JP3356867B2 - トリプレート給電型平面アンテナ及びその製造法 - Google Patents

トリプレート給電型平面アンテナ及びその製造法

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JP3356867B2 JP6579394A JP6579394A JP3356867B2 JP 3356867 B2 JP3356867 B2 JP 3356867B2 JP 6579394 A JP6579394 A JP 6579394A JP 6579394 A JP6579394 A JP 6579394A JP 3356867 B2 JP3356867 B2 JP 3356867B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ミリ波帯の送受信に用
いられるトリプレート給電型平面アンテナ及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】平面アンテナのアンテナ効率を高める手
段として、トリプレート線路を用いて給電線路の低損失
化を図る方法がある。この種のアンテナの基本構成は、
図7に示す様に、地導体1と、アンテナ回路3を形成し
たフィルム基板4と、スロット開口5を有するスロット
板6を、誘電体2及び誘電体2’を介して積層配置した
ものである。放射部の構成は図7(a)のようにアンテ
ナ回路3の末端部に放射素子を設けたり、図7(b)の
ように線路開放端を設けたりするタイプがある。
【0003】本構成のアンテナは、いずれもアンテナ回
路6の上下に地導体1とスロット板6が配置されたトリ
プレート線路構成であるため、給電線路の曲がりや分岐
部分等の不連絡部からの不要放射が抑制できるため、高
効率な平面アンテナの構成方法として有用であり、図7
(a)のタイプに関しては、1991年電子情報通信学
会春季全国大学予稿B−102、B−103で本願発明
者らが既に報告している。
【0004】この種のアンテナでは、地導体1とフィル
ム基板3及びスロット板6の間隔を均一に保つことが重
要であり、図8(a)に示すように、スロット板6の数
ケ所をネジ締め等で押さえるのが一般的である。また、
接着剤の影響が小さい低周波用途のものについては、図
8(b)に示すように接着剤を用いたラミネート等も一
般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、このようなトリ
プレート給電型平面アンテナにおいて、ミリ波帯などの
極めて高い周波数帯のアンテナを構成する場合には、誘
電体2及び誘電体2’の厚さも極めて薄いものとなり、
強度的にも弱いため、スロット板6のネジ止め部に応力
が生じて、ネジ止め部以外のスロット板6に浮きが生
じ、励振位相誤差によってアンテナの指向特性が劣化し
てしまい、これらを改善するためには、極めて多数のネ
ジ止めが必要となってしまうという問題があった。ま
た、接着剤を用いた方法では、現状の技術レベルでは接
着剤の損失が大きく、アンテナ利得が低下してしまうと
いう課題があった。
【0006】本発明は、ミリ波帯などの高い周波数帯に
おいても、極めて容易にスロット板6を安定に固定する
ことができ、良好なアンテナ特性が実現できるトリプレ
ート給電型平面アンテナ及びその製造法を提供するもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の特徴は、
額縁状の台座部、及びその額縁状の台座部の上部の外周
に沿って立ち上がる壁部とを外周に有する地導体と、
導体上で、額縁状の台座部の内周に嵌合した第1の誘電
と、第1の誘電体上で、且つ額縁状の台座部の内周に
嵌合し、アンテナ回路を備えるフィルム基板と、フィル
ム基板上で、額縁状の台座部の内周に嵌合した第2の
電体と、第2の誘電体上で額縁状の台座部上に壁部の内
周に嵌合する、複数のスロット開口を備えるスロット板
とを備えることを特徴とするトリプレート給電型平面ア
ンテナであることを要旨とする。 更に、本発明の第2の
特徴は、外周に額縁状の台座部及びその額縁状の台座部
の外周において立ち上がる壁部が備えられた地導体の上
に、額縁状の台座部の内周部に嵌合するように第1の誘
電体を圧入する工程と、第1の誘電体の上に、額縁状の
台座部の内周部に嵌合するようにアンテナ回路を備える
フィルム基板を圧入する工程と、フィルム基板の上に、
額縁状の台座部の内周部に嵌合するように第2の誘電体
を圧入する工程と、第2の誘電体上及び額縁状の台座部
上に、壁部の内周部に嵌合するように複数のスロット開
口を備えるスロット板を圧入する工程とを含むトリプレ
ート給電型平面アンテナの製造法であることを要旨とす
る。
【0008】また、図3及び図4に示すように、地導体
1の額縁状の台座部7aと柱状の台座部7bの高さを
1の誘電体2の厚さ相当とし、スロット板6の額縁状の
台座部7aと柱状の台座部7bと接触する位置に第2の
誘電体2’の厚さ相当のリム部11を設けて、スロット
板6と額縁状の台座部7a、柱状の台座部7bとでフィ
ルム基板4を挟み込むこともできる。さらに、図5に示
すように、スロット板6の外周部に補強部12を設けて
も良い。
【0009】このようなトリプレート給電型平面アンテ
ナを製造する方法としては、図6に示すように、地導体
1の面上に、第1の誘電体2と、フィルム基板4と、
2の誘電体2’と、スロット板6を配置した後、圧入治
具13、14により地導体1からスロット板6までのア
ンテナ構成部材全体をプレスするなど、スロット板6を
地導体1に直接圧入して固定することによって製造でき
る。
【0010】
【作用】本発明のトリプレート給電型平面アンテナは、
地導体1にスロット板6を直接圧入することによりスロ
ット板6を固定するため、スロット板を固定するための
ネジや接着剤といった接続部材が不要となると共に、圧
入治具によるプレス等で比較的簡単に製造することが可
能になる。また、地導体1の所望の位置にボス部9を設
け、スロット板のボス部9にあたる部分に第4の穴部1
を設けておくことで、スロット板の外周のみでなく
所望の位置での固定も可能であり、さらに、地導体1に
額縁状の台座部7aと柱状の台座部7bを設けておくこ
とにより、地導体1とスロット板6の間隔を均一に保つ
ことができる。また、スロット板6にリム部11を形成
し、額縁状の台座部7a,柱状の台座部7bとスロット
板6でフィルム基板3を挟み込むことにより、スロット
板6と地導体1の中間にフィルム基板3を精度良く保持
することができる。また、スロット板6の外周部に立上
がり部12を形成することにより、強度的に補強できる
のでスロット板6の平坦度を保つことができる。
【0011】
【実施例】実施例1 本発明の一実施例を図1示す。地導体1は、一般肉厚
を3mmとし額縁状の台座部7aと柱状の台座部7b
高さを1mmとしアルミダイカストにより成形した。
1の誘電体2及び第2の誘電体2’には厚さ0.5mm
で比誘電が約1.1のフォーム材を用いた。フィルム
基板4は、ポリイミドベース銅張フィルム基板材にエッ
チング加工によりアンテナ回路3を形成したものを用い
た。スロット板5には、厚さ1mmのアルミ板を用い、
プレス加工によりスロット5と穴部10を形成した。こ
れらアンテナ構成部材を図6(a)に示すように、圧入
治具(上)13と圧入治具(下)14を用意し、地導体
1の上に、第1の誘電体2、フィルム基板4、第2の
電体2’、スロット板6の順に配置する。そのとき、第
1の誘電体2に設けられた第1の穴部10aとフィルム
基板4に設けられた第2の穴部10bと第2の誘電体
2’に設けられた第3の穴部10cの内径は、柱状の台
座部7bの外径と等しい。更に、スロット板に設けられ
た第4の穴部10dの内径は、ボス部9の外径と等し
い。スロット板6の外径は地導体1に備えられた壁部8
の内径と等しいものとする。次に、図6(b)に示すよ
うに、これら全体を圧入治具13、14を用いてプレス
する。スロット板6がプレスされて、ボス部9が第4の
穴部10dに挿入されることにより、スロット板6と地
導体1が圧着される。更に スロット板6の外径と壁部
8の内径と等しいことで地導体1とスロット板6が圧着
される。図6(c)に示すように、圧入治具13、14
が取り除かれることにより、スロット板6を地導体1に
圧入しトリプレート給電型平面アンテナ製作され
る。製作されたアンテナは、設計周波数が60GHzの
256素子アレーアンテナであるが、利得31dB前後
で、第1サイドローブレベルも−12dB以下の良好な
放射特性が得られた。
【0012】実施例2 本発明の他の実施例を図2に示す。実施例1の地導体1
額縁状の台座部7aと柱状の台座部7bの高さを0.
5mmに変更し、リム部11の高さが0.5mmとなる
ようにプレス加工によりスロット板6を製作し、フィル
ム基板4の外寸を地導体1の周囲の額縁状の台座部
にかかる寸法とした。これらアンテナ構成部材を実施例
1と同様に、スロット板6を地導体1に圧入してトリプ
レート給電型平面アンテナを製作し評価した結果、ほぼ
実施例1と同じレベルの特性を示した。
【0013】
【発明の効果】以上発明した如く、本発明によれば、ミ
リ波帯などのより高い周波数帯においても、地導体1と
スロット板6の保持距離を均一に保つことができ、良好
なアンテナ特性を有するトリプレート給電型平面アンテ
ナを実現することができると共に、従来よりも安価に短
時間で製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施例のアンテナ構成を示す断面図
である。
【図3】本発明の他の実施例を示す分解斜視図である。
【図4】本発明の他の実施例のアンテナ構成を示す断面
図である。
【図5】(a)(b)は、それぞれ本発明の実施例を示
す断面図である。
【図6】本発明の一実施例の製造工程の説明するための
断面図である。
【図7】(a)(b)は、それぞれ従来例を示す分解斜
視図である。
【図8】(a)(b)は、それぞれ本発明の課題を説明
するための従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1.地導体 2.第1の誘電体 2’.第2の誘電体
3.アンテナ回路4.フィルム基板 5.スロット 6.
スロット板 7a.額縁状の台座部 7b.柱状の台座
8.壁部 9.ボス部 10a.第1の穴部 10
b.第2の穴部 10c.第3の穴部 10d.第4の
穴部 11.リム部 12.補強部13.圧入治具
(上) 14.圧入治具(下)
フロントページの続き (72)発明者 太田 雅彦 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化 成工業株式会社 下館研究所内 (72)発明者 嘉戸 誠司 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化 成工業株式会社 下館研究所内 (56)参考文献 特開 平6−69725(JP,A) 特開 平2−202704(JP,A) 特開 平1−143506(JP,A) 実開 平4−121110(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01Q 13/08 H01Q 13/10 H01Q 21/06

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 額縁状の台座部、及び該額縁状の台座部
    の上部の外周に沿って立ち上がる壁部とを外周に有する
    地導体と、前記地導体上で、前記額縁状の台座部の内周に嵌合した
    第1の 誘電体と、 前記第1の誘電体上で、且つ前記額縁状の台座部の内周
    に嵌合し、 アンテナ回路を備えるフィルム基板と、前記フィルム基板上で、前記額縁状の台座部の内周に嵌
    合した第2の 誘電体と、前記第2の誘電体上で前記額縁状の台座部上に前記壁部
    の内周に嵌合する、 複数のスロット開口を備えるスロッ
    ト板とを備えることを特徴とするトリプレート給電型平
    面アンテナ。
  2. 【請求項2】 前記地導体は、柱状の台座部と、該柱状
    の台座部の上部に前記柱状の台座部の外径より小さい外
    径のボス部を更に備え、 前記柱状の台座部は前記第1の誘電体に設けられた第1
    の穴部、前記フィルム基板に設けられた第2の穴部及び
    前記第2の誘電体に設けられた第3の穴部に嵌合し、前
    記ボス部は前記スロット板に設けられた第4の穴部に嵌
    合している ことを特徴とする請求項1記載のトリプレー
    ト給電型平面アンテナ。
  3. 【請求項3】 前記額縁状の台座部の高さを前記第1の
    誘電体の厚さ相当とし、前記スロット板の前記額縁状の
    台座部の上面と接触する位置に、前記第2の誘電体の厚
    さ相当のリム部を設けて、前記リム部が前記第2の誘電
    体の端部を被覆することを特徴とする請求項1又は2記
    載のトリプレート給電型平面アンテナ。
  4. 【請求項4】 前記スロット板の外周部に前記壁部の内
    周に沿って立ち上がる補強設けられたことを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか1項に記載のトリプレート
    給電型平面アンテナ。
  5. 【請求項5】 外周に額縁状の台座部及び該額縁状の台
    座部の外周において立ち上がる壁部が備えられた地導体
    の上に、前記額縁状の台座部の内周部に嵌合するように
    第1の誘電体を圧入する工程と、 前記第1の誘電体の上に、前記額縁状の台座部の内周部
    に嵌合するようにアン テナ回路を備えるフィルム基板を
    圧入する工程と、 前記フィルム基板の上に、前記額縁状の台座部の内周部
    に嵌合するように第2の誘電体を圧入する工程と、 前記第2の誘電体上及び前記額縁状の台座部上に、前記
    壁部の内周部に嵌合するように複数のスロット開口を備
    えるスロット板を圧入する工程 とを含むことを特徴とす
    るトリプレート給電型平面アンテナの製造法。
  6. 【請求項6】 前期地導体に設けられた柱状の台座部を
    第1の誘電体に設けられた第1の穴部、フィルム基板に
    設けられた第2の穴部及び第2の誘電体に設けられた第
    3の穴部に嵌合するように圧入し、前記柱状の台座部の
    上部に設けられたボス部をスロット板に設けられた第4
    の穴部に嵌合するように圧入する工程を更に含むことを
    特徴とする請求項5記載のトリプレート給電型平面アン
    テナの製造法。
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