JP3349944B2 - チャンバー内の堆積物のモニター方法 - Google Patents

チャンバー内の堆積物のモニター方法

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JP3349944B2
JP3349944B2 JP05680998A JP5680998A JP3349944B2 JP 3349944 B2 JP3349944 B2 JP 3349944B2 JP 05680998 A JP05680998 A JP 05680998A JP 5680998 A JP5680998 A JP 5680998A JP 3349944 B2 JP3349944 B2 JP 3349944B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマを利用し
てエッチング,CVD等の加工を行うプラズマ加工装置
内の堆積物のモニター方法,プラズマ加工方法およびド
ライクリーニング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体装置の微細化に伴い設備投
資が増大するという問題が顕著化している。設備投資し
た費用の回収を含め、効率的に利益を上げるには、製造
プロセスに要するコストの低減と製造プロセスにおける
歩留まりの向上とが必要不可欠である。特に、半導体装
置の製造プロセスにおいては、個々のプロセス自体の複
雑化と製造装置の複雑化とが進み、そのプロセスの管理
方法及びプロセスの制御方法の改良が大きな課題となっ
ている。ここで、例えば半導体装置の製造プロセスで導
電膜や絶縁膜のパターニングに利用されるドライエッチ
ングにおけるプロセスの管理方法やプロセスの制御方法
としては、以下のような技術が用いられている。
【0003】ドライエッチングの場合、プロセスの管理
方法としてドライエッチング装置の定期的メンテナンス
はウエハの処理枚数(ロット数)を基準として行なわれ
ている。つまり、量産プロセスでは、チャンバー内のパ
ーティクルの数が処理枚数とともに増大することを考慮
して、必要なエッチング性能を満足するために経験的に
設定された処理枚数に達するとドライエッチング装置の
定期メンテナンスを行なっている。また、プラズマCV
D等の他のプラズマを利用した加工においても、同様の
プロセス制御やプロセス管理が行なわれている。
【0004】また、ドライエッチングの場合、例えば半
導体デバイス内のある膜を除去するような時に当該膜の
除去が完了すると、被加工物質がなくなることでプラズ
マ中の特定粒子の発光強度が変化するので、この変化量
がある一定値以上になったときをドライエッチングの終
了時期と判断する制御を行なっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のドライエッチングプロセスの制御方法では、下記の
問題がある。
【0006】ある特定の粒子からの発光線をモニターし
ても、それがチャンバー内全体の状態を代表しているわ
けではない。例えば、処理枚数(処理ロット数)の増大
に伴うチャンバーの内壁面の状態の経時変化が生じる
が、プラズマパラメータも変動する。そして、プラズマ
パラメータが変動することで、エッチング特性の変動が
生じ、現実の状態に適合したプロセスの制御が行われな
くなると、工程上の歩留まりが低下する。例えば、ドラ
イエッチングにおいて、チャンバーの内壁面に付着する
堆積物の状態が変化するとプラズマ中の特定の活性種の
濃度(密度)が変化し、エッチングレートが変動した
り、エッチング選択比が低下する。このようなエッチン
グ特性の劣化のため、突発的な加工不良などが発生して
いた。
【0007】また、上記従来のドライエッチングの管理
方法については、下記の問題がある。
【0008】上記従来の定期メンテナンスを行うか否か
の判断は、理論的な裏付けによるものではなく、ウェハ
の処理枚数という経験的なパラメータによっているため
に、正確に所期の目的を達成することが困難であった。
例えば、しばしば不必要なメンテナンスを行うことがあ
る。また、パーティクル数のチェックやエッチング速度
のチェック等のために、モニター用ウエハについてドラ
イエッチングを行い、各種チェックを行っているが、そ
の処理時間などにより装置の稼働率が低下することにな
る。
【0009】上述のような問題は、ドライエッチングだ
けでなく、プラズマCVD等、プラズマを利用した加工
や、プラズマを利用しないCVDやスパッタリング等の
チャンバーの内壁面に堆積物を生ぜしめる加工全般に当
てはまるものである。
【0010】また、プラズマ加工によってチャンバーの
内壁面に付着した堆積物を除去するためにクリーニング
ガスをチャンバー内に流すドライクリーニングを行う際
にも、従来は経験に基づいたクリーニング時間設定がな
されており、必ずしも最適な時間設定ではなかった。そ
のため、ドライクリーニングを行ったにもかかわらず、
クリーニング後において、パーティクル数カウントが規
格内にならず、再度クリーニングを行うなど、効率が低
く、装置稼働率の低下の一因となっている。
【0011】さらに、ドライエッチングの終点の検出
は、一般的には観測用の窓を通して行なわれるが、この
観測用窓の内面に付着した堆積物によって観測光の強度
が低下するので、正確な判定を行なうことができないと
言う問題もあった。
【0012】本発明の第1の目的は、チャンバーの内壁
面に堆積物を生ぜしめるような加工に使用されるチャン
バーに対し、チャンバー内を開放することなくチャンバ
ーの内壁面に付着する堆積物の状態をモニターする手段
を講ずることにある。
【0013】本発明の第2の目的は、プラズマ状態を観
察しながらドライエッチングを行なう場合に、観察用窓
に付着した堆積物によるドライエッチングの終了時期の
誤判断を回避する手段を講ずることにある。
【0014】本発明の第3の目的は、チャンバー内を開
放することなくチャンバーの内壁面に付着する堆積物を
除去するドライクリーニングを行なうに際し、クリーニ
ング時間の最適化と高効率のメンテナンスとを実現する
ことにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のチャンバー内の
堆積物のモニター方法は、チャンバーの一部に、外方に
突出し先端部が閉鎖された筒状観測部を設け、上記筒状
観測部の側部の相対向する2か所に、光,X線,電子線
を含む電磁波のうち少なくともいずれか1つの電磁波の
透過が可能な第1,第2の電磁波用窓を形成しておき、
上記チャンバーの外部から上記第1の電磁波用窓を介し
て電磁波をチャンバー内に入射させ、上記筒状観測部の
先端部の内面上の堆積物を通過して反射される電磁波を
上記第2の電磁波用窓を介して上記チャンバー外に取り
出し、取り出された上記電磁波の上記堆積物による吸収
を検知することにより、上記堆積物の状態をモニターす
方法である。
【0016】チャンバーの内壁面に付着した堆積物を構
成する物質内には、その物質特有の原子間結合が存在す
る。そして、その結合状態は結合にあずかる電子のエネ
ルギー状態で代表される。この電子のエネルギー状態
は、振動、伸縮、変角モードなどと表現される。量子力
学的制約によりその電子状態は不連続的なエネルギー値
しか有し得ないが、各々のエネルギーレベルがそれぞれ
非常に近接しているため、大半の電子状態は一つのバン
ドとみなしうるエネルギーバンドを形成する。そして、
電磁波が堆積物を構成する化合物に入射されると、当該
化合物内の各原子間の結合エネルギー状態を規定するバ
ンドギャップに相当するフォトンが吸収される。例え
ば、堆積物内にC原子とBr原子との結合が存在する場
合、1450〜1400cm-1のエネルギーバンド間ギ
ャップがあり、その領域のフォトンが吸収されて高エネ
ルギー状態にシフトすることになる。したがって、入射
した電磁波のスペクトルと、堆積物を通過した後の電磁
波のスペクトルを比較すると、スペクトルのある範囲に
吸収が観測される。したがって、この電磁波の吸収に関
する情報を検出することで、チャンバーの内壁面に付着
した堆積物の結合状態及びその総量(膜厚)の時間変化
に関する情報が得られることになる。
【0017】すなわち、チャンバーの内壁面に付着した
堆積物の厚み等をモニターすることにより、プラズマ加
工を行なう際などに、チャンバー内でパーティクルが発
生することに起因するトラブルや、加工条件のバラツキ
や稼働率の低下等を防止するための手段を適切なタイミ
ングで講ずることができる。
【0018】そして、チャンバー内のプラズマ発生領域
を通過していない電磁波を利用して、堆積物に関する情
報が得られる。したがって、プラズマから発生する光等
の影響を受けることなく堆積物の厚み等の検出を行なう
ことができ、使用し得る電磁波の種類についての制限が
緩和され、かつ検出精度も向上する。
【0019】記電磁波用窓の外面側から入射した電磁
波を上記電磁波用窓の内面で全反射させ、その時に上記
電磁波用窓の内面上の上記堆積物にしみだして上記堆積
物による吸収を受けた電磁波を用いて行なうことによ
り、堆積物を検知するための電磁波用窓に特別の工夫を
要することなく、堆積物の状態をモニターできる。一般
的に、第1の媒質を進む電磁波が第2の媒質との境界面
で全反射される際、電磁波の一部はエバネッセント波と
なって第2の媒質にしみ出した後、第1の媒質の側に反
射されることが知られている。したがって、電磁波用窓
の内面上の堆積物にしみ出したエバネッセント波が堆積
物との相互作用によって受ける吸収に関する情報を検出
することで、堆積物の種類や堆積厚み等を知ることがで
きる。
【0020】上記堆積物は、炭素及び珪素のうち少なく
ともいずれか1つとハロゲン元素との重合物であり、上
記電磁波は赤外線であって、上記堆積物内を通過した赤
外線の吸収スペクトルを検出することにより、上記堆積
物の状態をモニターすることにより、入射される赤外線
のスペクトルと堆積物を経た赤外線の吸収スペクトルと
が比較され、得られた堆積物による吸収スペクトルの比
較結果に基づいて堆積物の厚み等が観測される。一方、
半導体装置の製造工程で多く行われるシリコン酸化膜,
ポリシリコン膜等のエッチング,CVD等で生じる堆積
物は、炭素及び珪素のうち少なくともいずれか1つとハ
ロゲン元素との重合物であることが知られている。そし
て、この堆積物のエネルギーバンド間のエネルギギャッ
プ値に相当する電磁波の波長は赤外線領域である。した
がって、最も簡便に使用できる赤外線を利用して、プラ
ズマ加工によって生じた堆積物の状態を正確にモニター
することが可能となる。
【0021】記赤外線の吸収スペクトルのうち波数2
000cm-1以下の吸収スペクトルを検出することが好
ましい。
【0022】記堆積物は、シリコンで構成される被加
工物をプラズマ加工する際に生じるものであり、上記赤
外線の吸収スペクトルのうち波数1450〜1400c
m-1の範囲の吸収スペクトルを検出することが好まし
い。
【0023】これらの方法により、シリコン単結晶やポ
リシリコン膜等のプラズマ加工で生じる堆積物のエネル
ギーバンド間のエネルギギャップ値に相当する波数領域
の赤外線のみを検出して、極めて迅速かつ正確にプラズ
マ加工工程における堆積物の状態を把握することが可能
になる。
【0024】記堆積物は、酸化シリコンで構成される
被加工物の加工の際に生じるものであり、上記赤外線の
吸収スペクトルのうち波数1300〜800cm-1の範
囲の吸収スペクトルを検出することにより、シリコン酸
化膜のプラズマ加工で生じる堆積物のエネルギーバンド
間のエネルギギャップ値に相当する波数領域の赤外線の
みを検出して、極めて迅速にプラズマ加工工程における
堆積物の状態を把握することが可能になる。
【0025】記チャンバーは、ドライエッチング,プ
ラズマCVD,プラズマアッシング,プラズマ酸化,不
純物ドーピング及びプラズマアシステッドエピタキシー
のうち少なくとも1つを行なうように構成されている
とにより、半導体装置の製造工程で行われるプラズマを
利用した各種の加工に対して、上述の作用が得られるこ
とになる。
【0026】記堆積物を経た電磁波の総量を検出する
ことにより上記堆積物の状態をモニターすることによ
り、電磁波の総量を比較することで、迅速かつ正確に堆
積物の厚みをモニターすることが可能となる。
【0027】記チャンバーは、プラズマ加工を行なう
ように構成されており、上記堆積物の状態のモニター
を、チャンバー内のプラズマからの発光強度の変化を検
出して、プラズマ加工の開始時における発光強度の初期
値が一定値になるように発光強度の検出感度を校正した
後、この校正された発光強度の変化からプラズマ加工の
プロセスを制御する際に、発光強度の検出感度を校正す
るために行なうことができる。
【0028】記プラズマ加工のプロセスの制御は、ド
ライエッチングを終了すべき点を判断する制御であって
もよい。
【0029】これらの方法により、チャンバー内の堆積
物の状態をモニターしながら、堆積物に関する正確な情
報に基づいてプラズマ加工のプロセス制御が行なわれ
る。したがって、ドライエッチングの終了時期等につい
て、より信頼度の高いプラズマ加工のプロセス制御を行
なうことができる。
【0030】記堆積物の状態のモニターを、チャンバ
ーのメンテナンス時期を判断するために行なうことによ
り、モニターウェハを設置してパーティクル数をカウン
トすることによる手間の繁雑さを招くこともなく、ウェ
ハの処理枚数でメンテナンス時期を経験的に判断するこ
とによる誤差を招くことなく、メンテナンス時期を正確
に判断することができる。そして、そのことにより、メ
ンテナンス周期を延ばすことができ、チャンバーの稼働
率を向上させることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態) まず、第1の実施形態について説明する。図1は、第1
の実施形態に係るドライエッチング装置の構成を示す縦
断面図である。図1において、各符号は各々以下の要素
を示す。1は縦型円筒状のチャンバー、2は被加工物で
あるポリシリコン膜が堆積されたLSI用半導体ウエハ
等の試料、3は高周波電源(例えば13.56MHz工
業用電源)、4はカップリングコンデンサ、5は試料取
付部としても機能するカソード電極、6はアノード電
極、7はチャンバー1の側部の相対向する2か所に設け
られたモニター用の石英板からなる窓、8は赤外線を発
生するモニター用の光源、9は光源8からの赤外線を伝
達するための光学系を示す。上記チャンバー1により囲
まれた閉空間が反応室Rreである。また、10は反応室
Rre内に形成されるプラズマ発生領域、11はエッチン
グ副生成物が窓7の内壁面に堆積して形成される堆積
物、12は光学系8を介してチャンバー1内に入射され
る入射赤外線、13は入射赤外線12が堆積物11を通
過した後チャンバー1から出射される通過赤外線、14
は通過赤外線13の強度やスペクトルを検知するための
検出器を示す。同図に示すように、赤外線は、一方の窓
7からチャンバー1内に入り、堆積物を通過した後他方
の窓7からチャンバー1外に出て検出器14に到達する
伝達経路を進む設計になっており、上記光学系9が伝達
経路調整手段として機能する。また、光源8は電磁波発
生手段として機能し、検出器は電磁波検出手段として機
能し、高周波電源3,カップリングコンデンサ4及び各
電極5,6によりプラズマ発生手段が構成されている。
【0032】次に、ドライエッチング方法及び堆積物の
膜厚等の観測方法について説明する。まず、エッチング
ガスであるHBrガス,Cl2 ガスをチャンバー1内に
導入し、圧力100mTorr で放電させることで、チャ
ンバー1内にプラズマ発生領域10が形成される。この
時に印加する電力は200Wである。これによりプラズ
マ発生領域10が形成され、エッチング剤として機能す
る活性種が試料2のポリシリコン膜に入射される。この
活性種と試料2の表面にある物質とが反応してできたエ
ッチング副生成物、すなわち堆積物11は主にSiとB
rとの化合物であって、これらの一部はチャンバー1か
ら排気されるが、他の部分はチャンバー1の内壁面に付
着する。したがって、モニター用の窓7にも付着する。
まだエッチングを行っていない初期の状態には、入射赤
外線12は強度が減衰することなく窓7を通過するの
で、検出器14で検知される通過赤外線13のスペクト
ルは、入射赤外線12のスペクトルとほとんど変わらな
い。
【0033】一方、エッチングを行った回数つまりウェ
ハの処理枚数の増加に伴い、窓7に付着する堆積物11
の膜厚は増大する。その結果、入射赤外線12が窓7を
通過する際に、そのスペクトルに変化が生じる。すなわ
ち、堆積物11中に存在するSiとBrとの化合物のS
i−Br結合等へのフォトンのエネルギー伝達が起こ
り、対応する領域で入射赤外線12の強度が低下するの
で、観測されるスペクトルの特性が入射赤外線のスペク
トルとは変化する。その特性を図2(a)、(b)に示
す。図2(a)はチャンバー1内でエッチングを開始す
る前の通過赤外線13の初期吸収スペクトル、図2
(b)はウェハを1000枚処理した後の通過赤外線1
3の吸収スペクトルを示す。図2(b)に示されるよう
に、波数1450〜1400cm-1の範囲に光の吸収が
みられる。
【0034】また、図3(a)は、チャンバー1内のパ
ーティクルのカウント数の変化を示す。パーティクルの
カウント数はレーザー光の散乱を利用してサイズが0.
3ミクロン以上のものについて計測されている。また、
図3(b)は、ポリシリコン膜のエッチング速度の平均
値とそのばらつきを示す。図3(b)において、黒丸は
エッチング速度の平均値を、エラーバーはそのばらつき
をそれぞれ示す。測定はウエハ面内の9点に対して行っ
ている。図3(b)に示されるように、ウエハ処理枚数
の増加に伴いパーティクルカウント数が増加し、エッチ
ング速度のばらつきが増大している。約1000枚処理
後には、パーティクルカウント数は許容される30個の
規格値を超え、また、エッチング速度のばらつきも、約
1000枚処理後に±5%の規格を超えている。この
時、堆積物による赤外線の総吸収量は約2倍近くなって
いる。
【0035】その後、パーティクルカウント数が規格外
になる状態が続き、吸収量が初期値の2倍を超えたとこ
ろ(約1300枚)で、メンテナンスを行なった。その
結果、図3(a)、(b)に示すように、パーティクル
カウント数は約10個程度に減少し、エッチング速度の
ばらつきも±3%以内まで回復した、また、観測される
吸収スペクトルの特性も初期の状態(図2(a)に示す
程度)に回復し、したがって、総吸収量も初期の値に回
復した。さらに、それ以降、総吸収量が初期の2倍のと
ころでメンテナンスを行なっていった結果、パーティク
ルカウント数は図3(a)に示す推移のうち1000枚
までの推移を繰り返し、つねに規格内に収まった。ま
た、エッチング特性の一例を示すエッチング速度のばら
つきも±5%以内に治まり、装置の稼働率を最大限に向
上することができた。
【0036】以上のように、ドライエッチング中におけ
る窓7への堆積物11を赤外線を用いてモニターするこ
とで、一定のエッチング特性を維持・管理することがで
き、稼働率や工程歩留まりの向上を図ることができる。
【0037】(第2の実施形態) 次に、第2の実施形態について説明する。図4は、第2
の実施形態に係るドライエッチング装置の構成を示す縦
断面図である。図4において、図1と同じ符号は同じ要
素等を示す。22は例えば被加工物であるシリコン酸化
膜が堆積されたLSI用半導体ウエハ等の試料を示す。
また、31はエッチング副生成物による堆積物を示す。
同図に示すように、本実施形態のドライエッチング装置
は、基本的に第1の実施形態に係るドライエッチング装
置と同じ構成となっている。
【0038】以下、本実施形態におけるドライエッチン
グ方法について説明する。まず、チャンバー1内にエッ
チングガスであるCF4 ガス、CHF3 ガス、Arガス
の混合ガスを導入し、圧力60mTorr の下で放電させ
る。この時の印加する電力は400Wである。これによ
りプラズマ発生領域10が形成され、エッチング剤とし
て機能する活性種が試料22のシリコン酸化膜に入射す
る。反応してできたエッチング生成物は主にSiとCの
化合物であり、これらの一部はチャンバー1から排気さ
れるが、他の部分はチャンバー1の内壁面に付着し、モ
ニター用の窓7にも堆積物31として付着している。初
期の状態(処理を行なわない状態)では、通過赤外線1
3は、窓7を通過してもほとんど強度が減衰していない
ので、その吸収スペクトル特性は、入射する入射赤外線
12のスペクトルの特性とほぼ同様である。
【0039】しかし、処理枚数の増加に伴い、窓7に付
着する堆積物31の膜厚が増加する結果、入射赤外線1
2が窓7を通過する際に、そのスペクトルの特性に変化
が生じる。すなわち、堆積物31中に存在するSiとC
との化合物のSiーC結合、あるいはCとFとの化合物
中のC−F結合へのエネルギー伝達が起こり、対応する
領域で赤外線の強度が低下するので、観測される通過赤
外線33のスペクトルの特性が変化する。その特性を図
5(a)、(b)に示す。図5(a)は反応室Rre内で
エッチングを開始する前の通過赤外線33の初期吸収ス
ペクトル、図5(b)は1000枚処理した後の通過赤
外線33の吸収スペクトルを示す。図5(b)に示され
るように、波数1300〜800cm-1の範囲に光の吸
収がみられる。
【0040】したがって、第1の実施形態と同様の方法
で、パーティクルカウント数とエッチング速度の変動を
計測し、その後、入射赤外線の総吸収量が初期値の約2
倍になったところで(約1500枚)メンテナンスを行
うことにより、パーティクルカウント数を規格(50
個)以上の値から22個程度にまで低減させることがで
きる。また、シリコン酸化膜のエッチングにおいて重要
なエッチング特性であるSiO2 とSiの選択比のバラ
ツキも、規格外の12%から、規格内である±10%以
内(実際は±7%)まで回復させることができる。ま
た、赤外線の総吸収量も、初期の状態(図5(a))に
回復させることができる。さらに、それ以降、赤外線の
総吸収量が初期量の2倍に到達した時点でメンテナンス
を行うことにより、パーティクルカウント数は規格内に
収まり、エッチング特性の一例であるSiO2 とSiの
選択比のバラツキも±10%以内に収まる。したがっ
て、一定のエッチング特性を維持・管理することがで
き、稼働率や工程歩留まりの向上を図ることができる。
【0041】(第3の実施形態) 次に、第3の実施形態について説明する。図6は、第3
の実施形態に係るドライエッチング装置の構成を示す縦
断面図である。図6において、図1と同じ符号は同じ要
素を示す。本実施形態の特徴として、チャンバー1に
は、チャンバー1を構成する大円筒状のケーシングから
突出した底付き小円筒状の観測部50が設けられてい
る。この小円筒状の観測部50の先端部には着脱可能な
石英板43が配設されており、観測部50の相対峙する
円筒部の2か所には赤外線が通過可能な材料で構成され
た窓40,40が設けられている。なお、41はエッチ
ング副生成物による堆積物、42は堆積物41を通過し
た通過赤外線、44は赤外線の検出系及び解析システ
ム、48は赤外線光源及び光学系を示す。そして、光学
系48により供給される入射赤外線12が一方の窓40
から入射し、堆積物41と相互作用を行った後反射さ
れ、他方の窓40を介してチャンバー1外に出た通過赤
外線42が赤外線の検出系及び解析システム44に到達
する。つまり、赤外線がプラズマ発生領域10を通過し
ない構成になっている。
【0042】本実施形態では、第1の実施形態で述べた
ものと同じプロセスによりエッチングを行うと、エッチ
ングによって生成されるSiBrx などの堆積物成分
は、プラズマ発生領域10から周辺へと拡散してゆき、
石英板43まで到達する。そして、上記各実施形態と同
様に、堆積物41を経た通過赤外線42の吸収スペクト
ルを観測すると、本実施形態では、赤外線とプラズマと
の相互作用がないため、赤外線の吸収スペクトルを検出
する際の感度が向上している。本実施形態では、被エッ
チング物が上記第2の実施形態と同様にシリコン酸化膜
であるため、基本的に図5(a),(b)と同様の初期
吸収スペクトル特性及び使用後の吸収スペクトル特性が
得られるが、図5(a),(b)に示す吸収スペクトル
における信号とノイズとのS/N比は、約2倍に向上す
る。また、図6に示すように、赤外線の観測系が空間的
にチャンバー本体と干渉しないため、これまで赤外線光
路の調整に要していた時間も、約1/3に低減できる。
さらに、反応室内環境を赤外線の吸収特性から観察する
ことで、一定のエッチング特性の維持・管理と稼働率や
工程歩留まりの向上を図ることができる。
【0043】(第4の実施形態) 次に、チャンバークリーニングに係る第4の実施形態に
ついて説明する。本実施形態では、図6に示すエッチン
グ装置において、チャンバー1の内壁面に付着した堆積
物を以下の方法により除去する。
【0044】上記第1の実施形態に示す手順でエッチン
グを行うようにしたプロセスにおいて、1000枚処理
後の状態で、反応室内壁面をドライクリーニングした。
使用したエッチングガスはNF3 ガスであり、チャンバ
ー1内の圧力は200mTorr 、印加電力は200Wで
ある。この印加電圧によって生じる放電において、14
00cm-1での赤外線の吸収強度の時間変化をモニタリ
ングした。図7は、その変化特性を示す。同図に示すよ
うに、処理時間すなわちクリーニング時間の経過ととも
に、赤外線の吸収強度は減少していく。すなわち、堆積
物の総量が減少することが分かる。そして、クリーニン
グの開始後、約160sec後には、相対的な吸収強度
が1/4まで低下している。そして、240時間のクリ
ーニングを行なった後モニターウェハのパーティクルカ
ウント数を計測した結果、パーティクルカウント数は、
規格(30個)以上の値から11個程度まで減少し、堆
積物が除去されていることが確認できた。そこで、赤外
線の吸収量が一定値以下になったときにクリーニングが
終了したと判断する。この方法により、堆積物の除去が
正確にでき、的確なクリーニング方法の実施とクリーニ
ング時間の最適化とを図ることができる。
【0045】(第5の実施形態) 次に、第5の実施形態について説明する。本実施形態で
は、窓7から赤外線を入射し、赤外線のチャンバー1の
内壁面に付着する堆積物31により反射される赤外線の
吸収スペクトルを検出するようにしている。すなわち、
図8に示すように、3か所の堆積物31を経た通過赤外
線33の吸収スペクトルを検出器14で検知するように
している。本実施形態においても、上記各実施形態と同
様に、チャンバー内の環境に関する情報が得られ、良好
なエッチング特性、メンテナンス周期の最適化、装置の
稼働率向上を図ることができる。特に、本実施形態で
は、2つの窓とチャンバー1の本体の内壁面との3か所
における堆積物を経た赤外線の吸収を検知するので、検
知精度が向上する。加えて、チャンバー1の内壁面の任
意の箇所における堆積物をモニターすることが可能にな
るので、チャンバー1内の環境をより確実に把握し得る
利点もある。
【0046】(第6の実施形態) 次に、第6の実施形態について、図10(a),
(b)、図11及び図12を参照しながら説明する。
【0047】図10(a),(b)は、本実施形態に係
るドライエッチング装置の横断面図及び縦断面図であ
る。図10(a),(b)に示すように、本実施形態に
係るドライエッチング装置の構成は、上記第3の実施形
態に係る図6(a),(b)に示すドライエッチング装
置とほぼ同じであり、堆積物をモニターする部分の構造
のみが異なる。本実施形態では、チャンバー1の側壁の
1か所のみに1つの石英板からなる窓40が設けられて
おり、赤外線光源及び光学系48により、赤外線を窓4
0に入射させて窓40の内面で全反射させた後、赤外線
の検出系及び解析システム44に入射させるように構成
されている。この構造においても、赤外線がプラズマ発
生領域10を通過することはない。
【0048】本実施形態において、ドライエッチングを
行なう条件は上記第2の実施形態と同じである。チャン
バー1内にエッチングガスであるCF4 ガス、CHF3
ガス、Arガスの混合ガスを導入し、圧力60mTorr
の下で放電させる。この時の印加する電力は400Wで
ある。これによりプラズマ発生領域10が形成され、エ
ッチング剤として機能する活性種が試料22のシリコン
酸化膜に入射する。反応してできたエッチング生成物は
主にSiとCの化合物であり、これらの一部はチャンバ
ー1から排気されるが、他の部分はチャンバー1の内壁
面に付着し、モニター用の窓40の内面上にも堆積物4
1として付着している。
【0049】図11は、赤外線の伝達経路の詳細を示す
横断面図である。入射赤外線12が窓40の外面側から
窓40内に入った後、窓40の内面で全反射される。こ
のように、第1媒質を進行する電磁波が第2媒質との境
界面で全反射される際に、エバネッセント波が第2媒質
側にしみだすことは、基本的な光等の電磁波の性質とし
て知られている。すなわち、入射赤外線12中のエバネ
ッセント波12aは堆積物41内にしみだして堆積物4
1による吸収を受けた後、全反射される。したがって、
通過赤外線61は、堆積物41の膜厚に応じた吸収を受
けており、この赤外線の吸収スペクトルの波長や、吸収
量は第1の実施形態と同様の方法で検出することができ
る。すなわち、図2(a),(b)に示すような初期吸
収スペクトルとウエハを何枚か処理した後の吸収スペク
トル、特に通過赤外線61のうち波数1400-1におけ
る赤外線の吸収量を検出することにより、堆積物41の
種類や膜厚を検知することができる。
【0050】図12は、ウエハの処理枚数に対する通過
赤外線61の強度(相対値)の変化を示し、ウエハの処
理枚数が増大するにつれて通過赤外線61の強度が減小
し、堆積物41の膜厚が増大していることが示されてい
る。なお、この相対強度の検出は、図9(a),(b)
と同じ条件で行なわれている。
【0051】したがって、本実施形態では、第1媒質を
進行する電磁波が第2媒質との境界面で全反射される際
に、エバネッセント波が第2媒質側にしみだすという現
象に着目することにより、モニター用窓40を1枚のみ
で済ませることができ、かつ窓40の構造も極めて簡素
なものとすることができる。しかも、赤外線がプラズマ
発生領域10を通過することはないので、検出精度も極
めて高い。
【0052】(第7の実施形態) 次に、第7の実施形態について、図13(a),(b)
及び図14を参照しながら説明する。
【0053】図13(a),(b)は、本実施形態に係
るドライエッチング装置の横断面図及び縦断面図であ
る。図13(a),(b)において、各符号は各々以下
の要素を示す。1は縦型円筒状のチャンバー、22は被
加工物であるポリシリコン膜が堆積されたLSI用半導
体ウエハ等の試料、3は高周波電源(例えば13.56
MHz工業用電源)、4はカップリングコンデンサ、5
は試料取付部としても機能するカソード電極、6はアノ
ード電極を示す。上記チャンバー1により囲まれた閉空
間が反応室Rreである。また、10は反応室Rre内に形
成されるプラズマ発生領域である。高周波電源3,カッ
プリングコンデンサ4及び各電極5,6によりプラズマ
発生手段が構成されている。
【0054】ここで、本実施形態の特徴として、チャン
バー1内のプラズマを観察するための窓40と、窓40
を介してチャンバー1内のプラズマ発生領域10の発光
強度を検出する発光強度検出器70(フォトマル)と、
発光強度検出器70の出力を受けてドライエッチングの
プロセスを制御するためのコントローラ71とをさらに
備えている。さらに、41はエッチング副生成物が窓4
0の内壁面に堆積して形成される堆積物である。
【0055】本実施形態においても、上記第1の実施形
態と同じ条件でドライエッチングが行なわれる。すなわ
ち、チャンバー1内にエッチングガスであるCF4 ガ
ス、CHF3 ガス、Arガスの混合ガスを導入し、圧力
60mTorr の下で放電させる。この時の印加する電力
は400Wである。これによりプラズマ発生領域10が
形成され、エッチング剤として機能する活性種が試料2
2のシリコン酸化膜に入射する。反応してできたエッチ
ング生成物は主にSiとCの化合物であり、これらの一
部はチャンバー1から排気されるが、他の部分はチャン
バー1の内壁面に付着し、窓40の内面上にも堆積物4
1として付着している。
【0056】ここで、本実施形態では、コントローラ7
1により、発光強度検出器70で検出されるプラズマ発
光強度の変化に応じてドライエッチングの終了時期が判
断される。その点について、詳細に説明する。
【0057】図14は、ドライエッチングの終点検出方
法を示す図であり、縦軸はCO分子による波長483.
5nmの発光強度の変化を示している。半導体デバイス
中のシリコン酸化膜等の一部をCF4 ガスを用いてドラ
イエッチングにより除去する際、SiF4 ,CO2 ,C
O等の粒子のプラズマが生じる。そして、シリコン酸化
膜の除去が終了すると、これらの粒子の数が激減するは
ずであるが、下地がシリコンの場合にはSiF4 はシリ
コン酸化膜の除去が終了した後も発生し続ける。そこ
で、CO2 ,CO等による発光強度に着目すれば、シリ
コン酸化膜の除去が終了した時期を判断できる。
【0058】このように、ドライエッチングによって発
生する特定の粒子(本実施形態ではCO粒子)のプラズ
マの発光強度が急激に減小することを利用してドライエ
ッチングの終了時期を判断することができる。例えば、
クリーニング直後のチャンバー内でドライエッチングを
行なう場合、図14中の変化曲線Aoに示すように、ウ
ェハのドライエッチングを開始する前における相対的な
発光強度の初期値を「1」とする。ドライエッチングが
進行して時刻toで急激に発光強度の相対値が落ち込む
と、そのときをドライエッチングの終了時期と判断す
る。しかし、多くのウェハを処理した状態では、同図の
曲線An′に示すように、窓40の内面上の堆積物41
の厚みが増大するので、堆積物による光の吸収のため
に、検出される発光強度は、クリーニング直後に比べる
とドライエッチングを開始する前においてもドライエッ
チング終了後においても低下する。
【0059】そこで、本実施形態では、ドライエッチン
グを開始する前における発光強度の初期値が常に「1」
となるように自動的に検出感度を校正する(オートゲイ
ン調整)ようにしている。つまり、図14中の曲線An
に示すように、n枚のウエハを処理した後、ドライエッ
チングを行なう際には、相対的な発光強度の初期値を
「1」とするオートゲイン調整を行ない、相対的な発光
強度があるレベル(例えば0.6)以下になったとき
(図14に示す時刻tn)がドライエッチングの終了時
期であると判断するようにしている。このように、オー
トゲイン調整を行なうことで、相対的な発光強度が一定
値(例えば0.6)以下になったときにドライエッチン
グが終了したと判断できるので、プロセス制御は非常に
簡素になる。そして、チャンバー内のパーティクルの発
生状態を検知するためにモニターウェハを設置する手間
と工程の中断とを回避でき、単に処理したウェハの枚数
だけで判断する場合のような誤判断を回避することがで
きる。
【0060】(第8の実施形態) 次に、第8の実施形態について、図15,図16及び図
17を参照しながら説明する。
【0061】図15は、本実施形態に係るドライエッチ
ング装置の横断面図である。本実施形態に係るドライエ
ッチング装置は、上記第7の実施形態におけるドライエ
ッチング装置とほぼ同じ構造を有しているが、プラズマ
状態を観察する機能とドライエッチングのプロセスを制
御する機能とを有している点のみが異なる。すなわち、
上記第6の実施形態と同じ構成を有する赤外線光源及び
光学系48と、赤外線の検出系及び解析システム44と
が設けられており、赤外線光源及び光学系48により、
赤外線を窓40に入射させて窓40の内面で全反射させ
た後、赤外線の検出系及び解析システム44に入射させ
るように構成されている。そして、赤外線の検出系及び
解析システム44から上記コントローラ71に、窓40
の内面上の堆積物41に関する信号Sdeが転送されるよ
うに構成されている。
【0062】本実施形態においても、上記第7の実施形
態と同じ条件でドライエッチングが行なわれる。ここ
で、本実施形態では、コントローラ71により、発光強
度検出器70で検出されるプラズマ発光強度の変化に応
じてドライエッチングの終了時期が判断される。その点
については、上記第7の実施形態と同じであるが、本実
施形態では、ウェハのドライエッチングを開始する前の
初期値を校正する方法は上記第7の実施形態とは異な
る。
【0063】図16は、赤外線の検出系及び解析システ
ム44で検出される赤外線の強度変化と、この強度変化
に応じて調整されるコントローラ70のオートゲイン値
(相対値)の変化を示す図である。すなわち、赤外線の
検出系及び解析システム44から転送される信号Sdeに
含まれる窓40の内面上の堆積物41を経た赤外線の強
度に応じ、ドライエッチングを開始する前のプラズマの
相対的な発光強度が常に一定値「1」になるようにオー
トゲイン値の調整を行なっている。
【0064】第7の実施形態のようなオートゲイン調整
を行なうと、窓40に付着した堆積物41が厚くなるに
したがって当然ゲインの増大幅が大きくなるが、ゲイン
の増大幅が大きくなると、ウェハのドライエッチングを
開始する前とエッチング終了時との差が見掛上実際より
も小さくなる傾向がある。つまり、相対的な発光強度の
初期値が「1」になるように校正すると、エッチング終
了時における相対的な発光強度の検出値は、クリーニン
グ直後に比べて上昇する傾向がある(図14の曲線An
参照)。また、エッチング終了後の発光強度のバラツキ
もS/N比の低下により増大する。そして、発光強度検
出器70(フォトマル)の検出値は、窓40上の堆積物
41だけでなくチャンバー1内の塵埃等によって変動し
時間的な変動も大きい。そのため、発光強度検出器70
の検出値に基づいて初期値の校正を行なった場合、図1
7の点線曲線A1000に示すように、例えば1000枚目
程度のウェハをドライエッチングする際には、エッチン
グ終了後の発光強度の値が大きなばらつきの幅EW1を
持つことになる。場合によっては、エッチングが終了し
ているにもかかわらずエッチング終了の時期を判断する
基準となる強度「0.6」以下にならないことが生じ得
る。つまり、オートゲイン値の増大に伴うエッチング終
了後の検出値の上昇傾向及び誤差の増大と、初期値の校
正の不正確さとが重畳して、エッチングの終了時期に誤
判定を生じる虞れがある。これを回避するためには、例
えばオートゲイン値がある値を越えると、エッチング終
了時期の誤判定を生じる虞れがあるとして、窓40の堆
積物41を除去すべくチャンバー1のドライクリーニン
グ(メンテナンス)を行なう必要がある。つまり、窓4
0上の堆積物41の実際の状態からまだ余裕があるにも
かかわらず早めにチャンバー1のドライクリーニングを
行なうことになり、メンテナンス周期が短くなる。
【0065】それに対し、本実施形態のごとく赤外線の
検出系及び解析システム71から転送されるデータを用
いた場合には、発光強度検出器70の検出値を用いた場
合のような大きな検出値の変動はない。図17の破線曲
線B1000に示すように、エッチング終了後の発光強度の
検出値のバラツキ幅EW2は極めて小さくなる。したが
って、本実施形態の方法では、現実の堆積物41の膜厚
を検出して、この値に応じた初期値の校正を行なうの
で、オートゲイン調整に伴うエッチング終了後の相対的
な発光強度の上昇傾向はあるものの、バラツキ幅EW1
が小さいためにエッチング終了時期の判断の基準値
「0.6」以上になる虞れが生じるまでの処理枚数が増
大する。例えば、第7の実施形態では、チャンバー1の
ドライクリーニングを行なってから次のドライクリーニ
ングを行なうまでに1000枚程度のウェハの処理が限
界であったとすると、1100枚程度のウェハを処理す
ることができるのである。このチャンバー1のドライク
リーニングを行なうには、いったん工程を停止しなけれ
ばならず、かつチャンバー1内の雰囲気の置換と言う多
大の手間を必要とするので、このようにメンテナンス周
期を延長することで、装置の稼働率が大幅に向上するこ
とになる。
【0066】(その他の実施形態) なお、上記各実施形態及び後述の各実施形態では、いず
れも電磁波として赤外線を利用し、赤外線の吸収スペク
トルを観測することにより反応室内の環境を把握する例
を述べたが、本発明はかかる実施形態に限定されるもの
ではない。すなわち、赤外線の吸収以外の光学的手法、
例えばX線光電子分光法によっても、反応室内情報を得
ることができる。図9(a)は、第1の実施形態と同じ
ポリシリコン膜をエッチングするプロセスにおける堆積
物の解析結果を示し、図9(b)は、第2の実施形態と
同じシリコン酸化膜をエッチングするプロセスにおける
堆積物の解析結果を示し、いずれも堆積物を構成する各
原子間の結合エネルギースペクトルを示す。図9
(a),(b)を参照すれば容易にわかるように、エッ
チングプロセスにおいて生成される堆積膜を構成する物
質の結合エネルギースペクトルの違いが観測され、ま
た、その強度は堆積物の総量を反映したものとなる。そ
の結果、X線光電子分光法によるチャンバー内環境の観
察が可能となる。
【0067】さらに、上記各実施形態では、プラズマを
利用してエッチングを行う際のチャンバー内の環境を把
握する例について説明したが、本発明はかかる実施形態
に限定されるものではなく、プラズマを利用したCV
D,アッシング,酸化,不純物ドーピング,プラズマア
システッドエピタキシー等のプラズマ加工全般につい
て、また、プラズマを利用しない加工であっても、スパ
ッタリング,蒸着,CVD,イオンプレーティング等の
チャンバーの内壁面に堆積物を生ぜしめる加工全般につ
いて適用することができる。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、チャンバ内の堆積物の
モニター方法として、チャンバー内に窓から電磁波を入
射し、チャンバー内の堆積物を通過した電磁波の吸収を
検知することにより、チャンバー内の堆積物の状態をモ
ニターするようにしたので、チャンバー内の環境を正確
に把握しながら、プラズマ加工中のプロセス制御,メン
テナンス,チャンバーのクリーニング等に有用な情報を
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る半導体製造装置の構成を
概略的に示す図である。
【図2】第1の実施形態において検出された初期の赤外
線吸収スペクトル図及び1000枚連続処理した後の赤
外線吸収スペクトル図である。
【図3】第1の実施形態におけるパーティクル数の処理
枚数増加に伴う変動及びポリシリコンエッチング速度の
変動を示す特性図である。
【図4】第2の実施形態に係る半導体製造装置の構成を
概略的に示す縦断面図である。
【図5】第2の実施形態において検出された初期の赤外
線吸収スペクトル図及び1000枚連続処理した後の赤
外線吸収スペクトル図である。
【図6】第3の実施形態に係る半導体製造装置の構成を
概略的に示す横断面図及び縦断面図である。
【図7】第4の実施形態におけるクリーニング方法の実
施中における赤外線の相対的吸収強度の時間変化を示す
特性図である。
【図8】第5の実施形態に係る半導体製造装置の内部を
透視して示す斜視図である。
【図9】ポリシリコン膜及びシリコン酸化膜のエッチン
グの際に付着する堆積物をX線光電子分光法で観察して
得られたスペクトル図である。
【図10】第6の実施形態に係る半導体製造装置の横断
面図及び縦断面図である。
【図11】第6の実施形態における堆積物の状態をモニ
ターする際に赤外線が窓の内面で全反射されるときの状
態を示す横断面図である。
【図12】第6の実施形態において検知される赤外線の
強度のウェハの処理枚数に対する変化に関するデータを
示す図である。
【図13】第7の実施形態に係る半導体製造装置の横断
面図及び縦断面図である。
【図14】第7の実施形態に係る初期値の校正によるエ
ッチング終了時期の判断方法を示す図である。
【図15】第8の実施形態に係る半導体製造装置の横断
面図である。
【図16】第8の実施形態における堆積物による赤外線
の強度変化と、この変化に応じて調整されるオートゲイ
ン値とを示す図である。
【図17】第7及び第8の実施形態に係る初期値の校正
によるエッチング終了時期の判断方法の信頼性を比較す
る図である。
【符号の説明】
1 チャンバー 2、22 試料 3 高周波電源 4 カップリングコンデンサ 5 カソード電極 6 アノード電極 7 プラズマモニター用の窓 8 モニター用光源 9 光学系 10 プラズマ発生領域 11、31、41 堆積物 12 入射赤外線 12a エバネッセント波 13 通過赤外線 14 検出器 40 窓 42 通過赤外線 43 石英板 50 観測部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H05H 1/46 H01L 21/302 103 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3065 C23C 16/50 C23F 4/00 H01L 21/205 H01L 21/31 H05H 1/46

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チャンバーの一部に、外方に突出し先端
    部が閉鎖された筒状観測部を設け、 上記筒状観測部の側部の相対向する2か所に、光,X
    線,電子線を含む電磁波のうち少なくともいずれか1つ
    の電磁波の透過が可能な第1,第2の電磁波用窓を形成
    しておき、 上記チャンバーの外部から上記第1の電磁波用窓を介し
    て電磁波をチャンバー内に入射させ、 上記筒状観測部の先端部の内面上の堆積物を通過して反
    射される電磁波を上記第2の電磁波用窓を介して上記チ
    ャンバー外に取り出し、 取り出された上記電磁波の上記堆積物による吸収を検知
    することにより、上記堆積物の状態をモニターする こと
    を特徴とするチャンバー内の堆積物のモニター方法。
  2. 【請求項2】 請求項記載のチャンバー内の堆積物の
    モニター方法において、 上記堆積物は、炭素及び珪素のうち少なくともいずれか
    1つとハロゲン元素との重合物であり、 上記電磁波は赤外線であって、上記堆積物内を通過した
    赤外線の吸収スペクトルを検出することにより、上記堆
    積物の状態をモニターすることを特徴とするチャンバー
    内の堆積物のモニター方法。
  3. 【請求項3】 請求項記載のチャンバー内の堆積物の
    モニター方法において、 上記赤外線の吸収スペクトルのうち波数2000cm-1
    以下の吸収スペクトルを検出することを特徴とするチャ
    ンバー内の堆積物のモニター方法。
  4. 【請求項4】 請求項記載のチャンバー内の堆積物の
    モニター方法において、 上記堆積物は、シリコンで構成される被加工物をプラズ
    マ加工する際に生じるものであり、 上記赤外線の吸収スペクトルのうち波数1450〜14
    00cm-1の範囲の吸収スペクトルを検出することを特
    徴とするチャンバー内の堆積物のモニター方法。
  5. 【請求項5】 請求項記載のチャンバー内の堆積物の
    モニター方法において、 上記堆積物は、酸化シリコンで構成される被加工物の加
    工の際に生じるものであり、 上記赤外線の吸収スペクトルのうち波数1300〜80
    0cm-1の範囲の吸収スペクトルを検出することを特徴
    とするチャンバー内の堆積物のモニター方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のうちいずれか1つに記載
    のチャンバー内の堆積物のモニター方法において、 上記チャンバーは、ドライエッチング,プラズマCV
    D,プラズマアッシング,プラズマ酸化,不純物ドーピ
    ング及びプラズマアシステッドエピタキシーのうち少な
    くとも1つを行なうように構成されていることを特徴と
    するチャンバー内の堆積物のモニター方法。
  7. 【請求項7】 請求項記載のチャンバー内の堆積物の
    モニター方法において、 上記堆積物を経た電磁波の総量を検出することにより上
    記堆積物の状態をモニターすることを特徴とするチャン
    バー内の堆積物のモニター方法。
  8. 【請求項8】 請求項記載のチャンバー内の堆積物の
    モニター方法において、 上記チャンバーは、プラズマ加工を行なうように構成さ
    れており、 上記堆積物の状態のモニターは、チャンバー内のプラズ
    マからの発光強度の変化を検出して、プラズマ加工の開
    始時における発光強度の初期値が一定値になるように発
    光強度の検出感度を校正した後この校正された発光強度
    の変化からプラズマ加工のプロセスを制御する際に、発
    光強度の検出感度を校正するために行なわれることを特
    徴とするチャンバー内の堆積物のモニター方法。
  9. 【請求項9】 請求項記載のチャンバー内の堆積物の
    モニター方法において、 上記プラズマ加工のプロセスの制御は、ドライエッチン
    グを終了すべき点を判断する制御であることを特徴とす
    るチャンバー内の堆積物のモニター方法。
  10. 【請求項10】 請求項記載のチャンバー内の堆積物
    のモニター方法において、 上記堆積物の状態のモニターは、チャンバーのメンテナ
    ンス時期を判断するために行なうことを特徴とするチャ
    ンバー内の堆積物のモニター方法。
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