JP3345997B2 - 誤り訂正符号化復号装置および誤り訂正符号化復号装置を備えたディスクアレイシステムコントローラ - Google Patents

誤り訂正符号化復号装置および誤り訂正符号化復号装置を備えたディスクアレイシステムコントローラ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、誤り訂正処理を行う
符号化復号装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の技術に関する先行技術として
は、特開昭62−269425、特開平4−22815
3、特開平4−287255、特開平3−190327
に掲げるものの他、次に掲げるものがある。図7は、特
開平2−236714に示された、従来のディスクアレ
イ装置を簡略的に示した図であり、図8は図7における
ECC(エラー訂正及び制御)エンジン23のブロック
構成図である。図7において、19はホストコンピュー
タ、20はホストコンピュータと後述のディスクアレイ
コントローラ間のバッファとなるホストインタフェー
ス、21は後述のディスクアレイコントローラ全体を制
御する中央処理装置、22はメモリ、23は冗長データ
の生成及びデータの復元を行うECCエンジン、24は
ホストインタフェース20と中央処理装置21とメモリ
22とECCエンジン23とを共通に接続するデータバ
ス、25はチャネルコントローラであり、チャネルコン
トローラ25も上記データバス24に接続されている。
26はディスク装置、27はチャネルで、複数台のディ
スク装置26が共通のチャネル27を介して上記チャネ
ルコントローラ25に接続される。28はスタンバイデ
ィスク、29は予備チャネルで、複数台のスタンバイデ
ィスク28が共通の予備チャンネル29を介してチャネ
ルコントローラ25に接続される。30は複数台のディ
スク装置26およびスタンバイディスク28を制御する
ディスクアレイコントローラである。
【0003】このように構成された従来のディスクアレ
イ装置における、誤り訂正及びその制御の動作について
図7および図8を用いて説明する。ECCエンジン23
はディスクアレイコントローラ30内にあらかじめ設定
されているソフトウエアと処理を分担して共同して誤り
訂正符号化復号処理を行う。データ書き込み時には、デ
ータはデータバス24上からECCエンジン23へピッ
クアップされ、リードソロモン符号による2種類の冗長
データの計算が行われる(リードソロモン符号は当該技
術分野においては公知の技術であり、その詳細は、今井
樹著「符号理論」(電子情報通信学会編)に記載され
ている。)。ECCエンジン23内において、第1の冗
長データは第1の関数ブロック32により排他的論理和
演算が行われて、この演算結果はDPRAM31に格納
される。また、第2の冗長データは第2の関数ブロック
34によりリードソロモンアルゴリズムによる演算が行
われて、この演算結果はDPRAM33に格納される。
これらの演算を行うためのアルゴリズムは当該技術分野
では周知のアルゴリズムであり、データに特別の多項式
(定数)を乗じることにより行われる。これら2種類の
冗長データの演算結果に基づいてシンドロームが計算さ
れ、シンドロームがゼロでなければ、誤りが生じている
ことになる。ディスクアレイコントローラ30にあらか
じめ設定されているソフトウエアは、ECCエンジン2
3を利用して、誤りの有無を調べ、誤りにより失われた
データの復元が可能か否かを調べることができる。EC
Cエンジン23は、冗長データの生成、すなわち誤り訂
正符号化処理をハードウエア的方法により実現するが、
ディスクアレイシステムにおける誤り訂正の復号処理の
一部分も実現する。しかし、復号処理の大部分はソフト
ウエアの手段により行われる。このソフトウエアは、前
述のように主としてディスクアレイコントローラ30内
にあらかじめ設定されており、複数の誤り発生の状況信
号と生成されたシンドロームとを整合させる。すなわ
ち、ECCエンジン23から提供された冗長性に関する
情報を使って、誤りの数の識別、誤ったデータの特定、
誤りの訂正、誤り発生の報告を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の誤り訂正符号化
復号装置は、前述のように符号化処理と復号処理とに共
通する処理と共通しない処理とに分け、それぞれ別のハ
ードウエアおよびソフトウエアの手段で実現し、また、
符号化処理と復号処理の制御の大部分をソフトウエアで
行っているため、符号化処理と復号処理とを全てハード
ウエアで処理する場合と比較すると、高速に処理できな
いという問題点があった。また、復号処理から符号化処
理へと処理を連続して高速に行う手段も提供されていな
い。
【0005】この発明はかかる問題点を解決するために
なされたものであり、復号処理から符号化処理へと処理
を連続して高速に行う誤り訂正符号化復号装置を得るこ
とを目的とする。また、さらにこの誤り訂正符号化復号
装置をディスクアレイ装置に適用し、ディスク装置が故
障してもデータの読み出し、書き込みおよび故障により
失われたデータの回復を可能とし、ディスクアレイ装置
の高信頼化を図ることをも目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明にかかる誤り
訂正符号化復号装置は、入力されたデータを、復号処理
の対象とするデータと復号処理の対象としないデータと
に分けて、それぞれ出力するデータ入力手段と、データ
入力手段で分けられた、復号処理の対象とするデータの
復号処理を行う復号手段と、データ入力手段で分けられ
た、復号処理の対象としないデータを時間的に遅延させ
て出力する第1の遅延手段と、復号手段および第1の遅
延手段から出力されたデータを、符号化処理の対象とす
るデータと符号化処理の対象としないデータとに分け
て、それぞれ出力するデータ選択手段と、データ選択手
段で分けられた、符号化処理の対象とするデータの符号
化処理を行う符号化手段と、データ選択手段で分けられ
た、符号化処理の対象としないデータを時間的に遅延さ
せて出力する第2の遅延手段と、符号化手段および第2
の遅延手段から出力されたデータを出力するデータ出力
手段と、データ入力手段、復号手段、第1の遅延手段、
データ選択手段、符号化手段、第2の遅延手段、データ
出力手段の制御を行う制御手段とを備えたものである。
【0007】第2の発明にかかる誤り訂正符号化復号装
置は、復号手段における復号処理の時間分データを時間
的に遅延させて出力する第1の遅延手段と、符号化手段
における符号化処理の時間分データを時間的に遅延させ
て出力する第2の遅延手段を備えたものである。
【0008】第3の発明にかかる誤り訂正符号化復号装
置を備えたディスクアレイシステムコントローラは、請
求項第1項および第2項記載の誤り訂正符号化復号装置
に、データ入力手段に入力されるデータ及び前記データ
出力手段から出力されるデータの送受を行うバッファ
と、制御手段に制御信号を与える中央処理装置と、メモ
リとを備えたものである。
【0009】第4の発明にかかるディスクアレイシステ
ムコントローラは、符号化手段は、リードソロモン符号
による生成行列を用いたマトリックス演算による符号化
処理を行い、復号手段は、検査行列を用いてシンドロー
ム算出し誤り数値を算出する復号処理を行うことを特徴
とするものである。
【0010】
【作用】データ入力手段は、入力されたデータを復号手
段へ供給されるべきものと復号手段と第1の遅延手段へ
供給されるべきものとに分けて、それぞれ復号手段およ
び第1の遅延手段とに供給し、データ選択手段は、復号
手段および第1の遅延手段から出力されたデータを、符
号化手段へ供給されるべきものと符号化手段と第2の遅
延手段へ供給されるべきものとに分けて、それぞれ符号
化手段および第2の遅延手段とに供給し、制御手段は、
データ入力手段、復号手段、第1の遅延手段、データ選
択手段、符号化手段、第2の遅延手段、データ出力手段
の制御を行う。
【0011】第1の遅延手段は、復号手段における復号
処理時間分データを時間的に遅延させて出力し、第2の
遅延手段は、符号化手段における符号化処理時間分デー
タを時間的に遅延させて出力する。
【0012】誤り訂正符号化復号装置を備えたディスク
アレイシステムコントローラは、請求項第1項および第
2項記載の誤り訂正符号化復号装置、データ入力手段
に入力されるデータ及びデータ出力手段から出力される
データの送受を行うバッファと、制御手段に制御信号を
与える中央処理装置と、メモリとを備えた。
【0013】ディスクアレイシステムコントローラにお
いて、符号化手段は、リードソロモン符号による生成行
列を用いたマトリックス演算による符号化処理を行い、
復号手段は、検査行列を用いてシンドローム算出し誤り
数値を算出する復号処理を行う。
【0014】
【実施例】実施例1.この発明による誤り訂正符号化復号装置を用いて、復号
処理と符号化処理を連続して行う場合の一実施例につい
て説明する。 図1は、この発明の実施例1に示す誤り訂
正符号化復号装置のハードウエア構成図である。図1に
おいて、10はこの発明にかかる誤り訂正符号化復号装
置、2は入力データを後述の復号手段3へ供給されるべ
きものと後述の第1の遅延手段4へ供給されるべきもの
とに分けて、それぞれ復号手段3および第1の遅延手段
4とに供給するデータ入力手段、3は復号処理を行う復
号手段、4は復号手段3における復号処理時間分データ
を遅延させて出力する第1の遅延手段であり、第1の遅
延手段4は復号手段3と並列に設けられている。また、
5は復号手段3および第1の遅延手段4から出力された
データから、後述の符号化手段6へ供給されるべきもの
と後述の第2の遅延手段7へ供給されるべきものとに分
けて、それぞれ符号化手段6と第2の遅延手段7および
供給するデータ選択手段、6は誤り訂正符号化処理を行
う符号化手段、7は符号化手段における符号化処理時
間分データを遅延させる第2の遅延手段であり、第2の
遅延手段7は符号化手段と並列に設けられている。さ
らに、8は符号化手段6および第2の遅延手段7から出
力されてきたデータを誤り訂正符号化復号装置10外部
に出力するデータ出力手段であり、9はデータ入力手段
2、復号手段3、第1の遅延手段4、データ選択手段
5、符号化手段6、第2の遅延手段7、データ出力手段
8の動作の制御を行う制御手段である。また、データ
力手段2、復号手段3、第1の遅延手段4、データ選択
手段5、符号化手段6、第2の遅延手段7、データ出力
手段8、制御手段9はすべてハードウエアにより構成さ
れるものとする。
【0015】次に動作について説明する。まず、誤り訂
正符号化復号装置10の外部よりデータ入力手段2に入
力データが入力されると、制御手段9から各手段、すな
わち、データ入力手段2、復号手段3、第1の遅延手段
4、データ選択手段5、符号化手段6、第2の遅延手段
7、データ出力手段8に対して復号処理と符号化処理が
連続して行われることを示す制御信号が入力される。デ
ータ入力手段2は、制御手段9からの復号処理に関する
その制御信号に基づき、入力データの中から復号処理に
必要なデータを抽出して復号手段3に出力し、入力デー
タのうち残りのデータ(復号処理に関係せず符号化処理
に必要なデータ)については第1の遅延手段4に出力す
る。復号手段3では、制御手段9からの復号処理に関す
るその制御信号に基づいて復号処理が行われ、復号手段
3はその復号されたデータをデータ選択手段5に出力す
る。一方、第1の遅延手段4では、送られてきたデータ
に対しては何も演算は行われず、復号手段3における復
号処理の時間分データが遅延されてデータ選択手段5に
出力される。制御手段9からのその制御信号に基づき、
データ選択手段5は復号手段で復号されたデータおよび
第1の遅延手段4から遅延されて出力されたデータか
ら、制御手段9からの符号化に関するその制御信号に基
づき、符号化処理に必要なデータを抽出して符号化手段
6へ出力し、それ以外のデータを第2の遅延手段7へ出
力する。符号化手段6では、制御手段9からの符号化に
関するその制御信号に基づき、誤り訂正符号化処理を行
う。そして、符号化手段6は誤り訂正符号化処理により
得られた符号化データを、データ出力手段8に出力す
る。第2の遅延手段7は、符号化手段6における符号化
処理の時間分データが遅延され、データ出力手段8に出
力する。データ出力手段8は、符号化手段6および第2
の遅延手段7から入力されたデータを誤り訂正符号化復
号装置10の外部に出力する。実施例1によれば、入力
データに対し、復号処理と符号化処理を連続して行うこ
とができる。また、データ入力手段2、復号手段3、第
1の遅延手段4、データ選択手段5、符号化手段6、第
2の遅延手段7、データ出力手段8および制御手段9は
ハードウエアで構成されているので処理を高速に行うこ
とができる。
【0016】実施例2.この発明による誤り訂正符号化復号装置を用いて符号化
処理を行う場合の一実施例について説明する。 この発明
の実施例2について説明する。図2は、実施例2での符
号化処理におけるデータフローである。誤り訂正符号化
復号装置10の構成は、実施例1に示した装置と同様な
ものであり、この装置を用いて符号化処理を行う。次に
動作について説明する。まず、誤り訂正符号化復号装置
10の外部よりデータ入力手段2に入力データが入力さ
れると、制御手段9から各手段、すなわち、データ入力
手段2、復号手段3、第1の遅延手段4、データ選択手
段5、符号化手段6、第2の遅延手段7、データ出力手
段8に対して符号化処理が行われることを示す制御信号
が入力される。データ入力手段2は、制御手段9からの
符号化処理に関するその制御信号に基づき、入力データ
の中から符号化処理に必要なデータを抽出して第1の遅
延手段4に出力する。第1の遅延手段4では、送られて
きたデータに対しては何も演算は行われず、適当な時間
分データが遅延されてデータ選択手段5に出力される。
データ選択手段5は第1の遅延手段4から遅延されて出
力されたデータを、制御手段9からの符号化処理に関す
るその制御信号に基づき、符号化手段6へ出力する。符
号化手段6では、制御手段9からの符号化処理に関する
その制御信号に基づき、誤り訂正符号化処理を行う。そ
して、符号化手段6は誤り訂正符号化処理により得られ
た符号化データをデータ出力手段8に出力する。データ
出力手段8は、符号化手段6から出力されたデータを誤
り訂正符号化復号装置10の外部に出力する。実施例2
では第1の遅延手段4におけるデータの遅延時間は、特
に規定しなかったが、遅延時間をゼロにすることも、ま
た任意の時間に設定してもよい。実施例2によれば、実
施例1に示す誤り訂正符号化復号装置10を用いて誤り
訂正符号化処理を行うことができる。
【0017】実施例3.この発明による誤り訂正符号化復号装置を用いて復号処
理を行う場合の一実施例について説明する。 この発明の
実施例3について説明する。図3は、実施例3での復号
処理におけるデータフローである。装置の構成は、実施
例1に示した装置と同様であり、この装置を用いて復号
処理を行う。次に動作について説明する。まず、誤り訂
正符号化復号装置10の外部よりデータ入力手段2に入
力データが入力されると、制御手段9から各手段、すな
わち、データ入力手段2、復号手段3、第1の遅延手段
4、データ選択手段5、符号化手段6、第2の遅延手段
7、データ出力手段8に対して復号処理が行われること
を示す制御信号が入力される。データ入力手段2は、制
御手段9からの復号処理に関するその制御信号に基づ
き、入力データの中から復号処理に必要なデータを抽出
して復号手段3に出力する。復号手段3では、制御手段
9からの復号処理に関するその制御信号に基づいて復号
処理が行われ、復号手段3はその復号されたデータをデ
ータ選択手段5に出力する。制御手段9からのその制御
信号に基づき、データ選択手段5は復号手段で復号され
たデータを第2の遅延手段7へ出力する。第2の遅延手
段7は適当な時間分データが遅延され、データ出力手段
8に出力する。データ出力手段8は第2の遅延手段7か
ら出力されたデータを誤り訂正符号化復号装置10の外
部に出力する。実施例3では、第2の遅延手段7におけ
るデータの遅延時間は、特に規定しなかったが、遅延時
間をゼロにすることも、任意の時間に設定してもよい。
実施例3によれば、実施例1に示す誤り訂正符号化復号
装置10を用いての復号処理を行うことができる。
【0018】実施例4. 実施例1に示す誤り訂正符号化復号装置を、ディスクア
レイ装置の誤り訂正に応用した例を示す。図4は、実施
例4に示すディスクアレイ装置全体の構成図であり、前
記従来例と同一または相当部分については同一の符号を
付しその説明は省略する。実施例4においては、図4に
示すように、ディスクアレイ装置全体の構成は、ディス
クアレイ装置全体を統括制御するディスクアレイコント
ローラ100が、ホストインタフェース20を介してホ
ストコンピュータ19と一端で接続し、また、ディスク
アレイコントローラ100の内部に配置した従来のチャ
ネルコントローラ25a〜25fの代わりに、ディスク
アレイコントローラ100の外部にSCSIインタフェ
ース17a〜17fを配置してそれらを介してディスク
装置18a〜18fと他端で接続するという構成をと
る。また、実施例4においては、誤り訂正を行う従来例
に示したECCエンジン23の代わりにECC−UNI
T12を採用し、このECC−UNIT12には、図5
に示すように実施例1に示された誤り訂正符号化復号装
置を採用する。さらに、この実施例4ではディスクアレ
イ装置にディスク装置6台を用い、そのうち情報データ
の記憶にディスク装置4台分の容量を、符号化による冗
長データの記憶にディスク装置2台分の容量をそれぞれ
使用する。中央処理装置21とメモリ22によって、デ
ィスク装置の故障の発生状況およびECC−UNIT1
2で行うべき処理を管理し、バッファ13を介してEC
C−UNIT12とデータの入出力を行う。実施例4で
はSCSIインタフェース17をディスクアレイコント
ローラ100の外部に配置している点は従来例とは異な
るが、従来例のようにディスクアレイコントローラ10
の内部に配置してもよい。
【0019】次にディスク装置2台までの故障に対応す
るための、ECC−UNIT12の動作について説明す
前述のようにECC−UNIT12は、実施例1で
示される誤り訂正符号化復号装置の構成をとり、実施例
1、2及び3で説明した符号化処理、復号処理、復号処
理と符号化処理の連続処理の動作を行う。前述した従来
のディスクアレイ装置では、符号化処理、復号処理の動
作制御を装置外部にあるソフトウエアによって行ってい
たが、本発明では、ECC−UNIT12内に制御手段
9を設けることにより、動作制御を自律的に行うことが
可能になる。また、前述のように、情報データの記憶に
ディスク装置4台分の容量を使用し、符号化による冗長
データの記憶にディスク装置2台分の容量を使用する。
誤り訂正符号としては、最小距離d=3のリードソロモ
ン符号を用いる。ECC−UNIT12内で、符号化手
段6は、生成行列Gを用いてマトリックス演算を行い、
復号手段3は、制御手段9より故障位置情報を与えられ
て、検査行列Hを用いてシンドロームを計算し、このシ
ンドロームから誤り数値を算出し、1または2シンボル
消失訂正を行う。これによりディスク装置6台の内、1
台または2台の故障が発生しても、故障により失われた
データを再生することが可能となり、ディスクアレイ装
置の高信頼化を図ることができる。
【0020】図5は、図4に示すディスクアレイ装置に
おいてディスク装置の正常/故障状態と、それに対応し
たECC−UNIT12の処理の内容を示した表であ
る。ECC−UNIT12は、ディスクアレイ装置の正
常/故障状態、すなわち、正常状態(故障ディスク装置
なし)、ディスク装置1台故障、およびディスク装置2
台故障のいずれかによって、また、データの読み出し、
書き込み、故障により失われたデータの回復処理(故障
回復処理)のいずれかによって、それぞれの状況に応じ
た処理を行う。以下にそれらの処理を説明する。
【0021】まず、正常状態の際に、データの書き込み
を行う場合の動作を説明する。ECC−UNIT12内
の制御手段9には、正常状態であること、及びデータの
書き込みを行うディスク装置を示す制御情報が、ECC
−UNIT12の外部より与えられ、データ入力手段2
には、新たに書き込むデータ(新データ)、新データを
書き込む場所にすでに書き込まれているデータ(旧デー
タ)、及び旧データに対応する誤り訂正符号化による冗
長データ(旧冗長データ)が入力される。次に、データ
入力手段2は、制御手段9からの符号化処理を行うこと
を示す制御信号により、新データ、旧データ、及び旧冗
長データを遅延手段4に出力する。遅延手段4では、何
ら演算は行われず、入力されたデータはそのままデータ
選択手段5に出力される。データ選択手段5は、制御手
段9からの符号化処理を行うことを示す制御信号によ
り、旧データ、新データ、旧冗長データを符号化手段6
に出力する。次に、符号化手段6では、制御手段9から
の符号化処理に関する制御信号により、リードソロモン
符号により生成行列Gを用いて差分符号化処理を行い、
符号化による冗長データ(新冗長データ)を算出し、新
データ及び新冗長データを、データ出力手段8に出力す
る。データ出力手段8は、制御手段9からの符号化処理
を行うことを示す制御信号により、新データ、および新
冗長データをECC−UNIT12の外部に出力する。
【0022】次に、ディスク装置1台が故障した際に、
データの読み出しを行う場合の動作を説明する。読み出
すデータが書き込まれているディスク装置が正常の場合
には、ECC−UNIT12は動作の必要がないので、
読み出すデータが、故障ディスクに書き込まれている場
合について説明する。ECC−UNIT12内の制御手
段9には、ディスク装置が1台故障していること、及び
どのディスク装置が故障しているか、さらに読み出すデ
ータが書かれているディスク装置を示す制御情報が、E
CC−UNIT12の外部から与えられ、データ入力手
段2には、故障ディスク装置以外の5台のディスク装置
から読み出された、符号語を構成するデータが入力され
る。次に、データ入力手段2は、制御手段9からの復号
処理を行うことを示す制御信号により、全データを復号
手段3に出力する。復号手段3では、制御手段9からの
復号処理に関する制御信号により、符号語の5つのシン
ボルのビットごとの排他的論理和演算を行い、故障によ
り失われたデータを再生(この再生されたデータを以下
回復データと呼ぶ)し、即ち読み出すデータを算出し、
回復データをデータ選択手段5に出力する。データ選択
手段5は、制御手段9からの制御信号により、回復デー
タを遅延手段7に出力する。遅延手段7では、何ら演算
は行われず、入力されたデータはそのままデータ出力手
段8に出力される。データ出力手段8は、制御手段9か
らの復号処理を行うことを示す制御信号により、回復デ
ータをECC−UNIT12の外部に出力する。
【0023】次に、ディスク装置2台が故障した際に、
データの読み出しを行う場合の動作を説明する。ディス
ク装置1台が故障した際の、データの読み出し動作と、
ほぼ同様な動作を行うが、1台故障の際と異なるのは、
復号手段3の動作である。復号手段3では符号語の4つ
のシンボルデータから2つのシンドロームを算出し、回
復データを算出する。
【0024】次に、ディスク装置1台が故障した際に、
データの書き込みを行う場合の動作を説明する。故障し
ているディスク装置が、書き込もうとするディスク装置
と冗長データが書き込まれているディスク装置以外の場
合は、ECC−UNIT12は正常状態の場合と同様の
動作を行う。書き込もうとするディスク装置または冗長
データが書き込まれているディスク装置が故障している
場合は、復号手段3において1台故障時のデータ読み出
しの際と同様な復号処理を行って回復データを算出し、
符号化手段6において、回復データを旧データまたは旧
冗長データとして、正常状態時のデータ書き込みの際と
同様な符号化処理を行う。
【0025】次に、ディスク装置台が故障した際に、
データの書き込みを行う場合の動作を説明する。ディス
ク装置1台が故障した際の、データの書き込み動作と、
ほぼ同様な動作を行うが、1台故障の際と異なるのは、
復号手段3の動作である。復号手段3では、2台故障時
のデータ読み出しの際と同様な復号処理を行う。
【0026】次に、故障したディスク装置を新しいディ
スク装置に交換した際に、故障したディスク装置に書き
込まれていたデータを、新しいディスク装置に書き込む
ために、データを再生する処理(故障回復処理)を行う
場合の動作を説明する。ディスク装置1台が故障してい
る場合は、1台故障の際のデータ読み出しの場合と同様
な動作を行い、ディスク装置2台が故障している場合
は、2台故障の際のデータ読み出しの場合と同様な動作
を行うが、この場合は、2シンボルの回復データを、E
CC−UNIT12の外部に出力する。
【0027】実施例4では、符号化手段6における符号
化処理に、リードソロモン符号により生成行列Gを用い
てマトリックス演算を、復号手段3における復号処理
に、検査行列Hを用いてシンドローム算出し誤り数値を
算出する方式を用いたが、他の符号化方式、復号方式を
用いてもよい。
【0028】実施例4では、最小距離dの大きい適当な
誤り訂正符号を用いれば、ディスク装置の冗長グループ
台数を大きくし、さらにディスク装置3台以上の故障に
対応することもできる。
【0029】実施例4によれば、ディスクアレイ装置が
故障してもデータの読み出し、書き込み及び故障により
失われたデータの回復が可能となり、ディスクアレイ装
置の高信頼化を図ることができる。
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、復号
処理、誤り訂正符号化処理、および、復号・符号化の連
続処理を1台の装置を用いて高速に行うことができる。
また、この誤り訂正符号化復号装置をディスクアレイ装
置に適用することにより、ディスクアレイ装置が故障し
てもデータの読み出し、書き込み及び故障により失われ
たデータの回復が可能となり、ディスクアレイ装置の高
信頼化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1に示す誤り訂正符号化復号
装置のハードウエア構成図である。
【図2】実施例2での符号化処理におけるデータフロー
である。
【図3】実施例3での復号処理におけるデータフローで
ある。
【図4】実施例4に示すディスクアレイ装置全体の構成
図である。
【図5】図4に示すディスクアレイ装置全体の構成図に
おいて、ECCユニット12の内部構成を示した図であ
る。
【図6】図4に示すディスクアレイ装置においてディス
ク装置の正常/故障状態と、それに対応したECC−U
NIT12の処理の内容を示した表である。
【図7】特開平2−236714に示された、従来のデ
ィスクアレイ装置を簡略的に示した図である。
【図8】図7におけるECCエンジン2のブロック構
成図である。
【符号の説明】
2・・・データ入力手段 3・・・復号手段 4・・・第1の遅延手段 5・・・データ選択手段 6・・・符号化手段 7・・・第2の遅延手段 8・・・データ出力手段 9・・・制御手段 10・・・誤り訂正符号化復号装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 3/06 - 3/08 G06F 11/10 G11B 20/10 - 20/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力されたデータを、復号処理の対象とす
    るデータと復号処理の対象としないデータとに分けて、
    それぞれ出力するデータ入力手段と、 前記データ入力手段で分けられた、復号処理の対象とす
    るデータの復号処理を行う復号手段と、 前記データ入力手段で分けられた、復号処理の対象とし
    ないデータを時間的に遅延させて出力する第1の遅延手
    段と、 前記復号手段および前記第1の遅延手段から出力された
    データを、符号化処理の対象とするデータと符号化処理
    の対象としないデータとに分けて、それぞれ出力するデ
    ータ選択手段と、 前記データ選択手段で分けられた、符号化処理の対象と
    するデータの符号化処理を行う符号化手段と、 前記データ選択手段で分けられた、符号化処理の対象と
    しないデータを時間的に遅延させて出力する第2の遅延
    手段と、 前記符号化手段および前記第2の遅延手段から出力され
    たデータを出力するデータ出力手段と、 前記データ入力手段、前記復号手段、前記第1の遅延手
    段、前記データ選択手段、前記符号化手段、前記第2の
    遅延手段、前記データ出力手段の制御を行う制御手段と
    を備えた誤り訂正符号化復号装置。
  2. 【請求項2】前記第1の遅延手段は、前記復号手段にお
    ける復号処理の時間分データを時間的に遅延させて出力
    し、前記第2の遅延手段は、前記符号化手段における符
    号化処理の時間分データを時間的に遅延させて出力する
    ことを特徴とする請求項第1項記載の誤り訂正符号化復
    号装置。
  3. 【請求項3】請求項第1項および第2項記載の誤り訂正
    符号化復号装置に、 前記データ入力手段に入力されるデータ及び前記データ
    出力手段から出力されるデータの送受を行うバッファ
    と、 前記制御手段に制御信号を与える中央処理装置と、 メモリとを備えることにより構成されるディスクアレイ
    システムコントローラ。
  4. 【請求項4】前記符号化手段は、リードソロモン符号に
    よる生成行列を用いたマトリックス演算による符号化処
    理を行い、前記復号手段は、検査行列を用いてシンドロ
    ームを算出して誤り数値を算出する復号処理を行うこと
    を特徴とする、請求項第3項記載のディスクアレイシス
    テムコントローラ。
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