JP3357181B2 - 電子線描画装置およびその調整方法 - Google Patents
電子線描画装置およびその調整方法Info
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- Electron Beam Exposure (AREA)
Description
る電子線描画装置の調整方法に関するものである。
における、図形選択時に収差がない場合の電子軌道を図
2に示す。すなわち、図2では図形選択に伴う離軸によ
る転写レンズ3での収差が発生しないことを仮定してい
る。離軸は縮小レンズ6によって縮小されるため、縮小
レンズ6や対物レンズ8内での収差量は小さい。これに
対し図3では、図形選択に伴って後段に設けた転写レン
ズ3により、中心から外側に偏向された電子ビームに収
差を発生した場合の電子軌道を示している。点線で示す
のは収差を考慮した場合の電子軌道を示す。第2アパー
チャー5の像面は第2アパーチャーの位置と選択した図
形とによって決るため、転写レンズ部における収差の影
響は直接には受けない。したがって、像面の離軸は図2
に示した場合と同じである。しかし、上記転写レンズ部
での収差は電子ビームの第2アパーチャーへの入射角を
変化させ、レンズ(特に対物レンズ)の中心部における
離軸を大きくする。すなわち、クロスオーバーに大きく
収差が現われることになる。そのため、転写レンズ部の
収差は、それに伴う電子軌道の変化により、下段のレン
ズ部において離軸収差を発生させやすくしている。ま
た、図3で注意すべきことは、第2アパーチャー5上の
異なる点に像を形成する電子は、それぞれが異なった量
の離軸による影響を受けることである。すなわち、アパ
ーチャー5の軸上を通る電子は収差の影響を受けにく
く、アパーチャー5の軸外ほど収差の影響を受けること
になる。この結果、アパーチャー5上の各点に到達する
電子の対物レンズ8内での電子軌道が大きく異なること
になる。このために、一括図形内の全ての点からの電子
ビームが、レンズの中心を通過するようにすることが困
難になる。対物レンズ8の軸外を電子ビームが通過する
ことは、描画装置の解像性の低下原因になるため、上記
の状態では一括図形を均一に転写することが不可能にな
る。
0回応用物理学関係連合講演会講演予稿集552頁下段
で明らかにしているように、上記図形選択に伴う収差を
対物絞りを透過した試料上の電流量をモニタとし、それ
を最大にすることによって調整している。
は、対物絞りが大きいと収差に対する感度が低く、微小
な収差までは補正しきれない。また、対物絞りの中心と
レンズの中心とは、製作精度を考慮すると必ずしも一致
しないため、透過電流を最大にすることが光学的に最適
であるとはいえない。
となく、より高精度な光学調整を実現することにある。
射方法が可能な電子線描画装置の調整方法において、試
料上に照射された図形状ビームによる試料上の図形内で
の複数の位置を、異なる焦点条件のもとで測定し、それ
ぞれの変化量または複数の位置の間の相対的変化量、あ
るいはそれら両方を小さくする方向に、図形選択に伴う
非点収差の補正量、図形選択に伴う焦点の補正量、電子
鏡体のアライナの強度、アパーチャーの位置などの電子
光学系の調整を行うことにより達成される。
内の決められた領域の重心によって定義することにより
達成され、また、上記図形状ビームがアパーチャーに設
けた2以上の独立した開口により形成されることにより
達成される。
非点補正器または焦点補正器で行い、いずれかの補正器
を図形選択のための偏向器を兼用することによって達成
される。
測定し、これら複数の位置間の距離は図形選択に伴う収
差が発生すると、焦点変化に伴い変化するため、この焦
点変化による位置の相対的変化量を小さくする方向に電
子光学系の調整を行い、高精度の調整が可能になる。ま
た、絶対的変化量を小さくすることは、照射図形全体の
軸を調整する上で有効である。位置は特定のパターンエ
ッジや特定のパターンの中心等での定義ができるが、決
められた領域の重心より定義する方法が特に有効であ
る。調整する電子光学要素としては、主にクロスオーバ
ーの非点や焦点を補正する補正器、光軸を定めるアナイ
ラあるいはアパーチャーの位置などが考えられる。
開口図形を用いることも有効であって、独立した複数
(2つ以上で多くとも4つ程度の少数がよい)の開口を
もつ図形がよい。4つの開口からなる図形の場合には、
2方向で重なり合わないように配置すると調整が容易に
なる。
に、転写レンズ部で発生する非点や像面湾曲などの収差
を補正する補正器15を、上記転写レンズ部に設置する
ことにより補正が可能である。なお、これらの補正器は
静電補正器でも電磁補正器でも構わない。これらの補正
器により電子ビームに発生する収差を補正することによ
って、対物レンズ内での離軸を小さくすることが可能に
なる。主にクロスオーバーに影響する収差を補正するの
で、補正器はクロスオーバーより遠い所(マスクおよび
その像面に近い所)に配置することが効果的になる。
ージ上の校正用マーク)近傍を拡大した図を図4に示
す。像の位置によって対物レンズ内での軸が異なるた
め、試料面における入射角度が異なり、図4内の2点の
距離は焦点条件によりからのように変化する。この
ため、上記2点間の距離が焦点条件の変化に対して出来
るだけ変化しないように調整することによって、転写レ
ンズ部での非点や像面を補正することができる。これに
より、対物レンズ内での離軸を抑制し、最終的には対物
レンズ内で発生する収差が低減される。また、図4は照
射図形内の軸が異なると、図形の寸法は焦点の誤差によ
り変化しやすいことも同時に示している。さらに、像の
位置の絶対的な位置変化を小さくすることにより、照射
図形の軸をレンズ中心に調整することが可能である。
や特定のパターンの中心等で、位置を定義することによ
り求めることが可能であるが、決められた領域の重心よ
り位置を定義する方法が特に有効である。その理由は、
焦点を変化させると解像度が劣化するために、ビームプ
ロファイルの立上りが緩慢になり、従来用いられていた
エッジ検出などの方法では検出信号のレベル変動などに
より、精度が低下する怖れがある。したがって、パター
ンの重心を求める方法や相関法によるマークの検出方法
などのように、多くの座標から位置を定義する方法が有
効になる。さらに、これらの調整を精度よく行うために
は、描画に用いるデバイスパターンでなく、専用の開口
図形を用いることが有効になる。具体的には独立した複
数(2以上で多くとも4程度の少数がよい)の開口をも
つ図形が、それぞれの開口の位置の測定として簡単であ
り好ましい。またこの時、それぞれの開口がX、Y方向
に重ならなければ、クロスワイヤ上などの1次元走査の
際に、複数の開口を独立に検出することができる。これ
らの開口は検出可能な電流量を得るためにある程度の大
きさが必要であり、これらの観点から5つ以上の開口を
設けることは困難である。
差を仮定したが、図形選択偏向器4または17の軸外を
通過することによる収差や上記図形選択偏向器の製作誤
差による収差等も存在し、同様に電子軌道に影響を与え
る。これらを低減するためには、上記のように非点と焦
点を補正することが重要であるがアナイラやアパーチャ
ー位置の調整により、電子ビームをできるだけ転写レン
ズ中心を通過させることが、軸外収差の発生自体を低減
するので有効になる。
る。図1は一括図形照射を行う電子線描画装置の第1実
施例における電子光学系を示す図、図5は上記第1実施
例のアパーチャーを示す図、図6は上記第1実施例のビ
ームプロファイルを示す図、図7はアパーチャーの位置
依存性を示す図、図8は本発明の第2実施例におけるア
パーチャーを示す図、図9は上記第2実施例のビームプ
ロファイルを示す図、図10は非点補正の効果を示す
図、図11は本発明の第3実施例におけるアパーチャー
を示す図、図12は金ドット像を示す図、図13は本発
明の第4実施例における電子光学系を示す図である。
いて、第2アパーチャー20は図5に示す配置にした。
中央に可変成形を配置し周辺に調整用の2点マークを配
したが、2点マークはウエハ面上で1μm角2つを5μ
m角の2つのコーナに配置して形成されている。破線で
区切られた部分がそれぞれ一括図形になる。本実施例で
は1番右上の2点マークを用いて調整を行ったが、図形
の配置場所によらず他の位置のマークを用いても同様の
方法が適用できる。上記2点のマークのそれぞれ1μm
角の中心座標を測定することによって調整を行う。ま
ず、クロスワイヤあるいは軽元素基板上の十字重金属マ
ーク上をX、Y方向にそれぞれ1次元走査し、ビームプ
ロファイルを求める。
示す。(a)は励磁を最適化し検出面上に焦点を結んだ
場合を示し、(b)は対物レンズが強励磁の場合を示し
ている。強励磁の場合はビームエッジが緩慢になる。そ
れぞれの開口の重心から各励磁での開口の相対距離がそ
れぞれ求められる。この相対距離の励磁を変化させたと
きの変化を求める。重心は最も簡単な方法として、測定
点の座標と信号強度の積を決められた範囲で積算し、信
号強度の積算で語ることにより求めた。図6では強励磁
の場合の方が距離は短い。他にプロファイルのエッジに
より位置を求めるなど、何らかの位置の定義を行えば本
発明の適用が可能である。
ーチャーの機械的な原点位置を変化させて求めた結果を
示す。移動距離300μmでX、Yともに変化量は最低
になる。したがって、移動距離300μmの位置でアパ
ーチャーが電子光学系の中心に位置することになる。こ
のようにアパーチャーの原点位置を転写レンズの中心に
移動させることにより、レンズ中での離軸の影響を低減
することが可能になり、図形内での相対距離の差は低減
される。結果として相対距離の変化を1/3にまで調整
できたことが判る。これにより描画図形の変形を防ぐこ
とが可能になり、ショット接続精度が0.05μmから
0.03μmへと向上した。解像度も0.1μmが得ら
れた。なお、本実施例ではアパーチャーの原点位置にか
かわらず、電子ビームの電流密度は1%の精度で変化し
なかった。
図8に示すようなマークを設けたが、これは0.5μm
角の開口を1μmの間隔で4個並べたものである。これ
により、より正確に図形内の電子軌道の様子を知ること
ができる。ビームプロファイルは図9のようになり、そ
れぞれの重心を求めた。本実施例ではレンズを強励磁に
した際にAとBのX方向の相対距離が短縮され、CとD
のY方向の相対距離が拡大された。これは、転写レンズ
部で非点収差が生じていることを示している。非点収差
は偏向器の製作誤差やレンズの非対称性などにより生じ
る。これに対しては非点補正器30(図13参照)によ
り補正を行った。非点補正器は静電補正器と電磁補正器
の双方で補正できる。本実施例では静電の補正器を用い
た。その結果、図10に示すようにAとBのX方向の相
対距離とCとDのY方向の相対距離の変化が、非点補正
量に従って変化し、最適値で補正前の1/10へと低減
することができた。この結果、第1実施例と同様のショ
ット接続精度の向上を図ることができた。また、非点補
正器はアパーチャー上の各々の点での収差の差を補正す
るために、図形選択偏向の偏向中心に形成される電子源
のクロスオーバー像より第1または第2アパーチャー近
くに設置することが有効である。なお、この4点マーク
は図形ビームの図形歪の計測などにも応用が可能であ
る。これにより調整前に6インチウエハ内で0.05μ
mあった寸法精度の誤差が、0.03μmまで低減でき
た。
4点マークでは第1実施例および第2実施例のように1
次元のビームプロファイルを求めても、2つのマークが
重なってしまい各マークの重心を求めることができな
い。そこで本実施例では0.2μmの金ドットを用いて
2次元の走査を行うことにより、図12に示す4点マー
クの反射電子2次元像を得た。これにより4つのマーク
の位置情報を独立に得ることが可能になる。反射電子2
次元像でもそれぞれの点の2方向の重心を求めることに
より、相対距離の変化が定量的に求められる。図12で
は全てのマークが等方的に外に向って移動しており、ク
ロスオーバーに像面湾曲を発生していることが考えられ
る。像面湾曲の補正は、転写レンズ内に静電または電磁
の補正器を設けることにより可能になる。2次元情報は
他に微小な孔の上を図形ビームで2次元走査し、上記孔
を透過した電子をモニタすることにより得ることも可能
である。本実施例では焦点補正により接続精度0.07
μmから0.03μmに向上することができた。
偏向部には可変成形用静電偏向器29の上下に図形選択
用の8極静電偏向器30が設けられている上下の偏向器
を連動することにより、偏向中心を可変成形と偏向中心
を一致させている。図形選択偏向に伴う収差は上部の8
極の静電偏向器30に電圧を印加することにより、すな
わち、静電偏向器と静電非点補正器を兼用することによ
り補正を行う。これにより渦電流などの応答遅れの影響
がない静電補正での非点補正を、場所の増加なしに行う
ことができる。収差は選択する図形の位置によって変化
するために、収差の補正は図形選択に連動して動的に行
う必要がある。補正すべき値は上記実施例などの方法に
より予め求めることができるので、その値を設定するた
めの時間を短縮することが重要である。本実施例では静
電補正器による非点補正を行ったために、3μsで補正
が可能であった。また、図形選択による離軸が大きな所
で補正を行うと、補正にともない第1アパーチャー像の
第2アパーチャー上における位置が大きく動き、補正を
行う上で障害になる可能性がある。したがって、非点補
正器30を上段の偏向器と兼用にした方がこの影響を受
けにくいという利点がある。もちろん、下段の偏向器と
兼用しても補正は可能である。同様なことは静電の焦点
補正器で可能であり、偏向器に焦点補正用の電圧を印加
すればよい。
調整方法として電子銃の位置や動作条件、アパーチャー
の傾斜なども考えられ、いずれも照射図形の位置変化を
小さくすることにより調整が可能になる。
置の調整方法は、一括図形照射法が可能な電子線描画装
置の調整方法において、試料上に照射された図形状ビー
ムによる試料上の図形内での複数の位置を、異なる焦点
条件のもとで測定し、それぞれの変化量または複数の位
置の間の相対的変化量、あるいはそれら両方を小さくす
る方向に、図形選択に伴う非点収差の補正量と図形選択
に伴う焦点の補正量と、電子鏡体のアライナの強度およ
びアパーチャーの位置などの電子光学系の調整を行うこ
とにより、クロスオーバーに発生する収差を計測し、低
減することが可能であり、精度がよい描画を実現するこ
とができる。
1実施例の電子光学系を示す図である。
を示す図である。
を示す図である。
る。
で、(a)は結像状態の場合を示す図、(b)は強励磁
の場合を示す図である。
す図である。
で、(a)は結像状態の場合を示す図、(b)は強励磁
の場合を示す図である。
示す図である。
場合を示す図、(b)は強励磁の場合を示す図である。
す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】一括図形照射方法が可能な電子線描画装置
の調整方法において、試料上に照射された図形状ビーム
による試料上の図形内での複数の位置を、異なる焦点条
件のもとで測定し、それぞれの変化量または複数の位置
の間の相対的変化量、あるいはそれら両方の変化量を小
さくする方向に、電子光学系の調整を行うことを特徴と
する電子線描画装置の調整方法。 - 【請求項2】前記電子光学系の調整は、静電の非点補正
器または焦点補正器で行い、前記いずれかの補正器を図
形選択のための偏向器と兼用することを特徴とする請求
項1記載の電子線描画装置の調整方法。 - 【請求項3】一括図形照射方法が可能な電子線描画装置
の調整方法において、試料上に照射された図形状ビーム
による試料上の図形内での複数の位置を、異なる焦点条
件のもとで測定し、それぞれの変化量または複数の位置
の間の相対的変化量、あるいはそれら両方の変化量を小
さくする方向に、図形選択に伴う非点収差の補正量、図
形選択に伴う焦点の補正量、電子鏡体のアライナの強
度、アパーチャーの位置の少なくとも一の調整を行うこ
とを特徴とする電子線描画装置の調整方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12908794A JP3357181B2 (ja) | 1994-06-10 | 1994-06-10 | 電子線描画装置およびその調整方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12908794A JP3357181B2 (ja) | 1994-06-10 | 1994-06-10 | 電子線描画装置およびその調整方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07335531A JPH07335531A (ja) | 1995-12-22 |
JP3357181B2 true JP3357181B2 (ja) | 2002-12-16 |
Family
ID=15000760
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP12908794A Expired - Fee Related JP3357181B2 (ja) | 1994-06-10 | 1994-06-10 | 電子線描画装置およびその調整方法 |
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Families Citing this family (3)
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WO2004030056A1 (ja) * | 2002-09-24 | 2004-04-08 | Nikon Corporation | 荷電粒子線露光装置における非点収差補正方法、非点感度の決定方法、及び露光方法 |
JP4870437B2 (ja) * | 2006-01-11 | 2012-02-08 | 株式会社ニューフレアテクノロジー | 偏向収差補正電圧の演算方法及び荷電粒子ビーム描画方法 |
-
1994
- 1994-06-10 JP JP12908794A patent/JP3357181B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH07335531A (ja) | 1995-12-22 |
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