JP3349513B2 - 2,6−ジ−ヨードフェノール−4−イルを少なくとも2ケ含む化合物とヨードアレルギー診断薬 - Google Patents

2,6−ジ−ヨードフェノール−4−イルを少なくとも2ケ含む化合物とヨードアレルギー診断薬

Info

Publication number
JP3349513B2
JP3349513B2 JP53020195A JP53020195A JP3349513B2 JP 3349513 B2 JP3349513 B2 JP 3349513B2 JP 53020195 A JP53020195 A JP 53020195A JP 53020195 A JP53020195 A JP 53020195A JP 3349513 B2 JP3349513 B2 JP 3349513B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
iodine
allergy
compound
reaction
tyr
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP53020195A
Other languages
English (en)
Inventor
芳樹 杉原
博 塩野谷
清実 山津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eisai Co Ltd
Original Assignee
Eisai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eisai Co Ltd filed Critical Eisai Co Ltd
Application granted granted Critical
Publication of JP3349513B2 publication Critical patent/JP3349513B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C237/00Carboxylic acid amides, the carbon skeleton of the acid part being further substituted by amino groups
    • C07C237/02Carboxylic acid amides, the carbon skeleton of the acid part being further substituted by amino groups having the carbon atoms of the carboxamide groups bound to acyclic carbon atoms of the carbon skeleton
    • C07C237/20Carboxylic acid amides, the carbon skeleton of the acid part being further substituted by amino groups having the carbon atoms of the carboxamide groups bound to acyclic carbon atoms of the carbon skeleton the carbon skeleton containing six-membered aromatic rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K49/00Preparations for testing in vivo
    • A61K49/0004Screening or testing of compounds for diagnosis of disorders, assessment of conditions, e.g. renal clearance, gastric emptying, testing for diabetes, allergy, rheuma, pancreas functions
    • A61K49/0006Skin tests, e.g. intradermal testing, test strips, delayed hypersensitivity
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K49/00Preparations for testing in vivo
    • A61K49/04X-ray contrast preparations
    • A61K49/0433X-ray contrast preparations containing an organic halogenated X-ray contrast-enhancing agent
    • A61K49/0438Organic X-ray contrast-enhancing agent comprising an iodinated group or an iodine atom, e.g. iopamidol
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K49/00Preparations for testing in vivo
    • A61K49/04X-ray contrast preparations
    • A61K49/0433X-ray contrast preparations containing an organic halogenated X-ray contrast-enhancing agent
    • A61K49/0442Polymeric X-ray contrast-enhancing agent comprising a halogenated group
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K5/00Peptides containing up to four amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K5/04Peptides containing up to four amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof containing only normal peptide links
    • C07K5/06Dipeptides
    • C07K5/06191Dipeptides containing heteroatoms different from O, S, or N
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K5/00Peptides containing up to four amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K5/04Peptides containing up to four amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof containing only normal peptide links
    • C07K5/08Tripeptides
    • C07K5/0827Tripeptides containing heteroatoms different from O, S, or N
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K5/00Peptides containing up to four amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K5/04Peptides containing up to four amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof containing only normal peptide links
    • C07K5/10Tetrapeptides
    • C07K5/1027Tetrapeptides containing heteroatoms different from O, S, or N
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Endocrinology (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は2,6−ジ−ヨードフェノール−4−イルを少
なくとも2ケ含む化合物とヨードアレルギー診断薬に関
し、特に、ヒトの尿路あるいは血管用等のヨウ素含有X
線造影剤やヨウ素を含有する医薬品のヨードアレルギー
による副作用を検知する。
〔従来技術〕
現在、患者の病状を正確に把握し、治療の方策を立案
するために、血管、尿路等のX線造影が広く行われてい
る。このようなX線造影はヨウ素含有X線造影剤を管腔
内に投与し、X線撮影を行うことによって得られる。
しかしながら、ヨウ素含有X線造影剤の投与中や投与
後にヨードアレルギーによるショックという重篤な副作
用が発生することが知られている。
また、その他のヨウ素を含有する医薬品も種々開発さ
れているが、それらを投与する際にも、ヨードアレルギ
ーに基づく副作用が発生することが知られている。
前述のごとく、ヨウ素を含有するX線造影剤の投与中
や投与後にヨードアレルギーによるショックという重篤
な副作用が発生する問題があり、この副作用のないX線
造影剤の開発が望まれているが、完全に副作用のないX
線造影剤はいまだ見出されていない。
従って、X線造影剤を用いる前に患者にあらかじめ、
X線造影剤の少量を静脈内投与し、過敏反応の有無をテ
ストしている。この予備テストは信頼性に乏しく、テス
ト量で副作用が発生したり、テスト陰性でも本検査で重
篤な副作用が発生したり、テスト陽性でも本検査で異常
の出現しない例等がある。
このようにヨウ素を含有するX線造影剤等のヨウ素含
有医薬品のヨードアレルギーによる重篤な副作用を予知
する確立された方法がないのが現状であり、簡単にヨー
ドアレルギーを診断でき、しかも信頼性の高いヨードア
レルギー診断薬が望まれている。
抗原決定基の構造が解明されると、ヨードアレルギー
の体内診断のための化合物を設計することが可能であ
る。一般的に、即時型アレルギー反応は皮膚などにある
肥満細胞に結合したIgE抗体が、抗原によって架橋され
ることが引き金となって、ヒスタミンなどの生理活性物
質が放出されることにより、惹起されることが知られて
いる。抗体の架橋には、最低、抗原決定基が2個あれば
よいことが知られている(Immunology 256頁、Ivan M.R
oitt.Jonathan Brostoff,David K.Male著、Gower Medic
al Publishing Ltd.London,England,1989)。従って、
蛋白質に沃素を反応させて得たヨード化蛋白は診断活性
があるが、高分子であるために、感作抗原性が発現し、
診断のための投与がヨードアレルギーに感作する可能性
があり、好ましくないと考えられる。そこで、ヨードア
レルギーの感作抗原性はなく、惹起抗原性のみを有する
化合物の創出を、本発明者らは考えた。
〔本発明の開示〕
本発明者らは、ヨウ素を含有するX線造影剤等のヨウ
素含有医薬品の副作用の発現機序が、ヨードアレルギー
に起因するという立場からヨードアレルギーの診断薬を
検討したが、診断のための投与が、免疫することにな
る、即ち、ヨードアレルギーにしてしまう危険を伴うと
いう問題点が生じた。この問題点を避けるために、本発
明者らは、惹起抗原性(アレルギー反応を引き起こす抗
原性)はあるが、感作抗原性(抗体や免疫リンパ球をつ
くらせる抗原性)はない化合物を用いることが有用であ
ることを知見し、このような化合物を探索した結果、ヨ
ウ素含有X線造影剤等のヨウ素含有医薬品のヨードアレ
ルギー診断薬として有用な化合物、特にチロシン誘導体
を見出し、本発明を完成するに到った。
本発明は、下記の式(IV)で表される2,6−ジ−ヨー
ドフエノール−4−イルを少なくとも2ケ含む化合物で
あり、特にヨウ化チロシンが2〜8個縮合したポリマー
である。ヨードアレルギー診断薬として有用であり、こ
の化合物を患者に投与し、その皮内反応によりヨードア
レルギーの有無を診断する方法を提供する。
本発明は、式(IV)で表される2,6−ジ−ヨードフエ
ノール−4−イルを少なくとも2ケ含む式(V)で表さ
れる化合物である。式(V)において、nが3〜8の化
合物が新規化合物である。さらに式(V)、(VI)、
(VII)または(VIII)で表される化合物がヨードアレ
ルギー診断薬として好ましい。
(式中、それぞれRは同一又は異なって、水素原子又は
ヨウ素原子を示し、nは2〜8であり、そのうち、式
(IV)で示される基を少なくとも2ケ以上有するように
Rは選択される。) さらに上記化合物を患者に投与し、その皮内反応によ
りヨードアレルギーの有無を診断する方法を提供する。
ヨウ素含有医薬品を用いる前に、皮内注射により0.5〜5
0μgの上記化合物を患者に投与することが好ましい。
本発明の一般式(V)〜(VIII)で表される化合物
は、ヨウ素を反応させることによって得られる。例えば
トリチロシン1モルあたり、6分子のヨウ素を反応させ
るとすべてがヨウ素原子である化合物が得られる。
本発明の中で、ヨードアレルギー診断薬として特に有
用なものは以下に示す化合物である。
また、本発明に含まれる式(VII)で表されるジチロ
シン誘導体は、ジチロシンにヨウ素を反応させることに
よって得られる。例えばジチロシン1モルあたり、4分
子のヨウ素を反応させると式(VII)で表される化合物
が得られる。
本発明に含まれるジチロシン誘導体の中で、ヨードア
レルギー診断薬として特に有用なものは以下に示す化合
物である。
本発明の一般式(VIII)で表されるチロシン誘導体
は、L−チロシン−L−チロシルフェニルアラニンにヨ
ウ素を反応させることによって得られる。L−チロシル
−L−チロシルフェニルアリニン1モルあたり、4分子
のヨウ素を反応させると式(VIII)で表される化合物が
得られる。
本発明におけるヨウ素化反応は、ヨウ素ヨウ化カリウ
ムを用いた通常のヨウ素化反応を行えばよい。
本発明の診断薬を用いてヨードアレルギーの有無を検
知するには、X線造影剤等のヨウ素含有医薬品を用いる
前に本発明の診断薬を皮内注射等により患者に投与し、
その皮内反応によりヨードアレルギーの有無を診断す
る。
本発明の診断薬の投与量は0.5〜50μg程度が好まし
く、更に好ましくは1〜10μg程度である。
本発明の診断薬によりヨードアレルギーによる副作用
の有無を診断することができるヨウ素含有X線造影剤と
しては、ヨウ素を含んでいるものならば特に限定され
ず、例えば、イオパミドール、イオヘキソール、イオベ
ルソール、イオメプロール、イオトラン、イオキシラ
ン、イオジキサノール、イオキサグル酸、イオタラム酸
ナトリウムなどの非イオン性、半イオン性及びイオン性
のヨウ素含有X線造影剤が挙げられる。
また、本発明の診断薬は、ヨウ素を含有する医薬品に
よる副作用のうち、ヨードアレルギーに基づく副作用の
診断にも使用できる。
従来のアレルギー診断薬のほとんどのものは、微量で
はあるが抗原そのものを生体に投与するため、この抗原
による感作の危険性がある。
本診断薬は、惹起原性は有しているが、感作原性は有
していないことより、診断によりアレルギーにしてしま
う危険性がなく、ヨードアレルギーを検知することがで
きる。このことは以下の実験例1(惹起原性)及び実験
例2(感作原性)により説明する。
実験例1 ヨードを免疫したモルモットを用い、ヨード化チロシ
ン誘導体の惹起原性を能動皮膚アナフィラキシー(AC
A)反応により検討した。
実験方法と実験材料 動物:モルモット;Hartley系、雄性SPF、体重300〜350
g、チャールスリバージャパン社より購入、1週間の予
備飼育後免疫を開始した。
感作;ヨウ素ヨウ化カリウム(和光純薬、試薬特級)溶
液とFreund's complete adjvant(Difco)を等量混合
し、エマルジョンを作成した。感作量は、I2 2mg/anima
lとし、モルモット背部皮下に投与した。感作は2週間
間隔で3回行い、その2週後に能動皮膚アナフィラキシ
ー(ACA)を誘発させた。
ACA誘発;モルモットに2%エバンスブルー生理食塩水
溶液(0.5ml/animal)を静脈内投与し、直ちに背部皮内
に惹起抗原を0.1ml投与し、その30分後に投与部位の色
素漏出の有無を観察した。
惹起;ジチロシン、トリチロシン、ジチロシルフェニル
アラニン(各々Sigma社製)をヨード化したもの、なら
びに陽性対照としてモルモットアルブミン(fraction
V;Sigma社製)(以下GSAと略記)をヨード化したもの
を、0.1ml/site皮内投与した。また、陰性対照として各
非ヨード化物を100μg/0.1ml皮内投与した。
ヨード化;チロシン誘導体及びアルブミン溶液10mg/ml
(50mM硼酸緩衝液,pH9.5、不溶解の場合には水酸化ナト
リウム溶液を加え溶解した)にI2 0.5M溶液を10:1の割
合で添加し、37℃にて一晩反応させた。過剰なヨードを
チオ硫酸ナトリウム(半井化学製)を用い中和した。ヨ
ード化チロシン誘導体の場合には、酢酸エチルを用い抽
出し硫酸マグネシウムを用い乾燥させた後、ヘキサンを
加えることにより結晶を得た。ヨード化アルブミンの場
合には、セファデックスG25カラムを用い精製した。
結 果 ヨード感作モルモットを用いたチロシン誘導体による
ACA反応の結果を表1に示した。
表1から明らかなように、ヨード化トリチロシン、ヨ
ード化ジチロシン、及びヨード化ジチロシルフェニルア
リニンの皮内投与により、無感作のモルモットでは反応
のみられない条件で、ヨード感作モルモットでは反応が
惹起された。また、同時に実施した陽性対照のヨード化
モルモット血清アルブミン(ヨード化GSA)でも反応が
惹起された。
従って、本発明のチロシン誘導体には、ヨードによる
感作が成立している個体においてアレルギー反応を惹起
させる性質のあることが示唆された。
実験例2 ヨード化チロシン誘導体の感作原性を検討した。
チロシン誘導体としてトリチロシンを選び、これをヨ
ード化したヨード化トリチロシンをモルモットに感作し
た。また陽性対照としてモルモット血清アルブミン(GS
A)のヨード化物を対照群のモルモットに感作した。感
作成立の有無は、全身性アナフィラキシー(ASA)反
応、及び受身皮膚アナフィラキシー(PCA)反応により
検索した。
感作:ヨード化トリチロシンまたはヨード化GSAをフロ
インド完全アジュバントを用いたエマルジョンとし、1
回量10mg/動物(2.5mgを4カ所)を2週間間隔で3回、
背部皮下へ投与することにより感作した。
ASA反応:最終感作の翌週に、ヨード化GSA(1mg/動物)
を静脈内投与することにより、反応を惹起させた。この
後にアナフィラキシーショックを呈した個体を陽性と判
定した。
PCA反応:最終感作の翌週に採血した血清を、生理食塩
水を用い5倍希釈し、この0.1mlを正常なモルモットの
背部皮内に投与し、4時間後にヨード化GSA(1mg/動
物)とエバンスブルー溶液を静脈内投与することによ
り、反応を惹起させた。皮内投与部位に5mm以上の色素
漏出斑が出現した場合を陽性とした。
結 果 結果を表2に示す。
表2から明らかなように、陽性対照群であるヨード化
モルモット血清アルブミン(ヨード化GSA)感作群で
は、ASA反応及びPCA反応共に全例が陽性であったが、ヨ
ード化トリチロシン感作群ではASA反応及びPCA反応共に
全例が陰性であった。即ち、ヨード化トリチロシンを感
作しても抗ヨード抗体は産生されなかった。従って、ヨ
ード化トリチロシンに感作原性はないことが示唆され
た。
実験例3 本発明は、ヨードアレルギーの抗原決定基がジヨード
チロシン残基であるという発見に基づく発明で、ジヨー
ドチロシン残基が複数に含まれる化合物を用いて皮膚反
応試験を実施することにより、ヨードアレルギーを診断
することが出来る。
ヨードアレルギーの抗原決定基がジヨードチロシン残
基であるという発見は次のようにして明らかとなった。
モルモットの皮下に1mgの沃素を含む沃素・ヨードカ
リ溶液をフロインドの完全アジュバント処理して、2週
間隔で7回投与して動物を免疫し、抗ヨード免疫血清を
採取した。この血清の抗体価は、ヨード化モルモット血
清アルブミン(I−GSA)をコートした96穴マイクロプ
レートによる酵素免疫測定(ELISA)法により測定し
た。ヨードアレルギーの抗原決定基はELISA阻止反応に
より調べた。阻止活性は次の化合物、即ち、ヨードカ
リ、チロシンおよびその誘導体として、L−チロシン、
モノヨード−L−チロシン、ジヨードチロシン、ヘキサ
ヨード−L−トリチロシン、L−ヘキサチロシン、12ヨ
ード−L−ヘキサチロシン、または沃素含有X線造影剤
であるアミドトリソ酸、ヨーダミド、イオキサグル酸、
イオヘキソール、イオパミドール、イオメプロールにつ
いて調べた。
ELISA阻止反応は次のようにして実施した。
抗ヨード免疫血清は、100倍希釈でELISAの吸光度が最
大値を与える抗体濃度であった。そこで、抗ヨード免疫
血清を生理食塩液で50倍より順次2倍希釈により7段階
希釈し、これに阻害活性を調べる化合物溶液を等用量加
え、4℃に一夜置いたのち、ELISAにより抗体価を測定
した。対照として燐酸緩衝生理食塩液(PBS)を用い
た。PBS添加におけるELISAの吸光度が、血清の100倍希
釈における最大吸光度(OD415nm=2.6)の50%を前後す
る吸光度を与える血清希釈において、各化合物のELISA
阻止活性を求めた。その値は、計算式 阻止率= [1−(化合物添加における吸光度/PBS対照の吸光
度)〕×100% によって求めた値により表に示し、その値より判定した
阻止活性の有無を阻止活性陽性(+)又は、阻止活性陰
性(−)とした。その結果を表3に示した。
次に、阻止活性の強さを測定するために、抗ヨード免
疫血清の希釈を50倍の一定とし、阻害活性を有する化合
物の濃度をジヨード−L−チロシンについては20mM、12
ヨード−L−ヘキサチロシンについては2mMより、また
ヘキサヨード−L−トリチロシンについては4mMより、
それぞれ2倍段階希釈して、希釈抗血清に等用量を加
え、ELISA阻止反応を実施した。阻害活性は、最大吸光
度を半分に減少させるのに必要な濃度(OD50)で表し
た。その結果を表4に示した。
以上の成績から、ヨードアレルギーの抗原決定基は無
機のヨードイオンではないこと、チロシン残基に沃素が
2原子置換した構造が必須で、沃素原子が1原子置換し
た構造は抗原として認識されないこと、さらに、沃素含
有X線造影剤はイオン性造影剤、非イオン性造影剤を問
わず、抗原決定基とはならないことがわかった。
〔実 施 例〕
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 ヘキサヨード化トリチロシンの合成 L−Tyr−Tyr−Tyr(250mg)を50mM炭酸アンモニウム
緩衝液pH9.4(20ml)に加え、更に1N NaOHを加え溶解
し、これに1N NaOHを加えつつ、0.5Mヨウ素ヨウ化カリ
ウム(5.6ml)を少量ずつ、室温で10分間反応させた。
未反応のヨウ素をチオ硫酸ナトリウムを用い分解した。
この後、1N塩酸を用いpH3とした。これに酢酸エチルを
加え抽出した。酢酸エチル層を集め、硫酸マグネシウム
により脱水後、濾過した。これをエバポレーターを用い
濃縮した後、n−ヘキサンを加え析出した結晶を濾取し
た後、乾燥(50℃、30分)し、標題化合物を236mg得
た。
分解点:170℃1 H−NMR(CD3OD)δ(ppm): 2.81(1H,dd,J=10,15Hz),2.89(1H,dd,J=9,15H
z),2.95(1H,dd,J=8,14Hz),3.11(1H,dd,J=5,15H
z),3.13(1H,dd,J=6,14Hz),3.15(1H,dd,J=4,15H
z),4.00(1H,dd,J=4,9Hz),4.61(1H,dd,J=5,10H
z),4.64(1H,dd,J=6,8Hz),7.70(2H,s),7.73(2H,
s),7.74(2H,s) MASS(FAB)M+H+=1264 実施例2 テトラヨード化ジチロシンの合成 L−Tyr−Tyr−Tyrの代わりにL−Tyr−Tyr(317mg)
を用いる以外は実施例1と同様に処理し、標題化合物を
295mg得た。
分解点:160℃1 H−NMR(CD3OD)δ(ppm): 2.91(1H,dd,J=9,15Hz),2.95(1H,dd,J=9,14Hz),
3.15(1H,dd,J=5,14Hz),3.19(1H,dd,J=5,15Hz),4.
03(1H,dd,J=5,9Hz),4.60(1H,dd,J=5,9Hz),7.69
(2H,s),7.76(2H,s) MASS(FAB)M+H+=849 実施例3 3,5,3',5'−テトラヨード化ジチロシルフェニルアラニ
ンの合成 L−Tyr−Tyr−Tyrの代わりにL−Tyr−Tyr−Phe(40
mg)を用いる以外は実施例1と同様に処理し、標題化合
物を43mg得た。
分解点:110℃1 H−NMR(CD3OD)δ(ppm): 2.77(1H,dd,J=10,14Hz),2.81(1H,dd,J=9,15H
z),3.08(1H,dd,J=8,14Hz),3.10(1H,dd,J=4,15H
z),3.26(1H,dd,J=5,14Hz),3.98(1H,dd,J=4,9H
z),4.65(1H,dd,J=5,10Hz),4.74(1H,dd,J=5,8H
z),7.3(5H,m),7.71(2H,s),7.74(2H,s) MASS(FAB)M+H+=996 実施例4 12ヨード化ヘキサチロシンの合成 L−Tyr−Tyr−Tyrの代わりにL−Tyr−Tyr−Tyr−Ty
r−Tyr−Tyr(20mg)を用いる以外は実施例1と同様に
処理し、標題化合物を34mg得た。
MASS(FAB)M+H+=2509
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−120296(JP,A) J.Labelled.Compd. Radiopharm.,1980,17 (6),p.901−909 Experientia,1985,41 (3),p.385−387 Analytical Bioche mistry,1993,210,p.129− 135 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 39/367 C07C 237/20 - 237/22 C07C 5/065,5/087 C07C 5/107,7/06 A61K 49/00 A

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(IV)で表される2,6−ジ−ヨードフェ
    ノール−4−イルを少なくとも2ケ含む式(V)で表さ
    れる化合物。 【化1】 (式中、それぞれRは同一又は異なって、水素原子又は
    ヨウ素原子を示し、nは3〜8であり、そのうち、式
    (IV)で示される基を少なくとも2ケ以上有するように
    Rは選択される。)
  2. 【請求項2】式(VI)で表される請求項1に記載の化合
    物。 【化2】
  3. 【請求項3】式(VIII)で表される化合物。 【化3】
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の化合物か
    らなるヨードアレルギー診断薬。
  5. 【請求項5】式(VII)で表される化合物からなるヨー
    ドアレルギー診断薬。 【化4】
JP53020195A 1994-05-24 1995-05-24 2,6−ジ−ヨードフェノール−4−イルを少なくとも2ケ含む化合物とヨードアレルギー診断薬 Expired - Fee Related JP3349513B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10937494 1994-05-24
JP6-109374 1994-05-24
PCT/JP1995/000997 WO1995032173A1 (fr) 1994-05-24 1995-05-24 Compose porteur de deux groupes 2,6-diiodophenol-4-yl et medicament de diagnostic de l'allergie a l'iode

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3349513B2 true JP3349513B2 (ja) 2002-11-25

Family

ID=14508624

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP53020195A Expired - Fee Related JP3349513B2 (ja) 1994-05-24 1995-05-24 2,6−ジ−ヨードフェノール−4−イルを少なくとも2ケ含む化合物とヨードアレルギー診断薬

Country Status (3)

Country Link
US (1) US5780509A (ja)
JP (1) JP3349513B2 (ja)
WO (1) WO1995032173A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IT1282627B1 (it) * 1996-02-14 1998-03-31 Ausimont Spa Procedimento per la preparazione di perfluoropoliossialchileni perossidici
GB201613035D0 (en) * 2016-07-28 2016-09-14 Univ Oxford Innovation Ltd Compound
CA3162156A1 (en) * 2019-12-04 2021-06-10 Universitaet Zuerich Contrast agent for 3d ex vivo imaging of vascular and tubular structures in the kidney

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ZA907743B (en) * 1989-10-03 1991-07-31 Merrell Dow Pharma Radiolabeled anticoagulant peptides

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Analytical Biochemistry,1993,210,p.129−135
Experientia,1985,41(3),p.385−387
J.Labelled.Compd.Radiopharm.,1980,17(6),p.901−909

Also Published As

Publication number Publication date
WO1995032173A1 (fr) 1995-11-30
US5780509A (en) 1998-07-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Vojdani For the assessment of intestinal permeability, size matters
JP2005509412A5 (ja)
CN101384279B (zh) 抗淀粉样蛋白免疫原性组合物、方法和用途
TW200418993A (en) Huntington's disease
PT2405749E (pt) Terapia de acetato de glatirâmero de baixa frequência
JPH0563453B2 (ja)
CN108743976A (zh) 基于低-z原子的肠ct造影材料
JP3349513B2 (ja) 2,6−ジ−ヨードフェノール−4−イルを少なくとも2ケ含む化合物とヨードアレルギー診断薬
Kupfer et al. Gallstone dissolution rate during chenic acid therapy: effect of bedtime administration plus low cholesterol diet
Durno et al. Keeping an eye on Crohn’s disease: orbital myositis as the presenting symptom
Budd et al. Evaluation of intradermal skin tests in penicillin hypersensitivity
Popović et al. Primary bile acid malabsorption: Histologic and immunologic study in three patients
Kramps et al. Occupational asthma due to inhalation of chloramine-T: II. demonstration of specific IgE antibodies
US20120195891A1 (en) Methods, compositions, and kits for treating shiga toxin associated conditions
JP2001511774A (ja) 診断学的及び治療学的適用のためのウレアーゼ反応性輸送系
WO2008127642A1 (en) Myelin specific ige unencumbered by corresponding blocking antibodies as a causative factor in multiple sclerosis
KR20170096908A (ko) 베타-아밀로이드 올리고머에 대한 압타머 및 이의 용도
RU2116652C1 (ru) Способ выявления поражений эпителия желудка и применение дисахаридов для этой цели
US20090258010A1 (en) Methods, compositions, and kits for treating shiga toxin associated conditions
JPH06293667A (ja) ヨウ素含有医薬品製剤
EP3137094A1 (en) Treatment and prevention of alzheimer's disease (ad)
Hara et al. Autoimmune autonomic ganglionopathy manifesting as acute-onset orthostatic hypotension in a patient undergoing peritoneal dialysis
Janković et al. Cerebral atrophy an immunological disorder?
NZ237161A (en) Serum diagnostic drug and cancer vaccine containing at least one episialo complex carbohydrate
US20230284994A1 (en) Pet-ct imaging methods, contrast agents and pharmaceutical compositions for use in said imaging methods

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070913

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080913

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090913

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100913

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110913

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110913

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120913

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees