水素基またはC1〜C12のアルキルシリル基をあらわ
し、同一でも異なっていてもよい。Xはハロゲン原子ま
たはメチル基をあらわす。) Mは有機アルカリ金属化合物のモル量、Zは失活剤のモ
ル量、Alは有機アルミニウム化合物のモル量、Tiは
有機チタン化合物のモル量である。
【0009】(2)水素添加する際に、直鎖状エーテル
化合物を実質的に含まない不活性炭化水素溶媒中で行う
ことを特徴とする前記(1)の水素添加方法、(3)有
機アルカリ金属化合物を重合開始剤として重合した共役
ジエン重合体に(M−Z)/Tiが−5から+1.9の
範囲で失活剤を加えた後水素添加する前記(1)の水素
添加方法、(4)(M−Z+Al−Ti)/Tiが−3
から+1の範囲で水素添加を行うことを特徴とする前記
(1)の水素添加方法、(5)(A)成分としてチタノ
センジハライド類とトリメチルアルミニウムの反応混合
物を用いる前記(1)の水素添加方法、(6)水素添加
する際に第3級アミン化合物の存在下におこなう前記
(1)の水素添加方法、である。
【0010】本発明者らは、有機アルカリ金属化合物を
重合開始剤として重合した共役ジエン重合体を不活性有
機溶媒中にて水素と接触させて共役ジエンの二重結合を
水素添加する際に、特定のチタノセン化合物である
(A)成分の存在下で、特定の条件下、すなわち、(M
−Z+Al−Ti)/Tiが−6から+2の範囲で行う
ことにより、アルカリ金属化合物を用いずに共役ジエン
系重合体または、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素と
の共重合体のオレフィン性不飽和二重結合を定量水添、
すなわち定量的に水添し得ることを見いだした。しか
も、この系は驚くべき事に前記のTebbe試薬と有機
アルカリ金属化合物(助触媒)を用いた系に比べ、脱灰
が不要なほどはるかに低レベルの水添触媒の使用量で、
定量水添を行えること、また、より広い温度領域で水添
活性があるため、重合後、水添時の温度コントロール等
の工程が不要であり、溶液粘度の低い高温度領域での水
添が可能なため、水添時間の短縮が可能であること等を
見出した。さらに、有機アルカリ金属化合物の添加によ
る、水添時におけるTiと有機アルカリ金属化合物比の
コントロールが不要で、つねに再現性の極めて高い活性
を示すことも見いだし、本発明を完成するに至ったもの
である。すなわち、有機アルカリ金属化合物を加えるこ
となく、きわめて高い触媒活性を示し、触媒の耐熱性が
大幅に向上し、かつ広い温度領域で高活性を示すこと、
さらに特定の添加剤を共存させることによってさらに触
媒活性の長期安定性をも格段に向上するという驚くべき
事実に基いてなされたものである。
【0011】本発明で重合開始剤として用いられる有機
アルカリ金属化合物は、一般的に共役ジエン化合物に対
しアニオン重合活性があることが知られている脂肪族炭
化水素アルカリ金属化合物、芳香族炭化水素アルカリ金
属化合物、有機アミノアルカリ金属化合物等が含まれ、
アルカリ金属としてはリチウム、ナトリウム、カリウム
等である。好適な有機アルカリ金属化合物としては、炭
素数1から20の脂肪族および芳香族炭化水素リチウム
化合物であり、1分子中に1個のリチウムを含む化合
物、1分子中に複数のリチウムを含むジリチウム化合
物、トリリチウム化合物、テトラリチウム化合物が含ま
れる。具体的にはn−プロピルリチウム、n−ブチルリ
チウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリ
チウム、n−ペンチルリチウム、n−ヘキシルリチウ
ム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、トリルリチ
ウム、ジイソプロペニルベンゼンとsec−ブチルリチ
ウムの反応生成物、さらにジビニルベンゼンとsec−
ブチルリチウムと少量の1,3−ブタジエンの反応生成
物等があげられる。
【0012】本発明の共役ジエン重合体は、共役ジエン
のホモ重合体、2種以上の共役ジエンからなる共役ジエ
ンの共重合体、また共役ジエンと共重合可能な他の単量
体との共重合体であって、該重合体中に共役ジエンから
由来するオレフィン2重結合を有する1,4−重合体、
1,2または3,4−重合体を含むものである。共役ジ
エンとしては、炭素数4から20の炭素原子を有する共
役ジエン、具体的には1,3−ブタジエン、イソプレ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−
ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、
1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オ
クタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン等が挙
げられる。工業的に有利に展開でき、物性の優れた弾性
体を得る上からは、1,3−ブタジエン、イソプレンが
好ましい。また、共役ジエンと共重合可能な他の単量体
として代表的なものはビニル芳香族化合物である。例え
ばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、
N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N
−ジエチル−p−アミノエチルスチレン等があげられ、
好ましくはスチレン、α−メチルスチレンである。これ
らの共重合体はランダム、またはブロック共重合体であ
る。
【0013】本発明で用いられる不活性炭化水素溶媒と
しては、共役ジエン重合体の溶媒であって水素添加の際
に反応に悪影響を与えないものである。本発明ではさら
に、重合に引き続いて同じ不活性炭化水素溶媒中で水素
添加が行われることが好ましい。好適な溶媒は、例えば
n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、n−ヘキサ
ン、n−ヘプタン、n−オクタンの如き脂肪族炭化水素
類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘ
プタンの如き脂環式炭化水素類、また、ベンゼン、トル
エン、キシレン、エチルベンゼンの如き芳香族炭化水素
も、選択された水添条件下で芳香族二重結合が水添され
ない時に限って使用することができる。
【0014】触媒成分(A)は、下記一般式で示される
有機金属化合物
【0015】
【化3】
【0016】(但し、R1〜R10は水素、C1〜C12の炭
化水素基またはC1〜C12のアルキルシリル基をあらわ
し、同一でも異なっていてもよい。Xはハロゲン原子ま
たはメチル基をあらわす。)である。すなわちTebb
e試薬またはTebbe試薬類似の構造を有するチタノ
センジハライド化合物とトリメチルアルミニウムとのメ
タラサイクル化合物すなわちTebbe型錯体を含むも
のである。
【0017】触媒成分(A)における、R1〜R10置換
基の、C1〜C12の炭化水素基としては直鎖の炭化水素
基、側鎖を有する炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香
族炭化水素基が含まれ、またC1〜C12のアルキルシリ
ル基としてはRR’R’’Si−または−SiRR’−
(R、R’、R’’はそれぞれC1〜C12のアルキル
基)であらわされ、R1〜R5の中でまたR6〜R10の中
で環を形成している構造のものも含まれ、また、R1
5置換基のうち1個とR6〜R10置換基のうち1個とが
互いに橋架けされた構造のものも含まれる。R1〜R10
置換基の具体例としては、水素、メチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブ
チル、sec−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、
1−メチルブチル、2−メチルブチル、1,2−ジメチ
ルプロピル、ネオペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシ
ル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メ
チルペンチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメ
チルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,2−ジメチ
ルブチル、1,3−ジメチルブチル、1,1−エチルメ
チルプロピル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、
シクロヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、4−メ
チルヘキシル、3−メチルヘキシル、2−メチルヘキシ
ル、1−メチルヘキシル、1,1−ジメチルペンチル、
2,2−ジメチルペンチル、3,3−ジメチルペンチ
ル、4,4−ジメチルペンチル、1,2−ジメチルペン
チル、1,3−ジメチルペンチル、1,4−ジメチルペ
ンチル、1−エチルペンチル、1−プロピルブチル、2
−エチルペンチル、3−エチルペンチル、1,1−エチ
ルメチルブチル、1,1−ジエチルプロピル、2,3−
ジメチルペンチル、2,4−ジメチルペンチル、3,4
−ジメチルペンチル、1−エチル−2−メチルブチル、
1−エチル−3−メチルブチル、4−メチルシクロヘキ
シル、3−メチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、
1,1,2−トリメチルブチル、1,1,3−トリメチ
ルブチル、2,2,1−トリメチルブチル、2,2,3
−チルメチルブチル、3,3,1−トリメチルブチル、
3,3,2−トリメチルブチル、1,1,2,2−テト
ラメチルプロピル、n−オクチル、1−メチルヘプチ
ル、2−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、4−メ
チルヘプチル、5−メチルヘプチル、イソオクチル、1
−エチルヘキシル、2−エチルヘキシル、3−エチルヘ
キシル、4−エチルヘキシル、1,1−ジメチルヘキシ
ル、2,2−ジメチルヘキシル、3,3−ジメチルヘキ
シル、4,4−ジメチルヘキシル、5,5−ジメチルヘ
キシル、1,2−ジメチルヘキシル、1,3−ジメチル
ヘキシル、1,4−ジメチルヘキシル、1,5−ジメチ
ルヘキシル、2,3−ジメチルヘキシル、2,4−ジメ
チルヘキシル、3,4−ジメチルヘキシル、2,5−ジ
メチルヘキシル、3,5−ジメチルヘキシル、1,1−
メチルエチルペンチル、1−エチル−2−メチルペンチ
ル、1−エチル−3−メチルペンチル、1−エチル−4
−メチルペンチル、2−エチル−1−メチルペンチル、
2,2−エチルメチルペンチル、3,3−エチルメチル
ペンチル、2−エチル−3−メチルペンチル、2−エチ
ル−4−メチルペンチル、3−エチル−4−メチルペン
チル、3−エチル−2−メチルペンチル、1,1−ジエ
チルブチル、2,2−ジエチルブチル、1,2−ジエチ
ルブチル、1,1−メチルプロピルブチル、2−メチル
−1−プロピルブチル、3メチル−1−プロピルブチ
ル、4−エチルシクロヘキシル、3−エチルシクロヘキ
シル、3,4−ジメチルシクロヘキシル、1,1,2−
トリメチルペンチル、1,1,3−トリメチルペンチ
ル、1,1,4−トリメチルペンチル、2,2,1−ト
リメチルペンチル、2,2,3−トリメチルペンチル、
2,2,4−トリメチルペンチル、3,3,1−トリメ
チルペンチル、3,3,2−トリメチルペンチル、3,
3,4−トリメチルペンチル、1,2,3−トリメチル
ペンチル、1,2,4−トリメチルペンチル、1,3,
4−トリメチルペンチル、1,2,3−トリメチルペン
チル、1,2,4−トリメチルペンチル、1,3,4−
トリメチルペンチル、1,1,2,2−テトラメチルブ
チル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1,1,
2,3−テトラメチルブチル、2,2,1,3−テトラ
メチルブチル、1−エチル−1,2−ジメチルブチル、
2−エチル−1,2−ジメチルブチル、1−エチル−
2,3−ジメチルブチル、n−ノニル、イソノニル、1
−メチルオクチル、2−メチルオクチル、3−メチルオ
クチル、4−メチルオクチル、5−メチルオクチル、6
−メチルオクチル、1−エチルヘプチル、2−エチルヘ
プチル、3−エチルヘプチル、4−エチルヘプチル、5
−エチルヘプチル、1,1−ジメチルヘプチル、2,2
−ジメチルヘプチル、3,3−ジメチルヘプチル、4,
4−ジメチルヘプチル、5,5−ジメチルヘプチル、
6,6−ジメチルヘプチル、1,2−ジメチルヘプチ
ル、1,3−ジメチルヘプチル、1,4−ジメチルヘプ
チル、1,5−ジメチルヘプチル、1,6−ジメチルヘ
プチル、2,3−ジメチルヘプチル、2,4−ジメチル
ヘプチル、2,5−ジメチルヘプチル、2,6−ジメチ
ルヘプチル、3,4−ジメチルヘプチル、3,5−ジメ
チルヘプチル、3,6−ジメチルヘプチル、4,5−ジ
メチルヘプチル、4,6−ジメチルヘプチル、5,6−
ジメチルヘプチル、1,1,2−トリメチルヘキシル、
1,1,3−トリメチルヘキシル、1,1,4−トリメ
チルヘキシル、1,1,5−トリメチルヘキシル、2,
2,1−トリメチルヘキシル、2,2,3−トリメチル
ヘキシル、2,2,4−トリメチルヘキシル、2,2,
5−トリメチルヘキシル、3,3,1−トリメチルヘキ
シル、3,3,2−トリメチルヘキシル、3,3,4−
トリメチルヘキシル、3,3,5−トリメチルヘキシ
ル、4,4,1−トリメチルヘキシル、4,4,2−ト
リメチルヘキシル、4,4,3−トリメチルヘキシル、
4,4,5−トリメチルヘキシル、5,5,1−トリメ
チルヘキシル、5,5,2−トリメチルヘキシル、5,
5,3−トリメチルヘキシル、5,5,4−トリメチル
ヘキシル、1,2,3−トリメチルヘキシル、2,3,
4−トリメチルヘキシル、3,4,5−トリメチルヘキ
シル、1,3,4−トリメチルヘキシル、1,4,5−
トリメチルヘキシル、2,4,5−トリメチルヘキシ
ル、1,2,5−トリメチルヘキシル、1,2,4−ト
リメチルヘキシル、1,1−エチルメチルヘキシル、
2,2−エチルメチルヘキシル、3,3−エチルメチル
ヘキシル、4,4−エチルメチルヘキシル、5,5−エ
チルメチルヘキシル、1−エチル−2−メチルヘキシ
ル、1−エチル−3−メチルヘキシル、1−エチル−4
−メチルヘキシル、1−エチル−5−メチルヘキシル、
2−エチル−1−メチルヘキシル、3−エチル−1−メ
チルヘキシル、3−エチル−2−メチルヘキシル、1,
1−ジエチルペンチル、2,2−ジエチルペンチル、
3,3−ジエチルペンチル、1,2−ジエチルペンチ
ル、1,3−ジエチルペンチル、2,3−ジエチルペン
チル、1,1−メチルプロピルペンチル、2,2−メチ
ルプロピルペンチル、1−メチル−2−プロピルペンチ
ル、n−デシル、イソデシル、1−メチルノニル、2−
メチルノニル、3−メチルノニル、4−メチルノニル、
5−メチルノニル、6−メチルノニル、7−メチルノニ
ル、1−エチルオクチル、2−エチルオクチル、3−エ
チルオクチル、4−エチルオクチル、5−エチルオクチ
ル、6−エチルオクチル、1,1−ジメチルオクチル、
2,2−ジメチルオクチル、3,3−ジメチルオクチ
ル、4,4−ジメチルオクチル、5,5−ジメチルオク
チル、6,6−ジメチルオクチル、7,7−ジメチルオ
クチル、1,2−ジメチルオクチル、1,3−ジメチル
オクチル、1,4−ジメチルオクチル、1,5−ジメチ
ルオクチル、1,6−ジメチルオクチル、1,7−ジメ
チルオクチル、2,3−ジメチルオクチル、2,4−ジ
メチルオクチル、2,5−ジメチルオクチル、2,6−
ジメチルオクチル、2,7−ジメチルオクチル、3,4
−ジメチルオクチル、3,5−ジメチルオクチル、3,
6−ジメチルオクチル、3,7−ジメチルオクチル、
4,5−ジメチルオクチル、4,6−ジメチルオクチ
ル、4,7−ジメチルオクチル、5,6−ジメチルオク
チル、5,7−ジメチルオクチル、n−ウンデシル、n
−ドデシル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ト
リブチルシリル、トリオクチルシリル、メチルジブチル
シリル等が挙げられ、また環を形成または橋架けしてい
るものとしてフルオレニル、インデニル、テトラヒドロ
インデニル、メチレン、エチレン、−C(CH32−、
−C(C252−、−Si(CH32−、−Si(C2
52−等が挙げられる。これらは単独あるいは相互に
組み合わせて用いることが出来るが、以上の例示に限定
されない。またシクロペンタジエニル化合物の炭化水素
基またはアルキルシリル基の置換数はいくつでもかまわ
ないがシクロペンタジエニル化合物の置換数が0〜4の
ものが好適に用いられる。特に本発明で共役ジエン系重
合体または、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との共
重合体中の共役ジエン部の不飽和二重結合に対する水添
活性が高く、かつ広い温度領域中で選択的に水添する望
ましいものとしては、水素、及び炭化水素基がメチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブ
チル、t−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、イ
ソペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、
1,2−ジメチルプロピル、ネオペンチル、n−ヘキシ
ル、イソヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペ
ンチル、3−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチ
ル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチ
ル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチ
ル、1,1−エチルメチルプロピル、1−エチルブチ
ル、2−エチルブチル、シクロヘキシル、n−ヘプチ
ル、イソヘプチル、4−メチルヘキシル、3−メチルヘ
キシル、2−メチルヘキシル、1−メチルヘキシル、
1,1−ジメチルペンチル、2,2−ジメチルペンチ
ル、3,3−ジメチルペンチル、4,4−ジメチルペン
チル、1,2−ジメチルペンチル、1,3−ジメチルペ
ンチル、1,4−ジメチルペンチル、1−エチルペンチ
ル、1−プロピルブチル、2−エチルペンチル、3−エ
チルペンチル、1,1−エチルメチルブチル、1,1−
ジエチルプロピル、2,3−ジメチルペンチル、2,4
−ジメチルペンチル、3,4−ジメチルペンチル、1−
エチル−2−メチルブチル、1−エチル−3−メチルブ
チル、4−メチルシクロヘキシル、3−メチルシクロヘ
キシル、シクロヘプチル、1,1,2−トリメチルブチ
ル、1,1,3−トリメチルブチル、2,2,1−トリ
メチルブチル、2,2,3−チルメチルブチル、3,
3,1−トリメチルブチル、3,3,2−トリメチルブ
チル、1,1,2,2−テトラメチルプロピル、n−オ
クチルのものを挙げることが出来る。さらに活性上特に
望ましいものは、水素、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、s
ec−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、1−メチ
ルブチル、2−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピ
ル、ネオペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、1−
メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペン
チル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチ
ル、3,3−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチ
ル、1,3−ジメチルブチル、1,1−エチルメチルプ
ロピル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、シクロ
ヘキシル、n−ヘプチル、を挙げることが出来る。
【0018】かかる(A)成分の代表的な製法は、対応
するチタノセンのジハライド化合物とトリメチルアルミ
ニウムの反応から得られる。(A)成分は、反応混合物
から単離して得られたものを用いても、反応混合物をそ
のまま用いても良いが、反応混合物をそのまま用いる方
法が工業的に有利である。その場合、単にチタノセン化
合物とトリメチルアルミを混合しただけでは(A)成分
は生成せず、十分に反応させる必要がある。具体的に
は、チタノセンジハライドを不活性溶媒中に分散または
溶解しトリメチルアルミニウムを加えて0℃から100
℃の温度で十分に攪拌して反応させる。反応温度は低す
ぎると時間がかかりすぎ、一方高すぎると副反応が起こ
りやすく、水添触媒としての活性が低下する。好ましく
は10℃から50℃の温度である。又反応は2段階で進
むため当初は(A)成分が全く生成せず、好ましくは室
温で1日以上の時間である。したがって、(A)成分が
生成していることを確認する事が重要である。具体的に
は、NMR等により(A)成分が生成していることを確
認することができる。錯体の確認方法としてはTebb
eらが報告している手法(J.Am.Chem.So
c.100,3611−3613,1978)を用いる
のが好ましい。(A)成分の1H−NMRを測定する
と、特有のTi−Alメタラサイクルのメチレン架橋部
分のプロトン吸収は一般のTi錯体,Al化合物のプロ
トン吸収に比べ特異的に低磁場に現れることがわかって
いる。(7.8〜8.3ppm)このピークと他の副生
成物のピークとの比較により、生成していることの確認
と比率を求めることが出来る。
【0019】本発明において、共役ジエン重合体を不活
性有機溶媒中にて水素と接触させて共役ジエンの二重結
合を水素添加する際に、(M−Z+Al−Ti)/Ti
が−6を越え+2未満の範囲であることが必要である。
好ましくは−3以上+1以下の範囲である。なお、Mは
系内に加えられた有機アルカリ金属化合物のモル量、Z
は失活剤のモル量、Alは有機アルミニウム化合物のモ
ル量、Tiは有機チタン化合物のモル量である。この範
囲から外れて、この値が高くても低くても、少量の水添
触媒成分で高い水添活性が得られるという本発明の優れ
た効果が発現しない。
【0020】Mすなわち有機アルカリ金属化合物のモル
量とは、共役ジエン重合体を重合する際に用いた重合開
始剤の有機アルカリ金属化合物に含まれるアルカリ金属
のモル量である。
【0021】失活剤とは、有機金属化合物の失活剤とし
て作用する化合物であり、この場合共役ジエン重合体を
重合する際に用いた重合開始剤の有機アルカリ金属化合
物を失活させる能力を有する化合物および(A)成分を
合成する際に用いる有機アルミニウム化合物を失活させ
る能力を有する化合物である。Zすなわち失活剤のモル
量としては、1価の化合物はそのモル量を、多価の化合
物はそのモル量に価数を乗じた数とする。
【0022】Alすなわち有機アルミニウム化合物のモ
ル量とは、水添系内に加えられた有機アルミニウム化合
物のモル量であり、(A)成分中に取り込まれたアルミ
ニウムのモル量および場合により(A)成分を合成する
際に用いる有機アルミニウム化合物の未反応物ならびに
その際に生成する有機アルミニウム化合物のアルミニウ
ムのモル量の合計量である。
【0023】Tiすなわち有機チタン化合物のモル量と
は、水添系内に加えられた有機チタン化合物のモル量で
あり、(A)成分中に取り込まれたチタンのモル量およ
び場合により(A)成分を合成する際に用いる有機チタ
ン化合物の未反応物ならびにその際に生成する有機チタ
ン化合物のチタンのモル量の合計量である。
【0024】失活剤としては、水酸基、カルボニル基、
エステル基、エポキシ基等の有機金属化合物と反応して
アルコキシ金属類を生成するもの、ハロゲン化合物のよ
うにハロゲン化金属類を生成するものが好ましい。ま
た、場合によりエステル化合物、多価エポキシ化合物、
多価ハロゲン化合物は共役ジエン重合体のアルカリ金属
末端と反応してカップリングさせ分子量を増大させた
り、分岐を生成させたりするのに利用される。失活剤の
例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノー
ル、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノ
ール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペン
タノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−
ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、
3−ヘプタノール、4−ヘプタノール、オクタノール、
ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ラウリルア
ルコール、アリルアルコール、シクロヘキサノール、シ
クロペンタノール、ベンジルアルコール等のアルコール
類、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p
−クレゾール、p−アリルフェノール、2,6−ジ−t
−ブチル−p−クレゾール、キシレノール等のフェノー
ル類、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酢酸、ペンタン
酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、デカリン酸、ミリスチン
酸、ステアリン酸、ベヘン酸、安息香酸等の有機カルボ
ン酸、アセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケト
ン、ジイソプロピルケトン、アセチルアセトン、ベンツ
アルデヒド、ジフェニルケトン、アセチルベンゼン等の
カルボニル化合物、酢酸エチル、プロピオン酸ブチル、
アジピン酸ジエチル、安息香酸メチル、テレフタル酸ジ
メチル、ピロメリット酸トリメチル等のエステル類があ
げられる。また、水、炭酸ガス等の量比のコントロール
が工業的に可能であれば、これらも失活剤として用いる
ことができる。また、ハロゲンを有する化合物として塩
化ベンジル、メチルクロライド(ブロマイド)、エチル
クロライド(ブロマイド)、プロピルクロライド(ブロ
マイド)、n−ブチルクロライド(ブロマイド)、ジブ
ロモエタン等のハロゲン化炭化水素類、一般式R4-n
iXn(ただし、Rは炭素数1から20の炭化水素基、
Xはハロゲン、nは1から4の整数を示す)で示される
ハロゲン化珪素化合物、例えばトリメチルシリルクロラ
イド、トリメチルシリルブロマイド、ジエチルシリルジ
クロリド、メチルシリルトリクロリド、t−ブチルシリ
ルトリクロリド、テトラクロルシラン等、一般式R4-n
SnXn(ただし、Rは炭素数1から20の炭化水素
基、Xはハロゲン、nは1から4の整数を示す)で示さ
れるハロゲン化錫化合物、例えばトリメチル錫クロライ
ド、トリメチル錫ブロマイド、トリブチル錫クロリド、
ジエチル錫ジクロリド、メチル錫トリクロリド、t−ブ
チル錫トリクロリド、テトラクロル錫等を挙げることが
できる。これらは単独で使用しても二種以上混合して使
用しても構わない。
【0025】また、1級アミン、2級アミン、分子状水
素、アセチレン類、アレン類等を重合系に加えることに
より有機アルカリ金属化合物を重合に対して不活性なも
のとすることができるが、場合によってはチタノセン類
と好ましくない副反応を起こす可能性があり、好ましく
は上に挙げた失活剤を更に加えることが必要である。そ
の場合、上に挙げた失活剤の量をZとする。
【0026】本発明において、失活剤は、有機アルカリ
金属化合物を重合開始剤として重合して得られた共役ジ
エン重合体に加えるが、その場合、有機アルカリ金属化
合物を重合開始剤として重合した共役ジエン重合体に
(M−Z)/Tiが−5以上+1.9以下の範囲で失活
剤を加えた後水素添加する水素添加方法が好ましい。こ
の範囲では、本発明の特長である少量の水添触媒成分で
特に高い水添活性が得られる。
【0027】また本発明において(A)成分としてチタ
ノセンジハライド類とトリメチルアルミニウムの反応混
合物をそのまま用いる場合、工業的に入手しやすい化合
物を原料とするため、工業的に有利な方法である。この
場合は、(A)成分が、チタノセンジハライドのチタン
をベースに収率が20%以上が好ましく、50%以上で
あることがさらに好ましい。
【0028】また本発明において(A)成分としてチタ
ノセンジハライド類とトリメチルアルミニウムの反応混
合物をそのまま用いる場合、失活剤をその反応混合物に
も加えることができる。その場合は、反応混合物におい
て(Al−Ti−Z)/Tiが−1以上+5以下の範囲
で失活剤を加えた後ポリマー溶液に加えて、水素添加す
る方法が好ましい。さらに好ましくは(Al−Ti−
Z)/Tiが−0.5以上+2以下の範囲で失活剤を加
える方法である。この範囲では、本発明の特長である特
に高い水添活性が長期にわたって維持され、工業的に極
めて有利な方法である。
【0029】本発明において、水素添加する際に、直鎖
状エーテル化合物を実質的に含まない不活性炭化水素溶
媒中で行うことが必要である。直鎖状エーテル化合物と
しては、ジアルキルエーテル、ジアルキルエチレングリ
コールなどの直鎖状のエーテル化合物である。たとえ
ば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジ−n−プ
ロピルエーテル、ジ−i−プロピルエーテル、ジ−n−
ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテ
ル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレング
リコールジブチルエーテルなどである。これが水素添加
する際に存在すると、水添触媒の活性が低下し、本発明
の目的とする少量の水添触媒で高い水添率を得ることが
出来なくなる。また実質的に含まないということは、そ
の効果があらわれない程度の少ない量を意味する。通
常、直鎖状エーテル化合物は水添触媒の有機チタン化合
物のモル量に対し0.1モル以上では水添触媒の活性が
低下する。 また、水素添加する際に第3級アミン化合
物の存在下におこなうと、さらに本発明の特長である少
量の水添触媒成分で特に高い水添活性が得られる。
【0030】第3級アミンとしては一般式R111213
N(ただしR11、R12、R13は炭素数1から20の炭化
水素基または3級アミノ基を有する炭化水素基である)
の化合物である。たとえば、トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニ
リン、N−エチルピペリジン、N−メチルピロリジン、
N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、
N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、
1,2−ジピペリジノエタン、トリメチルアミノエチル
ピペラジン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチル
エチレントリアミン、N,N’−ジオクチル−p−フェ
ニレンジアミン等である。これらは重合の際に共役ジエ
ンのビニル化の為に加えられたものを含む。
【0031】第3級アミン化合物は、Tiに対して0.
0005〜200モルの存在が好ましく、さらに0.1
〜70モルの存在がより好ましい。
【0032】本発明において有機アルカリ金属化合物を
重合開始剤として共役ジエンまたは共役ジエンと他の単
量体を重合する際に、共役ジエンのビニル構造(1,2
または3,4結合)を増やすために3級アミノ化合物ま
たはエーテル化合物を添加することができる。このうち
特に3級アミノ化合物が好ましい。3級アミノ化合物と
しては、上に挙げた化合物である。またエーテル化合物
としては、ジエチルエーテルなどの直鎖状エーテル化合
物は水添に悪影響を及ぼし本発明の効果を阻害するため
用いることができない。エーテル化合物としては、好適
にはテトラヒドロフラン、2,5−ジメチルオキソラ
ン、2,2,5,5−テトラメチルオキソラン、2,2
−ビス(2−オキソラニル)プロパン等の環状エーテル
である。
【0033】本発明において有機アルカリ金属化合物を
重合開始剤として共役ジエンまたは共役ジエンと他の単
量体を重合する際にバッチ重合であっても連続重合であ
ってもよい。
【0034】本発明の好ましい実施態様として、共役ジ
エン重合体ブロック(D)とビニル芳香族重合体ブロッ
ク(S)からなるブロック共重合体、特に、(D−S)
2型、(S−D−S)3型、(D−S−D−S)4型、
(D−S−D−S−D)5型、(c)−(D−S)n
ジアル型(ただし、cはカップリング剤残基、nは3か
ら8の整数)単独またはこれらの混合物の、共役ジエン
ブロックの2重結合を水添したブロック共重合体が工業
的に重要な意味がある。具体例としては、スチレン重合
体ブロックとブタジエン重合体ブロックからなるこれら
のブロック共重合体のブタジエン部の2重結合を水添し
たブロック共重合体が、熱可塑性エラストマーとして、
ゴム状コンパウンドの原料ゴム、樹脂改質剤、粘接着剤
等の用途で極めて重要である。
【0035】本発明の水添反応は、分子状水素を用いて
行われ、より好ましくはガス状で共役ジエン重合体溶液
中に導入される。水添反応は、撹拌下で行われるのがよ
り好ましく、導入された水素を十分迅速に被水添物と接
触させることができる。水添反応はバッチ反応でも連続
反応でもよい。
【0036】本発明の水添反応において、(A)成分の
添加量は共役ジエン重合体100g当り0.001から
5ミリモルで十分である。この添加量範囲であれば共役
ジエン重合体2重結合を十分に水添することが可能で、
一方、共重合体中の芳香環の2重結合の水添は実質的に
起こらないので極めて高い水添選択性が実現される。2
0ミリモルを越える量の添加においても水添反応は可能
であるが、必要以上の触媒使用は不経済となり、水添反
応後の触媒脱灰、除去が複雑となる等不利となる。また
好ましい触媒添加量は、重合体100g当り0.002
から1ミリモル、さらに好ましくは重合体100g当り
0.005から0.2ミリモルである。
【0037】(A)成分は、水添反応に先だって全量を
加える事もできるし、2回またはそれ以上に分けて、一
部を水添反応に先だって加え、残りを水添中に追添して
もよい。また、水添中に追添する場合は連続的に加えて
もよい。好ましい(A)成分の添加方法としては、水添
開始前に全量に対して5〜99重量%を加え、最終の水
添率の30%以上、95%以下の段階で残りの量を分割
してまたは連続的に加える方法である。この場合、水添
反応に先だって全量を加える場合に比べ、(A)成分の
使用量を少なくすることができる。
【0038】水添反応は一般的に0から200℃の温度
範囲で実施される。0℃未満では水添速度が遅くなり、
多量の触媒を要するので経済的でなく、また200℃を
越える温度では副反応や分解、ゲル化を併発し易くな
り、触媒も失活するために水添活性が低下するので好ま
しくない。より望ましい温度範囲は20から180℃で
ある。
【0039】水添反応に使用される水素の圧力は0.1
から10MPaが好ましい。0.1MPa未満では水添
速度が遅くなって実質的に水添率を上げるのが難しくな
り、10MPaを越える圧力では昇圧と同時に水添反応
がほぼ完了し、実質的に意味がなく、不必要な副反応を
招くので好ましくない。より好ましい水添水素圧力は
0.2から3MPaであるが、触媒添加量等との相関で
最適水素圧力は選択され、実質的には前記好適触媒量が
少量になるに従って水素圧力は高圧側を選択して実施す
るのが好ましい。また、本発明の水添反応時間は通常数
秒ないし50時間である。水添反応時間及び水添圧力は
所望の水添率によって上記範囲内で適宜選択して実施さ
れる。
【0040】本発明の方法により、共役ジエン系共重合
体および共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との共重合
体中の2重結合は目的に合わせて任意の水添率が得られ
る。必要により95%以上、さらに98%以上の水添率
も安定して得ることが可能である。なお、水添率の分析
は、1H−NMRで容易に測定できる。
【0041】任意の水添率、例えば、ポリマー中の共役
ジエン部の2重結合のうち3〜95%の水添率で水添を
止めることも可能である。その場合、水素の供給量をコ
ントロールする方法、所望の水添率に達した時点で水添
触媒を失活させる方法等によって可能である。
【0042】本発明の方法により水添反応を行った重合
体溶液からは、必要に応じて触媒残査を除去し、水添さ
れた重合体を溶液から分離することができる。分離の方
法としては、例えば水添後の反応液にアセトンまたはア
ルコール等の水添重合体に対する貧溶媒となる極性溶媒
を加えて重合体を沈澱させて回収する方法、反応液を撹
拌下、熱湯中に投入後、溶媒と共に蒸留回収する方法、
または直接反応液を加熱して溶媒を留去する方法等を挙
げることができる。
【0043】本発明の水添方法は第一に使用する水添触
媒量がより少量であり助触媒を必要としない特徴を有す
る。従って、水添触媒がそのまま重合体に残存しても得
られる水添重合体の物性に著しい影響を及ぼさず、かつ
水添重合体の単離過程において触媒の大部分が分解、除
去され重合体より除かれるので、触媒を脱灰したり除去
したりするための特別な操作は必要としない、また有機
アルカリ金属助触媒が不要のため触媒組成最適化を行う
必要がなく、再現性のよい反応を極めて簡単なプロセス
で実施することができる。第二に触媒の耐熱性が優れ、
かつ比較的温度が低くても水添速度が低下しにくい為に
広い温度領域でオレフィン化合物の水素化反応に高活性
を示すことである。
【0044】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0045】実施例1 攪拌機およびジャケット付き5Lオートクレーブに、1
667gのシクロヘキサン、12.1mmolのsec
−BuLi、4.5mmolのN,N,N’,N’−テ
トラメチルエチレンジアミンを入れ、250gの30w
t%のスチレンのシクロヘキサン溶液を入れて75℃で
重合を行い、その後、1167gの30wt%の1,3
−ブタジエンのシクロヘキサン溶液を加えて同様に重合
を行い、さらに250gの30wt%のスチレンのシク
ロヘキサン溶液を加えて同様に重合を行ってSBS(ス
チレン−ブタジエン−スチレン)3型ブロックコポリマ
ーを得た。なお、用いたsec−BuLiのうち2%が
微量の水分で失活し、活性なリチウムは11.9mmo
lであった。このリビングポリマー溶液に12.37m
molのエタノールを加えてポリマー末端を失活させ
た。
【0046】別に、和光純薬製チタノセンジクロリド
0.94mmolとトリメチルアルミニウム1.88m
molのシクロヘキサン溶液を、室温で100時間攪拌
した。生成物の1/2の量を採取し、揮発分を留去した
後、残査を重ベンゼン溶液に溶かし、1H−NMRを測
定した、重ベンゼンの吸収である7.15ppmのピー
クを基準とし、それぞれのピークについてTebbeの
文献(J.Am.Chem.Soc.100,3611
−3613,1978)にあるTebbe型錯体の1H
−NMRの結果と比較し、一致することを確認した。
【0047】また(Cp)2TiClMeに由来するピ
ークも確認された。それぞれの化合物のピーク比からT
ebbe型錯体とCp2TiClMeのモル比は7:3
であることが確認された。残り1/2の反応生成物をS
BSポリマー溶液に加え、水素を吹き込んで水素分圧
0.7MPaで80℃で水添を行った。水添時間30分
で水添率99%であった。
【0048】なお、Mは11.9mmol、Zは12.
37mmol、Alは0.94mmol、Tiは0.4
7mmolであったので、(M−Z+Al−Ti)/T
iは0、(M−Z)/Tiは−1であった。
【0049】実施例2 実施例1と同様に有機アルカリ金属化合物を重合開始剤
として重合したSBS3型ブロックコポリマーのリビン
グポリマー溶液に13.78mmolのエタノールを加
えてポリマー末端を失活させた。
【0050】別に、和光純薬製チタノセンジクロリド
0.94mmolとトリメチルアルミニウム2.82m
molのシクロヘキサン溶液を、室温で72時間攪拌し
た。生成物の1/2の量を採取し、揮発分を留去した
後、残査を重ベンゼン溶液に溶かし、1H−NMRを測
定した、重ベンゼンの吸収である7.15ppmのピー
クを基準とし、それぞれのピークについてTebbeの
文献(J.Am.Chem.Soc.100,3611
−3613,1978)にあるTebbe型錯体の1H
−NMRの結果と比較し、一致することを確認した。
【0051】また(Cp)2TiClMeに由来するピ
ークも確認された。それぞれの化合物のピーク比からT
ebbe型錯体とCp2TiClMeのモル比は6:4
であることが確認された。残り1/2の反応生成物をS
BSポリマー溶液に加え、水素を吹き込んで水素分圧
0.7MPaで80℃で水添を行った。水添時間30分
で水添率96%であった。
【0052】なお、Mは11.9mmol、Zは13.
78mmol、Alは1.41mmol、Tiは0.4
7mmolであったので、(M−Z+Al−Ti)/T
iは−2、(M−Z)/Tiは−4であった。
【0053】実施例3 実施例1と同様に有機アルカリ金属化合物を重合開始剤
として重合したSBS3型ブロックコポリマーのリビン
グポリマー溶液に11.66mmolのトリメチルシリ
ルクロリドを加えてほとんどのポリマー末端を失活させ
た。
【0054】別に、和光純薬製チタノセンジクロリド
0.94mmolとトリメチルアルミニウム1.41m
molのシクロヘキサン溶液を、室温で100時間攪拌
した。生成物の1/2の量を採取し、揮発分を留去した
後、残査を重ベンゼン溶液に溶かし、1H−NMRを測
定した、重ベンゼンの吸収である7.15ppmのピー
クを基準とし、それぞれのピークについてTebbeの
文献(J.Am.Chem.Soc.100,3611
−3613,1978)にあるTebbe型錯体の1H
−NMRの結果と比較し、一致することを確認した。
【0055】また(Cp)2TiClMeに由来するピ
ークも確認された。それぞれの化合物のピーク比からT
ebbe型錯体とCp2TiClMeのモル比は7:3
であることが確認された。残り1/2の反応生成物をS
BSポリマー溶液に加え、水素を吹き込んで水素分圧
0.7MPaで80℃で水添を行った。水添時間30分
で水添率95%であった。
【0056】なお、Mは11.9mmol、Zは11.
66mmol、Alは0.705mmol、Tiは0.
47mmolであったので、(M−Z+Al−Ti)/
Tiは+1、(M−Z)/Tiは+0.5であった。
【0057】実施例4 実施例1と同様に有機アルカリ金属化合物を重合開始剤
として重合したSBS3型ブロックコポリマーのリビン
グポリマー溶液に11.9mmolのトリメチルシリル
クロリドを加えてポリマー末端を失活させた。
【0058】別に、和光純薬製チタノセンジクロリド
0.1molとトリメチルアルミニウム0.2molの
トルエン溶液を、室温で60時間攪拌した。揮発分を留
去した後、残査をトルエンから再結晶し目的物14gを
得た。これをさらにトリメチルアルミニウムを含むトル
エンおよびペンタンから再結晶し、赤燈色結晶9.5g
を得た。この結晶を重ベンゼン溶液に溶かし、1H−N
MRを測定した、重ベンゼンの吸収である7.15pp
mのピークを基準とし、それぞれのピークについてTe
bbeの文献(J.Am.Chem.Soc.100,
3611−3613,1978)にあるTebbe型錯
体の1H−NMRの結果と比較し、一致することを確認
した。またTebbe型錯体以外の不純物が存在しない
ことを確認した。
【0059】この結晶0.20mmolをシクロヘキサ
ン溶液としてSBSポリマー溶液に加え、水素を吹き込
んで水素分圧1.2MPaで100℃で水添を行った。
水添率80%に達した時にさらに結晶0.11mmol
をシクロヘキサン溶液としてSBSポリマー溶液に加
え、水添反応を継続した。時間30分で水添率99%で
あった。
【0060】なお、Mは11.9mmol、Zは11.
9mmol、Alは0.31mmol(Tebbe錯体
中のAl)、Tiは0.31mmolであったので、
(M−Z+Al−Ti)/Tiは0、(M−Z)/Ti
は0であった。
【0061】実施例5 攪拌機およびジャケット付き5Lオートクレーブに、1
667gのシクロヘキサン、19.5mmolのn−B
uLi、5.8mmolのN,N,N’,N’−テトラ
メチルエチレンジアミンを入れ、250gの30wt%
のスチレンのシクロヘキサン溶液を入れて75℃で重合
を行い、その後、1417gの30wt%の1,3−ブ
タジエンのシクロヘキサン溶液を加えて同様に重合を行
なってスチレン−ブタジエン2型ブロックコポリマーを
得た。なお、用いたn−BuLiのうち1%が微量の水
分で失活し、活性なリチウムは19.3mmolであっ
た。このリビングポリマー溶液に2.90mmolの4
塩化錫を加えてカップリング反応を行わせてSn−(D
−S)4ラジアル型ブロックポリマーとし、続いて7.
7mmolのメタノールを加えてポリマー末端を失活さ
せた。
【0062】実施例4と同じTebbe型錯体の結晶
0.50mmolをシクロヘキサン溶液としてSBブロ
ックポリマー溶液に加え、水素を吹き込んで水素分圧
0.7MPaで80℃で水添を行った。水添時間30分
で水添率98%であった。
【0063】なお、Mは19.3mmol、Zは2.9
×4+7.7=19.3mmol、Alは0.50mm
ol(Tebbe錯体中のAl)、Tiは0.50mm
olであったので、(M−Z+Al−Ti)/Tiは
0、(M−Z)/Tiは0であった。
【0064】実施例6 実施例1と同様にチタノセンジクロリド0.94mmo
lとトリメチルアルミニウム1.88mmolのシクロ
ヘキサン溶液を、室温で100時間攪拌した。Tebb
e型錯体の1H−NMRを確認し、残り1/2の反応生
成物に、0.24mmolのエタノールを加え、30日
間25℃で貯蔵した。
【0065】実施例1と同様に有機アルカリ金属化合物
を重合開始剤として重合したSBS3型ブロックコポリ
マーのリビングポリマー溶液に11.9mmolのエタ
ノールを加えてポリマー末端を失活させた。貯蔵してい
たTebbe型錯体を含む反応生成物をSBSポリマー
溶液に加え、水素を吹き込んで水素分圧0.7MPaで
80℃で水添を行った。水添時間30分で水添率99%
であった。
【0066】なお、Mは11.9mmol、Zは11.
9+0.24=12.14mmol、Alは0.94m
mol、Tiは0.47mmolであったので、(M−
Z+Al−Ti)/Tiは0.5であった。
【0067】実施例7 実施例1と同様に有機アルカリ金属化合物を重合開始剤
として重合したSBS3型ブロックコポリマーのリビン
グポリマー溶液に11.9mmolのエタノールを加え
てポリマー末端を失活させた。
【0068】別に日本ファインケミカル製ビス(メチル
シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド0.1m
olとトリメチルアルミニウム0.3molのヘキサン
溶液を混合し、室温で70時間攪拌した。揮発分を留去
した後、残査を再結晶して精製し、実施例4のTebb
e試薬と同様の方法で1H−NMRを測定した、重ベン
ゼンの吸収である7.15ppmのピークを基準とし、
それぞれのピークについてTebbeの文献(J.A
m.Chem.Soc.100,3611−3613,
1978)にあるTebbe型錯体の1H−NMRの結
果と比較した。7.94ppmにTebbe型錯体に特
有のメチレン架橋部分のピークが観測され、上記化合物
が生成していることを確認した。
【0069】この結晶0.20mmolをシクロヘキサ
ン溶液としてSBSポリマー溶液に加え、水素を吹き込
んで水素分圧1.2MPaで90℃で水添を行った。水
添率80%に達した時にさらに結晶0.20mmolを
シクロヘキサン溶液としてSBSポリマー溶液に加え、
水添反応を継続した。時間30分で水添率99%であっ
た。
【0070】なお、Mは11.9mmol、Zは11.
9mmol、Alは0.40mmol(Tebbe錯体
中のAl)、Tiは0.40mmolであったので、
(M−Z+Al−Ti)/Tiは0であった。
【0071】実施例8 実施例1と同様に有機アルカリ金属化合物を重合開始剤
として重合したSBS3型ブロックコポリマーのリビン
グポリマー溶液に11.9mmolのエタノールを加え
てポリマー末端を失活させた。
【0072】日本ファインケミカル製ビス(n−ブチル
シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド0.1m
olとトリメチルアルミニウム0.3molのヘキサン
溶液を混合し、室温で70時間攪拌した。揮発分を留去
した後、残査を再結晶して精製し、実施例4のTebb
e試薬と同様の方法で1H−NMRを測定した、重ベン
ゼンの吸収である7.15ppmのピークを基準とし、
それぞれのピークについてTebbeの文献(J.A
m.Chem.Soc.100,3611−3613,
1978)にあるTebbe型錯体の1H−NMRの結
果と比較した。7.94ppmにTebbe型錯体に特
有のメチレン架橋部分のピークが観測され、上記化合物
が生成していることを確認した。
【0073】この結晶0.20mmolをシクロヘキサ
ン溶液としてSBSポリマー溶液に加え、水素を吹き込
んで水素分圧1.2MPaで90℃で水添を行った。水
添率80%に達した時にさらに結晶0.20mmolを
シクロヘキサン溶液としてSBSポリマー溶液に加え、
水添反応を継続した。時間30分で水添率99%であっ
た。
【0074】なお、Mは11.9mmol、Zは11.
9mmol、Alは0.40mmol(Tebbe錯体
中のAl)、Tiは0.40mmolであったので、
(M−Z+Al−Ti)/Tiは0であった。
【0075】比較例1 実施例1と同様に有機アルカリ金属化合物を重合開始剤
として重合したSBS3型ブロックコポリマーのリビン
グポリマー溶液に11.9mmolのエタノールを加え
てポリマー末端を失活させた。これに4.7mmolの
sec−BuLiを加え、その後、0.47mmolの
アルドリッチ製Tebbe試薬を加えた。実施例1と同
様に、水素を吹き込んで水素分圧0.7MPaで80℃
で水添を行った。水添時間30分で水添率33%であっ
た。
【0076】なお、Mは11.9+4.7=16.6m
mol、Zは11.9mmol、Alは0.47mmo
l、Tiは0.47mmolであったので、(M−Z+
Al−Ti)/Tiは10であった。
【0077】比較例2 実施例1と同様に有機アルカリ金属化合物を重合開始剤
として重合したSBS3型ブロックコポリマーのリビン
グポリマー溶液に11.9mmolのエタノールを加え
てポリマー末端を失活させた。これに1.9mmolの
sec−BuLiを加え、その後、0.47mmolの
アルドリッチ製Tebbe試薬を加えた。実施例1と同
様に、水素を吹き込んで水素分圧0.7MPaで80℃
で水添を行った。水添時間30分で水添率63%であっ
た。
【0078】なお、Mは11.9+1.9=13.8m
mol、Zは11.9mmol、Alは0.47mmo
l、Tiは0.47mmolであったので、(M−Z+
Al−Ti)/Tiは4であった。
【0079】比較例3 実施例1と同様に有機アルカリ金属化合物を重合開始剤
として重合したSBS3型ブロックコポリマーのリビン
グポリマー溶液に15.66mmolのエタノールを加
えてポリマー末端を失活させた。これに0.47mmo
lのアルドリッチ製Tebbe試薬を加え、実施例1と
同様に、水素を吹き込んで水素分圧0.7MPaで80
℃で水添を行った。水添時間30分で水添率35%であ
った。
【0080】なお、Mは11.9mmol、Zは15.
66mmol、Alは0.47mmol、Tiは0.4
7mmolであったので、(M−Z+Al−Ti)/T
iは−8であった。
【0081】比較例4 実施例1と同様に有機アルカリ金属化合物を重合開始剤
として重合したSBS3型ブロックコポリマーのリビン
グポリマー溶液に11.9mmolのエタノールを加え
てポリマー末端を失活させた。
【0082】別に、和光純薬製チタノセンジクロリド
0.94mmolとトリイソブチルアルミニウム6.2
mmolのトルエン溶液を、室温で20分間攪拌した。
生成物の1/2の量を採取し、揮発分を留去した後、残
査を重ベンゼン溶液に溶かし、実施例1と同様に1H−
NMRを測定した、特有のTi−Alメタラサイクルの
メチレン架橋部分のプロトン吸収が見られず、Tebb
e型錯体が生成していなかった。
【0083】実施例1と同様に残り1/2の反応生成物
をSBSポリマー溶液に加え、水素を吹き込んで水素分
圧0.7MPaで80℃で水添を行った。水添時間30
分で水添率25%であった。
【0084】比較例5 比較例4と同様に有機アルカリ金属化合物を重合開始剤
として重合したSBS3型ブロックコポリマーのリビン
グポリマー溶液に11.9mmolのエタノールを加え
てポリマー末端を失活させた。
【0085】別に、和光純薬製チタノセンジクロリド
0.94mmolとトリイソブチルアルミニウム6.2
mmolのトルエン溶液を、室温で100時間攪拌し
た。生成物の1/2の量を採取し、揮発分を留去した
後、残査を重ベンゼン溶液に溶かし、実施例1と同様に
1H−NMRを測定した、特有のTi−Alメタラサイ
クルのメチレン架橋部分のプロトン吸収が見られず、T
ebbe型錯体が生成していなかった。
【0086】実施例1と同様に残り1/2の反応生成物
をSBSポリマー溶液に加え、水素を吹き込んで水素分
圧0.7MPaで80℃で水添を行った。水添時間30
分で水添率45%であった。
【0087】比較例6 実施例1と同様に有機アルカリ金属化合物を重合開始剤
として重合したSBS3型ブロックコポリマーのリビン
グポリマー溶液に11.9mmolのエタノールを加え
てポリマー末端を失活させた。
【0088】別に、和光純薬製チタノセンジクロリド
0.94mmolとジエチルアルミニウムクロリド6.
2mmolのトルエン溶液を、室温で20分間攪拌し
た。生成物の1/2の量を採取し、揮発分を留去した
後、残査を重ベンゼン溶液に溶かし、実施例1と同様に
1H−NMRを測定した、特有のTi−Alメタラサイ
クルのメチレン架橋部分のプロトン吸収が見られず、T
ebbe型錯体が生成していなかった。
【0089】実施例1と同様に残り1/2の反応生成物
をSBSポリマー溶液に加え、水素を吹き込んで水素分
圧0.7MPaで80℃で水添を行った。水添時間30
分で水添率15%であった。
【0090】比較例7 実施例1と同様に有機アルカリ金属化合物を重合開始剤
として重合したSBS3型ブロックコポリマーのリビン
グポリマー溶液に11.9mmolのエタノールを加え
てポリマー末端を失活させた。これに0.94mmol
のトリメチルアルミニウムを加え、その後、0.47m
molのアルドリッチ製Tebbe試薬を加えた。実施
例1と同様に、水素を吹き込んで水素分圧0.7MPa
で80℃で水添を行った。水添時間30分で水添率48
%であった。
【0091】比較例8 実施例1と同様に有機アルカリ金属化合物を重合開始剤
として重合したSBS3型ブロックコポリマーのリビン
グポリマー溶液に11.9mmolのエタノールを加え
てポリマー末端を失活させた。
【0092】別に、和光純薬製チタノセンジクロリド
0.94mmolとトリメチルアルミニウム1.88m
molのシクロヘキサン溶液を、室温で20分間攪拌し
た。生成物の1/2の量を採取し、揮発分を留去した
後、残査を重ベンゼン溶液に溶かし、実施例1と同様に
1H−NMRを測定した、特有のTi−Alメタラサイ
クルのメチレン架橋部分のプロトン吸収が見られず、T
ebbe型錯体が生成していなかった。
【0093】実施例1と同様に残り1/2の反応生成物
をSBSポリマー溶液に加え、水素を吹き込んで水素分
圧0.7MPaで80℃で水添を行った。水添時間30
分で水添率55%であった。
【0094】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、有機アル
カリ金属化合物を重合開始剤として重合した共役ジエン
重合体を不活性有機溶媒中にて水素と接触させて共役ジ
エンの二重結合を水素添加する際に、水添触媒が安定で
取り扱い易く、また助触媒としてアルカリ金属化合物を
必要とせず、触媒使用量が極めて少なく、広い温度領域
で再現性よく定量水添可能な、工業的に極めて有利な方
法を提供するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−96904(JP,A) 特開 平4−255734(JP,A) 特開 平9−278677(JP,A) 特開 平4−255708(JP,A) 特開 平8−301928(JP,A) 特開 平9−302025(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 8/00 - 8/50

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機アルカリ金属化合物を重合開始剤と
    して重合した共役ジエン重合体に、失活剤を加えて失活
    せしめ、不活性炭化水素溶媒中にて水素と接触させて共
    役ジエンの二重結合を水素添加する際に、下記(A)成
    分の触媒の存在下に、(M−Z+Al−Ti)/Tiが
    −6から+2の範囲で行うことを特徴とする共役ジエン
    重合体の水素添加方法。(A)成分は、下記一般式で示
    される有機金属化合物 【化1】 (但し、R1〜R10は水素、C1〜C12の炭化水素基また
    はC1〜C12のアルキルシリル基をあらわし、同一でも
    異なっていてもよい。Xはハロゲン原子またはメチル基
    をあらわす。) Mは有機アルカリ金属化合物のモル量、Zは失活剤のモ
    ル量、Alは有機アルミニウム化合物のモル量、Tiは
    有機チタン化合物のモル量である。
  2. 【請求項2】 水素添加する際に、直鎖状エーテル化合
    物を実質的に含まない不活性炭化水素溶媒中で行うこと
    を特徴とする請求項1の共役ジエン重合体の水素添加方
    法。
  3. 【請求項3】 有機アルカリ金属化合物を重合開始剤と
    して重合した共役ジエン重合体に(M−Z)/Tiが−
    5から+1.9の範囲で失活剤を加えた後水素添加する
    請求項1に記載の水素添加方法。
  4. 【請求項4】 (M−Z+Al−Ti)/Tiが−3か
    ら+1の範囲で行うことを特徴とする請求項1の水素添
    加方法。
  5. 【請求項5】 (A)成分としてチタノセンジハライド
    類とトリメチルアルミニウムの反応混合物を用いる請求
    項1に記載の水素添加方法。
  6. 【請求項6】 水素添加する際に第3級アミン化合物の
    存在下におこなう請求項1に記載の水素添加方法。
JP25218097A 1997-06-30 1997-09-17 共役ジエン重合体の水添方法 Expired - Lifetime JP3362110B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25218097A JP3362110B2 (ja) 1997-06-30 1997-09-17 共役ジエン重合体の水添方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17446997 1997-06-30
JP9-174469 1997-06-30
JP25218097A JP3362110B2 (ja) 1997-06-30 1997-09-17 共役ジエン重合体の水添方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1171426A JPH1171426A (ja) 1999-03-16
JP3362110B2 true JP3362110B2 (ja) 2003-01-07

Family

ID=26496067

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25218097A Expired - Lifetime JP3362110B2 (ja) 1997-06-30 1997-09-17 共役ジエン重合体の水添方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3362110B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4912519B2 (ja) * 2000-03-24 2012-04-11 旭化成ケミカルズ株式会社 効率的な共役ジエン系重合体の水素添加方法
EP1245591B1 (en) 2000-06-30 2006-11-22 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Method for hydrogenation of diene polymers and copolymers
JP4921849B2 (ja) * 2006-05-09 2012-04-25 台橡股▲ふん▼有限公司 共役ジエン重合体の水素化方法
SG11201406779SA (en) 2012-04-26 2014-11-27 Asahi Kasei Chemicals Corp Method for producing polymer
CA2953563C (en) 2014-06-27 2022-06-07 Kuraray Co., Ltd. Method for manufacturing hydrogenated polymer
SG11201702479WA (en) * 2014-09-29 2017-04-27 Kuraray Co Method for producing tebbe complex
JP7027988B2 (ja) 2017-04-27 2022-03-02 住友化学株式会社 プロピレン重合体組成物
US11384231B2 (en) 2018-07-05 2022-07-12 Sumitomo Chemical Company, Limited Propylene polymer composition

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1171426A (ja) 1999-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0137970B2 (ja)
JPS62125858A (ja) 不飽和化合物の選択的水素添加方法
JP4248872B2 (ja) 重合体の水素添加方法
JP3227678B2 (ja) オレフィン性不飽和重合体の水素添加方法および水素添加触媒
JP3326772B2 (ja) オレフィン性不飽和重合体の水素化方法および水素添加触媒
KR100255685B1 (ko) 공액디엔중합체의수소첨가방법
JP3484155B2 (ja) 共役ジエンを含む重合体の選択的水素化方法
JPH0153851B2 (ja)
JPS635401B2 (ja)
US7186782B2 (en) Hydrogenation catalyst composition and process for hydrogenation of conjugated diene polymer
JP3362110B2 (ja) 共役ジエン重合体の水添方法
RU2609020C2 (ru) Композиция катализатора для гидрирования и способ гидрирования с ее использованием
JPH06206928A (ja) 共役ジエンの重合体の二重結合の溶液中水素添加方法及び製造された水素添加ブロック重合体
US6881797B2 (en) Process for hydrogenation of conjugated diene polymer
JPH05286870A (ja) オレフィンの水素添加法
JP3617553B2 (ja) オレフィン水添複合触媒及び水添共役ジエン系重合体の製造方法
JP4265742B2 (ja) 共役ジエン系重合体の水素添加方法
JP3773299B2 (ja) オレフィン化合物の水添用触媒組成物及び該触媒組成物を用いたオレフィン化合物の水添方法
JP3868015B2 (ja) 新規チタノセン化合物、オレフィン化合物の水素添加用触媒及び該触媒組成物を用いたオレフィン化合物の水素添加方法
JP3454922B2 (ja) イソプレン系重合体の水添方法
JPH0496904A (ja) オレフィン化合物の水添法
JPS635402B2 (ja)
MXPA97007950A (es) Proceso para hidrogenar un polimero de dieno conjugado
JP5014561B2 (ja) 共役ジエンホモポリマーおよびコポリマーの水素化方法
TW474953B (en) Process for hydrogenating conjugated diene polymer

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20021002

R154 Certificate of patent or utility model (reissue)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R154

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081018

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081018

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091018

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091018

Year of fee payment: 7

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091018

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101018

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101018

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111018

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111018

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121018

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121018

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131018

Year of fee payment: 11

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term