JP3350713B2 - 騒音源の種類を特定する方法、その装置および媒体 - Google Patents

騒音源の種類を特定する方法、その装置および媒体

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JP3350713B2
JP3350713B2 JP2000246418A JP2000246418A JP3350713B2 JP 3350713 B2 JP3350713 B2 JP 3350713B2 JP 2000246418 A JP2000246418 A JP 2000246418A JP 2000246418 A JP2000246418 A JP 2000246418A JP 3350713 B2 JP3350713 B2 JP 3350713B2
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四一 安藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、航空機騒音や自動
車騒音などの地域環境騒音の計測・心理評価の方法及び
装置に関するものである。特にバイノーラル方式による
騒音の計測・心理評価の方法及び装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、航空機騒音や自動車騒音などの地
域環境騒音は、モノオーラル方式による騒音計を用いて
測定した音圧レベルやその周波数特性に関して議論され
てきた。しかし、上述したモノオーラル方式により測定
された物理的ファクターのみでは人間の主観的応答を表
わすには不十分かつ不適切であることがわかってきた。
また、コンサートホール音響学では、バイノーラル方式
により、ホールの物理的なデータと心理的(主観的)な
関連性が明らかとなってきているが、騒音の分野におい
てはモノオーラル方式に関するものが殆どである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】長年の間、環境騒音
は、音圧レベル(SPL;Sound Pressure Level)の統計
値を用いて評価されてきた。このSPLは、LxまたはL
eqで表わされ、これのパワースペクトルは、モノオーラ
ル騒音計で測定する。しかしながら、このSPL及びパ
ワースペクトルだけでは環境騒音の主観的な評価には適
さない。
【0004】即ち、本発明の目的は、人間の聴覚−大脳
機能システムにもとづき、時間領域において時々刻々変
化する自己相関関数及び相互相関関数から導出される物
理ファクターを用いて、騒音源の種類を特定する方法、
装置及び媒体を提供することである。また本発明の他の
目的は、人間の聴覚−大脳機能システムにもとづき、時
間領域において時々刻々変化する自己相関関数及び相互
相関関数から導出される物理ファクターを用いて、より
的確にラウドネス、ピッチ、音色、心理的時間感覚をは
じめ、主観的拡がり感、騒音場の見かけの音源の幅など
の心理評価を行う方法、装置及び媒体を提供することで
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、音声採取手段を用いて環境騒音の音響信号を採
取・記録する音響信号記録ステップと、この記録された
音響信号からフーリエ変換を用いて演算手段により自己
相関関数(ACF)を算出するACF演算ステップと、
この算出されたACFから演算手段により各ACFファ
クターを求めるACFファクター演算ステップと、この
求めた各ACFファクターを用いて演算手段により騒音
源の種類を判定する判定ステップと、を含むことを特徴
とする騒音源の種類を特定する方法を提供する。
【0006】また、好適には、上述した騒音源の種類を
特定する方法において、前記ACFファクター演算ステ
ップが、前記計算されたACFからACFファクターで
ある遅れ時間が0で表わされるエネルギー(Φ(0))、
有効継続遅延時間(τe)、ACFの第1ピークまでの
遅延時間(τ1)、正規化したACFの第1ピークの振
幅(φ1)を計算する演算ステップを含み、 前記騒音
源の種類を判定する判定ステップが、これらの計算され
たACFファクターである遅れ時間が0で表わされるエ
ネルギー(Φ(0))、有効継続遅延時間(τe)、ACF
の第1ピークまでの遅延時間(τ1)、正規化したAC
Fの第1ピークの振幅(φ1)からその対数と、予め作
成してある騒音源の各ACFファクター毎の対応するテ
ンプレートの対数との差の絶対値である距離をそれぞれ
求めるステップと、予めACFファクターの各々の算術
平均の標準偏差であるSを、ACFファクターの全カ
テゴリーに対する標準偏差の算術平均であるSで除算
し、この除算したものの平方根である重み係数を各AC
Fファクター毎に求めるステップと、求めたそれぞれの
距離に、予め求めておいた対応する各ACFファクター
の重み係数を乗算し、合計の距離を求める合計距離演算
ステップと、この求めた合計距離と、格納されているテ
ンプレートの距離とを比較し、最も近いテンプレートの
1つを選択する比較・選択ステップと、を含むことを、
特徴とする騒音源の種類を特定する方法を提供する。
【0007】本発明の他の目的を達成するためには、音
声採取手段を用いて環境騒音の音響信号をバイノーラル
方式で記録する音響信号記録ステップと、このバイノー
ラル方式で記録された音響信号から演算手段を用いて自
己相関関数(ACF)及び左右の各チャンネル間の相互
相関関数(IACF)を計算するACF及びIACF演
算ステップと、この計算されたACFから前記演算手段
を用いて各ACFファクターを計算し、及び/またはこ
の計算されたIACFから各IACFファクターを計算
するACF・IACFファクター演算ステップと、この
計算されたACF及び/またはIACFファクターの各
々に基づき演算手段を用いて心理評価を行う心理評価ス
テップと、を含むことを特徴とする騒音源について心理
評価を行う方法を提供する。
【発明の実施の形態】
【0008】ラウドネス、ピッチ、音色などの基本的な
知覚データと同様に、嗜好や拡散性などの多くの主観的
なデータの記述は、人間の聴覚−大脳システムの音場に
対する応答モデルに基づいている。この応答モデルは予
測されてきたが、それは経験的に得られた結果と一致す
ることが知られている。例えば最近、周波数帯域幅を制
限したノイズのラウドネスは、SPLによって影響をう
けるのと同様に、自己相関関数(ACF)における有効
継続時間(τe)によって影響を受けることが知られて
いる。また、複合音の基本周波数が約1200Hzよりも低
い場合、ピッチ及びその強さは、それぞれACFの第1
ピークまでの遅延時間(τ1)、正規化したACFの第
1ピークの振幅(φ1)によって影響を受ける。特に、
ある時間内におおいて求められたτeの最小値(τe
minで得られるACFファクターは、騒音源及び騒音場
の主観的評価の差異を良く表わすものである。
【0009】このモデルは、2つのそれぞれの経路にお
ける音響信号同士の自己相関と、これらの音響信号の間
における相互相関とから構成され、人間の大脳半球の処
理特性も考慮するものである。即ち、両耳に入ってくる
音響信号を用いて、自己相関関数(ACF)及び相互相
関関数(IACF)を計算する。直交ファクターである
遅れ時間が0で表わされるエネルギー(Φ(0))、有効
継続遅延時間(τe)、ACFの第1ピークまでの遅延
時間(τ1)、正規化したACFの第1ピークの振幅
(φ1)はACFから導出される。また、IACFファ
クターである聴取音圧レベル(LL)、最大振幅(IA
CC)、最大振幅までの遅延時間(τIAC )、最大
振幅における幅(WIACC)は、IACFから導出さ
れる。
【0010】図1は、本発明による装置の具体的な構成
を示す装置概略図である。図1に示すように本発明によ
る装置の具体例は、聴者の頭部の模型1に装着された騒
音源からの音響信号を採取するバイノーラル方式の音声
採取手段2(マイクロフォン)を、LPF3(ローパス
フィルタ)、A/Dコンバータ4、コンピュータ5から
構成される。この頭部としては、人体の頭部が最も望ま
しいがそれでは不便であるため、人体の頭部を模したダ
ミーヘッドを用いることもできる。しかし、このダミー
ヘッドは高価であり、ダミーヘッド以外の頭部の模型1
(発砲スチロールなどの材料を用いた球体(直径を20
cm)としたもの)でも本発明で測定するACF、IAC
Fでは、有意差がないため、発砲スチロール製の頭部の
模型を用いた。このコンピュータ5は、採取された音響
信号を格納する音響信号記憶手段6と、この格納された
音響信号(左右2チャンネル)を読み出し、これらの音
響信号に基づきACFを計算するACF演算手段7、と
これらの音響信号に基づきにIACFを計算するIAC
F演算手段8、この計算されたACFに基づきACFフ
ァクターを計算するACFファクター演算手段9、この
計算されたIACFに基づきIACFファクターを計算
するIACFファクター演算手段10、この計算された
ACFファクターに基づき騒音源の種類を特定する騒音
源の種類を特定する手段11、この計算されたACFフ
ァクター及び/またはIACFファクターに基づき心理
評価を行う手段12、騒音源の種類の特定及び心理評価
に用いるデータに関するデータベース13を具える。
【0011】聴者の頭部の模型1の両端に取り付けた左
右2チャンネルのコンデンサマイクロフォン(マイクア
ンプ付き)を、ローパスフィルタを介して可搬型パーソ
ナルコンピュータ5のサウンド入出力端子(A/D変換部
4)と接続する。このマイクロフォン(音響信号採取手
段2)から周りの騒音の取り込みを行う。コンピュータ
上のプログラムの管理下、計測、各物理ファクタの算
出、騒音源の種類の特定、心理評価、などを行う。ま
た、騒音源の種類の特定及び心理評価に用いるデータに
関するデータベースを構築する。
【0012】図2は、本発明による騒音源の種類の特
定、心理評価を行う方法のフローチャートである。図2
に示すように、ステップS1では、騒音源からの音響信
号を音源採取手段2により採取する。この採取された音
響信号はLPF3を介してA/Dコンバータ4によりデ
ジタル信号に変換する。ステップS2では、ステップS
1で採取された音響信号を音響信号記憶手段に格納す
る。ステップS3では、ステップS2で格納された音響
信号を読み出す。ステップS4では、ステップS3で読
み出された音響信号に基づきACF及びIACFをAC
F演算手段7及びIACF演算手段8により計算する。
ステップS5では、ステップS4で計算されたACF及
びIACFに基づきACFファクター演算手段9及びI
ACF演算手段10によりACFファクター及びIAC
Fファクターを計算する。ステップS6では、ステップ
S5で計算されたACFファクター及びIACFファク
ターに基づき、騒音源種類特定手段11、心理評価手段
12により騒音源の種類の特定、心理評価を行う。その
特定、評価の際には、テンプレートを格納するデータベ
ース13からデータを読み出し比較・検討を行う。
【0013】まず初めに、ピーク検知プロセスにより、
採取した音響信号から複数の測定セッションを抽出す
る。連続的な騒音から自動的に環境騒音や目的の騒音を
抽出するために、左右それぞれの耳の入り口部位におけ
るエネルギーであるモノオーラルのエネルギーΦ
ll(0)、Φrr(0)を連続的に分析する。図3は、ピーク検
知処理手順を説明する図であって、縦軸にノイズレベ
ル、横軸に時間をとったグラフであって、その下段に積
分間隔を示す図である。騒音が航空機騒音や列車騒音な
どの連続騒音の場合、Φ(0)の計算のための間隔を、か
なり長く(例えば1秒など)設定することができるが、
騒音が短時間や断続的である場合は、より短い間隔を用
いる必要がある。しかしながら、後述する式(1)で連
続計算する場合、積分間隔よりも長い間隔を選ぶ必要が
ある。従って、この間隔は、騒音源の種類に応じて決定
する必要がある。
【0014】これによって、長い時間の間隔で普通の騒
音計を用いてΦ(0)を決定するより、より正確にΦ(0)を
決定することができる。ピークを検出するためには、前
もってトリガーレベルLtrigを適切に設定しておく必要
がある。適当なLtrig値は、目標とする騒音の種類、目
標とする騒音と観察者との距離、大気の条件などに応じ
て変化するものである。従って、この値を予備測定によ
って決定する必要がある。目的騒音と観察者との距離が
近くて、かつ、観察者の近くに干渉する騒音源がない場
合、Ltrig値を決定することは容易である。
【0015】最大値Φ(0)を中心とする騒音を、システ
ムを用いて単一のセッションで記録する。各々の目的と
する騒音に対する1つのセッションの継続時間すなわち
tsは、Ltrig値を超えた後にΦ(0)のピークを含むよう
に選択する。航空機騒音や列車騒音などの普通の環境騒
音の場合は、ts値は約10秒である。これは、継続時間
が長い定常状態の騒音と短い継続時間の断続的な騒音と
では異なる。このシステムは、干渉する騒音がある場合
には使えないことに留意されたい。図3に示すように、
一連のセッション(S1(t),S2(t),S3(t),…SN(t)、N:セ
ッションの数、0<t<ts)をシステム上に自動的に格納す
る。
【0016】図3に示すように、継続時間tsでの各セッ
ションS(t)に対するランニングACF及びランニングIA
CFを分析する。ここでは、「ランニング」のプロセスを
説明するために単一のセッションのみを考えることとす
る。計算の前に、適切な積分間隔2T及び連続ステップt
stepの値を決定する。前述したように、推奨される積分
間隔は約30×(τe)min[ms]であり、この(τe)minは一
連の値τeの最小値であり、予備測定で容易に発見し得
るものである。これは、違う種類の環境騒音のデータを
用いて見つけるものである。大抵の場合、隣接する積分
間隔をお互いに重ね合わせる。
【0017】ACFとIACFを、2Tの範囲での1セッション
ごとの各ステップ(n=1,2,…,M)につき計算する。各ス
テップは、
【数1】 のようにtstepずつシフトする。物理ファクターは、ACF
及びIACFの各ステップから導出する。2Tは予測されるτ
eの値よりも十分長くする必要がある。また、これは、
各ステップに対する知覚の「聴覚の時間窓」に大きく関
連する。環境騒音に対する2Tとしては、概ね0.1〜
0.5秒が適している。2Tがこの範囲よりも小さい場
合、(τe)minがある値に収束する。一般的に、tstep
0.1秒が好適である。変動が細かい場合は、より短い
tstepを選択する。よく知られているように、バイノー
ラル信号をFFT(高速フーリエ変換)と、その後逆F
FTの処理を行うことにより、ACF及びIACFを得ること
ができる。A特性フィルター及び、マイクロフォンの周
波数特性は、FFT処理の後で考慮する。
【0018】左右の耳の部位におけるACFを、それぞ
れ、Φll(τ)、Φrr(τ)で表わす。特定の数字の場合
は、Φll (i)、Φrr (i)で表わす(1<i<Tf、 f:サンプリ
ング周波数(Hz)、i:整数)。左右のΦ(0)を計算するた
めには、Φll (i)とΦrr (i)を下記のように平均する。
【数2】 SPLの正確な値は、次式で得られる。
【数3】 Φref(0)は、基準音圧値20μPにおけるΦ(0)である。
【0019】バイノーラルの聴取音圧レベルは、Φ
ll(0)及びΦrr(0)の相乗平均である。
【数4】 このΦ(0)は、IACFを正規化する際の分母となるもので
あるため、IACFファクターの一方のもの、或いは右半球
の空間ファクターに分類されるものと考える。正規化し
たACFの振幅が0.1(10%の遅延)になる時の遅
延時間によって、有効継続時間τeを定義する。正規化
した左右の耳におけるACF、φll,rr (τ)は、次式
で得られる。
【数5】
【0020】図4は、縦軸にACFの対数の絶対値、横
軸に遅延時間をとったグラフである。図4に示すように
初期のACFが線形に減少するのが一般的に観察できる
ため、縦軸をデシベル(対数)に変換するとτeを容易
に得ることができる。線形回帰の場合は、ある一定の短
い時間Δτにおいて得られるACFのピークに対して最
小平均自乗法(LMS)を使用する。このΔτは、ACFのピー
クを検知するために使用され、計算前に慎重に決定して
おく必要がある。τeを計算する際、原点が回帰線上に
ない場合、ACFの原点(ACF=0、τ=0)を、考慮に
入れなくても良い場合も多い。極端な例では、目的とす
る騒音が純音とホワイトノイズとを含む場合、原点にお
いて急激な減衰が観察される。その後の減衰は、純音成
分のため一定に保たれる。この場合、ACF関数の解は
求まらない。
【0021】図5は、縦軸に正規化したACF、横軸に
遅延時間をとったグラフである。図5に示すように、τ
は正規化したACFの第1のピークまでの遅延時間、
φはその第1ピークでの振幅である。第1ピークは、
局所的な小さなピークは無視して、主要なピークに基づ
き決定する。ファクターτnとφn(N≧2)とは考慮に入れ
ない。なぜなら、τnとφnは、一般的にτ1とφとに
相関関係があるからである。
【0022】図6は、縦軸に正規化したIACF、横軸
に左右の信号の遅延時間をとったグラフである。左右の
耳の音響信号の間のIACFは、φlr(τ)(-1<τ<+1[m
s])で表わされる。デジタル形式では、Φlr (i)(-f/10
3≦i≦f/103、iは整数であり、これが負の場合は左のチ
ャンネルに遅れがあるIACFであることを示す)。両
耳の間の最大遅延としては−1から+1msを考慮すれば
十分である。最大振幅IACCは主観的拡散に関連する
ファクターである。図6に示すように、正規化されたI
ACFΦlr (i)の最大振幅は遅延範囲内で得られる。即
ちIACC={φlr (i)max (5)正規化さ
れたIACFは次式で得られる。
【数6】
【0023】τIACCの値は、最大振幅の遅延時間におい
て容易に求まる。例えば、τIACCが正の場合、音源は聴
者の右側に位置する、或いは音源が右側にあるかのよう
に知覚する。図6に示すように、最大振幅における幅W
IACCを、最大値から0.1(IACC)下の部分の
ピーク幅で得ることができる。この係数0.1はIAC
C=1.0におけるJNDとして概算的に用いられるもの
である。聴取音圧レベルLLは、式(2)でSPLをLLと
置き換えることによって得られる。このようにして、各
物理ファクターを、ACF及びIACFから求めること
ができる。
【0024】次に、ACFファクターに基づき騒音源の
種類の特定する方法について説明する。騒音源の種類
は、4つのACFファクター遅れ時間が0で表わされる
エネルギー(Φ(0))、有効継続遅延時間(τe)、AC
Fの第1ピークまでの遅延時間(τ1)、正規化したA
CFの第1ピークの振幅(φ1)を用いて特定する。Φ
(0)は騒音源と聴者との距離に応じて変化するため、距
離が不明の場合は、計算の条件には特別に注意を払う必
要がある。たとえファクターΦ(0)が有効でない場合で
あっても、その他の3つのファクターを用いて騒音源の
種類を特定することができる。空間情報が変化する場
合、残りのIACFファクターを考慮に入れることもで
きる。音響信号の最も大きく変動する部分である最小τ
e:(τe)minを用いる理由の1つは、この部分が主観的
な応答に最も深く関与するものであるということであ
る。
【0025】未知の対象データ(下記の式(7)〜(1
0)では記号aで示す)用の(τe)minにおける各ファク
ターの値とデータベースに格納されたテンプレート用
(記号bで示す)の値との差、即ち「距離」を計算す
る。ここで「対象」とは、システムによって特定される
オブジェクトとしての環境騒音のことを意味する。テン
プレート値は、ある特定の環境騒音に対する典型的なA
CFファクターのセットであり、これらの複数のテンプ
レートを未知の騒音と比較する。距離D(x)(x:Φ
(0)、τe、τ1、φ)を次式により計算する。
【数7】
【0026】目的とする騒音源の合計距離Dは、次式で
表わされる。
【数8】 (x)(x;Φ(0)、(τe)min、τ1、φ1)は、重み係数で
ある。この算出された距離Dに最も近いDを有するテン
プレートを、求める騒音源であると判断する。これによ
り、未知の騒音源が、何であるのか、例えば鉄道、自動
車、航空機、工場騒音であるのか、更にその車種、機種
などを特定することが可能となる。
【0027】図7は重み係数の計算方法を説明するブロ
ック図である。式(11)の重み係数W(x)(x;Φ(0)、
τe、τ1、φ1)は、統計値S1 (i)とS2 (i)とを用いて得
ることができる。図7に示すように、S1 (i)は、ACF
ファクターの全カテゴリーに対する標準偏差(SD)の算
術平均である。ここでカテゴリーとは、同じ種類の騒音
に対するデータのセットを意味する。S2 (i)は、各カテ
ゴリの算術平均の標準偏差である。W(x)は、ファクタ
ー{(S2/S11/2}maxの中の最大値で正規化した後、(S
2/S11/2で得られる。この平方根の処理は経験的に得
られたものである。騒音源の間におけるより大きなSD
と、ある騒音の間におけるより小さなSDとのファクター
とは他の種類の騒音とは区別できるため、このようなフ
ァクターの重みはその他のファクターのものよりも大き
くなる。テンプレートを改善する学習機能がある場合、
システム上においてテンプレートは、システム内でAC
Fの各ファクターについての最新の値と、元の値との平
均によって上書きすることもできる。
【0028】図8は、聴覚−大脳機能システムのモデル
を説明するブロック図である。聴覚−大脳機能システム
のモデルは、自己相関(ACF)メカニズム、両耳間相
互相関(IACF)メカニズム、左右大脳の機能分化を
含んでいる。信号のパワースペクトルに含まれる情報
は、音響信号のACFにも含まれていることは注目すべ
きことである。また騒音場の空間的感覚を示すため、I
ACFより抽出される空間的ファクターを考慮する。音
色は音の基本的感覚と空間的感覚を含む総合的な感覚と
して定義される
【0029】聴覚−大脳機能モデル(図8)を使って、
自由空間内に存在する聴者の正面にある与えられた音響
信号p(t)の基本的な感覚を考える。ここで長時間AC
Fを次式で得ることができる。
【数9】 p’(t)=p(t)*s(t)で、s(t)は耳の感度である。便宜上s
(t)はA特性のインパルス応答が用いられる。パワース
ペクトルも次式のようにACFから得ることができる。
【数10】 このように、ACFとパワースペクトルは数学的には同
じ情報を含んでいる。
【0030】ACFの解析において3つの重要な事項と
して、遅れ時間が0で表わされるエネルギーΦp(0)と、
正規化したACFのエンベロープから抽出される有効継
続時間τeと、ピークやディップやその遅れ時間とを含
む微細構造とがある。図4に示すように、この有効継続
時間τeは、10パーセント遅れ時間として定義でき、騒
音響信号それ自身に含まれる繰り返し成分、または残響
成分として表わされる。前述したように正規化したAC
FはΦp(τ)=Φp(τ)/Φp(0)で得ることができる。
【0031】ラウドネスSLは次式で表わされる。 SL=fL(Φ(0),τ11e) (15) 即ち、ACFファクターである、遅れ時間が0で表わさ
れるエネルギー(Φ(0))、有効継続遅延時間(τe)、
ACFの第1ピークまでの遅延時間(τ1)、正規化し
たACFの第1ピークの振幅(φ1)からラウドネスを
求めることができる。ここでτ1は騒音のピッチまたは
後述するミッシングファンダメンタル現象に関係するも
のである。また、p’(t)が音圧レベルL(t)を与えるため
の圧力20μPaを基準として測定されるなら、等価騒音
レベルLeqは次式で求めることができる。
【数11】 このLeqは10logΦp(0)に相当するものである。ま
た、サンプリング周波数は、最大可聴周波数域の2倍以
上としなければならないので、通常の騒音計で測定され
たLeqよりも極めて精度良く測定できる。
【0032】図9は、縦軸にラウドネス尺度値、横軸に
バンド幅をとったグラフである。このグラフは、Φp(0)
を一定とした条件下での一対比較テスト(1080dB/o
ctaveのスロープを持つフィルタを使用)で得られた臨
界帯域内のラウドネス尺度値を示したものである。明ら
かに純音のような騒音が同じ繰り返し成分を持つとき、
τeは大きな値となり、ラウドネスが大きくなる。この
ように、ラウドネス対バンド幅の関係は、臨界帯域内で
も平坦にならないことがわかる。なお、この結果は中心
周波数1kHzの周波数帯域で得られたものである。
【0033】騒音のピッチまたはミッシングファンダメ
ンタルは次式で表わされる。 Sp=fp11) (17) ここで、ミッシングファンダメンタル現象とは、いくつ
かの倍音構造が存在するとき、実際にはない高さの音が
聞こえるという現象である。
【0034】最も複雑な知覚である音色は、次式で表わ
される。音色には、ラウドネスやピッチも含まれるもの
である。 ST=fT[Φ(0),τe,(τ11),…,(τnn)] (18 ) τnn(n=1,2,…)の中でτ11が最も顕著な直交フ
ァクターであるため式(18)は以下のように書き直す
ことができる。 ST=fT[Φ(0),τe11] (19)
【0035】信号の時間的長さの知覚に関する感覚は、
次式で表わされる。 SD=fD[Φ(0),τe11] (20)
【0036】長時間IACFは次式で求めることができ
る。
【数12】 ここでp’l,r(t)=p(t)l,r*s(t)、はp(t)l,r は左右外耳
道入り口の音圧である。
【0037】騒音源の水平面の方向の知覚を含む空間情
報の知覚は次式で表わされる。 S=f(LL,IACC,τIACC,WIACC) (22) ここで聴取音圧レベルLLは{Φll(0),Φrr(0)}であ
る。記号{}は、左右の耳の入り口に到来する信号のτ=
0のときのACFであるΦll(0)、Φrr(0)の組を表わ
す。数学的にはLLは、両耳に到来する音響信号のエネ
ルギーの算術平均で次式のように表わされる。
【数13】 式(22)で示す4つのIACFファクター(直交ファ
クター)の中で、−1〜+1msの範囲内のτIACCは、水
平方向の音源の水平方向の知覚に関する重要なファクタ
ーである。正規化したIACFが1つの鋭いピークを持
ち、IACCが大きく、高周波数成分によってW
IACCが小さい値であるとき、明確な方向感が得られ
る。逆に主観的拡がり感やあいまいな方向感はIACC
が小さい値(<0.15)の時に起こる。
【0038】正中面に位置する騒音源の知覚について
は、耳の入り口に到来する音響信号の長時間ACFから
抽出される時間的ファクターを式(22)に加えるべき
であろう。図8に示すように、注目すべきはIACCに
相当する下丘付近に存在する神経活動の存在である。ま
た、室内音場においては、LLとIACCとは右大脳半
球に支配的に関連があり、時間的ファクターであるΔt1
やTsubは左大脳半球と関わっていることを発見した。
【0039】主観的拡がり感の尺度値を得るため、2つ
の対称な反射音の水平入射角度を変更し、ホワイトノイ
ズを用いて一対比較テストを行った。被験者は、LL、
τIA CC、WIACCが一定の条件下で、提示された2つの音
場のうち、どちらの音場がより広がって聞こえるかを判
断した。図10は、左縦軸に拡がり感の尺度値、右縦軸
に最大振幅IACC、横軸に反射音の水平入射角度をと
ったグラフである。図10に示すように、250Hz〜
4kHz(図10(a):250Hz、(b):500Hz、(c):1kHz、
(d):2kHz、(e):4kHz)の周波数帯域の結果において、尺
度値と最大振幅IACCとは強い負の相関関係を示し
た。従って、上述した実験結果により、主観的尺度値
を、IACCの3/2乗で次式のように求めることがで
きる。 Sdiffuseness=−α(IACC)β (24) 実験により求めた係数αは2.9、乗数βは3/2であ
る。
【0040】騒音場の見かけの音源の幅(ASW)を求
める方法について説明する。低域の周波数成分が大きい
騒音場では、長時間IACFは遅れ時間τが−1〜+1
msの範囲内に明確なピークを持たず、WIACCは大きくな
る。このWIACCは次式で求めることができる。
【数14】 ここで、Δωcは2π(f1+f2)、f1とf2とは、それぞれ
理想的なバンドパスフィルターの下限値と上限値であ
る。便宜上、δは0.1(IACC)と定義する。
【0041】注目すべきことは、大きなASWは低周波
数帯域が多く、IACCが小さいときに知覚されるとい
うことである。すなわち、LLが一定でτIACC=0の条
件下では、ASWはIACCとWIACCのIACFファク
ターに基づき求めることができる。ASWの尺度値を1
0名の被験者を用いて一対比較テストで求めた。WIA CC
の値を制御するため、1/3オクターブバンドパスノイ
ズの中心周波数を250Hz〜2kHzで変化させた。IA
CCは直接音に対する反射音のレベルの比を制御して調
整した。聴取音圧レベルLLは、ASWに影響するの
で、全ての音場の耳の入り口でのトータル音圧レベルは
ピーク値が75dBAで一定とした。被験者は提示され
た2つの音場のうちどちらかが広がって聞こえるかを判
断した。尺度値SASWの分散分析の結果、IACC、W
IACCの両方のIACFファクター共に有意であり(p<0.
01)、以下のようにSASWに対して独立に寄与している。
従って、SASWを次式で求めることができる。 SASW=a(IACC)3/2+b(WIACC1/2 (26 ) ここで係数a=−1.64、b=2.44であり、これ
らの係数は、図11(a)(b)に示す10名の被験者
の尺度値の回帰曲線から得られたものである。図11
(a)は縦軸にASW、横軸にIACCをとったグラフ
であり、図11(b)は縦軸にASW、横軸にW
IACCをとったグラフである。また、図11は、縦軸
に実際に測定したASWの尺度値、横軸に計算されたA
SWの尺度値をとったグラフである。図12に示すよう
に、この式から求めたSASWの尺度値と、SASW
測定値はよく対応することを確かめた(r=0.97、p<0.0
1)。
【0042】時間的に変動する環境騒音を評価するた
め、短時間ランニングACF及び短時間ランニングIA
CFを用いる。前述と同様の方法で抽出された短時間ラ
ンニングの空間的・時間的ファクターは、時変動する騒
音場の基本的感覚を示すのに用いられている。短時間A
CFは次式で求めることができる。
【数15】 ここで2Tは解析される信号の長さである。この長さ2
Tは、ランニングACFの有効継続時間の最小値
(τeminを少なくとも含む範囲で決定すべきである。
(τeminを示す騒音は信号が最も急速に変動すること
を表わしており、この部分が最も主観的応答に影響を及
ぼしている。
【0043】各騒音の部分におけるラウドネスSLに関
して、式(15)は次式のように書き換えることができ
る。 S=f(LL,τ1e) (28) ここで各ファクターは各騒音の部分について得られ、式
(15)のΦ(0)はLLに置き換えられる。ACFから
抽出された時間的ファクターが、室内の反射音群(Δ
t1,Δt,...)と後続残響時間Tsubに影響を及ぼし
ているはずだということに注目すべきである。
【0044】環境騒音場のピッチの記述で、騒音場にお
いて有意な時間的ファクターはτ とφとであり、従
って式(17)はそのまま保たれる。
【0045】環境騒音場の音色は時間的・空間的ファク
ター全てで、次式のように表わされる。 S=f(τe1;LL,IACC,τIACC,WIACC) (29) ここで、人間の大脳半球が時間的ファクターが左大脳半
球に関連し、空間的ファクターが右大脳半球に関連して
いるという専門化を考えると、式(29)は以下のよう
に置き換えることができる。 S=fT(τe1left+fT(LL、IACC,τIACC,WIACCright (29) 弱い反射音の閾値をΔt1の関数として図13に示す。式
(29)に含まれる、聴者に対する反射音の空間的方向
(IACCとτIACC)と反射音の遅れ時間Δt1はこの閾
値を示している。
【0046】耳の感度は外耳と中耳とを含む物理システ
ムにより特徴づけられる。音響信号を解析する前に、便
宜上、A特性をかけておく。単一反射音の遅れ時間を関
数とした単音節の明瞭度は、母音と子音との間の部分の
短時間ACFから抽出された4つの直交ファクターを解
析することにより予測できる。最近の調査では、音色や
比類似度の判断は、コンサートホール内の音場の主観的
プリファレンスと同じく、総合的な主観的応答であるこ
とを明確に示している。音色と同様に、主観的プリファ
レンスは、τeの最小値を用いて表わされる。短時間積
分時間は次式で表わされる。 (2T)=30(τemin (30) 精神作業に関する騒音の影響は、作業能率と大脳の専門
化との間の妨害現象として解釈することができる。AC
Fから抽出された時間的ファクターは、左大脳半球に関
連しており、IACFから抽出されるファクターは右大
脳半球に主に関わっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による装置の具体的な構成を示す装置
概略図である。
【図2】 本発明による騒音源の種類の特定、心理評価
を行う方法のフローチャートである。
【図3】 図3は、ピーク検知処理手順を説明する図で
あって、縦軸にノイズレベル、横軸に時間をとったグラ
フであって、その下段に積分間隔を示す図である。
【図4】 縦軸にACFの絶対値の対数、横軸に遅延時
間をとったグラフである。
【図5】 縦軸に正規化したACF、横軸に遅延時間を
とったグラフである。
【図6】 縦軸に正規化したIACF、横軸に左右の信
号の遅延時間をとったグラフである。
【図7】 重み係数の計算方法を説明するブロック図で
ある。
【図8】 聴覚−大脳機能システムのモデルを説明する
ブロック図である。
【図9】 縦軸にラウドネス尺度値、横軸にバンド幅を
とったグラフである。
【図10】 左縦軸に拡がり感の尺度値、右縦軸に最大
振幅IACC、横軸に反射音の水平入射角度をとったグ
ラフである。
【図11】 (a)は縦軸にASW、横軸にIACCを
とったグラフであり、(b)は縦軸にASW、横軸にW
IACCをとったグラフである。
【図12】 縦軸に実際に測定したASWの尺度値、横
軸に計算されたASWの尺度値をとったグラフである。
【図13】 縦軸に信号の閾値、横軸に遅延時間をとっ
たグラフである。
【符号の説明】
1 頭部の模型 2 バイノーラル方式の音声採取手段 3 LPF(ローパスフィルタ)、 4 A/Dコンバータ 5 コンピュータ 6 音響信号記憶手段 7 ACF演算手段 8 IACF演算手段 9 ACFファクター演算手段9 10 IACFファクター演算手段10 11 騒音源種類特定手段 12 心理評価手段 13 データベース
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−88928(JP,A) 特開 昭60−378(JP,A) Boualem Boashash, IEEE trans Acoust Speech Signal Proc ess,1990年,38(11),pp.1829 −1841 向井有吾、佐藤太一及び田中甚八郎, 日本機械化学会機械力学・計測制御公演 論文集,1997年,vol.1997 no. B,p.171−174 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01H 3/00 G01M 19/00 G10L 15/00 G01L 101:14 JICSTファイル(JOIS)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環境騒音の音響信号を採取する音声採取
    ステップと、 この採取された音響信号を記録する音響信号記録ステッ
    プと、 この記録された音響信号から演算手段を用いて自己相関
    関数ACFを計算するACF演算ステップと、 この算出されたACFから前記演算手段を用いて、AC
    Fファクターである遅れ時間が0で表わされるエネルギ
    ーΦ(0)、有効継続遅延時間τ e 、ACFの第1ピークま
    での遅延時間τ 1 、正規化したACFの第1ピークの振
    幅φ 1 求めるACFファクター演算ステップと、 この求めたACFファクターに基づき前記演算手段を用
    いて騒音源の種類を判定する判定ステップと、 を含むことを特徴とする騒音源の種類を特定する方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の騒音源の種類を特定す
    る方法において、 前記騒音源の種類を判定する判定ステップが、 これらの計算されたACFファクターである遅れ時間が
    0で表わされるエネルギーΦ(0)、有効継続遅延時間
    τ e 、ACFの第1ピークまでの遅延時間τ 1 、正規化し
    たACFの第1ピークの振幅φ 1 からその対数をそれぞ
    れ求め、求めた対数の各々と、予め作成してある騒音源
    の各ACFファクター毎の対応するテンプレートの対数
    との差の絶対値である距離、をそれぞれ求めるステップ
    と、 予めACFファクターの各々の算術平均の標準偏差であ
    るS を、ACFファクターの全カテゴリーに対する標
    準偏差の算術平均であるS で除算し、この除算したも
    のの平方根である重み係数を各ACFファクター毎に求
    めるステップと、 求めたそれぞれの距離に、予め求めておいた対応する各
    ACFファクターの重み係数を乗算し、合計の距離を求
    める合計距離演算ステップと、 求めた合計距離と、格納されているテンプレートの距離
    とを比較し、最も近いテンプレートの1つを選択する比
    較・選択ステップと、を含むことを、 特徴とする騒音源の種類を特定する方法。
  3. 【請求項3】 音声採取手段を用いて環境騒音の音響信
    号を記録する音響信号記 録手段と、 この記録された音響信号から演算手段を用いてフーリエ
    変換により自己相関関数ACFを計算するACF演算手
    段と、 この計算されたACFから前記演算手段を用いて、AC
    Fファクターである遅れ時間が0で表わされるエネルギ
    ーΦ(0)、有効継続遅延時間τ e 、ACFの第1ピークま
    での遅延時間τ 1 、正規化したACFの第1ピークの振
    幅φ 1 を求めるACFファクター演算手段と、 この求めたACFファクターに基づき前記演算手段を用
    いて騒音源の種類を判定する判定手段と、 を含むことを特徴とする騒音源の種類を特定する装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の騒音源の種類を特定す
    る装置において、 前記騒音源の種類を判定する判定手段が、 これらの計算されたACFファクターである遅れ時間が
    0で表わされるエネルギーΦ(0)、有効継続遅延時間
    τ e 、ACFの第1ピークまでの遅延時間τ 1 、正規化し
    たACFの第1ピークの振幅φ 1 からその対数をそれぞ
    れ求め、求めた対数の各々と、予め作成してある騒音源
    の各ACFファクター毎の対応するテンプレートの対数
    との差の絶対値である距離をそれぞれ求める手段と、 予めACFファクターの各々の算術平均の標準偏差であ
    るS を、ACFファクターの全カテゴリーに対する標
    準偏差の算術平均であるS で除算し、この除算したも
    のの平方根である重み係数を各ACFファクター毎に求
    める手段と、 求めたそれぞれの距離に、予め求めておいた対応する各
    ACFファクターの重み係数を乗算し、合計の距離を求
    める合計距離演算手段と、 求めた合計距離と、格納されているテンプレートの距離
    とを比較し、最も近いテンプレートの1つを選択する比
    較・選択手段と、を具えることを、 特徴とする騒音源の種類を特定する装置。
  5. 【請求項5】 環境騒音の音響信号を採取する音声採取
    ステップと、 この採取された音響信号を記録する音響信号記録ステッ
    プと、 この記録された音響信号から演算手段を用いて自己相関
    関数ACFを計算するACF演算ステップと、 この算出されたACFから前記演算手段を用いて、AC
    Fファクターである遅れ時間が0で表わされるエネルギ
    ーΦ(0)、有効継続遅延時間τ e 、ACFの第1ピークま
    での遅延時間τ 1 、正規化したACFの第1ピークの振
    幅φ 1 を求めるACFファクター演算ステップと、 この求めたACFファクターに基づき前記演算手段を用
    いて騒音源の種類を判定する判定ステップと、を含むこ
    とを特徴とする、騒音源の種類を特定するプログラムを
    記録したコンピュータ読み取り可能な媒体。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のプログラムを記録した
    コンピュータ読み取り可能な媒体において、 前記騒音源の種類を判定する判定ステップが、 これらの計算されたACFファクターである遅れ時間が
    0で表わされるエネルギーΦ(0)、有効継続遅延時間
    τ e 、ACFの第1ピークまでの遅延時間τ 1 、正規化し
    たACFの第1ピークの振幅φ 1 からその対数をそれぞ
    れ求め、求めた対数の各々と、予め作成してある騒音源
    の各ACFファクター毎の対応するテンプレートの対数
    との差の絶対値である距離をそれぞれ求めるステップ
    と、 予めACFファクターの各々の算術平均の標準偏差であ
    るS を、ACFファクターの全カテゴリーに対する標
    準偏差の算術平均であるS で除算し、この除算したも
    のの平方根である重み係数を各ACFファクター毎に求
    めるステップと、 求めたそれぞれの距離に、予め求めておいた対応する各
    ACFファクターの重み係数を乗算し、合計の距離を求
    める合計距離演算ステップと、 求めた合計距離と、格納されているテンプレートの距離
    とを比較し、最も近いテンプレートの1つを選択する比
    較・選択ステップと、を含むことを特徴とする、騒音源
    の種類を特定するプログラムを記録したコンピュータ読
    み取り可能な媒体。
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