JP3343322B2 - 害虫被害を受けた立木の枯れ抑制方法 - Google Patents

害虫被害を受けた立木の枯れ抑制方法

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JP3343322B2
JP3343322B2 JP18220696A JP18220696A JP3343322B2 JP 3343322 B2 JP3343322 B2 JP 3343322B2 JP 18220696 A JP18220696 A JP 18220696A JP 18220696 A JP18220696 A JP 18220696A JP 3343322 B2 JP3343322 B2 JP 3343322B2
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P60/00Technologies relating to agriculture, livestock or agroalimentary industries
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、松喰虫等の病害虫
の防除方法に関し、特にマツノザイセンチュウの松への
侵入又は侵入したマツノザイセンチュウの増殖を電気的
に抑え、病害虫による枯れを抑制する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従未から、電気的に害虫を駆除する技術
は知られており、松喰虫に関しても特開平2−1173
39公報、特開平2−171133号公報では直流を、
特開平3−292843号公報では交流を、特開平6−
237677号公報では衝撃波を利用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの各公
報に記載された技術は、病害虫を駆除することのみに着
目されており、立木に電流を流すことにより生じる損傷
については考慮されていない。松の立木の場合、含水率
は心材よりも辺材の方が高いため、電気抵抗は心材が高
く、辺材が低い。立木に電圧印加装置を用いて電流を流
した場合、電流は抵抗の低い辺材の外側(樹皮の内側)
の形成層に集中して形成層を取り囲むように流れる。こ
の時、電流によるジュール熱により形成層の組織細胞を
破壊する。このため、細胞破壊を起こさない程度の電力
量に抑える必要があり、直流や交流のように連続的なエ
ネルギーでは、温度上昇率が高く、細胞破壊を抑えるに
は間隔をおいたパルスを用い印加時間を細胞破壊が起き
ない程度に抑え、且つ、マツノザイセンチュウの死亡率
を高めることが課題となる。
【0004】また、立木の枝から幹を通して大地に電流
を流す場合、幹の断面積に比べ枝の断面積は小さいの
で、枝における電流密度は、幹に比べ大きくなる。この
ため、幹の中の病害虫を駆除するのに必要な電流を流す
と、幹では組織細胞が破壊されることはないが、枝では
電流が集中するため、細胞が破壊される可能性がある。
逆に枝に注目して電流を流すと、幹の電流密度が低いた
め、十分な病害虫駆除効果が得られない。
【0005】このように、電源から同じ電圧を印加して
も、立木の大きさや電圧の印加部位により、材内組織に
流れる電流が異なるため、十分な病害虫駆除効果が得ら
れなかったり、或いは、材内組織に損傷を与えるなど不
都合があった。
【0006】そこで、本発明は、立木の材内組織に損傷
を与えることなく、十分な病害虫防除効果が得られるよ
うにすることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、電圧印加装置
から電圧を立木に印加して害虫被害を受けた立木の枯れ
を抑制する方法において、前記電圧印加装置において一
連のパルスからなるパルス列を発生させ、前記電圧印加
装置から立木に流れ込む電流の大きさを前記パルスの低
電源インピーダンス期間において20mA以下とした
虫被害を受けた立木の枯れ抑制方法であって、前記パル
スが、低電源インピーダンスを有する一方の極性の小振
幅幅広パルスと、高電源インピーダンスを有する他方の
極性の大振幅狭パルスとからなる両極性パルスである
とを特徴とする。
【0008】マツノザイセンチュウは、電圧に対し極性
を持っており、直流よりも電圧極性の変化する交流の方
が短い印加時問でのマツノザイセンチュウの死亡率が高
いことが報告されている。本発明では、このことに着目
し、一定時間充電後、一気に放電出来るようアンダーシ
ュートを大きくした極性変化時の格差が高いパルスを採
用し、マツノザイセンチュウの死亡率を高めた。
【0009】このパルスを使用してマツノザイセンチュ
ウの死亡率及び立木の影響度と印加電圧、印加時間の関
係を求め、立木に影響が少なく、且つ、マツノザイセン
チュウの影響度が高い印加電流、印加時間を1回の印加
条件とした。本装置を手動で使用したものでは、印加電
流20mA以下のパルス電流を5秒以内とした。
【0010】また、印加部位の違いによる電流密度の変
化に対しては、枝や幹が大きくなってる断面積が増加す
るにつれ、電気抵抗が低下することから、印加時点の電
圧降下分を測定し、降下分を補正するよう印加電圧を高
めたり、印加パルスの周期を短くし、単位時間あたりの
電力量を自動的に増やすよう制御した。
【0011】
【発明の実施の形態】図1(a)は、松の断面構造を模
式的に示す説明図である。心材W1は辺材W2、形成層
W3、樹皮W4で覆われている。また、図2は、松の断
面における位置による抵抗値及び電流の変化を示すグラ
フである。図2に示すように形成層W3は、心材W1や
辺材W2に比べての抵抗値(点線で示す)が低いため、
電流密度(実線で示す)は高い。また、図1(b)に示
すように、同じ形成層W3でも電圧が印加される電極P
に近い部分P1の電流密度は高くなり、電極Pから遠い
部分P2の電流密度は低くなる。したがって、電極Pに
近い部分の松の細胞が破壊されないように電圧を設定す
ると、電極から遠い部分におけるマツノザイセンチュウ
の死亡率が低下する。
【0012】そこで、本発明においては、立木に一連の
パルスからなるパルス列を印加子、印加するパルスとし
て、一方の極性の小振幅幅広パルスと、他方の極性の大
振幅幅狭パルスとからなる両極性パルスを使用する。一
方の極性のパルスは幅広であるが、小振幅であるので立
木に悪影響を与えない。他方の極性のパルスは大振幅で
あるので、害虫に対してはその増殖を防止し、或いは、
死滅させることができる。特に、害虫に対しては、一方
の極性のパルスの電圧と他方の極性のパルスの和の電圧
で作用するので、害虫に対して大なる効果がある。ま
た、他方の極性のパルスは大振幅ではあるが、幅狭であ
るので、立木の細胞破壊の原因となる温度上昇は発生せ
ず、立木に悪影響を与えることがない。
【0013】また、松の細胞が破壊されない程度の電圧
を、一日数回自動的に印加することにより、マツノザイ
センチュウの増殖を抑えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図3は、本発明の害虫被害を受け
た立木の枯れ抑制方法を説明するための模式図である。
図3において、符号1は自動電圧印加装置を示し、この
自動電圧印加装置1においては、内蔵の電池2からの電
圧が、電源回路3とタイマ4に常時供給される。タイマ
4は、オールデイタイマすなわち24時間タイマであ
り、1日を周期として設定された任意の時刻に任意の期
間だけ出力信号を電源回路3に供給する。設定された時
刻になると、タイマ4の出力が電源回路3に供給され、
電源回路3が動作状態となり、パルス発生回路5、周期
調整回路6、パルス幅調整回路7、電圧調整回路8、セ
ンサ回路9に動作電圧が供給される。
【0015】動作電圧の供給を受けたパルス発生回路5
は、パルスの発生を開始し所定の周期を持つパルスをパ
ルス幅調整回路7に供給する。パルス幅調整回路7にお
いては、後述するセンサ回路9の出力に基づいてパルス
幅が制御される。
【0016】図4は、パルス幅調整回路7の出力を模式
的に示す波形図である。タイマ4は、一日に数回、短時
間だけ電源回路3を動作させるように設定されている。
図4(a)の例では、一日に5回の割合で電源回路3を
間欠的に動作させている。電源回路3が動作状態にな
り、電源回路3の出力電圧が各回路に安定して供給され
るようになった後で、電源回路3からパルス発生回路5
にスタート信号が供給され、パルス発生回路5からは所
定の周期を有する一連のパルスからなるパルス列が出力
される。このパルスの周期は、周期調整回路6により決
定される。パルスの個数は、パルス発生回路5に内蔵さ
れたカウンタにより計数されており、所定個数のパルス
が出力されると、電源回路3にストップ信号が供給さ
れ、電源回路3の動作が停止する。これにより、パルス
発生回路5からは、図4(b)に示すように、タイマ4
により設定された時刻に、所定の時刻に所定個数のパル
スが発生する。パルスの発生個数を設定することによ
り、所定期間、たとえば0.2秒間だけパルス列が発生
する。
【0017】図4(c)は、図4(b)に示すパルス列
の一部を拡大して示したものである。このパルスの幅
は、パルス幅調整回路7により図4(d)に示すように
変更することができ、また、パルスの周期は、周期調整
回路6により図4(e)に示すように変更することがで
きる。
【0018】パルス幅調整回路7の出力は、スイッチン
グトランジスタ等の昇圧トランス駆動用のスイッチング
素子10に供給されて、スイッチング素子10からのパ
ルスにより所定の周期及びデューティ比でオンオフされ
る。スイッチング素子10は、パルス幅の期間でオンと
なり、昇圧トランス11の一次巻線11aに一次電流が
流れる。昇圧トランス11には、後述するセンサ回路9
の出力により制御される電圧調整回路8から動作電圧が
印加されているので、一次電流の大きさは、この動作電
圧に比例した値となる。昇圧トランス11の二次巻線1
1bには、一次巻線11aで発生する電圧の巻線数比倍
の二次電圧が発生する。また、スイッチング素子10が
オフになったときには、逆極性の大振幅のスパイク電圧
(アンダーシュート)が発生する。
【0019】昇圧トランス11の二次巻線11bの両端
には、高圧出力端子12と接地端子13がそれぞれ接続
されており、高圧出力端子12はリード線14を介し
て、病害虫の防除の対象である立木Aの枝の給電点に埋
めこまれた電極15に接続される。また、接地端子13
は、リード線16を介して、地面Bに埋めこまれたアー
ス棒17に接続される。
【0020】図5は、立木Aに印加されるパルスの一例
を示す波形図である。期間T1は、スイッチング素子1
0がオンになっている期間に対応しており、電圧E1
は、昇圧トランス11の一次巻線11aに印加される電
圧の巻線数比倍に対応している。また、電圧E2は、ス
イッチング素子10がオンになっている期間に昇圧トラ
ンス11のインダクタンスに蓄積された電磁エネルギー
が、スイッチング素子10がオフとなったときに放出さ
れて発生するスパイク電圧である。なお、期間T2は昇
圧トランス11の二次側のインダクタンスと浮遊容量に
よって決定される。
【0021】たとえば、上記パルスの期間T1は約3m
s、期間T2は約1.5ms、電圧E1は約700V、
電圧E2は約3000V、隣接するパルスの間隔は17
msである。なお、スパイク電圧の期間T2は波形の根
本での幅であり、全体としては、期間T1に比べて非常
に狭い幅を有している。したがって、期間T1に発生す
る小振幅幅広パルスは、低電源インピーダンスを有し、
期間T2に発生する他方の極性の大振幅狭パルスは高電
源インピーダンスを有することになる。
【0022】ここで、立木Aに印加されるパルスが、立
木に与える影響、及び、立木内に寄生するするマツノザ
イセンチュウに与える影響について説明する。
【0023】電圧E1と電圧E2は、互いに逆極性であ
るので、立木に印加される電圧は、E1+E2となる。
従って、立木の電気抵抗をRとすると、立木に流れる電
流は、(E1+E2)/Rとなる。実験の結果、印加パ
ルスの期間T1,T2、電圧E1,E2と、立木及びマ
ツノザイセンチュウに与える影響との間には以下のよう
な関係があることが判明した。
【0024】(a)電圧E1と電圧E2は比例する。
【0025】(b)電圧E1の期間T1は長いが、スパ
イク電圧E2に比べて電圧が低いため、立木の細胞破壊
は少ない。
【0026】(d)スパイク電圧期間T2に関係なく、
電圧E2が高いほどマツノザイセンチュウを死滅させる
効果が大きい。
【0027】(e)期間T1,T2が短い程、立木の細
胞破壊は少ない。
【0028】(f)電圧E1から電圧E2への変化点に
おいて害虫に対する影響が最も大きい。
【0029】以上のことから、期間T1,T2が短く、
電圧E1+E2が高い程、立木への悪影響を少なくし
て、マツノザイセンチュウへの影響を大きくすることが
できることが判った。電圧E2は電圧E1の数倍の値を
有しているが、期間T2は期間T1に比べて非常に短い
ために、電圧は急激に低下し、立木の枯れの原因となる
ジュール熱が発生せず、立木が枯れることはない。
【0030】また、期間T2で電圧E2を発生させるた
めには、期間T1の電圧E1が必要であるが、期間T1
に電圧印加装置から立木に流れ込む電流の大きさを20
mA以下とすることにより、立木に枯れが生じないこと
を見いだした。この電流の値は、立木の幹の太細に無関
係であった。また、パルス列の印加時間を5秒より長す
ると、電圧印加部分の細胞が破壊されて枯れが生じた。
【0031】一方、昇圧トランス11の二次側に発生し
た電圧は、センサ回路9により常時測定されており、測
定電圧が基準電圧と比較され、比較出力9a,9b,9
cが、パルス幅調整回路7、電圧調整回路8、周期調整
回路6に供給される。センサ回路9の比較出力9aは、
出力パルス電圧が負荷によって低下したときに、パルス
幅が広がるようにパルス幅調整回路7を制御する。同様
に、比較出力9bは動作電圧が上昇するように電圧調整
回路8を制御し、比較出力9cはパルス周期が短くなる
ように周期調整回路6を制御する。
【0032】上記電圧印加装置1からのパルスは、電極
15から立木Aに供給されるが、電極15から見た立木
Aの電気抵抗は、枝や幹の太さによって変化する。すな
わち、枝や幹の断面積が大きいほど、電気抵抗は低下す
る。また、パルスの電源インピーダンスは比較的高い。
このため、高圧出力端子12の開放時、すなわち、無負
荷時の出力電圧が一定であっても、パルスを立木Aに印
加すると、パルスの電源インピーダンスにより電圧効果
が発生し、立木Aに実際に印加される電圧は開放端子電
圧よりも低下する。また、電圧の低下の程度も立木Aの
電気抵抗によって変化する。このため、本実施例におい
ては、立木Aに実際に印加される電圧を測定し、降下電
圧分を補正するよう印加電圧を高めたり、印加パルスの
幅を広くしたり、印加パルスの周期を短くし、単位時間
あたりの電力量を自動的に増やすよう制御している。
【0033】図6は、立木の種類による印加パルスの形
状の変化を示す波形図である。図6(a)は、細い立ち
木の場合の印加パルスの形状を示し、図6(b)は、太
い立ち木の場合の印加パルスの形状を示す。太い立ち木
の場合には、細い立ち木の場合に比べて電気抵抗が低い
ので、通電期間をT1a<T1bとし、通電期間の電圧
をE1a<E1bとし、スパイク電圧期間の電圧をE2
a<E2bとし、パルスの周期をT3a>T3bとして
単位時間あたりの電力量を増やしている。これにより、
立木の種類に関係なく単位時間当たり所定電力を立木に
供給することができる。但し、図6は、センサ回路9の
出力に基づいて電圧印加装置1の制御を行い、この制御
状態を維持したままで、高圧出力端子12を開放したと
きのパルスの波形を示している。
【0034】上述したパルス発生回路5は、タイマ4に
よって起動し、所定のパルス数を積算した後、電源回路
3をリセットし、タイマ4の起動待機状態に戻る。この
ように、タイマ4により電源回路3を制御して、自動電
圧印加装置1を間欠的に動作させることにより、立木の
細胞を破壊することなく、害虫の増殖を防止することが
できるような電流を立木に流すことができる。また、自
動電圧印加装置1を間欠的に動作させることにより、内
蔵された電池2の消耗を抑えることができる。なお、上
述の例においては、タイマ4を使用して一日数回の割合
でパルスを立木に印加したが、手動操作で任意の時間に
パルスを印加するようにしてもよい。この場合には、立
木に流れる電流の大きさを20mA以下とし、且つ、1
回当たりの印加時間を5秒以下とすることが望ましい。
【0035】
【実施例】本発明の検証は、自然木と苗木により行っ
た。自然木では、カミキリの食害を受けた松を対象に印
加実験を行った。自然木の場合、手動により印加を行う
もので、枝や幹に満遍なく印加する方法を採用した。l
度の電圧印加で完全にマツノザイセンチュウを死滅され
ることは出来ないため、カミキリが活動する期間中、1
か月に1回の割合で電圧印加を行い、マツノザイセンチ
ュウの増殖を抑える必要がある、これまで、電圧を印加
した大半の松が生き残っている。
【0036】苗木については、自動電圧印加機能を用い
て実施した。本発明の検証を行うため、3m×6m×2
mのネット小屋を設置し、電撃を印加する松2本、比較
として電撃を印加しない松4本、計6本の同一品種の3
年生松を植栽し実験した。マツノザイセンチュウについ
ては、松の枯損木を小置内に残置し、カミキリ27匹を
羽化させ自然感染により松へ侵入させた。電圧印加の方
法は、l日9回、継続期間0.2秒間で自動的に電圧を
印加する方法でカミキリの羽化以前から印加を行った。
桔果は、電撃を印加しない松はすぐに枯れたが、電撃を
印加した松は、2本共生き残った。生き残った松を調べ
るとカミキリの食跡が少なく、単にマツノザイセンチュ
ウ増殖を抑えるだけでなく、松の抵抗力が増加したもの
と考えられる。
【0037】なお、実験によれば、立木に印加するパル
スの期間T1を長くすることにより、松の根元で共生し
ている菌根菌の活性化を高め、松自身の抵抗力を増加さ
せる効果ががあることが認められた。
【0038】
【発明の効果】本発明は、電圧印加装置において一連の
パルスからなるパルス列を発生させ、電圧印加装置から
立木に流れ込む電流の大きさをパルスの低電源インピー
ダンス期間において20mA以下としたので、十分な病
害虫の防除効果が得られるとともに、材内組織に与える
損傷が少ない。
【0039】また、立木に実際に印加される電圧を監視
しながら電流を流すようにしたもので、立木の条件にか
かわらず十分な病害虫の防除効果が得られるとともに、
材内組織に与える損傷が少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 松の断面構造を模式的に示す説明図である。
【図2】 松の断面における位置による抵抗値及び電流
の変化を示すグラフである。
【図3】 本発明の害虫被害を受けた立木の枯れ抑制方
法を説明するための模式図である。
【図4】 パルス幅調整回路の出力を模式的に示す波形
図である。
【図5】 立木に印加されるパルスの一例を示す波形図
である。
【図6】 立木の種類による印加パルスの形状の変化を
示す波形図である。
【符号の説明】
1…自動電圧印加装置、2…電池、3…電源回路、4…
タイマ、5…パルス発生回路、6…周期調整回路、7…
パルス幅調整回路、8…電圧調整回路、9…センサ回
路、10…スイッチング素子、11…昇圧トランス、1
1a…一次巻線、11b…二次巻線、12…高圧出力端
子、13…接地端子、14…リード線、15…電極、1
6…リード線、17…アース棒、16…増幅器、A…立
木、B…地面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 安昭 鹿児島県鹿児島市大明ケ丘3−3−5 (72)発明者 高木 信雄 福岡市南区三宅3−11−3 (72)発明者 上脇 憲治 福岡県春日市松ケ丘3丁目36番地 (72)発明者 高倉 和雄 福岡県太宰府市大佐野958−7 (72)発明者 王 振朝 福岡市南区長丘3−7−14−204 (56)参考文献 特開 平6−237677(JP,A) 特開 昭59−216533(JP,A) 特開 平8−214756(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01M 1/22 A01G 7/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電圧印加装置から電圧を立木に印加し
    て害虫被害を受けた立木の枯れを抑制する方法におい
    て、 前記電圧印加装置において一連のパルスからなるパルス
    列を発生させ、 前記電圧印加装置から立木に流れ込む電流の大きさを前
    記パルスの低電源インピーダンス期間において20mA
    以下とした害虫被害を受けた立木の枯れ抑制方法であっ
    て、 前記パルスが、低電源インピーダンスを有する一方の極
    性の小振幅幅広パルスと、高電源インピーダンスを有す
    る他方の極性の大振幅狭パルスとからなる両極性パルス
    であること を特徴とする害虫被害を受けた立木の枯れ抑
    制方法。
  2. 【請求項2】 前記両極性パルスが昇圧トランスの一次
    側に流れる電流をオンオフにすることにより前記昇圧ト
    ランスの二次側に発生するパルスであることを特徴とす
    る請求項1記載の害虫被害を受けた立木の枯れ抑制方
    法。
  3. 【請求項3】 前記小振幅幅広パルスが、前記昇圧トラ
    ンスの一次側に電流が流れる期間に発生するパルスであ
    り、前記大振幅幅狭パルスが、前記昇圧トランスの一次
    側の電流がオフになったときに発生するパルスであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の害虫被害を受けた立木の
    枯れ抑制方法。
  4. 【請求項4】 立木に実際に印加されるパルスの電圧を
    測定し、このパルスの電圧に応じて、自動的に前記パル
    ス列の振幅、周期、或いは、幅の少なくともいずれか一
    つを制御することを特徴とする請求項1記載の害虫被害
    を受けた立木の枯れ抑制方法。
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