JP3358994B2 - ターボ回転機械の自動調整シール - Google Patents

ターボ回転機械の自動調整シール

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JP3358994B2
JP3358994B2 JP26992798A JP26992798A JP3358994B2 JP 3358994 B2 JP3358994 B2 JP 3358994B2 JP 26992798 A JP26992798 A JP 26992798A JP 26992798 A JP26992798 A JP 26992798A JP 3358994 B2 JP3358994 B2 JP 3358994B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸気タービン、ガ
スタービン、コンプレッサ等のターボ回転機械に用いら
れる自動調整シールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ターボ回転機械では、一般に、作動流体
の漏洩を低減させて効率向上を目指すために、ダミー環
シール、グランドシール、又は動翼チップシール等の様
に、回転部分とこれに対峙する固定部分との間のシール
について種々の工夫、配慮が払われている。
【0003】これらのシールの内、例えば動翼チップシ
ールを例にとってみると、動翼チップと称呼される動翼
の先端とケーシングとの間にラビリンスブロックが設け
られ、同ラビリンスブロックに植え込まれたラビリンス
フィンと動翼先端との間隔を小さな隙間に調整してい
る。
【0004】この隙間は極力小さいことが望ましいが、
一般の回転機械では定常速度にまで昇速する過程におい
て、危険速度を通過し、動翼先端の半径方向振動が大き
くなると、ラビリンスフィンの先端と動翼先端とが接触
することがあるためあまり小さく設定することはできな
い。
【0005】また、運転時には熱膨張により隙間が小さ
くなるので、これも初期隙間をあまり小さくできない理
由の一つとなっている。これらの状況変化を織り込ん
で、前記隙間を限りなく小さくする設計が試みられると
共に、多少の接触が起こっても大事故に至らないような
配慮、工夫がなされている。
【0006】従来のこの種ラビリンスシールの一例を、
図14及び図15に基づいて説明する。図14、図15
において、01は封じられたロータ、07はシールリン
グ受で、その中心をロータ01が貫いている。08はシ
ールリングで、断面が図14に見るようにI字形で、側
面形状が図15に見るように扇状をしており、ロータ0
1の周囲のシールリング受07に設けられた環状の溝0
6内にその4個が環状にはめ込まれている。
【0007】05はシールフィンで、シールリング08
の内周にロータ01に対して垂直に植え込まれて設けら
れた複数の扇状の薄板である。03は板ばねで、シール
リング受07に設けられた溝06の内周面とシールリン
グ08の外側面との間に設けられ、シールリング08を
ロータ01の中心方向へ押す働きをする。
【0008】04はシールリング基準面で、シールリン
グ08が板ばね03に押圧されてシールリング受07と
当接し、ロータ01とシールフィン05との隙間の基準
を形成する面である。
【0009】なお、Mは高圧側、Nは低圧側で両者の間
に前記したシールリング08が設けられている。Dは隙
間で、ロータ01の外周とシールフィン05の先端との
間の空間で、流体の漏れはこの隙間Dを通って高圧側M
から低圧側Nへ流れることになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前記のように構成され
た従来例のラビリンスシールでは、シールフィン05の
先端とロータ01の外周との隙間Dは一定に設定してあ
り、運転中のロータ01の振れや熱膨張によりロータ0
1がシールフィン05に接触することも考えられる。シ
ールフィン05がロータ01に接触すると、長期間の使
用によってシールフィン05の摩耗が進み、隙間Dが大
きくなって高圧側Mから低圧側Nへ流体の漏れが増大
し、機械の効率低下を招き、場合によっては大事故の原
因ともなりかねない。
【0011】従って、この様な接触を極力回避するため
に、初期の隙間は精密に、かつ適切に設定することを要
し、その作業は結果的に隙間を大きくする傾向は否め
ず、ここに流体の漏れが伴うことになるのは避けがたい
ものであった。
【0012】また、従来のものとしては動翼チップシー
ルを例にとって説明して来たが、ターボ回転機械では、
前記したようにダミー環シール、グランドシール等、作
動流体の漏洩を低減させて効率向上を目指すべきシール
はこの他にもあり、各所それぞれ設置構造等の設計条件
が異なるため、適材適所に合致する好適なシール構造が
常に求められて止まない状況にある。
【0013】本発明は前記した従来のものにおける不具
合を解消し、かつ、ニーズの変化に応じて適切に対応
し、機械の起動−稼働−停止と変化する一連の動きに追
従してラビリンスシールの隙間を自動的に変化させ、流
体の漏れを極力防止することができるようにしたターボ
回転機械の自動調整シールを提供することを課題とする
ものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は前記した課題を
解決すべくなされたもので、回転部とこれに対峙する固
定部との間に配置され、ラビリンスフィンを有するシー
ルリングを、回転体の水平分割面寄りに配置された固定
シールリングと、中央寄りに配置された可動シールリン
グとにより形成し、同可動シールリングは回転体の起動
・停止時に半径方向外方に弾性体で付勢され、定格運転
時に半径方向内方に作動流体で押圧されるターボ回転機
械の自動調整シールにおいて、前記固定シールリングと
可動シールリングの合い口を段差付水平合せ面又は水平
合せ面で構成すると共に、前記可動シールリングを位置
決めする周方向中央位置に設けた案内装置を有し、前記
弾性体を可動シールリングの内周側に配置した波形ばね
で構成したターボ回転機械の自動調整シールを提供する
ものである。
【0015】すなわち、本発明によれば、定格運転時に
作動流体により半径方向内方に押圧されて段差付水平合
せ面又は水平合せ面で固定シールリングに支持され、か
つ、回転体の起動・停止時に半径方向外方に付勢される
可動シールリングは、この付勢力を可動シールリングの
内周側に配置した波形ばねにより与えられ、かつ、周方
向中央位置に設けた案内装置により位置決めされてお
り、定格運転時には作動流体で半径方向内方に押圧され
てシールを調整するという明解にしてコンパクトな構成
であり、設置場所として狭隘なスペースとならざるを得
ないシール構造、特に小型化を求められる動翼、静翼等
のチップシールに適用して有益なものである。
【0016】また本発明は、前記弾性体を波形ばねに代
えて、可動シールリングの内周側の複数位置に点在させ
た皿ばねで構成したターボ回転機械の自動調整シールを
提供するものである。
【0017】すなわち、本発明によれば、より小型化し
たものとして設計製作し、シール部に組み込むことが可
能であり、かつ、付勢力のバランスに優れた皿ばねに着
目して、回転体の起動・停止時に半径方向外方に付勢さ
れる可動シールリングに対しその付勢力を与えるものと
して採用し、装置の一層の小型化を図るようにしたもの
である。
【0018】また本発明は、前記案内装置と波形ばねに
代えて、押え板をばねで付勢して位置決めする支持機構
を複数配置したターボ回転機械の自動調整シールを提供
するものである。
【0019】すなわち、本発明によれば、押え板をばね
で付勢して得られる力により、ガイドピン等の付属物を
要することなく可動シールリングの位置決めを行うこと
ができ、装置の大型化に走らずに適切な支持力を得、狭
隘部位に採用するに好ましいものを得るようにしたもの
である。
【0020】更にまた本発明は、前記弾性体を波形ばね
に代えて、前記合せ面、又は可動シールリングの内周側
に配置した金属ベローズで構成し、同金属ベローズは外
部圧力を供給可能にしたターボ回転機械の自動調整シー
ルを提供するものである。
【0021】すなわち、本発明によれば、回転体の起動
・停止時に可動シールリングを半径方向外方に付勢する
力は外部から取り入れ、内部構造としては力の作用部と
して金属ベローズを設置すれば良いので、狭隘な場所に
容易に適用でき、しかも、力の大きさを容易に変化する
こともでき、応用範囲、適用範囲を拡張することを可能
とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図1乃至図13に
示す複数の実施の形態に基づいてそれぞれ説明する。な
お図1乃至図3は、部分変形例を含めて本発明の実施の
第1形態を示している。
【0023】5は可動シールリングで、回転機械の起動
・停止時と定格稼働時とに応じて自動的に移動して半径
方向の位置を異ならせるもの、11は固定シールリング
で、接触等の機械的衝撃に対して逃げうる様に弾性的に
支持されるが、基本的には移動しないものであり、これ
ら可動シールリング5及び固定シールリング11それぞ
れの内周側には、対峙する第1段動翼2の動翼シュラウ
ド3の周面に向かって延びるシールフィンが植え込まれ
ている。
【0024】すなわち可動シールリング5は起動・停止
時にはその内周側で軸方向一方の端面寄りに配置され、
同可動シールリング5の周方向ほぼ全域に延びる波形ば
ね6により半径方向外方に付勢され、他方、稼働時には
同可動シールリング5の高圧側周面と静翼リング4の間
の隙間を通って侵入し、同可動シールリング5の周方向
複数箇所(ここでは4カ所)に設けたバイパス溝10を
経て同可動シールリング5の外周側に導かれる作動流体
により押圧されて自動的に移動する構造となっている。
【0025】この可動シールリング5と固定シールリン
グ11の周方向の配置関係について見ると、固定シール
リング11は機械の水平分割面から両側各30°の範囲
に延びて配置され、これに対して可動シールリング5が
その残り部分である中央位置に周方向120°に亘って
延びている。
【0026】この可動シールリング5と固定シールリン
グ11との接合する合せ面16は、互いの接合を適切に
行うべく水平に延びる2つの平坦な面が段差を持って連
結された水平段付合せ面となっており、また、可動シー
ルリング5は、その中央部においてコイルバネ15で付
勢されたガイドピン1により、その位置決めが行われて
いる。
【0027】なお、前記の説明は、図1の全体配列を参
照しながら図2に示した要部構成について行ったが、図
2のものは図3の様に部分的に変形しうるものである。
すなわち、図2では波形ばね6は可動シールリング5の
内周側で軸方向一方の端面寄りに配置されているが、図
3に示す様に一方だけでなく両方に配置することもでき
る。
【0028】この選択は、波形ばね6の付勢力の必要程
度、片側配置と両側配置のバランス差の許容幅、可動シ
ールリング5と静翼リング4との接合面に生じるスラス
ト力への対応等々種々の設計条件により決められること
になるが、いずれを選択したとしても、本実施の形態の
ものでは、全体の構成はコンパクト化し得るものであ
り、動翼・静翼のチップシールの様に狭隘な場所におけ
るシールとして特に有益なものとなる。
【0029】なお、ここでは合せ面16は、水平段付合
せ面で構成したものとして示したが、ガイドピン1等に
よる可動シールリング5のガイド機能、及び位置決め機
能との兼ね合いによっては、段付き形状ではなく単なる
水平状に構成することも出来るものである。
【0030】次に本発明の実施の第2形態について、図
4及び図5に基づいて説明する。なお、前記した実施の
第1形態と同一の部分については図中同一の符号を付し
て示し、重複する説明は省略して説明を簡潔にする。
【0031】すなわち、本実施の形態は、前記実施の第
1形態における波形ばね6に代えて皿ばね13を採用
し、同皿ばね13の付勢力により起動・停止時に可動シ
ールリング5を半径方向外方に付勢する様にしたもので
ある。
【0032】より詳細に言えば、ネジ付フタ14で可動
シールリング5に対する上方(半径方向外方)の位置
を、静翼リング4のシールリング基準面で下方(半径方
向内方)の位置を決められた支持ピン12は、その周囲
に積重した皿ばね13により可動シールリング5上方
(半径方向外方)の付勢力を発生し、これに対抗する作
動流体の押圧の立たない起動・停止時には可動シールリ
ング5を半径方向外方へ押し上げている。
【0033】図4はこのような皿ばね13を可動シール
リング5の軸方向で両端面寄りに配列したものであり、
また、図5はその変形として片側のみに配置しており、
これも前記実施の第1形態のものと同様に設計条件に応
じて適宜選択されて採用されることになる。
【0034】なお、前記実施の第1形態と重複するので
図を省略したが、図1を援用して説明を付加すれば、こ
の皿ばね13は波形ばね6の様に、上半部に120°に
亘って延びる可動シールリング5の全域に連続して配置
される必要はなく、同可動シールリング5の全域に対し
て約20°間隔で6ヵ所程度設ければ十分である。
【0035】また、図4、図5は、皿ばね13と共にガ
イドピン1も示しているので、一見、皿ばね13の設置
位置に常にガイドピン1が併設されている図面表示とな
っているが、同図4、図5は共に合成図であり、可動シ
ールリング5の中央位置に1ヵ所のみ設けたガイドピン
1と、前記の様に6ヵ所設けた皿ばね13の内の一つを
合成して表示したものであり、同一断面に皿ばね13と
ガイドピン1が併置されているものではない。
【0036】この様に構成された本実施の形態のものに
より、前記実施の第1形態のものと共にこの種シール装
置の、応用、適用範囲を更に広げ、設計条件の多様性に
対応できることになる。
【0037】次に本発明の実施の第3形態について、図
6乃至図9に基づいて説明する。なお、前記した実施の
第1形態と同一の部分については図中同一の符号を付し
て示し、重複する説明は省略して説明を簡潔にする。
【0038】すなわち、本実施の形態は、前記実施の第
1形態におけるガイドピン1と波形ばね6に代えて、上
部押え板26を皿ばね25で押圧して形成した支持機構
を採用し、回転機械の起動・停止時における可動シール
リング5の主たる位置決め機能を、同支持機構に受け持
たせる様に構成したものである。
【0039】図7に図8のB−B断面を、図8に図7の
A−A断面を示す様に、前記実施の第1形態の静翼リン
グ受に相当するシールリング受の、シールリング基準面
に対して位置を規制されたガイド板24と、可動シール
リング5に対する位置を規制された上部押え板26との
間に皿ばね25を介装し、同皿ばね25の付勢力で上部
押え板26をシールリング受に摩擦接合して全体の位置
決めを行う支持機構を構成している。
【0040】この支持機構は、図6に示す様に機械の水
平分割面の上方で中央位置に周方向120°に亘って延
びた可動シールリング5の中央部と、その両側約30°
づつ、合計で互いに60°離れた位置N,Mとの3点に
配置されており、同可動シールリング5と固定シールリ
ング11との合せ面16に配置された一対のガイドピン
20と共働して可動シールリング5の位置決めを行って
いる。
【0041】なお、図9は図6の変形例を示し、可動シ
ールリング5と固定シールリング11との合せ面16は
段差付の平坦な水平面で形成した合せ面16のみとし
て、ここに格別の連絡手段は採用せずに中央部とその両
側約30°の位置P,Qの3点に支持機構を配置して可
動シールリング5の位置決めを行うようにしたものであ
り、設計条件により、皿ばね25の選択に自由度が有
り、剛性の高いものを採用出来る場合にはその付勢力が
十分得られるので、図9の3点支持機構のみでその役割
を果たしうることを示している。
【0042】なお、本実施の形態において、10はバイ
パス溝で、可動シールリング5を半径方向内方へ押圧す
る作動流体の供給路の一部を形成し、27は上部押え板
26を所定位置に固定する押えボルト、21はロータ、
23はシールフィン、35は固定シールリング11を付
勢する板ばねを示している。
【0043】次に本発明の実施の第4形態について、図
10ないし図13に基づいて説明する。なお、前記した
実施の第1形態と同一の部分については図中同一の符号
を付して示し、重複する説明は省略して説明を簡潔にす
る。
【0044】図10及び図11に示す様に、本実施の形
態では、前記実施の第1形態における波形ばね6に代え
て、可動シールリング5と固定シールリング11との合
せ面16に金属ベローズ50を配置し、回転機械の起動
・停止時における可動シールリング5の主たる位置決め
機能を、同金属ベローズ50に受け持たせる様に構成し
たものである。
【0045】そして、金属ベローズ50は合せ面16を
水平段付合せ面44に構成し、シールリング51と金属
ベローズ固定面52とで規制して金属ベローズ50を配
置しているが、この合せ面16は前記実施の第1形態等
と同様に水平合せ面で形成することもできるものであ
る。
【0046】金属ベローズ50は、図示省略の外部圧力
源に連なる切換弁A55、及びその下流の調圧弁56を
経て、外部圧導入ライン57から一定の圧力を供給され
て回転体の起動・停止時に可動シールリング5を半径方
向外方に付勢する。
【0047】また、外部圧導入ライン57は切換弁B5
8により排出ライン59に連通しており、切換弁A55
からの外圧を調圧弁56で一定圧に調整して供給後、運
転状況の変化等で金属ベローズ50の付勢力を減少した
いときには、同切換弁B58を開いて排出ライン59に
逃がし、付勢力を調整することができる。
【0048】なお図12、図13は本実施の形態の部分
変形例を示し、金属ベローズ50の設置位置を前記可動
シールリング5と固定シールリング11との合せ面16
ではなく、可動シールリング5のシーリング受18に移
したものである。
【0049】この場合には図13に示すように、機械の
水平分割面の上方で中央位置に周方向120°に亘って
延びた可動シールリング5の全幅に亘って配置するので
はなく、互いに約30°離れたE1 、E2 、E3 、E4
の4点に配置している。
【0050】なお、合せ面16は、基本形態としては水
平段付合せ面で構成するが、位置決めピン38等による
可動シールリング5のガイド機能、位置決め機能等との
兼ね合いによっては、図13に示した様に段付き形状で
はなく水平形状に変形することのできるものである。
【0051】この配列変形もまた、種々の設計条件に対
して対応の幅を広げたものであり、狭隘な場所に詰合
せ、譲り合って配置になければならない装置だけに多様
性に富んだものとする意義が求められるものでる。
【0052】なお、本実施の形態において、38は位置
決めピンで、可動シールリング5の中央部に配置され、
その位置決めを行うものであり、また、45、46は固
定シールリング11の位置決めピンを示している。
【0053】以上、本発明を図示の実施の形態について
説明したが、本発明はかかる実施の形態に限定されず、
本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えて
よいことはいうまでもない。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、回
転部とこれに対峙する固定部との間に配置され、ラビリ
ンスフィンを有するシールリングを、回転体の水平分割
面寄りに配置された固定シールリングと、中央寄りに配
置された可動シールリングとにより形成し、同可動シー
ルリングは回転体の起動・停止時に半径方向外方に弾性
体で付勢され、定格運転時に半径方向内方に作動流体で
押圧されるターボ回転機械の自動調整シールにおいて、
前記固定シールリングと可動シールリングの合い口を段
差付水平合せ面又は水平合せ面で構成すると共に、前記
可動シールリングを位置決めする周方向中央位置に設け
た案内装置を有し、前記弾性体を可動シールリングの内
周側に配置した波形ばねで構成したので、回転体の起動
・停止時に半径方向外方に付勢される可動シールリング
は、この付勢力を可動シールリングの内周側に配置した
波形ばねにより与えられ、また、周方向中央位置に設け
た案内装置により位置決めされており、定格運転時には
作動流体で半径方向内方に押圧されてシールを調整する
という明解にしてコンパクトな構成となり、設置場所と
して狭隘なスペースとならざるを得ないシール構造、特
に小型化を求められる動翼、静翼等のチップシールに適
用して有益な自動調整シールを得ることができたもので
ある。
【0055】また、請求項2の発明によれば、前記ター
ボ回転機械の自動調整シールにおいて、前記弾性体を波
形ばねに代えて、可動シールリングの内周側の複数位置
に点在させた皿ばねで構成したので、回転体の起動・停
止時に半径方向外方に付勢される可動シールリングに対
し、より小型化したものとして設計製作し、シール部に
組み込むことが可能で、かつ、付勢力のバランスに優れ
た皿ばねにより、その付勢力を与えるものとして採用す
ることにより、装置の一層の小型化を図ることができた
ものである。
【0056】また、請求項3の発明によれば、前記ター
ボ回転機械の自動調整シールにおいて、前記案内装置と
波形ばねに代えて、押え板をばねで付勢して位置決めす
る支持機構を複数配置したので、押え板をばねで付勢し
て得られる力により、ガイドピン等の付属物を要するこ
となく可動シールリングの位置決めを行うことができ、
装置の大型化に走らずに適切な支持力を得、狭隘部位に
採用するに好ましい自動調整シールを得ることができた
ものである。
【0057】更にまた、請求項4の発明によれば、前記
ターボ回転機械の自動調整シールにおいて、前記弾性体
を波形ばねに代えて、前記合せ面、又は可動シールリン
グの内周側に配置した金属ベローズで構成し、同金属ベ
ローズは外部圧力を供給可能にしたので、回転体の起動
・停止時に可動シールリングを半径方向外方に付勢する
力は外部から取り入れ、内部構造としては力の作用部と
して金属ベローズを設置すれば良いので、狭隘な場所に
容易に適用でき、しかも、力の大きさを容易に変化する
こともでき、応用範囲、適用範囲を大幅に拡張すること
ができたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態に係るターボ回転機械
の自動調整シールを軸直角断面で概略的に示す説明図で
ある。
【図2】図1の実施形態における可動シールリングを軸
方向断面で示す説明図である。
【図3】図2のものの部分変形を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の第2形態に係るターボ回転機械
の自動調整シールの可動シールリングを軸方向断面で示
す説明図である。
【図5】図4のものの部分変形を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の第3形態に係るターボ回転機械
の自動調整シールを軸直角断面で概略的に示す説明図で
ある。
【図7】図6の実施形態における支持機構を拡大し、図
8のB−B断面として示す説明図である。
【図8】図7のA−A断面を示す説明図である。
【図9】図6のものの部分変形を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の第4形態に係るターボ回転機
械の自動調整シールの全貌を示し、(a)は上面、
(b)は軸断面、(c)は側面を示す説明図である。
【図11】図11の要部を拡大して示す説明図である。
【図12】図10の実施形態における金属ベローズの部
分変形を示す説明図である。
【図13】図12の金属ベローズの配列をターボ回転機
械の自動調整シールの軸直角断面で概略的に示す説明図
である。
【図14】従来のターボ回転機械の自動調整シールを軸
方向断面で示す説明図である。
【図15】図14のX−X断面を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ガイドピン 2 第1段動翼 3 動翼シュラウド 4 静翼リング 5 可動シールリング 6 波形ばね 10 バイパス溝 11 固定シールリング 12 支持ピン 13 皿ばね 14 ネジ付フタ 15 コイルばね 16 合せ面 20 ガイドピン 21 ロータ 23 シールフィン 24 ガイド板 25 皿ばね 26 上部押え板 27 押えボルト 35 板ばね 44 水平段付合せ面 45 位置決めピン 46 位置決めピン 50 金属べローズ 51 シールリング 52 金属ベローズ固定面 55 切換弁A 56 調圧弁 57 外部圧導入ライン 58 切換弁B 59 排出ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榎本 健次 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 小西 哲 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂製作所内 (72)発明者 渡辺 英一郎 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂製作所内 (72)発明者 馬越 龍太郎 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂製作所内 (56)参考文献 特開 平7−83334(JP,A) 特開 昭61−256065(JP,A) 実開 昭61−161472(JP,U) 実開 平2−41772(JP,U) 実開 昭64−31263(JP,U) 実開 昭61−161473(JP,U) 特公 昭49−29975(JP,B1) 特表 平7−504485(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16J 15/40 - 15/56 F16J 15/16 - 15/30 F01D 11/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転部とこれに対峙する固定部との間に
    配置され、ラビリンスフィンを有するシールリングを、
    回転体の水平分割面寄りに配置された固定シールリング
    と、中央寄りに配置された可動シールリングとにより形
    成し、同可動シールリングは回転体の起動・停止時に半
    径方向外方に弾性体で付勢され、定格運転時に半径方向
    内方に作動流体で押圧されるターボ回転機械の自動調整
    シールにおいて、前記固定シールリングと可動シールリ
    ングの合い口を段差付水平合せ面又は水平合せ面で構成
    すると共に、前記可動シールリングを位置決めする周方
    向中央位置に設けた案内装置を有し、前記弾性体を可動
    シールリングの内周側に配置した波形ばねで構成したこ
    とを特徴とするターボ回転機械の自動調整シール。
  2. 【請求項2】 前記弾性体を波形ばねに代えて、可動シ
    ールリングの内周側の複数位置に点在させた皿ばねで構
    成したことを特徴とする請求項1に記載のターボ回転機
    械の自動調整シール。
  3. 【請求項3】 前記案内装置と波形ばねに代えて、押え
    板をばねで付勢して位置決めする支持機構を複数配置し
    たことを特徴とする請求項1に記載のターボ回転機械の
    自動調整シール。
  4. 【請求項4】 前記弾性体を波形ばねに代えて、前記合
    せ面、又は可動シールリングの内周側に配置した金属ベ
    ローズで構成し、同金属ベローズは外部圧力を供給可能
    にしたことを特徴とする請求項1に記載のターボ回転機
    械の自動調整シール。
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