JP3357247B2 - 感温素子および輻射線センサ - Google Patents

感温素子および輻射線センサ

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JP3357247B2
JP3357247B2 JP22286996A JP22286996A JP3357247B2 JP 3357247 B2 JP3357247 B2 JP 3357247B2 JP 22286996 A JP22286996 A JP 22286996A JP 22286996 A JP22286996 A JP 22286996A JP 3357247 B2 JP3357247 B2 JP 3357247B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環境温度変化や赤
外線照射によって抵抗値が変化する感温素子、および該
感温素子を用いた輻射線センサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、特開平8−166295号公
報に記載されているように、フェノール樹脂等の有機材
料を640〜750°Cで炭化処理し、その炭化物を感
温素子として用いた温度センサが知られている。この温
度センサは感温素子の抵抗値が雰囲気温度によって変化
することを利用したもので、感温素子の両端に形成した
電極から抵抗値、実際には電圧値を検出するように構成
されている。
【0003】また、特開平3−96824号公報に記載
されているように、赤外線を吸収することによる温度変
化に起因する抵抗値変化で赤外線を検出する感温素子と
して、炭化ケイ素等を主成分とする繊維フイラメントで
構成したものが知られている。このような感温素子を用
いて赤外線センサを構成する場合、4個の感温素子の2
個を感輻射用感温素子、他の2個を温度補償用感温素子
として用い、感輻射用感温素子と温度補償用感温素子を
交互に直列接続してブリッジ回路を構成すると、雰囲気
温度による感温素子の抵抗値変化をキャンセルでき、赤
外線を吸収することによる温度変化に起因する感温素子
の抵抗値変化のみを検出することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述の如く
低温処理した炭化物は半導体的導電性を示し、その比抵
抗が高いほど温度依存性(サーミスタ定数)が大きくな
り、比抵抗が低いほど温度依存性が小さくなる関係にあ
る。一方、かかる炭化物を温度センサや輻射線センサ等
の感温素子として使用する場合、センサの検出回路や雑
音を考慮すると、感温素子の実働抵抗は低い方が望まし
い。しかしながら、前述した従来の温度センサに用いら
れている感温素子では、低温処理炭化物の両端に電極を
形成し、これら電極間に位置する炭化物の長さ方向の抵
抗を検出するように構成されているため、両電極間の実
働抵抗値を通常の使用範囲である数kΩ〜数百kΩにす
るには、比抵抗の高い炭化物を用いることができなくな
る。その結果、感温素子の温度依存性が小さくなり、セ
ンサの感度が低下するという問題がある。
【0005】また、前記感温素子は赤外線センサ等の輻
射線センサにも適用可能であるが、この場合、感温素子
の表裏のいずれか一方を感輻射面とし、この感輻射面に
外部からの輻射線が照射されるように構成する必要があ
る。しかしながら、前述した従来の感温素子はその両端
に電極が形成されているため、感温素子の片面全域を感
輻射面として機能させることができず、必要とされる感
輻射面を確保するには、感温素子の全体形状を大きくし
なければならない。その結果、感温素子の熱容量が大き
くなり、輻射線センサの応答速度が遅くなるという問題
がある。
【0006】また、繊維フイラメントの感温素子を用い
た赤外線センサ等の輻射線センサにおいて、例えば4本
の感温素子によりブリッジ回路を構成する場合、温度依
存性の等しい4本の繊維フイラメントを用いる必要があ
るが、そのような繊維フイラメントを準備するには製造
上の困難性を伴い、しかも、各繊維フイラメントの両端
の電極を導電性接着剤等で接続しなければならないた
め、組立作業性が悪くコスト高になるという問題があ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、比抵抗の高い
炭化物を感温素子材料として用い、この炭化物の同一面
に複数の取出電極を形成し、反対面に導電層を形成する
こととする。このような感温素子は、取出電極間の抵抗
が炭化物の厚み方向の抵抗を直列に接続したものとほぼ
等しくなるため、比抵抗の高い炭化物を用いたにも拘ら
ず、実働抵抗値を通常の使用範囲である数kΩ〜数百k
Ωに設定することができ、換言すると、温度依存性の大
きな感温素子を実現することができる。また、かかる感
温素子を用いた輻射線センサによれば、導電層が形成さ
れた部分を感輻射面とすることができ、この感輻射面に
は取出電極が形成されていないため、感温素子の熱容量
を小さくして応答速度を速めることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の感温素子では、有機材料
を炭化処理した炭化物の一方の面に複数の取出電極を形
成すると共に、他方のほぼ全面に該炭化物よりも比抵抗
の小さい導電層を形成した。前記炭化物は、常温下での
比抵抗が1Ω・cm〜100MΩ・cmで、サーミスタ
定数が100〜3500Kであることが好ましい。その
理由は、サーミスタ定数が100K未満であると、温度
変化に対する出力の変化が小さ過ぎるため、温度センサ
や輻射線センサとして使いにくくなり、反対に、サーミ
スタ定数が3500Kを越えると、比抵抗が高くなり過
ぎるため、通常の実働抵抗値の範囲内での使用が困難と
なるからである。
【0009】前記炭化物の原材料としてはポリイミドや
ポリエチレンテレフタレート等の各種有機材料を選択で
きるが、特に、アラミドフィルムが好適である。すなわ
ち、アラミドフィルムはその形成面に沿って結晶配向さ
れているため、他の材料に比べると、炭化処理によって
結晶配向と直交する厚み方向の寸法減少率が大きくな
り、取出電極と導電層との間の距離をμmオーダまで短
くすることができる。
【0010】また、本発明の輻射線センサでは、前記感
温素子を備え、前記導電層に外部からの輻射線が照射さ
れるように構成した。その際、前記導電層として熱線吸
収効率の高い材料を用いる必要があり、特に、カーボン
を含む導電材料が好適である。
【0011】また、本発明の輻射線センサでは、前記感
温素子を少なくとも2つ備え、これら感温素子に形成さ
れた前記取出電極を直列に接続し、一方を感輻射用の感
温素子として用い、他方を温度補償用の感温素子として
用いた。このように構成された輻射線センサによれば、
感輻射用感温素子と温度補償用感温素子のそれぞれの温
度依存性を揃え易くなり、外部からの輻射線が感輻射用
感温素子の導電層のみに当たるようにすることで、雰囲
気温度による抵抗値変化を温度補償用感温素子でキャン
セルすることができる。
【0012】また、本発明の輻射線センサでは、炭化物
の原材料が1枚のベースフィルムからなる前記感温素子
を備え、該ベースフィルムの炭化物に感輻射用の導電層
と温度補償用の導電層をそれぞれ形成すると共に、これ
ら導電層に対向する取出電極を直列に接続した。このよ
うに構成された輻射線センサによれば、1枚のベースフ
ィルムに感輻射用感温素子と温度補償用感温素子とが形
成されているため、両者の温度依存性を揃えるための選
別作業が不要となり、作業性を向上できる。しかも、前
記ベースフィルム上で感輻射用感温素子と温度補償用感
温素子の取出電極を配線パターンで接続することがで
き、この点からも作業性を向上できる。
【0013】また、前記ベースフィルムの炭化物に切り
込みを形成し、この切り込みによって分割された複数の
領域に感輻射用導電層と温度補償用導電層とを交互に形
成すると、感輻射用導電層で吸収された輻射熱が切り込
みで放熱されるため、温度補償用感温素子への熱電導に
よる温度上昇を抑えることができる。
【0014】また、感輻射用感温素子と温度補償用感温
素子を用いた輻射線センサにおいて、全体を輻射線不透
過材料で形成した蓋体の一部に輻射線透過材料で形成し
た窓を設けると、外部からの輻射線が窓を透過して感輻
射用導電層のみに照射され、温度補償用導電層に照射さ
れるのを遮光することができる。あるいは、このような
遮光構造を採用しなくても、例えば、感輻射用導電層と
して前述したカーボンを含む導電材料を用いると共に、
温度補償用導電層としてアルミニウム、銀、クロム等の
カーボンよりも赤外線反射率が著しく高い金属薄膜を用
いることにより、外部からの輻射線が感輻射用導電層と
温度補償用導電層に照射しても、温度補償用感温素子の
温度上昇を抑えることができる。
【0015】
【実施例】実施例について図面を参照して説明すると、
図1は実施例に係る感温素子を表面側から見た斜視図、
図2は該感温素子を裏面側から見た斜視図、図3は該感
温素子の製造工程を示す説明図、図4は該感温素子の断
面図、図5は該感温素子の等価回路図である。
【0016】図1と図2に示すように、感温素子1はア
ラミド樹脂の炭化物2を有し、炭化物2の表面には導電
層3がほぼ全面にわたって形成されている。炭化物2の
常温下での比抵抗は1Ω・cm〜100MΩ・cmで、
サーミスタ定数は100〜3500Kである(なお、サ
ーミスタ定数Bを活性化エネルギーΔEに換算して表す
と、両者はB=5794×ΔEの関係にあり、活性化エ
ネルギーΔE≒0.017〜0.6eVとなる)。導電
層3の材料はその比抵抗が炭化物2よりも十分に小さけ
れば何でも良く、例えば、金、銀、銅、ニッケル、アル
ミニウム等の薄膜、カーボンインク、銀インク、銅イン
ク等の厚膜を用いることができ、それらは10~6〜10
3 Ω・cm程度の比抵抗である。また、炭化物2の裏面
には一対の取出電極4が所定間隔を保って形成されてお
り、各取出電極4に端子5がそれぞれ接続されている。
したがって、裏面に一対の取出電極4を設ける構成であ
るから、表裏の異なる両面に一対の取出電極を設けた場
合に比べ、端子5を接続する際の作業性が良好になる。
取出電極4の材料として前述した導電層3と同様のもの
を用い、これらを炭化物2の裏面に形成した後に、半田
や導電性接着剤を用いて取出電極4に端子5を接続する
ことも可能であるが、導電性接着剤自体を取出電極4と
しても良く、この場合、各端子5は導電性接着剤(取出
電極4)を用いて炭化物2の裏面に直接取付けられる。
【0017】前記感温素子1の製造方法を図3を参照し
て説明すると、まず図3(a)に示すように、円形に切
断されたパラ系のアラミドフィルム6(ベースフィル
ム)を準備する。このアラミドフィルム6の寸法は、例
えば、直径が6mmで、厚みが50μmである。次いで
図3(b)に示すように、アラミドフィルム6をH2
2、Ar等の不活性ガス雰囲気中においてグラファイ
ト化が進行しない程度の低温、具体的には600〜75
0°Cで炭化処理すると、半導体的導電性を示す炭化物
2が得られる。この炭化物2は炭化処理によって収縮
し、原材料であるアラミドフィルム6が上記の寸法であ
る場合、炭化物2は直径が5mm、厚みが約36μmま
で縮む。次いで図3(c)に示すように、炭化物2の表
面のほぼ全面に導電層3を形成すると共に、炭化物2の
裏面に0.1mm以上の間隔を保って配置された一対の
取出電極4を形成し、最後に図3(d)に示すように、
炭化物2の裏面側の各取出電極4に端子5をそれぞれ取
付けることにより、感温素子1の製造が完了する。
【0018】図4と図5に示すように、前述の如く構成
された感温素子1は、炭化物2の比抵抗が導電層3に比
べて高く、かつ、両取出電極4間の距離に比べて炭化物
2の厚みが小さいため、電流は一方の取出電極4から炭
化物2の厚み方向に流れ、導電層3を通過して他方の取
出電極4に流れる。したがって、両端子5間の抵抗は炭
化物2の厚み方向の抵抗を直列に接続したものとほぼ等
しくなる。ここで、導電層3と取出電極4間の距離は炭
化物2の厚みによって決定され、その電極間距離をμm
オーダまで短くすることができ、しかも、導電層3と取
出電極4の対向面積を十分に広くできるため、比抵抗の
高い感温素子1を用いたにも拘らず、実働抵抗値を通常
の使用範囲である数kΩ〜数百kΩに設定することがで
きる。したがって、サーミスタ定数が100〜3500
Kと高い、換言すると、温度依存性の大きな感温素子1
を実現することができる。特に、実施例で使用されたア
ラミドフィルムは、炭化処理後の厚み方向の寸法収縮が
他の樹脂に比べて著しいという利点を有する。
【0019】図6は実施例に係る輻射線センサの断面図
であり、この輻射線センサは、遮光性の合成樹脂等から
なる有底形状の絶縁ケース7と、絶縁ケース7の上部開
放端に被着された窓8と、これらの内部に配置された前
記感温素子1とで概略構成されており、絶縁ケース7の
底面から一対の端子5が外部に導出されている。端子5
と取出電極4は、感温素子1を絶縁ケース7に組み込む
際に導電性接着剤を用いて取付けられるが、例えば、端
子5を絶縁ケース7と窓8との接合面から外部に導出す
るように構成すれば、感温素子1の組み込み前に端子5
を取出電極4に取付けることもできる。窓8はポリエチ
レンやポリカーボネート、シリコン、ゲルマニウム、フ
ッ化カルシウム等の赤外線透過率の高い材料で形成され
ており、必要に応じて、集光用のレンズ機能を有するよ
うに凸レンズ形状に形成しても良い。感温素子1は導電
層3が窓8と対向するように配置され、外界からの赤外
線が窓8を透過して感温素子1の表面に照射されると、
その赤外線照射によって感温素子1の抵抗値が変化し、
各端子5から感温素子1の抵抗値、実際には電圧値が検
出される。なお、この輻射線センサにおいては、導電層
3が赤外線の受光面として機能するため、導電層3の材
料としては前述した各種材料の中で熱線吸収効率の最も
高いカーボンインク、より詳しくは、フェノール樹脂や
エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、あるいは飽和ポリエス
テル樹脂等の熱可塑性樹脂をバインダーとし、これにグ
ラファイト、カーボンブラック、カーボンファイバー、
カーボンビーズ等の炭素系フィラーを分散・塗料化した
ものが好ましい。一方、赤外線が照射されない取出電極
4については、端子5の接続強度を考慮すると、前述し
た各種材料の中で金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム
等の金属材料が好ましい。
【0020】図7に示される輻射線センサは、絶縁ケー
ス7と窓8の内部に一対の感温素子1A,1Bを上下に
配置し、これら感温素子1A,1Bを直列に接続して3
本の端子5が外部に導出するように構成されている。各
端子5に符号〜を付すと、図8の回路図に示すよう
に、端子,間に感温素子1Aと感温素子1Bが直列
に接続され、その中間の電位が端子から取り出され
る。両感温素子1A,1Bはいずれも前述した感温素子
1で、互いの温度依存性は同じである。ただし、上方の
感温素子1Aは感輻射用として機能し、外界からの赤外
線が導電層3に照射されるが、下方の感温素子1Bは温
度補償用として機能し、外界からの赤外線が当たらない
ようになっている。
【0021】したがって、図8に示す回路構成で端子
,間に定電圧を印加し、端子における出力電圧を
検出すると、雰囲気温度が変化した場合、同じ温度依存
性を有する感温素子1Aと感温素子1Bは同じ割合で抵
抗値が変化するため、端子の検出電圧は変化せず(V
=0)、雰囲気温度による両感温素子1A,1Bの抵抗
値変化はキャンセルされる。また、外界からの赤外線が
窓8を透過して上方の感温素子1Aの表面に照射される
と、その赤外線照射によって感温素子1Aの抵抗値が低
下し、端子の検出電圧がその抵抗変化に応じた値にな
るため、赤外線の照射を検出することができる。
【0022】図9に示される輻射線センサでは、絶縁ケ
ース7の上部開放端に被着した遮光性の蓋体9に窓8を
設け、これらの内部に感輻射用の感温素子1Aと温度補
償用の感温素子1Bを左右に配置し、外界からの赤外線
が窓8を透過して感温素子1Aの導電層3のみに照射さ
れるように構成してあり、それ以外の構成や検出原理は
図7に示した輻射線センサと基本的に同じである。
【0023】図10に示される輻射線センサでは、1枚
の感温素子10に感輻射用と温度補償用の両方の機能を
もたせてある。この感温素子10は前述した感温素子1
と同様の方法で製造され、アラミドフィルム(ベースフ
ィルム)を原材料とする炭化物11を有する。この炭化
物11の中央部には切り込み11aが炭化処理の前に予
め形成されており、切り込み11aによって2分割され
た炭化物11の表面に感輻射用の導電層3Aと温度補償
用の導電層3Bが形成されている。また、図11と図1
2に示すように、炭化物11の裏面には各導電層3A,
3Bに対応して取出電極4A,4Bが一対ずつ形成され
ており、一方の取出電極4Aと取出電極4Bは配線パタ
ーン12によって接続されている。
【0024】前記感温素子10は絶縁ケース7と蓋体9
の内部に配置され、絶縁ケース7にインサート成形され
た3本の端子5に、配線パターン12によって接続され
た取出電極4Aと取出電極4Bのいずれか一方と、残り
の取出電極4Aと取出電極4Bとがそれぞれ導電性接着
剤を用いて取付けられる。また、外界からの赤外線が窓
8を透過して導電層3Aのみに照射され、導電層3Bに
は当たらないようになっている。したがって、前記感温
素子10は、1枚の炭化物11を介して対向する導電層
3Aと取出電極4Aによって感輻射用の感温素子が、導
電層3Bと取出電極4Bによって温度補償用の感温素子
がそれぞれ構成されることになり、図9に示した輻射線
センサと同じ原理で動作する。
【0025】このように構成された輻射線センサによれ
ば、1枚の炭化物11に感輻射用感温素子と温度補償用
感温素子とが形成されているため、両者の温度依存性を
揃えるための選別作業が不要となり、作業性を向上でき
る。しかも、前記炭化物11上で感輻射用感温素子と温
度補償用感温素子の取出電極4A,4Bを配線パターン
12で接続することができ、この点からも作業性を向上
できる。また、前記炭化物11に切り込み11aを形成
し、この切り込み11aによって分割された領域に感輻
射用導電層3Aと温度補償用導電層3Bを形成してある
ため、感輻射用導電層3Aで吸収された輻射熱が切り込
み11aで放熱され、熱電導による温度補償用感温素子
の温度上昇を抑えることができる。
【0026】図13〜図15に示される感温素子13は
前記感温素子10の変形例で、正方形の炭化物11に
は、炭化処理前に所定形状の抜き加工が施された後、炭
化処理を行って十字状のスリット14が形成されてお
り、このスリット14によって4分割された炭化物11
の表面に感輻射用の導電層3Aと温度補償用の導電層3
Bとが交互に形成されている。一対の導電層3Aの材料
としては熱吸収効率の高いカーボンインクが好適で、一
対の導電層3Bの材料としては熱反射率の高い金属薄膜
が好適である。スリット14は前述した切り込み11a
と同様の働きをするもので、実施例では、中央の孔の周
りに補強用の桟11bが形成されているが、この桟11
bを省略しても良い。一方、炭化物11の裏面には各導
電層3A,3Bに対応して取出電極4A,4Bが一対ず
つ形成されており、各組の取出電極4Aと取出電極4B
は配線パターン12によって接続されている。
【0027】前記感温素子13は前述した各実施例と同
様に図示せぬ絶縁ケースと蓋体の内部に配置され、図1
6の回路図に示すように、各配線パターン12に端子
〜を接続してブリッジ回路を構成することにより、輻
射線センサの感温素子として用いられる。したがって、
図16に示す回路構成において、端子,間に定電圧
Eを印加し、端子,間の出力電圧Vを検出すると、
雰囲気温度が変化した場合、1枚の炭化物11に形成さ
れた4つの感温素子は同じ割合で抵抗値が変化するた
め、端子,間の検出電圧は変化せず(V=0)、雰
囲気温度による感温素子13の抵抗値変化はキャンセル
される。また、外界からの赤外線が感輻射用の導電層3
Aに照射されると、その赤外線照射によって感輻射用感
温素子の抵抗値が低下し、端子,間の検出電圧がそ
の抵抗変化に応じた値になるため、赤外線の照射を検出
することができる。
【0028】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0029】比抵抗の高い炭化物を感温素子材料として
用い、この炭化物の同一面に複数の取出電極を形成し、
反対面に導電層を形成すると、取出電極間の抵抗が炭化
物の厚み方向の抵抗を直列に接続したものとほぼ等しく
なるため、比抵抗の高い炭化物を用いたにも拘らず、実
働抵抗値を通常の使用範囲である数kΩ〜数百kΩに設
定することができ、換言すると、温度依存性の大きな感
温素子を実現することができる。また、かかる感温素子
を用いた輻射線センサによれば、導電層が形成された部
分を感輻射面とすることができ、この感輻射面には取出
電極が形成されていないため、感温素子の熱容量を小さ
くして応答速度を速めることができる。
【0030】また、前記感温素子を少なくとも2つ備
え、これら感温素子に形成された前記取出電極を直列に
接続すると共に、一方を感輻射用の感温素子として用
い、他方を温度補償用の感温素子として用いた輻射線セ
ンサによれば、感輻射用感温素子と温度補償用感温素子
のそれぞれの温度依存性を揃え易くなり、外部からの輻
射線が感輻射用感温素子の導電層のみに当たるようにす
ることで、雰囲気温度による抵抗値変化を温度補償用感
温素子でキャンセルすることができる。
【0031】また、前記感温素子の炭化物として1枚の
ベースフィルムを用い、該ベースフィルムの炭化物に感
輻射用の導電層と温度補償用の導電層をそれぞれ形成す
ると共に、これら導電層に対向する取出電極を直列に接
続した輻射線センサによれば、1枚のベースフィルムに
感輻射用感温素子と温度補償用感温素子とが形成されて
いるため、両者の温度依存性を揃えるための選別作業が
不要となり、作業性を向上できるのみならず、ベースフ
ィルム上で感輻射用感温素子と温度補償用感温素子の取
出電極を配線パターンで接続することができ、この点か
らも作業性を向上できる。
【0032】また、前記ベースフィルムの炭化物に切り
込みを形成し、この切り込みによって分割された複数の
領域に感輻射用導電層と温度補償用導電層とを交互に形
成すると、感輻射用導電層で吸収された輻射熱が切り込
みで放熱されるため、温度補償用感温素子の温度上昇を
抑えることができる。
【0033】また、感輻射用感温素子と温度補償用感温
素子を用いた輻射線センサにおいて、感輻射用導電層と
してカーボンインク等の輻射線吸収率の高い材料を用
い、温度補償用導電層として金属薄膜等の赤外線反射率
が高い材料を用いると、外部からの輻射線が感輻射用導
電層と温度補償用導電層に照射しても、温度補償用感温
素子への熱伝導による温度上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る感温素子を表面側から見た斜視図
である。
【図2】該感温素子を裏面側から見た斜視図である。
【図3】該感温素子の製造工程を示す説明図である。
【図4】該感温素子の断面図である。
【図5】該感温素子の等価回路図である。
【図6】実施例に係る輻射線センサの断面図である。
【図7】他の実施例に係る輻射線センサの断面図であ
る。
【図8】図7の輻射線センサの回路図である。
【図9】他の実施例に係る輻射線センサの断面図であ
る。
【図10】他の実施例に係る輻射線センサの分解斜視図
である。
【図11】図10の輻射線センサに用いられる感温素子
の裏面図である。
【図12】該感温素子の正面図である。
【図13】他の実施例に係る感温素子の平面図である。
【図14】該感温素子の正面図である。
【図15】該感温素子の裏面図である。
【図16】該感温素子を用いた輻射線センサの回路図で
ある。
【符号の説明】
1,1A,1B,10,13 感温素子 2 炭化物 3,3A,3B 導電層 4,4A,4B 取出電極 5 端子 7 絶縁ケース 8 窓 9 蓋体 11 炭化物 11a 切り込み 12 配線パターン 14 スリット
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−190629(JP,A) 特開 平8−166295(JP,A) 特開 平2−310430(JP,A) 特開 平3−96824(JP,A) 特開 平4−348237(JP,A) 特開 平6−43020(JP,A) 特開 昭58−79122(JP,A) 特開 昭57−124221(JP,A) 特開 平7−234165(JP,A) 特開 平3−132001(JP,A) 特開 平9−170948(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01K 7/16 G01J 5/02 G01J 1/02 H01C 7/00 - 7/04

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機材料を炭化処理した炭化物の一方の
    面に複数の取出電極を形成すると共に、他方のほぼ全面
    に該炭化物よりも比抵抗の小さい導電層を形成したこと
    を特徴とする感温素子。
  2. 【請求項2】 前記有機材料がアラミドフィルムである
    ことを特徴とする請求項1に記載の感温素子。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の感温素子を備え、前記
    導電層に外部からの輻射線が照射されるように構成した
    ことを特徴とする輻射線センサ。
  4. 【請求項4】 前記導電層がカーボンを含む導電材料で
    あることを特徴とする請求項3に記載の輻射線センサ。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の感温素子を少なくとも
    2つ備え、これら感温素子に形成された前記取出電極を
    直列に接続し、一方を感輻射用の感温素子として用い、
    他方を温度補償用の感温素子として用いたことを特徴と
    する輻射線センサ。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の感温素子を備え、前記
    炭化物の原材料が1枚のベースフィルムからなり、該ベ
    ースフィルムの炭化物に感輻射用の前記導電層と温度補
    償用の前記導電層をそれぞれ形成し、これら導電層に対
    向する前記取出電極を直列に接続したことを特徴とする
    輻射線センサ。
  7. 【請求項7】 前記取出電極を前記ベースフィルムの炭
    化物上で接続したことを特徴とする請求項6に記載の輻
    射線センサ。
  8. 【請求項8】 前記ベースフィルムの炭化物に切り込み
    を形成し、この切り込みによって分割された複数の領域
    に前記感輻射用導電層と前記温度補償用導電層とを交互
    に形成したことを特徴とする請求項6または7に記載の
    輻射線センサ。
  9. 【請求項9】 前記感輻射用導電層の輻射線吸収率を前
    記温度補償用導電層の輻射線吸収率よりも高くしたこと
    を特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の輻射線セ
    ンサ。
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