JP3335334B2 - 乗用田植機 - Google Patents

乗用田植機

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JP3335334B2
JP3335334B2 JP32001999A JP32001999A JP3335334B2 JP 3335334 B2 JP3335334 B2 JP 3335334B2 JP 32001999 A JP32001999 A JP 32001999A JP 32001999 A JP32001999 A JP 32001999A JP 3335334 B2 JP3335334 B2 JP 3335334B2
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俊樹 南石
明 星澤
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Yanma Agricultural Equipment Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗用田植機に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、乗用田植機の一形態として、図9
に示すように、田植機本体90の後方に、植付装置93を昇
降リンク機構92を介して昇降自在に連結したものがあ
り、田植機本体90には、機体フレーム99上に原動機部10
0を設け、同原動機部100の後部にミッションケース94を
連動連設し、同ミッションケース94の前部左右側位置に
それぞれフロントアクスルケース101,101を連動連設し
て、各フロントアクスルケース101,101に前車輪102,102
を取付けると共に、ミッションケース94の後部左右側位
置にそれぞれ伝動ケース96,96を連動連設して、各伝動
ケース96,96 の後端部に後車輪95,95を取付け、両伝動
ケース96,96の中途部間に横機枠97を横架し、同横機枠9
7に支柱98を立設して、同支柱98に上記昇降リンク機構9
2を取付けている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した乗
用田植機では、ミッションケース94の重心の前後位置が
フロントアクスルケース101,101よりも後方に位置し、
かつ、重心の上下位置が機体フレーム99よりも上方に位
置しているために、田植機本体90の重心が中央上部寄り
に位置し、後方に植付装置93を連結した乗用田植機全体
の前後重心バランスが悪いという不具合がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、機
体前部にエンジンとミッションケースと燃料タンクを搭
載し、機体の前後左右に前後車輪を設け、機体後部に昇
降リンク機構を介して植付部を昇降自在に連設した乗用
田植機において、ミッションケースに左右一対のロアー
フレームの前部を連結し、両ロアーフレームの上方位置
にアッパーフレームを配設して連結することにより、ア
ッパーフレームとロアーフレームとの上下二段の一体連
結フレームを構成すると共に、下側のロアーフレームの
後端はアッパーフレームよりも後方にずらし、ロアーフ
レームの後部と、ロアーフレームの中途部より後方へ伸
延した傾斜状の後部フレームの後部とを背面視門形の後
部横フレームで一体的に連結し、左右の後部フレーム
は、ミッションケースの左右幅と略同一幅に間隔を開け
て配置すると共に、左右のアッパーフレームの間に配置
し、傾斜状の後部フレームとロアーフレームと背面視門
形の後部横フレームとにより後方へ上り勾配の傾斜を有
する枠状のフレーム構造を形成して、同フレーム構造に
より座席を、同座席の前端が前車輪の後端上方に位置す
るように支持し、後部横フレームの下方位置において、
前高後低のリヤアクスルケースをロアーフレームの後部
と一体的に連結し、同リヤアクスルケースの後部に後車
軸を支持させ、同後車軸に左右後車輪を取り付け、側面
視にて、ミッションケースの前部上方位置にエンジンを
上下方向に重複状態に配設すると共に、同エンジンの側
方位置に設けたエンジンプーリと、上記ミッションケー
スの側方位置に設けたミッションプーリとを上下方向に
重複する位置に配置して、両プーリを縦方向の伝動ベル
トにより連動連結し、上記エンジンの上方位置に燃料タ
ンクを配置して、これらミッションケースとエンジンと
燃料タンクとを上下方向に重複状態となすと共に、同エ
ンジンと燃料タンクとをボンネットにより被覆し、同ボ
ンネットの直後方位置に操作部材を、側方位置には操作
ペダルを配置し、前記ミッションケースの後部上方位置
で、前記エンジンの後部とミッションケースの後部と燃
料タンクの後部と操作部材とで形成される空間内に、直
線状に形成したステアリングシャフトの下部を配設する
と共に、同ステアリングシャフトは、ミッションケース
の後部と上下方向に重複状態に配置し、同ステアリング
シャフトの上部にステアリングハンドルを取り付けると
共に、同ステアリングハンドルの前後幅内にステアリン
グシャフトを配置し、同ステアリングハンドルの後方位
置でかつ前記後部フレームの上方位置に座席を配設する
と共に、同座席の前部を前車輪と後車輪との間に配置
し、上記座席の後部の下方近傍位置で、かつ、ロアーフ
レームの後端よりも前方位置に、前記昇降リンク機構の
昇降回動支点を配置したことを特徴とする乗用田植機を
提供するものである。
【0005】
【実施例】以下に、本発明の実施例を、図面を参照しな
がら説明する。
【0006】図1に示す(A)は本発明にかかる乗用田植
機であり、同乗用田植機(A)は、自走可能な走行部(B)の
後方に昇降機構(D)を介して植付部(C)を連結している。
【0007】走行部(B)は、図1に示すように、機体両
側に、前後方向に位置させたアッパーフレーム(1)(1)を
前方に突設すると共に高く位置させ、両アッパーフレー
ム(1)(1)の前部にミッションケース(5)を下方へ突出状
に配設し、側面視にて、同ミッションケース(5)の前部
上方位置にエンジン(2)を上下方向に重複状態に配設し
て、同エンジン(2)の側方位置に設けたエンジンプーリ
(28)と、上記ミッションケース(5)の側方位置に設けた
ミッションプーリ(29)とを上下方向に重複する位置に配
置して、両プーリ(28)(29)を縦方向の伝動ベルト(30)に
より連動連結している。
【0008】そして、上記エンジン(2)の上方位置に燃
料タンク(4-1)を配設して、これらミッションケース(5)
とエンジン(2)と燃料タンク(4-1)とを、側面視にて、上
下方向に重複状態となすと共に、同燃料タンク(4-1)の
前端部をエンジン(2)の前端部よりも後方に位置ずれさ
せて配置し、かつ、同燃料タンク(4-1)の前壁を前下方
へ下り傾斜状に形成して、同エンジン(2)と燃料タンク
(4-1)とをボンネット(4)により被覆している。
【0009】しかも、ボンネット(4)の前壁は、側面視
にて前下方へ下り傾斜状でかつ前方へ膨出する略四分の
一円弧状に形成し、同ボンネット(4)の後端直下方近傍
位置に前記ミッションケース(5)の後端が位置するよう
にして、同ボンネット(4)の直後方位置に操作部材とし
ての変速レバー(33)を、側方位置には操作ペダルとして
のブレーキペダル(64)を配置している。
【0010】また、ミッションケース(5)の前部の側方
位置にミッションプーリ(29)を設けると共に、同ミッシ
ョンケース(5)の後部左右両側にそれぞれフロントアク
スルケース(6)(6)を連動連設して、各フロントアクスル
ケース(6)(6)に前車軸(7-1)(7-1)を介して前車輪(7)(7)
を取付けると共に、機体の後部にリヤアクスルケース
(8)を前高後低の傾斜状に設けて、同リヤアクスルケー
ス(8)の後部に後車軸(15)を介して左右後車輪(9)(9)を
取り付けている。
【0011】なお、図8において、(6-1)は、フロント
アクスルケース(6)の外側に連結したフロントギヤケー
ス、(6-2)は、同フロントギヤケース(6-1)の連結フラン
ジで、上方に延設部(6-3)を設けている。
【0012】そして、フロントアクスルケース(6)は、
アッパーフレーム(1)に下向きに連設する断面逆L形の
取付ブラケット(26)とボルト(27)により固定している。
【0013】これにより、前車輪(7)からの荷重を取付
ブラケット(26)により支持することができ、ミッション
ケース(5)やフロントアクスルケース(6)の剛性を小さく
することができて、機体のコンパクト化と軽量化が図れ
る。
【0014】しかも、分解整備性においても、連結フラ
ンジ(6-2)が共締めとなっていないので分解が容易で、
また、ボルト孔より油もれなどが発生しない。
【0015】また、側面視にて、前車軸(7-1)を通る仮想
垂直線(V)上に燃料タンク(4-1)とエンジン(2)とミッシ
ョンケース(5)とを配置すると共に、ミッションケース
(5)は、上記前車軸(7-1)よりも上方位置に配置してい
る。
【0016】そして、エンジン(2)と、同エンジン(2)の
上方に配置した燃料タンク(4-1)は、ボンネット(4)によ
り被覆しており、同ボンネット(4)の前壁は、側面視にて
前下方へ下り傾斜状でかつ前方へ膨出する略四分の一円
弧状に形成している。
【0017】ここで、燃料タンク(4-1)は、エンジン(2)
の上方位置において、前端部をエンジン(2)の前端部よ
りも後方に位置ずれさせて配置すると共に、前壁を前下
方へ下り傾斜状に形成している。
【0018】このようにして、ボンネット(4)を、燃料
タンク(4-1)の前壁とエンジン(2)の前端部に沿わせて略
四分の一円弧状にコンパクトに形成している。
【0019】しかも、機体の前端と前車輪(7)の前側部
とを結ぶ前車輪(7)の仮想接線(L)よりも後方位置にミッ
ションケース(5)の前端を位置させる一方、ボンネット
(4)の後端直下方近傍位置にミッションケース(5)の後端
を位置させ、同ボンネット(4)の直後方位置に操作部材
としての変速レバー(33)を配置すると共に、同ボンネッ
ト(4)の左右側方位置には、それぞれ運転部(60)の一部
を形成する操作ペダルとしてのクラッチペダル(63)とブ
レーキペダル(64)を配置している。なお、仮想接線(L)
と走行面(G)とにより、いわゆる鼻付き角(θ)を形成す
る。
【0020】そして、ミッションケース(5)の後部上方
位置で、エンジン(2)の後部とミッションケース(5)の後
部と燃料タンク(4-1)の後部とエンジン(2)の後方位置に
配置した操作部材としての変速レバー(33)とで形成され
る空間(S)内にステアリングシャフト(3)の下部を配設す
ると共に、同ステアリングシャフト(3)は、ミッション
ケース(5)の後部と上下方向に重複状態に配置し、同ス
テアリングシャフト(3)の上部にステアリングハンドル
(3-1)を取り付けて、同ステアリングハンドル(3-1)の前
部と上記ミッションケース(5)と燃料タンク(4-1)とを上
下方向に重複状態となしている。
【0021】また、ステアリングシャフト(3)は、直線
上に形成してステアリングハンドル(3-1)の前後幅内に
配置しており、側面視にて、ステアリングハンドル(3-
1)の前部と上記ミッションケース(5)の後部と燃料タン
ク(4-1)の後部とを上下方向に重複状態となし、かつ、
前車輪(7)(7)の略前後端部間に、前記伝動ベルト(30)と
ミッションケース(5)とステアリングシャフト(3)とを配
置している。
【0022】ここで、エンジン(2)の左側方に設けたエ
ンジンプーリ(28)と、ミッションケース(5)の左側方に
設けたミッションプーリ(29)との間には、伝動ベルト(3
0)を巻掛けて連動連結しており、上記エンジンプーリ(2
8)は後述するステップ兼用のケーシング体(31)の上方に
配置すると共に、ミッションプーリ(29)はケーシング体
(5)の下方に配置して、伝動ベルト(30)を、前記した前車
軸(7-1)を通る仮想垂直線に近接する略同一垂直線上に
配置すると共に、側面視において、エンジン(2)とミッシ
ョンケース(5)とが上下方向に重複する位置に配置して
いる。
【0023】また、ステアリングハンドル(3-1)の後方
位置には座席(61)を配設して運転部(60)を構成してい
る。
【0024】すなわち、運転部(60)は、図1及び図2に
示すように、後述するケーシング体(31)の上部に座席(6
1)を設け、同座席(61)の右側方に植付昇降レバー(62)
を設ける一方、前記ボンネット(4)の左右側方位置に
は、それぞれ操作ペダルとしてのクラッチペダル(63)と
ブレーキペダル(64)を配置しており、ブレーキペダル(6
4)は左側ペダル(64-1)と右側ペダル(64-2)とから形成し
ている。(65)は副変速レバーである。
【0025】そして、座席(61)は、ステアリングハンド
ル(3-1)の後方位置でかつ後述する後部フレーム(13)の
上方位置に配設すると共に、同座席(61)の前部を前車輪
(7)(7)と後車輪(9)(9)との間に配置している。
【0026】また、かかる座席(61)の後部の下方近傍位
置で、かつ、後述するロアーフレーム(10)(10)の後端(1
0-3)(10-3)よりも前方位置に、昇降機構(D)の一部を形
成する昇降リンク機構(35)の昇降回動支点、すなわち、
後述する支点軸(37-1)と支点ピン(47)を配置している。
【0027】前記ミッションケース(5)には、前後方向
に伸延する左右一対のロアーフレーム(10)(10)の前部を
連結し、両ロアーフレーム(10)(10)の上方位置に前後方
向に伸延する左右一対のアッパーフレーム(1)(1)を配設
して連結することにより、アッパーフレーム(1)(1)とロ
アーフレーム(10)(10)との上下二段の一体連結フレー
ム、すなわち、機体フレーム(F)を構成している。
【0028】しかも、下側のロアーフレーム(10)(10)の
後端(10-3)(10-3)は、アッパーフレーム(1)(1)よりも後
方にずらし、両ロアーフレーム(10)(10)の後端(10-3)(1
0-3)と、ロアーフレーム(10)(10)の中途部より後方へ伸
延した傾斜状の後部フレーム(13)(13)の後部とを背面視
門形の後部横フレーム(11)で一体的に連結している。
【0029】さらには、左右の後部フレーム(13)(13)
は、ミッションケース(5)の左右幅と略同一幅に間隔を
開けて配置すると共に、左右のアッパーフレーム(1)(1)
の間に配置し、傾斜状の後部フレーム(13)(13)とロアー
フレーム(10)(10)と背面視門形の後部横フレーム(11)と
により後方へ上り勾配の傾斜を有する枠状のフレーム構
造を形成して、同フレーム構造により座席(61)を、同座
席(61)の前端が前車輪(7)の後端上方に位置するように
支持している。
【0030】そして、後部横フレーム(11)の下方位置に
おいて、前高後低のリヤアクスルケース(8)(8)をロアー
フレーム(10)(10)の後部と一体的に連結し、同リヤアク
スルケース(8)(8)の後部に後車軸(15)(15)を支持させ、
同後車軸(15)(15)に左右後車輪(9)(9)を取り付けてい
る。
【0031】また、後車軸(15)は、リヤアクスルケース
(8)の両側に突設されて、後部横フレーム(1 1)の下端に
連結支持されている。
【0032】ここで、ロアーフレーム(10)の前端(10-1)
は機体内側へ湾曲せしめて幅狭状に接近させながら、機
体中央部に横方向に設けた前部横フレーム(10-2)に連結
されている。(10-4)はロアーフレーム(10)の前方に延設
する前部ロアーフレームである。(12)は機体横方向に位
置して左右両側の垂直部(12-1)(12-1)にて左右のアッパ
ーフレーム(1)の後端(1-1)(1-1)と連結すると共に、ロ
アーフレーム(10)(10)の前後方向の中間位置と連結する
中間横フレームである。
【0033】また、(10-5)は、アッパーフレーム(1)の
前部位置に横方向に設けるミッション取付フレーム、(1
0-6)は、アッパーフレーム(1) の前部に横方向に設ける
エンジン取付フレームである。
【0034】そして、同アッパーフレーム(1)の前部左
右両側位置には予備苗載せ台用フレーム(10-7)を設けて
いる。(10-8)はデフロックレバー用支持フレーム、(10-
9)はステップ中央部を支持するステップ支持フレームで
ある。(13)は、前記前部横フレーム(10-2)の左右両側位
置より後方上方に向けて傾斜状に設ける後部フレーム
で、後端(13-1)は後部横フレーム(11)の上部に連結され
ている。
【0035】また、リヤアクスルケース(8)は、ロアー
フレーム(10)の左右の後部と連結されながら、ミッショ
ンケース(5)との間にプロペラシャフト(14)を介して連
動連結している。
【0036】(16)は、田植機の走行部(B)のミッション
ケース(5)と、植付部(C)の植付駆動ケース(17)とを連動
連結する植付駆動軸である。
【0037】そして、かかる植付駆動軸(16)は、前部駆
動軸(16-1)と後部駆動軸(16-2)とを自在継手(18)を介し
て連動連結している。また、後部駆動軸(16-2)は外管軸
(16-3)と内管軸(16-4)をスプライン嵌合して伸縮自在に
構成していると共に、内管軸(16-4)を植付駆動ケース(1
7)に連動連結している。
【0038】また、(19)は、ミッションケース(5) の上
方に配設すると共に、上部にステアリングシャフト(3)
を介してステアリングハンドル(3-1) を連動連結したス
テアリングケースで、内部に減速歯車(19-1)を設けてい
る。(20)は、ステアリングケース(19)の下方に、下向き
に突設するピットマンアーム軸で、同ピットマンアーム
軸(20)の下端には後方に向けてピットマンアーム(21)を
連結している。また、ピットマンアーム(21)の左右両側
にはドラッグロッド(22)(22)の基部を接続して、左右の
フロントギヤボックス(23)(23)のナックルアーム(24)(2
4)と各々連動連結している。
【0039】そして、上記ピットマンアーム軸(20)、ピ
ットマンアーム(21)、ドラッグロッド(22)(22)及びナッ
クルアーム(24)(24)等によりステアリング連動機構(25)
を構成しており、同ステアリング連動機構(25)は、図5
に示すように、ミッションケース(5)の後方から迂回す
るように配設している。
【0040】(26)は、アッパーフレーム(1) の前部両側
位置に、下向きに突設する取付ブラケットで、ミッショ
ンケース(5) を固着している。(27)は固定用ボルトであ
る。
【0041】そして、ステップ兼用のケーシング体(31)
は、アッパーフレーム(1) の上面に位置させて広幅状に
形成されており、同ケーシング体(31)は後部がリヤフェ
ンダ(32)と一体的に接続されていると共に、床面、変速
ガイド板等を兼用すべく、FRP等の高剛性を有する合
成樹脂により作成されている。
【0042】変速レバー(33)は、ミッションケース(5)
の上部に突設すると共に、ステアリングコラム(34)の近
傍に位置している。
【0043】昇降機構(D)は、昇降リンク機構(35)と昇
降油圧シリンダ(38)とを具備しており、同昇降リンク機
構(35)は、ロアーフレーム(10)の後部と後部横フレーム
(11)とに斜めに掛け渡したリンク支持ブラケット(36)
に、左右一対のリフトアーム(37)の基部を軸支し、同リ
フトアーム(37)の上部支軸(39)にリフトリンク(40)の前
端を連結する一方、後端を植付フレーム(41)の前部に設
ける横軸(42)に枢支している。(43)は走行部(B) と植付
部(C) を連動連結する下部リンクで、同左右一対の下部
リンク(43)は前端をリンク支持ブラケット(36)に設ける
支点軸(37-1)に枢着する一方、後端を植付フレーム(41)
の前部に設ける横軸(42)に枢支している。
【0044】そして、昇降リンク機構(35)は、後部フレ
ーム(13)の後部と植付フレーム(41)に設ける垂直フレー
ム(45)とに掛け渡し状にトップリンク(44) を設けてお
り、同トップリンク(44)は、図7に示す如く、前端は二
又状(44-1)に形成している。(46)は取付座、(47)は支点
ピン、(48)はトップリンクピンである。
【0045】ここで、昇降リンク機構(35)の昇降回動支
点となる支点軸(37-1)及び支点ピン(47)とアッパーフレ
ーム(1)(1)の後端部を、側面視にて、枠状のフレーム構
造内で支持している。
【0046】また、上記トップリンク(44)と下部リンク
(43)とリフトアーム(37)と垂直フレーム(45)とにより平
行リンク機構(49)を構成している。
【0047】昇降油圧シリンダ(38)は、ロアーフレーム
(10)に設ける前部横フレーム(10-2)に基部(38-1)を枢着
するとともに、先端をリフトアーム(37)の上部支軸(39)
に連結している。(37-1)は支点軸である。
【0048】そして、昇降油圧シリンダ(38)は、シリン
ダロッド(38-2)を短縮作動させることにより、リフトア
ーム(37)を前方へ回動させてリフトリンク(40)により植
付部(C)を上昇作動させるようにしている。
【0049】また、反対に昇降油圧シリンダ(38)のシリ
ンダロッド(38-2)を伸長作動させることにより植付部
(C)を下降作動させるようにしている。
【0050】また、図6において、(50)はステアリング
コラム(34)の基部に設ける固定板でステアリングケース
(19)にボルト(51)により固定されている。
【0051】(52)は、ステアリングケース(19)の下側を
支持する支持板で、取付金具(53)を介して前記前部横フ
レーム(10-2)に連結されている。(54)は固定ボルトであ
る。(55)は、前部横フレーム(10-2)に一体連結する縦枠
で、下部に昇降油圧シリンダ(38)の取付座(56)を設けて
いると共に、上部にはペダル軸支持部(57)を設けてい
る。
【0052】以上のように、機体フレーム(F)は、上側
に位置するアッパーフレーム(1)と下側に位置するロア
ーフレーム(10)の上下二段に構成して、各々左右一対に
突設せしめてエンジン(2)を搭載し、下側のロアーフレ
ーム(10)は、アッパーフレーム(1) よりも後方にずらせ
て位置させてミッションケース(5) を連結し、さらに前
記アッパーフレーム(1)とロアーフレーム(10)とを横フ
レーム(12)にて一体連結したものであるから、機体フレ
ーム(F)の形状が箱形構造となっており、剛性が大幅に
増してエンジン(2)及びミッションケース(5)を確実に保
持することができる。
【0053】また、機体フレーム(F)は、上下二段のア
ッパーフレーム(1)とロアーフレーム(10)により構成す
ると共に、ロアーフレーム(10)より後方上方に向けて傾
斜状に左右の後部フレーム(13)を突設して、同左右の後
部フレーム(13)の後端を背面視門形に形成された後部横
フレーム(11)に連結して、同門形に形成された後部横フ
レーム(11)の内側位置に昇降リンク機構(35)を位置させ
ているため、機体フレーム(F)の剛性が増すと共に、門
形の後部横フレーム(35)により車軸部の荷重を広いスパ
ンで支持することができて機体フレーム(F)の軽量化が
図れ、さらに、門形の後部横フレーム(11)の内側空間に
昇降リンク機構( 35)を配設しているため、機体フレー
ム(F)及び昇降リンク機構(35)をコンパクトに構成する
ことができる。
【0054】また、上記門形の後部横フレーム(11)によ
り昇降リンク機構(35)の各部品を保護することができ、
その昇降作動が確実にできる。
【0055】
【効果】本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0056】(1)本発明では、ミッションケースに左
右一対のロアーフレームの前部を連結し、両ロアーフレ
ームの上方位置にアッパーフレームを配設して連結する
ことにより、アッパーフレームとロアーフレームとの上
下二段の一体連結フレームを構成すると共に、下側のロ
アーフレームの後端はアッパーフレームよりも後方にず
らし、ロアーフレームの後部と、ロアーフレームの中途
部より後方へ伸延した傾斜状の後部フレームの後部とを
背面視門形の後部横フレームで一体的に連結し、左右の
後部フレームは、ミッションケースの左右幅と略同一幅
に間隔を開けて配置すると共に、左右のアッパーフレー
ムの間に配置し、傾斜状の後部フレームとロアーフレー
ムと背面視門形の後部横フレームとにより後方へ上り勾
配の傾斜を有する枠状のフレーム構造を形成して、同フ
レーム構造により座席を、同座席の前端が前車輪の後端
上方に位置するように支持している。
【0057】このようにして、機体フレームの形状が枠
状の構造となって、剛性を大幅に増大させることができ
る。
【0058】(2)本発明では、後部横フレームの下方
位置において、前高後低のリヤアクスルケースをロアー
フレームの後部と一体的に連結し、同リヤアクスルケー
スの後部に後車軸を支持させ、同後車軸に左右後車輪を
取り付けている。
【0059】このようにして、リヤアクスルケースをロ
アーフレームの後部と一体的に連結しているため、同リ
ヤアクスルケースの後部に支持させた後車軸を介して左
右後車輪を確実に支持させることができる。
【0060】しかも、リヤアクスルケースを前高後低の
傾斜状に設けることにより、同リヤアクスルケースを略
水平状態に設けた場合に比して、同リヤアクスルケース
の後部に後車軸を介して取り付ける後車輪を前車輪寄り
に配置することができて、走行部の前後幅の短幅化、ひ
いては機体全体のコンパクト化を図ることができる。
【0061】(3)本発明では、側面視にて、ミッショ
ンケースの前部上方位置にエンジンを上下方向に重複状
態に配設すると共に、同エンジンの側方位置に設けたエ
ンジンプーリと、上記ミッションケースの側方位置に設
けたミッションプーリとを上下方向に重複する位置に配
置して、両プーリを縦方向の伝動ベルトにより連動連結
し、上記エンジンの上方位置に燃料タンクを配置して、
これらミッションケースとエンジンと燃料タンクとを上
下方向に重複状態となしている。
【0062】このようにして、機体の前部に配設される
燃料タンクとエンジンとミッションケースの配設構造を
コンパクト化して、機体全体のコンパクト化を図ること
ができる。
【0063】しかも、機体の前部に燃料タンクとエンジ
ンとミッションケースを配設しているため、これらの重
量を機体の前部に作用させることができて、機体全体の
重心位置を前方へ移動させることがでる。
【0064】その結果、後部に比較的重量物である植付
部を連結している乗用田植機の前後重心バランスを良好
にすることができて、操向操作性と植付作業能率を向上
させることができる。
【0065】さらには、エンジンプーリとミッションプ
ーリは、それぞれエンジンとミッションケースの側方位
置にて上下方向に重複する位置に配置することができ
て、両プーリを可及的に近接させて配置することがで
き、両プーリ間に介設する縦方向の伝動ベルトを可及的
に短くすることができる。
【0066】(4)本発明では、エンジンと燃料タンク
とをボンネットにより被覆し、同ボンネットの直後方位
置に操作部材を、側方位置には操作ペダルを配置し、前
記ミッションケースの後部上方位置で、前記エンジンの
後部とミッションケースの後部と燃料タンクの後部と操
作部材とで形成される空間内に、直線状に形成したステ
アリングシャフトの下部を配設すると共に、同ステアリ
ングシャフトは、ミッションケースの後部と上下方向に
重複状態に配置し、同ステアリングシャフトの上部にス
テアリングハンドルを取り付けると共に、同ステアリン
グハンドルの前後幅内にステアリングシャフトを配置
し、同ステアリングハンドルの後方位置でかつ前記後部
フレームの上方位置に座席を配設すると共に、同座席の
前部を前車輪と後車輪との間に配置し、上記座席の後部
の下方近傍位置で、かつ、ロアーフレームの後端よりも
前方位置に、前記昇降リンク機構の昇降回動支点を配置
している。
【0067】このようにして、機体の前部に配設される
燃料タンクとエンジンとミッションケースとステアリン
グシャフトの配設構造をコンパクト化すると共に、機体
の後部に配設される昇降リンク機構の昇降回動支点をロ
アーフレームの後端よりも前方位置に配置しているた
め、機体全体のコンパクト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を装備する乗用田植機の全体側面図。
【図2】同概略平面図。
【図3】機体フレームの側面図。
【図4】同平面図。
【図5】ステアリング連動機構の平面説明図。
【図6】同側面図。
【図7】昇降リンク機構を示す背面図。
【図8】フロントアクスルケース部の取付状態を示す背
面図。
【符号の説明】
(1) アッパーフレーム (2) エンジン (5) ミッションケース (7)(7) 前車輪 (9)(9) 後車輪 (10) ロアーフレーム (11) 後部横フレーム (12) 横フレーム (13) 後部フレーム (35) 昇降リンク機構 (C) 植付部 (F) 機体フレーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−131308(JP,A) 特開 昭56−88711(JP,A) 特開 昭58−43864(JP,A) 特開 昭60−107463(JP,A) 特開 昭62−187669(JP,A) 特開 平1−132307(JP,A) 実開 昭57−202327(JP,U) 実開 昭59−196327(JP,U) 実開 昭63−125620(JP,U) 実開 平1−82711(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01C 11/02 B60K 17/04 B60K 17/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機体前部にエンジン(2)とミッションケ
    ース(5)と燃料タンク(4-1)を搭載し、機体の前後左右に
    前後車輪(7)(7)(9)(9)を設け、機体後部に昇降機構(D)
    を介して植付部(C)を昇降自在に連設した乗用田植機に
    おいて、 ミッションケース(5)に左右一対のロアーフレーム(10)
    (10)の前部を連結し、両ロアーフレーム(10)(10)の上方
    位置にアッパーフレーム(1)(1)を配設して連結すること
    により、アッパーフレーム(1)(1)とロアーフレーム(10)
    (10)との上下二段の一体連結フレームを構成すると共
    に、下側のロアーフレーム(10)(10)の後端はアッパーフ
    レーム(1)(1)よりも後方にずらし、ロアーフレーム(10)
    (10)の後部と、ロアーフレーム(10)(10)の中途部より後
    方へ伸延した傾斜状の後部フレーム(13)(13)の後部とを
    背面視門形の後部横フレーム(11)で一体的に連結し、 左右の後部フレーム(13)(13)は、ミッションケース(5)
    の左右幅と略同一幅に間隔を開けて配置すると共に、左
    右のアッパーフレーム(1)(1)の間に配置し、 傾斜状の後部フレーム(13)(13)とロアーフレーム(10)(1
    0)と背面視門形の後部横フレーム(11)とにより後方へ上
    り勾配の傾斜を有する枠状のフレーム構造を形成して、
    同フレーム構造により座席(61)を、同座席(61)の前端
    が前車輪(7)の後端上方に位置するように支持し、 後部横フレーム(11)の下方位置において、前高後低のリ
    ヤアクスルケース(8)をロアーフレーム(10)(10)の後部
    と一体的に連結し、同リヤアクスルケース(8)の後部に
    後車軸(15)を支持させ、同後車軸(15)に左右後車輪(9)
    (9)を取り付け、 側面視にて、ミッションケース(5)の前部上方位置にエ
    ンジン(2)を上下方向に重複状態に配設すると共に、同
    エンジン(2)の側方位置に設けたエンジンプーリ(28)
    と、上記ミッションケース(5)の側方位置に設けたミッ
    ションプーリ(29)とを上下方向に重複する位置に配置し
    て、両プーリ(28)(29)を縦方向の伝動ベルト(30)により
    連動連結し、 上記エンジン(2)の上方位置に燃料タンク(4-1)を配置し
    て、これらミッションケース(5)とエンジン(2)と燃料タ
    ンク(4-1)とを上下方向に重複状態となすと共 に、同エ
    ンジン(2)と燃料タンク(4-1)とをボンネット(4)により
    被覆し、同ボンネット(4)の直後方位置に操作部材(33)
    を、側方位置には操作ペダル(64)を配置し、 前記ミッションケース(5)の後部上方位置で、前記エン
    ジン(2)の後部とミッションケース(5)の後部と燃料タン
    ク(4-1)の後部と操作部材(33)とで形成される空間(S)内
    に、直線状に形成したステアリングシャフト(3)の下部
    を配設すると共に、同ステアリングシャフト(3)は、ミ
    ッションケース(5)の後部と上下方向に重複状態に配置
    し、 同ステアリングシャフト(3)の上部にステアリングハン
    ドル(3-1)を取り付けると共に、同ステアリングハンド
    ル(3-1)の前後幅内にステアリングシャフト(3)を配置
    し、 同ステアリングハンドル(3-1)の後方位置でかつ前記後
    部フレーム(13)の上方位置に座席(61)を配設すると共
    に、同座席(61)の前部を前車輪(7)(7)と後車輪(9)(9)と
    の間に配置し、 上記座席(61)の後部の下方近傍位置で、かつ、ロアーフ
    レーム(10)(10)の後端よりも前方位置に、前記昇降リン
    ク機構(35)の昇降回動支点を配置した ことを特徴とする
    乗用田植機。
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