JP3350109B2 - 磁気浮上モータ - Google Patents

磁気浮上モータ

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JP3350109B2
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哲男 大石
養二 岡田
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神鋼電機株式会社
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    • F16C32/0497Active magnetic bearings for rotary movement integrated in an electrodynamic machine, e.g. self-bearing motor generating torque and radial force
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  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は宇宙関連機器や高速回
転機器等に用いられる磁気浮上モータに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、宇宙関連機器や高速回転機などに
おいて、非接触で回転体を保持する磁気軸受が使用され
ている。しかし、高速モータ等に磁気軸受を適用して磁
気浮上モータを構成した場合、モータが発生する径方向
の吸引力も磁気軸受で支持しなければならないため、磁
気軸受が大型になり、コスト高になる問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上述した事
情に鑑みてなされたもので、その目的は、構造が小型で
あってしかも充分な浮上力を得ることができる磁気浮上
モータを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、内周面に形
成された各磁極に単極巻線が巻回された固定子と、永久
磁石によって構成され、前記固定子の内周面と空隙を隔
てて各々対抗するM個の磁極を有する回転子と、前記固
定子の内周面に沿ってM±2の磁数の回転磁界を発生さ
せる電流と、前記回転子の磁極数と同じ極数の回転磁界
を発生させて前記回転子を回転させる電流とを重畳して
前記固定子の巻線へ通電する制御手段と具備し、前記回
転子と前記固定子との磁極数の差に基づく磁気反発力お
よび磁気吸引力によって前記回転子に浮上力を発生する
ことを特徴とする磁気浮上モータを提供する。
【0005】
【作用】この発明によれば、固定子の内周面に沿ってM
±2の極数の回転磁界を発生させ、この回転磁界と回転
子の永久磁石との相互の磁気作用によって浮上力を得
る。この浮上力を得るための電流に重畳して回転子を回
転させるための電流を固定子に流し、これにより、回転
子を磁気的に浮上させ、かつ回転させる。
【0006】
【実施例】次に図面を参照してこの発明の実施例につい
て説明する。図1はこの発明の一実施例の構成を示す図
である。この図において、1は電磁鋼板などを積層した
固定子であり、この固定子1の内周面には円周等分12
箇所にスロット21,・・・,212が形成されている。
a,3-b,3b,・・・,3-l,3l,3-aは巻線であ
り、前記スロット21,・・・,212内に図2に図示す
る配置で収納されている。図2において、1〜12の番
号は12個の各スロットに付された下付きの番号を示
す。記号a〜lは巻線に付された下付きの記号を示し、
このとき同一の記号は同一の巻線を示す。負号「ー」は
巻終わりを示している。
【0007】41,・・・,412は固定子1に設けられ
た磁極である。磁極41には単極巻線として巻線3-a
aが巻回されている。巻線3-a,3aには、後述するコ
ンピュータによって制御された電流が供給される。同様
に42,・・・,412にも単極巻線として巻線3-b
b,・・・,3-l,3lが巻回されており、巻線3-b
b,・・・,3-l,3lには、後述するコンピュータに
よって各々が個別に制御された電流が供給される。
【0008】5は回転子であり、前記固定子1の内方に
配置されている。回転子5は、シャフト6に取り付けら
れた円筒状の鉄心7と、該鉄心7の外周面に図示する極
性で各々取り付けられた4個の永久磁石8a,8b,8
c,8dとから構成されている。上記永久磁石8a,8
b,8c,8dは固定子1の内周面と空隙を隔てて対向
する4極分の磁極を形成している。
【0009】このような構成において、固定子1の巻線
a,3-b,3b,・・・,3-l,3l,3-aを順次励磁
して、固定子1の内周面に沿って6極回転磁界を発生さ
せると、回転子5に連続した一定方向の変位力が与えら
れる。このとき、回転子5に働く変位力を常に上方向へ
設定することにより、回転子5は連続した浮上力を得る
ことができる。
【0010】次に、上述した回転子5に働く変位力を上
方向へ設定する原理について説明する。図3において、
円の外側には固定子1の内周面に沿って発生する回転磁
界の各磁極の位置が示され、円の内側には回転子5に設
けられた永久磁石8a,8b,8c,8dの各磁極の位
置が示される。上述した回転磁界の各磁極と永久磁石8
a,8b,8c,8dの各磁極とが図示するように矢印
の方向へ回転する。
【0011】この場合、回転する永久磁石8a,8b,
8c,8d、すなわち界磁磁界による磁束密度Brを、
【数1】 とすると(但し、ωは角速度、tは時間、θは機械
角)、固定子1の内周に沿って発生する回転磁界による
磁束密度Bsは、
【数2】 となる。
【0012】図3に示すように、ωt=0の状態ではS
極とN極の磁気吸引力と、N極とN極およびS極とS極
の磁気反発力により回転子5を上方向へ浮上させる力が
働く。また、ωtがπ/2,π,3π/2と変化しても
上述した磁気吸引力と磁気反発力との合成力は常に上方
向に働き、連続した浮上力を得ることができる。この場
合、固定子1と回転子5との間の空隙の磁束密度Bは、
界磁磁界による磁束密度Brと、回転磁界による磁束密
度Bsとを重畳したものと見なせるので、
【数3】 となる。そして、対抗する各磁極の断面積Sの間に磁束
密度Bが存在する場合に、双方の磁極の端面に働く吸引
力は磁束の方向と同一であり、その大きさは、
【数4】 となる(但し、μ0は透磁率)。今、磁束密度が均一で
なく、その方向も中心方向を向いているので、空隙に働
く吸引力は角度θの関数になり、その方向は中心方向に
なる。従って、断面積として微小断面積ΔSをとり、吸
引力の方向を各θ方向とすると、各θ方向に、
【数5】 の磁気吸引力が働く。
【0013】そこで、上下方向(θ=0)の分力をとっ
て全周の和をとれば浮上力Fが求められる。すなわち、
回転子5に対して働く吸引力は、放射状に固定子1へ向
かう各θ方向の吸引力であり、回転子全体を上方向(θ
=0方向)に浮上させる成分の力は、各θ方向成分の総
和をとれば求められる。従って、
【数6】 となる。(6)式から、ωtに無関係に一定の浮上力F
が得られることがわかる。当然のことながら、回転磁界
の強さBfを変えることによって、この浮上力Fの大き
さが自由に設定される。
【0014】次に、上述した回転子5に働く変位力の方
向を任意に設定する原理について説明する。まず、回転
磁界に位相差φを与え、(2)式を、
【数7】 とする。(7)式の位相差φを0,π/2,π,3π/
2と変化させると、変位力の方向が図4の矢印で示すよ
うに変化する。このように、位相差φを変化させること
によって回転子5に働く変位力の方向が任意に設定され
る。
【0015】上述したように、回転磁界の磁束密度Bf
とその位相差φとによって、変位力の大きさと方向とを
任意に制御することができる。したがって、固定子1に
対する回転子5の上下方向(Y軸方向)および左右方向
(X軸方向)の相対的な変位を各々検出し、検出された
該変位に基づいて磁束密度Bfと位相差φとを制御する
ことによって、回転子5を連続的に磁気浮上させること
ができる。
【0016】図5はこの発明の一実施例のシステム構成
を示すブロック図である。なお、図5において、図1に
示す各部に対応する部分については同一の符号を付して
説明を省略する。9,10は変位センサであり、シャフ
ト6の外周面と空隙を隔てて対抗するように設けられて
いる。変位センサ9,10は、シャフト6のX軸方向お
よびY軸方向の変位VX,VYを各々検出する。11は、
上記変位センサ9,10の出力信号VX,VYをアナログ
からデジタルに変換するA/D変換器である。12は、
上記A/D変換器の出力信号VX,VYに基づいて巻線3
a,3-b,3b,・・・,3-l,3l,3-aに供給すべき
電流値を演算し、巻線3a,3-b,3b,・・・,3-l
l,3-aに所定の電流が供給されるよう、制御信号を
出力するマイクロコンピュータである。巻線3a
-b,3b,・・・,3-l,3l,3-aに供給される電流
値は、
【数8】 で示される電流ifに、モータにトルクを発生させるた
めのトルク電流が重畳された値となるようコンピュータ
12で演算処理される。上記トルク電流は、例えば同期
電動機としてモータを回転させる場合、巻線3a
-b,3b,・・・,3-l,3l,3-aにより4極の回転
磁界が発生するように値が設定される。13は、上記マ
イクロコンピュータ12から出力された制御信号をデジ
タルからアナログに変換するD/A変換器である。14
は上記D/A変換器13の出力信号を増幅し、巻線
a,3-b,3b,・・・,3-l,3l,3-aに電流を供
給するパワーアンプである。
【0017】このような構成において、巻線3a
-b,3b,・・・,3-l,3l,3-aにパワーアンプ1
4から所定の電流が供給されると、固定子1の内周面に
沿って6極回転磁界と、モータトルクを発生させるため
の4極回転磁界とが生じる。これら回転磁界と回転子5
に設けられた永久磁石との相互の磁気作用によって浮上
力とモータの回転力とが得られる。これにより、回転子
5は、磁気的に浮上し、かつ回転するので、径方向に機
械的な支持機構を設ける必要がない。
【0018】なお、本発明の実施例ではモータを回転さ
せるための4極の回転磁界と回転子5を浮上させるため
の6極の回転磁界を示したが、モータを回転させるため
の回転磁界を4極、回転子5を浮上させるための回転磁
界を2極にしても良い。
【0019】また、浮上力を発生させる回転磁界の極数
がM±2である条件を満たしていれば、回転子5の極数
を4以外の極数にしても良い。
【0020】また、同期電動機としてモータを回転させ
る場合を説明したが、サーボモータとしてモータを回転
させる場合、回転子位置の検出器(ロータリエンコーダ
等)を設けてその信号により、回転子5の位置に応じた
トルク電流を設定するようにしても良い。
【0021】
【発明の効果】以上、説明したように、この発明によれ
ば、内周面に形成された各磁極に単極巻線が巻回された
固定子と、永久磁石によって構成され、前記固定子の内
周面と空隙を隔てて各々対抗するM個の磁極を有する回
転子と、前記固定子の内周面に沿ってM±2の極数の回
転磁界を発生させる電流と前記回転子を回転させる電流
とを、前記固定子の巻線へ通電する制御手段とが設けら
れたので、構造が小型であってしかも充分な浮上力を得
ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示す正面図である。
【図2】巻線3a,3-b,3b,・・・,3-l,3l,3
-aの配置を示す図である。
【図3】ωt=0,π/2,π,3π/2の場合の固定
子1と回転子5との各磁極の位置関係を示す図である。
【図4】ωt=0,π/2,π,3π/2の場合の回転
子5に働く変位力を示す図である。
【図5】本発明の一実施例のシステム構成を示すブロッ
ク図である。
【符号の説明】
1 固定子 21,・・・,212 スロット 3a,3-b,3b,・・・,3-l,3l,3-a 巻線 41,・・・,412 磁極 5 回転子 6 シャフト 7 鉄心 8a,8b,8c,8d 永久磁石 9,10 変位センサ 11 A/D変換器 12 マイクロコンピュータ 13 D/A変換器 14 パワーアンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−236188(JP,A) 特開 平3−22845(JP,A) 特開 平4−160222(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面に形成された各磁極に単極巻線が
    巻回された固定子と、 永久磁石によって構成され、前記固定子の内周面と空隙
    を隔てて各々対抗するM個の磁極を有する回転子と、 前記固定子の内周面に沿ってM±2の極数の回転磁界を
    発生させて前記回転子を浮上させる電流と、前記回転子
    の磁極数と同じ極数の回転磁界を発生させて前記回転子
    を回転させる電流とを重畳して前記固定子の巻線へ通電
    する制御手段とを具備し、前記回転子と前記固定子との
    磁極数の差に基づく磁気反発力および磁気吸引力によっ
    て前記回転子に浮上力を発生することを特徴とする磁気
    浮上モータ。
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