JP3349518B2 - Agー酸化物系複合電気接点材料の製造方法 - Google Patents
Agー酸化物系複合電気接点材料の製造方法Info
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Description
材料の線材または条材の製造方法に関する。
i あるいはAg-CdO系が用いられている。なかでも、Ag-N
i は低接触抵抗で消耗が少ないため、Agに代わってかな
り広汎に用いられている。また、Ag-Ni は加工やスポッ
ト溶接が容易なために台材等への固着作業の自動化が可
能となり、組立コストを安くしかも品質の安定もはかれ
るという大きな特長を有している。しかし、その反面Ag
-CdO等のAgー酸化物系と比較して消耗量が多く、耐溶着
性に劣るために小型スイッチ等の小容量領域に使用範囲
が限定されている。
置の自動化はめざましく、これに伴い装置の大型化と複
雑化が進み、これらの制御系はむしろ小型化、動作の高
頻繁化、大容量化が要求されている。そこでAg-Ni 系が
見直されるが、上記のような点からAg-Ni の耐溶着性が
問題となり、その代替材料の開発が望まれている。
金属酸化物、窒化物、炭化物等を添加して特性の向上を
試みている。しかしながら、Ag-Ni 系本来の特長である
安定した接触抵抗、加工性さらにスポット溶接の容易性
が種々の添加物の混在により阻害され、いずれも満足す
べき結果は得られていない。一方、Ag-CdO系は耐溶着
性、耐消耗性等にすぐれ使用範囲がひろいが、加工性や
台材等への溶着性が問題である。これは、酸化物が台材
との界面に存在するため、スポット溶接やろう付けでの
接合強度が非酸化物系の材料と比較して著しく小さい。
系材料にスポット溶接やろう付けが容易なための酸化物
を含まない層を形成した複合材料が考えられている。例
えば、Ag-CdO系条材とAgリボンを熱間圧着法で接合して
複合条材を得ているが、実際に台材等を接合してスイッ
チに組み込んでテストを行うと、Ag-CdOとAgとの境界か
ら剥離して所定の寿命に達しないことが多い。
または条材、あるいはAg-Cd の線材または条材を内部酸
化した線材または条材、またはAg粉とCdO 粉を混合し、
この混合粉を成形・焼結した後、熱間押し出し等により
Ag-CdOの線材または条材となしたもの、さらに内部酸化
法もしくは化学的処理法から得られるAg-CdOの粉体もし
くは小片体を成形・焼結した後、熱間押し出し等により
Ag-CdOの線材または条材に成形したものを、N2ガスとH2
ガスの体積比率が1:1 〜10:1の範囲で混合された混合雰
囲気中で、徐々に温度を上昇せしめ、最終的に600 ℃以
上に加熱することで、表面の酸化物層を還元させ、線材
または条材の外周にAgに富んだ還元層を形成させること
で上記問題を解決しようとするものである。
うとした場合、還元性ガス例えばH2と酸化物が接触した
途端、急激な反応が起こってその内部は空孔(ポア)だ
らけのスポンジ状を呈することになり、材料として極め
て脆弱な組織になってしまう。したがって、通常の方法
で線材または条材表面に還元層を形成する目的で還元性
ガスと接触させて還元層を得たとしてもその還元層が脆
弱なために台材にろう付けまたは溶接しても接点脱落等
の事故のおそれがあり、実用に供しうるものではない。
歪みを内在する線材または条材を用い、還元性ガスとし
てN2ガスとH2ガスの体積比率が1:1 〜10:1の範囲とし、
還元温度を徐々に上昇させることにより所望の還元層が
得られることになる。ここで、N2ガスとH2ガスの体積比
率を1:1 〜10:1の範囲とした理由は、線材または条材の
表面の酸化物層を還元させる際に、所望の均一な厚さに
制御するためにはN2ガスに対するH2ガスの体積比率が1:
1.1 以上では還元速度を制御することが困難となり、さ
らにH2ガス量が増加することで安全性に影響がでてく
る。また、N2ガスに対するH2ガスの体積比率が10:1未満
ではH2ガスによる還元力が十分ではなく還元層を均一に
制御することができなくなるためである。
断面減少率で冷間加工を行う理由は、30% 以上の冷間加
工によりマトリックス中の酸化物近傍には、厳密には極
微細なクラックが生じており、このため後の加熱によっ
てもマトリックス中へのH2等の侵入が集中的にならず、
適度に分散されるために空孔が発生しにくいためであ
る。このような作用の相乗作用によって理想的な効果を
生じさせている。
-15wt%CdO の線材を、伸線加工により直径2mm の線とし
た。このときの冷間加工率は75% であった。
ら200 ℃,350℃,500℃,600℃,700℃に設定し、N2ガスと
H2ガスの体積比率が1:1 の雰囲気になるように調整し
て、100mm/min の速度で通過させ、線材表面の外周に還
元層を有する線材を得た。このときの還元層の厚さは、
約0.12mmであった。これをさらに伸線加工により直径1.
8mm の線材とし、試料Aとした。
-10wt%CdO の線材を、伸線加工により直径2mm の線とし
た。このときの冷間加工率は55% であった。これを5点
制御の連続炉を用い、入炉側から200 ℃,350℃,500℃,6
50℃,800℃に設定し、N2ガスとH2ガスの体積比率が2:1
の雰囲気になるように調整して、95mm/minの速度で通過
させ、線材表面の外周に還元層を有する線材を得た。
った。これをさらに伸線加工により直径1.8mm の線材と
し、試料Bとした。以下、第1実施例および第2実施例
とほぼ同様の方法で表1に示す試料C〜Fを作製し、こ
の試料A〜Fの各線材を長さ2mm に切断した後、スポッ
ト溶接により台材の固着した。
および長さを約2.5mm の角型になるように成形加工を行
った。この各接点の剪断強度を測定すると共に市販のコ
ンタクターに組み込み、電圧220V、電流78A 、力率0.35
で実装テストを行った。なお、比較のために従来例とし
て最も標準的な下記の2例を作製して比較試験を行っ
た。
できる方法であれば連続炉に限るものではなく、バッチ
型炉によっても同様である。 第1従来例 厚さ5mm 、幅100mm 、長さ200mm のAg-13wt%Cd合金板
と、厚さ0.5mm 、幅100mm 、長さ200mm のAg板を重ね合
わせて熱間圧着法により接合し、冷間圧延により厚さ0.
8mm まで加工した。
打ち抜きを行い、このペレットを大気中において750 ℃
に設定した電気炉中で内部酸化処理を施し、裏側にAg層
を形成したAg-15wt%CdO 接点を得た。 第2従来例 第1従来例と同様の方法で裏側にAg層を形成したAg-10w
t%CdO 接点を得た。
1に示す如く、台材とのスポット溶接強度にもすぐれ、
実機による接点開閉テストにおいて極めてすぐれた効果
を有する。
Claims (5)
- 【請求項1】 Ag−酸化物の線材または条材をN2ガスと
H2ガスの体積比が1:1〜10:1の範囲で混合された
混合雰囲気中で、温度を上昇せしめ、最終的に600°
C以上に加熱することで、表面の酸化物層を還元させ、
線材または条材の外周に酸化物還元層を形成させること
を特徴とするAg−酸化物系複合電気接点材料の製造方
法。 - 【請求項2】 請求項1において、N2ガスとH2ガスの混
合ガス雰囲気中で、Ag-CdO系の線材または条材を毎分40
〜100 ℃の速度で上昇させ、最終的に600 ℃以上に加熱
することで、表面の酸化物層を還元することを特徴とす
るAgー酸化物系複合電気接点材料の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1において、Ag-Cd の線材または
条材を内部酸化し、その材料を断面減少率として30% 以
上の冷間加工を施し、内部酸化時の結晶粒を破壊すると
共に材料内部に加工歪を残した材料を用いることを特徴
とするAgー酸化物系複合電気接点材料の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1において、Ag粉とCdO 粉を混合
し、この混合粉を成形・焼結した後、熱間押し出し等に
よりAg-CdOの線材または条材に成形し、この材料を断面
減少率として30% 以上の冷間加工を施し、材料内部に加
工歪を残した材料を用いることを特徴とするAgー酸化物
系複合電気接点材料の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1において、内部酸化法もしくは
化学処理法から得られるAg-CdOの粉体もしくは小片体を
成形・焼結した後、熱間押し出し等によりAg-CdOの線材
または条材に成形し、この材料を断面減少率として30%
以上の冷間加工を施し、材料内部に加工歪を残した材料
を用いることを特徴とするAgー酸化物系複合電気接点材
料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34741391A JP3349518B2 (ja) | 1991-12-27 | 1991-12-27 | Agー酸化物系複合電気接点材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP34741391A JP3349518B2 (ja) | 1991-12-27 | 1991-12-27 | Agー酸化物系複合電気接点材料の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05179414A JPH05179414A (ja) | 1993-07-20 |
JP3349518B2 true JP3349518B2 (ja) | 2002-11-25 |
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ID=18390056
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP34741391A Expired - Fee Related JP3349518B2 (ja) | 1991-12-27 | 1991-12-27 | Agー酸化物系複合電気接点材料の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114262812B (zh) * | 2021-02-28 | 2022-05-31 | 中南大学 | 一种弥散强化超细晶银基-金属氧化物复合材料及其制备方法 |
-
1991
- 1991-12-27 JP JP34741391A patent/JP3349518B2/ja not_active Expired - Fee Related
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