JP3358454B2 - 陰極線管 - Google Patents

陰極線管

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JP3358454B2 JP20836096A JP20836096A JP3358454B2 JP 3358454 B2 JP3358454 B2 JP 3358454B2 JP 20836096 A JP20836096 A JP 20836096A JP 20836096 A JP20836096 A JP 20836096A JP 3358454 B2 JP3358454 B2 JP 3358454B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、TV受像機やディ
スプレイモニター等に用いられる陰極線管に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図11は特開昭61−131341号公
報に示された従来のスプリング31を有する電子銃の第
二陽極電極30の正面図であり、図12は同平面図であ
る。図13は陰極線管の一種の投写管の断面図である。
スプリング31は電子銃34の先端に設けられる部品で
あり、第二陽極電極30には複数のスプリング31が固
定されている。このスプリング31の両自由端に形成さ
れたコンタクト部32は、図13に示す陰極線管のネッ
ク管33内に挿入される電子銃34を案内すると共に、
ネック管33の内壁の黒鉛塗膜35に接触して電子銃を
アノードに電気的に接続するためのものである。図12
に示すように、例えば3個のスプリング31が第二陽極
電極30の外周方向に向かって突出している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ハイビジョン放送の本
格導入に向けてこれに対応する高解像度陰極線管が市場
より求められるとともに、より一層の高画質化が求めら
れている。特に高輝度が求められる投写管では高電流域
まで高品質な電子ビームが形成されることが求められて
いる。例えば電子ビームの形状が縦長になると垂直解像
度が劣化する。また電子ビームの形状が横長になると水
平解像度が劣化する。通常、投写管に使用されるユニポ
テンシャル型電子銃において電子ビームの形状が悪くな
る要因としては、陰極線管の封止工程において電子銃3
4をネック管33に挿入する時に集束レンズを形成する
第二陽極電極30が傾き、それによって集束レンズが同
時に傾いて蛍光面上に集束される電子ビームの形状が楕
円になることが考えられる。従来のスプリング31を有
する電子銃34では、ネック管33の内径が小さくなる
方向にばらつくと、電子銃34をネック管33へ挿入す
るときの圧力が大きくなる。そのために、第二陽極電極
30が傾いて、電子ビームの形状が劣化するという問題
があった。
【0004】また、投写管はアノード37に印加される
陽極電圧が30kV以上の非常に高い電圧で動作してい
るため、管内放電が生じると、瞬間的に100A以上の
電流が流れる。このとき投写管が組込まれた装置の各回
路部品にこの電流が流れる。この電流が各回路部品の耐
電流以上になると回路部品が破壊され、装置が動作しな
くなるという問題がある。このような大電流が流れる理
由を以下に説明する。
【0005】図13に示す陰極線管において、薄いアル
ミ膜のアノード37が、ネック管33からファンネル部
38とパネル面40の内面に至る領域に蒸着により形成
されている。またネック管33とファンネル部38との
境界部Aから電子銃34のカソード方向のネック管33
の内壁には黒鉛塗膜35が設けられている。黒鉛塗膜3
5の抵抗値はネック管33の軸方向の長さに比例し、例
えば0.4Ω/cmである。境界部Aでは、黒鉛塗膜3
5はアノード37に接して電気的に接続されている。前
記の第二陽極電極30に設けられたスプリング31は、
黒鉛塗膜35に接触して電気的に接続される。その結
果、第二陽極電極30とアノード37とは、両者間の距
離に応じた所定の抵抗値の黒鉛塗膜35を介して電気的
に接続される。このように所定の抵抗値を有する黒鉛塗
膜35を介して電気的に接続されているときは、上記の
ように瞬間的に100A以上の電流が流れることはな
く、この電流値は大幅に減少する。
【0006】ところが、通常の陰極線管では、組立完了
後、管内の真空度を向上させるためにゲッター10の材
料のバリウムを蒸発させるゲッターフラッシュを行うと
バリウムの膜がネック管33の黒鉛塗膜35及びアノー
ド37の表面に付着する。バリウムの膜は第二陽極電極
30の端面の図13の矢印Bで示す位置から電子銃34
のカソード1の方向へ約2mm進んだネック管33と第
二陽極電極30とのすきまにまで形成される。この現象
はバックフラッシュと呼ばれている。バリウムの膜は電
気的導電体であるので、スプリング31が接する黒鉛塗
膜35の表面に付着すると、スプリング31とアノード
37との間の抵抗値が極めて低くなる。
【0007】図11の従来のスプリング31のコンタク
ト部32は、矢印Bの位置から電子銃34のカソード方
向に2mm程度の位置にあるので、コンタクト部32と
アノード37との間の抵抗値が極めて低くなり前記のよ
うに100A以上の電流が流れる。
【0008】本発明は、陰極線管において、組立時の第
二陽極電極30の傾きを低減し、集束電極部で良好な電
子ビーム形状を形成し、ハイビジョン放送等にも対応し
た高画質な映像が得られる陰極線管を提供することを目
的とする。また管内放電時の最大瞬間電流が低減される
信頼性の高い陰極線管を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の陰極線管は、電
子銃の先端に設けられた電極上に配置された金属板に、
電子銃の中心軸に実質的に平行にかつ電子銃のカソード
に向かう方向で所定の長さを有する複数の腕状部を形成
し、各腕状部の先端に、電極の外周に沿って配列された
複数のコンタクト部を設けたスプリングを備えている。
従ってネック管の内径がばらつきを有していても電子銃
の挿入時にスプリングのコンタクト部にかかる圧力の大
幅な増加を弾力性を有する腕状部がたわむことにより抑
えることができる。その結果第二陽極電極の傾きが抑え
られ、電子ビームが集束レンズに垂直に入射して、真円
度の高い高品質な電子ビームが得られる。
【0010】また、腕状部が所定の長さを有するのでス
プリングのコンタクト部が第二陽極電極の先端より離れ
た位置で黒鉛塗膜に接する。その位置の黒鉛塗膜は所定
の抵抗を有するので、管内放電時に流れる最大瞬間電流
が低減する。
【0011】
【発明の実施の形態】図1に示すように本発明の陰極線
管は、図13と同じ構造の内面に蛍光面を有するパネル
40、内壁に黒鉛塗膜35を有するネック管部33、お
よびパネル40とネック管部33の間を接続するファン
ネル部38を有するガラス製の真空容器50と、真空容
器50内に収納された電子銃34と、電子銃34の先端
付近に配置された第二陽極電極6に、ネック管部33内
に挿入される電子銃34を案内すると共にネック管部3
3の内壁の黒鉛塗膜35に電気的に接触するコンタクト
部14を有する導電性のスプリング7であって、電子銃
34の先端付近に配置された第二陽極電極6上に設けら
れた金属板11、電子銃34の中心軸に実質的に平行に
かつ電子銃34のカソード1に向かう方向で所定の長さ
を有する複数の腕12を有し、各腕12の先端に第二陽
極電極6の外周に沿って配置されたコンタクト部14を
有するスプリング7とを備えている。
【0012】《実施例》本発明の実施例について、図1
から図10を用いて説明する。陰極線管の代表例として
の投写管の全体図を図13に示す。図1は本発明の陰極
線管に使用される例えば36.5mmネック用ユニポテ
ンシャル型の電子銃の一実施例の正面図である。図2は
本発明の陰極線管の電子銃34に設けられたスプリング
7の斜視図である。図3の(a)は前記スプリング7の
正面図であり、(b)は同平面図である。図4は本発明
のスプリング7と第二陽極電極6との位置関係を示す断
面図である。
【0013】図1に示す実施例における電子銃は、カソ
ード1、制御電極2、加速電極3、第一陽極電極4、集
束電極5、第二陽極電極6が順次配列されて構成されて
いる。図2及び図3の(a)及び(b)においてスプリ
ング7は、第二陽極電極6の外径と同径の直径D1(=
27mm)の金属板11と、金属板11の外周に一体に
設けられた複数の腕12から構成されている。具体例の
スプリング7は、第二陽極電極6の外壁より0.5mm
の間隔d1(図4)ができるように、幅d2(=4m
m)、長さL1(=4.5mm)の腕12をL字状に形
成している。各腕12の端部から第二陽極電極6の外周
に沿って左右にさらに長さL2(=1.9mm)、幅d
3(=5mm)の腕13を延ばし、その両方の自由端に
所定の半径(=2.4mm)の球面状のコンタクト部1
4を設けている。スプリング7は第二陽極電極6上に覆
いかぶさるように配置されて第二陽極電極6に溶接等に
より固定される。長さL1が4.5mm、d3が5mm
なので、金属板11からコンタクト部14の凸出部まで
の距離は7mmとなる(5/2+4.5=7)。この時
のコンタクト部14の自然外径D2は31.6mmとな
る。金属板11の中央には電子ビームが通過できるよう
直径D3(=10mm)の電子ビーム通過孔15が形成
されている。図4において、金属板11の上には、ゲッ
ターフラッシュ時のバックフラッシュを防ぐため、高さ
h1(=6mm)、孔径D4(=7mm)の筒状部を有
する金属部品であるゲッター遮蔽筒8が溶接などにより
固定されている。またゲッター遮蔽筒8にはゲッター1
0を保持するためのゲッター支柱9が取り付けられてお
り、この支柱9にはゲッター10が金属板11から、h
2(=15mm)の距離の位置に取り付けられている。
スプリング7の材質は厚さ0.15mmのステンレス材
SUS304の軟質材を使用している。また、制御電極
2、加速電極3、第一陽極電極4、収束電極5、第二陽
極電極6、ゲッター遮蔽筒8及びゲッター支柱9もステ
ンレス材SUS304の軟質材を使用している。
【0014】スプリング7の金属板11から離れた位置
にコンタクト14を設け、コンタクト部14と第二陽極
電極6との間に例えば0.5mmの間隔d1を設けてい
るため、コンタクト部14と第二陽極電極6との間隔d
1の分だけコンタクト部14全体が第二陽極電極6方向
に傾くことができる。例えばネック管の内径D4が、3
0.5mmの設計中心値より最大公差(=0.3mm)だ
け小さくなっても、コンタクト部14全体が第二陽極電
極6の方向に傾くことでコンタクト部14の自然外径D
2が0.3mm小さくなる。従って封止工程において電
子銃34をネック管33に挿入するとき、ネック管33
の内径のばらつきの影響を受けず、一定の挿入圧力を得
ることができる。
【0015】以下に、図11、12に示す従来のスプリ
ング31の具体例と本発明のスプリング7との比較をす
る。
【0016】従来のスプリング31では、中央に第二陽
極電極30への溶接面37を有し、その溶接面37から
30°の角度をもって幅d4(=3.5mm)の腕36
を左右に、それぞれ長さL3(=1.4mm)だけ延ば
している。その両端の自由端には所定の半径(=2.4
mm)の球面状のコンタクト部32を有している。この
3個のスプリング31を外径D6が27.0mmの第二
陽極電極30の先端部の外周面に抵抗溶接で固定してい
る。スプリング31を溶接した後のスプリング31のコ
ンタクト部32の自然外径D5は、本発明の電子銃に使
用されるスプリング7のコンタクト部14の自然外径D
2と同じ31.6mmとしている。またスプリング31
の板厚は0.15mm、第二陽極電極30とスプリング
31の材質はステンレス材SUS304軟質材を用いて
おりこれらは本発明の電子銃に使用されるスプリング7
と同じである。
【0017】図5はネック管33の内径の違いに対する
電子銃のネック管33への最大挿入圧力を示す。図中の
曲線aは本発明の前記実施例の電子銃でのネック管33
への最大挿入圧力を示す。また図中の曲線bは従来のス
プリング31を使用した電子銃でのネック管33への最
大挿入圧力を示す。図6はネック管33の内径の違いに
よる、電子銃のネック管33へ挿入した後の集束電極5
の加速電極4の側の下端面を基準としたときの第二陽極
電極6の傾きを示す。図中の曲線cは本発明の前記実施
例の電子銃での第二陽極電極6の傾きを示す。図中の曲
線dは従来のスプリング31を用いた電子銃での第二陽
極電極6の傾きを示す。この時のスプリング7及び31
のコンタクト部14及び32の自然外径D2及びD5は
ともに31.6mmで同径である。図7は上記ネック管
33の内径の違いに対する対角外径16cmの投写管の
蛍光面中心での電子ビームスポットの真円率を示す。図
中の曲線eは本発明の前記実施例の電子銃を使用した対
角外径16cmの投写管のスポット真円率を示す。図中
の曲線fは従来のスプリング31を用いた電子銃を使用
した対角外径16cmの投写管のスポット真円率を示
す。図8は、上記ネック管33内径の違いに対する対
角外径16cmの投写管の蛍光面中心での電子ビームス
ポットの水平方向の水平スポット径を示す。図中の曲線
gは、本発明の前記実施例の電子銃を使用した対角外径
16cmの投写管の水平スポット径を示す。図中の曲線
hは、従来のスプリング31を用いた電子銃を使用した
対角外径16cmの投写管の水平スポット径を示す。測
定回数は、それぞれのネック管内径で各3回であり、図
中データは各3回の測定値の平均を示す。
【0018】最大挿入圧力は、被測定電子銃を外径3
6.5mmのネック管33へ挿入する時の最大荷重をば
ねばかりにて測定を行った。第二陽極電極6の傾きは5
0倍の拡大投影機にてネック管33上より測定を行っ
た。
【0019】スポット真円率、スポット水平径の測定条
件は、陽極電圧Vaが32kV、カットオフ電圧Vkc
oが190V、ヒータ電圧Vfが6.3Vである。カソ
ード電圧Vkはビーム電流6mA相当になるよう設定し
て測定を行った。フォーカス調節は、ビームスポットの
コアとヘイズが消える点をフォーカスが合った位置とし
てフォーカス電圧Vfocを合わせた。水平スポット径
はスポットプロファイル最大輝度比率5%での水平方向
の値を示す。また電子銃の、制御電極2、加速電極3及
び第一陽極電極4相互間の孔ずれによって生じるビーム
スポットのコアとヘイズの偏心によるスポット径の真円
率への影響をなくすため、2極のアライメントマグネッ
ト(図示省略)をネック管33上の加速電極3上に配置
し、2極のアライメントマグネットを調整することでビ
ームスポットのコアとヘイズの偏心の補正を行った。ス
ポット径の真円率はフォーカスが合ったときのスポット
径の最大径と最小径の比で表す。
【0020】図5、図6より明らかなように、従来のス
プリング31を使用した電子銃では、ネック管33の内
径が設計中心値30.5mmから0.15mm以上小さく
なると最大挿入圧力が上昇し、それに伴い第二陽極電極
6の傾きも急増することがわかる。また図7及び図8に
示すように、ビームスポットの真円率と水平方向の水平
スポット径についても、第二陽極電極6の傾きに応じ
て、真円率が低下し、水平スポット径が大きくなる。
【0021】これに対し、本発明のスプリング7を使用
した電子銃では、ネック管33の内径が小さくなっても
最大挿入圧力はほぼ一定であり、第二陽極電極6の傾き
についてもほぼ一定した低い値を示している。ビームス
ポットの真円率、水平スポット径についても図7、図8
に示すようにネック管33の内径が小さくなっても安定
した良好な結果が得られている。
【0022】次にネック管33の内径のばらつきを考慮
に入れるため、本発明のスプリング7を用いた電子銃と
従来のスプリング31を用いた電子銃を使用した対角外
径16cmの投写管を各20本製作し、蛍光面中心での
電子ビームスポットの真円率と水平スポット径の、平均
値と標準偏差をそれぞれ求めた。測定方法は前記スポッ
ト真円率、水平スポット径の測定条件と同じである。従
来のスプリング7を用いた電子銃のときのスポット真円
率の平均値は93%、標準偏差は4.6%であり、水平
スポット径の平均値は0.37mm、標準偏差は0.09
mmであった。それに対し、本発明のスプリング7を用
いた電子銃のときのスポット真円率の平均値は95%、
標準偏差は2.6%であり、水平スポット径の平均値は
0.36mm、標準偏差は0.05mmであった。従って
通常のネック管33の内径の寸法ばらつきを考慮した場
合でも、スポット真円率と水平スポット径の平均値、及
び標準偏差が共に小さくなっていることがわかる。
【0023】この水平スポット径の改善効果を水平解像
度に換算するため、ラスターサイズをアスペクト比1
6:9の114mm×64mmとして、レスポンス特性
MTF(Modulation Transfer F
unction)を、投写光学レンズと投影スクリーン
のレスポンス特性を考慮して投写管面上でMTF=0.
15としたときの水平解像度を計算した。その結果従来
のスプリング31を用いた電子銃のときの水平解像度は
525TV本であった。これに対して本発明のスプリン
グ7を用いた電子銃のときの水平解像度は540TV本
であり、15TV本だけ改善された。
【0024】この電子銃では、第二陽極電極6とネック
管33の内径の隙間が1.75mmであり、ゲッター1
0の高さh2は19mmである。ゲッター10を蒸発さ
せるゲッターフラッシュ工程で、ゲッターの材料のバリ
ウムの蒸気が第二陽極電極6の方向に飛ぶバックフラッ
シュにより、第二陽極電極6の頂部の位置より下方に2
mm程度までバリウムの膜がネック管33の内壁に付着
する。このため従来の電子銃のスプリング31の位置で
はスプリング31のコンタクト部32の位置までバリウ
ムが付着して、、黒鉛塗膜が有する抵抗値が減少し、時
には抵抗値はほとんど零に近くなる。
【0025】それに対し、本発明の前記実施例では、ス
プリング7のコンタクト部14の接触位置は第二陽極電
極6の頂部の位置より下方に7mmの所にあるため、距
離5mm分(=7−2)の黒鉛塗膜が有する抵抗がアノ
ード37と電子銃34間に得られる。本実施例での黒鉛
塗付膜の抵抗値は例えば0.2Ω(0.4Ω×0.5c
m)である。
【0026】本発明のスプリング7を用いた電子銃と、
従来のスプリング31を用いた電子銃をそれぞれ使用し
た投写管で管内放電時に流れる最大瞬間電流を測定し
た。
【0027】測定方法としては、アノード37に印可さ
れる陽極電圧を32kVとし、陽極電圧が印可される第
一陽極電極4と第二陽極電極6以外の電極の電位をアー
ス電位とした。管内放電は加速電極4と集束電極5間に
レーザ光を照射することで、人為的に発生させた。最大
瞬間電流はカレントプローブにて蓄積管オシロスコープ
で測定した。
【0028】従来のスプリング31を用いた電子銃の投
写管では、管内放電時の最大瞬間電流は140Aであっ
た。これに対してアノード37と電子銃34間で抵抗を
有する本発明の電子銃を用いた投写管では管内放電時の
最大瞬間電流は60Aであり、57%低減した。このよ
うに、管内放電時の最大瞬間電流の低減により投写管を
使用する装置の回路の各部品に流れる電流においても5
7%以上の低減効果が得られ、投写管を使用する装置の
信頼性が57%以上向上する効果がある。
【0029】上記の実施例では、スプリング7は金属板
11と腕12とを一体化しているが、図9に示すよう
に、金属板11とコンタクト部14を有する腕12を別
部材にし、コンタクト部14を有する腕12をL字状に
曲げ、曲げた部分と金属板11とを接続部12Aで溶接
して構成することもできる。
【0030】また前記の実施例では、スプリング7の腕
13を水平方向に延ばしているが、図10に示すように
カソード側に角度をつけて腕13を延ばした構成にして
もよい。この場合にはアノードコンタクトと電子銃間で
の抵抗をさらに大きくすることができる。
【0031】また本実施例では金属板11から外向きに
延ばされる腕の数は4本であるが、2本以上で有れば、
本発明の効果が得られる。
【0032】また本実施例でのコンタクト部14の形状
は半径が2.4mmの単一アールの半球状であるが、複
数のアール形状の組み合わせでも良い。
【0033】また本実施例ではスプリング7の金属板1
1の形状は投写管用の第二陽極電極6の形状に合わせた
円形であるが、カラー受像管に使用される電子銃の第二
陽極電極のように円形でない他の形状であってもよい。
【0034】上記実施例では直径36.5mmネック用
ユニポテンシャル型電子銃を有するプロジェクション管
について説明したが、直径29.1mmネック用ユニポ
テンシャル型電子銃、電磁集束型電子銃を有するプロジ
ェクション管、またカラー受像管に用いた場合でも同様
の効果が得られる。
【0035】
【発明の効果】本発明の陰極線管では、円板状の金属板
の外周に設けた比較的長い腕の先端にスプリングのコン
タクト部を設けている。従って腕は弾力性を有し、スプ
リングを取付けた電子銃をネック管に挿入するとき容易
にたわんで低い挿入圧力で挿入することができる。また
コンタクト部と第二陽極電極との間にあらかじめ間隔を
設けているので、ネック管の内径が製造誤差で設計値よ
り小さくなっても挿入圧力が増大することはない。従っ
て第二陽極電極の傾きを増大させることはなく、スポッ
トの真円率が改善された高画質の陰極線管を得ることが
できる。例えば水平解像度は従来のものに比べて平均1
5TV本改善される。以上のように、組立時の第二陽極
電極の傾きを低減し、集束電極部で良好な電子ビーム形
状を形成できるのでハイビジョン放送などにも対応した
高画質が得られる陰極線管が実現できる。
【0036】また、腕が長いためコンタクト部は腕の長
い分だけ第二陽極電極の頂部から離れた位置でネック管
の内壁の黒鉛塗付膜に接する。第二陽極電極の頂部近傍
のネック管の内壁の黒鉛塗付膜はゲッターフラッシュ工
程のバックフラッシュによりバリウムが付着している
が、頂部から離れた位置で付着しておらず、コンタクト
部を黒鉛塗付膜に接触させることができる。従って黒鉛
塗付膜の抵抗値により管内放電時の最大瞬間電流を約6
0%に抑制することができるので信頼性の高い陰極線管
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の陰極線管に使用される36.
5mmネック用ユニポテンシャル型電子銃の正面図
【図2】本発明の陰極線管の電子銃に設けられるスプリ
ングの斜視図
【図3】(a)は図2に示すスプリングの正面図 (b)は図2に示すスプリングの平面図
【図4】本発明によるスプリングを取付けたユニポテン
シャル型電子銃のスプリング部分の構造例を示す断面図
【図5】本発明の実施例の電子銃と従来の電子銃のネッ
ク管内への最大挿入圧力とネック管内径との関係を示す
【図6】本発明の実施例の電子銃と従来の電子銃の、ネ
ック管内径違いによるネック管への挿入後の第二陽極電
極の傾きを示す図
【図7】本発明の実施例の電子銃と従来の電子銃を用い
た投写管のネック管内径違いによるスポット真円率を示
す図
【図8】本発明の実施例の電子銃と従来の電子銃を用い
た投写管のネック管内径違いによる水平スポット径を示
す図
【図9】本発明の陰極線管に使用されるスプリングの他
の実施例を示す正面図
【図10】本発明の陰極線管に使用されるスプリングの
さらに他の実施例を示す正面図
【図11】従来のスプリングを用いたユニポテンシャル
型電子銃の第二陽極電極とスプリング部を示す正面図
【図12】従来のスプリングを用いたユニポテンシャル
型電子銃の第二陽極電極とスプリング部を示す平面図
【図13】一般的な形状の投写管の断面図
【符号の説明】
1 カソード 2 制御電極 3 加速電極 4 第一陽極電極 5 集束電極 6 第二陽極電極 7 スプリング 8 ゲッタ遮蔽筒 9 ゲッター支柱 10 ゲッター 11 金属板 12 腕 14 コンタクト部 33 ネック管部 34 電子銃 35 黒鉛塗膜 38 ファンネル部 40 パネル 50 真空容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−73532(JP,A) 特開 昭56−152144(JP,A) 特開 昭61−131341(JP,A) 実開 昭61−197642(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 29/82

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面に蛍光面を有するパネル部、内壁に
    黒鉛塗膜を有するネック管部、および前記パネル部と前
    記ネック管部間を接続するファンネル部を有する真空容
    器と、 前記真空容器内に収納された電子銃と、 前記電子銃の先端付近に配置された電極に、前記ネック
    管内に挿入される前記電子銃を案内すると共に前記ネッ
    ク管の前記内壁の前記黒鉛塗膜に電気的に接触して前記
    電極とアノードとを電気的に接続するコンタクト部を有
    するスプリングを備え、 前記スプリングは前記電極上に設けられた円板状の
    属板の外周に、前記電子銃の中心軸に実質的に平行にか
    つ前記電子銃のカソードに向かう方向で所定の長さを有
    する複数の腕状部を有し、前記各腕状部の端部から前記
    電極の外周に沿って左右にさらに腕を延ばし、その両方
    の自由端に前記コンタクト部を有することを特徴とする
    陰極線管。
  2. 【請求項2】 前記コンタクト部が前記黒鉛塗膜に接触
    する位置が、前記電極の頂部の位置より下方であって、
    黒鉛塗膜が有する抵抗がアノードと電子銃間に得られる
    位置であることを特徴とする請求項1に記載の陰極線
    管。
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