JP3340317B2 - 金属の表面状態評価方法及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

金属の表面状態評価方法及び半導体装置の製造方法

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  • Testing Resistance To Weather, Investigating Materials By Mechanical Methods (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属、例えば半導
体基板上の配線に使用される金属の表面状態及び腐食性
の評価を、インラインで短時間に非破壊で且つ定量的に
行なえる方法及び該方法を用いる半導体装置の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】金属の表面状態は金属の腐食に大きく影
響する。例えば、半導体基板上の配線に使用されている
アルミニウム膜は、その表面に緻密に形成される極薄の
自然酸化膜により耐腐食性が向上する。
【0003】また、アルミニウム膜の耐エレクトロマイ
グレーション性向上のためにアルミニウムに数%添加さ
れている銅とアルミニウムとの間に電位差が生じるの
で、アルミニウム膜の表面部における銅の偏析量が多い
ほど局所電池が多く形成され、腐食が起こり易くなる。
【0004】従って、金属の表面状態を知ることは、該
金属の耐腐食性を評価することにつながる。
【0005】そこで、金属の表面状態を評価する方法と
して、TEM(Transmission Elect
ron Microscope)による直接観察法、A
ES(Auger Electron Spectro
scopy)による膜厚測定法、XPS(X−ray
Photo−emission Spectrosco
py)による結合状態評価法、面SIMS(Secon
dary Ion Mass Spectromete
r)による偏析量の測定法などの物理分析が提案されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の金属の表面状態の評価方法は、評価する金属を切断
して試料を形成した後、該試料に電子線、X線又はイオ
ンを入射して測定を行なうため、破壊的な分析方法であ
ると共に、試料の作成や測定に時間を要するので、イン
ライン(半導体装置の量産工程)における分析手段とし
ては適用が困難であるという問題を有している。また、
前記従来の金属の表面状態の評価方法は、腐食のし易さ
について定量的な評価ができないという問題も有してい
る。
【0007】本発明は前記の従来の問題を解決し、イン
ラインで短時間に金属の表面状態、例えば、金属の耐腐
食性、金属表面の平滑性、金属表面の被膜の強度、金属
に含有されている微量金属の偏析量又は濃度並びに金属
のグレインサイズ又はグレインバンダリー長等を、金属
よりなる被測定試料を破壊することなく且つ定量的に評
価できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明が講じた解決手段は、金属の表面
状態評価方法を、前記金属を、該金属を腐食するイオン
を含有する溶液に接触させる溶液接触工程と、前記溶液
に電流値が異なる複数の定電流を印加して前記金属を前
記溶液により腐食させる金属腐食工程と、前記溶液によ
り腐食されている前記金属の電流値毎の電極電位を測定
する電極電位測定工程と、電流値毎の前記電極電位に基
づき電流値の変化に対する孔食時間の変化率を算出する
変化率算出工程と、前記変化率に基づき前記金属の表面
に形成されている酸化膜の溶解速度を測定する溶解速度
測定工程とを備えている構成とするものである。
【0009】請求項1の構成により、金属を、該金属を
腐食するイオンを含有する溶液に接触させて定電流電解
することにより金属の電極電位を測定し、測定された電
極電位に基づき電流値の変化に対する孔食時間の変化率
を算出すると共に、孔食時間の変化率と溶液の濃度との
関係を示すグラフの傾きが金属の表面に形成されている
酸化膜の溶解速度を示すことを利用して、孔食時間の変
化率に基づき酸化膜の溶解速度を測定することができ
る。
【0010】請求項2の発明は、請求項1の構成に、前
記酸化膜の溶解速度から前記金属の表面平滑性を評価す
る平滑性評価工程をさらに備えている構成を付加するも
のである。
【0011】請求項3の発明は、請求項1の構成に、前
記酸化膜の溶解速度から前記酸化膜の被膜強度を評価す
る被膜強度評価工程をさらに備えている構成を付加する
ものである。
【0012】請求項4の発明が講じた解決手段は、金属
の表面状態評価方法を、金属を、該金属を腐食するイオ
ンを含有する溶液に接触させる溶液接触工程と、前記溶
液に電流値が異なる複数の定電流を印加して前記金属を
前記溶液により腐食させる金属腐食工程と、前記溶液に
より腐食されている前記金属の電流値毎の電極電位を測
定する電極電位測定工程と、電流値毎の前記電極電位に
基づき電流値と孔食時間との関係を算出する孔食時間算
出工程と、前記電流値と前記孔食時間との関係に基づき
孔食が起こり始める最小の電流値である臨界電流値を算
出する臨界電流値算出工程と、前記臨界電流値に基づき
前記金属の孔食性を評価する孔食性評価工程とを備えて
いる構成とするものである。
【0013】請求項4の構成により、金属を、該金属を
腐食するイオンを含有する溶液に接触させて定電流電解
することにより金属の電極電位を測定し、測定された電
極電位に基づき電流値と孔食時間との関係を算出し、電
流値と孔食時間との関係に基づき金属の臨界電流値を算
出すると共に、臨界電流値が小さいほど孔食が発生し易
いという関係を利用して、臨界電流値に基づき金属の孔
食性を定量的に評価することができる。
【0014】請求項5の発明は、請求項4の構成に、前
記臨界電流値に基づき前記金属のグレインサイズ又はグ
レインバンダリー長を評価するグレインサイズ又はグレ
インバンダリー長評価工程をさらに備えている構成を付
加するものである。
【0015】請求項6の発明が講じた解決手段は、金属
の表面状態評価方法を、微量な金属が添加された合金
を、該合金を腐食するイオンを含有する溶液に接触させ
る溶液接触工程と、前記溶液に電流値が異なる複数の定
電流を印加して前記合金を前記溶液により腐食させる合
金腐食工程と、前記溶液により腐食されている前記合金
の電流値毎の電極電位を測定する電極電位測定工程と、
電流値毎の前記電極電位に基づき電流値と孔食時間との
関係を算出する孔食時間算出工程と、前記電流値と前記
孔食時間との関係に基づき孔食が起こり始める最小の電
流値である臨界電流値を算出する臨界電流値算出工程
と、前記臨界電流値に基づき前記合金中の金属の偏析量
又は濃度を評価する偏析量又は濃度評価工程とを備えて
いる構成とするものである。
【0016】請求項6の構成により、微量な金属が添加
された合金を、該合金を腐食するイオンを含有する溶液
に接触させて定電流電解することにより合金の電極電位
を測定し、測定された電極電位に基づき電流値と孔食時
間との関係を算出し、電流値と孔食時間との関係に基づ
き合金の臨界電流値を算出すると共に、合金の結晶粒界
に偏析している微量な金属の量が増加すれば孔食が発生
し易くなるために臨界電流値が小さくなるという関係を
利用して、臨界電流値に基づき合金中の金属の偏析量又
は濃度を定量的に評価することができる。
【0017】請求項7の発明が講じた解決手段は、金属
の表面状態評価方法を、金属薄膜を、該金属薄膜を腐食
するイオンを含有する溶液に接触させる溶液接触工程
と、前記溶液に電流値が異なる複数の定電流を印加して
前記金属薄膜を前記溶液により腐食させる金属薄膜腐食
工程と、前記溶液により腐食されている前記金属薄膜の
電流値毎の電極電位を測定する電極電位測定工程と、電
流値毎の前記電極電位に基づき電流値と孔食時間との関
係を算出する孔食時間算出工程と、電流値毎の前記電極
電位に基づき電流値の変化に対する孔食時間の変化率を
算出する変化率算出工程と、前記電流値と前記孔食時間
との関係に基づき孔食が起こり始める最小の電流値であ
る臨界電流値を算出する臨界電流値算出工程と、前記変
化率及び臨界電流値に基づき前記金属薄膜の耐腐食性を
評価する耐腐食性評価工程とを備えている構成とするも
のである。
【0018】請求項7の構成により、金属薄膜を、該金
属薄膜を腐食するイオンを含有する溶液に接触させて定
電流電解することにより金属薄膜の電極電位を測定し、
測定された電極電位に基づき電流値と孔食時間との関係
及び電流値の変化に対する孔食時間の変化率を算出し、
電流値と孔食時間との関係に基づき金属薄膜の臨界電流
値を算出するので、孔食時間の変化率に関係する金属薄
膜の表面平滑性及び表面に形成されている酸化膜の被膜
強度、並びに臨界電流値に関係する金属被膜の耐孔食
性、含有されている微量金属の偏析量や濃度及び含有さ
れている微量金属のグレインサイズやグレインバンダリ
ー長を評価することができる。これにより変化率及び臨
界電流値に基づき金属薄膜の耐腐食性を定量的に評価す
ることができる。
【0019】請求項の発明が講じた解決手段は、半導
体装置の製造方法を、半導体基板上に金属薄膜を所定の
堆積条件で形成する金属薄膜形成工程と、前記金属薄膜
を、該金属薄膜を腐食するイオンを含有する溶液に接触
させる溶液接触工程と、前記溶液に電流値が異なる複数
の定電流を印加して前記金属薄膜を前記溶液により腐食
させる金属薄膜腐食工程と、前記溶液により腐食されて
いる前記金属薄膜の電流値毎の電極電位を測定する電極
電位測定工程と、電流値毎の前記電極電位に基づき電流
値と孔食時間との関係を算出する孔食時間算出工程と、
電流値毎の前記電極電位に基づき電流値の変化に対する
孔食時間の変化率を算出する変化率算出工程と、前記電
流値と前記孔食時間との関係に基づき孔食が起こり始め
る最小の電流値である臨界電流値を算出する臨界電流値
算出工程と、前記変化率及び臨界電流値に基づき前記金
属薄膜の表面状態を評価し、該評価に基づいて、前記金
属薄膜形成工程における前記所定の堆積条件の適否を判
断する堆積条件判断工程とを備えている構成とするもの
である。
【0020】請求項の構成により、半導体基板上に所
定の堆積条件で形成された金属薄膜を、該金属薄膜を腐
食するイオンを含有する溶液に接触させて定電流電解す
ることにより金属薄膜の電極電位を測定し、電極電位の
測定結果に基づき電流値と孔食時間との関係及び電流値
の変化に対する孔食時間の変化率を算出し、電流値と孔
食時間との関係に基づき金属薄膜の臨界電流値を算出す
るので、孔食時間の変化率に関係する金属薄膜の表面平
滑性及び表面に形成されている酸化膜の被膜強度、並び
に臨界電流値に関係する金属被膜の耐孔食性、含有され
ている微量金属の偏析量や濃度及び含有されている微量
金属のグレインサイズやグレインバンダリー長を評価す
ることができる。これにより金属薄膜の表面状態の評価
が可能となり、該評価に基づいて、金属薄膜形成工程に
おける所定の堆積条件の適否を判断することができる。
【0021】請求項の発明が講じた解決手段は、半導
体装置の製造方法を、半導体基板上に金属配線を形成す
る工程と、前記金属配線上に酸化被膜を形成する工程
と、前記酸化被膜が形成された金属配線を、該金属配線
を腐食するイオンを含有する溶液に接触させる溶液接触
工程と、前記溶液に電流値が異なる複数の定電流を印加
して前記金属配線を前記溶液により腐食させる金属配線
腐食工程と、前記溶液により腐食されている前記金属配
線の電流値毎の電極電位を測定する電極電位測定工程
と、電流値毎の前記電極電位に基づき電流値の変化に対
する孔食時間の変化率を算出する変化率算出工程と、前
記変化率に基づき前記酸化被膜の耐腐食性を評価する耐
腐食性評価工程と、前記酸化被膜の耐腐食性を所定の基
準と比較し、前記酸化被膜の耐腐食性が前記所定の基準
を満たさないときには該酸化被膜を除去して新しい酸化
被膜を形成する一方、前記酸化被膜の耐腐食性が前記所
定の基準を満たすときには該酸化被膜が形成されている
前記半導体基板に対して次工程の処理を行なう酸化被膜
良否判定工程とを備えている構成とするものである。
【0022】請求項の構成により、表面に酸化被膜が
形成されている金属配線を、該金属配線を腐食するイオ
ンを含有する溶液に接触させて定電流電解することによ
り得られた金属配線の電極電位の測定結果に基づき、電
流値の変化に対する孔食時間の変化率を算出すると、孔
食時間の変化率に関係する酸化被膜の被膜強度を評価す
ることができるので、酸化被膜の耐腐食性の評価が可能
になる。
【0023】
【発明の実施形態】(第1の実施形態) 以下、本発明の第1の実施形態に係る金属の表面状態評
価方法に用いる測定装置について、図1〜図2を参照し
ながら説明する。
【0024】図1は前記測定装置の概略構成を示し、図
2は前記測定装置の詳細を示しており、前記測定装置
は、半導体基板としての半導体ウエハー上の配線用の金
属薄膜(金属配線膜)であるAl系合金膜の、溶液中に
おける定電流下での電極電位を測定する装置である。
【0025】図1及び図2において、11は自然電極電
位を測定するためのガルバノスタット、12は電位の経
時変化を記録する記録計、13は半導体ウエハーであっ
て、該半導体ウエハー13上には被測定試料であるAl
系合金膜が金属配線膜として堆積されている。また、図
1及び図2において、14はAg/AgClからなる比
較電極、15はPtからなる対照電極、16、17、1
8はそれぞれ半導体ウエハー13、比較電極14又は対
照電極15とガルバノスタット11とを接続する接続用
配線である。半導体ウエハー13、比較電極14及び対
照電極15を、溶液で満たされた測定セル19の中に浸
漬することにより、電極電位の経時変化を測定すること
ができる。印加する電流は、ガルバノスタット11から
対照電極15を通して半導体ウエハー13に流れてお
り、電位は比較電極14と半導体ウエハー13との電位
差をガルバノスタット11により読み取っている。
【0026】以下、前記のように構成された測定装置を
用いて電気化学的評価を行なう金属の表面状態評価方法
について、図3〜図10を参照しながら説明する。
【0027】まず、図3〜図5は、1N(規定)−塩酸
溶液中でAlSiCu薄膜の定電流電解を異なる電流値
(電流密度)を持つ定電流により行なったときの電位
(Potential)の経時変化を示している。
【0028】ここで、溶液として塩酸を用いたのは、塩
素イオンがアルミニウムを腐食し易いためであって、溶
液はハロゲンイオンを発生させるものであれば、必ずし
も塩酸でなくてもよい。
【0029】図3〜図5に示す経時変化から、塩酸中で
Cuのカソード作用により、AlSiCu薄膜の表面に
形成されたアルミ酸化膜において孔食が発生している時
間を、それぞれの定電流値(定電流密度)について読み
とることができる。図3〜図5において、電位の値が振
動している0からT1 〜T5 までの時間帯が、アルミ酸
化膜において孔食が発生している孔食時間(Time
of pittingcorrosion)である。
【0030】時間がT1〜T5を経過すると、孔食が多数
発生し、最終的にはアルミ酸化膜が消滅してAlSiC
u薄膜の全面が均一に腐食される、つまり全面腐食され
ることになる。図3〜図5において、T1〜T5よりも後
で電位が単調に減少している時間帯は、全面腐食が発生
している全面腐食時間である。従って、電位の値が振動
している0からT1〜T5までの孔食時間帯と、電位が単
調に減少している全面腐食時間帯とを明確に判別するこ
とができる。
【0031】ここで、孔食の発生のメカニズムについて
図7(a),(b)を用いて説明する。
【0032】図7(a)は、AlSiCu合金31の表
面に酸化膜としてのアルミ酸化膜32が形成されている
状態を示したものである。アルミニウムの結晶粒界33
上に銅34が偏析しており、銅34の表面には銅酸化膜
35が形成されている。図7(a)に示す試料を塩酸に
浸漬して塩酸中で定電流を流すと、アルミ酸化膜32及
び銅酸化膜35が溶解し、図7(b)に示すように銅3
4が露出して塩酸中でカソードとして作用する。この状
態になれば、塩酸とAlSiCu合金31との間に電位
差が生じてアルミ酸化膜32に電界が作用し、開口部3
6が形成されてしまう。アルミ酸化膜32に開口部36
が形成される現象が孔食である。
【0033】図6は、配線用AlSiCu薄膜をスパッ
タリングにより形成した直後に、濃度の異なる塩酸中で
電流値が異なる複数の定電流により定電流電解し、前記
のようにして測定した孔食時間を縦軸に、印加した定電
流の電流密度(Current density)を対
数で横軸にとってプロットした結果を示している。図6
において、(a)のグラフは0.1N−塩酸中、(b)
のグラフは1N−塩酸中、(c)のグラフは2N−塩酸
中における定電流電解により得られた電流密度(電流
値)と孔食時間との関係を示している。
【0034】塩酸濃度を変化させて定電流電解を行なう
ことにより、塩酸濃度が異なると、孔食時間の電流値に
対する依存性が異なることが明らかになった。すなわ
ち、塩酸濃度が高いほど、つまり溶解速度が大きいほ
ど、孔食時間は電流値に依存しなくなり、図6における
グラフの傾きが小さくなる。これは、塩酸濃度が高い場
合は、小さい電流値において銅による孔食が支配的であ
り、電流値を増加させても孔食時間が増加しないためで
ある。そのため、金属の酸化物においては、酸化物にお
ける電流値と孔食時間との関係のグラフの傾きが小さい
ほど、酸化物は電流値とは無関係に溶液中で腐食され易
いという第1の関係がある。従って、前記グラフの傾き
を求めることによって、金属酸化物の耐腐食性、つまり
腐食に対する金属表面の被膜強度を評価することができ
る。
【0035】図8は、図6における(a)、(b)、
(c)のグラフの電流密度(電流値)に対する孔食時間
の傾きを求め、該グラフの傾きを縦軸に、塩酸濃度を横
軸に対数でとってプロットしたものである。図8におい
て、塩酸濃度に対して傾き(Slope)が−5.3で
ある直線が得られる。
【0036】一方、AlSiCu薄膜上の酸化膜である
アルミ酸化膜(Al23)の塩酸による溶解は下記のよ
うに表すことができる。
【0037】
【化1】
【0038】ただし、kは反応速度定数である。[化
2]に示すようにAl23の溶解速度は塩酸濃度の6乗
に比例する。
【0039】
【化2】 −d[Al23]/dt=k[HCl]6 一方、図8のグラフは、以下のことを示す。
【0040】第1に、負の符号により、塩酸濃度が増す
と電流密度(電流値)に対する孔食時間の変化率(図8
の縦軸における「グラフの傾き」の値)が小さくなり、
アルミ酸化膜は腐食され易いことがわかる。
【0041】第2に、図8のグラフの傾き(Slop
e)は−5.3であることから、電流密度に対する孔食
時間の変化率は塩酸濃度の−5.3乗に比例する。前記
負の符号の意味を考慮すると、アルミ酸化膜の腐食され
易さは塩酸濃度の5.3乗に比例することがわかる。
【0042】アルミ酸化膜(Al23)の溶解速度を示
す、塩酸濃度のべき乗である値は、図8のグラフの傾き
の値及び[化2]に示す値であって、それぞれ5.3及
び6となるので近似していると言える。このため、図8
のグラフの傾きの値はアルミ酸化膜(Al23)の溶解
速度を示している。
【0043】従って、定電流電解法より得られる電流密
度と孔食時間との関係を示す図6のグラフの傾きを求
め、該グラフの傾きを塩酸濃度に対してプロットした図
8のグラフの傾きの値は、金属の表面に形成されている
酸化膜の溶解速度を示している。従って、図8のグラフ
の傾きの値を求めることによって、酸化膜の溶解速度を
測定することができる。
【0044】また、一般的な性質として、金属表面の平
滑性が低いほど溶解速度は大きいという第2の関係があ
る。
【0045】前述した第1及び第2の関係を利用して、
表面状態を評価したい金属を溶液中で定電流電解して電
流値と孔食時間との関係を測定することにより、金属表
面の酸化膜の溶解速度を測定でき、これにより酸化膜の
溶解速度に関係する金属表面の平滑性及び被膜強度を評
価することができる。
【0046】図6において(d)のグラフは、450℃
の温度下で5分間の熱処理が施されたAlSiCu薄膜
の0.1N−塩酸中における定電流電解の結果得られ
た、電流密度(電流値)と孔食時間との関係を示してい
る。図6に示すように、(d)のグラフの傾きは、スパ
ッタリングの直後に0.1N−塩酸中に浸漬したときの
(a)のグラフの傾きとほぼ同じ値をとり、熱処理を施
しても金属表面の平滑性及び被膜強度には変化がないこ
とがわかる。
【0047】次に、スパッタリングにより形成された直
後のAlSiCu薄膜及び熱処理が施されたAlSiC
u薄膜の臨界電流値(=Icrit)を求める。ここで、臨
海電流値とは、図9に示すように、電流値と孔食時間と
の関係を示すグラフを電流値の負の方向に延長したとき
のX切片であり、孔食が発生し始める最小の電流値であ
る。従って臨界電流値が小さいほど孔食が発生し易い。
この関係を利用して、臨界電流値を求めることにより、
金属の孔食性を評価することができる。
【0048】ここで、図6における(a)及び(d)の
グラフによって臨界電流値を求めると、スパッタリング
直後のAlSiCu薄膜は(a)のグラフより1.2×
10-11(A/cm2)となり、熱処理が施されたAlS
iCu薄膜は(d)のグラフより2.7×10-24(A
/cm2)となり、熱処理が施されたAlSiCu薄膜
の臨界電流値はスパッタリング直後のAlSiCu薄膜
の臨界電流値に比べて13桁小さい値となった。これ
は、熱処理を行なうことにより、結晶粒界であるグレイ
ンバンダリーに偏析している銅の量が増加したため孔食
が発生し易くなり、臨界電流値が小さくなったものであ
る。このことにより、AlSiCu薄膜の銅の偏析量又
は濃度を評価することができる。すなわち、臨界電流値
を求めることにより、含有されている微量金属の偏析量
又は濃度を評価することができる。
【0049】図10は、グレインサイズが10〜15倍
程度異なるAlCu薄膜で定電流電解を行なったとき
の、電流密度と孔食時間との関係を示している。図10
において、(a)は2〜3μmのグレインサイズを持つ
AlCu薄膜の関係を示し、(b)は0.2μmのグレ
インサイズを持つAlCu薄膜の関係を示している。
【0050】図10から明らかなように、(a)のグラ
フに示す2〜3μmのグレインサイズを持つAlCu薄
膜の臨界電流値は1.4×10-8(A/cm2)とな
り、(b)のグラフに示す0.2μmのグレインサイズ
を持つAlCu薄膜の臨界電流値は1.4×10
-14(A/cm2)となり、グレインサイズの大きいAl
Cu薄膜の臨界電流値はグレインサイズの小さいAlC
u薄膜の臨界電流値に比べて大きい。これは、グレイン
サイズが大きいほどグレインバンダリー長が短く、その
ためグレインバンダリー上に偏析している銅の量も少な
くなるので、局所電池効果による腐食が抑えられるため
である。従って、臨界電流値を求めることにより、Al
Cu薄膜の銅のグレインサイズ又はグレインバンダリー
長を評価することができる。すなわち、臨界電流値を求
めることにより、含有されている微量金属のグレインサ
イズ又はグレインバンダリー長を評価することができ
る。
【0051】以上の関係を利用して、表面状態を評価し
たい金属を溶液中で定電流電解して電極電位を測定し、
電流値と孔食時間との関係を測定することにより、金属
の臨界電流値を求めることができ、求めた臨界電流値か
ら、金属の耐孔食性、含有されている微量金属の偏析量
又は濃度、及び含有されている微量金属のグレインサイ
ズ又はグレインバンダリー長を評価することができる。
【0052】従って、表面状態を評価したい金属を溶液
中で定電流電解して電極電位を測定し、該電極電位の経
時変化の測定結果により得られた印加電流値の変化に対
する孔食時間の変化率を求め、該変化率に基づいて金属
表面の酸化膜の溶解速度を測定し、該溶解速度に基づい
て金属の表面平滑性及び金属表面の被膜強度を評価する
ことができる。また、印加電流値と孔食時間との関係に
基づいて金属の臨界電流値を算出し、該臨界電流値に基
づいて金属の耐孔食性、含有されている微量金属の偏析
量又は濃度、及び含有されている微量金属のグレインサ
イズ又はグレインバンダリー長を評価することができ、
これにより、金属の耐腐食性を評価することができる。
【0053】第1の実施形態によると、測定試料を塩酸
中で定電流電解して電極電位を測定し、該電極電位の経
時変化を測定することにより得られた電流値と孔食時間
との関係に基づいて、金属の表面平滑性、金属表面の被
膜強度、金属の耐孔食性、含有されている微量金属の偏
析量又は濃度、含有されている微量金属のグレインサイ
ズ又はグレインバンダリー長、及びそれらを総合した金
属の耐腐食性を、該金属を破壊することなくインライン
で短時間に評価することができる。
【0054】従って、配線形成工程における腐食発生
を、半導体ウエハーを破壊することなくインラインで且
つ短時間にモニターすることが可能となり、半導体装置
の歩留り向上に大きく寄与することができる。また、ド
ライエッチング後の金属配線膜の評価を行なうことによ
り、配線形成工程においてドライエッチング及びその後
処理に対する評価結果のフィードバックが可能となる。
【0055】(第2の実施形態) 以下、本発明の第2の実施形態に係る金属の表面状態評
価方法及び該評価方法に用いる測定装置について、図1
1及び図12を参照しながら説明する。
【0056】図11は本発明の第2の実施形態に係る金
属の表面状態の評価において微小領域の電位の測定を可
能とする測定装置の全体構成を示し、図12は前記測定
装置の詳細を示している。
【0057】図11及び図12において、41は定電流
下での電極電位を測定するためのガルバノスタット、4
2は電位の経時変化を記録する記録計、43は半導体ウ
エハーであって、該半導体ウエハー43上には被測定試
料であるAl系合金膜が金属配線膜として堆積されてい
る。また、図11及び図12において、44はAg/A
gClからなる比較電極、45はPtからなる対照電
極、46は第1の容器、47は第2の容器であって、第
1の容器46にはHCl溶液等からなる第1の溶液48
が満たされ、第2の容器47にはNaCl溶液、KCl
溶液等からなる第2の溶液49が満たされる。50はバ
イコールガラス等の多孔質体からなる架橋部であって、
該架橋部50は第1の溶液48と第2の溶液49との間
の交換を阻止する。
【0058】比較電極44、対照電極45及び第1の容
器46は一体化されている。第1の容器46の形状は直
径約1cm、高さ約3cmの円筒状であり、第1の容器
46の材質は第1の溶液48と反応せず且つ第1の溶液
48が外部へ浸透しない素材、例えばガラスやフルオロ
カーボンなどである。
【0059】金属の表面状態の評価は、前記測定装置を
用いて以下の方法で行なう。
【0060】まず、半導体ウエハー43上の評価したい
微小領域に第1の容器46の下端部を密着させた後、第
1の容器46に第1の溶液48を満たす。
【0061】次に、対照電極45に定電流を印加して被
測定試料である金属配線膜の定電流電解を行ない、該金
属配線膜の電極電位を測定する。
【0062】次に、半導体ウエハー43上の他の微小領
域の電極電位を測定するために、第1の容器46内を洗
浄して第1の溶液48を新しいものと交換し、半導体ウ
エハー43上の他の微小領域において対照電極45に定
電流を印加し、他の微小領域上の金属配線膜の電極電位
を測定する。測定された電極電位に基づき、電流値の変
化に対する孔食時間の変化率、及び臨界電流値を算出し
て金属の表面状態を評価する。
【0063】前記の評価方法により、半導体ウエハー4
3上の金属配線膜の多点モニターが、短時間に且つ半導
体ウエハー43を破壊することなく可能となる。
【0064】第2の実施形態によれば、前記の評価方法
及び測定装置を用いることにより、半導体ウエハー43
上の微小領域の多点モニターが可能となるため、半導体
ウエハー43の面内における金属の表面状態のばらつき
や平均値を調べることができるので、半導体ウエハー4
3上の金属配線膜の表面状態を短時間により正確に且つ
半導体ウエハー43を破壊することなく評価することが
できる。
【0065】(第3の実施形態) 以下、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造
方法について、図13を参照しながら説明する。
【0066】図13は、第1及び第2の実施形態に係る
金属の表面状態評価方法を半導体装置の製造工程に導入
する場合のプロセスフローを示したものである。
【0067】半導体装置の製造工程においては、配線形
成工程であるドライエッチング後にレジスト除去のため
にO2アッシング処理を行ない、その後、配線である金
属薄膜が残存塩素イオンによって腐食されることを抑制
するために、沸硝酸を用いて半導体ウエハーを洗浄する
沸硝酸洗浄処理が行なわれる。該沸硝酸洗浄処理により
金属配線上に酸化被膜が形成され、腐食を防止すること
が可能となる。
【0068】第3の実施形態においては、沸硝酸による
洗浄処理後における評価工程、すなわち、沸硝酸による
洗浄後の金属配線上に形成される酸化被膜の強度、金属
の耐腐食性又は含有される微量金属の偏析量を評価する
評価工程において、第1の実施形態及び第2の実施形態
に係る金属の表面状態評価方法を利用する。前記評価工
程において各評価項目が規格内かどうかを判定して所定
の規格を満たさなかった半導体ウエハーを選別し、規格
外の半導体ウエハーについては例えば沸硝酸洗浄処理に
より再度酸化して表面被膜の膜厚を増加させて、規格を
満たすまで被膜の強度を強化すること等によって、半導
体装置の歩留り向上に大きく寄与することができる。
【0069】(第4の実施形態) 以下、本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の製造
方法について説明する。 半導体装置の製造工程におけ
る金属配線膜の堆積条件を決定するため、金属配線膜を
堆積した直後に第1の実施形態及び第2の実施形態に係
る金属の表面状態評価方法を適用する。すなわち、半導
体ウエハーに堆積された直後の金属配線膜に対して定電
流電解を行ない、印加電流値の変化に対する孔食時間の
変化率及び臨界電流値を測定する。
【0070】測定された変化率及び臨界電流値に基づ
き、堆積された直後の金属配線膜の耐腐食性及び表面状
態の評価を短時間に行なうことができるため、金属配線
膜の堆積条件が適切であるか否かの判断を短時間に行な
うことができる。
【0071】(第5の実施形態) 以下、本発明の第5の実施形態に係る、めっき工程にお
ける表面活性化処理液の選択方法について説明する。
【0072】金属にめっきを施す場合、表面の酸化被膜
を完全に除去して金属表面を活性化してから、めっき溶
液に浸漬する必要がある。その際に使用する表面活性化
処理液の選択に第1の実施形態に係る金属の表面状態評
価方法を適用する。
【0073】複数の表面活性化処理液中に同一の仕様よ
りなる被めっき体をそれぞれ浸漬し、同一の条件によっ
て第1の実施形態に係る定電流電解を行なう。このと
き、電流値と孔食時間との関係に基づいて孔食時間の電
流値に対する依存性が評価される。複数の表面活性化処
理液のうちで、孔食時間の電流値に対する依存性が最も
低い、すなわち、電流値に対する孔食時間の変化を示す
グラフの傾きの最も小さい表面活性化処理液が、表面活
性化処理液自体が有する被めっき体の酸化被膜を腐食す
る能力が最も大きいと言える。従って、このような処理
液を最良の表面活性化処理液として選択する。
【0074】(第6の実施形態) 以下、本発明の第6の実施形態に係る、半導体装置の配
線形成工程における研磨液の選択方法について説明す
る。
【0075】半導体装置の配線形成工程において、埋め
込み溝の平坦化方法として使用されている化学機械的研
磨法(CMP)において被研磨体を研磨するための研磨
液の選択に第1の実施形態に係る金属の表面状態評価方
法を適用する。
【0076】複数の研磨液中に同一の仕様よりなる被研
磨体をそれぞれ浸漬し、同一の条件によって第1の実施
形態に係る定電流電解を行なう。該定電流電解により得
られる電流値と孔食時間との関係に基づいて孔食時間の
電流値に対する依存性が評価される。複数の研磨液のう
ちで、孔食時間の電流値に対する依存性が最も低い、す
なわち、電流値に対する孔食時間の変化を示すグラフの
傾きの最も小さい研磨液が、研磨液自体が有する被研磨
体を腐食する能力が最も大きいと言える。従って、この
ような研磨液を最良の研磨液として選択する。
【0077】(参考形態1) 以下、参考形態1に係る、電気化学的評価による金属の
表面状態評価方法及び該評価方法に用いる測定装置につ
いて、図14及び図15を参照しながら説明する。
【0078】図14は参考形態1に係る金属の表面状態
評価に用いる測定装置の概略構成を示し、図15は前記
測定装置の詳細を示しており、前記測定装置は、半導体
ウエハー上の配線金属膜であるAl系合金膜の、溶液中
における定電位下での腐食電流を測定(定電位電解法)
する装置である。
【0079】図14及び図15において、61は腐食電
流を測定するためのポテンシオスタット、62は腐食電
流の経時変化を記録する記録計、63は半導体ウエハー
であって、該半導体ウエハー63上には被測定試料であ
るAl系合金膜が金属配線膜として堆積されている。ま
た、図14及び図15において、64はAg/AgCl
からなる比較電極、65はPtからなる対照電極、6
6、67、68はそれぞれ半導体ウエハー63、比較電
極64又は対照電極65とポテンシオスタット61とを
接続する接続用配線である。半導体ウエハー63、比較
電極64及び対照電極65を、溶液で満たされた測定セ
ル69の中に浸漬することにより、自然電極電位近傍の
電位を測定試料に印加しながら腐食電流の経時変化を測
定することができる。ポテンシオスタット61から半導
体ウエハー63に電位を印加して、その際に対照電極6
5と半導体ウエハー63との間に流れる電流値をポテン
シオスタット61により読み取っている。
【0080】ここで、自然電極電位とは、金属が溶解す
るアノード反応と、溶液中の水素イオンを還元して水素
を発生するカソード反応とが平衡となり電流が流れなく
なる電位のことである。自然電極電位と同じ電位を被測
定試料に印加しても腐食電流は流れない。自然電極電位
の近傍である電位を被測定試料に印加することにより、
電位を掃引させながら腐食電流を測定する分極特性測定
法とは異なり、被測定試料を強制的に腐食させることな
く、該被測定試料が自然に腐食していく状態における挙
動を溶液中において観察することができる。
【0081】以下、前記のように構成された測定装置を
用いて行なう金属の表面状態の評価方法について、図1
6を参照しながら説明する。
【0082】図16は、1N(規定)−塩酸(HCl)
中でAlSiCu薄膜の定電位電解を行なったときの腐
食電流の経時変化の結果を示している。
【0083】ここで、溶液として塩酸を用いたのは、塩
素イオンがアルミニウムを腐食し易いためであって、溶
液はハロゲンイオンを発生させるものであれば、必ずし
も塩酸でなくてもよい。
【0084】図16に示す経時変化から、孔食が発生し
始めるまでの時間(無孔食時間)及びアルミニウムが腐
食する速度を読み取ることができる。図16において、
電位を印加した後、電流密度(電流値)が一定である時
間、つまり0からT6までが腐食電流が発生しない時間
帯であり、該時間帯においてはアルミ酸化膜における孔
食は発生していない。
【0085】T6において電流密度(電流値)が急激に
減少し、この時点で孔食が発生し始める。0からT6
での時間帯が無孔食時間である。電流密度(電流値)が
急激に減少した後で且つ最大値である最大電流密度(最
大電流値Imax)付近にまで増加する時間帯(T6からT
7まで)においては、AlSiCu薄膜の表面被膜で孔
食が発生している。電流密度(電流値)が最大電流密度
(最大電流値Imax)付近にまで増加した後ほぼ最大電
流密度(最大電流値Imax)付近の値を保つ時間帯(T7
〜T8)においては、AlSiCu薄膜が腐食してい
る。
【0086】無孔食時間が大きいほど金属表面の被膜強
度は大きく、最大電流値が小さいほど金属の腐食速度は
小さい。
【0087】このように、塩酸中で定電位電解を行なう
ことにより測定した腐食電流の経時変化に基づいて無孔
食時間及び最大電流値を測定し、無孔食時間に基づいて
金属表面の被膜強度を評価することができると共に、最
大電流値に基づいて金属の耐腐食性を評価することがで
きる。
【0088】参考形態1によると、被測定試料を塩酸中
で定電位電解して腐食電流を測定し、該腐食電流の経時
変化を測定することにより得られた無孔食時間及び最大
電流値に基づいて、金属表面の被膜強度及び金属の耐腐
食性を、インラインで短時間に半導体ウエハーを破壊す
ることなく且つ定量的に評価することができる。
【0089】従って、配線形成工程における腐食発生
を、半導体ウエハーを破壊することなくインラインで且
つ短時間にモニターすることが可能となり、半導体装置
の歩留り向上に大きく寄与することができる。また、ド
ライエッチング後の金属配線膜の評価を行なうことによ
り、配線形成工程においてドライエッチング及びその後
処理に対する評価結果のフィードバックが可能となる。
【0090】(参考形態2) 以下、参考形態2に係る金属の表面状態評価方法に用い
る測定装置について、図17及び図18を参照しながら
説明する。
【0091】図17は金属の表面状態を評価する際に、
微小領域の電流の測定を可能とする測定装置の全体構成
を示し、図18は前記測定装置の詳細を示している。
【0092】図17及び図18において、81は腐食電
流を測定するためのポテンシオスタット、82は腐食電
流の経時変化を記録する記録計、83は半導体ウエハー
であって、該半導体ウエハー83には被測定試料である
Al系合金膜が金属配線膜として堆積されている。ま
た、図17及び図18において、84はAg/AgCl
からなる比較電極、85はPtからなる対照電極、86
は第1の容器、87は第2の容器であって、第1の容器
86にはHCl溶液等からなる第1の溶液88が満たさ
れ、第2の容器87にはNaCl溶液、KCl溶液等か
らなる第2の溶液89が満たされる。90はバイコール
ガラス等の多孔質体からなる架橋部であって、該架橋部
90は第1の溶液88と第2の溶液89との間の交換を
阻止する。
【0093】比較電極84、対照電極85及び第1の容
器86は一体化されている。第1の容器86の形状は直
径約1cm、高さ約3cmの円筒状であり、第1の容器
86の材質は第1の溶液88と反応せずまた第1の溶液
88が外部へ浸透しない素材、例えばガラスやフルオロ
カーボンなどである。
【0094】金属の表面状態の評価は、前記測定装置を
用いて以下の方法で行なう。
【0095】まず、半導体ウエハー83上の評価したい
微小領域に第1の容器86の下端部を密着させた後、第
1の容器86に第1の溶液88を満たす。
【0096】次に、ポテンシオスタット81から半導体
ウエハー83に定電位を印加して被測定試料である金属
配線膜の定電位電解を行ない、該金属配線膜の腐食電流
を測定する。
【0097】次に、半導体ウエハー83上の他の微小領
域の腐食電流を測定するために、第1の容器86内を洗
浄して第1の溶液88を新しいものと交換し、半導体ウ
エハー83上の他の微小領域において第1の溶液88及
び第2の溶液89に定電位を印加し、他の微小領域上の
金属配線膜の腐食電流を測定する。測定される腐食電流
に基づき、無孔食時間及び最大電流値(最大電流密度)
を測定して金属の表面状態を評価する。
【0098】前記評価方法により、半導体ウエハー83
上の金属配線膜の多点モニターが、短時間に且つ半導体
ウエハー83を破壊することなく可能となる。
【0099】参考形態2によれば、前記の評価方法及び
測定装置を用いることにより、半導体ウエハー83上の
微小領域の多点モニターが可能となるため、半導体ウエ
ハー83の面内における金属の表面状態のばらつきや平
均値を調べることができるので、半導体ウエハー83上
の金属配線膜の表面状態を短時間により正確に且つ半導
体ウエハー83を破壊することなく評価することができ
る。
【0100】(第の実施形態) 以下、本発明の第の実施形態に係る半導体装置の製造
方法について、図13を参照しながら説明する。
【0101】図13は、参考形態1及び参考形態2に係
る金属の表面状態評価方法を半導体装置の製造工程に導
入する場合のプロセスフローを示したものである。
【0102】半導体装置の製造工程においては、配線形
成工程であるドライエッチング後にレジスト除去のため
にO2アッシング処理を行ない、その後、配線である金
属薄膜が残存塩素イオンによって腐食されることを抑制
するために、沸硝酸を用いて半導体ウエハーを洗浄する
沸硝酸洗浄処理が行なわれる。該沸硝酸洗浄処理により
金属配線上に酸化被膜が形成され、腐食を防止すること
が可能となる。
【0103】第の実施形態においては、沸硝酸による
洗浄処理後における評価工程、すなわち、沸硝酸による
洗浄後の金属配線上に形成される酸化被膜の強度、金属
の耐腐食性又は含有される微量金属の偏析量を評価する
評価工程において、参考形態1及び参考形態2に係る金
属の表面状態評価方法を利用する。前記評価工程におい
て各評価項目が規格内かどうかを判定して所定の規格を
満たさなかった半導体ウエハーを選別し、規格外の半導
体ウエハーについては例えば沸硝酸洗浄処理により再度
酸化して表面被膜の膜厚を増加させて、規格を満たすま
で被膜の強度を強化すること等によって、半導体装置の
歩留り向上に大きく寄与することができる。
【0104】(第の実施形態) 以下、本発明の第の実施形態に係る半導体装置の製造
方法について説明する。
【0105】半導体装置の製造工程における金属配線膜
の堆積条件を決定するため、金属配線膜を堆積した直後
に、参考形態1及び参考形態2に係る金属の表面状態評
価方法を適用する。すなわち、半導体ウエハーに堆積さ
れた直後の金属配線膜に対して定電位電解を行ない、腐
食電流に基づいて無孔食時間及び最大電流値を測定す
る。
【0106】測定された無孔食時間及び最大電流値に基
づき、堆積された直後の金属配線膜の表面の被膜強度及
び金属の耐腐食性の評価を短時間に行なうことができる
ため、金属配線膜の堆積条件が適切であるか否かの判断
を短時間に行なうことができる。
【0107】次に、別の半導体素子用配線形成工程にお
ける研磨液の選択方法について説明する。
【0108】半導体装置の配線形成工程において、埋め
込み溝の平坦化方法として使用されている化学機械的研
磨法(CMP)において被研磨体を研磨するための研磨
液の選択に、参考形態1に係る金属の表面状態評価方法
を適用する。
【0109】複数の研磨液中に同一の仕様よりなる被研
磨体をそれぞれ浸漬し、同一の条件によって参考形態1
に係る定電位電解を行なう。該定電位電解により得られ
る腐食電流の変化に基づいて最も適切な腐食速度をもっ
た研磨液を最良な研磨液として選択する。
【0110】尚、以上説明した実施形態及び参考形態
は比較電極をAg/AgCl電極としたが、これに限ら
ない。また、測定試料をAlSiCu薄膜及びAlCu
薄膜としたが、これに限らず金属薄膜であれば測定可能
である。
【0111】また、以上説明した実施形態では対象分野
を半導体装置の製造分野としたが、液晶表示装置の製造
分野や実装の分野でもよい。
【0112】
【発明の効果】請求項1の発明に係る金属の表面状態評
価方法によると、電流値の変化に対する金属の孔食時間
の変化率と金属の表面に形成されている酸化膜の溶解速
度との関係に基づき、酸化膜の溶解速度をインラインで
短時間に且つ金属を切断することなく測定することがで
きる。
【0113】請求項2の発明に係る金属の表面状態評価
方法によると、酸化膜の溶解速度と金属の表面平滑性と
の関係に基づき、金属の表面平滑性をインラインで短時
間に且つ金属を切断することなく定量的に評価すること
ができる。
【0114】請求項3の発明に係る金属の表面状態評価
方法によると、酸化膜の溶解速度と酸化膜の被膜強度と
の関係に基づき、酸化膜の被膜強度をインラインで短時
間に且つ金属を切断することなく定量的に評価すること
ができる。
【0115】請求項4の発明に係る金属の表面状態評価
方法によると、金属の臨界電流値と金属の孔食性との関
係に基づき、金属の孔食性をインラインで短時間に且つ
金属を切断することなく定量的に評価することができ
る。
【0116】請求項5の発明に係る金属の表面状態評価
方法によると、金属の臨界電流値と金属のグレインサイ
ズ又はグレインバンダリー長との関係に基づき、金属の
グレインサイズ又はグレインバンダリー長をインライン
で短時間に且つ金属を切断することなく定量的に評価す
ることができる。
【0117】請求項6の発明に係る金属の表面状態評価
方法によると、合金の臨界電流値と合金中の金属の偏析
量又は濃度との関係に基づき、合金中の金属の偏析量又
は濃度をインラインで短時間に且つ合金を切断すること
なく定量的に評価することができる。
【0118】請求項7の発明に係る金属の表面状態評価
方法によると、金属薄膜の電流値の変化に対する孔食時
間の変化率及び臨界電流値に基づき、金属薄膜の耐腐食
性をインラインで短時間に且つ金属薄膜を破壊すること
なく定量的に評価することができる。
【0119】請求項の発明に係る半導体装置の製造方
法によると、半導体基板上に所定の堆積条件で形成され
た金属薄膜の電流値の変化に対する孔食時間の変化率、
及び臨界電流値から金属薄膜の表面状態の評価が可能と
なり、該評価に基づいて金属薄膜形成工程における所定
の堆積条件の適否を判断することができるため、金属薄
膜の堆積条件を短時間に決定することができる。
【0120】請求項の発明に係る半導体装置の製造方
法によると、表面に酸化被膜が形成された金属配線にお
ける電流値の変化に対する孔食時間の変化率と酸化被膜
の被膜強度との関係に基づき、酸化被膜の耐腐食性の評
価が可能となり、該評価に基づいて酸化被膜の耐腐食性
を所定の基準と比較して酸化被膜の良否を判定すること
ができる。このため、判定をインラインで短時間に且つ
金属配線を切断することなく行なえると共に、所定の基
準を満たさない酸化被膜を手直しすることができるの
で、半導体装置の歩留りの向上に大きく寄与することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る金属の表面状態
評価方法に用いる測定装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る金属の表面状態
評価方法に用いる測定装置の詳細図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る金属の表面状態
評価方法において塩酸中で定電流電解を行なったときの
電極電位の経時変化を説明する図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る金属の表面状態
評価方法において塩酸中で定電流電解を行なったときの
電極電位の経時変化を説明する図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る金属の表面状態
評価方法において塩酸中で定電流電解を行なったときの
電極電位の経時変化を説明する図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る金属の表面状態
評価方法において濃度の異なる塩酸中で定電流電解を行
なったときの電流密度と孔食時間との関係を示す特性図
である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る金属の表面状態
評価方法における金属の腐食の過程を説明する断面図で
ある。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る金属の表面状態
評価方法において定電流電解により得られたグラフの傾
きと塩酸濃度との関係を示す特性図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る金属の表面状態
評価方法において臨界電流値を説明する図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る金属の表面状
態評価方法においてグレインサイズの異なるAlCuに
ついて塩酸中で定電流電解を行なったときの電流密度と
孔食時間との関係を示す特性図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る金属の表面状
態評価方法に用いる測定装置の全体構成図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る金属の表面状
態評価方法に用いる測定装置の詳細図である。
【図13】本発明の第3の実施形態及び第の実施形態
に係る半導体装置の製造方法のプロセスを示すフロー図
である。
【図14】参考形態1に係る金属の表面状態評価方法に
用いる測定装置の概略構成図である。
【図15】参考形態1に係る金属の表面状態評価方法に
用いる測定装置の詳細図である。
【図16】参考形態1に係る金属の表面状態評価方法に
おいて塩酸中で定電位電解を行なったときの腐食電流の
経時変化を説明する図である。
【図17】参考形態2に係る金属の表面状態評価方法に
用いる測定装置の全体構成図である。
【図18】参考形態2に係る金属の表面状態評価方法に
用いる測定装置の詳細図である。
【符号の説明】
11 ガルバノスタット 12 記録計 13 半導体ウエハー 14 比較電極 15 対照電極 16 半導体ウエハーとガルバノスタットとの間の接続
部 17 比較電極とガルバノスタットとの間の接続部 18 対照電極とガルバノスタットとの間の接続部 19 測定セル 41 ガルバノスタット 42 記録計 43 半導体ウエハー 44 比較電極 45 対照電極 46 第1の容器 47 第2の容器 48 第1の溶液 49 第2の溶液 50 架橋部 61 ポテンシオスタット 62 記録計 63 半導体ウエハー 64 比較電極 65 対照電極 66 半導体ウエハーとポテンシオスタットとの間の接
続部 67 比較電極とポテンシオスタットとの間の接続部 68 対照電極とポテンシオスタットとの間の接続部 69 測定セル 81 ポテンシオスタット 82 記録計 83 半導体ウエハー 84 比較電極 85 対照電極 86 第1の容器 87 第2の容器 88 第1の溶液 89 第2の溶液 90 架橋部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−201635(JP,A) 特開 平5−113397(JP,A) 特開 平2−128151(JP,A) 特開 平5−322831(JP,A) 特開 平9−54061(JP,A) 特開 昭56−55093(JP,A) 特開 平6−27075(JP,A) 特開 昭62−214340(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/26 351 G01N 17/02 H01L 21/66

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属を、該金属を腐食するイオンを含有
    する溶液に接触させる溶液接触工程と、 前記溶液に電流値が異なる複数の定電流を印加して前記
    金属を前記溶液により腐食させる金属腐食工程と、 前記溶液により腐食されている前記金属の電流値毎の電
    極電位を測定する電極電位測定工程と、 電流値毎の前記電極電位に基づき電流値の変化に対する
    孔食時間の変化率を算出する変化率算出工程と、 前記変化率に基づき前記金属の表面に形成されている酸
    化膜の溶解速度を測定する溶解速度測定工程とを備えて
    いることを特徴とする金属の表面状態評価方法。
  2. 【請求項2】 前記溶解速度測定工程で測定した前記溶
    解速度に基づき前記金属の表面平滑性を評価する平滑性
    評価工程をさらに備えていることを特徴とする請求項1
    に記載の金属の表面状態評価方法。
  3. 【請求項3】 前記溶解速度測定工程で測定した前記溶
    解速度に基づき前記酸化膜の被膜強度を評価する被膜強
    度評価工程をさらに備えていることを特徴とする請求項
    1に記載の金属の表面状態評価方法。
  4. 【請求項4】 金属を、該金属を腐食するイオンを含有
    する溶液に接触させる溶液接触工程と、 前記溶液に電流値が異なる複数の定電流を印加して前記
    金属を前記溶液により腐食させる金属腐食工程と、 前記溶液により腐食されている前記金属の電流値毎の電
    極電位を測定する電極電位測定工程と、 電流値毎の前記電極電位に基づき電流値と孔食時間との
    関係を算出する孔食時間算出工程と、 前記電流値と前記孔食時間との関係に基づき孔食が起こ
    り始める最小の電流値である臨界電流値を算出する臨界
    電流値算出工程と、 前記臨界電流値に基づき前記金属の孔食性を評価する孔
    食性評価工程とを備えていることを特徴とする金属の表
    面状態評価方法。
  5. 【請求項5】 前記臨界電流値算出工程で算出した前記
    臨界電流値に基づき前記金属のグレインサイズ又はグレ
    インバンダリー長を評価するグレインサイズ又はグレイ
    ンバンダリー長評価工程をさらに備えていることを特徴
    とする請求項4に記載の金属の表面状態評価方法。
  6. 【請求項6】 微量な金属が添加された合金を、該合金
    を腐食するイオンを含有する溶液に接触させる溶液接触
    工程と、 前記溶液に電流値が異なる複数の定電流を印加して前記
    合金を前記溶液により腐食させる合金腐食工程と、 前記溶液により腐食されている前記合金の電流値毎の電
    極電位を測定する電極電位測定工程と、 電流値毎の前記電極電位に基づき電流値と孔食時間との
    関係を算出する孔食時間算出工程と、 前記電流値と前記孔食時間との関係に基づき孔食が起こ
    り始める最小の電流値である臨界電流値を算出する臨界
    電流値算出工程と、 前記臨界電流値に基づき前記合金中の金属の偏析量又は
    濃度を評価する偏析量又は濃度評価工程とを備えている
    ことを特徴とする金属の表面状態評価方法。
  7. 【請求項7】 金属薄膜を、該金属薄膜を腐食するイオ
    ンを含有する溶液に接触させる溶液接触工程と、 前記溶液に電流値が異なる複数の定電流を印加して前記
    金属薄膜を前記溶液により腐食させる金属薄膜腐食工程
    と、 前記溶液により腐食されている前記金属薄膜の電流値毎
    の電極電位を測定する電極電位測定工程と、 電流値毎の前記電極電位に基づき電流値と孔食時間との
    関係を算出する孔食時間算出工程と、 電流値毎の前記電極電位に基づき電流値の変化に対する
    孔食時間の変化率を算出する変化率算出工程と、 前記電流値と前記孔食時間との関係に基づき孔食が起こ
    り始める最小の電流値である臨界電流値を算出する臨界
    電流値算出工程と、 前記変化率及び臨界電流値に基づき前記金属薄膜の耐腐
    食性を評価する耐腐食性評価工程とを備えていることを
    特徴とする金属の表面状態評価方法。
  8. 【請求項8】 半導体基板上に金属薄膜を所定の堆積条
    件で形成する金属薄膜形成工程と、 前記金属薄膜を、該金属薄膜を腐食するイオンを含有す
    る溶液に接触させる溶液接触工程と、 前記溶液に電流値が異なる複数の定電流を印加して前記
    金属薄膜を前記溶液により腐食させる金属薄膜腐食工程
    と、 前記溶液により腐食されている前記金属薄膜の電流値毎
    の電極電位を測定する電極電位測定工程と、 電流値毎の前記電極電位に基づき電流値と孔食時間との
    関係を算出する孔食時間算出工程と、 電流値毎の前記電極電位に基づき電流値の変化に対する
    孔食時間の変化率を算出する変化率算出工程と、 前記電流値と前記孔食時間との関係に基づき孔食が起こ
    り始める最小の電流値である臨界電流値を算出する臨界
    電流値算出工程と、 前記変化率及び臨界電流値に基づき前記金属薄膜の表面
    状態を評価し、該評価に基づいて、前記金属薄膜形成工
    程における前記所定の堆積条件の適否を判断する堆積条
    件判断工程とを備えていることを特徴とする半導体装置
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 半導体基板上に金属配線を形成する工程
    と、 前記金属配線上に酸化被膜を形成する工程と、 前記酸化被膜が形成された金属配線を、該金属配線を腐
    食するイオンを含有する溶液に接触させる溶液接触工程
    と、 前記溶液に電流値が異なる複数の定電流を印加して前記
    金属配線を前記溶液により腐食させる金属配線腐食工程
    と、 前記溶液により腐食されている前記金属配線の電流値毎
    の電極電位を測定する電極電位測定工程と、 電流値毎の前記電極電位に基づき電流値の変化に対する
    孔食時間の変化率を算出する変化率算出工程と、 前記変化率に基づき前記酸化被膜の耐腐食性を評価する
    耐腐食性評価工程と、 前記酸化被膜の耐腐食性を所定の基準と比較し、前記酸
    化被膜の耐腐食性が前記所定の基準を満たさないときに
    は該酸化被膜を除去して新しい酸化被膜を形成する一
    方、前記酸化被膜の耐腐食性が前記所定の基準を満たす
    ときには該酸化被膜が形成されている前記半導体基板に
    対して次工程の処理を行なう酸化被膜良否判定工程とを
    備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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