JP3349574B2 - 無機系多孔質プレート - Google Patents

無機系多孔質プレート

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直弘 曽我
和樹 中西
純 高野
博義 水口
浩久 阿部
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直弘 曽我
和樹 中西
株式会社 京都モノテック
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無機系多孔質プレート
に関する。本発明の無機系多孔質プレートは、グルコー
スイソメラーゼ等の酵素や白金、パラジウム等の触媒あ
るいは、オクタデシル等の官能基が担持されて、薄層ク
ロマトグラフィーに好適に利用され得る。
【0002】
【従来の技術】薄層クロマトグラフィーは、ガラスプレ
ートやポリエステルシート、アルミシートなどの材質の
板の上に、ビーズ状の無機系充填剤を均一な厚さに塗布
した薄層プレートを固定相として用い、移動相である各
種の溶媒の毛細管現象による浸透を利用して、試料中の
各成分を展開分離する方法である。充填剤としては、シ
リカゲル、アルミナ、セルロースなどが主として用いら
れ、展開溶媒としては、水、酸やアルカリの溶液、有機
溶媒などが用いられており、これらの充填剤と溶媒の組
み合わせによって、試料中の種々の成分の分離が実現で
きる。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】しかし、従来の無機系
充填剤では、その形状がビーズ状であるためにいくつか
の欠点を有する。すなわち、シリカゲル等の無機系充填
剤をシートに塗布して作成されたプレートは、液体の流
れに対する抵抗が大きい。その結果、単位時間当たりの
流量が少なくなり、薄層クロマトグラフィーとして用い
るには長時間を要した。
【0004】また、薄層クロマトグラフィーで高分解能
(高理論段数)を得るためにはビーズの粒径を小さくし
粒度分布を狭くすることが必要であるが、前述のように
流れに対する抵抗が大きいためあまり粒径の小さなビー
ズは使用できなかった。
【0005】ビーズを塗布するためには強度を確保する
ための支持体が必要であるが、分取を目的とする場合に
用いる厚いプレートでは、開放された表面と支持体に結
合した面とで展開溶媒の蒸発の状態が異なり分解能を低
下させることが知られていた。
【0006】さらに、塗布の状態によってビーズの充填
状態が変化するので製造ロットによって分析値が大きく
ばらつくこともあった。
【0007】そこで、本発明は、従来の無機系プレート
が有する課題を解決し、流速が速く、取扱いの容易な無
機系多孔質プレートを提供することを目的とする。ま
た、他の目的は、試料液体との単位体積当たりの接触面
積の大きい無機系多孔質プレートを提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意研究した
ところ、一体型であって且つ気孔径及び気孔分布を制御
した無機系プレートは、従来の薄層プレートの持つ欠点
を生じないことを見出だし、本発明をなすに至った。
【0009】すなわち、本発明は、孔径500nm以上で
3次元編み目状に連続した貫通孔と、この貫通孔の内壁
面に形成された孔径5〜300nmの細孔とを有し、細孔
の全容積が10m3 /t以下であって、全体に対して貫
通孔の占める容積率が20〜90%望ましくは50〜8
0%で、全気孔中の細孔の占める割合が10%以上望ま
しくは50%以上であることを特徴とする無機系多孔質
プレートにある。
【0010】本発明で特に好ましい素材は、実質的にガ
ラスまたはガラスセラミックスであって、主成分がシリ
カSiの場合である。
【0011】本発明の無機系多孔質プレートは、たとえ
ば有機高分子の酸性溶液中において珪素アルコキシドを
加水分解・重合して反応溶液のゲル化を行った後、生成
した多孔質ゲル中の有機高分子を除去し、その焼成する
ことによって、製造され得る。 多孔質ゲルの固化した
ものをアンモニア水溶液に浸漬する工程を、加水分解工
程と焼成工程の中間に加えると、細孔径及び細孔容積率
を制御しやすくなる。
【0012】また、有機高分子に加えてホルムアミドと
多価アルコールとの混合物を用いてもよい。
【0013】そして、本発明の無機系多孔質プレートは
貫通孔とその内壁面に構成された細孔の孔径、細孔の全
容積、プレート全体に対する貫通孔の容積率、細孔と貫
通孔との合計容積に対する細孔の容積率を重要な構成要
件とする。
【0014】貫通孔の孔径が500nm以上なのは、液体
の受ける抵抗を小さくするためで、細孔の孔径が5〜3
00nmなのは、5nm以下だと、液体の受ける抵抗が大
きくなり、300nm以上だと機械強度が弱くなるからで
ある。
【0015】また、貫通孔の孔径が同じであるなら、プ
レート全体に対する貫通孔の容積率が高いほど、圧力損
失が小さく好ましいが、容積率が90%を越えると機械
的強度が著しく損なわれ、単体でクロマトグラフィーに
用いるのが困難になる。他方、容積率が20%に満たな
いとかえって今までのプレートより圧力損失が大きくな
る。なお、薄層クロマトグラフィー用に好適な容積率の
範囲は50〜80%である。
【0016】そして、貫通孔の内壁に細孔が形成されて
いるので、比表面積が高い。従って、その細孔に、例え
ばオクタデシル基等の官能基を化学的に修飾する事によ
って固定したり、グルコースイソメラーゼイソメラーゼ
等の酵素や酵素や白金、パラジウム等の触媒を担持させ
ておくと、流体が通過する過程でこれらの分子と効率よ
く反応する。しかも官能基が細孔内に固定されているの
で、流体の流れが速くても官能基が流されることはな
い。
【0017】但し、全気孔中の細孔に占める容積率を1
0%以上必要とする。10%より少ないと、全気孔率を
90%まで上げたとしても、官能基をほとんど固定する
ことができないからである。他方、細孔の全容積が10
3 /tを越えると機械的強度が著しく損なわれてしま
い、単体でのクロマトグラフィーが困難となる。薄層ク
ロマトグラフィー用としての好適な細孔容積率及び全容
積の範囲は、全気孔に対する容積率50%以上、細孔の
全容積1m3 /tである。
【0018】尚、カラム全体に対する貫通孔の容積率及
び細孔の全容積が、上記薄層クロマトグラフィー用とし
ての好適な上限値より高くても、本発明の範囲であれ
ば、適当な支持体を用いることなどで機械的にする事に
よって、クロマトグラフィーに適用可能である。
【0019】プレートの立体構造は、反応系の組成及び
温度やpH値、有機高分子の分子量、その他珪素アルコ
キシドの反応性に影響を及ぼす各種条件によって変わ
る。従って、立体構造の制御の方法を一律に述べること
は困難であるが、前述した条件が同じであれば細孔径等
がほぼ同じの目的物を再現性良く提供できる。
【0020】中間物質として生成する多孔質ゲルからの
有機高分子の除去は、乾燥前のゲルを洗浄することによ
ってある程度なす事ができるが洗浄過程の後に有機高分
子が分解あるいは燃焼する温度までゲルを十分長時間加
熱してこれを完全に除去する方法が有効である。
【0021】本発明無機系多孔質プレートの製造に使用
する有機高分子は、理論的には適当な濃度の水溶液とな
し得る水溶性有機高分子であって、且つ珪素アルコキシ
ドの加水分解によって生成するアルコールを含む反応溶
液中に均一に溶解し得るものであれば良いが、具体的に
は高分子金属塩であるポリスチレンスルフォン酸のナト
リウム塩あるいはカリウム塩、高分子塩であって解離し
てポリアニオンとなるポリアクリン酸、高分子塩であっ
て水溶液中ではポリカチオンを生じるポリアクリルアミ
ン及びポリエチレンイミン、あるいは中性高分子であっ
て主鎖にエーテル結合を持つポリエチレンオキシド、側
鎖に環状アミドを有するポリビニルピロリドン等が好適
である。
【0022】有機高分子に代えてホルムアミドと多価ア
ルコールとの混合物を用いる場合の多価アルコールとし
ては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、
さらにこれらを適宜重合させて酸化物含量を上げたもの
等を上げることができる。
【0023】なお、本発明の多孔質プレートは、その立
体構造が上記の条件を充足していれば、下記の作用効果
を発揮するものである。従ってその製造方法は限定され
ない。また、本発明の多孔質プレートは、薄層クロマト
グラフィー用に限らず、酵素固定化用担体にも利用でき
る。
【0024】
【作用】展開溶媒は、プレートの下端から吸い上げられ
三次元編み目状に連続した貫通孔を通過し、徐々に上へ
と上がっていく。通過途中、従来のビースを塗布したプ
レートのような障害物がなく、しかも貫通孔の孔径が5
00nm以上であるから、液体の受ける抵抗は小さい。従
って、展開のスピードも速い。
【0025】
【実施例】
(実施例1)まず、ポリエチレングリコール(アルドリ
ッチ製 商品番号30,902-8;分子量1万) 8.0gを10
-2M酢酸水溶液100mlに溶解する。氷冷下で、これに
テトラメトキシシラン50mlを加え加水分解反応を行
う。数分間攪拌したのち透明溶液を濾過し、密閉容器に
移し、40℃の恒温漕中に保持したところ約60分間で
ゲル化した。ゲル化後、2時間そのまま放置し熟成させ
た。0.0001規定のアンモニア水溶液に2時間浸漬したの
ち、0.001 規定、0.01規定、0.1 規定にそれぞれ2時間
漬け、最後に1規定アンモニア水溶液で一昼夜反応させ
る。40℃で乾燥した後60℃で2日間乾燥する。十分
に乾燥したら600℃で2時間の熱処理を行った。
【0026】同様の方法でポリエチレングリコールの量
を変化させることで貫通孔の大きさを制御できる。電子
顕微鏡で観察したところ 9.5gで3μm、10.0gで2μ
m、10.3gで1μmの貫通孔が形成される。
【0027】このように作成したプレートを必要であれ
ば活性化し、薄層クロマトグラフィーを行う。貫通孔3
μm厚さ2mmのプレートを用い、図1(A),(B)で
示す糖をトルエン:酢酸エチル=9:1の展開溶媒で薄
層クロマトグラフィーを行ったところ良好な分離が得ら
れた(図1左図)。
【0028】同様にして 0.5μm〜20μmの貫通孔を
持つプレートでも良好な分離が得られた。この場合の展
開速度は8mm/min (貫通孔 0.5μm)〜14.5mm/min
(貫通孔20μm)であり従来の2mm厚プレートの展開
速度(4mm/min )に比べ2〜3倍以上速い。
【0029】(実施例2)実施例1と同様にして作成し
たプレート(貫通孔 2.5μm)を用いてアミノ酸の分離
を行った。
【0030】DL-アラニンとL-イソロイシンをブタノー
ル:酢酸:水=4:1:2の展開溶媒で展開した。
【0031】その結果良好な分離が得られる(図2)。
展開速度は 2.8mm/min であり従来の0.25mm厚プレート
の展開速度( 1.6mm/min )に比べて高速である。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、以下の効果が得られ
る。
【0033】(1) 一体成形しているので塗布の状態によ
る変化がなく、ロット間のばらつきが小さい。
【0034】(2) 孔径および容積率が適当に制御された
貫通孔を有するので、抵抗が少なく、従来よりも短時間
で分析が可能である。しかも、細孔に固定されたすべて
の官能基と液体が反応するので、官能基の消費効率が高
い。
【0035】(3) ある程度の厚さがあれば十分な強度と
なるので分取に用いる場合に支持体を用いる必要がな
い。このため表面と内部の状態が近く良好な分離が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプレートにより糖(A,B)を分離し
たクロマトグラム。
【図2】本発明のプレートによりアミノ酸を分離したク
ロマトグラム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高野 純 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式 会社 島津製作所 三条工場内 (72)発明者 水口 博義 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式 会社 島津製作所 三条工場内 (72)発明者 阿部 浩久 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式 会社 島津製作所 三条工場内 (72)発明者 九山 浩樹 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式 会社 島津製作所 三条工場内 (56)参考文献 実開 昭58−144262(JP,U) 特許3317749(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 30/00 - 30/96 C03C 3/04 C03C 10/00 C03C 11/00 C04B 38/00 303

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機系材質からなり、孔径500nm以上
    で3次元編み目状に連続した貫通孔と、この貫通孔の内
    壁面に形成された孔径5〜100nmの細孔とを有し、細
    孔の全容積が10m3 /t以下であって全体に対して貫
    通孔の占める容積率が20〜90%で、全気孔中の細孔
    の占める容積率が10%以上であることを特徴とする無
    機系多孔質プレート。
  2. 【請求項2】 無機系材質がシリカSiO2 を主成分と
    するガラスまたはガラスセラミックスからなる請求項1
    の無機系多孔質プレート。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2の無機系多孔質
    プレートからなる薄層クロマトグラフィー用プレート
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