JP3343266B2 - カテーテル - Google Patents
カテーテルInfo
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Description
及びその製造方法に関する。
液や薬剤の排出、注入のために使用される器具であっ
た。近年、カテーテルの高機能化が進み、例えば、血管
の狭窄部を拡張する経皮的血管形成術に用いられる血管
拡張用バルーンカテーテル、導尿と膀胱温測定が同時に
行える温度センサー付き導尿バルーンカテーテル、心臓
の内部に留置し心拍出量測定に用いられるサーモダイリ
ューションカテーテル、動注療法や血管造影を行うため
の血管内処理診断用カテーテル等の応用がなされてい
る。これらのカテーテルは上記以外にも種々の応用が試
みられている。そして今やすべての臓器、体腔、管状器
官に適用されようとしている。
等を必要とする大がかりな手術が必要で、手術そのもの
よりも、むしろ術後の回復が成否の鍵を握っていた。前
記、高機能カテーテルを用いた手技では開胸・開腹・開
頭等人体を切り刻むようなことはなく、肉体的侵虐性の
低い診断・治療が可能になってきている。
め以下の利点を有する。例えば、患者の術中・術後の苦
痛の低減。術後の早期回復・早期社会復帰。肉体的損傷
が少く、精神的負担が少ない。経済的負担の軽減。など
である。従って、今後、カテーテルを用いた診断・治療
法はますます発展するものと考えられる。
管内を進み目的病変部に達し狭窄部の拡張を行ったり、
薬剤の注入等を行ったり、温度や圧力等の測定を行った
りして目的を達成するものである。従って、基本的に求
められる機能は消化器、循環器、呼吸器、臓器への到達
の容易性である。目的部位への到達の手段としては血
管、消化管、リンパ管、気道、尿道、その他の体腔ある
いは組織への挿入・走行がある。体内へのカテーテルの
挿入・走行に於いて重要な性能としては屈曲面に対する
追従性があること(トラッカビリィティ)、カテーテル
を押し込み進め易いこと(プッシャビリィティ)等が要
求される。また、生体組織を傷つけない柔らかさも要求
される。トラッカビリィティはカテーテルの柔軟性が大
きく左右し、プッシャビリィティはカテーテルの剛性に
左右されると考えられている。即ち、カテーテルの挿通
性の良さを左右する固さと柔らかさという相反する性質
を両立させることが望まれている。
リィティを改善し、カテーテルの挿通性を向上させる為
にいくつかの試みがなされていた。
素材にポリエチレンを用いカテーテルの基部と先端部で
径を次第に細く異径化したもの。このカテーテルは先端
に行くほどチューブ径が細くなっているので先端側は柔
軟でトラッカビリィティに優れ、しかも、基部側はチュ
ーブ径が太いので剛性が確保されプッシャビリィティに
優れる。しかしながら、異径化カテーテルは製造方法が
複雑であり、また、実用上、段差部分で折れ易いことが
指摘されていた。即ち、段差部でチューブ強度が極端に
異なるため、応力集中を受け易く、結果として耐キンク
性が劣るという問題点がある。中空構造物の曲げ強度は
断面の二次モーメントと素材の弾性率の積に比例する訳
であるが、この例の様に断面形状の大きさで柔軟性をコ
ントロールした場合、カテーテル強度が段差部で急激に
変化するため段差部への応力集中は避けられない。同じ
ことは、径の異なるチューブを繋ぎ合わせた場合も同様
である。
材として高密度ポリエチレンを用い細径化したカテーテ
ル先端部に柔軟な低密度ポリエチレンを被覆し、基部側
と先端側でチューブ径が同一でありながら、先端部のみ
を柔軟化したものなどがある。この場合、異径化カテー
テルの製造及び細径部への樹脂被覆という複雑な製造工
程を必要とし、しかも、細径部に被覆した柔軟層の接着
不良による剥離を生じ易いという問題点がある。
テーテル先端部の柔軟化はトラッカビリィティ−向上・
プッシャビリィティ確保に効果が認められ、上記問題点
は存在するものの実用化されている。しかし、傾斜的に
柔軟化を達成する技術はいまだ提案されていない。
挿通性の向上策として、カテーテル外表面の低摩擦抵抗
化、潤滑化等がある。しかし、効果の持続性の問題、用
いる素材が固いと屈曲面への追随性がないなどの問題、
また、用いる素材が柔らかいとプッシャビリィティが悪
くなるなどの問題がある。従って、シャフト表面の低摩
擦抵抗化及び潤滑化はカテーテルの挿通性に効果が認め
られるが、カテーテル自身に挿通性を持たせることが必
要である。その上での低摩擦抵抗化や潤滑化を行うこと
により効果をさらに倍加させることができると考えられ
る。
に鑑みてなされたものであり、種々の体腔に適用される
診断・治療用高機能カテーテルに必要な性質、即ち、挿
通性の向上を目指すものである。特に、屈曲面への追従
性(以下、トラッカビリィティと言う)及び押し込み性
(以下、プッシャビリィティと言う)を高度に両立させ
たカテーテルの提供を目的とする。医師の意見によれば
カテーテルの柔軟性は先端部は傾斜的に柔らかくトラッ
カビリィティに優れ、基部側は固く押し込み易いプッシ
ャビリィティに優れるカテーテルが理想であるとされて
いる。この目的を達成するためにはカテーテルの部分的
柔軟化や傾斜的にカテーテルの柔軟性を変化させること
が有効であり、本発明はその具体的製造法及びものにつ
いての提供を目的とする。
た結果、カテーテルチューブを成形するに当たり分子配
向をコントロールすることにより、カテーテルシャフト
の柔軟性がコントロールできることを見いだした。上記
目的は以下の本発明により達成される。
チューブであって、配向緩和処理による傾斜的に柔軟性
の変化する部分からなる柔軟化部と、非柔軟化部とから
なり、当該柔軟化部と当該非柔軟化部は同一素材からな
り、また当該柔軟化部と当該非柔軟化部の引張弾性率が
少なくとも5%以上の差を有することを特徴とするカテ
ーテル。
たせた中空成形物を得て、前記成形物の一部を使用高分
子の軟化点温度雰囲気下におきアニールし分子配向を緩
和して柔軟化する上記(1)記載のカテーテルを製造す
る方法。
レート(MFR)を有する熱可塑性高分子である上記
(1)記載のカテーテルおよび(2)記載のカテーテル
を製造する方法。この場合、MFRの範囲とは好ましく
は20以下、さらに好ましくは0.1〜10の範囲であ
る。
メルトフローレート(MFR)を有する熱可塑性樹脂を
用い、チューブ軸方向に分子配向させた異方性の高い中
空成形物を押出成形・射出成形等の成形法により得る。
この場合、成形時の分子配向が緩和されにくい樹脂を用
いる方が良く、MFRの低い樹脂を用いることが望まし
い。好ましいMFRの範囲は20以下、さらに好ましく
は0.1〜10の範囲であり、特には成形の容易さか
ら、0.5〜5の範囲が好ましい。
形体の一部を使用高分子の軟化点温度近傍の雰囲気下に
置き、分子配向を緩和すれば良い。配向緩和処理により
柔軟化部が得られる。以上の単純な製造方法により得ら
れる本発明のカテーテルは柔軟化部と熱処理を行ってい
ない非柔軟化部に於いて明確な柔軟性の差が認められ、
しかも、柔軟化部と非柔軟化部の寸法の差が基本的にな
い。このようなカテーテルは目的とする挿通性の向上を
大幅に改善できるものである。即ち、配向性によるトラ
ッカビリィティ・プッシャビリィティ確保及び先端・基
部での柔軟性の傾斜化を達成したカテーテルであり、こ
のようなカテーテルは本発明によりはじめて提供が可能
となる。
変化する」とは、柔軟化部の引張弾性率が一端から他端
へ移動するに連続的に低く、または高くなることを示
す。
ましく、成形加工の容易さから、熱可塑性樹脂が適して
いる。特に、カテーテルに用いられる樹脂には素材自身
の柔軟性が求められるので、従来からカテーテル素材と
して用いられているポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリブテン、フッ素樹脂、ポリエーテル
ポリエステル、ポリエーテルポリアミド、ポリウレタ
ン、ポリエステル、ナイロン、熱可塑性エラストマー等
が好ましい。その他これらの樹脂をベースとしたポリマ
ーアロイあるいはポリマーブレンドを用いることも可能
である。
ましく、フィルム成形に用いられるようなメルトフロー
レート(MFR)の低いものが望ましい。MFRの試験
方法はASTM D1238記載の方法により、g/1
0分の樹脂流量とする。簡易的には購入樹脂のカタログ
値を目安とする。物性の異方性をだすためにはMFRが
低い方が好ましく、例えば、20以下であることが好ま
しく、成形の容易さを考慮すると、MFR0.5〜5の
範囲が特に好ましい。
より中空成形物を得るのであるが、この場合、特に好ま
しいのはMFRの低い樹脂を用いた押出成形が簡便であ
り推奨される。特に、注意すべき点は一軸方向への分子
配向がでるように成形することであり、熱間延伸を円滑
に行わず、分子配向を固定するために冷却を強化するこ
とである。またこの場合、単層、多層、複数の穴を持つ
チューブに成形することは自由である。
ねを通し、部分柔軟化処理を行う。これは、使用樹脂の
軟化点温度付近の温度雰囲気下に放置し、熱を加え、高
分子分子鎖の運動をある程度自由にして、結果、分子配
向を緩和させるのが目的で、分子配向の緩和度を温度及
び時間でコントロールする。ただし、樹脂が流動するほ
どの温度・時間をかけるのは好ましくない。
を温度一定のオーブンの中にいれるだけでよい。配向の
緩和度は温度と時間によりコントロール可能であり、例
えば、温度勾配をつけた炉の中に一定時間放置する方法
や一定温度の炉の中に一定速度で出し入れするなどの方
法によることができる。また、炉ではなく水やグリセリ
ン、オイル等を熱媒に用いた恒温槽を用いることもでき
る。
ューブの引張試験で求められる引張弾性率及び強度・伸
度で評価する。測定方法は通常の引張試験機を用い、試
料チューブをチャック間に固定し一定速度で引っ張り、
応力・歪み曲線を記録し計算により、引張弾性率及び強
度・伸度を求める。緩和され柔軟化された部分は非柔軟
化部分に比べ弾性率及び強伸度特性が異なるので分子配
向性及びその緩和度を評価できる。
部の差が明確であり、数値的に引張弾性率で5%以上の
差があることを特徴とする。本発明によれば傾斜的に物
性をコントロールできる訳であるから、柔軟化部と非柔
軟化部の境界を明確にすることはできないが、測定誤差
ではなく確かに柔軟化されていると言う意味で引張弾性
率に於いて5%以上の差がある事とする。即ち、5%以
上の明らかな差をもつて柔軟化部と非柔軟化部と定義す
る。この場合非柔軟化部の引張弾性率を分母とし百分率
で表現する。したがって、柔軟化部は95%以下の引張
弾性率を持つ部分と定義する。
為、低摩擦性素材の使用や表面処理による潤滑化を同時
に行う事も自由であり、本発明の効果を相乗的に高める
事ができる。
る。なお、実施例は本発明の一例であり、これに限定さ
れるものではない。
ブテン−1(PBと略記する;三井石油化学工業
(株),商品名ビューロン,グレードP−4000,M
FR=1.8)を用いた。このペレットを用い、IKG
(株)製MS20−25押出機を用いて銅線被覆成形し
た。ただし、押出成形温度は常識通り200℃で行い、
通常行う銅線の加熱は行わず、銅線は外径0.86mm
のものを用いた。該銅線を注意深く抜去し、外径0.8
4mmの芯がねを通し、オーブン中で60℃、16時間
アニールし、成形歪みを除いた。このチューブの寸法は
肉厚75μm,内径0.85mm×外径1.00mmで
あった。寸法誤差は外径で±4%であった。このチュー
ブを以下の実施例の実験に供した。当然のことながらチ
ューブは均質に成形されており、柔軟性に差は認められ
なかった。
り元チューブ1.5mの先端21cmを温度115℃に
保ったオーブン中に3分間保持した。取り出し後、室温
まで冷却し、柔軟化部を持つカテーテルチューブを作成
した。設定温度の115℃は示差走査熱量計(DSC)
法で測定したPBの融点ピークの開始温度である。
り元チューブ1.5mの先端21cmを温度115℃に
保ったオーブン中に2分間保持した。取り出し後、室温
まで冷却し、柔軟化部を持つカテーテルを作成した。
り元チューブ1.5mの先端21cmを温度115℃に
保ったオーブン中に60秒間保持した。取り出し後、室
温まで冷却し、柔軟化部を持つカテーテルを作成した。
り元チューブ1.5mの先端21cmを温度115℃に
保ったオーブン中に30秒間保持した。取り出し後、室
温まで冷却し、柔軟化部を持つカテーテルを作成した。
り元チューブ1.5mの先端21cmを温度115℃に
保ったオーブン中に5秒間保持した。取り出し後、室温
まで冷却し、柔軟化部を持つカテーテルを作成した。
り元チューブ1.5mの先端21cmを温度115℃に
保ったオーブン中に5秒間入れ、その後、4cm/mi
nの引き上げ速度で取り出した。室温まで冷却して、傾
斜的な柔軟化部を持つカテーテルを作成した。柔軟化部
を7cmづつ分割し弾性率を測定するとそれぞれ異なる
値が得られた。先端の方が低弾性率の値となった。
り元チューブ1.5mの先端21cmを温度140℃に
保ったオーブン中に3分間保持した。設定温度の140
゜CはDSC法で測定したPBの融点ピークの終了温度
である。この場合、樹脂が垂れ、チューブの一部に穴が
空き、実用に耐え得るようなカテーテルは得られなかっ
た。従って、軟化点を大きく上回る温度で、長時間緩和
処理する事は好ましくない事がわかる。
PBを用いた。このペレットを用い、IKG(株)製M
S20−25押出機を用いて銅線被覆成形した。ただ
し、押出成形温度は常識通り200℃で行い、本比較例
では高周波誘導加熱により銅線を200℃に加熱した。
銅線は外径0.86mmのものを用いた。該銅線を注意
深く抜去し、外径0.84mmの芯がねを通し、オーブ
ン中で60℃、12時間アニールし、成形歪みを除い
た。このチューブの寸法は肉厚75μm,内径0.85
mm×外径1.00mmであった。寸法誤差は外径で±
4%であった。
先端21cmを温度115℃に保ったオーブン中に3分
間保持した。取り出し後、室温まで冷却したが、明確な
柔軟化部を持つカテーテルは作成できなかった。
プロピレン(PPと略記する;三井石油化学工業
(株),商品名ハイポール,グレードF−401,MF
R=2.4)を用いた。このペレットを用い、IKG
(株)製MS20−25押出機を用いて銅線被覆成形し
た。ただし、押出成形温度は常識通り220℃で行い、
通常行う銅線の加熱は行わず、銅線は外径0.86mm
のものを用いた。該銅線を注意深く抜去し、外径0.8
4mmの芯がねを通し、オーブン中で60℃、16時間
アニールし、成形歪みを除いた。このチューブの寸法は
肉厚75μm,内径0.85mm×外径1.00mmで
あった。寸法誤差は外径で±4%であった。このチュー
ブを以下の実施例の実験に供した。
り元チューブ1.5mの先端21cmを温度140℃に
保ったオーブン中に3分間保持した。設定温度の140
℃はDSC法で測定したPPの融点ピークの開始温度よ
り低い温度である。この場合、柔軟化部分は得られなか
った。むしろ、オーブンにいれた部分はより固くなって
いた。
異なる事が分かった。
り元チューブ1.5mの先端21cmを温度165℃に
保ったオーブン中に3分間保持した。設定温度の165
℃はDSC法で測定したポリプロピレンの融点ピークの
開始温度である。
ルは作成可能であった。ただし、樹脂によって処理温度
は異なる事が分かった。
エーテルポリアミド(PE−PAと略記する;ATOC
HEM社,商品名ペバックス,グレード2533SA0
0,MFR=6.0)を用いた。このペレットを用い、
IKG(株)製MS20−25押出機を用いて銅線被覆
成形した。ただし、押出成形温度は樹脂メーカーの推奨
する200℃で行い、通常行う銅線の加熱は行わず、銅
線は外径0.86mmのものを用いた。該銅線を注意深
く抜去し、外径0.84mmの芯がねを通し、オーブン
中で60℃、16時間アニールし、成形歪みを除いた。
このチューブの寸法は肉厚75μm,内径0.85mm
×外径0.998mmであった。
先端21cmを温度135℃に保ったオーブン中に3分
間保持した。設定温度の135℃はDSC法で測定した
このグレードのPE−PAの融点ピークの開始温度であ
る。
ルは作成可能であった。ただし、樹脂によって処理温度
は異なる事が分かった。
エーテルポリエステル(PE−PTと略記する;東レ−
デュポン(株),商品名ハイトレル,グレード4797
B,MFR=2.0)を用いた。このペレットを用い、
IKG(株)製MS20−25押出機を用いて銅線被覆
成形した。ただし、押出成形温度は樹脂メーカーの推奨
する220℃で行い、通常行う銅線の加熱は行わず、銅
線は外径0.86mmのものを用いた。該銅線を注意深
く抜去し、外径0.84mmの芯がねを通し、オーブン
中で60℃、16時間アニールし、成形歪みを除いた。
このチューブの寸法は肉厚75μm,内径0.85mm
×外径1.003mmであった。
先端21cmを温度180℃に保ったオーブン中に3分
間保持した。設定温度の180゜CはDSC法で測定し
たこのグレードのPE−PTの融点ピークの開始温度で
ある。
ルは作成可能であった。ただし、樹脂によって処理温度
は異なる事が分かった。
軟化部の寸法測定及びチューブ軸方向の引張試験を行
い、引張弾性率を測定した。その結果を表1にまとめて
示す。
化部と非柔軟化部に於いて、明確に引張弾性率の違いが
認められた。また、実施例1〜5の結果から、処理時間
により引張弾性率が異なる事も確認された。この実験事
実は配向を緩和する事により柔軟性をコントロールでき
る事を示唆するものである。従って、実施例6の様に引
き上げ速度で傾斜的に柔軟性を変化させ得る事を示唆す
るものである。
つ分割して引張試験を行った結果を示す。
行くほど低くなっている事が分かる。従って、傾斜的に
弾性率の変化するチューブであると考えられる。即ち、
傾斜的に柔軟性の変化するカーテルが現実化できたもの
と言える。傾斜的に柔軟性を変化させる方法として、他
に、温度勾配をつけた炉の中に一定時間いれ配向を緩和
する事によっても可能であると考える。
た。樹脂が流れ落ちるほどの条件では、穴があいたり変
形したりして、評価に値するサンプルは得られなかっ
た。従って、軟化点温度付近での配向緩和が好ましいと
考える。
に行い、配向を残さない成形法で成形した場合の結果で
ある。従来より、いかに分子配向を残さないで成形する
かと言う点に注意が払われており、銅線の加熱はそのた
めに広く行われている周知の技術である。従って、本発
明の実現の為には分子配向を積極的に残すよう成形する
事が望ましい。
を行った場合の例である。この場合、配向は緩和されず
柔軟化部分は得られなかった。
配向緩和により柔軟化が可能である事を示した。基本的
にメルトフローレート(MFR)の低い熱可塑性高分子
であれば、物性に異方性がでるのは周知の事実であり、
配向をいかにしてなくすかが課題となっている。従っ
て、配向緩和を利用した本発明は多くの樹脂で実施でき
ると考えられる。但し、実施例8で用いたPE−PAは
MFRが他の実施例の樹脂に比べると高いので配向しに
くく、為に配向緩和処理による柔軟化率は低値となっ
た。従って、成形可能であればMFRは低いものの方
が、分子配向させ易く、従って、配向緩和による柔軟性
のコントロールしやすいと考えられる。
柔軟化部及び非柔軟化部の寸法測定及びチューブ軸方向
の引張試験、引張弾性率の結果を表3にまとめて示す。
を具体的に示したが。本発明により先端部の傾斜的に柔
軟化されたカテーテルが得られる事が明らかである。先
端の柔軟化されたチューブを実際に血管拡張用カテーテ
ルに組み込み試験を行った結果、挿通性の向上がはかれ
た。トラッカビリィティに優れ、プッシャビリィティを
確保したカテーテルとなった。
優れ、しかも、血管等の屈曲面に対する追従性に優れ
る。また、本発明の製造法は非常に単純でありコストも
安価で大量生産に向く。従って、安価で有用なカテーテ
ルが得られ、柔軟化部及び非柔軟化部の柔軟性も幅広く
コントロールできる。
の柔軟化により、挿通性・追従性及び柔軟性の改善が可
能となった。すなわち、カテーテルの挿入の容易性が得
られ、患者の苦痛軽減や生体組織の損傷防止と言った機
能を付加しやすい。
に進歩しつつあるカテーテルを用いた診断・治療に大き
く貢献できるものである。
Claims (2)
- 【請求項1】均質に成形された単層あるいは多層チュー
ブであって、配向緩和処理による傾斜的に柔軟性の変化
する部分からなる柔軟化部と、非柔軟化部とからなり、
当該柔軟化部と当該非柔軟化部は同一素材からなり、ま
た当該柔軟化部と当該非柔軟化部の引張弾性率が少なく
とも5%以上の差を有することを特徴とするカテーテ
ル。 - 【請求項2】 高分子材料を成形加工し異方性を持たせ
た中空成形物を得て、前記成形物の一部を使用高分子の
軟化点温度雰囲気下におきアニールし分子配向を緩和し
て柔軟化することを特徴とする、請求項1記載のカテー
テルを製造する方法。
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---|---|---|---|
JP24532792A JP3343266B2 (ja) | 1992-09-16 | 1992-09-16 | カテーテル |
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JPH0691005A JPH0691005A (ja) | 1994-04-05 |
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JP24532792A Expired - Fee Related JP3343266B2 (ja) | 1992-09-16 | 1992-09-16 | カテーテル |
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1992
- 1992-09-16 JP JP24532792A patent/JP3343266B2/ja not_active Expired - Fee Related
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