JP3348457B2 - ポリオレフィンの油化方法 - Google Patents

ポリオレフィンの油化方法

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武彦 守谷
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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリオレフィン、例え
ばポリエチレン、ポリプロピレン等を低粘度あるいは高
粘度の油状物質に改質する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィンは、食品、包装、家庭用品、工業用品など種
々な用途に多量に用いられているが、同時に、これらは
自然界で容易に分解しない廃棄物としても増大する傾向
にあり、その廃棄物処理がますます重要な社会問題とな
っている。
【0003】そのため、廃棄物としてのポリオレフィン
を資源として再利用するための研究も盛んになされてい
るが、未だに十分な処理技術が確立していないのが現状
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、廃棄されるポリオレフィンを有効利用するため、簡
単な方法でポリオレフィンを低粘度ないし高粘度の油状
物質に改質する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため、ポリオレフィンの油化に超臨界水を利用
するという手段を採用した。
【0006】すなわち、本発明は、ポリオレフィンを反
応器内で超臨界水と接触、反応せしめ、油化することを
特徴とするポリオレフィンの油化方法を提供するもので
ある。
【0007】なお、反応器内での水の充填率は、後述の
ように反応器内の圧力の大きさに直接影響し、かつ、得
られる油の粘度に関係し、目的に応じ適宜選択しうる
が、通常、10容量%以上、好ましくは15〜70容量
%の範囲で適宜選択することができる。また、反応温度
は通常、375ないし500℃とすることが好ましい。
【0008】用いられる水としては、純水のほか、必要
に応じて添加物、例えばアルカリ溶液、触媒を含むもの
であってもよい。また、一度用いられた水を再度利用す
ることもできる。
【0009】
【作用】本発明によれば、反応器内での水の充填率、反
応温度、反応時間に応じて、ポリオレフィンを任意の粘
度の油状物質に短時間で改質することができる。
【0010】
【実施例】以下、図示の実施例を参照して本発明をより
具体的に説明する。 (実施例1)
【0011】図1に示すオートクレーブ装置を用いて、
電線用架橋ポリエチレンペレット(直径2mm)の油化
実験をおこなった。図1の装置において、1は反応容器
(容量100ml)、2はキャップ、3はヒーター、4
は熱電対、5は圧力変換器、6は温度コントローラー、
7は記録計、8は動歪計である。
【0012】このポリエチレンペレット10gをまず、
反応容器1に充填し、純水を反応容器の容量に対し20
〜60容量%に変化させて反応容器1に充填しキャップ
2で密封したのち、390〜450℃まで加熱したの
ち、その温度にて3〜12時間保持したのち(反応時
間:3〜12時間)、加熱を停止し室温まで徐冷し、油
相をペンタンで抽出し、ペンタンを除去することにより
油分を得た。その結果、油化率約50〜100%で液
状、またはグリース状の物質に改質されたことが確認さ
れた。
【0013】なお、反応温度415℃、反応時間3時間
における水の充填率と得られた油分の粘度(cP)の関
係を図2に、水の充填率と生成物質との関係を図3に、
GC/MS(5971A、Hewlett Packa
rd)分析による反応温度と生成物質との関係を図4に
示す。
【0014】図2から明らかなように、充填率が40%
のとき最も高い粘度を示した。すなわち、この充填率が
40%の状態を境に気相的雰囲気、あるいは液相的雰囲
気での反応がそれぞれ支配的であったことが推定され
る。また、図2から明らかなように、反応時間を調整す
ることによっても、得られる生成物の粘度をコントロー
ルすることができる。
【0015】また、図3から明らかなように、大部分が
パラフィン系とオレフィン系炭化水素であり、ナフテン
系炭化水素の存在も少量確認された。また、充填率が2
0%の場合、C11〜C15付近に生成物量のピークが見ら
れたが、充填率が40%以上では顕著なピークは見られ
ず、C10〜C30までほぼ同じ割合で生成している。ま
た、C10〜C30のオレフィンの生成割合は、充填率が2
0%のとき、充填率が40%および60%に較べて大き
くなっている。充填率が40%以上では、パラフィンに
対するオレフィンの生成割合の変化は見られない。以上
のことからして、水充填率によって反応雰囲気を気相的
状態から液相的状態へ連続的に変えることができ、パラ
フィンに対するオレフィンの生成割合を変化させること
が期待できる。
【0016】また、図4から明らかなように、440℃
で生成した物質の主成分は415℃の場合と同様に、パ
ラフィン系とオレフィン系炭化水素であり、ナフテン系
炭化水素の存在も少量確認された。しかし、440℃で
は、オレフィン系炭化水素の生成割合は415℃の場合
より減少している。ナフテン系炭化水素の生成割合は両
温度においてほぼ同じである。450℃で得られる油分
は主に芳香族系炭化水素であり、生成したパラフィンと
ナフテンが反応して芳香族化合物が生成したものと考え
られる。
【0017】なお、ガスの発生率は水の充填率が20%
のとき極端に大きくなり、水の充填率が30%以上につ
いては有意差は認められなかった。さらにガスの発生率
は反応温度が高いほど、また反応時間が長いほど多くな
ることが判明した。
【0018】図5は、反応温度415℃、反応時間3時
間での水の充填率と油化率との関係、図6は反応温度4
15℃、水充填率40%での反応時間と油化率との関
係、図7は反応時間3時間、水充填率40%での反応温
度と油化率との関係をそれぞれ示している。これらの結
果に基づき、水充填率、反応温度および反応時間を適当
に選択することにより、所望の成分の油を高い油化率を
以て得ることができることが理解されよう。
【0019】なお、上記実施例では、電線用架橋ポリエ
チレンペレットの油化について説明したが、その他、化
成品廃ポリエチレン、ポリプロピレンについて同様に超
臨界水と接触、反応せしめることにより、上記結果とほ
ぼ同様の傾向を以て油化できることが確認された。ま
た、反応時間は0時間(所定温度に達したのち、直ちに
徐冷する)でも油化できることも確認された。
【0020】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
ポリオレフィンを反応器内で超臨界水と接触、反応せし
めることにより、その反応器内での水の充填率、反応温
度、反応時間に応じて、任意の粘度の軽質油あるいはグ
リース状物質に短時間で改質することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するために用いられるオー
トクレーブの模式図。
【図2】本発明の方法における水の充填率と得られる油
分の粘度との関係を示す線図。
【図3】本発明の方法で得られた炭化水素生成物の種類
と水の充填率との関係を示す線図。
【図4】本発明の方法で得られた炭化水素生成物の種類
と反応温度との関係を示す線図。
【図5】本発明の方法における水の充填率と油化率との
関係を示す線図。
【図6】本発明の方法における反応時間と油化率とのを
示す線図。
【図7】本発明の方法における反応温度と油化率との関
係を示す線図。
【符号の説明】
1…反応容器 2…キャップ 3…ヒーター 4…熱電対 5…圧力変換器 6…温度コントローラー 7…レコーダー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 守谷 武彦 宮城県仙台市青葉区中山7丁目2番1号 東北電力株式会社応用技術研究所内 (72)発明者 石井 四郎 千葉県佐倉市大作2丁目4番2号 (56)参考文献 特開 平5−31000(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10G 1/10 B09B 3/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィンを反応器内で超臨界水と
    接触、反応せしめ、油化するに際し、反応温度を440
    ℃以上として主として芳香族系炭化水素を生成させるこ
    とを特徴とするポリオレフィンの油化方法。
  2. 【請求項2】 該反応器内での水の充填率を10容量%
    以上とすることを特徴とする請求項1記載のポリオレフ
    ィンの油化方法。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィンがポリエチレンであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のポリオレフィンの油化方
    法。
  4. 【請求項4】 予め該反応器内での水の充填率、反応温
    度、及び反応時間と得られる油状物質の粘度との間の関
    係を求め、 生じさせるべき油状物質の粘度の目標値を該関係に参照
    することにより該反応器内での水の充填率、反応温度、
    及び反応時間を含む反応条件を決定し、この反応条件の
    もとで該ポリオレフィンの油化を行うことを特徴とする
    請求項1記載のポリオレフィンの油化方法。
  5. 【請求項5】 該反応器はオートクレーブ装置の反応器
    であることを特徴とする請求項4記載のポリオレフィン
    の油化方法。
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