JP3348739B2 - 電子ビームテスタの電圧波形測定方法 - Google Patents
電子ビームテスタの電圧波形測定方法Info
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Description
に使用される電子ビームテスタによる電圧波形測定方法
に関し、特に、電圧波形測定方法におけるスライスレベ
ルの補正方法及び設定方法に関する。
定点に電子ビームを照射し、照射点から放出される二次
電子を検出し、二次電子信号量を電圧値に変換すること
によって、試料の測定点の電圧波形を測定している。
射すると、照射点にコンタミネーションが付着したり、
帯電するという問題が生じる。これらが原因となり、電
圧波形測定中に二次電子のエネルギ分析器に印加する電
圧を変化させることによって得られる測定点の電圧波形
の各位相点での検出二次電子信号量の変化曲線(以下、
Sカーブという)の形状変化が発生する。
Sカーブと予め求めていたスライスレベルとの交点を与
える分析電圧を求めることによって行われるので、この
ように測定途中でSカーブの形状変化が生じた場合、測
定波形の精度が低下したり測定が不安定になったりす
る。
合、その変化に応じてスライスレベルを補正し、測定精
度や安定性を維持する必要がある。
ドリフト,シフトといったものが複合して生じることが
あり、スライスレベルの補正を適切に行うことは困難で
あった。
上記問題点を更に説明する。
照射点にコンタミネーションの付着や帯電といった問題
が生じることが知られている。これが原因で測定中にS
カーブ形状の変化が生じ、測定に影響を及ぼすことが少
なくない。
点によるSカーブの変化を示しており、図12(A),
(B),(C)はそれぞれSカーブの振幅低下,シフ
ト,ドリフトを示したものである。そして、図13は従
来法による補正スライスレベルの位置を示したものであ
り、図13(B),(C)の場合、補正SL の設定に誤
りが生じている。
や、Sカーブのドリフトが生じた場合、固定スライスレ
ベルではSカーブの飽和レベルを越えてしまったり、過
大なフィードバックが生じるなど、電圧波形測定に大き
な影響を及ぼす。そのため、振幅低下の際にスライスレ
ベルSL の補正が必要となる。
スライスレベルSL の補正を行う必要はない。しかし、
振幅低下とシフトが同時に発生することが多く、それぞ
れを分離して検出する方法がないため、この場合にもス
ライスレベルの補正が必要となる。
ルの設定法を示す。
形である。図14(A)のSカーブでの部分をSカー
ブのベースレベル,の部分を立ち上がり領域,の部
分をSカーブの飽和状態と定義すれば,の部分は飽
和状態へ移行する遷移領域あるいは遷移点である。一般
に、のSカーブの立ち上がり領域は、測定電圧が変化
すれば平行移動するため、この移動量を求めることで電
圧測定を行う。しかし、の遷移領域は、立ち上がり領
域よりも平行移動量が大きい場合や小さい場合があり、
正確な測定をこの領域では行うことは困難である。
4(B)の様にSカーブの飽和レベルがLOWレベル
位相とHIGHレベル位相では分離してしまう。しか
も、測定配線の周辺の配線も動作しているため、周辺の
配線の作る電界によってSカーブ形状変化が生じ、特
に、飽和レベルが一定とならず図14(C)に示すよう
な形状となることが少なくない。このため、電圧波形測
定では、どのレベルにスライスレベルを設定するかが、
測定精度に大きく影響を及ぼす。
定方法は、理想的なSカーブ形状を対象としてSカーブ
のベースレベルSmin と最大値Smax を検出し、そのS
minとSmax との間にスライスレベルを設定するもので
ある。
レベルを設定するとすれば、理想的なSカーブに対して
は図14(A)に示すようにスライスレベルSL が設定
される。また、局所電解効果がある場合、図14(B)
のように飽和レベルが分離した場合でも、Sカーブの
最大値のうち小さいほうをSmax とすれば、図14
(B)に示すようにスライスレベルSL が設定される。
と、Smax をSカーブの最大値のうち小さいほうにとっ
ても図14(C)のようにスライスレベルが設定されて
しまい、電圧波形を正しく測定することが出来なくなっ
てしまう。つまり、Sカーブの飽和レベルへの遷移点
(飽和点)を越えてスライスレベルが設定されてしま
う。後述する図7(B)は、図14(C)のSカーブの
ような場合に、遷移領域にスライスレベルが設定された
場合の測定波形である。この図7(B)のように、HI
GH位相側の波形形状が変化してしまう。
においてスライスレベルを適切に設定することができる
設定方法を提供することにある。
テスタにおいてスライスレベルを適切に補正することが
できる補正方法を提供することにある。
ームテスタにおいて収束係数を適切に設定することがで
きる設定方法及びその収束係数の評価方法を提供するこ
とにある。
テスタの電圧波形測定方法は、二次電子のエネルギ分析
器に印加する電圧を変化させることによって得られる二
次電子信号量の変化曲線とスライスレベルとの交点を与
える分析器印加電圧を求めることによって、該二次電子
信号量を電圧値に変換して測定点の電圧波形とする電子
ビームテスタの電圧波形測定方法において、LOW位相
及びHIGH位相で求めた被測定波形の変化曲線を微分
することにより該変化曲線が飽和領域へ移行する遷移点
に対応する二次電子信号量を検出し、スライスレベルを
前記二次電子信号量よりも小さく設定し、前記LOW位
相に対応して検出された二次電子信号量SmaxLとし、
前記HIGH位相に対応して検出された二次電子信号量
SmaxHとし、SmaxL又はSmaxHのうち小さいほうを
Smaxとし、前記変化曲線のベースレベルをSminとし
て、スライスレベルXをSminとSmaxとの間に設定する
ことを特徴とする。
圧波形測定方法は、二次電子のエネルギ分析器に印加す
る電圧を変化させることによって得られる二次電子信号
量の変化曲線とスライスレベルとの交点を与える分析器
印加電圧を求めることによって、該二次電子信号量を電
圧値に変換して測定点の電圧波形とする電子ビームテス
タの電圧波形測定方法において、LOW位相で求めた被
測定波形の変化曲線の微分極大値に対応する二次電子信
号量SmaxLとし、HIGH位相で求めた被測定波形の
変化曲線の微分極大値に対応する二次電子信号量Smax
Hとし、SmaxL又はSmaxHのうち小さいほうをスライ
スレベルXに設定することを特徴とする。
圧波形測定方法は、二次電子信号量の変化曲線の振幅変
化と変化曲線の上下へのドリフトが生じた場合に、その
時のスライスレベルをSLとし、スライスレベルSLと前
記変化曲線の交点における収束係数をC1とし、前記変
化曲線のベースレベルをSb1とし、前記変化曲線の変化
後のスライスレベルSLでの収束係数をC2とし、その時
の前記変化曲線のベースレベルをSb2とした場合、スラ
イスレベルの補正量dSLを
の補正を行うことを特徴とする。
圧波形測定方法は、二次電子信号量の変化曲線の振幅変
化と変化曲線の上下へのドリフトが生じた場合に、前記
変化曲線のベースレベル(Sb1,Sb2)の変動を無視し
てSb2をSb1とし、スライスレベルの補正量dSLを以
下の式で求め、
線ベースレベルを測定しておくことによって、測定中に
おけるスライスレベルの補正量dSLを収束係数の変化
であるC2−C1を調べることによって求め、該補正量に
基づいてスライスレベルの補正を行うことを特徴とす
る。
圧波形測定方法は、二次電子のエネルギ分析器に印加す
る電圧を変化させることによって得られる二次電子信号
量の変化曲線とスライスレベルとの交点を与える分析器
印加電圧を求めることによって、該二次電子信号量を電
圧値に変換して測定点の電圧波形とする電子ビームテス
タの電圧波形測定方法において、LOW位相レベルでの
収束係数をCC(LOW)とし、HIGH位相レベルでの
収束係数をCC(HIGH)とし、係数Prを以下の式で求
めた場合、
圧波形測定方法は、前記特定位相における分析電圧差を
ΔVrとし、当該分析電圧差ΔVrを有する2つのサンプ
リング点における複数回のサンプリングによる二次電子
信号量の差ΔSの平均値をΔSMEANとし、そのノイズ成
分をεとし、かつ、ε/ΔSMEAN<<1である場合に、
求める前記特定位相における収束係数Cを、
の平均値)として求めることを特徴とする。
圧波形測定方法は、複数回のサンプリングによる二次電
子信号量の差ΔSの分散をσdsとした場合に、収束係数
のS/Nを、
特徴とする。
説明すると、スライスレベルはベースレベルと飽和レベ
ルとの間に設定されることが必要条件である。しかし、
従来法では飽和レベルがどこになるか検出することがで
きず、電圧波形測定に影響を及ぼしていた。そこで、本
発明では変化曲線の飽和レベルへの遷移点を検出し、前
記遷移点を越えないようにスライスレベルの初期設定レ
ベルを設定する。
測定方法では、飽和点の検出方法は、Sカーブの微分
カーブ(微分Sカーブ)をLOW位相と,HIGH位相
の2本求め、微分カーブと0レベルの交点をそれぞれの
遷移点とする方法(図4(A),(B))である。
は、飽和点の検出方法は、Sカーブの微分カーブの極大
値に基づいてスライスレベルを設定する方法(図5
(A),(B))、である。
圧波形測定方法は、スライスレベルの補正量dSLを
圧波形測定方法は、スライスレベルの補正量dSLを以
下の式で求め、
線ベースレベルを測定しておくことによって、測定中に
おけるスライスレベルの補正量dSLを収束係数の変化
であるC2−C1を調べることによって求め、該補正量に
基づいてスライスレベルの補正を行う。従って、上記式
に基づいて、スライスレベルの補正量dSLを収束係数
変化(C2−C1)のみから求めることができる。
測定方法では、特定位相であるLOW位相レベルでの収
束係数をCC(LOW)とし、特定位相であるHIGH位
相レベルでの収束係数をCC(HIGH)とし、係数Pr=
(HIGH位相レベル点数/全位相点数)とした場合、
求める重み付収束係数CCwを、
た収束係数を求めることができ、正しいフィードバック
制御が行われる。
圧波形測定方法は、特定位相における収束係数Cを、
の平均値) として求めるので、所望の精度で収束係数を求めること
が可能となる。
圧波形測定方法では、収束係数のS/Nを、
ことができるので所望の精度で収束係数を求めることが
できる。
を説明する。電子ビームテスタの構成 まず、図2に電子ビームテスタの構成のブロック図を示
す。
は、試料12がステージ14上に載置されており、電子
銃16からの電子ビームEBは、磁界レンズ18,パル
ス化用偏光板20,パルス化用アパチャー22,磁界レ
ンズ24,偏向器26,分析グリッド28,バッファグ
リッド30,引出しグリッド32,対物レンズ34を介
してステージ14上の試料12に照射され、前記試料1
2からの2次電子SEは検出器36により検出される。
この検出器36では、2次電子信号量が電圧値に変換さ
れ、前記電圧値はアンプ38で増幅され、A/D変換器
40でディジタル信号に変換された後、コンピュータ4
2に供給される。なお、コンピュータ42にはキーボー
ド44及び表示装置46が接続されている。
御して電子ビーム円筒10を制御する。また、コンピュ
ータ42はクロック発生器50を制御してクロックφ1
及びφ2を出力させる。クロックφ1はカウンタ52に供
給され、そのカウント値がディレイユニット54に供給
されるとともに、コンピュータ42に供給される。ま
た、クロックφ2はテスト信号発生回路56に供給さ
れ、前記テスト信号発生回路56はクロックφ2に基づ
くタイミングで試料12へのテスト信号を制御する。ク
ロックφ2は更にディレイユニット54に供給され、前
記ディレイユニット54はクロックφ2に基づくタイミ
ング及びカウンタ52からのカウント値に従って、A/
D変換器40を制御するとともに電子ビーム円筒10を
制御する。スライスレベルの補正方法 図1には本発明の実施例によるスライスレベルの補正方
法を説明するためのグラフが示されている。
リフトがある場合を考えており、この場合、2次電子信
号量に関してのスライスレベルSL ,ベースレベル
Sb1,Sb2は次の(1)式のようになる。
Sカーブの交点を与える分析電圧であり、V2−V1はS
カーブのシフト量を示す。なお、b,cは図1に示され
るように、Sカーブの傾斜部の延長線と縦軸との交点を
示す。
(1)´式は次のように変形される。
量dSLを求めることができる。
は、電圧波形測定が行われる短時間にはあまり発生する
ことはなく、発生してもほとんど無視できる量である。
そのため、ベースレベルを測定前に予め求めておくこと
によって、Sb1=Sb2=Sb とすることができ、上記
(2)式は次のように変形される。
正量dSLを収束係数変化(C2−C1)のみから求める
ことができる。
レベル、C1,C2はフィードバック1回目と2回目にお
ける収束係数であり、V1,V2はSカーブのベースレベ
ルSbとSカーブの交点を与える分析電圧、V3,V4は
スライスレベルSLとSカーブとの交点を与える分析電
圧、dSLはスライスレベルの補正量である。
形を示す。
ち下がりあるいは立ち上がり部分が鈍ってしまい、正し
い波形を測定することができない。一方、図3(B)の
本発明の実施例の場合には、正しい電圧波形を測定する
ことができている。スライスレベルの設定方法 スライスレベルを設定する際には、Sカーブの飽和レベ
ルへの遷移点を検出し、前記遷移点を越えないようにス
ライスレベルの初期設定レベルを設定する。ここで、飽
和レベルへの遷移点である飽和点の検出方法としては、
微分Sカーブ法、Sカーブシフト法があり、以下、
両方法について説明する。微分Sカーブ法 本方法では、図4及び図5に示されるように、まず2本
のSカーブ(LOW位相レベル及びHIGH位相レベ
ル)を取得する。この場合において、取得SカーブのS
/Nを向上させるため、Sカーブを複数回加算すること
ができる。ここで、取得Sカーブは従来の取得点数の4
倍のデータ間隔(1/4のデータ点数)で取得し、この
離散Sカーブに対して微分Sカーブを平滑化微分法で求
める。これは、Sカーブの取得時間の短縮とデータに含
まれるノイズを除去する効果があり、滑らかな微分Sカ
ーブを取得することが可能である。
求めた微分Sカーブと0レベルとの交点VLOW,VHigh
となる。求めたLOW位相レベルおよびHIGH位相レ
ベルでの2つの遷移点VLOW,VHighに対応するSmaxL
とSmaxHを比較し、小さいほうをSmaxとして、Smin
とSmaxとの間にスライスレベルを設定する。
ように、微分Sカーブの極大値DL,DHを検出し、そ
の極大値DL,DHに対応するSカーブのレベルにS
maxL,SmaxHのうち小さいほうにスライスレベルを設
定する方法もある。この理由としては、微分Sカーブの
極大値DL,DHはSカーブの傾きが最も大きくなる場
所であるため、収束係数がSカーブの傾きの逆数と定義
すると、フィードバックが早くなるという効果があるか
らである。この時の微分Sカーブの極大値DL,DHの
検出法としては、まず、微分Sカーブの最大値を求め、
最大値の1/2をスライスレベルslとして、slを越
える範囲でピーク検出を行う。この検出方法によれば、
ベースレベル付近のノイズ成分による微小なピークを誤
って極大値として検出することを防ぐことが可能とな
る。Sカーブシフト法 図6(A),(B)はSカーブの遷移点を、LOW位相
レベルおよびHIGH位相レベルのSカーブのシフト量
からも求める方法を示したものであり、本方法では、遷
移点を境にシフト量が急激に変化することを利用する。
このシフト量の変化点を遷移点Smaxとし、SminとS
maxとの間にスライスレベルを設定する。
の測定例が示されている。図7(B)のスライスレベル
が遷移点を越えて設定された場合(従来例)と比較し
て、図7(A)のスライスレベルが遷移点より下に設定
された場合(本発明の実施例)では正しい電圧波形を測
定することができている。収束係数の評価方法 次に、半導体集積回路の判断等に使用されている電子ビ
ームテスタによる電圧波形測定に用いられる収束係数の
評価方法について説明する。
グリットに与える分析電圧Vr を最低値から最大値まで
掃引すると、分析グリッドを通過して分析器に補足され
る二次電子の量は、上記の掃引動作に伴って、ほぼS字
上に変化する。すなわち、所定の最小値で安定的に推移
する段階から、関数カーブを描きつつ急激に増大する段
階を得た後、所定の最大値に至って安定化するようなS
字状のカーブを描く。
であり、横軸は分析電圧Vr の大きさ、縦軸は二次電子
信号量を表している。SL はスライスレベル(以下、目
標電圧)であり、この目標電圧と分析器の出力が一致す
るように分析電圧をフィードバックする。
電子信号量が得られた場合には、Sカーブに沿って「α
(S0−SL )」だけ右側にずらされた新たな分析電圧
VR1になり、さらに、このVR1に対して得られたS1を
用いて「α(S1−SL )」だけ右側にずらされた新た
な分析電圧VR2になる。すなわち、この例では、Sカー
ブの傾きが小さい領域では、分析電圧を増大側(但し、
S0<SL のとき、S0>SL の時は減少側)に大きく
変化させる一方、Sカーブの傾きが大きい領域では分析
電圧を増大側(但し、S1<SL のとき、S1>SL の
時は減少側)に小さく変化させるようにして徐々に目標
電圧SL に収束させている。
(いわゆる収束係数)であり、図8(B)に示すよう
に、SカーブとスライスレベルSL の交点に接する直線
の傾きβの逆数(但し、符号反転)で得られる。すなわ
ち、α=δV/δSである。
られる収束係数は固定であり、測定の前処理として求め
られていた。しかも、固定加算回数の条件のもとで、特
定位相において求めた収束係数は、その評価精度が常に
変動するといった問題点が生じていた。
タミネーションの付着により、二次電子信号量の低下が
起こり、固定収束係数では測定誤差や電圧分解の評価誤
差を引き起こすおそれがあった。
方法では、S/Nを上げるための加算平均回数は固定で
あったため、測定点の二次電子信号量のS/Nが良い場
合には、過度な加算を行い、逆にS/Nが悪い場合に
は、十分な加算平均を行わないため、精度の過不足が生
じている。
占める割合や増加や、精度不足によるフィードバックの
不具合や、測定時間の長大化、電圧分解の評価精度の低
下を招くことになる。
などによりSカーブの振幅低下が生じた場合、固定収束
係数は実際に用いる必要のある収束係数に誤差を生じ、
電圧測定誤差の増加や不安定になる場合がある。
るSカーブの振幅あるいは傾きが変化する。そのため、
特定位相で求めた固定収束係数を全位相の測定に用いる
と不都合が生じる。
で測定を行った場合の電圧波形の例を示す。この図9
(B)の例では、図9(A)の電圧波形(正しい収束係
数で測定を行った場合)と比較して、測定波形に発散が
生じていることが分かる。
に求め、測定中は、その収束係数のみを用いる固定収束
係数であった。しかも、収束係数評価は固定加算回数で
行っていたため、求めた収束係数の精度が良くない場合
もあった。また、特定位相(LOW位相レベル)におい
て求めた収束係数で測定を行っていた。特定位相の収束
係数で全位相を測定した場合、各位相の実際の傾きと異
なる場合がある。特に、収束係数を求めたい位相レベル
が全位相に占める割合が小さい場合、不利な条件でフィ
ードバックを行うことになり、測定の安定性や信頼性を
損なうおそれがある。また、全位相については予め収束
係数を求め、各位相ごとの収束係数を用いてフィードバ
ックすれば良いが、実際には収束係数を前もって求めて
おく処理時間が長くなる。また、測定中に収束係数を評
価し、補正を行う動的収束係数補正方法を用いることに
よって、常に、最適な収束係数で測定を行うと、測定精
度の向上が見込まれる。しかし、この動的収束係数補正
方法で評価される収束係数は全位相の収束係数の平均
値、すなわち、重み付収束係数であるため、測定開始時
に求める収束係数として、特定位相での収束係数を用い
ると、最初のフィードバック時に誤差を大きく含むこと
となり、不都合が生じる。
けた収束係数で最初からフィードバックを行うことが必
要で、従来方法では、S/Nの良い状態で重み付収束係
数を求めることは困難である。
て、特定位相LOW位相レベルおよびHIGH位相レベ
ルの2位相で、それぞれ収束係数を求める。ここで、L
OW位相レベルおよびHIGH位相レベル比は既知であ
るとすると、重み付収束係数CCWは、次のようにな
る。
レベルおよびHIGH位相レベルでの収束係数である。
度よく求めるため、次の方法によって、収束係数を求め
る。
で求めるためには次のようになる。
になる。
ングした二次電子信号差をΔS、その平均値をΔ
SMEAN、そのノイズ成分をεとすると、収束係数Cは次
式で定義される。
MEAN<<1)には、次のようになる。
次電子信号差ΔSの分離をσdsとすると、収束係数のノ
イズ3σ及びそのS/Nは、次のようになる。
差ΔSとその分散σdsに基づいて、収束係数のS/Nを
評価することが可能となり、故に所望の精度で収束係数
を求めることが可能となる。
GH位相において求めた収束係数を用いることによっ
て、測定電圧波形のLOW位相レベル/HIGH位相レ
ベル比を知ることにより、重み付収束係数を得ることが
可能となる。
チャートを示し、ステップ100〜ステップ114の処
理に基づいて重み付収束係数CCWが求められる。
て、次のようにしてもLOW位相レベルおよびHIGH
位相レベルの収束係数を求めることが可能である。
れるから、LOW位相レベルおよびHIGH位相レベル
でのSカーブの微分カーブ(微分Sカーブと呼ぶ)を取
得し、微分Sカーブ法を利用したスライスレベル設定方
法によるスライスレベルに対応した収束係数を求めるこ
とが可能である。
そのスライスレベルとSカーブの交点におけるSカーブ
の傾きは、微分Sカーブから求めることができる。この
ようにして求めた収束係数を用いて、上記と同様に重み
付収束係数を求めることが可能となる。
正結果の変動と電圧波形の測定結果が示されている。図
11(A)は、最適な収束係数で測定した場合(本方法
の場合)を示している。図11(B)は誤差の大きい収
束係数で測定した場合(従来法の場合)を示しており、
本方法によれば動的スライスレベルの変動が少なく(図
11(A)の左側のグラフ)、適切な電圧波形が得られ
る(図11(A)の右側のグラフ)ことが分かる。
望のS/Nで収束係数を評価することが可能となる。ま
た、測定の安定化を図ることが可能となる。
照射点から放出された二次電子が電圧Vrが印加されて
いる分析器を通り、印加電圧Vrに応じて検出二次電子
信号量が変化することを利用して、検出二次電子信号量
スライスレベルの差が0となるように、分析電圧へフィ
ードバックを行い、測定点の電圧波形を測定する電子ビ
ームテスタにおいて、分析電圧のフィードバック電圧を
求めるために用いられる収束係数を、測定電圧波形のL
OW位相レベルおよびHIGH位相レベルで求め、求め
た2つの収束係数を用いてLOW位相レベルおよびHI
GH位相レベル点数比に応じた重み付収束係数CC W に
変換し、電圧波形測定の収束係数初期値とすることを特
徴とする収束係数評価方法。
束係数評価と収束係数のS/N評価を同時に行い、測定
点の二次電子信号量のS/Nによらずに、所望の精度で
収束係数初期値を求めることを特徴とする収束係数評価
方法。
カーブとスライスレベルの交点を与える分析電圧Vrの
近傍、Vr±dVrの2点間でサンプリングした二次電子
信号量差ΔSを複数回求め、その平均値ΔSMEANとΔS
の分散σdsから、収束係数のS/Nを、
い、測定点の二次電子信号量のS/Nによらずに、所望
の精度で収束係数を求めることを特徴とする収束係数評
価方法。
OW位相レベルおよびHIGH位相レベルの収束係数を
LOW位相レベルおよびHIGH位相レベルのSカーブ
を微分した微分Sカーブから求め、求めた2つの収束係
数を用いてLOW位相レベルおよびHIGH位相レベル
点数比に応じた重み付収束係数CCWに変換し、電圧波
形測定の収束係数初期値とすることを特徴とする収束係
数評価方法。
発明によれば、電子ビームテスタにおいて、スライスレ
ベルを適切に設定することが可能となり、電圧波形測定
を安全かつ正確に行うことができるという効果を奏す
る。
ビームテスタにおいて、スライスレベルを適切に補正す
ることが可能となり、電圧波形測定を安全かつ正確に行
うことができるという効果を奏する。
比に応じた重みを付けた収束係数を求めることができ、
正しいフィードバック制御が行われるので、動的なスラ
イスレベルの変動がなく適切な電圧波形測定を行うこと
ができる。
係数のS/Nを評価することができるので所望の精度で
収束係数を求めることができ、さらに測定の安定化を図
ることができる。
法を説明するためのグラフ図である。
る。
ラフ図であり、(A)は従来法の場合を示し、(B)は
本発明の実施例の場合を示す。
イスレベルの補正方法を説明するためのグラフ図(微分
Sカーブ法を示し、求めた微分Sカーブと0レベルの交
点から遷移点を求める)である。
イスレベルの補正方法を説明するためのグラフ図(微分
Sカーブ法を示し、求めた微分Sカーブの極大値に基づ
いてスライスレベルを設定する)である。
イスレベルの補正方法を説明するためのグラフ図(Sカ
ーブシフト法を示す)である。
(A)はスライスレベルが遷移点より下に設定された場
合(本発明の実施例)を示し、(B)はスライスレベル
が遷移点を越えて設定された場合(従来例)を示す。
(A)は理想的なSカーブを示し、(B)は収束係数α
の概念を示す。
(A)は正しい収束係数で判定を行った場合を示し、
(B)は正しくない収束係数で測定を行った場合を示
す。
る。
波形の測定結果を示すグラフ図であり、(A)は最適な
収束係数で判定した場合を示し、(B)は誤差の大きい
収束係数で測定した場合を示す。
(A)(B),(C)はそれぞれ、Sカーブの振幅低
下、シフト、ドリフトを示す。
フ図であり、(A),(B),(C)は、それぞれ、S
カーブの振幅低下の場合、Sカーブの振幅低下+シフト
の場合、Sカーブの振幅低下+シフト+ドリフトの場合
を示す。
すグラフ図であり、(A),(B),(C)は、それぞ
れ、理想Sカーブの場合、局所電界効果がある場合、従
来法によるスライスレベルの誤設定例を示す。
後)
Claims (7)
- 【請求項1】 二次電子のエネルギ分析器に印加する電
圧を変化させることによって得られる二次電子信号量の
変化曲線とスライスレベルとの交点を与える分析器印加
電圧を求めることによって、該二次電子信号量を電圧値
に変換して測定点の電圧波形とする電子ビームテスタの
電圧波形測定方法において、 LOW位相及びHIGH位相で求めた被測定波形の変化
曲線を微分することにより該変化曲線が飽和領域へ移行
する遷移点に対応する二次電子信号量を検出し、スライ
スレベルを前記二次電子信号量よりも小さく設定し、 前記LOW位相に対応して検出された二次電子信号量S
maxLとし、 前記HIGH位相に対応して検出された二次電子信号量
SmaxHとし、 SmaxL又はSmaxHのうち小さいほうをSmaxとし、 前記変化曲線のベースレベルをSminとして、 スライスレベルXをSminとSmaxとの間に設定すること
を特徴とする電子ビームテスタの電圧波形測定方法。 - 【請求項2】 二次電子のエネルギ分析器に印加する電
圧を変化させることによって得られる二次電子信号量の
変化曲線とスライスレベルとの交点を与える分析器印加
電圧を求めることによって、該二次電子信号量を電圧値
に変換して測定点の電圧波形とする電子ビームテスタの
電圧波形測定方法において、 LOW位相で求めた被測定波形の変化曲線の微分極大値
に対応する二次電子信号量SmaxLとし、 HIGH位相で求めた被測定波形の変化曲線の微分極大
値に対応する二次電子信号量SmaxHとし、 SmaxL又はSmaxHのうち小さいほうをスライスレベル
Xに設定することを特徴とする電子ビームテスタの電圧
波形測定方法。 - 【請求項3】 二次電子のエネルギ分析器に印加する電
圧を変化させることによって得られる二次電子信号量の
変化曲線とスライスレベルとの交点を与える分析器印加
電圧を求めることによって、該二次電子信号量を電圧値
に変換して測定点の電圧波形とする電子ビームテスタの
電圧波形測定方法において、 前記変化曲線の振幅変化と前記変化曲線の上下へのドリ
フトが生じた場合に、 その時のスライスレベルをS L とし、スライスレベルS L
と前記変化曲線の交点における収束係数をC 1 とし、前
記変化曲線のベースレベルをS b1 とし、前記変化曲線の
変化後のスライスレベルS L での収束係数をC 2 とし、そ
の時の前記変化曲線のベースレベルをS b2 とした場合、
スライスレベルの補正量dSLを 【数1】 として求め、該補正量dSLに基づいてスライスレベル
の補正を行うことを特徴とする電子ビームテスタの電圧
波形測定方法。 - 【請求項4】 二次電子のエネルギ分析器に印加する電
圧を変化させることによって得られる二次電子信号量の
変化曲線とスライスレベルとの交点を与える分析器印加
電圧を求めることによって、該二次電子信号量を電圧値
に変換して測定点の電圧波形とする電子ビームテスタの
電圧波形測定方法において、 前記変化曲線の振幅変化と前記変化曲線の上下へのドリ
フトが生じた場合に、前記変化曲線のベースレベル(S
b1 ,S b2 )の変動を無視してS b2 をS b1 とし、スライス
レベルの補正量dSLを以下の式で求め、 【数2】 さらに、ベースレベルをS b1 の測定開始前に前記変化曲
線ベースレベルを測定しておくことによって、測定中に
おけるスライスレベルの補正量dSLを収束係数の変化
であるC 2 −C 1 を調べることによって求め、該補正量d
SLに基づいてスライスレベルの補正を行うことを特徴
とする電子ビームテスタの電圧波形測定方法。 - 【請求項5】 二次電子のエネルギ分析器に印加する電
圧を変化させることによって得られる二次電子信号量の
変化曲線とスライスレベルとの交点を与える分析器印加
電圧を求めることによって、該二次電子信号量を電圧値
に変換して測定点 の電圧波形とする電子ビームテスタの
電圧波形測定方法において、 LOW位相レベルでの収束係数をCC( LOW )とし、H
IGH位相レベルでの収束係数をCC( HIGH )とし、 係数Prを以下の式で求めた場合、 【数3】Pr=(HIGH位相レベル点数/全位相点数) 求める重み付収束係数CC W を、 【数4】 CC W =CC( LOW )+(CC( HIGH )−CC( LOW ))×Pr として求めることを特徴とする電子ビームテスタの電圧
波形測定方法。 - 【請求項6】 請求項5記載の電子ビームテスタの電圧
波形測定方法において、前記特定位相における分析電圧
差をΔV r とし、当該分析電圧差ΔV r を有する2つのサ
ンプリング点における複数回のサンプリングによる二次
電子信号量の差ΔSの平均値をΔS MEAN とし、そのノイ
ズ成分をεとし、かつ、ε/ΔS MEAN <<1である場合
に、求める前記特定位相における収束係数Cを、 【数5】 (但し、C MEAN は複数回のサンプリングによる収束係数
の平均値)として求めることを特徴とする電子ビームテ
スタの電圧波形測定方法。 - 【請求項7】 請求項6記載の電子ビームテスタの電圧
波形測定方法であって、複数回のサンプリングによる二
次電子信号量の差ΔSの分散をσ ds とした場合に、 収束係数のS/Nを、 【数6】 とし、このS/Nに基づいて収束係数を評価することを
特徴とする電子ビームテスタの電圧波形測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18626193A JP3348739B2 (ja) | 1993-07-28 | 1993-07-28 | 電子ビームテスタの電圧波形測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18626193A JP3348739B2 (ja) | 1993-07-28 | 1993-07-28 | 電子ビームテスタの電圧波形測定方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0745674A JPH0745674A (ja) | 1995-02-14 |
JP3348739B2 true JP3348739B2 (ja) | 2002-11-20 |
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ID=16185189
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP18626193A Expired - Fee Related JP3348739B2 (ja) | 1993-07-28 | 1993-07-28 | 電子ビームテスタの電圧波形測定方法 |
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---|---|---|---|---|
CN109633243B (zh) * | 2019-01-22 | 2021-06-18 | 中国科学院上海应用物理研究所 | 一种基于多相位采样的束流信号峰值幅度精确提取方法 |
CN112289698A (zh) * | 2020-10-28 | 2021-01-29 | 天合光能股份有限公司 | 切片电池标片的标定方法 |
-
1993
- 1993-07-28 JP JP18626193A patent/JP3348739B2/ja not_active Expired - Fee Related
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