JP3360407B2 - ポリエステル組成物からなるフィルム - Google Patents

ポリエステル組成物からなるフィルム

Info

Publication number
JP3360407B2
JP3360407B2 JP7227194A JP7227194A JP3360407B2 JP 3360407 B2 JP3360407 B2 JP 3360407B2 JP 7227194 A JP7227194 A JP 7227194A JP 7227194 A JP7227194 A JP 7227194A JP 3360407 B2 JP3360407 B2 JP 3360407B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
polyester
formula
polymer
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP7227194A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07278421A (ja
Inventor
孝宏 名川
勝 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP7227194A priority Critical patent/JP3360407B2/ja
Publication of JPH07278421A publication Critical patent/JPH07278421A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3360407B2 publication Critical patent/JP3360407B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、剛性などの機械特性や
耐摩耗性に優れたポリエステル組成物からなるフィルム
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電気電子機器の分野では小型化、
軽量化が進み、使用される材料にも小型化のみならず工
程の簡略化、短縮化、高速化に伴い耐熱性の付与、高強
度化などの要求が出されている。これらの分野には従来
よりポリエチレンテレフタレートに代表される芳香族ポ
リエステルが用いられてきたが、機械特性や耐熱性に限
界があり、また、金属に直接接触するような用途の場
合、耐摩耗性がなく削れたり傷がつき、上記要求特性を
満足させることが困難となってきた。そこで、高耐熱
化、高剛性化には液晶ポリエステルや液晶成分の共重合
などが(例えば「高性能芳香族系高分子材料」高分子学
会編(丸善)など)、また、耐摩耗性向上には微粒子添
加系(例えば、特開昭61−60722号公報など)が
検討されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、液晶ポ
リマは溶融ポリマの中では比較的高い耐熱性、高剛性を
有するが、流れ方向に強く配向してしまいその直角方向
の強度が低下するという問題点があり、流れ方向と幅方
向に2軸延伸する必要があるフィルムへの成形性が悪か
った。一方、液晶性発現に寄与している剛直成分を芳香
族ポリエステルに対して液晶性を発現しない程度の少量
を共重合しようとしても、重合度が上がらず十分な強度
を持ったポリマが得られないという問題があった。さら
に、微粒子の添加効果により耐摩耗性は向上してきたが
まだ十分ではなかった。また、前述の液晶ポリマのブレ
ンドにより解決を図ろうとする試み(特開平4−415
49号公報など)もあるが、液晶ポリマの凝集力が強い
ため表面を逆に粗らしてしまったり、内部に空隙(ボイ
ド)ができ透明性が悪化するなどの問題があった。
【0004】本発明は、かかる課題を解決し、剛性など
の機械特性、耐摩耗性に優れたポリエステル組成物から
なるフィルムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、絶対数平均分
子量が8000以下であり、かつ、極限粘度が0.3〜
0.7dl/gである、式(1)で表わされるポリエス
テルと、式(2)で表わされるポリエステルからなるポ
リエステル組成物からなるフィルムである。
【0006】
【化2】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 は、各々独立し
て2価の炭化水素系の基を、X、Y、Z、Y’、Z’は
モル分率を表し、YとZ、Y’とZ’はそれぞれ実質的
に等モル分率である。また、X+Y=1とすると、0.
05≦X≦0.9であり、X+Y+Y’=1とすると、
0.01≦X≦0.8である)
【0007】本発明のポリエステル組成物を構成する式
(1)、(2)のR1 、R2 、R3、R4 、R5 は、各
々独立して2価の炭化水素系の基を表し、芳香族系、脂
肪族系あるいは芳香族/脂肪族系のいずれでもよく、炭
化水素以外の元素を含有してもよい。好ましいR1 、R
2 、R4 としては、各々独立して芳香族系あるいは芳香
族/脂肪族系であり、より好ましくは炭素数6〜30の
芳香族系あるいは芳香族/脂肪族系である。特に下式の
ような構造を有するものが好ましく、
【化3】 (式中、F1 、F2 は各々独立して炭素数1〜10の直
鎖状、分岐状、環状の2価の脂肪族基を、Gは−O−、
−S−、−CO−、−SO2 −、炭素数1〜5の直鎖
状、分岐状、環状の2価の脂肪族基の中から選ばれる一
種を表わす) 例えば、下式のようなものが挙げられる。
【0008】
【化4】 また、芳香環は、ニトロ基、スルホン基、アルキル基、
シアノ基などで置換されていてもよい。置換基の数は特
に限定されないし置換基が複数個の場合、同一でも異な
っていてもよい。なお、R1 、R2 、R4 はそれぞれ独
立して2種以上が混合していてもよい。
【0009】一方、好ましいR3 、R5 としては炭素数
2〜10の直鎖状、分岐状、環状の2価の脂肪族炭化水
素基であるが、より好ましくは、
【化5】 などが挙げられ、特に炭素数が2ないし4のものが用い
られ、なかでもエチレングリコール、1,4−ブタンジ
オールがより好ましい。なお、R3 、R5 は2種以上が
混合していてもよく、例えば2価の脂肪族炭化水素基と
芳香族系あるいは芳香族/脂肪族系との組合せが好まし
い。
【0010】また、本発明の式(1)、(2)のポリエ
ステルを構成している構造のそれぞれのモル分率である
X、Y、Z、Y’、Z’は、YとZ、Y’とZ’がそれ
ぞれ実質的に等モル分率であり、好ましくは、0.9Z
≦Y≦1.1Z、0.9Z’≦’Y≦1.1Z’であ
る。また、X+Y=1とすると、0.05≦X≦0.9
であり、X+Y+Y’=1とすると、0.01≦X≦
0.8である。この範囲を外れると、本発明の耐摩耗性
などの効果が得られなくなる。好ましくは、X+Y=1
とすると、0.05≦X≦0.8であり、X+Y+Y’
=1とすると、0.01≦X≦0.7であり、より好ま
しくは、X+Y=1とすると、0.10≦X≦0.7で
あり、X+Y+Y’=1とすると、0.01≦X≦0.
5である。
【0011】本発明のポリエステルは公知の方法で製造
される。R1 に対応するモノマとしては、1,4−ヒド
ロキシ安息香酸、1,3−ヒドロキシ安息香酸、2,6
−ヒドロキシナフトエ酸、1,5−ヒドロキシナフトエ
酸、1,4−ヒドロキシナフトエ酸、4,4’−ヒドロ
キシビフェニルカルボン酸などやこれらのアセチル化
物、あるいはこれらの芳香環上の水素をハロゲン、アル
キル基などで置換したものなどが好ましく用いられる。
また、R2 、R4 としては、テレフタル酸、イソフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタ
レンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、
4,4’−ビフェニレンジカルボン酸、3,4’−ビフ
ェニレンジカルボン酸、3,3’−ビフェニレンジカル
ボン酸、あるいはこれらの芳香環上の水素をハロゲン、
アルキル基などで置換したものなど、またはこれらのエ
ステル形成性誘導体などが好ましく用いられる。さらに
3、R5 としては、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサ
ンジメタノールなどのアルキレングリコールが挙げられ
る。これらのモノマを所定の割合で公知の方法、例え
ば、溶液重縮合法、溶融重縮合法、固相重合法を用いて
重合することにより式(1)、あるいは式(2)のポリ
エステルを得ることができる。
【0012】式(1)のポリエステルの極限粘度は好ま
しくは0.2〜2.0dl/g、より好ましくは0.3
〜1.0dl/g、さらに好ましくは0.3〜0.7d
l/gであり、絶対数平均分子量は30000以下が好
ましく、10000以下がより好ましく、8000以下
がさらに好ましい。重合時に、たとえば、フェノール、
安息香酸などの1官能の化合物を好ましくはR1 に対し
て0.1〜10モル%添加することができ、絶対数平均
分子量のコントロールが容易となる場合がある。また、
式(2)のポリエステルの極限粘度は好ましくは0.4
〜2.0dl/g、より好ましくは0.5〜1.5dl
/gである。本発明のポリエステル組成物は、式
(1)、式(2)のポリエステルを公知の方法でブレン
ドすることにより得られる。
【0013】本発明で得られるポリエステル組成物の全
カルボキシル基含有量は好ましくは50当量/トン以
下、より好ましくは40当量/トン以下、さらに好まし
くは30当量/トン以下である。
【0014】本発明のポリエステル組成物には、一般に
よく知られている添加剤を添加することができるが、特
にオキサゾリン、エポキシ化合物、炭酸エステルなどを
添加することにより全カルボキシル基含有量を上記範囲
にすることが容易となり好ましい。
【0015】本発明のポリエステル組成物を用いてフィ
ルム、繊維、成形品などに加工することができるが、そ
の場合は従来公知の製造方法を適用できる。例えば、フ
ィルムを製造する場合は、ペレット状にした上記共重合
ポリエステルを必要に応じて乾燥した後、公知の溶融押
出機に供給し、ポリマの融点以上、分解点以下でスリッ
ト状のダイからシート状に押し出し、キャスティングロ
ール上で冷却して未延伸フィルムを作る。次にこの未延
伸フィルムを2軸延伸し、2軸配向させる。延伸方法と
しては、逐次2軸延伸法または同時2軸延伸法を用いる
ことができる。延伸面倍率(縦方向の延伸倍率と横方向
の延伸倍率を掛けた倍率)は5.0〜30.0倍が好ま
しく、延伸温度はポリマの種類によって異なり一概には
言えないが、50〜200℃が好ましい。さらにこの延
伸フィルムを熱処理することもあり、熱処理温度は15
0〜250℃、熱処理時間は0.5〜120秒の範囲が
好ましい。また、2層以上に積層すると本発明の効果が
より発揮されて好ましい。また、本発明のフィルムの表
面のピーク平均高さ(RMS)は、5〜500nmであ
ることが必要である。この範囲外であると、小さい場合
は加工時の作業性や使用時の走行性が悪く、大き過ぎる
と磁気テープなどに使用した場合、ドロップアウトが増
えたり記録特性などが悪化する。好ましくは、5〜30
0nm、より好ましくは、10〜200nmである。さ
らに、平均表面粗さ(Ra)は、5〜500nmが好ま
しい。より好ましくは5〜300nmである。この範囲
外であると、小さい場合は加工時の作業性や使用時の走
行性が悪くなる場合があり、大き過ぎると磁気テープな
どに使用した場合、記録特性などが悪化する場合があ
る。
【0016】本発明のフィルムの表面の中心線深さ(R
p)は特に限定はされないが、Rpが500nm以下が
好ましく、特に200nm以下の場合に磁気テープなど
は耐ダビング性がより一層良好となるので好ましい。ま
た、Rpと最大高さ(Rt)の比、Rt/Rpが1.5
〜2.5、特に、1.7〜2.3の場合に耐スクラッチ
性、耐ダビング性、摩擦係数がより一層良好となるので
特に好ましい。
【0017】なお、以上の表面粗さを達成するには、平
均粒径5nm〜10μmの無機、有機の微粒子やフィル
ムを構成するポリマと非相溶の別のポリマを、フィルム
の重量に対して0.01〜5重量%添加することができ
る。例えば、無機微粒子としては、酸化アルミニウム、
酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化鉄、
酸化クロムなどの金属酸化物や金、銀、白金などの金属
超微粒子などが、有機微粒子としては、ポリイミド、シ
リコーン、架橋ポリエステル、架橋ポリスチレン、架橋
ポリメチルメタアクリレートなどが挙げられ、粒型は球
形、針状、不定形、多孔質など特に限定はされないが球
形が好ましい。また、フィルムを構成するポリマと非相
溶の別のポリマとしては、非相溶であれば特に限定はさ
れないが、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィ
ン、ポリスチレンなどが好ましい。
【0018】また本発明のポリエステル組成物は単体フ
ィルムとしても用いることができるが、他の熱可塑性ポ
リマと積層した複合フィルムとして用いることもでき
る。積層する他の熱可塑性ポリマは特に限定されないが
結晶性ポリマが好ましく、ポリエステル、ポリアミド、
ポリフェニレンスルフィド、ポリオレフィンなどが挙げ
られる。特に本発明と同種のポリエステルが界面の接着
性がよくより好ましい。積層構成は何層でもよいが、通
常は2層、あるいは3層が好ましく用いられる。3層の
場合は本発明のフィルムは内層でも外層でも用いること
ができる。
【0019】さらに得られたフィルムの空隙率は5.0
%以下であると、高透明性が要求される用途に用いるこ
とができ好ましい。
【0020】
【実施例】次に実施例に基づいて本発明の実施態様を説
明するが、これらに限定されるものではない。なお、実
施例中の特性の測定法は以下の通りである。
【0021】(1)強度 TRS型引張り試験器で幅10mm、長さ50mm、引
張速度300mm/分の条件で測定した。
【0022】(2)極限粘度 o−クロロフェノールを溶媒として25℃で測定した。
【0023】(3)ピーク平均高さ(RMS)、平均表
面粗さ(Ra)、最大高さ(Rt)、中心線深さ(R
p) 小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用い
て測定した。条件は下記の通りであり、20回の平均値
をもって値とした。 ・触針先端半径:0.5μm ・触針荷重 :5mg ・測定長 :1mm ・カットオフ値:0.08mm なお、Raなどの定義は、例えば、奈良治郎著「表面粗
さの測定・評価法」(総合技術センター、1983)に
示されているものである。
【0024】(4)耐磨耗性 耐磨耗性は、得られた粒子含有共重合ポリエステルをフ
ィルムに成型し、細幅にスリットしたテープ状ロールを
ステンレス鋼(SUS−304)製ガイドロールに一定
張力で高速(走行速度1000m/分)で、1時間擦り
つけガイドロール表面に発生する白粉量によって次のよ
うにランクつけした。
【0025】A級:白粉発生全く無し B級:白粉発生あり C級:白粉発生多い (5)フィルムの空隙率 小角X線散乱法から求めた。
【0026】(6)ポリマ中の平均粒径 ポリエステル組成物の切断面において、ベースポリマを
プラズマ低温灰化処理法(たとえばヤマト科学製PR−
503型)で除去し粒子を露出させる。処理条件はベー
スポリマは灰化されるが粒子はダメージを受けない条件
を選択する。これをSEM(走査型電子顕微鏡)で観察
し、粒子の画像(粒子によってできる光の濃淡)をイメ
ージアナライザー(例えばケンブリッジインストルメン
ト製QTM900)に結び付け、観察箇所を変えて粒子
数5000個以上で次の数値処理を行ない、これによっ
て求めた数平均Dを平均粒径とする。 D=ΣD1 /N ここで、D1 は粒子の円相当径、Nは個数である。
【0027】(7)ポリマの絶対数平均分子量 o−クロロフェノール/クロロホルム(2/8容積比)
を溶媒とするGPC(23℃)を測定し、光散乱法から
求めた。
【0028】(8)ガラス転移点 示差熱量計(Perkin−Elmer社製DSC−1
B)を用いて1分間に16℃の割合で昇温して測定し
た。
【0029】実施例1 PET(極限粘度0.63)50モル%、アセトキシ安
息香酸50モル%を窒素気流下に290℃まで4時間か
けて昇温し反応を行ない、次いで0.5時間で0.5m
mHgまで減圧していき、さらに290℃、0.5mm
Hgで0.1時間重合を行なった後、ポリマ1を取り出
した。得られたポリマ1の極限粘度は0.55g/dl
で、絶対数平均分子量は2650、ガラス転移点123
℃であった。このポリマ1とPET(極限粘度0.8
0、ガラス転移点80℃)を50/50重量%の割合で
2軸の混練機でブレンドして得られたチップのガラス転
移点は87℃であり、ポリマ1とPETが一部反応して
いることが示唆された。このブレンドポリマを乾燥後、
290℃で押出機を用いてTダイより表面温度30℃の
キャスティングドラム上に押し出し、未延伸フィルムを
作製した。この未延伸フィルムを95℃で縦方向に3.
5倍延伸した。この延伸は2組ずつのロールの周速差
で、3段階で行なった。この一軸延伸フィルムをステン
タを用いて95℃で横方向に4.0倍延伸した後、ロー
ル状に巻き上げた。得られたフィルムの縦方向の強度は
30kg/mm2 であり、RMS180nm、Ra12
0nm、Rp150nm、Rt270nmの表面特性を
有しA級の耐摩耗性を有していた。またフィルムの空隙
率は1.4%で、表面エッチング法で平均粒径0.1μ
mの粒子が観察された。
【0030】実施例2 PET(極限粘度0.63)40モル%、アセトキシ安
息香酸50モル%、テレフタル酸10モル%、4,4’
−ビフェノール10モル%を窒素気流下に290℃まで
4時間かけて昇温し反応を行ない、次いで0.5時間で
0.5mmHgまで減圧していき、さらに290℃、
0.5mmHgで0.2時間重合を行なった後、ポリマ
2を取り出した。得られたポリマ2の極限粘度は0.4
6g/dlで絶対数平均分子量は3050であった。こ
のポリマ2とPET(極限粘度0.80)を20/80
重量%の割合で2軸の混練機でブレンドしチップを得
た。このブレンドポリマとPET(極限粘度0.63)
を乾燥後、290℃で押出機を用いて3層用Tダイより
表面温度30℃のキャスティングドラム上に押し出し、
ブレンドポリマ/PET/ブレンドポリマ(厚み比5/
90/5)の3層未延伸フィルムを作製した。この未延
伸フィルムを95℃で縦方向に3.5倍延伸した。この
延伸は2組ずつのロールの周速差で、3段階で行なっ
た。この一軸延伸フィルムをステンタを用いて95℃で
横方向に4.0倍延伸した後、ロール状に巻き上げた。
得られたフィルムの縦方向の強度は26kg/mm
2 で、またRMS130nm、Ra100nm、Rp1
10nm、Rt170nmでA級の耐摩耗性を有してい
た。
【0031】実施例3 実施例1でポリマ1とブレンドするPETとして、比表
面積300m2 /gのジルコニアを0.3重量%含有す
るPETを使用した以外は同様にしてフィルムを得た。
得られたフィルムの縦方向の強度は33kg/mm2
あり、RMS150nm、Ra115nm、Rp150
nm、Rt2750nmの表面特性を有しA級の耐摩耗
性を有していた。またフィルムの空隙率は1.8%であ
り透明性に優れていた。
【0032】実施例4 実施例1で、アセトキシ安息香酸に対して5モル%の安
息香酸を添加し、0.5mmHgでの重合時間を1時間
に変えた以外は同様にしてフィルムを得た。実施例1と
ほぼ同様な特性を有するフィルムが得られた。
【0033】比較例1 実施例1で、PET(極限粘度0.63)17.5モル
%、アセトキシ安息香酸82.5モル%にし0.5mm
Hgでの重合時間を1時間にした以外は同様にしてポリ
マ1’を得た。ポリマ1’の極限粘度は1.1で絶対数
平均分子量は12000であった。ポリマ1’のみから
実施例1と同様にして得られたフィルムの縦方向の強度
は37kg/mm2 であったが、RMS320nm、R
a255nm、Rp1900nm、Rt360nmの表
面特性を有し耐摩耗性はC級であった。またフィルムの
空隙率は6.9%で透明性が低く、表面エッチング法で
平均粒径6.7μmの粒子が観察された。
【0034】
【発明の効果】本発明のフィルムは、機械特性、耐摩耗
性に優れており、細く、あるいは薄くても取り扱い時の
ハンドリング性に優れ、特に、磁気記録媒体やプリンタ
リボンなどのベースフィルムや、コンデンサ、FPCな
どを始めとする電気絶縁材料や包装材料などに適してい
る。また、透明性にも優れる。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶対数平均分子量が8000以下であ
    り、かつ、極限粘度が0.3〜0.7dl/gである、
    式(1)で表わされるポリエステルと、式(2)で表わ
    されるポリエステルからなるポリエステル組成物からな
    るフィルム。 【化1】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5は、各々独立して2
    価の炭化水素系の基を、X、Y、Z、Y’、Z’はモル
    分率を表し、YとZ、Y’とZ’はそれぞれ実質的に等
    モル分率である。また、X+Y=1とすると、0.05
    ≦X≦0.9であり、X+Y+Y’=1とすると、0.
    01≦X≦0.8である)
  2. 【請求項2】 式(1)で表わされるポリエステルと、
    式(2)で表わされるポリエステルが一部反応してなる
    請求項1記載のフィルム
  3. 【請求項3】 平均粒径5μm以下の粒子状物が含有さ
    れてなる請求項1または2記載のフィルム
  4. 【請求項4】 粒子状物が式(1)で表わされるポリエ
    ステルである請求項記載のフィルム
  5. 【請求項5】 表面のピーク平均高さ(RMS)が、5
    〜500nmである請求項1〜4のいずれかに記載の
    ィルム。
  6. 【請求項6】 空隙率が5%以下である請求項1〜5の
    いずれかに記載のフィルム。
  7. 【請求項7】 請求項1〜のいずれか1項に記載のフ
    ィルムが、少なくとも一つの最外層に配置されてなる積
    層フィルム。
JP7227194A 1994-04-11 1994-04-11 ポリエステル組成物からなるフィルム Expired - Fee Related JP3360407B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7227194A JP3360407B2 (ja) 1994-04-11 1994-04-11 ポリエステル組成物からなるフィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7227194A JP3360407B2 (ja) 1994-04-11 1994-04-11 ポリエステル組成物からなるフィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07278421A JPH07278421A (ja) 1995-10-24
JP3360407B2 true JP3360407B2 (ja) 2002-12-24

Family

ID=13484459

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7227194A Expired - Fee Related JP3360407B2 (ja) 1994-04-11 1994-04-11 ポリエステル組成物からなるフィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3360407B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2771111B1 (fr) * 1997-11-20 1999-12-17 Arjo Wiggins Sa Document de securite comportant des particules magnetiques
JP5606956B2 (ja) * 2010-02-23 2014-10-15 富士フイルム株式会社 太陽電池用バックシート及びその製造方法、並びに太陽電池モジュール
JP5346881B2 (ja) * 2010-06-11 2013-11-20 帝人株式会社 共重合芳香族ポリエステルおよび二軸配向ポリエステルフィルム
WO2016139992A1 (ja) * 2015-03-05 2016-09-09 東レ株式会社 ポリエステルフィルムおよびそれを用いた電気絶縁シート、風力発電機、粘着テープ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07278421A (ja) 1995-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2010131643A1 (ja) 二軸配向ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体
KR20040095266A (ko) 폴리에스테르 필름 및 가스 배리어성 폴리에스테르 필름
KR20040072714A (ko) 이축 배향 열가소성 수지 필름
JP2011084037A (ja) 二軸配向多層積層フィルム
JP3360407B2 (ja) ポリエステル組成物からなるフィルム
WO1999021912A1 (fr) Film a orientation biaxiale
EP1555657A1 (en) Biaxially oriented polyester film and flexible disk
EP0174376B1 (en) Heat-resistant film or sheet
JPH0512374B2 (ja)
JP2009221277A (ja) 二軸配向ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体
JPH02270531A (ja) フロッピーディスク用二軸配向ポリエステルフィルム
JP2011183714A (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
US8168727B2 (en) Polyester resin, production process therefor, and biaxially oriented polyester film comprising the polyester resin
JP4565800B2 (ja) 二軸配向フィルム
JP2019130777A (ja) 積層ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体
JP2001030350A (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP2011068807A (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JPH0458821B2 (ja)
JP2621340B2 (ja) 磁気テープ用ベースフイルム
JP2818370B2 (ja) ポリエステル組成物及びポリエステルフィルム
JP5623823B2 (ja) 配向フィルム
KR0164894B1 (ko) 이축배향 폴리에스테르 필름
JP5193705B2 (ja) 二軸配向積層フィルム
KR970008257B1 (ko) 고밀도 자기기록매체용 폴리에틸렌테레프탈레이트 필름의 제조방법
JPH04226328A (ja) 高剛性フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071018

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081018

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees