JP3334788B2 - 6軸運動計測方法およびその装置 - Google Patents

6軸運動計測方法およびその装置

Info

Publication number
JP3334788B2
JP3334788B2 JP21213097A JP21213097A JP3334788B2 JP 3334788 B2 JP3334788 B2 JP 3334788B2 JP 21213097 A JP21213097 A JP 21213097A JP 21213097 A JP21213097 A JP 21213097A JP 3334788 B2 JP3334788 B2 JP 3334788B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
equation
axis
acceleration
rigid body
translational
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP21213097A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1151958A (ja
Inventor
宣治 三村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Techno Link Co Ltd
Original Assignee
Techno Link Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Techno Link Co Ltd filed Critical Techno Link Co Ltd
Priority to JP21213097A priority Critical patent/JP3334788B2/ja
Publication of JPH1151958A publication Critical patent/JPH1151958A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3334788B2 publication Critical patent/JP3334788B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車輌などの
剛体における6軸運動を計測する6軸運動計測方法およ
びその装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】近年、車輌の多様化お
よび高性能化に伴い、乗り心地や走行フィーリング(操
縦感,安定感,制動感など)という人間の動揺,振動間
隔に関する計測および評価が重要となってきており、特
に、初心者や高齢者などの広範囲の被験者に対する評価
が今後ますます重要になると考えられている。こうした
評価においては、先ず、車輌の走行中の運動を十分なバ
ンド幅(DC〜約20Hz程度の範囲)で精度良く計測す
る必要がある。
【0003】従来、このような車輌などの剛体における
6軸運動の計測装置として、3軸の並進加速度計と3軸
の機械式レートジャイロスコープとを用いたものが知ら
れている。しかし、6自由度の複雑な運動を行なう車輌
上では、回転運動の中心が一定ではなく、しかも、並進
加速度計で検出される加速度信号には、並進加速度のみ
ならず遠心加速度や回転角加速度も混入しており、これ
らの分離が不可欠になる。この分離には、角速度あるい
は角加速度の情報が必要であるが、従来のレートジャイ
ロスコープは応答性が低く、その計測範囲が低速な運動
に限られ、また、並進加速度計との位相特性も異なるた
め、この信号分離には不適当である欠点があった。
【0004】また、実際の車輌においては、計測装置の
設置位置が制限されるため、計測した並進加速度と回転
加速度とを任意位置若しくは任意姿勢に変換する処理が
必要になる場合が多い。この座標変換操作に当たって
は、計測した並進加速度と回転加速度とを組み合わせる
必要があるが、この場合も上述した同様の理由により、
従来のレートジャイロスコープでは不適当であると考え
られる。
【0005】こうした問題を回避するために、レートジ
ャイロスコープを用いず、複数個(例えば9個)の単軸
加速度計を立体的に組み合わせて、角加速度(角速度)
の計測を行なうものが提案されている。しかし、こうし
たものでは、計測装置そのものが大型化するとともに、
各単軸加速度計の配置精度が要求され、さらに、単軸加
速度計からの出力信号を解析するアルゴリズムも煩雑に
なる問題点がある。
【0006】また、この種の計測装置としては、特公平
6−90218号公報や特許第2622297号公報に
開示されるものなどが他に知られている。前者の特公平
6−90218号公報では、慣性体の6自由度の全運動
を拘束する6個の支持脚を、この慣性体と箱体との間に
配設し、各支持脚に設けた力検出器により、各々の支持
脚に加わる伸縮力を検出して、6自由度全ての加速度を
計測するように構成している。しかし、各支持脚は、箱
体内の空間に立体的に配置されるので、前述の計測装置
の大型化や配置精度の問題が回避できない。また、外力
が加わると支持脚の伸縮により慣性体も動いてしまうの
で、構造的にコリオリ力が発生するにも拘らず、単に6
個の力検出器の出力を線形行列式にて解析して、コリオ
リ力や遠心力の影響を演算処理時に無視しているので、
微小な加速度や角加速度(角速度)以外の計測は行なえ
なくなる。なぜならば、三次元空間では、慣性体に作用
するのは加速度や角加速度による慣性力だけでなく、コ
リオリ力や遠心力が複雑に作用して、これが誤差の原因
となるからである。したがって、こうした誤作要因を考
慮しない限り、三次元空間における6軸運動の計測を正
確に行なうことはできない。
【0007】一方、後者の特許第2622297号公報
では、X軸周りに回転する回転体を、第1および第2の
ラジアル磁気軸受と一対のスラスト磁気軸受とにより保
持し、この回転体の回転数を回転数検出器で検出すると
ともに、回転体のY軸方向およびZ軸方向の変位とスラ
スト方向の変位を5個の変位検出器により検出すること
で、回転体のラジアル方向またはスラスト方向の偏りを
補正しながら、X,Y,Z軸の変位加速度と変位角速度
とを算出し、出力する構成を有している。この公報に開
示される原理は、前者の特公平6−90218号公報に
開示されたものと類似しているが、回転体を有する分だ
けその構造が複雑になる。また、回転体のY軸周りに角
速度が生じたときのコリオリ力を利用して、変位検出器
の検出を行なう記載があるが、この方法では、三次元空
間において作用するコリオリ力や遠心力の効果を完全に
取り除けないか、あるいは、出力信号が発散して安定し
た計測ができなくなる。
【0008】つまり、上記各公報では、構造的にコリオ
リ力や遠心力が発生する状況であるにも拘らず、慣性体
に対する加速度や角加速度(角速度)の関係を十分解析
せずに6軸加速度計を構成しているため、二次元平面内
で運動する慣性体に対しては成立するが、三次元空間で
は各軸方向にコリオリ力や遠心力の効果が複雑に干渉し
合って、こうした効果を完全に取り除けないか、あるい
は、出力信号が発散して安定した計測ができないという
懸念を生じる。
【0009】そこで、本発明は上記問題点に鑑み、可能
な限り少数の加速度計を用いて、簡単な配置により、剛
体の運動を精度良く計測することの可能な6軸運動計測
方法およびその装置を提供することをその目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
6軸運動計測方法は、前記目的を達成するために、各単
軸並進加速度計のX,Y,Z軸方向の位置ベクトルと、
感度方向を表わす単位ベクトルとを示す行列が正則とな
るように、剛体と共に運動する少なくとも6個の前記単
軸並進加速度計を、前記剛体の同一平面上に対し3か所
以上の異なった位置に固定し、前記各単軸並進加速度計
から出力される加速度の測定値ベクトルを特定の時間毎
に記録し、各単軸並進加速度計から得られるデータのサ
ンプリン グ間隔をΔtとし、前記測定値ベクトルaのn
回目のサンプリング値をa(n)としたときに、次の数
式13および数式14により、
【数13】
【数14】 (但し、数式13の左辺はn回目における剛体の6軸加
速度および角加速度、右辺の −1 (n−1)は(n
−1)回目における前記行列の逆行列で、aと Rとf
(n)は次の数式15および数式16に示される。ま
た、数式14の左辺はn回目における剛体の速度および
角速度で、右辺第1項は(n−1)回目における剛体の
速度および角速度である。
【数15】
【数16】 なお、 uiは剛体上の点iに取り付けた単軸並進加速
度計の感度方向を表わす単位ベクトル、 riはその位
置ベクトルで、 Riと riは次の数式17および数
式18に示すように、
【数17】
【数18】 となる。) 個々の単軸並進加速度計に混入する測定値よりも多くの
未知数を含んだ遠心加速度や回転角加速度の影響を分離
する演算処理を行なって、前記剛体の6軸加速度および
角加速度を計測することを特徴とする。
【0011】この請求項1の方法によれば、被計測物で
ある剛体に対し剛体と共に運動するように各単軸並進加
速度計が固定されるので、剛体に外力が加わってもコリ
オリ力が発生しない。このため、コリオリ力による影響
を受けずに、後段の演算処理を行なうことができる。ま
た、各単軸並進加速度計のX,Y,Z軸方向の位置ベク
トルと、感度方向を表わす単位ベクトルとを示す行列が
正則となるように、少なくとも6個の単軸並進加速度計
が、剛体に対し3か所以上の異なった位置にあると、理
論的に個々の単軸並進加速度計に混入する測定値よりも
多くの未知数を含んだ遠心加速度や回転角加速度の影響
を分離する離散化漸化式を用いた演算処理を、行列の逆
行列を利用して行なえる。しかも、これは単軸並進加速
度計からの加速度信号だけで行なわれるので、従来のレ
ートジャイロスコープを組み合わせた場合のような応答
性の低さや、位相特性の違いなども懸念する必要がな
い。また、単軸並進加速度計は同一平面上にあるので、
単軸並進加速度計の配置精度は二次元平面上の位置関係
だけを考慮すれば良く、簡単な配置により剛体の6軸加
速度および角加速度を精度良く計測できる。
【0012】また、本発明の請求項2記載の6軸運動計
測装置は、前記目的を達成するために、各単軸並進加速
度計のX,Y,Z軸方向の位置ベクトルと、感度方向を
表わす単位ベクトルとを示す行列が正則となるように、
剛体の同一平面上に対し3か所以上の異なった位置に固
定される少なくとも6個の前記剛体と共に運動する単軸
並進加速度計と、前記各単軸並進加速度計から出力され
る加速度の測定値ベクトルを特定の時間毎に記録し、各
単軸並進加速度計から得られるデータのサンプリング間
隔をΔtとし、前記測定値ベクトルaのn回目のサンプ
リング値をa(n)としたときに、次の数式19および
数式20により、
【数19】
【数20】 (但し、数式19の左辺はn回目における剛体の6軸加
速度および角加速度、右辺の −1 (n−1)は(n
−1)回目における前記行列の逆行列で、aと Rとf
(n)は次の数式21および数式22に示される。ま
た、数式20の左辺はn回目における剛体の速度および
角速度で、右辺第1項は(n−1)回目における剛体の
速度および角速度である。
【数21】
【数22】 なお、 uiは剛体上の点iに取り付けた単軸並進加速
度計の感度方向を表わす単位ベクトル、 riはその位
置ベクトルで、 Riと riは次の数式23および数
式24に示すように、
【数23】
【数24】 となる。)個々の単軸並進加速度計に混入する測定値よ
りも多くの未知数を含んだ遠心加速度や回転角加速度の
影響を分離する演算処理を行なって、前記剛体の6軸加
速度および角加速度を計測する演算処理部とを備えた各
単軸並進加速度計のX,Y,Z軸方向の位置ベクトルを
示す行列が正則となるように、剛体の同一平面上に対し
3か所以上の異なった位置に固定される少なくとも6個
の前記剛体と共に運動する単軸並進加速度計と、前記各
単軸並進加速度計から出力される加速度信号により、前
記行列の逆行列を利用して、個々の単軸並進加速度計に
含まれる遠心加速度や回転角加速度の影響を分離する演
算処理を行なって、前記剛体の6軸加速度および角加速
度を計測する演算処理部とを備えて構成される。
【0013】この請求項2の構成によれば、被計測物で
ある剛体に対し剛体と共に運動するように各単軸並進加
速度計が固定されるので、剛体に外力が加わってもコリ
オリ力が発生しない。このため、コリオリ力による影響
を受けずに、後段の演算処理部による演算処理を行なう
ことができる。また、各単軸並進加速度計のX,Y,Z
軸方向の位置ベクトルと、感度方向を表わす単位ベクト
ルとを示す行列が正則となるように、少なくとも6個の
単軸並進加速度計が、剛体に対し3か所以上の異なった
位置にあると、理論的に演算処理部は、理論的に個々の
単軸並進加速度計に混入する測定値よりも多くの未知数
を含んだ遠心加速度や回転角加速度の影響を分離する
散化漸化式を用いた演算処理を、行列の逆行列を利用し
て行なえる。しかも、これは単軸並進加速度計からの加
速度信号だけで行なわれるので、従来のレートジャイロ
スコープを組み合わせた場合のような応答性の低さや、
位相特性の違いなども懸念する必要がない。また、単軸
並進加速度計は同一平面上にあるので、単軸並進加速度
計の配置精度は二次元平面上の位置関係だけを考慮すれ
ば良く、簡単な配置により剛体の6軸加速度および角加
速度を精度良く計測できる。
【0014】
【発明の実施形態】以下、本発明の一実施例について、
添付図面を参照しながら説明する。先ず、装置の検出部
の構成を図1および図2に基づき説明すると、11は検出
部本体であって、この検出部本体11の外殻は、平板状の
基台12と、基台12の上面を覆う例えば透明樹脂材料から
なるケース13とにより構成される。基台12上には、複数
の連結棒14が立設されており、ケース13の上面より螺子
15を挿通して、この螺子15を連結棒14の上端に螺着する
ことにより、基台12とケース13との固定を図るようにし
ている。なお、基台12およびケース13は、上面からみて
六角形状に形成されているが、この形状については特に
限定されない。検出部本体11は、例えば車輌などの任意
の運動する剛体に装着される。
【0015】1〜6は、基台12上の同一平面に配置され
たストレインゲージ型あるいは容量型などの単軸並進加
速度計である。本実施例では、X,Y,Z軸の加速度お
よび角加速度を正確に計測できる最小の6個の単軸並進
加速度計1〜6により構成される。これらの単軸並進加
速度計1〜6は、センサ部と各種シグナルコンディショ
ナを同一シリコンチップ上に形成して構成され、周波数
応答特性および位相特性が揃ったものを用いている。各
単軸並進加速度計1〜6は、いずれも基板16上に半田付
け実装されるが、こうしたシリコンチップからなる単軸
並進加速度計1〜6は、装置を小型にできる。しかも、
増幅器などの信号処理回路が内蔵されているので、後述
する演算処理部21の構成を簡素化できる利点がある。基
台12はここでは図示しない被計測物たる剛体に取付け固
定される。つまり、剛体に外力が加わると、単軸並進加
速度計1〜6も剛体と共に運動するので、構造的にコリ
オリ力が発生しない。この点は、従来の6軸運動計測装
置にはない利点である。
【0016】単軸並進加速度計1,3,5は、その感度
方向が平板状の基台12に対し垂直なZ軸方向に一致する
ように設けられている。また、他の単軸並進加速度計
2,4,6は、その感度方向が前記Z軸に直交するX−
Y平面と平行な任意方向に一致するように設けられてい
る。つまり、一方の3個の単軸並進加速度計1,3,5
は、Z軸方向に感度方向が有り、他方の3個の単軸並進
加速度計2,4,6は、X−Y平面に平行な各々異なっ
た方向にその感度方向がある。単軸並進加速度計1,
3,5を実装する基板16と基台12との間には、単軸並進
加速度計1,3,5の高さを、対になる単軸並進加速度
計2,4,6の中心に一致させる調節部材17が介在され
る。この調節部材17は必須のものではないが、単軸並進
加速度計2,4,6の感度方向に、対になる単軸並進加
速度計1,3,5の感度方向の始点が一致して、その後
の演算処理が容易になるので好ましい。また、基台12上
にはL字状のアングル部材18が配設されており、このア
ングル部材18の立上り面に単軸並進加速度計2,4,6
の平坦上面を接着することにより、単軸並進加速度計
2,4,6およびこれを実装する基板16を垂直方向に保
持している。
【0017】第1の検出部7を構成する単軸並進加速度
計1,2は、互いに近接して略同一位置に一体的に設け
られるとともに、他の第2の検出部8を構成する単軸並
進加速度計3,4と、第3の検出部9を構成する単軸並
進加速度計5,6も、各々が互いに近接して略同一位置
に一体的に設けられている。また、第1の検出部7,第
2の検出部8および第3の検出部9は、基台12上の異な
った位置に各々設けられる。6個の単軸並進加速度計1
〜6は、同一平面上の任意の位置に設けられていればよ
いが、少なくとも3か所以上の異なった位置になければ
ならない。その理由は、後述する計測原理で説明する。
なお、19は、基台12上の略中央に設けられた複数の可変
抵抗を有するレベル調整器である。このレベル調整器19
は、各単軸並進加速度計1〜6からの出力信号レベルを
適宜調整するものであるが、必ずしも検出部本体11の内
部に設ける必要はない。ケース13を開閉しなくてもレベ
ル調整器19による調整を行なえるように、レベル調整器
19に対向するケース13に開口部を形成するのが好まし
い。
【0018】図3は、本装置の電気的構成をブロック図
で示したものである。同図において、21はレベル調整器
19からの各出力信号を演算処理する演算処理部で、これ
は例えば汎用のパーソナルコンピュータなどを用いるこ
とができる。レベル調整器19と演算処理部21との間は、
検出部本体11の一側にあるソケット22(図1参照)に着
脱自在なフラットケーブル23により接続される。24は、
演算処理部21に操作信号を与える例えばキーボードなど
の操作部であり、また、25は、加速度および角加速度の
測定結果や、その他の各種情報を表示する例えばCRT
などの表示部である。演算処理部21は、それ自体が保有
するプログラムの制御シーケンスとして、各単軸並進加
速度計1〜6からの出力信号を解析して、6軸の速度お
よび加速度を計測する機能を備えている。
【0019】次に、本実施例における運動する剛体に生
じる加速度の計測原理について、図4および図5をも参
照しながら詳述する。図4は、理解を容易にするための
もので、静止座標基準系Σo において運動する剛体B
に、単一の単軸並進加速度計を配置した形態を示してい
る。同図において、Σb は運動する剛体Bに固定した座
標系であり、静止座標基準系Σo からみた座標系Σb の
原点の位置ベクトルpb を、次の数式25にて表わす
こととする。
【0020】
【数25】
【0021】なお、この数式25において、ベクトルの
左肩字はそのベクトルが属する座標系を表わすものとす
る。剛体B上の任意の点iを考えた場合、その位置ベク
トルri は次の数式26にて表わせる。
【0022】
【数26】
【0023】このとき、静止座標基準系Σo からみた前
記点iの位置ベクトルpi は、位置ベクトルpb に
位置ベクトルri を加えたものとなり、次の数式27
のようになる。
【0024】
【数27】
【0025】剛体Bが座標系Σb の原点周りに角速度
ωb で回転しているとき、上記数式27の両辺を時間t
で微分することにより速度関係式を計算すると、次の数
28のようになる。
【0026】
【数28】
【0027】同様にして、加速度関係式を計算すると、
次の数式29のようになる。
【0028】
【数29】
【0029】ここで、剛体B上の点iに単軸並進加速度
計を取り付けた場合を考える。この単軸並進加速度計の
感度方向を表わす単位ベクトルをui とし、単軸並進
加速度計の出力(単軸加速度)をai で表わすと、この
単軸加速度ai は次の数式30にて表わせる。
【0030】
【数30】
【0031】この数式30pi に前記数式29の関
係を代入すると、単軸加速度ai は次の数式31にて表
わせる。
【0032】
【数31】
【0033】なお、この数式31において、Ri は次
のような行列にて表わせる。
【0034】
【数32】
【0035】前記数式31の右辺第2項は、単軸並進加
速度計からの加速度信号に混入する遠心加速度および回
転角加速度の影響を表わしている。この数式31には計
測値よりも多くの未知量が含まれるため、単一の加速度
データのみによって上記遠心加速度および回転角加速度
の影響を除去することは不可能である。
【0036】そこで、複数個の単軸並進加速度計を異な
った位置,方向に取り付け、そこから得られる各加速度
信号を統合することを考える。剛体B上の任意の位置
riに感度方向がui ,(但し、i =1,2,…n)
となるように、n個の単軸並進加速度計を取り付けた場
合を考えると、前記数式31より、次の数式33の関係
が成立する。
【0037】
【数33】
【0038】但し、上記数式33において、単軸加速度
aおよび行列Rは、次の数式34のように表わせる。
【0039】
【数34】
【0040】ここで、次の数式35の項が、剛体Bの6
自由度加速度になる。
【0041】
【数35】
【0042】したがって、前記数式33により、aが6
次元空間を張るための条件は、次の数式36のように表
わせる。
【0043】
【数36】
【0044】特に、n=6で、かつ、rankR=6のと
き、すなわち、行列Rが正則であるとき、数式35
示す剛体Bの6自由度加速度を、前記数式33より一意
に決定できる。そこで、以下ではn=6で、行列Rが
正則であるとする。この場合、次の数式37が成り立
つ。
【0045】
【数37】
【0046】数式33から明らかなように、行列Rの
正則性は、6個の単軸並進加速度計の剛体B上の位置
ri と、感度方向ui とにより決定される。
【0047】なお、数式37は静止座標基準系Σo にお
ける結果であるが、本装置を車輌用とした場合には、車
輌に固定した座標系Σb で表わしたほうが便利な場合が
多い。そこで、座標系Σb から静止座標基準系Σo への
座標変換(回転)行列をAb で表わすと、前記数式6
は次の数式38のように表わせる。
【0048】
【数38】
【0049】数式29などに対しても、同様の変形を行
ない、整理すると、次の数式39のように表わせる。
【0050】
【数39】
【0051】6個の単軸並進加速度計(n=6)を用い
た6軸加速度計測法は、理論上次のようにして実現でき
る。すなわち、前述したように、数式37が成立するた
めには、行列Rが正則となるように、6個の単軸並進
加速度計を配列すればよい。また、行列Rは次の数式
40,数式41のように変形できる。
【0052】
【数40】
【0053】
【数41】
【0054】但し、数式40および数式41における
U,Rは、次の数式42のように書き表せる。
【0055】
【数42】
【0056】数式40が数式36の条件を満足するに
は、Ab が正則であるので、Rが正則となればよ
い。数式41にあっては、rankU=6であるので、少
なくとも次の数式43が成立しなければならない。
【0057】
【数43】
【0058】ここで、次の数式44を考慮すれば、数式
41が満足されるためには、R1〜R6 のうち少な
くとも3つが同一であってはならない。
【0059】
【数44】
【0060】言い換えると、これが、6個の単軸並進加
速度計1〜6を少なくとも3か所以上の異なった位置に
取り付けなければならない理由となっている。
【0061】こうした条件を満足し、行列Rが正則とな
る単軸並進加速度計1〜6の配置は種々考えられるが、
製造のし易さなどの実用性を考慮すると、全ての単軸
並進加速度計1〜6を同一平面上に配置する(構造が簡
単になる)、できるだけ同一位置に多くの加速度計を
取り付ける。以上のように構成するのが好ましい。こう
した好ましい条件を満足する単軸並進加速度計1〜6の
配置例が、前記図1および図5になる。この場合、剛体
B上の任意の点に座標系Σb の原点をとり、この座標系
Σb の原点を中心として、同一平面上に120 ゜ずつ一対
の単軸並進加速度計1〜6を配置する。このときの行列
Rは、次の数式45にて表わせる。
【0062】
【数45】
【0063】また、行列Rは正則であり、その逆行列
は次の数式46にて表わせる。
【0064】
【数46】
【0065】つまり、少なくとも6個の単軸並進加速度
計1〜6を、被計測物である剛体Bの同一平面上に対
し、3か所以上の異なった位置に取り付け、各単軸並進
加速度計1〜6から出力される加速度信号a1 〜a6 に
よって、個々の単軸並進加速度計1〜6に含まれる遠心
加速度や回転角加速度の影響を分離する前記数式37
演算処理を行ない、剛体Bの6軸加速度を計測すること
により、剛体Bの6軸加速度ひいては剛体Bの運動を精
度良く計測することが可能になる。
【0066】ところで、前記数式37は角速度ωb を
含んでおり、また、この項が非線形であるので、実際に
は単軸並進加速度計1〜6の測定値ベクトルaのみで計
測を行なうことは難しい。また、演算処理部21による計
算機処理を行なう場合には、計測方程式が離散化されて
いる方が便利である。したがって、前記角速度ωbの
非線形項の処理を含めた離散化漸化式を求める。
【0067】各単軸並進加速度計1〜6から得られるデ
ータのサンプリング間隔をΔt(秒)とし、前記測定値
ベクトルaのn回目のサンプリング値をa(n)とする
と、数式37は次の数式47のように表わせる。
【0068】
【数47】
【0069】但し、この数式47において、f(n)は
次の数式48にて表わせる。
【0070】
【数48】
【0071】ここで、前記数式47では次の数式49
示す項の計算に、ωb (n)が必要となる。
【0072】
【数49】
【0073】したがって、次の数式50の関係を用いる
ととともに、数式51の各項は、(n−1)回目の値を
用いる。
【0074】
【数50】
【0075】
【数51】
【0076】すなわち、数式47は次の数式52,数式
53にて表わせる。
【0077】
【数52】
【0078】
【数53】
【0079】これらの数式52および数式53を用いる
場合には、t=0(n=1)における初期値pb
(1),ωb (1)が必要となるが、車輌などの場合
には、次の数式54とすることが可能である。
【0080】
【数54】
【0081】したがって、数式52,数式53および数
54から、各単軸並進加速度計1〜6から出力される
加速度信号を特定の時間毎に記録することにより、逐次
剛体Bの6軸加速度を計測することが実際に可能とな
る。
【0082】次に、本実施例における6軸運動計測方法
およびその装置を、車輌走行時の6軸加速度を計測する
のに適用した実験例を示す。なお、このときの各単軸並
進加速度計1〜6は、図1および図5に示すように、各
検出部7〜9が正三角形の頂点上に配置されるように設
けられている。また、数式45,数式46において、各
検出部7〜9の取付け位置をr=250 mmとし、さら
に、6個の単軸並進加速度計1〜6は、特性の揃ったス
トレインゲージ型(定格:±2g)のものを用いてい
る。この並進加速度計1〜6の温度に対する周波数応答
特性を、図6のグラフに示す。ここでは、単軸並進加速
度計1〜6のダンピング材としてシリコーンオイルが用
いられているため、周囲温度により周波数応答特性が若
干変化するが、周囲温度が25℃では、DC〜30Hzの範
囲で平坦な周波数応答特性が得られている。特に、本計
測装置を車輌に組み込む場合には、こうした特性を有す
る単軸並進加速度計1〜6を用いると、走行中の運動を
十分なバンド幅で精度良く計測でき好ましい。
【0083】各単軸並進加速度計1〜6からの加速度計
測信号は、サンプリングレート60Hzで12bitのA/
D変換を行ない、これを演算処理部21たるパーソナルコ
ンピュータに取り込む。パーソナルコンピュータは、前
記数式52および数式53に基づいて演算処理を行な
い、逐次6軸加速度を計測した。なお、前記サンプリン
グレートは、各単軸並進加速度計1〜6の特性や計測対
象の特性を考慮して、適宜決定するのが望ましい。測定
装置の特性は、単軸並進加速度計1〜6単体の特性と、
前記数式52の特性とにより決定される。本実験例にお
ける単軸並進加速度計1〜6の特性は、定格加速度が並
進加速度で20m/s,角加速度で80rad/sとな
っており、分解能が並進加速度で0.01m/s,角加速
度で0.02rad/sとなっている。数式43および数
52などから明らかなように、並進加速度の感度は単
軸並進加速度計1〜6単体の特性により決定されるが、
回転方向の感度は、前記rにより調整可能である。ここ
では、被計測物が車輌のため、この特性を考慮して、単
軸並進加速度計1〜6の取付け位置rを上記250 mmと
した。
【0084】こうして、本装置を車輌に搭載し、高速道
路における走行時の運動を計測した。検出部本体11は車
輌の助手席シート下部に取付け固定し、比較のために、
センターコンソール位置(車輌のほぼ重心位置)に従来
型の計測装置を搭載した。ここでいう従来型計測装置と
は、定格感度が±2gのストレインゲージ型3軸統合型
加速度計(本実施例における単軸並進加速度計1〜6を
3個一体型としたもの)と、定格感度が±20deg/s
(約10Hzのローパスフィルタを内蔵)の単軸機械式レ
ートジャイロスコープを3個組み合わせたものとを用い
ている。
【0085】図7および図8は、本実施例と従来型の各
計測装置の計測結果を比較したグラフである。なお、従
来型計測装置においても、計測した並進加速度には、数
式5に示す回転加速度の影響が含まれるが、図7および
図8の計測結果には、その補正を行なっていない。ま
た、本実施例における計測装置は、数式52および数式
53を用いた演算処理を行なっているので、回転角速度
の影響を分離する考慮がなされている。図7に示す並進
加速度に関しては、本実施例と従来型の計測装置との間
に若干の差異が見られる。これは、前記回転角速度の影
響を考慮するか否かによるものと考えられる。また、図
8に示す回転角速度に関しては、本実施例の測定装置に
おいて、より多くの高周波成分が含まれているように見
える。そこで、この図7および図8に示す計測データ
を、演算処理部21にてFFT(高速フーリエ変換)処理
し、パワースペクトル密度を計算した結果を図9および
図10のグラフに示す。図9に示す並進加速度に関して
は、本実施例と従来型の計測装置との間で、ほぼ同じ計
測結果が得られている。これは両計測法共に、並進方向
に関してほぼ同じ加速度計を用いているものと考えられ
る。また、図10に示す回転方向に関しては、従来型の
計測装置では、約数Hz以上の周波数成分が減少する傾
向が見られるが、これは、レートジャイロスコープに内
蔵されたローパスフィルタの影響によるものと考えられ
る。
【0086】なお、本実施例においては、数式50のよ
うな数値積分を必要とするので、各単軸並進加速度計1
〜6のドリフトなどによる誤差が累積される。しかし、
車輌などの通常は連続的に回転運動を行なわない剛体B
に対しては、数式50の数値積分の代わりに、時定数が
10秒程度のハイパス特性を有する不完全積分を演算処
理部21の演算処理に組み入れることにより、上記ドリフ
ト誤差を相当軽減できる。
【0087】以上のように、本実施例では、被計測物で
ある剛体Bに対し、剛体Bと共に運動する各単軸並進加
速度計1〜6が基台12を介して固定された構造を有して
いるので、剛体Bに外力が加わってもコリオリ力が発生
しない。このため、コリオリ力による影響を受けずに、
後段の演算処理部21による演算処理を行なうことができ
る。また、少なくとも6個の単軸並進加速度計1〜6
が、剛体Bに対し3か所以上の異なった位置にあると、
理論的に各単軸並進加速度計1〜6のX,Y,Z軸方向
の位置ベクトルと、感度方向を表わす単位ベクトルと
示す行列Ri が正則となり、前記数式37が成立し
て、演算処理部21は個々の単軸並進加速度計1〜6に
入する測定値よりも多くの未知数を含んだ遠心加速度や
回転角加速度の影響を分離する離散化漸化式を用いた
算処理を、行列の逆行列を利用して行なえる。しかも、
これは単軸並進加速度計1〜6からの加速度信号だけで
行なわれるので、従来のレートジャイロスコープを組み
合わせた場合のような応答性の低さや、位相特性の違い
なども懸念する必要がない。また、単軸並進加速度計1
〜6は立体的ではなく同一平面上にあるので、各単軸並
進加速度計1〜6の配置精度は二次元平面上の位置関係
だけを考慮すれば良く、簡単な配置により剛体Bの運動
(6軸加速度および角加速度)を精度良く計測できる。
【0088】つまり、各単軸並進加速度計1〜6のX,
Y,Z軸方向の位置ベクトルと、感度方向を表わす単位
ベクトルとを示す行列Ri が正則となるように、少な
くとも6個の剛体Bと共に運動する単軸並進加速度計1
〜6を、剛体Bの同一平面上に対し3か所以上の異なっ
た位置に固定し、各単軸並進加速度計1〜6から出力さ
れる加速度信号により、行列Ri の逆行列を利用し
て、個々の単軸並進加速度計1〜6に混入する測定値よ
りも多くの未知数を含んだ遠心加速度や回転角加速度の
影響を分離する離散化漸化式を用いた演算処理を行なっ
て、剛体Bの6軸加速度および角加速度を計測すれば、
可能な限り少数の加速度計を用いて、簡単な配置によ
り、剛体Bの運動を精度良く計測することの可能な6軸
運動計測方法を提供できる。
【0089】また、各単軸並進加速度計1〜6のX,
Y,Z軸方向の位置ベクトルと、感度 方向を表わす単位
ベクトルとを示す行列Ri が正則となるように、剛体
Bの同一平面上に対し3か所以上の異なった位置に固定
される少なくとも6個の剛体Bと共に運動する単軸並進
加速度計1〜6と、各単軸並進加速度計1〜6から出力
される加速度信号により、行列Ri の逆行列を利用し
て、個々の単軸並進加速度計1〜6に混入する測定値よ
りも多くの未知数を含んだ遠心加速度や回転角加速度の
影響を分離する離散化漸化式を用いた演算処理を行なっ
て、剛体Bの6軸加速度および角加速度を計測する演算
処理部21とを備えることで、可能な限り少数の加速度計
を用いて、簡単な配置により、剛体Bの運動を精度良く
計測することの可能な6軸運動計測装置を提供できる。
【0090】なお、単軸並進加速度計1〜6は、理論上
7個乃至それ以上の個数を配置してもよい。単軸並進加
速度計1〜6の個数が増えるほど、各単軸並進加速度計
1〜6に含まれるノイズの影響も排除でき、計測精度が
向上する。但し、理論上は上述した通り、最低6個あれ
ばよい。また、遠心加速度や回転角加速度の影響を分離
するには、3個以上の単軸並進加速度計1〜6の各感度
方向ui が、同一直線上にあったり、あるいは、一点
で交わってはならない。
【0091】単軸並進加速度計1〜6の各特性は同一で
ある必要はないが、特性が揃っていると、原理的に各自
由度方向の応答特性を揃えることができ好ましい。その
結果、各自由度間の干渉を取り除き、任意の座標系での
6軸加速度あるいは角速度を得ることができる。また、
単軸並進加速度計1〜6は重力加速度を利用して比較的
簡単に較正を行うことが可能である。こうした性質を利
用すれば、本計測方法および計測装置を、ロボット,パ
ラレルマニピュレータあるいは車輌などの運動計測のみ
ならず、6軸加速度を利用したより高度な制御にも適用
可能になる。さらに、本実施例における単軸並進加速度
計1〜6は、センサ部と各種シグナルコンディショナを
同一シリコンチップ上に形成したものであるため、極め
て安価に供給され得る。よって、本計測方法および計測
装置は種々の分野で有効に活用できる。
【0092】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨の範囲において種々の変形実
施が可能である。
【0093】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の6軸運動計測方
法は、各単軸並進加速度計のX,Y,Z軸方向の位置ベ
クトルと、感度方向を表わす単位ベクトルとを示す行列
が正則となるように、剛体と共に運動する少なくとも6
個の前記単軸並進加速度計を、前記剛体の同一平面上に
対し3か所以上の異なった位置に固定し、前記各単軸並
進加速度計から出力される加速度の測定値ベクトルを特
定の時間毎に記録し、各単軸並進加速度計から得られる
データのサンプリング間隔をΔtとし、前記測定値ベク
トルaのn回目のサンプリング値をa(n)としたとき
に、次の数式55および数式56により、
【数55】
【数56】 (但し、数式55の左辺はn回目における剛体の6軸加
速度および角加速度、右辺の −1 (n−1)は(n
−1)回目における前記行列の逆行列で、aと Rとf
(n)は次の数式57および数式58に示される。ま
た、数式56の左辺はn回目における剛体の速度および
角速度で、右辺第1項は(n−1)回目における剛体の
速度および角速度である。
【数57】
【数58】 なお、 uiは剛体上の点iに取り付けた単軸並進加速
度計の感度方向を表わす単位ベクトル、 riはその位
置ベクトルで、 Riと riは次の数式59および数
式60に示すように、
【数59】
【数60】 となる。)個々の単軸並進加速度計に混入する測定値よ
りも多くの未知数を含んだ遠心加速度や回転角加速度の
影響を分離する演算処理を行なって、前記剛体の6軸加
速度および角加速度を計測することを特徴とし、可能な
限り少数の加速度計を用いて、簡単な配置により、剛体
の運動を精度良く計測することの可能な6軸運動計測方
法を提供できる。
【0094】また、本発明の請求項2記載の6軸運動計
測装置は、各単軸並進加速度計のX,Y,Z軸方向の位
置ベクトルと、感度方向を表わす単位ベクトルとを示す
行列が正則となるように、剛体の同一平面上に対し3か
所以上の異なった位置に固定される少なくとも6個の前
記剛体と共に運動する単軸並進加速度計と、前記各単軸
並進加速度計から出力される加速度の測定値ベクトルを
特定の時間毎に記録し、各単軸並進加速度計から得られ
るデータのサンプリング間隔をΔtとし、前記測定値ベ
クトルaのn回目のサンプリング値をa(n)としたと
きに、次の数式61および数式62により、
【数61】
【数62】 (但し、数式61の左辺はn回目における剛体の6軸加
速度および角加速度、右辺の −1 (n−1)は(n
−1)回目における前記行列の逆行列で、aと Rとf
(n)は次の数式63および数式64に示される。ま
た、数式62の左辺はn回目における剛体の速度および
角速度で、右辺第1項は(n−1)回目にお ける剛体の
速度および角速度である。
【数63】
【数64】 なお、 uiは剛体上の点iに取り付けた単軸並進加速
度計の感度方向を表わす単位ベクトル、 riはその位
置ベクトルで、 Riと riは次の数式65および数
式66に示すように、
【数65】
【数66】 となる。)個々の単軸並進加速度計に混入する測定値よ
りも多くの未知数を含んだ遠心加速度や回転角加速度の
影響を分離する演算処理を行なって、前記剛体の6軸加
速度および角加速度を計測する演算処理部とを備え各単
軸並進加速度計のX,Y,Z軸方向の位置ベクトルを示
す行列が正則となるように、剛体の同一平面上に対し3
か所以上の異なった位置に固定される少なくとも6個の
前記剛体と共に運動する単軸並進加速度計と、前記各単
軸並進加速度計から出力される加速度信号により、前記
行列の逆行列を利用して、個々の単軸並進加速度計に含
まれる遠心加速度や回転角加速度の影響を分離する演算
処理を行なって、前記剛体の6軸加速度および角加速度
を計測する演算処理部とを備えたものであり、可能な限
り少数の加速度計を用いて、簡単な配置により、剛体の
運動を精度良く計測することの可能な6軸運動計測装置
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す装置の特に検出器本体
をあらわした平面図である。
【図2】同上要部の正面図である。
【図3】同上電気的構成を示すブロック図である。
【図4】同上剛体上に単一の加速度計を配置したときの
概略説明図である。
【図5】同上剛体上に複数の加速度計を望ましい位置に
配置したときの概略説明図である。
【図6】本実施例における単軸並進加速度計の周波数−
加速度出力ゲイン特性を示すグラフである。
【図7】本実施例と従来型の計測装置を比較した並進加
速度の特性を示すグラフである。
【図8】本実施例と従来型の計測装置を比較した回転角
速度の特性を示すグラフである。
【図9】本実施例と従来型の計測装置を比較した並進加
速度のパワースペクトル密度の特性を示すグラフであ
る。
【図10】本実施例と従来型の計測装置を比較した回転
角速度のパワースペクトル密度の特性を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1〜6 単軸並進加速度計 21 演算処理部 B 剛体

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各単軸並進加速度計のX,Y,Z軸方向
    の位置ベクトルと、感度方向を表わす単位ベクトルと
    示す行列が正則となるように、剛体と共に運動する少な
    くとも6個の前記単軸並進加速度計を、前記剛体の同一
    平面上に対し3か所以上の異なった位置に固定し、前記
    各単軸並進加速度計から出力される加速度の測定値ベク
    トルを特定の時間毎に記録し、各単軸並進加速度計から
    得られるデータのサンプリング間隔をΔtとし、前記測
    定値ベクトルaのn回目のサンプリング値をa(n)と
    したときに、次の数式1および数式2により、 【数1】 【数2】 (但し、数式1の左辺はn回目における剛体の6軸加速
    度および角加速度、右辺の −1 (n−1)は(n−
    1)回目における前記行列の逆行列で、aと Rとf
    (n)は次の数式3および数式4に示される。また、数
    式2の左辺はn回目における剛体の速度および角速度
    で、右辺第1項は(n−1)回目における剛体の速度お
    よび角速度である。 【数3】 【数4】 なお、 uiは剛体上の点iに取り付けた単軸並進加速
    度計の感度方向を表わす単位ベクトル、 riはその位
    置ベクトルで、 Riと riは次の数式5および数式
    6に示すように、 【数5】 【数6】 となる。) 個々の単軸並進加速度計に混入する測定値よりも多くの
    未知数を含んだ遠心加速度や回転角加速度の影響を分離
    する演算処理を行なって、前記剛体の6軸加速度および
    角加速度を計測することを特徴とする6軸運動計測方
    法。
  2. 【請求項2】 各単軸並進加速度計のX,Y,Z軸方向
    の位置ベクトルと、感度方向を表わす単位ベクトルと
    示す行列が正則となるように、剛体の同一平面上に対し
    3か所以上の異なった位置に固定される少なくとも6個
    の前記剛体と共に運動する単軸並進加速度計と、前記各
    単軸並進加速度計から出力される加速度の測定値ベクト
    ルを特定の時間毎に記録し、各単軸並進加速度計から得
    られるデータのサンプリング間隔をΔtとし、前記測定
    値ベクトルaのn回目のサンプリング値をa(n)とし
    たときに、次の数式7および数式8により、 【数7】 【数8】 (但し、数式7の左辺はn回目における剛体の6軸加速
    度および角加速度、右辺の −1 (n−1)は(n−
    1)回目における前記行列の逆行列で、aと Rとf
    (n)は次の数式9および数式10に示される。また、
    数式8の左辺はn回目における剛体の速度および角速度
    で、右辺第1項は(n−1)回目における剛体の速度お
    よび角速度である。 【数9】 【数10】 なお、 uiは剛体上の点iに取り付けた単軸並進加速
    度計の感度方向を表わす単位ベクトル、 riはその位
    置ベクトルで、 Riと riは次の数式11および数
    式12に示すように、 【数11】 【数12】 となる。) 個々の単軸並進加速度計に混入する測定値よりも多くの
    未知数を含んだ遠心加速度や回転角加速度の影響を分離
    する演算処理を行なって、前記剛体の6軸加速度および
    角加速度を計測する演算処理部とを備えた6軸運動計測
    装置。
JP21213097A 1997-08-06 1997-08-06 6軸運動計測方法およびその装置 Expired - Fee Related JP3334788B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21213097A JP3334788B2 (ja) 1997-08-06 1997-08-06 6軸運動計測方法およびその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21213097A JP3334788B2 (ja) 1997-08-06 1997-08-06 6軸運動計測方法およびその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1151958A JPH1151958A (ja) 1999-02-26
JP3334788B2 true JP3334788B2 (ja) 2002-10-15

Family

ID=16617400

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21213097A Expired - Fee Related JP3334788B2 (ja) 1997-08-06 1997-08-06 6軸運動計測方法およびその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3334788B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017009347A (ja) * 2015-06-18 2017-01-12 株式会社豊田中央研究所 ステアリング状態推定装置及びプログラム

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2008140739A (ru) * 2006-03-15 2010-04-20 Квэлкомм Инкорпорейтед (US) Система определения ориентации на основе датчиков
CN108645396B (zh) * 2018-05-10 2021-04-27 东南大学 一种大量程角速度传感器的角速度测量方法
JP6537003B1 (ja) * 2018-06-20 2019-07-03 株式会社マイクロデザインプロジェクト 乗り物酔いの評価方法および乗り物酔いの評価装置
CN112611499B (zh) * 2019-09-18 2022-01-28 马洪文 多维力传感器的负载平台微位移测量方法及测量敏感元件的安装方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017009347A (ja) * 2015-06-18 2017-01-12 株式会社豊田中央研究所 ステアリング状態推定装置及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1151958A (ja) 1999-02-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6128955A (en) Method for measuring 6 degrees of freedom motion and device therefor
TW200403439A (en) Acceleration measuring apparatus with calibration function
Wung et al. Vertical-plate-type microaccelerometer with high linearity and low cross-axis sensitivity
CN109709628B (zh) 一种旋转加速度计重力梯度仪标定方法
Olivares et al. High-efficiency low-cost accelerometer-aided gyroscope calibration
KR101314151B1 (ko) 주기적 회전 진동을 이용한 6축 진동 센서의 교정 방법 및 장치
CN111076748A (zh) 基于mems加速度计的水平倾角仪误差补偿方法及系统
CN112363247B (zh) 一种重力梯度仪运动误差事后补偿方法
WO2021218731A1 (zh) Imu与刚体的位姿融合方法、装置、设备及存储介质
Vikas et al. Joint angle measurement using strategically placed accelerometers and gyroscope
JP3334788B2 (ja) 6軸運動計測方法およびその装置
Kim et al. Investigation of FBG linear/angular acceleration sensor for novel type inertial measurement
Martin et al. Measuring the acceleration of a rigid body
CN110954103B (zh) 基于mems传感器的车体动态姿态估计的方法及系统
CN112254717A (zh) 一种基于冷原子干涉陀螺仪的惯性导航装置及方法
WO1996006328A1 (en) Three-dimensional measurement unit and position indicator
Qin et al. Robust design of inertial measurement units based on accelerometers
Chapsky et al. Single-mass 6-DOF isotropic accelerometer with segmented PSD sensors
CN113227714B (zh) 用于表征惯性测量单元的方法
JP2738662B2 (ja) 車軸に加わる分力測定用の加速度・角加速度測定装置
JP3732829B2 (ja) 傾斜角計測装置および傾斜角計測方法
CN116972875B (zh) 一种基于陀螺仪的物体运动轨迹监测方法
Janocha et al. Requirements for inertial sensor systems for measuring robot positions
Yang et al. Dynamic tilt testing of MEMS inclinometers based on conical motions
Zhang et al. An Improved Double-Layer Kalman Filter Attitude Algorithm For Motion Capture System

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080802

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees