JP3357261B2 - 回路遮断器 - Google Patents

回路遮断器

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JP3357261B2
JP3357261B2 JP02694197A JP2694197A JP3357261B2 JP 3357261 B2 JP3357261 B2 JP 3357261B2 JP 02694197 A JP02694197 A JP 02694197A JP 2694197 A JP2694197 A JP 2694197A JP 3357261 B2 JP3357261 B2 JP 3357261B2
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幸英 山田
孝一 横山
俊広 関口
英隆 藤田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、負荷側に過電流が
流れるときにも回路を遮断することができる回路遮断器
であり、特に筐体内部の部材に高電圧が発生しない回路
遮断器に関する。
【0002】
【従来の技術】回路遮断器は、送配電線や変電所母線・
機器等の短絡故障時にその回路を自動遮断するための開
閉器であるが、平常時は回路の開閉にも用いられてい
る。特に、負荷側に過電流が流れるのは好ましくなく、
回路を確実に遮断することが必要である。
【0003】従来の回路遮断器は、特開昭61−151
945号公報(特公平7−27750号)に記載されて
いるように中央極に設けられた開閉機構は下部レバーを
介して中央極の可動接点台に機械的に接続されていた
(第60図)。また、過電流引外し装置は、各極に設け
られて各極の導体に固定されていた(第16図、第20
図)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、開
閉機構、下部レバーおよび過電流引外し装置は金属で形
成されていた。そのため、開閉機構は中央極の可動接点
台と実質的に同電位に充電され、過電流引外し装置は各
極の導体と実質的に同電位に充電される。したがって、
内部付属装置の追加、交換等で回路遮断器のカバーをや
むなく活線状態であけた場合(本来は電源を切って行
う)に充電部が露出して危険であるという問題があっ
た。
【0005】本発明の目的は、感電の危険性をなくし、
安全性に優れた回路遮断器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、電源側端子に
電気的に接続された電源側固定導体と負荷側端子に電気
的に接続された負荷側固定導体および開閉引外し機構に
機械的に接続されてON操作時に前記電源側固定導体と
前記負荷側固定導体を電気的に接続する可動導体とを有
する主回路と、主回路を収納する主回路ケースと、
主回路の電流が所定値を超えたときに前記開閉引外し
機構に前記主回路の遮断動作を行わせる引外し装置とを
備え、前記主回路ケースは絶縁物により形成され、前記
開閉引外し機構は前記主回路ケースの外側に設けられて
前記可動導体に絶縁物を介して接続され、前記引外し装
置は前記主回路ケースの内側で前記電源側固定導体と
負荷側固定導体のいずれか一方の近傍に配設された固
定コアと、前記主回路ケースの外側で前記固定コアとの
間に磁気回路を形成するよう配設された可動コアと、
可動コアの動作を前記開閉引外し機構に伝達する伝達機
構とを有する回路遮断器である。
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の発明の実施の形態を説明
する。本発明の回路遮断器の一実施例を図1〜図4によ
り説明する。図1は回路遮断器の断面図、図2は回路遮
断器の平面図、図3は固定コアと可動コアの配置の説明
図、図4は磁気回路の説明図である。
【0011】本実施例の回路遮断器は3極の回路遮断器
で、各極は、電源側端子11Aに電気的に接続された電
源側固定導体としての電源側固定接点台11と負荷側端
子17Aに電気的に接続された負荷側固定導体としての
負荷側固定接点台17が、回動自在に保持された可動導
体としての可動接点台14の回転中心に対して実質的に
点対称位置に設けられ、これらの電源側固定接点台1
1、負荷側固定接点台17および可動接点台14で主回
路を形成している。
【0012】電源側固定接点台11は、電源側可動接点
13と対向する位置に電源側固定接点12を有し、負荷
側固定接点台17は、負荷側可動接点15と対向する位
置に負荷側固定接点16を有している。
【0013】可動接点台14は、その回転中心に対して
点対称位置にそれぞれ電源側可動接点13、負荷側可動
接点15を有している。
【0014】可動接点台14は、開閉引外し機構として
の開閉引外し機構部3に機械的に接続され、開閉引外し
機構部3がON操作されると電源側固定接点台11と負
荷側固定接点台17とを電気的に接続する位置まで回転
する。
【0015】この主回路は絶縁物により形成された主回
路ケース2に収納される。主回路が主回路ケース2に収
納された状態では電源側固定接点台11の電源側端子1
1A部分と負荷側固定接点台17の負荷側端子17A部
分とが主回路ケース2から突出するが、他の部分は主回
路ケース2内に位置して外部と電気的に絶縁される。
【0016】主回路ケース2内で可動接点台14を回動
自在に保持する保持部材も絶縁材で形成され、主回路に
電圧が印加されたときに露出する充電部は電源側端子1
1A部分と負荷側端子17A部分との2カ所となる。
【0017】本実施例では主回路ケース2および保持部
材はポリエステル樹脂等の強度を有する熱硬化性樹脂で
形成される。主回路ケース2内では遮断時に高温、高圧
のアークガスが電源側及び負荷側の固定接点・可動接点
間に発生する。そのため、主回路ケース2および保持部
材はこの高温、高圧のアークガスに耐えることが要求さ
れ、かつ製品のコスト面も考慮してポリエステル樹脂が
用いられる。なお、高温、高圧のアークガスに耐える絶
縁材料であれば他の樹脂、あるいはセラミック等であっ
てもよい。
【0018】主回路ケース2中の電源側固定接点台1
1、負荷側固定接点台17および可動接点台14の接点
近傍には遮断時に発生するアークを吸引して冷却するア
ークシュート(消弧装置)が設けられる。さらに本実施
例では冷却されたアークガスを排出するアーク排出口が
主回路ケース2に設けられている。
【0019】主回路ケース2は3極分並行して配置さ
れ、各極の可動接点台14が実質的に同時に開閉できる
よう、保持部材が連結される。開閉引外し機構部3は本
実施例では中央極の主回路ケース2の外側上部に載置さ
れ、保持部材の回転軸に同軸に接続された絶縁物の回動
アームに接続される。これにより、開閉引外し機構部3
は主回路ケースの外側2に設けられて可動接点台14に
絶縁物を介して接続されるので、主回路に電圧が印加さ
れていても開閉引外し機構部3には電圧は印加されな
い。
【0020】回路遮断器の内部に組み込まれて、回路遮
断器の状態を外部に出力する警報開閉器、補助開閉器、
外部からの信号により引外しを行う電圧引外し装置、不
足電圧引外し装置等の内部付属装置を装着する場合は、
本実施例では中央極の両脇の極で開閉引外し機構部3に
隣接して装着される。
【0021】開閉引外し機構部3は、操作ハンドル41
により手動で主回路のON・OFF操作が行われるとと
もに、主回路の電流が所定値を超えたときに引外し装置
5により主回路の遮断動作が行われる。
【0022】引外し装置5は、主回路ケース2の内側で
負荷側固定接点台17の近傍に配設された固定コア51
と、主回路ケース2の外側で固定コア51との間に磁気
回路を形成するよう配設された可動コア52と、この可
動コア52の動作を開閉引外し機構部3に伝達する伝達
機構としての伝達レバー53を有している。
【0023】固定コア51は、図2に示すように略コの
字形に形成され、負荷側固定接点台17の導体171の
周りを囲むとともにコ字の両先端部が主回路ケース2の
外側(図1、図2では上側)を向くよう配置される。
【0024】本実施例では開閉引外し機構部3のラッチ
部3aと近い位置に引外し装置5を配置できるよう固定
コア51が負荷側固定接点台17に設けられているが、
可動コア52、伝達レバー53の形状を変えて電源側固
定接点台11の近傍に設けてもよい。
【0025】一方、可動コア52は、一端が回動自在に
保持されて、主回路ケース2の絶縁物層を介して固定コ
ア51と対向する位置で固定コア51とともに実質的に
閉じた磁気回路を形成できるよう配置される。
【0026】可動コア52は、ばねにより付勢されて通
常は固定コア51から所定のギャップを介して保持され
る。主回路の電流が増大して設定された所定値(定格電
流の約10倍〜約20倍)を超えると負荷側固定接点台
17の導体171の周囲に発生する磁束が増大し、この
導体171を囲むように配置された固定コア51と可動
コア52を流れる磁束も増大する。
【0027】この磁束による磁力が可動コア52を付勢
しているばねの力に打ち勝つと可動コア52は固定コア
51に吸引されて移動し、最終的には主回路ケース2の
絶縁物層を介して固定コア51に当接して閉じられた磁
気回路を形成する。可動コア52はコの字形またはIの
字形等固定コア51とともに磁気回路を形成できる形状
を有している。
【0028】可動コア52の他端には伝達レバー53が
形成され、可動コア52が吸引されて移動すると(図
1、図3では反時計方向)ラッチ部3aに当接してラッ
チ部3aを回転(図1、図4では時計方向)させ、開閉
引外し機構部3の引外し動作により主回路を開路する。
これにより開路は遮断されて負荷側に大きな過電流が流
れるのを防止できる。
【0029】本実施例では可動コア52は絶縁性の主回
路ケース2の外側に設けられているので、主回路の通電
時でも可動コア52には電圧は印加されない。これによ
り、引外し装置5の可動コア52および伝達レバー53
は主回路ケース2の外側で主回路から電気的に絶縁され
て設けられて非充電部になる。
【0030】従って、本実施例では開閉引外し機構部3
および引外し装置5が主回路から絶縁されて非充電部と
なる。そのため、内部付属装置の追加、交換等で回路遮
断器のカバーをやむなく活線状態であけた場合でも充電
部が露出することがなく、安全性に優れた回路遮断器が
得られる。
【0031】本実施例では主回路の負荷側固定接点台1
7の主回路ケース2から負荷側端子17Aに至る部分に
は主回路を流れる電流を検出する変流器が設けられ、こ
の変流器の出力は変流器上方に設けられた過電流検出回
路に供給される。
【0032】過電流検出回路は、定格電流の約1.1倍
〜約20倍の範囲で所定の限時特性に基づいて出力を発
生する。過電流検出回路の出力は、永久磁石に吸引され
た可動コアを逆励磁により釈放する磁気引外し装置(図
示せず)に供給される。このような磁気引外し装置とし
て例えば特願平8−62449号に記載されたようなも
のを用いることができる。
【0033】磁気引外し装置の可動コアは釈放されると
ラッチ部3aに当接してラッチ部3aを回転(図1、図
4では時計方向)させ、開閉引外し機構部3の引外し動
作により主回路を開路する。これにより開路は遮断され
て負荷側に過電流が流れるのを防止できる。
【0034】これらの主回路ケース2、開閉引外し機構
部3、引外し装置5、変流器、過電流検出回路、磁気引
外し装置は、本体ケース61、本体カバー62を有する
筺体6内に収納され、開閉引外し機構部3に装着された
操作ハンドル41のつまみ部分と電源側端子11Aと負
荷側端子17Aとが筺体6外に露出する。
【0035】本実施例では主回路の可動接点、固定接点
が高温、高圧のアークガスに耐える絶縁材料で形成され
た主回路ケース2内に収納されているので、筺体6は必
要最小限の強度を有していればよく、安価な熱可塑性樹
脂を用いてもよい。このような熱可塑性樹脂としてはナ
イロン等を用いることができる。
【0036】本実施例では筺体6の表面側(操作ハンド
ル41が設けられた側)の操作ハンドル41の両脇の部
分に開閉自在なカバーが設けられ、このカバーを開ける
ことにより内部付属装置の取り付け、交換等の保守を行
うことができるよう構成されている。本実施例ではこの
カバーをやむなく活線状態であけた場合でも充電部が露
出することがなく安全に内部付属装置の保守作業ができ
る。
【0037】本実施例は3極の回路遮断器について説明
したが、これに限ることはなく、単極、2極、4極の回
路遮断器あるいは必要に応じては5極以上の回路遮断器
に本発明を適用してもよい。
【0038】また、本実施例では電源側固定接点台1
1、負荷側固定接点台17および可動接点台14で主回
路を形成しているが、従来技術で用いられたような電源
側固定接点台と、負荷側に接続された可動接点台で形成
された主回路を絶縁性の主回路ケースに収納して開閉引
外し機構部および引外し装置とを主回路から絶縁しても
よい。
【0039】なお、固定コア51を一の字形、可動コア
52をコの字形とし、又は、固定コア51及び可動コア
52ともコの字形としてもよく、そして、磁気回路は、
主回路ケース2に形成した開口部に設けてもよい。
【0040】固定コア51と可動コア52とからなる磁
気回路を使用していて、主回路ケース2の内部と外部と
は電気的に分離されているので、回路遮断器の本体カバ
ー62を開けて作業するとき、付近に高電圧となる部材
はなく、使用者の危険を減らすことが可能である。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、固定コアと可動コアと
を使用しているので、回路遮断器を操作するとき等、使
用者が本体カバーを開けて作業する場合でも、筐体内部
の部材に高電圧を発生することはなく、使用者の危険を
減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回路遮断器の一実施例の断面図。
【図2】本発明の回路遮断器の一実施例の平面図。
【図3】本発明の回路遮断器における固定コアと可動コ
アの配置の一例の説明図。
【図4】本発明の回路遮断器における磁気回路の一例の
説明図。
【符号の説明】
11 電源側固定接点台 11A 電源側端子 12 電源側固定接点 13 電源側可動接点 14 可動接点台 15 負荷側可動接点 16 負荷側固定接点 17 負荷側固定接点台 17A 負荷側端子 171 導体 2 主回路ケース 3 開閉引外し機構 3a ラッチ部 41 操作ハンドル 5 引外し装置 51 固定コア 52 可動コア 53 伝達レバー 6 筐体 61 本体ケース 62 本体カバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 孝一 新潟県北蒲原郡中条町大字富岡46番地1 株式会社日立製作所 産業機器事業部 内 (72)発明者 関口 俊広 新潟県北蒲原郡中条町大字富岡46番地1 株式会社日立製作所 産業機器事業部 内 (72)発明者 藤田 英隆 新潟県北蒲原郡中条町大字富岡46番地1 株式会社日立製作所 産業機器事業部 内 (56)参考文献 特開 平6−28964(JP,A) 特開 昭53−141473(JP,A) 実公 平4−31724(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 73/36

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電源側端子に電気的に接続された電源側
    固定導体と負荷側端子に電気的に接続された負荷側固定
    導体および開閉引外し機構に機械的に接続されてON操
    作時に前記電源側固定導体と前記負荷側固定導体を電気
    的に接続する可動導体とを有する主回路と、 主回路を収納する主回路ケースと、前記 主回路の電流が所定値を超えたときに前記開閉引外
    し機構に前記主回路の遮断動作を行わせる引外し装置と
    を備え、前記 主回路ケースは絶縁物により形成され、前記開閉引
    外し機構は前記主回路ケースの外側に設けられて前記
    動導体に絶縁物を介して接続され、前記 引外し装置は前記主回路ケースの内側で前記電源側
    固定導体と前記負荷側固定導体のいずれか一方の近傍に
    配設された固定コアと、前記主回路ケースの外側で前記
    固定コアとの間に磁気回路を形成するよう配設された可
    動コアと、可動コアの動作を前記開閉引外し機構に伝
    達する伝達機構とを有することを特徴とする回路遮断
    器。
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JP5479921B2 (ja) * 2010-01-13 2014-04-23 河村電器産業株式会社 回路遮断器の電磁引き外し装置

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