JP3336654B2 - 運動制御システム - Google Patents

運動制御システム

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JP3336654B2
JP3336654B2 JP2649393A JP2649393A JP3336654B2 JP 3336654 B2 JP3336654 B2 JP 3336654B2 JP 2649393 A JP2649393 A JP 2649393A JP 2649393 A JP2649393 A JP 2649393A JP 3336654 B2 JP3336654 B2 JP 3336654B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、運動体の加速度の微分
値即ち、加々速度情報を用いて物体の運動を制御する運
動制御システム、車両、エレベ−タ、鉄道車両、磁気浮
上車両、地震シミュレ−タ、ステ−ジ、ビル制振システ
ム、ロボットア−ム、航空機及び、コントローラ、そし
てこれらのシステムの運動を評価する運動評価装置およ
び加々速度を検出するセンサの構造、角加速度を検出す
るセンサおよび運動物体の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】物体の運動を記述する物理量として、通
常、位置、速度(あるいは角速度)、加速度(あるいは
角加速度)の諸量を挙げることができる。そして各々の
物理量に対し、それを検出するセンサが考案され、実用
されている。ところで人間は、位置と速度については、
視覚により知的に検出するのみであり、体感として感覚
的に検出できるのは、加速度、及びそれより高次の物理
量である。例えば、自動車、鉄道車両あるいは、エレベ
−タ等の移動体に搭乗している際には、加速あるいは、
減速したときにその状態変化を体感的に意識することが
できる。
【0003】ここで「自動車用加速度センサの開発(日
産技報第23号、昭62−12)」などの文献によれ
ば、人間は加速度よりさらにその微分値である加々速度
に敏感に反応することが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この事実は、人間が感
じる快、不快の感覚に加々速度が深く関与しているのを
示すものである。従って自動車や鉄道車両、エレベータ
といった運動を伴う乗り物をより快適に制御していくた
めには、この加速度のみならず、その微分値である加々
速度の情報を検出し、その情報を用いて制御することが
必要となる。
【0005】また、人間が自分自身の運動を制御してい
る際に、これらの加々速度情報を利用していると考える
のが自然であり、これを物体の各種運動制御に置き換え
てみると、物体の高精度の運動制御を達成するために
は、その物体の加々速度情報を用いた制御が必要とな
る。
【0006】また、自動車運転時を想定してみると、路
面状況の急変により不意の車両の挙動変化発生時には運
転者は、これを加速度の変化、即ち加々速度として感じ
ることができ、熟練運転者であれば、運転操作により車
両の挙動変化を低減したりすることが可能である。この
ことは、一般の運転者が運転した場合にも熟練運転者並
の運転が可能である車両を実現するためには、車両の加
々速度情報を検出し、その情報を用いて車両運動を制御
することが必要となる。
【0007】また、以上の各種、加々速度情報を用いた
制御に加え、従来の位置、速度、加速度情報による制御
を併用する制御でも、現在よりも飛躍的な制御効果の向
上を図ることができる。
【0008】ところで、加々速度情報は、種々実用化さ
れている加速度センサの出力を微分フィルタ回路回路を
通過させることにより得ることができる。しかも、上述
のような理由で必要となる、加速度、加々速度の同時検
出も可能である。
【0009】しかし、高周波域の加々速度を得ようとす
る場合には、ノイズ、位相の遅れが問題となってしまう
場合もある。従って、低周波域の加々速度情報が必要な
ときは、加速度センサと微分回路を用い、高周波、ある
いは、高精度の加々速度情報が必要なときは、他の検出
方法が必要となる。また、加々速度のみではなく、加速
度も同時に検出できることが望ましい。
【0010】本発明の目的は、運動性能を向上させ、高
機能の運動制御性を有する運動制御システムを提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の運動制御システムは、物体の加速度を検出す
る加速度検出手段と、物体の加加速度を検出する加加速
度検出手段と、物体の運動を操作するアクチュエータ
と、前記アクチュエータを制御するコントローラとを備
え、前記加加速度検出手段からの出力を前記コントロー
ラに入力し、前記加加速度検出手段で検出された加加速
度が前記加速度検出手段で検出された加速度と逆向きの
加加速度である場合は、前記コントローラにより前記ア
クチュエータの操作量を小さくするように制御すると共
に、前記加加速度検出手段として、第1の部材と、前記
第1の部材に対して相対的に可動である第2の部材と、
前記第1の部材に固定され磁束を発生させるための磁石
と、前記磁石の磁束中であって前記第2の部材に固定さ
れた少なくとも1つのコイルと、前記第1の部材に対す
る第2の部材の動きを検出し前記磁束により前記コイル
と磁石との間で前記第1の部材に対し第2の部材の運動
を妨害するように 力を発生させるための電流を流すため
の手段と、前記電流により前記コイル間に発生する加速
度の微分値に対応する電圧を検出する手段とを備えた。
【0012】上記の加加速度検出手段において、第1の
部材に相対的な第2の部材の動きを検出する前記手段
が、第1の部材、第2の部材のそれぞれに取り付けられ
た静電容量板を備え、第1の部材に対する第2の部材の
動きによる前記静電容量板間の静電容量の変化を検出す
るものであるとよい。
【0013】
【作用】従来までの位置、速度、加速度情報を用いた制
御に加え、物体の運動状態を反映した物理量である加々
速度情報を加えて制御することにより、速度制御におい
ては、能動的に質量を変化させ、加速度制御においては
能動的にダンピングを変化させる等、制御効果が一段と
向上できる。
【0014】また、センサ内に、発生する加速度に応じ
て変位する、コイルを具備した可動部材(第2の部材)
を配置し、このコイルに電流を流した際に、可動部材に
力が生じるような位置に磁石を配置し、この可動部材の
基準位置からの変位を検出し、コイルに流れるフィード
バック電流と磁石の磁界により発生したトルクが可動部
材を零位置に保つようにし、この発生電圧をセンサ出力
として外部に取り出すようにしているので、このときコ
イルに流れるフィードバック電流量は、可動部材に加わ
る加速度に正確に比例した物理量を示す。また、このと
きコイル両端の電圧は、電磁誘導の法則よりフィードバ
ック電流の微分値に比例した物理量を示す。従ってこの
電圧を検出することにより、フィードバック電流の微分
値、即ち可動部材に加わる加速度の微分値(加々速度)
に比例した物理量を高精度に検出することができる。ま
た、この時の電流値を検出すれば、加速度も同時に検出
できる。
【0015】
【実施例】本発明の第1の実施例を図1から図13に従
って説明する。図1は、加々速度情報を用いた運動制御
システムの概念を示す全体構成図、図2は加々速度セン
サの全体構成図、図3は加速度が作用したときの釣合状
態を示す図、図4はコイルの回路方程式の説明図、図5
は内部抵抗を有する場合のコイルの回路方程式の説明
図、図6は信号処理部分の回路構成図、図7は加々速度
センサの他の全体構成図、図8はアナログ回路を用いた
加々速度検出方法を示す図、図9はデジタル回路を用い
た加々速度検出方法を示す図、図10は加々速度センサ
の出力と加速度の微分回路出力とを比較して示した図、
図11は加々速度センサにより加々速度情報を得る構成
を示す図、図12は加速度センサと微分手段により加々
速度情報を得る構成を示す図、図13は加々速度情報を
用いた運動制御システムの運動モデルを示す図である。
【0016】図1に示すように、本実施例の運動制御シ
ステムは、物体50に固定され、物体50の加々速度を
検出する加々速度検出装置51と、物体50の運動を制
御するコントロ−ラ52と、物体に作用する力を発生す
るアクチェ−タ53で構成されている。コントロ−ラ5
2は、加々速度検出装置51により検出された加々速度
情報を入力し、コントロ−ラ52からの出力によりアク
チェ−タ53を用いて物体50の運動を制御する。
【0017】加々速度検出装置51を構成する加々速度
センサは、図2に示すようにケ−シング10aに継手1
3によって1自由度の運動が可能なように取付けられた
振子1と、振子1に固定されたコイル3と、振子1の他
端側の運動方向に取付けられた可動電極41と、マグネ
ット2が取付けられたケ−シング10と、ケ−シング1
0に可動電極41と対面するように形成された固定電極
42と、振子1の釣り合い位置からの変位を検出する振
子変位検出器40と、振子変位検出器40の出力側に直
列に接続されさらにその出力側が前記コイル3の一方の
側に接続するように配線されたサ−ボアンプ5と、一方
が接地され他方がコイル3の他方に接続されるように配
線された読み取り抵抗6などから構成されている。そし
て、検出された加々速度情報は、図2に示すように、コ
イル3の端子電圧として取り出すように構成されてい
る。
【0018】前述したように、振子1は、1自由度の運
動(紙面に水平方向)を行うように構成されているの
で、この方向がセンサ感度方向となる。又、振子1の両
側に配置された可動電極41とケ−シング10に固定さ
れている固定電極42とで2組の平板コンデンサを形成
している。平板コンデンサの静電容量Cは、数式1で示
されるように空隙の大きさに反比例する。
【0019】
【数1】
【0020】ここで、εは空気の誘電率、Sは電極の面
積、dは空隙寸法である。従って、可動電極41と固定
電極42とで形成されている2組のコンデンサの静電容
量の差ΔCを振子変位検出器40で検出することにより
振子1の変位が検出できる。
【0021】また、振子1には、コイル3が配置されて
おり、このコイル3に電流が流れると磁束が発生し、ケ
ーシング10に固定されたマグネット2による磁界によ
り力を受ける。したがって、サーボアンプ5により上述
の振子変位検出器40で検出した2組のコンデンサの静
電容量の差ΔCがΔC=0となるように、即ち上下の空
隙の大きさが等しくなるように、コイル3に流れる電流
をフィードバック制御することにより、外力の大きさに
かかわらず振子1の位置を釣合いの位置に止めておくこ
とができる。
【0022】ここで、加々速度センサが、ある運動をし
ている物体50に固定されている場合を考える。図3に
示すように、時刻tにおいて左方向(センサ感度方向)
からセンサ全体に加速度α(t)が作用したとすれば、
振子1の質量をMとすると振子1には右向きにF(t)
=M・α(t)の慣性力が働く。振子1について運動方
程式を考えると数式2のようになる。
【0023】
【数2】
【0024】ここで、Mは振子1の質量、x(t)は時
刻tにおける振子1の釣合位置からの変位、F(t)は
振子1に働く慣性力、f(t)は位置フィードバックに
よる制御力である。制御力f(t)は、コイル3に流れ
る電流I(t)に比例するので数式3、数式4が成り立
つ。
【0025】
【数3】
【0026】
【数4】
【0027】ここで、φは電磁鎖交係数、rはコイル3
の半径、Bはマグネット2の磁束密度、Nはコイル3の
巻き数で与えられる。
【0028】時々刻々変動するF(t)に対して、振子
1が釣合位置にあるように制御力f(t)を追従させれ
ば、数式2の左辺はゼロとなり、その結果、数式5が成
立する。
【0029】
【数5】
【0030】したがって、加々速度センサ全体に働く加
速度は、数式6となり、コイルを流れる電流値を測定す
ることにより検出できる。
【0031】
【数6】
【0032】これに対し、加々速度センサ全体に働く加
々速度をη(t)とすると、数式7となる。
【0033】
【数7】
【0034】いま、図4に示すようにコイル3に流れる
電流について回路方程式をたてると、数式8となる。
【0035】
【数8】
【0036】ここで、Lはコイルのインダクタンスであ
る。従って加々速度センサ全体に働く加々速度η(t)
は、数式9となり、コイル3の両端の端子電圧を検出す
ることにより、測定することができる。
【0037】
【数9】
【0038】図2に示す第1例の加々速度センサは、上
記のように構成しているので、振子1の運動方向に沿っ
て加速度が加わると振子1が変位し、この変位を変位検
出器40で電圧信号として検出し、サ−ボアンプ5で増
幅する。さらにサ−ボアンプ5では、この電圧信号を電
流指令に変換する。この電流は、振子1に取付けられた
コイル3に流れマグネット2との間に力が発生し、変位
検出器40の出力が0となるように、即ち振子1を平衡
位置になるように流れ続ける。上記したようにこのとき
コイル3に流れる電流値は、加わった加速度に比例追従
し、コイル3の両端の電圧は、電流の微分値、すなわち
加々速度に比例して追従した値となる。
【0039】図5は、コイル3が内部抵抗Rを含んでい
る場合の、加々速度情報を検出する方法を示したもので
ある。図5に示すような回路について、回路方程式をた
てると、数式10となる。
【0040】
【数10】
【0041】ここで、eはコイル3の両端の電圧、Rは
コイル3の内部抵抗、Lはコイルのインダクタンスであ
る。図5に示すようにコイル3を流れた電流は、すべて
読みとり抵抗6を流れるとすると、数式11が成り立
つ。
【0041】
【数11】
【0042】ここで、erは読み取り抵抗6の両端の電
圧、rは取り抵抗6の内部抵抗である。したがって、図
4に示した場合と同様に、加々速度センサに作用する加
々速度は、数式12に示すように、コイル3の両端の電
圧と、読み取り抵抗6両端の電圧を測定することにより
検出可能である。
【0043】
【数12】
【0044】また、図6は、数式11で表される加々速
度センサの信号処理部分をオペアンプを用いて構成した
ものである。このような構成とすることにより、コイル
3の抵抗分が無視できないときでも、加々速度センサに
作用する加々速度を検出することができる。
【0045】図7は、第2の例である加々速度センサの
全体構成を示す図である。図2に示す加々速度センサと
同様な構成であるが、この加々速度センサは、振子11
と、振子11に固定されたマグネット12と、可動電極
141と、ケーシング10と、ケーシング10に固定さ
れたコイル130と、固定電極142と、振子の釣合位
置からの変位を検出する振子変位検出器140とサーボ
アンプ15と、読みとり抵抗16で構成されている。す
なわち、コイル130は、ケ−シング10側に、マグネ
ット12は振子11側に設けられている。この場合も図
2に示す加々速度センサと同様に加々速度情報は、図7
に示すようにコイル130の端子電圧として取り出すこ
とによって得られる。
【0046】以上述べたことから分かるように、図2又
は図7に示す加々速度センサにおいて、マグネット2、
12は、永久磁石であっても、磁束密度を一定に保った
電磁石であっても良い。また、本実施例においては、振
子の変位検出に振子とケ−シングで構成された静電容量
の差分を用いた方法について言及したが、これに限定さ
れるものではなく、例えば発光素子、レンズ、受光素子
等を用いて光学的に検出する等の方法を用いてもよい。
【0047】また、数式8、数式12からわかるよう
に、振子1の素材、構造的な特性(ヤング率、断面モー
メントなど)は、考慮する必要がないので高精度の加々
速度検出が可能となる。
【0048】また、数式6及び数式11より数式13が
成立するので、読み取り抵抗6、16の端子電圧er
は、電流、即ち加速度に比例した値となる。
【0049】
【数13】
【0050】以上のように、本実施例の加々速度センサ
は、加速度と加々速度を同時に検出可能である。
【0051】尚、上記した加々速度センサは、その検出
方向が1軸に限定されているものについて言及したが、
多軸方向の加々速度検出が必要でかつ、部品点数、コス
トを低減するなどの必要がある場合は、以下のような方
法を用いて多軸加々速度センサを実現することができ
る。多軸方向の加速度に応じて、多軸方向に変位できる
軸方向分の磁石、あるいはコイルを具備した振子を用
い、この振子の磁石あるいは、コイルに各軸方向の力を
独立して発生するような位置に軸方向分のコイル、ある
いは磁石を設け、振子の基準位置からの各軸方向の変位
を独立して検出する変位検出器と各軸方向のコイルに流
れる電流を制御する各軸方向のサ−ボアンプを設けて、
各軸方向の変位検出器により検出される、各軸方向の振
子に作用する加速度によって生じる各軸方向の可動部材
の各軸方向の変位が零になるように、各軸方向のコイル
に流れる電流を各軸方向のサ−ボアンプにより制御し、
その際に、各軸方向の誘導起電力検出器により検出され
る各軸方向のコイルの両端に生じる誘導起電力から、振
子に作用する各軸方向の加々速度を検出すればよい。
【0052】図8、図9により、加々速度検出装置51
の別の例を説明する。図8に示すように、加々速度検出
装置51は加速度センサとアナログ微分回路を用いて構
成することができ、一般の加速度センサにアナログ微分
手段(フィルタ)を付加することにより、加々速度を検
出することができる。また、図9は、本実施例に用いら
れる加々速度検出装置51のさらに別の例であり、加速
度センサとディジタル微分回路を用いて構成している。
すなわち、一般の加速度センサにA/Dコンバ−タを介
してディジタル信号に変換し、ディジタル演算処理によ
って加々速度情報を得ることもできる。このように、加
々速度微分情報は、加々速度センサ出力の一階の微分回
路出力として用いることができる。
【0053】図2、図7で示す本実施例の加々速度セン
サで検出された加速度と加々速度、加速度のアナログ微
分回路出力を一例として比較して示すと図10のように
なる。図10の(a)が本実施例の加々速度センサで検
出された加速度出力で、(b)が(a)で示される加速
度出力をアナログ微分回路に通した後の出力、(c)が
本実施例の加々速度センサで検出された加々速度出力を
示している。(c)で示される加速度アナログ微分出力
と本実施例の加々速度センサで検出された加々速度出力
は、共に(a)で示される加速度の微分出力となってお
り、非常に良く合致していることが分かる。
【0054】図11、図12は、それぞれコントロ−ラ
52を含めた加速度、加々速度情報検出方法の違いを示
す図であり、図11は、本実施例の加々速度センサによ
り加々速度情報を得る構成を示す図であり、図12は図
9に示すように、加速度センサとコントロ−ラ52内部
に微分手段を設け、その微分手段によりディジタル演算
処理加々速度情報を得る構成を示している。図11の方
法では、直接加々速度情報と加速度情報を得られるが入
力ポ−ト521、522とA/Dコンバ−タ524、5
25が2組必要であるのに対し、図12に示す方法では
入力ポ−ト523とA/Dコンバ−タ526は、1組で
良いが加々速度情報を得るためには、ある程度の演算5
27が必要である。以上のことより実際に適用する場合
は、ハ−ド構成とコントロ−ラ52の演算速度、さらに
は必要とされる検出精度に応じていずれかの方法を用い
ればよい。
【0055】さて、図1に示す加々速度情報を用いた運
動制御システムにおいて、一般的な運動形態としては、
図12に示すように物体50が仮想的な固定面54にダ
ンパ要素55とバネ要素56と拘束されている運動モデ
ルを考える。
【0056】図12に示すように、物体の質量をM、物
体の変位をx、アクチュエ−タ53の発生する力をFc
(t)、物体50に作用する外力をfg(t)、ダンパ
要素55の粘性減衰定数をC、バネ要素56のバネ定数
をKとすると、物体50は以下の数式14に示す運動方
程式に従って運動する。
【0057】
【数14】
【0058】今、図12に示される運動モデルでの位置
制御を考え、コントロ−ラ52の制御則が数式15のよ
うな伝達関数で与えられるとした場合のブロック線図を
図13に示す。
【0058】
【数15】
【0059】ここで、K2、K3、K4は、おのおの加
速度、速度、変位のフィ−ドバックゲイン定数を表す。
このブロック線図から、外力と変位との間の伝達関数を
求めると、数式16となる。
【0060】
【数16】
【0061】数式16から分かるように、加速度フィ−
ドバックは、位置制御において能動的に質量を増加させ
る働きがあり、速度フィ−ドバックは、位置制御におい
て能動的にダンピングを増加させる働きがあり、位置フ
ィ−ドバックは、位置制御において能動的に剛性を増加
させる働きがある。このように3つのゲイン定数の選択
によって運動特性が自由に変えられることが分かる。
【0062】次に、図12に示される運動モデルでの速
度制御を考える。数式14の両辺を時間tで微分すると
数式17となる。
【0063】
【数17】
【0064】数式17について、数式18のごとき置換
を行うと数式19となる。
【0065】
【数18】
【0066】
【数19】
【0067】コントロ−ラ52の制御則が数式20のよ
うな伝達関数で与えられるとした場合のブロック線図を
図14に示す。
【0068】
【数20】
【0069】ここでK1、K2、K3は、おのおの加々
速度、加速度、速度のフィ−ドバックゲイン定数を表
す。このブロック線図から、外力と速度との間の伝達関
数を求めると、数式21となる。
【0070】
【数21】
【0071】数式21からわかるように、加々速度フィ
−ドバックは、速度制御において能動的に質量を増加さ
せる働きがあり、加速度フィ−ドバックは、速度制御に
おいて能動的にダンピングを増加させる働きがあり、速
度フィ−ドバックは、速度制御において能動的に剛性を
増加させる働きがある。このように3つのゲイン定数の
選択によって運動特性が自由に変えられることが分か
る。
【0072】次に、図12に示される運動モデルでの加
速度制御を考える。数式20の両辺を時間tで微分する
と数式22となる。
【0073】
【数22】
【0074】数式22について、数式23のごとき置換
を行うと数式24となる。
【0075】
【数23】
【0076】
【数24】
【0077】コントロ−ラ52の制御則が数式25のよ
うな伝達関数で与えられるとした場合のブロック線図を
図15に示す。
【0078】
【数25】
【0079】ここで、K0、K1、K2、は、おのおの
加々速度微分、加々速度、加速度のフィ−ドバックゲイ
ン定数を表す。このブロック線図から、外力と加速度と
の間の伝達関数を求めると、数式26となる。
【0080】
【数26】
【0081】数式26からわかるように、加々速度微分
フィ−ドバックは、加速度制御において能動的に質量を
増加させる働きがあり、加々速度フィ−ドバックは、加
速度制御において能動的にダンピングを増加させる働き
があり、加速度フィ−ドバックは、加速度制御において
能動的に剛性を増加させる働きがある。このように3つ
のゲイン定数の選択によって運動特性が自由に変えられ
ることが分かる。
【0082】以上、位置、速度、加速度の各運動制御に
ついて述べてきたが、従来までの位置、速度、加速度情
報を用いた制御に加え、物体の運動状態を反映した新た
な物理量である加々速度情報を加えることにより速度制
御においては、能動的に質量を変化させ、加速度制御に
おいては能動的にダンピングを変化させる等、制御効果
が一段と向上できる。
【0083】本発明の第2の実施例を図17から図30
により説明する。図17は、車両の1種である自動車の
運動制御に用いた運動制御系の全体構成を示す図、図1
8は、限界走行時の車両制御を行う一例についての説明
図、図19は、車両の横滑りを検出した状態を示す図、
図20は、車両の横方向加々速度情報を用いた車両挙動
変化を示す図、図21は車両のヨ−レイト情報と車両の
横方向の加速度、加々速度情報に基づいて車両の自転運
動抑制方法の比較を示す図、図22は車両のヨ−レイト
情報と車両の横方向の加速度、加々速度情報に基づいて
車両の公転運動抑制方法の比較を示す図、図23は発
進、加速時の車輪空転を検出する方法を示す図、図24
は制動時の車輪ロックを検出する方法を示す図、図25
は6自由度の加々速度センサを取付けた状態を示す斜視
図である。
【0084】図17は、加々速度情報を車両の1種であ
る自動車の運動制御に適用した場合の運動制御系の全体
構成を示す図であるが、図17に示すように、車両10
0は、4輪操舵車であって、主としてエンジン101
(ミッション系を含む)、各車輪102、各車輪のブレ
−キ103、ステアリング104、ステアリング104
の舵角センサ105、アクセル106、ブレーキ10
7、後輪操舵モータ108、ブレーキ油圧制御部10
9、コントローラ110、横方向加々速度検出装置11
2と、前後方向加々速度検出装置111とで構成され
る。横方向加々速度検出装置112と、前後方向加々速
度検出装置111は、それぞれ図2から図9、あるいは
図11に示すように構成されており、検出方向の加々速
度以外に加速度を検出することができる。
【0085】車両100は、通常の運転時には、一般の
車両と同様に運転者のステアリング104、あるいはア
クセル106、あるいはブレーキ107を操作するのに
伴い、4輪が操舵され、エンジンの回転が変化し、ブレ
ーキがかかる等の操作が行われる。そして、車両運動の
限界域近辺においては、横方向、前後方向の加々速度情
報に基づいてコントローラ110により、後輪操舵モー
タ108、エンジン101、ブレーキ油圧制御部109
を制御することにより、車両の運動性能を向上させるこ
とができる。
【0086】限界走行時の車両100の挙動変化が生じ
た場合に、加々速度情報に基づいて車両制御を行う一例
についての説明図である図18に示すように、定常状態
で旋回している車両100の旋回中心方向の運動につい
て着目すると、遠心力M・αと路面反力Fとの間で力の
釣合いが保たれている。もし、この状態で路面状況の急
な変化等により車両100が挙動変化を起こすと、力の
釣合いは破綻する。
【0087】従来の車両運動制御においては、この力の
釣合いの破綻点(限界域)の検出が不可能であったた
め、限界域からはるかに低い領域における制御しかなさ
れていなかった。このことは、従来、熟練運転者が運転
する競技車両には、ABS(Anti−lock Br
aking Systemの略)、TCS(Tract
ion Control Systemの略)、4WS
(4Wheel Systemの略)等の車両運動制御
装置が用いられなかったことからも容易に推察できる。
運転者が視覚情報以外に検出・認識できる情報として、
加速度、加々速度が挙げられる。このうち、上述したよ
うに力の釣合いの破綻が生じたことは、加速度の瞬時変
化、即ち加々速度を検出することにより可能である。従
って、加速度情報、さらには加々速度情報を用いること
により、さらに高機能の車両運動制御が可能である。
【0088】横方向加々速度情報に基づいて、車両の横
滑りを検出する方法を説明している図19に示すよう
に、検出方法の対象として想定している道路は、緩やか
な右廻りのコースであるが、このとき図19に示す
(a)点で排水路が道路を横断しているとすると、この
排水路で接地面積と摩擦係数が一瞬変わる。このような
コースを車両100で走行した際のステアリング角、ス
テアリング角速度、車両横加速度、車両横加々速度は図
19に示すようになる。車両100の車輪102のタイ
ヤに働くコーナリングフォースは、ステアリング舵角に
比例して増加するのが一般的であるから、ステアリング
舵角が一定(すなわち、ステアリング角速度がゼロ)の
ときは、旋回に伴う遠心力とコーナリングフォースは、
路面状況が変化しない限り釣合いを保っている。今、排
水路(a)点を通過するとき、車両100は一瞬横滑り
を起こす。これに伴って、ステアリング舵角一定(ステ
アリング角速度ゼロ)にもかかわらず、車両100の横
方向の加速度が一瞬小さくなり、車両100の横方向の
加々速度に左向きの大きなピークが検出されることにな
る。従って、ステアリング角速度、車両100の横方向
の加々速度を検出しておき、ステアリング角の増加分に
対する車両100の横方向の加々速度を検出することに
より車両100が滑り始める瞬間を検出することができ
る。
【0089】図20は、車両100の横方向加々速度情
報に基づいて後輪102の操舵機構108により修正舵
をあてることにより、車両100の著しい挙動変化を防
止する例を示しているが、ステアリング角速度と車両1
00の横方向の加々速度情報をフィードバックしてや
り、後輪102c、102dをわずかに前輪操舵方向に
転舵してやることにより、過度の挙動変化を防止するこ
とができる。
【0090】図21に、車両100のヨ−レイト情報に
基づいて車両100の自転運動を抑制する方法と、車両
100の横方向の加速度、車両100の横方向の加々速
度情報に基づいて車両の自転運動を抑制する方法を比較
して示す。図21では、図面の下側から上側方向に車両
100が進行するにつれて車両100が時計まわりに回
転を始めた場合に、上記したそれぞれの方法によって制
御された場合の自転運動の抑制について示している。
【0091】車両100のヨ−レイトをコントロ−ラ1
10に入力し、車両100のヨ−レイトと反対の向きに
(この場合をネガティブにともいう)制御力(あるいは
トルクともいう)を発生させるように後輪102c、1
02dをわずかに右方向に転舵してやることにより、反
時計回りの制御力を発生させることができ、自転運動を
抑制することができる。
【0092】同様に、車両100が時計まわりに回転を
始めると、車両100には左向きの横加々速度と加速度
が発生する。この車両100の横方向の加速度、車両1
00の横方向の加々速度情報をコントロ−ラ110に入
力し、車両100の横方向の加速度と反対の向きに(右
向きに)制御力(トルク)を発生させ、車両100の横
方向の加々速度と同じ向きに(左向きに)制御力(トル
ク)を発生させるように各フィ−ドバックゲインを適当
に調整することにより、後輪102c、102dをわず
かに右方向に転舵して反時計回りの制御力を発生させる
ことができ、ヨ−レイト情報に基づいて車両100の自
転運動を抑制する方法と同様に自転運動を抑制すること
ができる。
【0093】図22に、車両100のヨ−レイト情報に
基づいて車両100の自転運動を抑制するする制御が働
いている状態で公転運動(通常の旋回運動)をした場合
の車両100の運動と、車両100の横方向の加速度、
車両100の横方向の加々速度情報に基づいて車両の自
転運動を抑制する制御が働いている状態で公転運動(通
常の旋回運動)をした場合の車両100の運動を比較し
て示す。図21では、車両100が右回りのカ−ブに進
入進行する場合の、それぞれの制御を行った場合の車両
100の運動について示している。
【0094】図21に示した場合と同様に、ヨ−レイト
情報に基づいた制御においては、車両100のヨ−レイ
トをコントロ−ラ110に入力し、車両100のヨ−レ
イトと反対の向きに(ネガティブに)制御力(トルク)
を発生させるように転舵制御を行っている。今、運転者
は右回りのカ−ブに進入しようと、右方向にステアリン
グ104を操舵する。これにより車両100には時計回
りのヨ−レイトが発生する。これに対して、制御実行時
には反時計回りの制御力が発生し、時計回りの回転運動
が抑制されてしまう。運転者がさらにステアリング10
4の舵角を増加させてカ−ブを曲がろうとしても、時計
回りのヨ−レイトが発生した途端に反時計回りの制御力
が発生し、時計回りの回転運動が抑制されてしまう。こ
のようにヨ−レイト情報を用いた制御においては、運転
者の操作により発生したヨ−レイトも抑制してしまい、
運転者からみると舵角に対して回頭運動が追従しない車
両となってしまう。このように、ヨ−レイト情報を用い
た自転運動の抑制制御では、公転運動(通常の旋回運
動)の促進を目指した制御が実現できなく、ヨ−レイト
情報を用いた制御と自転運動の抑制制御との両立は不可
能である。
【0095】これに対して、車両100の横方向の加速
度、車両100の横方向の加々速度情報をコントロ−ラ
110に入力し、車両100の横方向の加速度と反対の
向きに(ネガティブに)制御力(トルク)を発生させ、
車両100の横方向の加々速度と同じ向きに(ポジティ
ブに)制御力(トルク)を発生させるような制御を行っ
た場合について、コ−ナリングの各段階における運転者
のステアリング104の操作と、車両100の運動と、
それに起因する制御内容について述べる。カ−ブの入口
において運転者は、右側にステアリング104を操作す
る。これにより車両100は旋回を開始し、向心力が回
転中心方向に働き車両100に右方向の加々速度と加速
度が発生する。この場合には、加速度ゼロからある値の
加速度が発生するので、加々速度は、その変化率として
大きな値をもつ。従って制御力としては、右側即ちカ−
ブの内側に制御力が働き、車両100は俊敏にコ−ナリ
ングを開始する。
【0096】次にコ−ナリング中は、向心力と遠心力が
釣り合い安定状態になる。この時、車両100で検出さ
れる横方向加速度は安定しており、その変化率である加
々速度はゼロに近づく。従って制御力は、左側、即ち車
両の過度の時計回りのヨ−イングの発生を押さえる方向
に働き、車両100の安定度を向上させることになる。
最後にカ−ブの出口において運転者は、右側に切ってい
たステアリング104を中立位置へと操作する。これに
より車両100は旋回を終了し、回転中心方向に働いて
いた向心力が減少し、車両100の右方向の加速度が減
少し、右側に負の、即ち左方向に正の加々速度が発生す
る。この場合も、ある値の加速度から加速度ゼロに減少
するので、加々速度は大きな値をもつ。従って、制御力
としては左側即ちカ−ブの外側に制御力が働き、車両1
00は俊敏にコ−ナリングを終了する。この一連のコ−
ナリングは、コ−ナ−の最速脱出法として良く知られて
いるアウト・イン・アウト(すなわち、コ−ナ−外側か
ら進入し、素早くコ−ナ−内側に車両を寄せ、素早くコ
−ナ−外側に脱出する方法)が実現していることにな
る。これにより車両100の横方向の加速度、車両10
0の横方向の加々速度情報をコントロ−ラ110に入力
し、車両100の横方向の加速度と反対の向きに(ネガ
ティブに)制御力(トルク)を発生させ、車両100の
横方向の加々速度と同じ向きに(ポジティブに)制御力
(トルク)を発生させるように各フィ−ドバックゲイン
を適当に調整することにより自転運動の抑制制御と、公
転運動(通常の旋回運動)の促進を目指した制御とが両
立可能となる。
【0097】尚、横方向の制御力発生法には、4輪操舵
の他、ブレ−キ103の前後・左右のバランスを制御し
たり、タイヤ102による駆動力の前後・左右のバラン
スを制御しても良い。
【0098】図23に、車両100の前後方向の加々速
度情報に基づいて、車両100の発進・加速時の車輪、
特に駆動輪の空転を検出する方法を示す。図23に示す
ものは、道路が直線コースの場合を想定し、(a)点で
排水路が道路を横断している場合を示しているが、この
排水路で接地面積と摩擦係数が一瞬変わる。図23は、
このようなコースを車両100で加速走行した際のアク
セル開度、アクセル速度、駆動輪速、車両100の前後
加速度、車両100の前後加々速度をそれぞれ示してい
る。車両100の車輪102のタイヤに働くトラクショ
ンフォースはエンジントルクに比例して増加するのが一
般的であるから、アクセル開度がゼロでないときは、エ
ンジン101によってタイヤを駆動したときに生じるト
ラクションフォースと路面反力は、路面状況が変化しな
い限り釣合いを保っている。しかし、上記のような排水
路(a)点を通過するとき、駆動輪は空転(ホイルスピ
ンともいう)を始める。この時、アクセル開度が正にも
かかわらず、車両100の前後方向の加速度が一瞬小さ
くなり、車両100の前後加々速度に後ろ向きの大きな
ピークが検出できる。
【0099】従って、アクセル速度を検出しておき、ア
クセル開度の変化に対する車両100の前後方向の加々
速度を検出することにより、駆動輪が滑り始める瞬間を
検出することができる。その結果、コントローラ110
により車両100の前後方向の加々速度情報に基づいて
エンジン101の出力を減少させて、駆動輪102c、
102dの空転を減少させ、車両100の著しい挙動変
化を防止することができる。それに対して、従来提案さ
れていた駆動輪の空転防止装置では、従動輪の回転数に
対して駆動輪の回転数が増加すると空転を開始したと判
断していたため、駆動輪空転の検出が遅くなってしま
い、また、車輪100の慣性モーメントのため、1度空
転を開始するとなかなか空転が停止せず、駆動輪にブレ
ーキをかける必要があったり、車両100の著しい挙動
変化を防止するという目的を達成するのは困難であっ
た。
【0100】このように本実施例では、車両100の前
後方向の加々速度情報を用いているので、車輪102
c、102dが空転を始める瞬間、あるいは最大摩擦力
を越えた瞬間を検出できるため、駆動輪102c、10
2dの空転が始まる前にエンジン101のトルクをコン
トロ−ラ110により低減させることができ、駆動輪1
02c、102dにブレーキをかける必要もなく発進・
加速時の駆動輪102c、102dの空転を減少させ、
車両100挙動変化を防止することを効果的に行うこと
が可能となる。
【0101】また、図24に示すように、車両100の
前後方向の加々速度情報に基づいて、車両100の減速
時の車輪ロックを検出することもできる。図24では、
直線コースの道路を想定し、(a)点で排水路が道路を
横断しており、この排水路で接地面積と摩擦係数が一瞬
変わる場合を示している。また、図24には、このよう
なコースを車両100で減速走行した際のブレーキ油
圧、ブレーキ油圧の変動、車輪102の回転速度、車両
100の前後方向の加速度、車両100の前後方法の加
々速度をそれぞれ示している。車両100の車輪102
のタイヤに働く減速力はブレーキトルクに比例して増加
するのが一般的であるから、ブレーキ油圧がゼロでない
ときは、ブレーキ107によるタイヤ制動により生じる
減速力と路面反力は、路面状況が変化しない限り、釣合
いを保っている。しかし、上記のような排水路(a)点
を通過するとき、駆動輪はロック(このとき車輪102
の回転速度はゼロである)を始める。この時、ブレーキ
油圧がゼロでないにもかかわらず、車両100の減速度
が一瞬小さくなり、車両100の前後方向の加々速度に
前方向の大きなピークが検出できる。
【0102】従って、ブレーキ油圧変動を検出してお
き、ブレーキ油圧の変化に対する、車両100の前後方
向の加々速度を検出することにより車輪102がロック
し始める瞬間を検出することができる。従ってコントロ
ーラ110により車両100の前後方向の加々速度情報
に基づいてブレーキ油圧制御部109を制御し、ブレー
キ油圧を減少させ、車輪のロックを減少させ、車両挙動
変化の防止を行うことができる。従来のABSにみられ
る車輪のロック防止装置では、従動輪の回転速度により
推定される推定車体速度に対して車輪の回転数が極端に
減少すると、車輪ロックしたと判断していたため、車輪
ロックの検出が遅くなってしまったり、推定車体速度の
精度不足のため高精度の制御が行えず、タイヤの性能を
十分に使いきっているとは言えなかった。これに対し
て、本実施例では車両100の前後方向の加々速度情報
を用いているので、車輪102がロックを始める瞬間、
あるいは、最大摩擦力を越える瞬間を検出できるため、
車輪102のロックが始まる前にブレーキ油圧を低減さ
せるため、制動時の車輪102のロックを減少させて、
車両100の挙動変化の防止を効果的に行うことが可能
となる。
【0103】以上、3つの例を用いて車両100の前後
方向、左右方向の加々速度情報を用いた各種制御につい
て述べたが、車両100には、前後方向、左右方向、上
下方向の3つの並進運動とローリング、ヨーイング、ピ
ッチングの3つの回転運動の6自由度の運動が考えられ
るため、図25に示すように、加々速度検出装置を6自
由度の運動が検出できるように6個配置し、それぞれの
検出手段の出力値を用いてそれぞれの自由度の加々速度
情報を検出しても良い。
【0104】このように、加々速度情報を用いた車両1
00の運動制御を行った場合、車両100に働く力の瞬
時的な変化を検出できるため、車両の限界域での挙動変
化を瞬時に検出でき、タイヤ摩擦力の最大値近辺での制
御が可能となる。また同時に、運転操作情報と照らし合
わせることにより、運転者が意図しない、不意の外乱に
よる挙動変化に対しても瞬時に補正制御を行うことがで
き、過大な挙動変化の発生を防止できる効果がある。
【0105】なお、上述した3つの例では、加々速度情
報と運転操作情報のみを用いた車両運動制御について言
及したが、従来の車両運動制御で用いていた車輪速情報
等の各種情報に加え、加々速度情報を用いてさらに高機
能・高精度の制御が可能であることは言うまでもない。
【0106】本発明の第3の実施例を図26から図30
により説明する。図26は車両の乗り心地を制御する場
合の全体構成図、図27はエンジン振動による車体振動
を低減する場合の構成を示す図、図28はエンジン失火
検出を示す図、図29は正常燃焼時のエンジン振動を示
す図、図30は失火発生時のエンジン振動を示す図であ
る。
【0107】図26に示すように、本実施例の車両30
0は、可変サスペンション機構301a、301bをも
つ車両であり、その他の構成は図17に示すものと同様
である。車両300には、複数個の加々速度検出装置
(図26では、302a、302bの2個のみを取付け
た場合を示しているが、これに限られるものではなく、
又、場合によっては1個でもよい。)が取付けられ、i
番目の加々速度検出装置の加速度出力をGi、加々速度
出力をJiとし、数式27のように乗り心地評価関数Ψ
sを定義する。
【0108】
【数27】
【0109】ただし、di、eiは、それぞれi番目の
観測点における加速度、加々速度情報に対する重み付け
定数で、運転者ならびに同乗者の感性に合わせてチュ−
ニングするようになっている。
【0110】乗り心地評価関数Ψsを最も小さくするよ
うにサスペンション機構301a、301bを制御する
ことにより、車両300の振動特性と運転者ならびに同
乗者の感性とを整合させることができ、乗り心地の最適
化制御ができる。また、評価関数Ψsは、数式27に限
定されるものではなく、運転者ならびに同乗者の感性と
よく整合の取れた任意の関数で代用しても良い。
【0111】ここで、コントロ−ラ303は、サスペン
ション機構301a、301bを制御する機能をもって
いるが、コントロ−ラ303単体として車両300の各
観測点における加速度、加々速度情報より乗り心地評価
関数を計算し、計算結果を出力させる機能を持たせるこ
とにより、車両の乗り心地を評価する評価試験装置とし
ても代用できる。
【0112】また、図26に示すような構成に加え、車
体300の前後方向、横方向の加々速度検出装置を設
け、これら車体300の前後方向、横方向の加々速度に
従ってコントロ−ラ303によりサスペンション機構3
01a、301bを制御することにより車両運動性能の
向上に役立てることもできる。
【0113】図27は、加々速度情報を用いて、エンジ
ン振動に起因する車体振動をより効果的に低減させる実
施例の全体構成を示す図である。この場合、車両は、可
変エンジンマウント機構402a、402bをもつ車両
である。今、エンジン401及び車体には、複数個の加
々速度検出装置(図27では、403a、404a、4
04bの3個のみが取付けられた場合を示しているが、
これに限られるものではなく、場合によっては1個でも
よい。)が取付けられ、i番目の加々速度検出装置の加
速度出力をGi、加々速度出力をJiとし、数式27と
同様に乗り心地評価関数Ψmを数式28のように定義す
る。
【0114】
【数28】
【0115】ただし、dj、ejは、それぞれj番目の
観測点における加速度、加々速度情報に対する重み付け
定数で、運転者ならびに同乗者の感性に合わせてチュ−
ニングするようになっている。
【0116】乗り心地評価関数Ψmを最も小さくするよ
うに可変エンジンマウント機構402a、402bを制
御することにより、車両の振動特性と運転者ならびに同
乗者の感性とを整合させることができ、乗り心地の最適
化制御ができる。
【0117】また、評価関数は、数式28に限定される
ものではなく、エンジン振動が密接な関係がある燃焼周
波数に相当するエンジン回転情報等を付加し、さらに運
転者ならびに同乗者の感性とよく整合の取れた任意の関
数で代用しても良い。さらに図27では加々速度検出装
置は、エンジン、ステアリング、シ−トの振動を検出で
きるように設置したがこれに限定されるものではない。
【0118】ここで、コントロ−ラ407は、可変エン
ジンマウント機構402a、402bを制御する機能を
もっているが、コントロ−ラ407単体として車両の各
観測点における加速度、加々速度情報より乗り心地評価
関数を計算し、計算結果を出力させる機能を持たせるこ
とにより、車両の乗り心地を評価する評価試験装置とし
ても代用できる。
【0119】図28は、加々速度情報をエンジン失火検
出に適用した実施例を示す図である。エンジン401は
間欠的に燃焼しているため、燃焼に同期したトルク変動
が発生する。このトルク変動の反作用がエンジン振動を
引き起こし、この振動がエンジンマウント402を介し
て車体に伝達され車両全体の振動を引き起こす。ここ
で、エンジン401の振動に着目すると、エンジン40
1は燃焼周波数に同期したトルク変動により強制加振さ
れており、燃焼周波数で振動している。したがって、こ
の振動を検出することによりエンジンの燃焼状態が検出
できる。
【0120】正常燃焼時のエンジン401のロール方向
の振動加速度、加々速度を示す図29と失火発生時のエ
ンジン401のロール方向の振動加速度、加々速度を示
す図30との比較から分かるように、失火が発生する
と、図30に示されるように、エンジン401のロール
方向の加速度に変化がみられ、エンジン401のロール
方向の加々速度には、大きなピークが観察される。失火
検出装置503は、これら複数の信号を検出し、適当な
フィルタリング演算を行うことにより、エンジン失火の
検出が可能である。
【0121】また、エンジン401のロ−ル方向の加速
度、加々速度情報のみではなく、エンジンの他の自由度
の加速度、加々速度情報や、車体振動、あるいはエンジ
ン回転情報等を付加し、さらに高精度の失火検出を行う
ようにしても良い。
【0122】また、失火検出装置503に、可変エンジ
ンマウント機構等を制御する機能をもたせ、エンジン4
01の失火に起因する乗り心地の悪化を低減するような
乗り心地制御システムとしても良い。
【0123】本発明の第4の実施例を図31、図32に
より説明する。図31は、加々速度情報を用いたエレベ
ータの乗り心地制御システムの概念図、図32は、加々
速度情報を用いたエレベータの乗り心地制御システムの
全体構成を示す図である。
【0124】図31、図32に示すように、エレベ−タ
かご201は、ワイヤ206でつり下げられ、コントロ
−ラ204によりモ−タ203が制御されワイヤ205
を巻き上げ、巻き下げて運転される。205は重りで、
エレベ−タかご201の重さと、ほぼ釣り合うようにな
っており、モ−タ203の負荷を軽減する働きがある。
モ−タ203には、コントロ−ラ204より制御指令が
入力され、コントロ−ラ204には、モ−タ203の回
転情報が入力される。モ−タ203の回転情報として
は、モ−タ回転角度、モ−タ回転速度、モ−タ回転加速
度、モ−タ回転加々速度等があるが、これらの情報は、
モ−タ203に付随しているエンコ−ダ(図示せず)の
出力パルスを検出し、各種演算を行うことにより可能で
ある。
【0125】従来のエレベ−タでは、モ−タの回転情報
よりエレベ−タかごの運動を推定し、各種乗り心地制御
を行っていたが、モ−タとエレベ−タかごを結ぶワイヤ
が弾性体であり、ワイヤが伸び縮みするため、モ−タの
回転情報がエレベ−タかごの運動を反映したものとは言
えず、十分な性能を発揮できなかった。
【0126】本実施例においては、エレベ−タかご20
1に、複数の加々速度検出装置(図31では、202
x、202yの2個を示している。)が搭載されてお
り、搭乗者の乗り心地に直接影響を与えるエレベ−タか
ご201の加々速度情報を直接検出できるようになって
いる。これらの加々速度情報は、コントロ−ラ204に
入力されモ−タ203の制御指令に用いられる。これら
の複数個の加々速度検出装置のうち、k番目の加々速度
検出装置の加速度出力をGk、加々速度出力をJkとし、
モ−タの回転速度をVとしたとき、数式29のように乗
り心地評価関数Ψeを定義する。
【0127】
【数29】
【0128】ただし、aは、エレベ−タ巻き上げ巻き下
げ速度に対する重み付け定数、bk、ckは、それぞれi
番目の観測点における加速度、加々速度情報に対する重
み付け定数で、搭乗者の感性に合わせてチュ−ニングす
るようになっている。
【0129】乗り心地評価関数Ψeを最も小さくするよ
うにモ−タ203のを制御することにより、巻き上げ速
度も速く、搭乗者の感性に合わせた巻き上げが実現で
き、乗り心地最適化制御ができる。また、評価関数は、
数式29に限定されるものではなく、搭乗者の感性とよ
く整合の取れた任意の関数で代用しても良い。
【0130】ここで、コントロ−ラ204は、モ−タ2
03を制御する機能をもっているが、コントロ−ラ20
4単体としてエレベ−タかご201の各観測点における
加速度、加々速度情報より搭乗者乗り心地評価関数を計
算し、計算結果を出力させる機能を持たせることによ
り、エレベ−タの乗り心地を評価する評価試験装置とし
ても代用できる。また、環境的な問題より加々速度情報
の検出が困難な場合は、モ−タ回転情報(モ−タ回転速
度、モ−タ回転加速度、モ−タ回転加々速度等)を数式
29にあてはめる方法でもよい。
【0131】本発明の第5の実施例を図33から図35
により説明する。図33は、加々速度情報を用いた鉄道
車両の構成を示す図、図34は、ばね下加々速度情報を
用いた鉄道車両の構成を示す図、図35は、加々速度情
報を用いた鉄道車両の動力制御系構成を示す図である。
【0132】図33に示すように、本実施例の鉄道車両
は、枕バネアクチュエ−タ541、542を中心にして
自由に転向できる前後2組の台車551、552の上に
長い車体501をかけ渡した様式になっている。台車5
51、552は、車輪軸を支持する軸バネアクチュエ−
タ543、544、545、546、547、548、
549、550を介して車輪521、522、523、
524により支持されている。車体501には、複数の
加々速度検出装置(図33では531、532、533
のことをいう。)が具備され、車体501の上下方向の
加々速度情報が検出できる。コントロ−ラ506は、積
分回路等で構成される信号処理装置を内蔵しており、車
体501に配置される複数の加々速度検出装置(図33
では531、532、533のことをいう。)からの情
報より加速度、速度、変位情報を算出することができ
る。コントロ−ラ506は、これらの情報に基づいて車
両の走行に際して軌道に多少の不整があっても、乗り心
地が低下しないように枕バネアクチュエ−タ541、5
42、軸バネアクチュエ−タ543、544、545、
546、547、548、549、550を制御する。
【0133】加々速度情報を用いることにより、加速度
の微妙な変化が検出できるので従来の鉄道車両より振動
低減効果が大きい鉄道車両を実現することができる。ま
た、これと同時に車体の沈み込み、姿勢変化等を積極的
に制御できるので脱線しにくい車両の実現にもつなが
る。
【0134】また、図34に示す鉄道車両は、図33に
示す鉄道車両と同様な構成であるが、より乗り心地のよ
い制御を可能とするために車体501、台車555、軸
受け551、552の加々速度を検出するように構成し
たものである。車体501、台車555、軸受け55
1、552には、複数の加々速度検出装置(図34で
は、それぞれ531、534、535、536のことを
いう)が設置されている。通常、車体、台車、軸受け
は、それぞれ異なる共振点を持っており、これらの振動
を加々速度検出装置で検出し、コントロ−ラ506側に
フィ−ドバックすることにより、より乗り心地の良い制
御が達成される。
【0135】ここで、コントロ−ラ506は、各アクチ
ュエ−タを制御する機能をもっているが、コントロ−ラ
506単体として鉄道車両の各観測点における加速度、
加々速度情報より搭乗者乗り心地評価関数を計算し、計
算結果を出力させる機能を持たせることにより、鉄道車
両の乗り心地を評価する評価試験装置としても代用でき
る。
【0136】図35に示す鉄道車両は、特に始動、制動
時を考慮して加々速度情報を用いることにより鉄道車両
の動力を制御した場合の構成を示している。図35に示
すように、動輪521、522は、コントロ−ラ506
により制御されるモ−タ503により駆動され、制動輪
523、524は、コントロ−ラ506により制御され
るブレ−キ504により制動される。
【0137】車体501には、複数の加々速度検出装置
(図35では505のみを図示している。)が具備さ
れ、車体501の進行方向の加々速度情報が検出でき
る。コントロ−ラ506は、積分回路等で構成される信
号処理装置を内蔵しており、車体に配置される加々速度
検出装置からの情報より加速度、速度、変位情報を算出
することができる。
【0138】図36では、鉄道車両501の運転状態と
して、車輪521、522、523、524がレ−ル面
上を転がろうとする状態を示している。車輪とレ−ルと
の間の粘着係数をμ、軸重をWで表すと、この車輪とレ
−ルの摩擦力により出すことのできる引張力の最大値F
は、数式30のようになる。
【0139】
【数30】
【0140】したがって、引張力の最大値以上の引張力
を得ようとして回転力を大きくしても動輪が空転するだ
けである。今、動輪の回転力をゼロから徐々に増加させ
ると車体の加速度は増加していく。しかし、上記のよう
に動輪が空転を開始すると一気に加速度が減少する。す
なわち、この瞬間を進行方向の加々速度情報で検出でき
るということである。自動車で説明したのと同様に、鉄
道車両においても進行方向の加々速度を検出し、モ−タ
503を制御することにより粘着性能を向上させること
ができる。
【0141】制動についても同様なことが言える。引張
力の最大値Fを越えるような制動力を得ようとして制動
トルクを大きくしても制動輪がスリップするだけであ
る。今、制動輪の制動トルクをゼロから徐々に増加させ
ると、車体の減速度は増加していく。しかし、上記のよ
うに制動輪がスリップ(ロックともいう)を開始すると
一気に減速度が減少する。すなわち、この瞬間を進行方
向の加々速度情報で検出できるということである。自動
車で説明したのと同様に、鉄道車両においても進行方向
の加々速度を検出し、ブレ−キを制御することにより粘
着性能を向上させることができる。
【0142】また、発進、制動のフィ−リングを向上す
るためにも加々速度情報を用いることができるのは、自
動車と同様である。上述の実施例では、駆動輪、制動輪
を別に考えているが、同一車輪が駆動輪、制動輪を兼ね
ている場合にも適用できる。
【0143】本発明の第6の実施例を図37により説明
する。図37は、加々速度情報を用いた磁気浮上車両の
構成を示す図である。
【0144】図37に示すように、磁気浮上車両は、車
体601は浮上用地上コイル673、674と超電動磁
石633、634の磁気的な同極反発力により浮上して
いる。そして、地上の推進案内用コイル671、672
に電流を流し、車上の超電動磁石631、632と引き
合う力が生じるのでその力を利用して前進する。
【0145】車体601には、複数の加々速度検出装置
(図37では621、622、623、624、625
のことをいう)が具備され、車体601の前後、上下、
横方向の加々速度情報が検出できるようになっている。
コントロ−ラ604は、積分回路等で構成される信号処
理装置を内蔵しており、車体601に配置される加々速
度検出装置からの情報より加速度、速度、変位情報を算
出することができる。コントロ−ラ604は、これらの
情報にもとづいて超電動磁石633、634の磁力を制
御すると同時に、この情報をアンテナ605より地上側
コントロ−ラ606に向けて発信する。地上側コントロ
−ラ6ではこれらの情報に基づいて推進案内用地上コイ
ル671、672、浮上用地上コイル673、674に
流入する電流を制御し、磁力を制御することにより車体
の浮上姿勢、位置、速度、加速度を正確に制御すること
ができる。
【0146】また、加々速度情報を用いることにより、
加速度の微妙な変化が検出できるので、より振動低減効
果が大きい磁気浮上車両を実現することができる。さら
に車体の沈み込み、姿勢変化等を積極的に制御できるの
で車両運動性能の向上にもつながる。
【0147】ここで、コントロ−ラ606は、各磁力発
生手段を制御する機能をもっているが、コントロ−ラ6
06単体として磁気浮上車両の各観測点における加速
度、加々速度情報より搭乗者乗り心地評価関数を計算
し、計算結果を出力させる機能を持たせることにより、
磁気浮上車両の乗り心地を評価する評価試験装置として
も代用できる。
【0148】本発明の第6の実施例を図38により説明
する。図38は、加々速度情報を用いた地震シミュレ−
タの構成を示す図である。
【0149】図38に示すように、地震シミュレ−タ
は、あらかじめコントロ−ラ703に入力されている地
震加速度、地震加々速度または変位入力を忠実に再現す
るように、振動台700の動きを制御するものである。
振動台700は、コントロ−ラ703により駆動される
油圧アクチュエ−タ741、742によってX軸方向の
動きを、油圧アクチュエ−タ743、744によってy
軸方向の動きを制御される。油圧アクチュエ−タ74
3、744内には変位検出器が具備され、変位情報がコ
ントロ−ラ703に入力される。振動台700上の加々
速度検出装置(図38では、701、702のことをい
う)からは、振動台700のx軸、y軸方向の加々速度
が検出される。これらの加々速度情報は、積分器76
1、762、763、764によりそれぞれ、振動台7
00のx軸、y軸方向の加速度、速度に変換されコント
ロ−ラ703に入力される。さらに速度情報に直列に積
分器を挿入することにより位置情報を得るようにしても
よい。これら各自由度に対して4種類の信号は、コント
ロ−ラ703にフィ−ドバックされ、コントロ−ラ70
3にあらかじめ入力されている地震加速度、地震加々速
度または変位入力と比較され、振動台は、目標値どおり
に駆動(加振ともいう)される。
【0150】このようなシステム構成により、従来のシ
ミュレ−タに加えて加速度の変化分を情報として取り込
めるため、応答性、安定性に優れた地震シミュレ−タを
実現することができる。また、この実施例では2次元の
地震シミュレ−タについて述べているが、1次元、3次
元の地震シミュレ−タでも同様に、従来の情報に加え、
加々速度情報を用いて制御することにより応答性、安定
性に優れた地震シミュレ−タを実現することができる。
【0151】ここで、コントロ−ラ703は、各油圧ア
クチュエ−タを制御する機能をもっているが、コントロ
−ラ703単体として振動台の各観測点における加速
度、加々速度情報より制御性能評価関数を計算し、計算
結果を出力させる機能を持たせることにより、地震シミ
ュレ−タ制御性能を評価する評価試験装置としても代用
できる。
【0152】また、人間が搭乗したかごを車両、あるい
は飛行物体の運動を模して外部アクチュエ−タを用いて
動揺させることにより、かご内の人間の運転訓練を行っ
たり、アミュ−ズメントを与える運動シミュレ−タにお
いても、従来の情報に加え、このかごの加々速度情報を
用いて制御することにより応答性、安定性に優れた運動
シミュレ−タを実現することができる。
【0153】本発明の第7の実施例を図39により説明
する。図39は、加々速度情報を用いたXYステ−ジの
構成を示す図である。
【0154】本実施例のXYステ−ジは、図39に示す
ように、あらかじめコントロ−ラ803に入力されてい
る位置入力に忠実に追従するように、ステ−ジ800の
動きを制御するものである。ステ−ジ800は、コント
ロ−ラ3により駆動されるリニアアクチュエ−タ84
1、842によってX軸方向の動きを、リニアアクチュ
エ−タ843、844によってy軸方向の動きを制御さ
れる。リニアアクチュエ−タ内には変位検出器が具備さ
れ、変位情報がコントロ−ラ803に入力される。ステ
−ジ800上の複数の加々速度検出装置(図39では、
801、802のことをいう)からは、ステ−ジ800
のx軸、y軸方向の加々速度が検出される。これらの加
々速度情報は、積分器861、862、863、864
により、それぞれステ−ジのx軸、y軸方向の加速度、
速度に変換されコントロ−ラに入力される。さらに速度
情報に直列に積分器を挿入することによりステ−ジ80
0の位置情報を得るようにしてもよい。また、コントロ
−ラ内部でこれらの積分動作を行ってもよい。これら各
自由度に対して4種類の信号は、コントロ−ラ803に
フィ−ドバックされ、コントロ−ラ803にあらかじめ
入力されている位置入力と比較され、ステ−ジ800
は、目標値どおりに位置決めされる。このようなシステ
ム構成により従来のXYステ−ジに加えて加速度の変化
分を情報として取り込めるため、応答性(即応性ともい
う)、安定性に優れたXYステ−ジを実現することがで
きる。
【0155】また、本実施例では、2次元のXYステ−
ジについて述べているが、1次元のリニアステ−ジ、3
次元のステ−ジでも同様に、従来の情報に加え、加々速
度情報を用いて制御することにより応答性(即応性)、
安定性に優れたステ−ジを実現することができる。ここ
で、コントロ−ラ803は、各油圧アクチュエ−タを制
御する機能をもっているが、コントロ−ラ803単体と
してステ−ジの各観測点における加速度、加々速度情報
より制御性能評価関数を計算し、計算結果を出力させる
機能を持たせることにより、XY−ステ−ジの制御性能
を評価する評価試験装置としても代用できる。
【0156】本発明の第8の実施例を図40により説明
する。図40は、加々速度情報を用いた制振装置つきビ
ルの構成を示す図である。
【0157】図38に示すように、ビルの適当なフロア
−には、油圧アクチュエ−タ903とアクティブマス9
04が具備されている。油圧アクチュエ−タ903はビ
ルに固定されており、アクティブマスはビルに対して相
対的に可動可能に設置されている。コントロ−ラ902
は、積分回路等で構成される信号処理装置を内蔵してお
り、各フロアに複数個(図40では、911、912、
913、914の4個設置した場合を示している。)配
置される加々速度検出装置からの情報より従来と同様な
加速度、速度、変位情報を算出することができる。コン
トロ−ラ902は、これらの情報にもとづいてビル全体
の振動が小さくなるように油圧アクチュエ−タ903の
油圧を制御する。加々速度情報を用いることにより、加
速度の微妙な変化が検出できるので、従来の制御に比べ
てより振動低減効果の大きい制振装置を実現することが
できる。また、アクティブマス904の加々速度情報を
検出するような加々速度検出装置(図示せず)を用いて
正確にアクティブマス904の運動を制御することによ
り、さらに振動低減効果の大きい制振装置を実現するこ
とができる。
【0158】ここで、コントロ−ラ902は、油圧アク
チュエ−タ903を制御する機能をもっているが、コン
トロ−ラ902単体としてビルの各観測点における加速
度、加々速度情報より制御性能評価関数を計算し、計算
結果を出力させる機能を持たせることにより、制振装置
つきビルの制御性能を評価する評価試験装置としても代
用できる。
【0159】本発明の第9の実施例を図41により説明
する。図41は、加々速度情報を用いたロボットア−ム
のマニピュレ−タの構成を示す図である。
【0160】図41に示すように、マニピュレ−タ10
01は、あらかじめコントロ−ラ1003に入力されて
いる位置入力に忠実に追従するように、マニピュレ−タ
1001の動きを制御するものである。マニピュレ−タ
1001は、コントロ−ラ1003により駆動される関
節駆動用DDモ−タ(Direct Drive モ−
タの略)1041、1042、1043により動きを制
御される。各々のDDモ−タ内にはエンコ−ダ(図示せ
ず)が具備され、回転角度位置情報がコントロ−ラ10
03に入力される。マニピュレ−タ手先1011に具備
された複数の加々速度検出装置(図41では、102
1、1022、1023のことをいう)からは、マニピ
ュレ−タ手先1011の座標系におけるx'軸、y'軸、
z'軸方向の加々速度が検出される。コントロ−ラ10
03は、積分回路等で構成される信号処理装置を内蔵し
ており、加々速度検出装置からの情報より加速度、速
度、変位情報を算出することができる。
【0161】これら4種類の信号は、コントロ−ラ10
03にフィ−ドバックされ、コントロ−ラ1003にあ
らかじめ入力されている位置、速度、加速度入力と比較
され、マニピュレ−タ1001は、目標値どおりに位置
決めされる。このようなシステム構成により従来のマニ
ピュレ−タに加えて加速度の変化分を情報として取り込
めるため、応答性(即応性)、安定性に優れたマニピュ
レ−タを実現することができる。なお、図41では、マ
ニピュレ−タ手先1011に具備された加々速度検出装
置は、1021、1022、1023の3つの場合を示
しているが、図25に車両の6自由度の加々速度情報の
検出方法として示したものと同様に、マニピュレ−タ手
先1011の6自由度の運動を検出してさらに高精度の
制御を行ってもよい。
【0162】ここで、コントロ−ラ1003は、各モ−
タを制御する機能をもっているが、コントロ−ラ100
3単体としてマニピュレ−タ手先の各観測点における加
速度、加々速度情報より制御性能評価関数を計算し、計
算結果を出力させる機能を持たせることにより、マニピ
ュレ−タ制御性能を評価する評価試験装置としても代用
できる。
【0163】本発明の第10の実施例を図42、図43
により説明する。図42、図43は、それぞれ加々速度
情報を用いた航空機の構成を示す図である。
【0164】図42、図43に示すように、機体110
1には、複数の加々速度検出装置(図42、図43では
1121、1122、1123のことをいう)が具備さ
れ、機体の前後、上下、横方向の加々速度情報が検出で
きるようになっている。また、主翼1142にも主翼の
捩れや曲げモ−メントを検出するための加々速度検出装
置1124、1125が具備されている。コントロ−ラ
1103は、積分回路等で構成される信号処理装置を内
蔵しており、機体に配置される各加々速度検出装置から
の情報より加速度、速度、変位情報を算出することがで
きる。加々速度情報を用いることにより、機体に加わる
微妙な力の変化を加速度の微妙な変化として検出でき
る。コントロ−ラ1103は、これらの情報にもとづい
て水平カナ−ド1141、フラッペロン1142、垂直
カナ−ド1143、水平スタビライザ1144、垂直ス
タビライザ1145、さらには、エンジン(図示せず)
の出力を制御する。これにより、機体の6自由度を独立
にコントロ−ルし、姿勢制御と飛行経路が完全に分離し
た飛行ができ、従来のCCV(Control Con
figured Vehicleの略)をさらに高機能
化できる。例えば高精度な直接力制御(direct
force controlともいう)、首振り制御
(airplane pointing contro
lともいう)、遷移制御(airplane tran
slation controlともいう)等が可能と
なる。
【0165】また、主翼1142にも主翼1142の捩
れや曲げモ−メントを検出するための加々速度検出装置
が具備されているので、この信号に基づき舵面を駆動し
てフラッタ減少のダンピングを強くすることにより機体
構造に重大な影響を与える臨界フラッタモ−ドを制御に
よって人工的に減少させてフラッタを防止することもで
きる。
【0166】本発明の第11の実施例を図44、図45
により説明する。図44は、角加々速度センサの全体構
成を示す図、角加速度が作用した場合の回転振子の釣り
合いを示す図である。
【0167】図44、図45に示されるように本実施例
の角加々速度センサは、回転振子1201と、回転振子
1201に固定されたコイル1202と、可動電極12
04と、ケーシング1200と、ケーシング1200に
固定されたマグネット1203と、固定電極1205
と、振子の釣合位置からの変位を検出する振子変位検出
器1206とサーボアンプ1207と、読みとり抵抗1
208で構成されている。角加々速度情報は、図44に
示すように、コイル1202の端子電圧として取り出
す。
【0168】振子1201は、図44、図45の紙面に
垂直な軸回りに回転できる(この方向を以下では、セン
サ感度方向という。)。また、振子1201の両側に配
置された可動電極1204と、ケーシング1200に固
定されている固定電極1205とは、2組の平板コンデ
ンサを形成している。可動電極1204と固定電極12
05とで形成されている2組のコンデンサの静電容量の
差ΔCを振子変位検出器1206で検出することにより
振子1201の変位が検出できる。
【0169】また、振子1201には、コイル1202
が配置されており、このコイル1202に電流が流れる
と磁束が発生し、ケーシング1200に固定されたマグ
ネット1203による磁界によりトルクを受ける。した
がって、サーボアンプ7により振子変位検出器1206
で検出し、ΔC=0、即ち上下の空隙の大きさが等しく
なるように、コイル1202に流れる電流をフィードバ
ック制御することにより、慣性力によるモ−メントにか
かわらず振子1201の位置を釣合いの位置に止めてお
くことができる。
【0170】ここで、本発明の角加々速度センサが、あ
る回転運動をしている物体に固定されている場合を考え
る。図45に示すように、時刻tにおいて反時計回りに
センサ全体に角加速度β(t)が作用したとすれば、慣
性質量Iの回転振子1201には数式31で表される慣
性力によるモ−メントが右向きに働く。
【0171】
【数31】
【0172】回転振子1201について運動方程式を考
えると数式32のようになる。
【0173】
【数32】
【0174】ここで、Jは回転振子1の慣性質量、θ
(t)は時刻tにおける回転振子1201の釣合位置か
らの変位角、W(t)は回転振子1201に働く慣性力
によるモ−メント、w(t)は位置フィードバックによ
る制御力である。制御力w(t)は、コイル1203に
流れる電流I(t)に比例するので数式33、数式34
が成り立つ。
【0175】
【数33】
【0176】
【数34】
【0177】ここで、φは電磁鎖交係数、rはコイル1
203の半径、Bはマグネット1203の磁束密度、N
はコイル1202の巻き数で与えられる。
【0178】時々刻々変動するW(t)に対して、回転
振子1が釣合位置にあるように制御力w(t)が追従す
れば、数式32の左辺はゼロとなり、結局数式35が成
立する。
【0179】
【数35】
【0180】したがって、センサ全体に働く角加速度
は、数式36のようになり、コイル1203を流れる電
流より検出できる。
【0181】
【数36】
【0182】ここで、センサ全体に働く角加々速度をγ
(t)とすると、数式37となる。
【0183】
【数37】
【0184】いま、図のようにコイル3に流れる電流に
ついて回路方程式をたてると、数式38となる。
【0185】
【数38】
【0186】ここで、Lはコイルのインダクタンスであ
る。従ってセンサ全体に働く角加々速度γ(t)は数式
39となり、コイル1203の両端の端子電圧を検出す
ることにより測定することができる。
【0187】
【数39】
【0188】本実施例においては、回転振子にコイルが
具備され、ケ−シングに磁石が具備されている例につい
て言及しているが、回転振子に磁石が具備され、ケ−シ
ングにコイルが具備され、あるいは、磁石が永久磁石で
あっても電磁石であっても、変わらず角加々速度を検出
できる。
【0189】尚、角加々速度情報は、加々速度情報と同
様に、一般の角速度センサに2階のアナログ微分手段
(フィルタ)を付加する、あるいは、A/Dコンバ−タ
を介してディジタル信号に変換し、ディジタル演算処理
によっても得ることができる。また、角加速度センサに
1階のアナログ微分手段(フィルタ)を付加する、ある
いは、A/Dコンバ−タを介してディジタル信号に変換
し、ディジタル演算処理によっても得ることができる。
【0190】従って、ハ−ド構成とコントロ−ラの演算
速度、さらには必要とされる検出精度に応じていずれか
の方法を用いればよい。また、本発明の他の実施例の中
で示した加々速度情報を用いた各種制御に加え、角加々
速度情報を用いることにより、さらに高精度の運動制
御、運動制御装置が実現されたり、高性能な評価試験装
置が実現される。
【0191】以上、本発明の各実施例について、加々速
度の検出方法、加々速度を用いた一般的な運動モデルに
対する運動制御の優位性、加々速度情報を用いた車両、
エレベ−タ、鉄道車両、磁気浮上車両、地震シミュレ−
タ、ステ−ジ、ビル制振システム、ロボットア−ム、航
空機の運動制御及び運動評価装置、そして、角加々速度
センサについて述べてきた。上述したように、従来用い
られていなかった物体の運動を記述する新たなる物理量
である加々速度あるいは角加々速度が検出可能となり、
従来の運動制御で用いていた各種情報に加え、加々速
度、角加々速度を運動制御に用いることにより従来の運
動制御に対し、さらに高精度の運動制御が実現される。
また、従来の運動評価で用いていた各種情報に加え、加
々速度、角加々速度を運動評価に用いることにより、従
来の運動評価試験装置に対し、さらに、高性能な運動評
価試験装置が実現される。
【0192】
【発明の効果】加々速度情報を用いた物体の運動制御を
行った場合、物体に働く力の瞬時的な変化を検出できる
ため、物体の限界域での挙動変化を瞬時に検出できる。
また同時に、操作情報と照らし合わせることにより、不
意の外乱による挙動変化に対しても瞬時に補正制御を行
うことができ、過大な挙動変化の発生を防止できる効果
がある。可動部材(第2の部材)に固定されたコイル両
端の電圧を検出することにより、可動部材に加わる加速
度の微分値(加々速度)に比例した物理量を高精度に検
出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加々速度情報を用いた運動制御システムの全体
構成を示す図である。
【図2】加々速度センサの全体構成を示す図である。
【図3】加速度が作用したときの振子の釣り合いを示す
図である。
【図4】コイルの回路方程式の説明図である。
【図5】内部抵抗Rを有する場合のコイルの回路方程式
の説明図である。
【図6】信号処理部分の回路構成図である。
【図7】他の加々速度センサの全体構成を示す図であ
る。
【図8】アナログ微分回路を用いた加々速度検出方法を
示す図である。
【図9】デジタル微分回路を用いた加々速度検出方法を
示す図である。
【図10】で検出された加速度・加々速度と、加速度の
微分回路出力を示した図である。
【図11】加々速度センサにより加々速度情報を得る構
成を示す図である。
【図12】加速度センサと微分手段により加々速度情報
を得る構成を示す図である。
【図13】加々速度情報を用いた運動制御システムの運
動モデルを示す図である。
【図14】加々速度情報を用いた運動制御システムのブ
ロック線図を示す図(位置制御の場合)である。
【図15】加々速度情報を用いた運動制御システムのブ
ロック線図を示す図(速度制御の場合)である。
【図16】加々速度情報を用いた運動制御システムのブ
ロック線図を示す図(加速度制御の場合)である。
【図17】車両の運動制御系の全体構成を示す図であ
る。
【図18】加々速度情報の説明図である。
【図19】横滑り検出の説明図である。
【図20】横加々速度情報を用いた横滑り抑制の説明図
である。
【図21】ヨ−レイト情報と加速度・加々速度受法を用
いた車両の自転運動抑制方法の比較を示す図である。
【図22】ヨ−レイト情報と加速度・加々速度受法を用
いた車両の公転運動の比較を示す図である。
【図23】発進あるいは加速時の車輪空転を検出する方
法を示す図である。
【図24】制動時の車輪ロックを検出する方法を示す図
である。
【図25】6自由度の加々速度情報検出手段の取付状態
を示す斜視図である。
【図26】車両の乗り心地を制御する場合の全体構成図
である。
【図27】エンジン振動による車体振動を低減する場合
の構成を示す図である。
【図28】エンジン失火検出の全体構成を示す図であ
る。
【図29】正常燃焼時のエンジン振動を示す図である。
【図30】失火発生時のエンジン振動を示す図である。
【図31】エレベ−タ乗り心地制御を行う場合の概念を
示す図である。
【図32】エレベ−タ乗り心地制御の全体構成を示す図
である。
【図33】加々速度情報を用いた鉄道車両の構成を示す
図である。
【図34】ばね下加々速度情報を用いた鉄道車両の構成
を示す図である。
【図35】加々速度情報を用いた鉄道車両の動力制御系
構成を示す図である。
【図36】加々速度情報を用いた鉄道車両の動力制御系
構成を示す図である。
【図37】加々速度情報を用いた磁気浮上車両の構成を
示す図である。
【図38】加々速度情報を用いた地震シミュレ−タの構
成を示す図である。
【図39】加々速度情報を用いたX−Yステ−ジの構成
を示す図である。
【図40】加々速度情報を用いた制振装置付きビルの構
成を示す図である。
【図41】加々速度情報を用いたロボットア−ムの構成
を示す斜視図である。
【図42】加々速度情報を用いた航空機の構成を示す図
である。
【図43】加々速度情報を用いた航空機の構成を示す図
である。
【図44】角加々速度センサの構成を示す図である。
【図45】角加速度が作用した場合の回転振子の釣り合
いを示す図である。
【符号の説明】
50…物体、51…加々速度検出装置、52、303、
407、204、506、604…コントロ−ラ、53
…アクチュエ−タ、1…振子、2…磁石、3…コイル、
40…振子変位検出器、41…可動電極、42…固定電
極、5、1207…サ−ボアンプ、6、1208…読み
取り抵抗、13…つぎ手、521、522、523…入
力ポ−ト、524…加々速度情報用A/Dコンバ−タ、
525…加速度情報用A/Dコンバ−タ、526…加速
度/加々速度用A/Dコンバ−タ、527…デジタル微
分演算、54…仮想固定ベ−ス、55…仮想バネ要素、
56…仮想ダンパ−要素、100、300…車両、10
1…エンジン系、102…車輪、103…車輪ブレ−
キ、104、406…ステアリング、ステアリング舵角
センサ、106…アクセル、107…ブレ−キ、108
…後輪操舵用アクチュエ−タ、111…横方向加々速度
検出装置、112…前後方向加々速度検出装置、111
a、111b…前後方向、ヨ−加々速度検出装置、11
2a、112b…横方向、ロ−ル加々速度検出装置、1
11a、111b…上下方向、ピッチ加々速度検出装
置、301a、301b…可変サスペンション機構、3
02a、302b…車体加々速度検出装置、401…エ
ンジン本体、402a、402b…可変エンジンマウン
ト、403、403a…エンジン加々速度検出装置、4
04a、404b…車体側加々速度検出装置、405…
座席、503…失火検出装置、201…かご、202
x、202y…エレベ−タかご加々速度検出装置、20
3…モ−タ、205…重り、206…ロ−プ、501…
鉄道車両車体、521、522、523、524…鉄道
車両車輪、531、532、533…鉄道車両加々速度
検出装置、541、542…枕バネアクチュエ−タ、5
43、544、545、546、547、548、54
9、550…軸バネアクチュエ−タ、551、552、
553、554…軸受、555、556…台車、、53
4…台車加々速度検出装置、535、536…軸受加々
速度検出装置、521、522…動輪、523、524
…制動輪、503…モ−タ、504…ブレ−キ、505
…鉄道車両前後方向加々速度検出装置、601…磁気浮
上車両車体、621、622、623、624…磁気浮
上車両加々速度検出装置、631、632、633、6
34…超電動磁石、605…送信用アンテナ、606…
地上側コントロ−ラ、671、672…推進案内用地上
コイル、673、674…浮上用地上コイル、700…
振動台701…振動台のy軸方向の加々速度検出用加々
速度検出装置、702…振動台のx軸方向の加々速度検
出用加々速度検出装置、703…振動台コントロ−ラ、
741、742、743、744…油圧アクチュエ−
タ、705…固定フレ−ム、761、762、763、
764…積分器、800…ステ−ジ、801…ステ−ジ
y軸方向の加々速度検出用加々速度検出装置、802…
ステ−ジのx軸方向加々速度検出用加々速度検出装置、
803…振動台コントロ−ラ、841、842、84
3、844…リニアアクチュエ−タ、845…固定フレ
−ム、861、862、863、864…積分器、90
0…ビル、911、912、913、914…ビル加々
速度検出装置、902…ビル制振コントロ−ラ、903
…油圧アクチュエ−タ、904…アクティブマス、10
01…マニピュレ−タ、1011…マニピュレ−タ手
先、1021、1022、1023…手先加々速度検出
装置、1003…ア−ムコントロ−ラ、1041、10
42、1043…関節駆動用DDモ−タ、1121、1
122、1123、1124、1125…航空機機体加
々速度検出装置、1103…航空機コントロ−ラ、11
41…水平カナ−ド、1142…フラッペロン、114
3…垂直カナ−ド、1144…水平スタビライザ、11
45…垂直スタビライザ、1200…ケ−シング、12
01…回転振子、1202…コイル、1203…マグネ
ット、1204…可動電極、1205…固定電極、12
06…振り子変位角検出装置。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05D 3/00 - 3/20 G01P 15/11,15/13 G06F 15/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物体の加速度を検出する加速度検出手段
    と、物体の加加速度を検出する加加速度検出手段と、物
    体の運動を操作するアクチュエータと、前記アクチュエ
    ータを制御するコントローラとを備え、 前記加加速度検出手段からの出力を前記コントローラに
    入力し、前記加加速度検出手段で検出された加加速度が
    前記加速度検出手段で検出された加速度と逆向きの加加
    速度である場合は、前記コントローラにより前記アクチ
    ュエータの操作量を小さくするように制御すると共に、 前記加加速度検出手段として、第1の部材と、前記第1
    の部材に対して相対的に可動である第2の部材と、前記
    第1の部材に固定され磁束を発生させるための磁石と、
    前記磁石の磁束中であって前記第2の部材に固定された
    少なくとも1つのコイルと、前記第1の部材に対する第
    2の部材の動きを検出し前記磁束により前記コイルと磁
    石との間で前記第1の部材に対し第2の部材の運動を妨
    害するように力を発生させるための電流を流すための手
    段と、前記電流により前記コイル間に発生する加速度の
    微分値に対応する電圧を検出する手段とを備えた ことを
    特徴とする運動制御システム。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の運動制御システムにおい
    て、第1の部材に相対的な第2の部材の動きを検出する
    前記手段が、第1の部材、第2の部材のそれぞれに取り
    付けられた静電容量板を備え、第1の部材に対する第2
    の部材の動きによる前記静電容量板間の静電容量の変化
    を検出するものであることを特徴とする運動制御システ
    ム。
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