JP3361424B2

JP3361424B2 - 温水床暖房パネルの配管接続構造

Info

Publication number: JP3361424B2
Application number: JP01086296A
Authority: JP
Inventors: 研治安達; 稔日比野; 太前田
Original assignee: Matsushita Electric Works Ltd
Current assignee: Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority date: 1996-01-25
Filing date: 1996-01-25
Publication date: 2003-01-07
Anticipated expiration: 2016-01-25
Also published as: JPH09203529A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、温水床暖房パネ
ルの配管接続構造に関するものである。さらに詳しく
は、この発明は、床面に複数枚張り合わせる温水床暖房
パネルの各々と温水加熱循環装置との往復管路を容易か
つ確実に接続することのできる配管接続構造に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来、電力の利用については、その契約
の種類として、従量電灯および時間帯別電灯の契約とと
もに、従量電灯と深夜電力とを加えた方式の契約があ
り、各々について電力利用料金が定められている。電力
利用については、いわゆる深夜（２３時から７時、また
は１時から６時）電力の料金が格安なことから、この深
夜電力を有効利用することに関心が高まっている。

【０００３】深夜電力によって得た熱を保存して、これ
を昼間の床暖房に利用しようとする試みもその具体的な
現れである。従来、このような深夜電力の床暖房への利
用については、たとえば図６並びにその床構造断面を示
した図７に見られるように、床表層材（ア）と、床断熱
材（イ）並びに捨て貼板（ウ）との間で、根太（エ）相
互の間に配置したパネル体の板状蓄熱ボード（カ）を深
夜電力によりヒーター（キ）を用いて加熱し、深夜に蓄
熱したエネルギーを昼間（およそ７時から２３時）、蓄
熱ボード（カ）より自然放熱させて床表層材（ア）を加
温する蓄熱式の床暖房設備が提供されている。

【０００４】また、これとは別に、深夜電力によって水
を加熱し、この温水を蓄熱タンクに溜め、これを昼間に
放熱部フローリングに送って床暖房に利用することも検
討されている。ところが、深夜電力を床暖房に利用しよ
うとする従来の試み、すなわち図６および図７に示した
蓄熱ボード（カ）とヒーター（キ）との構造では、自然
放熱としているため、床温度の制御が難しく、朝は温か
いものの、夜になると蓄熱エネルギーが枯渇してしま
い、暖房効果が得られないという欠点がある。したがっ
て、ランニングコストが高く、ヒーター（キ）による加
熱ではあっても、放熱制御が難しいとの問題が避けられ
ず、いわゆる追焚機能による床暖房性能の向上が望み得
ないという問題があった。

【０００５】一方、温水による蓄熱エネルギーの利用で
は、熱効率が大きくないため、どうしても蓄熱タンクが
大きなものとなり、設備規模の点で制約があるいという
問題があった。そこで、この発明の発明者等は、図８に
その断面構造を模式的に示した蓄熱式の温水床暖房設備
の実用化を検討してきた。すなわち、この温水床暖房設
備は、蓄熱材（サ）を内蔵した蓄熱層（シ）、放熱パイ
プ（ス）および均熱板（セ）によって床暖房パネル
（ソ）を構成し、たとえば膨張タンク（タ）、ポンプ
（チ）、蓄熱ヒーター（ツ）並びに追焚ヒーター（テ）
などからなる温水加熱循環装置（ト）において加熱され
た温水を、蓄熱層（シ）から放熱パイプ（ス）へと通水
し、そして再び温水加熱循環装置（ト）へと循環させる
ようになっている。そこで、夜間に蓄熱ヒーター（ツ）
によって加熱した温水を床暖房パネル（ソ）の蓄熱層
（シ）に供給し、その熱エネルギーを蓄熱層（シ）の蓄
熱材（サ）に吸収させ、蓄熱させる。昼間には温水加熱
循環装置（ト）を停止し、蓄熱材（サ）から自然放熱し
て均熱板（セ）を加温する。また、蓄熱材（サ）の熱エ
ネルギーが枯渇して床暖房性能が低下した場合には、追
焚ヒーター（テ）を作動させて温水を蓄熱層（シ）に供
給して蓄熱材（サ）に蓄熱するとともに、残余の熱エネ
ルギーを放熱パイプ（ス）から放熱させ、これによって
床暖房性能を回復させる追焚機能を備えてもいる。

【０００６】そして、この発明の発明者等は、このよう
な蓄熱式の床暖房パネル（ソ）を複数枚張り合わせて施
工する場合には、たとえば図９に示したような往復管路
によって温水加熱循環装置（ト）と各床暖房パネル
（ソ）との間を接続することを提案している。すなわ
ち、この配管接続構造では、温水加熱循環装置（ト）か
らの配管（ナ）をヘッダー（ニ）に連結し、このヘッダ
ー（ニ）から分岐させた支線配管（ヌ）を各床暖房パネ
ル（ソ）の入水口（ネ）に接続させて往路管路を構成
し、一方、パネル排水口（ノ）からの支線配管（ハ）を
ヘッダー（ヒ）に接続し、このヘッダー（ヒ）からの配
管（フ）を温水加熱循環装置（ト）に接続して復路管路
を構成している。

【０００７】もちろんこのような配管接続構造は、蓄熱
式の床暖房パネルだけではなく、温水を放熱パイプ
（ス）にのみ循環させるような放熱式の床暖房パネルに
おける温水循環用配管の接続にも用いることができる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】この発明の発明者等が
開発を進めている蓄熱式の温水床暖房設備とその配管構
造は、以上のとおりの優れた性能を有するものではある
が、その後の検討によりさらに改良すべき点が見出され
た。すなわち、これまでに提案した上記のような配管接
続構造の場合には、ヘッダー（ニ）（ヒ）の分岐数に限
りがあるため、支線配管（ヌ）（ハ）を接続できるパネ
ル枚数が制限されてしまうのである。また、分岐数を増
設するには、ろう付け等の面倒な作業が必要である。

【０００９】さらに、床暖房パネル（ソ）の入水口
（ネ）と排水口（ノ）のそれぞれからの支線配管（ヌ）
（ハ）を、往路側のヘッダー（ニ）と復路側のヘッダー
（ヒ）に確実に接続する作業は極めて面倒であり、誤接
続が生じやすかった。そこで、この発明は、以上のとお
りの事情に鑑みてなされたものであって、この発明の発
明者等が提案している蓄熱式床暖房設備をさらに実用的
なものとするために、床暖房パネルの各々と温水加熱循
環装置との往復管路を容易かつ確実に配管接続すること
のできる構造を提供することを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、温水加熱循環装置から供給され
た温水の熱を表面より放熱する各床暖房パネルに温水加
熱循環装置からの往復管路が並列接続され、個々の床暖
房パネルの入水口、排水口の各々から支線配管が延設さ
れ、支線配管は先端に凸型カプラのＴ字配管を有し、こ
のＴ字配管の片側から、入水口側と排水口側とにおいて
互いに反対方向に本線配管が延設され、本線配管は先端
に凹型カプラの接続端子を有し、温水加熱循環装置から
の往路管路が、隣接する床暖房パネルにおいて、入水口
側のＴ字配管と接続端子との連結により構成され、温水
加熱循環装置への復路管路が、隣接する床暖房パネルに
おいて、排水口側のＴ字配管と接続端子との連結により
構成され、さらに、本線配管は、支線配管よりも太く、
半剛性で屈曲しにくい素材から形成されていることを特
徴とする温水床暖房パネルの配管接続構造を提供する。

【００１１】また、この発明の温水床暖房パネルの配管
接続構造においては、床暖房パネルは蓄熱材内蔵の蓄熱
層を有し、蓄熱層に入水口を有していることを好ましい
態様としている。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、添付した図面に沿って実施
例を示し、この発明の温水床暖房パネルの配管接続構造
の実施の形態についてさらに詳しく説明する。

【００１３】

【実施例】図１は、この発明の温水床暖房パネルの配管
接続構造に用いる床暖房パネルの一実施例を示した平面
図である。たとえばこの図１に例示した床暖房パネル
（１０）は、この発明の発明者等がこれまでに提案して
いるのと同様の蓄熱式の床暖房パネルであってよく、あ
るいは従来より知られている放熱式の床暖房パネルであ
ってもよい。蓄熱式のパネルとする場合には、パネルの
下部に蓄熱材を内蔵した蓄熱層を配設し、この蓄熱層に
はその入水口（２１）から温水を供給することができ、
この蓄熱層を流通した温水は、蓄熱層から直接または蓄
熱層上方の放熱パイプを通水して排水口（３１）から排
出することができる。入水口（２１）、排水口（３１）
の各々からは、支線配管（２２）（３２）が延設されて
おり、これらの支線配線（２２）（３２）の先端はＴ字
配管（２３）（３３）を有している。Ｔ字配管（２３）
（３３）の片側から、入水口（２１）側と排水口（３
１）側において互いに反対方向に本線配管（２４）（３
４）が延設され、これらの本線配管（２４）（３４）は
先端に接続端子（２５）（３５）を有している。なお、
Ｔ字配管（２３）（３３）は凸型カプラ（４１）であ
り、接続端子（２５）（３５）は凹型カプラ（４２）で
あり、ワンタッチ操作により互いを接続することができ
るようにされている。

【００１４】図２、図３は、各々、以上の床暖房パネル
（１０）を複数枚張り合わせる場合の配管接続形態を示
した平面図である。すなわち、この発明の温水床暖房パ
ネルの配管接続構造においては、図２に示したように、
床暖房パネル（１０）の入水口（２１）から延設された
支線配管（２２）の先端のＴ字配管（２３）と、隣接す
る床暖房パネル（１０）の同じく入水口（２１）から延
設された支線配管（２２）の先端のＴ字配管（２３）か
ら延設された本線配管（２４）の先端の接続端子（２
５）を連結して往路管路を構成し、一方、床暖房パネル
（１０）の排水口（３１）から延設された支線配管（３
２）の先端のＴ字配管（３３）と、隣接する床暖房パネ
ル（１０）の同じく排水口（３１）から延設された本線
配管（２２）の先端の接続端子（３５）を連結して復路
管路を構成する。これによって、図３に示したように、
温水加熱循環装置（５０）からの温水が、往路管路を構
成する本線配管（２４）、Ｔ字配管（２３）、そして支
線配管（２２）を経て各床暖房パネル（１０）に供給さ
れ（図中実線矢印）、一方、各床暖房パネル（１０）内
を流通した温水は、復路管路を構成する支線配管（３
２）、Ｔ字配管（３３）、そして本線配管（３４）を流
れ、温水加熱循環装置（５０）に還流する。

【００１５】以上のとおり、この発明の温水床暖房パネ
ルの配管接続構造においては、各床暖房パネル（１０）
が、配管接続用の部材を備えているため、その張り合わ
せ枚数が限定されることはない。また、床暖房パネル
（１０）では、Ｔ字配管（２３）（３３）の片側から、
入水口（２１）側と排水口（３１）側とにおいて互いに
反対方向に本線配管（２４）（３４）が延設されている
ため、たとえば図４に示したように、Ｔ字配管（２３）
（３３）の片側から同一方向に本線配管（２４）（３
４）が延設される場合に起こりやすい、往路管路側の本
線配管（２４）と復路管路側の本線配管（３４）とを接
続するという誤接続を防止することができる。

【００１６】さらに、床暖房パネル（１０）では、本線
配管（２４）（３４）が、支線配管（２２）（３２）よ
りも太く、半剛性で屈曲しにくい素材から形成されてい
る。このため、たとえば図５に示したような誤接続は、
本線配管（２４）（３４）が屈曲しにくいため、事前に
容易に判明する。また、支線配管（２２）（３２）が細
く、本線配管（２４）（３４）が太いことによる配管内
の流量差により、各床暖房パネル（１０）での温水流量
が均一化するという効果もある。

【００１７】もちろん、この発明は以上の例によって限
定されるものではなく、床暖房パネルの細部の構成等に
ついては様々な態様が可能であることは言うまでもな
い。

【００１８】

【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この発明に
よって、温水床暖房パネルを複数枚張り合わせて施工す
る際に、床暖房パネルの各々と温水加熱循環装置との往
復管路を容易かつ確実に配管接続することが可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の温水床暖房パネルの配管接続構造に
用いる床暖房パネルの一実施例を示した平面図である。

【図２】図１に示した床暖房パネルを複数枚張り合わせ
る場合の配管接続形態を示した平面図である。

【図３】図１に示した床暖房パネルを複数枚張り合わせ
る場合の配管接続形態を示した平面図である。

【図４】この発明の温水床暖房パネルの配管接続構造に
おける誤接続の一例を示した平面図である。

【図５】この発明の温水床暖房パネルの配管接続構造に
おける誤接続の別の例を示した平面図である。

【図６】従来の蓄熱床暖房の例を示した一部切欠斜視図
である。

【図７】図６に対応する床構造の断面図である。

【図８】この発明の発明者等が先に提案した蓄熱式の床
暖房設備の模式図である。

【図９】図８に示した床暖房設備におけるこれまでの配
管接続構造を例示した平面図である。

【符号の説明】

１０床暖房パネル２１入水口２２支線配管２３Ｔ字配管２４本線配管２５接続端子３１排水口３２支線配管３３Ｔ字配管３４本線配管３５接続端子４１凸型カプラ４２凹型カプラ５０温水加熱循環装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開昭60−164139（ＪＰ，Ａ) 実開昭57−145913（ＪＰ，Ｕ) 実開昭62−9016（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F24D 3/16 F24D 3/10

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】温水加熱循環装置から供給された温水の
熱を表面より放熱する各床暖房パネルに温水加熱循環装
置からの往復管路が並列接続され、個々の床暖房パネル
の入水口、排水口の各々から支線配管が延設され、支線
配管は先端に凸型カプラのＴ字配管を有し、このＴ字配
管の片側から、入水口側と排水口側とにおいて互いに反
対方向に本線配管が延設され、本線配管は先端に凹型カ
プラの接続端子を有し、温水加熱循環装置からの往路管
路が、隣接する床暖房パネルにおいて、入水口側のＴ字
配管と接続端子との連結により構成され、温水加熱循環
装置への復路管路が、隣接する床暖房パネルにおいて、
排水口側のＴ字配管と接続端子との連結により構成さ
れ、さらに、本線配管は、支線配管よりも太く、半剛性
で屈曲しにくい素材から形成されていることを特徴とす
る温水床暖房パネルの配管接続構造。
【請求項２】床暖房パネルは蓄熱材内蔵の蓄熱層を有
し、蓄熱層に入水口を有している請求項１の温水床暖房
パネルの配管接続構造。