JP3333701B2 - プラズマ処理装置のクリ−ニング方法 - Google Patents

プラズマ処理装置のクリ−ニング方法

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JP3333701B2 JP32091096A JP32091096A JP3333701B2 JP 3333701 B2 JP3333701 B2 JP 3333701B2 JP 32091096 A JP32091096 A JP 32091096A JP 32091096 A JP32091096 A JP 32091096A JP 3333701 B2 JP3333701 B2 JP 3333701B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば半導体ウエハ
などの被処理基板に対してプラズマ処理を行うプラズマ
処理装置のクリ−ニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】集積回路の配線パタ−ンとしては主にア
ルミニウム配線が用いられ、これを絶縁するための層間
絶縁膜としてはSiO2 膜やSiOF膜が用いられてお
り、これらの形成方法としては膜質が良好なことから、
例えばマイクロ波と磁界とを組み合わせたECR(El
ectron Cyclotron Resonanc
e)プラズマ処理が用いられる傾向にある。
【0003】このECRプラズマ処理を行うプラズマ処
理装置の一例を図19に挙げると、プラズマ生成室1A
内に例えば2.45GHzのマイクロ波を導波管11を
介して供給するとと同時に、所定の大きさ例えば875
ガウスの磁界を電磁コイル12により印加して、マイク
ロ波と磁界との相互作用(共鳴)により例えばArガス
やO2 ガス等のプラズマガスや、成膜室1B内に導入さ
れた反応性ガス例えばSiH4 ガスをプラズマ化し、こ
のプラズマによりSiH4 ガスの活性種を形成してAl
N(窒化アルミニウム)製の載置台13上に載置された
半導体ウエハW表面に薄膜を形成するようになってい
る。
【0004】そしてこのようなプラズマ処理装置では、
SiO2 膜等の成膜処理を行うと成膜室1Bの壁面や載
置台13の周辺にもこれらの膜が付着してしまうが、成
膜処理が進みこの膜の膜厚がある程度の厚さになると付
着した膜が剥がれてパーティクルの原因となることか
ら、SiO2 膜やSiOF膜の成膜処理を行った後、こ
れらの付着した膜を除去するために所定のクリ−ニング
が行われている。
【0005】例えばSiO2 膜やSiOF膜を除去する
ためのクリ−ニングは、例えばウエハWを12枚成膜す
る毎に例えば20分程度行われており、クリ−ニングガ
スとしてCF4 ガスやNF3 ガスなどのF系のガスを真
空容器内に導入し、このガスをプラズマにより活性化さ
せ、この活性種を付着した膜に反応させて除去してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】ところでSiO2
膜は誘電率が4程度、SiOF膜は誘電率が3.5程度
であるが、近年高速デバイスの要求が高まり、これによ
り誘電率の低い層間絶縁膜が要求されている。そこでこ
のような誘電率が低い層間絶縁膜として、2.5以下の
誘電率を達成し得る、フッ素添加カ−ボン膜(以下CF
膜という)が注目されている。
【0007】このCF膜も上述のプラズマ処理装置によ
り成膜できるが、CF膜をクリ−ニングにより除去する
ときに前記CF4 ガスやNF3 ガス等のF系のガスを用
いると、CF4 ガスのみではクリ−ニングがほとんど進
まず、またNF3 ガスのみではクリ−ニング速度がかな
り遅く、処理に90分程度と長い時間がかかってしま
う。このようにクリ−ニングに時間がかかると、クリ−
ニングは成膜処理の間に行なわれることから成膜処理の
スル−プットが悪くなるという問題がある。
【0008】またクリ−ニングの際には、載置台13は
プラズマに晒されているが載置台13の表面にはもとも
とCF膜は付着していないので、載置台13の表面が直
接プラズマに叩かれて荒れてしまう。このように載置台
13の表面が荒れると載置台表面に凹凸が生じ、ウエハ
Wの吸着力やウエハWへの熱伝導が部分的に変化してし
まったり、また成膜処理のプロセスの初期と後期とで変
化してプロセスの再現性が悪化してしまう。このため成
膜された膜の膜厚の面内均一性が悪くなったり、膜厚の
面間均一性が悪くなるという問題がある。
【0009】さらに載置台13の表面が荒れると、その
後の成膜処理の際ウエハWを載置台13上に載置した
り、取り外したりするときにパーティクルの発生の原因
になるおそれがあり、また高価な載置台13の寿命が短
くなってしまうという問題もある。例えば特に強いプラ
ズマを生成してクリ−ニング速度を速めようとするとき
には、載置台表面の劣化が激しいので問題であった。
【0010】さらにまたクリ−ニングの際には、作業者
が成膜室1Bの側壁に形成された覗き窓14から成膜室
1Bの内部を目視し、膜が残存しているか否かを確認す
ることにより処理の終了時を判断するようにしていた
が、このような方法では作業者の経験に頼る面が多分に
あるため、終了時の判断が不正確になってしまう。この
ため終了時の判断が早すぎて膜が残存してしまったり、
これを避けようとして終了時の判断が遅くなり、クリ−
ニング時間が長くなり過ぎてしまい、結果として成膜処
理のスル−プットが悪くなるという問題がある。
【0011】本発明はこのような事情のもとになされた
ものであり、その目的は真空容器内部に付着したフッ素
を含むカ−ボン膜のクリ−ニングに要する時間を短縮す
ることができるプラズマ処理装置のクリ−ニング方法を
提供することにある
【0012】
【課題を解決するための手段】このため本発明のプラズ
マ処理装置のクリーニング方法は、所定のプラズマ処理
によりプラズマ処理装置内壁部に付着したフッ素添加カ
ーボン膜をクリーニングにより除去する方法であって、
10kW/m3以上の電力密度を有するマイクロ波を前
記処理装置内に導入し、これにより前記処理装置内に導
入されたクリーニングガスを活性化してOの活性種を生
成し、クリーニングを行うことを特徴とする。 また前記
処理装置内圧力を0.2Paとした状態で、前記処理装
置内に導入されたクリーニングガスを活性化してOの活
性種を生成し、クリーニングを行うようにしてもよい
し、前記処理装置内にCOガス又はN4O2ガスを含むク
リーニングガスを導入してOの活性種を生成し、クリー
ニングを行うようにしてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のプラズマ処理装置のクリ
−ニング方法の一実施の形態について説明する。本発明
者らはプラズマ処理装置の真空容器内部に付着したCF
膜を除去するためのクリ−ニングに際し、クリ−ニング
ガスとして種々のガスを検討したところ酸素(O2 )ガ
スが有効であることを見出した。本実施の形態はO2
スをクリ−ニングガスとして用いて、CF膜が付着した
プラズマ処理装置のクリ−ニングを行なうというもので
ある。
【0014】先ずCF膜を被処理基板上に成膜するため
のプラズマ処理装置の一例について図1により説明す
る。このプラズマ処理装置はECR(電子サイクロトロ
ン共鳴)を用いた装置である。図中2は例えばアルミニ
ウム等により形成された真空容器であり、この真空容器
2は上方に位置してプラズマを発生させる円筒状のプラ
ズマ室21と、この下方に連通させて連結され、プラズ
マ室21より内径の大きい円筒状の成膜室22とからな
る。
【0015】この真空容器2の上端面はマイクロ波を透
過するための透過窓23により構成されている。透過窓
23の上面にはプラズマ室21内に例えば2.45GH
zのマイクロ波を供給するための導波管31が設けられ
ており、この導波管31の他端側にはマイクロ波発振器
32に接続されている。この例では導波管31とマイク
ロ波発振器32とにより高周波供給手段が構成されてい
る。
【0016】プラズマ室21を区画する側壁の外周囲に
は、これに接近させて磁界形成手段としてリング状のメ
インソレノイドコイル33(以下メインコイル33とい
う)が配置されており、プラズマ室21に例えば上方か
ら下方に向かう例えば875ガウスの磁界を形成し得る
ようになっている。また成膜室22の底壁の下方側には
リング状のサブソレノイドコイル34(以下サブコイル
34という)が配置されている。
【0017】またプラズマ室21を区画する側壁には、
その周方向に沿って均等に配置したプラズマガスノズル
24が設けられている。このノズル24には図示しない
プラズマガス源及びクリ−ニングガス源が接続されてお
り、プラズマ室21内の上部にプラズマガスやクリ−ニ
ングガスを均等に供給し得るようになっている。なお図
中ノズル24は図面の煩雑化を避けるため2本しか記載
していないが、実際にはそれ以上設けている。
【0018】一方成膜室22内には、その上部側に成膜
室22室内に成膜ガスとして例えばC4 8 ガス及びC
2 4 ガスを導入するためのガス吹き出し口25aが形
成されたリング状のガスリング25が設けられており、
このガスリング25には図示しない反応性ガス源例えば
4 8 ガス源及びC2 4 ガス源が接続されている。
また成膜室22内のほぼ中央には被処理基板例えば半導
体ウエハW(以下ウエハWという)を載置するため載置
台4が昇降自在に設けられている。この載置台4は、例
えばアルミニウム等により形成された本体41にヒ−タ
を内蔵したセラミックス体42を設けてなり、載置面は
静電チャックとして構成されている。さらに載置台4の
セラミック静電チャック42にはウエハWにイオンを引
き込むためのバイアス印加の為の電極43を内蔵し、電
極43にはプラズマ引込み用の例えば高周波電源44が
接続されている。さらにまた成膜室22の底部には、図
示しない排気口が形成されている。
【0019】次に上述の装置を用いて行われるCF膜の
成膜処理について説明する。先ず図示しないロ−ドロッ
ク室から例えば表面にアルミニウム配線が形成されたウ
エハWを搬入して載置台4上に載置する。続いて真空容
器2の内部を所定の真空度まで真空引きし、プラズマガ
スノズル24からプラズマ室21内へプラズマガス例え
ばArガスを導入すると共に、ガスリング25から成膜
室22内へ成膜ガス例えばC4 8 ガス及びC2 4
スを夫々流量60sccm及び30sccmで導入す
る。そして真空容器2内を例えばプロセス圧力0.2P
aに維持し、かつ載置台4に13.56MHz、150
0Wのバイアス電圧を印加すると共に、載置台4の表面
温度を320℃に設定する。
【0020】マイクロ波発振器32からの2.45GH
zの高周波(マイクロ波)は、導波管31を搬送されて
透過窓23を透過してプラズマ室21内に導入される。
このプラズマ室21内には、メインコイル33とサブコ
イル34により発生したミラ−磁界が875ガウスの強
さで印加されており、この磁界とマイクロ波との相互作
用で電子サイクロトロン共鳴が生じ、この共鳴によりA
rガスがプラズマ化され、かつ高密度化される。
【0021】プラズマ室21より成膜室22内に流れ込
んだプラズマ流は、ここに供給されているC4 8 ガス
及びC2 4 ガスを活性化(プラズマ化)させて活性種
(プラズマ)を形成する。
【0022】一方ウエハW上に輸送された活性種はCF
膜として成膜されるが、その際プラズマ引込用のバイア
ス電圧により、ウエハWに引き込まれたArイオンが、
スパッタエッチング作用によりウエハW表面のパターン
上の角部に成膜したCF膜を削り取り、間口を広げなが
ら、パターン溝底部からCF膜を成膜し、凹部にボイド
なくCF膜が埋め込まれる。
【0023】続いてこのようなプラズマ処理装置にて、
このような成膜処理を行なった後に行われるクリ−ニン
グについて説明する。ウエハWに対して所定の成膜処理
を行なうと、例えば載置台4表面のウエハWの周辺や載
置台4の外周囲部分、ガス吹き出し口25a周辺等の成
膜ガスが到達する場所にもCF膜が付着してしまう。ク
リ−ニングとはこのように真空容器2の内部に付着した
CF膜を除去するために行われる処理であり、例えば1
2枚のウエハWに成膜処理を行なった後に行われる。
【0024】具体的には12枚目のウエハWを真空容器
2から搬出した後、プラズマ室21内にプラズマガスノ
ズル24からクリ−ニングガス(酸素プラズマ生成用ガ
ス)としてO2 ガスを例えば200sccmの流量で導
入し、かつマイクロ波発振器32から2.45GHzの
マイクロ波を導入すると共に、例えばメインコイル33
及びサブコイル34を作動させて磁界を875ガウスの
強さで印加することにより行われる。
【0025】このようにすると成膜室22の内部では後
述するミラ−磁界が形成され、この磁界とマイクロ波と
の相互作用で電子サイクロトロン共鳴が生じ、この共鳴
によりO2 ガスがプラズマ化され、かつ高密度化され
る。そしてプラズマ化により生じた例えばOのラジカル
やイオンからなるOの活性種(プラズマ)がガス吹き出
し口25aや載置台4の周辺に付着したCF膜と反応
し、CF膜を例えばCO2ガスやF2 ガスに分解して飛
散させ、図示しない排気口を介して成膜室22の外部へ
除去する。
【0026】ここで本実施の形態の効果を確認するため
に行なった実験例について説明する。実験装置として図
1に示すプラズマ処理装置を用い、プラズマガスノズル
24からO2 ガスを200sccmの流量で導入して載
置台上に載置されたCF膜が成膜されたウエハWに対し
てO2 のプラズマによりエッチングを行ない、この際の
エッチングレ−トを算出することによりCF膜の除去量
を求めた。ここでその他の条件としては圧力0.1P
a、ミラ−磁界とし、マイクロ波電力を変えて行った。
またO2 ガスに代えてNF3 ガスを200sccmの流
量で導入した場合においても同様の実験を行なった。こ
の結果を図2に示す。
【0027】図2の結果より、O2 ガスを用いた場合は
NF3 ガスを用いた場合に比べてエッチングレ−トがか
なり大きいことが確認され、このことによりO2 ガスは
NF3 ガスに比べてCF膜の除去速度が大きいことが認
められた。
【0028】そこで図1に示すプラズマ処理装置におい
て、圧力0.2Pa,マイクロ波電力2700Wの下で
8インチサイズのウエハWに対してCF膜を5μm成膜
した後、クリ−ニングガスとしてO2 ガスを200sc
cmの流量で導入し、圧力0.1Pa、マイクロ波電力
2500W、ミラ−磁界の条件の下でCF膜のクリ−ニ
ングを行なったところ、30分経過後にはCF膜が完全
に除去され、NF3 ガスを200sccmの流量で導入
してクリ−ニングを行なった場合に比べてクリ−ニング
時間が1/10〜1/5に短縮されることが認められ、
この結果によりCF膜のクリ−ニングにはO2 ガスが有
効であることが確認された。
【0029】ここでこのようにCF膜のクリ−ニングに
2 ガスが有効であるのは以下のような理由に因るもの
と考えられる。即ちクリ−ニングガスとしてO2 ガスを
用いた場合には、プラズマ化により生じたOの活性種が
CF膜の表面を叩くことによりCF膜表面のC−C結合
やC−F結合を物理的に切断すると共に、Oの活性種と
CF膜のC(炭素)とのCO2 の生成という化学反応に
よっても前記C−C結合等が切断される。そしてこの切
れ目からO2 がCF膜の内部に入り込んで行き、CF膜
内部のC−C結合やC−F結合を切断する。このように
Oの活性種はCF膜のCと反応してCO2 ガスを生成
し、一方F(フッ素)はF2 ガスを生成すると推察さ
れ、これらのガスが飛散していくことによりCF膜が除
去されると考えられる。
【0030】一方クリ−ニングガスとしてNF3 ガスを
用いた場合には、プラズマ化により生じたFの活性種が
CF膜表面のC−C結合やC−F結合を切断し、これら
の結合が切断された後はFはF2 ガスやNF3 ガスとな
って飛散していき、CはCF4 ガスとなって飛散してい
くことにより、CF膜が除去されると推察される。
【0031】またOとCとの反応によるCO2 の生成
は、FとCとの反応によるCF4 の生成よりも起こりや
すいと考えられる。このためOの活性種はCO2 を生成
することによってCF膜の内部のC−C結合やC−F結
合を切断しやすいので、FよりもCF膜の内部に入り込
みやすいと考えられる。このようにO2 ガスはクリ−ニ
ングの際、NF3 ガスに比べてC−C結合やC−F結合
切断やすく、CF膜の内部に入り込みやすいために
クリ−ニング速度が大きくなり、この結果クリ−ニング
時間が短くなると推察される。
【0032】このように本実施の形態では、CF膜のク
リ−ニングガスとしてO2 ガスを用いているので、真空
容器2内部に付着したCF膜のクリ−ニング時間が短縮
され、これにより成膜処理のスル−プットを向上させる
ことができる。
【0033】続いて本実施の形態の他の例について説明
する。この例は上述の実施の形態のクリ−ニング方法に
おいて、クリ−ニングの際のマイクロ波の電力密度を1
0kW/m3 以上に設定するというものである。このマ
イクロ波電力密度はマイクロ波電力を真空容器2の容積
で割り算することにより算出され、例えばマイクロ波電
力が2000W、真空容器2の容積が0.2m3 である
とマイクロ波電力密度は10kW/m3 となる。
【0034】上述の図2に示す実験により、マイクロ波
電力を大きくするとCF膜のエッチングレ−トが大きく
なることが確認されたので、本発明者らはマイクロ波の
電力密度を変えてクリ−ニングを行い、マイクロ波の電
力密度が10kW/m3 以上になるとクリ−ニング速度
が大きくなることを確認した。
【0035】ここで本発明者らが行った実験例について
説明する。実験装置として図1に示すプラズマ処理装置
を用い、圧力0.2Pa、電力2700W、電力密度1
3.5kW/m3 マイクロ波の下で、8インチサイズの
ウエハWに対してCF膜を10μm成膜した後、クリ−
ニングガスとしてO2 ガスを200sccmの流量で導
入し、マイクロ波の電力密度を変えてCF膜のクリ−ニ
ングを行なった。この際圧力を0.2Paとし、ミラ−
磁界を形成して行った。クリ−ニング状況を目視により
観察し、CF膜が除去されるまでの時間を測定した。こ
の結果を図3(a)に示す。またSiO2 膜を10μm
成膜した後、クリ−ニングガスとしてNF3 ガスとN2
ガスを夫々500sccmの流量で導入した場合におい
ても同様の実験を行った。この結果を図3(b)に示
す。
【0036】図3の結果により、SiO2 膜をNF3
スとN2 ガスによりクリ−ニングする場合には、マイク
ロ波電力密度を6kW/m3 から10kW/m3 に上げ
てもクリ−ニング時間は5分しか短縮されないのに対
し、CF膜をO2 ガスでクリ−ニングする場合には、マ
イクロ波電力密度を10kW/m3 以上にすると6kW
/m3 に設定したときよりもクリ−ニング時間が20分
短縮されてクリ−ニング時間が2/3以下になることか
ら、CF膜のクリ−ニングの際にはSiO2 膜の場合よ
りもマイクロ波電力密度の影響が大きいことが確認され
た。
【0037】またCF膜のクリ−ニングの際にはマイク
ロ波電力密度を9kW/m3 から10kW/m3 に上昇
させるとクリ−ニング時間は10分短縮されるのに対
し、10kW/m3 から11kW/ 3 に上昇させても
短縮された時間は3分であり、短縮の程度が小さくなる
ことから、クリ−ニングはマイクロ波電力密度を10k
W/m3 以上に設定することが望ましいと考えられる。
【0038】このようにCF膜のクリ−ニングにおいて
マイクロ波電力密度の影響が大きいのは次のような理由
に因るものと考えられる。マイクロ波電力密度が大きく
なると、これに伴ってプラズマ密度が高くなり、またプ
ラズマ密度が高くなるとプラズマにより活性化されたO
の活性種のエネルギ−が大きくなる。ここでOの活性種
の中でも夫々エネルギ−が異なり、付着したCF膜に到
達してCF膜の除去に寄与する活性種もあれば、エネル
ギ−が小さくてCF膜に到達できない活性種もある。従
って上述のように活性種のエネルギ−が大きくなればよ
り多くの活性種が付着したCF膜に到達できることにな
る。
【0039】O2 ガスによるクリ−ニングでは既述のよ
うにプラズマ化により生じたOの活性種がCF膜表面の
C−C結合やC−F結合を物理的に切断すると共に、C
2を生成することにより化学的にも切断することによ
り進行すると考えられるが、プラズマ自体の密度が高く
なってOの活性種のエネルギ−が高くなると、CF膜に
到達するOの活性種が多くなり、これにより物理的な切
断力も化学的な切断力も大きくなる。従ってC−C結合
等がより切断されやすくなり、O2 ガスがよりCF膜の
内部に入り込みやすくなるのでクリ−ニング処理の進行
が促進されると推察される。
【0040】一方SiO2 膜のクリ−ニングでは、Si
2 膜表面のSi−O結合はNF3の活性化によって得
られるFの活性種による化学反応により切断されるもの
と考えられる。従ってマイクロ波電力密度が大きくなっ
てプラズマ密度が高くなると、プラズマにより活性化さ
れるFのエネルギ−が大きくなるのでクリ−ニング速度
が速くなるものの、物理的な力はSiO2 膜に影響を与
えないのでその分クリ−ニングの促進の程度が小さくな
る。
【0041】このようにこの例ではCF膜のクリ−ニン
グにおいてマイクロ波電力密度を10kW/m3 以上に
設定したので、真空容器2内部に付着したCF膜のクリ
−ニング処理時間がより短縮され、これにより成膜処理
のスル−プットをより向上させることができる。
【0042】続いて本実施の形態のさらに他の例につい
て説明する。この例は上述の実施の形態のクリ−ニング
方法において、クリ−ニングの際の磁界を発散磁界に設
定するというものである。ここでミラ−磁界と発散磁界
とについて図4により説明すると、ミラ−磁界とは図4
(a)に示すように、載置台4周辺に磁界Mを閉じ込め
るものであり、メインコイル33とサブコイル34とを
作動させることにより形成される。一方発散磁界とは図
4(b)に示すように、載置台4周辺に下方側に向けて
広がるように磁界Mを形成するものであり、サブコイル
34に流れる電流を成膜処理時よりも小さく、例えば
インコイル33のみを作動させることにより形成され
る。
【0043】ここで本発明者らが行った実験例について
説明する。実験装置として図1に示すプラズマ処理装置
を用い、マイクロ波電力2700Wの下で8インチサイ
ズのウエハWに対してCF膜を10μm成膜した後、ク
リ−ニングガスとしてO2 ガスを200sccmの流量
で導入し、圧力20Pa,マイクロ波電力2500Wの
下で、磁界をミラ−磁界と発散磁界とに変えてCF膜の
クリ−ニング処理を行なった。この際ミラ−磁界はメイ
ンコイル33電流を200A、サブコイル34電流を2
00Aとして形成し、発散磁界はメインコイル33電流
を200A、サブコイル34電流を0Aとして形成し
た。クリ−ニング状況を目視により観察し、ガス吹き出
し口25a周辺と、載置台4の表面や外周囲部分(載置
台4の周辺部分)とについてCF膜が除去されるまでの
時間を測定した。また圧力を0.2Paに変えて同様の
実験を行った。この結果を図5に示す。
【0044】図5の結果により、発散磁界では載置台周
辺のクリ−ニング時間はミラ−磁界よりもかなり短くな
り、ガス吹き出し口25a周辺のクリ−ニング時間はミ
ラ−磁界よりも長くかかるものの、載置台周辺のクリ−
ニングが終了するときにはガス吹き出し口25a周辺の
クリ−ニングは既に終了しているため、結果として発散
磁界の方がミラ−磁界よりもクリ−ニング時間が短縮さ
れることが認められた。さらに圧力を0.2Paにする
と、20Paの場合に比べて載置台周辺のクリ−ニング
時間が20分も短縮されることから、CF膜のクリ−ニ
ングは低圧にするほど時間が短縮されると推察される。
【0045】この理由については、既述のようにCF膜
のO2 ガスによるクリ−ニングでは、プラズマ密度がC
F膜のC−C結合等の物理的、化学的な切断力に大きく
作用するため、このようなプラズマ密度の差によりクリ
−ニング速度に大きな違いが現れるものと考えられる。
即ちプラズマ密度は磁束密度が高い程高くなるので、プ
ラズマは真空容器2の内部全体に亘って生成されるが、
ミラ−磁界ではプラズマ領域は載置台の上部側近傍に閉
じ込められるように形成され、発散磁界ではプラズマ領
域は載置台4の周辺に下方側に向けて広がるように形成
される。ここで前記プラズマ領域とはプラズマがECR
により閉じ込められて高密度化された領域をいい、この
領域以外の領域ではプラズマ密度は極めて低いものとな
る。
【0046】従ってガス吹き出し口25a周辺では発散
磁界の方が磁束密度が低くなりクリ−ニング速度が小さ
くなる。しかしながらこの部分では発散磁界においても
磁界はある程度閉じ込められていてプラズマ密度はもと
もと高いのでそれ程クリ−ニング時間は長くならないと
考えられる。
【0047】一方載置台周辺は発散磁界ではプラズマ領
域に存在しているものの、この発散磁界ではプラズマが
下方側に向かって発散していき、下方側に向かうに連れ
てプラズマ密度が低くなっていく。このため載置台周辺
の磁束密度が小さく、プラズマ密度はガス吹き出し口2
5a付近よりは低くなるので、ガス吹き出し口25aよ
りもクリ−ニング時間が長くなってしまうと考えられ
る。一方ミラ−磁界では載置台4周辺はプラズマ領域か
ら外れていてプラズマ密度がかなり低くなるので、これ
に応じてクリ−ニング速度も大幅に小さくなってクリ−
ニング時間がかなり長くなってしまう。
【0048】また低圧にするとクリ−ニング時間がより
短縮されるのは以下の理由に因るものと考えられる。即
ち低圧ではOイオンの平均自由行程が長くなり、イオン
の持つエネルギーが大きくなるためイオンスパッタ効率
が上がる。前述したようにC−F膜はC−C結合やC−
F結合を物理的に切断することが必要なので、エネルギ
ーの高いイオンが多い方がよりクリーニング速度が大き
くなる。
【0049】ここで発散磁界でクリ−ニング時間が短縮
されたことから、SiO2 膜をNF3 ガスとN2 ガスに
よりクリ−ニングする場合についても磁界をミラ−磁界
と発散磁界とに変化させてクリ−ニング時間の測定を行
ったところ、このような磁界の変化によってはクリ−ニ
ング時間の短縮は見られなかった。
【0050】CF膜とSiO2 膜とではクリ−ニングに
おける磁界の影響が異なるのはクリ−ニングの進行の仕
方が異なるためと考えられる。O2 ガスのクリ−ニング
は、既述のようにプラズマ密度がクリ−ニング速度に大
きく影響し、プラズマ領域から離れたプラズマ密度が極
めて低い部分ではクリ−ニングが進行しにくくなる。一
方SiO2 膜のクリ−ニングでは、既述のようにプラズ
マ密度はFの活性種によるクリ−ニングにそれ程影響を
与えないので、メカニズムは明らかではないが、プラズ
マ密度が低い部分でもクリ−ニングが進行すると考えら
れる。このようにCF膜のクリ−ニングではSiO2
よりもプラズマ密度の影響がかなり大きいので、磁界の
影響が大きくなるものと推察される。
【0051】以上においてこの例では、発散磁界の代わ
りに、サブコイル34からメインコイル33とは逆向き
に電流を流すことによりカスプ磁界を形成するようにし
てもよい。このカスプ磁界の場合も載置台の周辺のプラ
ズマ密度を高くすることができる。
【0052】このようにこの例ではCF膜のO2 ガスに
よるクリーニングにおいて発散磁界やカスプ磁界を形成
しているので、真空容器2内部に付着したCF膜のクリ
−ニング時間がより短縮され、これにより成膜処理のス
ル−プットをより向上させることができる。
【0053】続いて本実施の形態のさらに他の例につい
て説明する。この例は上述の実施の形態のクリ−ニング
方法において、クリ−ニングの際のマイクロ波をパルス
状に供給するというものである。ここでマイクロ波をパ
ルス状に供給するとは、マイクロ波発振器32から発振
される例えば2700Wの2.45GHzのマイクロ波
を例えば周波数100〜5000Hzのパルスでオン・
オフする、いわばマイクロ波をパルスで変調するという
意味である。パルスのデュ−ティ比としては例えば40
〜60%に設定することができる。のようにマイクロ
波をパルス状に供給すると高いエネルギ−を持つプラズ
マを生成することができるので、クリ−ニング速度を大
きくすることができる。
【0054】ここで本発明者らが行った実験例について
説明する。実験装置として図1に示すプラズマ処理装置
を用い、圧力500Pa、ミラ−磁界(メインコイル3
3電流200A、サブコイル34電流200A)、温度
350℃の条件の下、2700W、2.45GHzのマ
イクロ波を周波数100〜5000Hz、デュ−ティ比
0.4〜0.6でオン・オフしながら供給し、クリ−ニ
ングガスとしてO2 ガスを500sccmの流量で導入
し、CF膜が成膜されたウエハWに対してエッチングを
行い、この際のエッチングレ−トを算出することにより
CF膜の除去量を求めた。また2700Wのマイクロ波
を連続的に供給した場合おいても同様の実験を行った。
【0055】この実験により、マイクロ波をパルス状に
供給した場合のクリ−ニングレ−ト(エッチングレ−
ト)8000オングストロ−ム/分であるのに対し、連
続的に供給した場合には4000オングストロ−ム/分
であることが確認され、マイクロ波をパルス状に供給す
ることによりCF膜の除去速度が大きくなることが認め
られた。
【0056】そこで図1に示すプラズマ処理装置におい
て、圧力0.2Pa、マイクロ波電力2700Wの条件
で8インチサイズのウエハWに対してCF膜を5μm成
膜した後、圧力500Pa、ミラ−磁界の条件の下で、
2700W、2.45GHzのマイクロ波を周波数10
0〜5000Hz、デュ−ティ比0.4〜0.6でオン
・オフしながら供給し、クリ−ニングガスとしてO2
スを500sccmの流量で導入し、CF膜のクリ−ニ
ングを行ったところ、クリ−ニング時間は6分程度であ
った。一方2700Wのマイクロ波を連続的に供給し、
その他は同条件としてクリーニング時間を測定したとこ
ろ、クリーニング時間は12分であった。これらの結果
により、マイクロ波をパルス状に供給する場合は、マイ
クロ波を連続的に供給する場合に比べてクリ−ニング時
間が6分程度短縮されることが確認された。
【0057】このようにマイクロ波をパルス状に供給し
た場合にクリ−ニング時間が短縮されるのは以下のよう
な理由によるものと考えられる。即ちマイクロ波電力は
(電子の数)×(電子のエネルギ−)により決定される
が、電子のエネルギ−は、マイクロ波の供給当初は電子
の数が少ないためかなり高く、この後電子の数がなだれ
現象により指数関数的に多くなるため急激に低くなって
安定する。従ってパルス状にマイクロ波を供給すると、
図6(a),(b)に示すようにパルス毎に高いエネル
ギ−の電子が供給されるので、高いエネルギ−を持つプ
ラズマが連続的に生成された状態になる。なお図6
(c)に従来のようにマイクロ波を連続的に供給した場
合の電子エネルギ−の変化を比較のために示しておく。
この例のようにプラズマのエネルギ−が高くなると、こ
のプラズマにより活性化される活性種のエネルギ−も高
くなるので、真空容器2内に付着しているCF膜に到達
する活性種が多くなり、この結果クリ−ニング速度が大
きくなる。
【0058】このようにこの例ではCF膜のO2 ガスに
よるクリ−ニングにおいてマイクロ波をパルス状に供給
しているので、真空容器2内部に付着したCF膜のクリ
−ニング時間がより短縮され、これにより成膜処理のス
ル−プットをより向上させることができる。
【0059】続いて本実施の形態のさらに他の例につい
て説明する。この例は上述の実施の形態のクリ−ニング
方法において、例えばウエハWを1枚成膜する毎にクリ
−ニングを行なうというものである。このようにウエハ
Wを1枚成膜する毎にクリ−ニングを行なうと、真空容
器2内に付着しているCF膜の量が少ないため1回のク
リ−ニング時間が例えば15秒程度とかなり短くなる。
【0060】また通常成膜が終了したウエハWを搬出し
た後次のウエハWを搬入する前には、載置台4に残存す
る電荷を除去するために例えばO2 のプラズマによる除
電処理を例えば10秒程度行なっているが、ウエハWを
1枚成膜する毎にO2 ガスによるクリ−ニングを行なう
とクリ−ニング時間の方が除電時間よりも長いため、除
電処理も合わせて行なわれることになり、除電処理のみ
をクリ−ニングと別個に行なう必要がなくなる。このた
め例えばウエハWの交換時に除電処理を行ないながらウ
エハWを25枚成膜した後にクリ−ニングする場合に比
べて、同じ枚数のウエハWを処理したときのト−タルの
処理時間を、単純計算では(除電処理時間)×(ウエハ
Wの枚数分)短縮することができ、これによりスル−プ
ットを向上させることができる。
【0061】さらにウエハWを25枚成膜した後にクリ
−ニングを行なう場合には、真空容器2内部に付着する
CF膜の量が多くなると、真空容器2の内部状態が変化
して付着したCF膜の膜質が変化し、より強固に付着し
た状態になってしまう。このためCF膜が除去しにくい
状態になってしまうので、ウエハWを1枚成膜する毎に
クリ−ニングを行なう場合に比べて、ト−タルのクリ−
ニングが時間が長くなってしまう。このようにウエハW
を1枚成膜する毎にクリ−ニングを行なう場合にはト−
タルのクリ−ニング時間も短縮できるので、さらにスル
−プットを向上させることができる。
【0062】ここで本発明者らが行った実験例について
説明する。実験装置として図1に示すプラズマ処理装置
を用い、圧力0.2Pa、マイクロ波電力2700Wの
下で8インチサイズのウエハWに対してCF膜を成膜
し、1枚成膜する毎に、クリ−ニングガスとしてO2
スを500sccmの流量で導入し、圧力500Pa、
発散磁界、マイクロ波電力2700Wの条件の下、CF
膜のクリ−ニングを行なって、25枚のウエハWを成膜
した場合のト−タルの処理時間を測定した。また同様の
条件の下、ウエハWの交換時に10秒の除電処理を行な
いながら25枚のウエハWの成膜を行なった後に、クリ
−ニングを行なった場合のト−タルの処理時間を測定し
た。
【0063】この実験の結果により、ウエハWを1枚成
膜する毎にクリ−ニングを行なう場合はクリ−ニングが
平均15秒程度であり、ト−タルの処理時間は68分4
5秒であるのに対して、25枚のウエハWの成膜を行な
った後にクリ−ニングを行なった場合はクリ−ニング時
間が30分程度であり、ト−タルの処理時間は92分3
0秒であることが確認された。
【0064】このようにこの例ではCF膜のO2 ガスに
よるクリ−ニングにおいてウエハWを1枚成膜する毎に
クリ−ニングを行なっているので、ト−タルの処理時間
を短縮することができるので成膜処理のスル−プットを
より向上させることができる。
【0065】以上の本実施の形態において、クリーニン
グでは、クリーニングガスと同時にプラズマガス例えば
Arガスを供給するようにしてもよい。またCF膜は成
膜処理の際、載置台4やガス吹き出し口25aの周辺の
みならず真空容器2の内壁面にも付着するが、真空容器
2の内壁面に付着するCF膜は載置台4周辺等に付着す
るCF膜に比べて弱く、薄い膜であり、しかも量が少な
いので、載置台4周辺のクリ−ニングが終了するときに
は真空容器2の内壁のクリ−ニングは既に終了している
状態となる。
【0066】続いて本発明の他の実施の形態について説
明する。本実施の形態が上述の実施の形態と異なる点
は、クリ−ニングガスとしてO2 ガスに、H2 ガスや例
えばCF4 ガスやNF3 ガス等のFを含むガスを組み合
わせたものを用いることである。ここでO2 ガスとH2
ガス等は同時に供給するようにしてもよいし、O2 ガス
を先に供給してからH2 ガス等を供給するようにしても
よい。
【0067】次に本発明者らが行った実験例について説
明する。実験装置として図1に示すプラズマ処理装置を
用い、マイクロ波電力2700Wの下で8インチサイズ
のウエハWに対してCF膜を10μm成膜した後、圧力
0.2Pa、マイクロ波電力2500W、ミラ−磁界の
条件の下で、クリ−ニングガスを導入しCF膜のクリ−
ニングを行なった。
【0068】ここでクリ−ニングガスとしては、O2
スのみ(流量200sccm)、O2 ガス+H2 ガス
(O2 ガス流量200sccm、H2 ガス流量100s
ccm)、O2 ガス+CF4 ガス(O2 ガス流量200
sccm、CF4 ガス流量200sccm)、O2 ガス
+NF3 ガス(O2 ガス流量200sccm、NF3
ス流量200sccm)を用いた。そしてクリ−ニング
状況を目視により観察し、CF膜が除去されるまでの時
間を測定した。この結果を図7(a)に示す。
【0069】またクリ−ニングガスとして先ずO2 ガス
を導入した後に、NF3 ガスを導入した場合(O2 ガス
流量200sccm、NF3 ガス流量500sccm)
と、NF3 ガス+N2 ガスを導入した場合(O2 ガス流
量200sccm、NF3 ガス流量500sccm、N
2 ガス流量500sccm)とにおいても同様の実験を
行なった。この際圧力はO2 ガス導入時は0.2Paと
し、NF3 ガス等の導入時は120Paとした。この結
果を図7(b)に示す。
【0070】この実験結果により、クリ−ニングガスと
してO2 ガスにH2 ガスやFを含むガスを組み合わせる
ことにより、O2 ガスのみを用いる場合よりもクリ−ニ
ング速度が大きくなり、クリ−ニング時間を短縮できる
ことが確認された。このようにO2 ガス単独よりもO2
ガスとH2 ガスの組み合わせによりクリ−ニング速度が
大きくなるのは、Oの活性種は既述のようにCF膜のC
と反応してCO2 を生成し、Hの活性種はCF膜のFと
反応してHFを生成するので、C−C結合やC−F結合
が切断されやすいためと考えられる。
【0071】またO2 ガス単独よりもO2 ガスとFを含
むガスの組み合わせによりクリ−ニング速度が大きくな
っているため、既述のようにFの活性種によるクリ−ニ
ングではプラズマ密度の影響がOの活性種よりも小さい
ので、載置台4周辺等のミラ−磁界ではプラズマ領域か
ら外れてプラズマ密度が極めて低くなってしまう場所で
は、メカニズムは明らかではないが、Oの活性種よりも
Fの活性種の方がクリ−ニング速度が大きくなるのでは
ないかと考えられる。この際特にO2 ガスとNF3 ガス
との組み合わせがよいのは、O2 ガスとH2 ガスの組み
合わせやO2 ガスとCF4 ガスの組み合わせでは、クリ
−ニングガス同士が反応してH2 OやCO2 を生成しや
すいのに対し、O2 ガスとNF3 ガスの組み合わせでは
これらのガス同士は反応しにくいためであると考えられ
る。
【0072】この実験において目視による観察により、
NF3 ガスではガス吹き出し口25a周辺のクリ−ニン
グ速度が小さいが、O2 ガスやO2 ガスとH2 ガスを組
み合わせたガスではこの部分のクリ−ニング速度が大き
く、一方Fを含むガス特にNF3 ガスでは載置台4周辺
のクリ−ニング速度が大きいことが確認された。またク
リ−ニングでは真空容器2内部の上方側から付着したC
F膜が除去されていき、下方側では除去されたCF膜が
再付着することもあることが確認された。これらの結果
から、先ずO2 ガスを含むガスによりガスリング25内
壁部分のクリ−ニングを行ない、次いでFを含むガス特
にNF3 ガスにより載置台4周辺のクリ−ニングを行な
うことが望ましいと考えられる。
【0073】このように本実施の形態の形態では、CF
膜のクリ−ニングガスとしてO2 ガスとH2 ガスやFを
含むガスを組み合わせているので、真空容器2内部に付
着したCF膜のクリ−ニング時間が短縮され、これによ
り成膜処理のスル−プットを向上させることができる。
【0074】続いて本発明のさらに他の実施の形態につ
いて説明する。本実施の形態はO2ガスとH2 ガスとの
組み合わせがクリ−ニングに有効であることに着目して
なされたものであり、上述の実施の形態と異なる点は、
クリ−ニングの際にH2 Oの液体あるいは気体(水蒸
気)を真空容器2内に導入することである。ここでH2
Oは単独で供給するようにしてもよいし、O2 ガスやA
rガス等のプラズマガスと組み合わせて供給するように
してもよい。
【0075】先ず本実施の形態のクリ−ニングが実施さ
れるプラズマ処理装置について図8〜11に基づいて説
明する。図8に示すプラズマ処理装置はH2 Oを気体状
態で導入するものであり、このプラズマ処理装置は、液
体状態のH2 Oが貯留されるH2 O容器51とプラズマ
室21の側壁上部とを、途中にマスフロ−53が介装さ
れたH2 O供給管52で接続して構成されている。その
他の構成は上述の図1に示すプラズマ処理装置と同様で
あるこのようなプラズマ処理装置では、クリ−ニングの
際、プラズマ室21の圧力は例えば0.2Pa程度であ
ってH2 O容器51よりもかなり低いので、H2 O容器
51内のH2 Oは気化し蒸気となってH2 O供給管5
2、マスフロ−53を介してプラズマ室21に例えば
0.01sccmの流量で供給される。そしてこのH2
Oのガスは、プラズマ室21においてプラズマ化されて
HとOの活性種となり、CF膜のCやFと反応してCO
2 やHFを生成することによりクリ−ニングを進行させ
る。
【0076】また図9に示すプラズマ処理装置もH2
を気体状態で導入するものであり、このプラズマ処理装
置は、H2 O容器51にガス供給管55を介してプラズ
マガス源54を接続して、H2 O容器51内のH2 Oに
プラズマガス源54からArガスやO2 ガス等のプラズ
マガスを供給し、プラズマガスにH2 Oの気体を湿度と
して含ませながらプラズマ室21内に供給するものであ
る。このようなプラズマ処理装置ではH2 Oはプラズマ
ガスと共に、例えば300sccmの流量で供給され、
ここでプラズマ化されてCF膜のCやFと反応してクリ
−ニングを進行させる。
【0077】図10に示すプラズマ処理装置もH2 Oを
気体状態で導入するものであり、このプラズマ処理装置
は、例えばH2 O容器51の周囲にヒ−タ56を設ける
と共に、H2 O供給管52の周囲にもヒ−タ57を巻回
し、H2 O容器51内のH2Oを加熱することにより強
制的に気化させてプラズマ室21内に供給するというも
のである。このようなプラズマ処理装置ではH2 Oは例
えば100sccmの流量でプラズマ室21に供給さ
れ、ここでプラズマ化されてCF膜のCやFと反応して
クリ−ニングを進行させる。
【0078】図11に示すプラズマ処理装置はH2 Oを
液体状態で導入するものである。図中59は液体マスフ
ロ−であり、H2 O容器51とプラズマ室21とを結ぶ
2O供給管58のH2 O容器51側の端部は、H2
容器51内のH2 Oの内部に入り込むように設けられて
いる。このH2 O容器51の内部には例えばN2 ガスに
より圧力がかけられており、これにより液体状態のH2
OがH2 O供給管58を介して例えば0.01sccm
の流量でプラズマ室21内に供給される。このプラズマ
室21内部の圧力は例えば0.2Pa程度であるので、
液体状態のH2Oはプラズマ室21内に供給された途端
に気化し、ここでプラズマ化されてCF膜のCやFと反
応してクリ−ニングを進行させる。
【0079】次に本発明者らが行った実験例について説
明する。実験装置として図10に示すプラズマ処理装置
を用い、圧力500Pa、発散磁界、マイクロ波電力2
500Wの下で、プラズマガスとしてO2 ガスとArガ
スとを夫々200sccm、150sccmの流量で供
給すると共に、気体状態のH2 Oを流量を変えて供給
し、CF膜が成膜されたウエハWに対してエッチングを
行ない、この際のエッチングレ−トを算出することによ
りCF膜の除去量を求めた。この結果を図12に示す。
【0080】図12の結果により、H2 Oの流量を増加
させると流量が100sccmになるまでは、流量の増
加に合わせてエッチングレ−トが大きくなっていくこと
から、H2 Oの供給によりCF膜の除去速度が大きくな
ることが認められた。
【0081】続いて図11に示すプラズマ処理装置にお
いて、圧力0.2Pa、マイクロ波電力2700Wの条
件で8インチサイズのウエハWに対してCF膜を5μm
成膜した後、圧力500Pa、マイクロ波電力2500
W、発散磁界の条件の下で、,プラズマガスとしてO2
ガスとArガスとを夫々200sccm、150scc
mの流量で供給すると共に、気体状態のH2 Oを60s
ccmの流量で導入し、CF膜のクリ−ニングを行なっ
たところ、クリ−ニング時間は5分程度であり、O2
スのみをクリ−ニングガスとして導入してクリ−ニング
する場合に比べてクリ−ニング時間が短縮されることが
確認された。
【0082】このように本実施の形態ではH2 Oを導入
してクリ−ニングを行なっているので、真空容器2内部
に付着したCF膜のクリ−ニング時間が短縮され、これ
により成膜処理のスル−プットを向上させることができ
る。またH2 Oを導入することにより、O2 ガスやH2
ガスを別個に導入する場合に比べて導入作業が容易であ
ると共に、安全なH2 Oを用いるので取扱いも便利とな
る。
【0083】続いて本発明のさらに他の実施の形態につ
いて説明する。本実施の形態が上述の実施の形態と異な
る点は、クリ−ニングガスとしてO2 ガスの代わりに、
CO2 ガス、N2 Oガス、N4 2 ガスやCOガス等を
用いることである。
【0084】ここで本発明者らが行った実験例について
説明する。実験装置として図1に示すプラズマ処理装置
を用い、マイクロ波電力2800Wの下で8インチサイ
ズのウエハWに対してCF膜を5μm成膜した後、圧力
0.18Pa、マイクロ波電力2500W、発散磁界の
条件の下で、クリ−ニングガスとしてCO2 ガスを20
0sccmの流量で導入し、真空容器2内に付着したC
F膜のクリ−ニングを行なった。クリ−ニング状況を目
視により観察し、ガス吹き出し口25a周辺と載置台4
の周辺部分とについてCF膜が除去されるまでの時間を
測定した。またクリ−ニングガスをN2 Oガス、N4
2 ガス、COガス、O2 ガスとした場合についても同様
の実験を行なった。この結果を図13に示す。
【0085】この実験結果により、クリ−ニングガスと
してCO2 ガス、N2 Oガス、N42 ガスやCOガス
を用いることにより、O2 ガスを用いる場合よりもガス
吹き出し口25aや載置台4周辺のクリ−ニング速度が
大きくなり、クリ−ニング時間を短縮できることが確認
された。このようにO2 ガスよりもCO2 ガス、N2
ガス、N4 2 ガスやCOガス等のクリ−ニング速度が
大きくなるのは、CO2 ガスやCOガスはCF膜のFと
反応してCF4 を生成しやすく、またN2 OガスやN4
2 ガスはFと反応してNF3 を生成しやすいので、こ
れらのガスはO2 ガスよりもFと反応しやすく、これに
より真空容器2に付着するFの残留物が除去されやすい
ためと考えられる。
【0086】このように本実施の形態ではクリ−ニング
ガスとしてCO2 ガス、N2 Oガス、N4 2 ガスやC
Oガスを用いているので、真空容器2内部に付着したC
F膜のクリ−ニング時間が短縮され、これにより成膜処
理のスル−プットを向上させることができる。
【0087】続いて本発明のさらに他の実施の形態につ
いて説明する。本実施の形態が上述の実施の形態と異な
る点は、載置台4上に載置台表面を保護するための保護
板をなすクリ−ニングウエハを載置してからクリ−ニン
グを行なうことである。前記クリ−ニングウエハは、例
えばクリ−ニングガスによりエッチングされない材質例
えばAlNやAl2 3 等により、例えば成膜処理され
るウエハWと同じ大きさ例えば8インチサイズに構成さ
れている。また真空容器2の外部にはクリ−ニングウエ
ハを真空容器2内に搬入出するための図示しない搬送ア
−ムが設けられると共に、クリ−ニングウエハを搭載す
るための図示しないクリ−ニングウエハ用カセットが設
けられている。
【0088】この実施の形態においては、ウエハWの成
膜処理が終了した後、ウエハWを真空容器2から搬出し
て、クリ−ニングウエハ用カセットからクリ−ニングウ
エハを取り出して真空容器2内に搬入し、載置台4上に
載置する。そして載置台4表面にクリ−ニングウエハが
載置された状態で所定のクリ−ニングを行なう。
【0089】このようにしてクリ−ニングを行うと、載
置台4表面がクリ−ニングウエハにより保護されるの
で、クリ−ニングの際に載置台4の表面がプラズマに晒
されないため、この表面がプラズマに叩かれ荒れてしま
うおそれがない。ここでこの例では載置台4表面は処理
用のウエハWの外周囲よりも例えば2mm程度大きく形
成されており、成膜処理の際このウエハWからはみ出し
た領域にはCF膜が付着するが、ウエハWが置かれてい
る領域にはCF膜は付着しないので、処理用のウエハW
と同じ大きさのクリ−ニングウエハを載置してクリ−ニ
ングを行なうことにより、CF膜が付着していない領域
はプラズマから保護され、CF膜が付着している領域は
プラズマに晒されて付着しているCF膜が除去されるこ
とになる。本発明はウエハが載置台4より大きい場合に
も有効である。
【0090】ここで載置台4表面が荒れると、当該表面
に凹凸ができ、ウエハWへの熱伝導やウエハWの吸着力
が部分的に変化したり、また成膜処理の間においてプロ
セスの初期と後期とで変化したりしてしまうが、本実施
の形態では上述のように載置台4表面は荒れないのでウ
エハWの熱伝導や吸着力の変化が抑えられる。このため
成膜されるCF膜の膜厚をより均一にすることができ、
またプロセスの間に再現性が悪化するおそれもないこと
から膜厚の面間均一性も向上させることができる。
【0091】また載置台4の表面が荒れないので高価な
載置台4の寿命を長くすることができる。さらにクリ−
ニングウエハの表面はプラズマに叩かれて荒れてしまう
が、クリ−ニングウエハは上述のようにクリ−ニングガ
スによりエッチングされない材質により構成されている
ので、表面の荒れた部分からパーティクルが発生するお
それはない。
【0092】ここで本発明者らが行った実験例について
説明する。実験装置として図1に示すプラズマ処理装置
を用い、マイクロ波電力2300Wの下で8インチサイ
ズのウエハWに対してSiO2 膜を1μm成膜し、12
枚成膜する毎に、8インチサイズのクリ−ニングウエハ
を載置台上に載置し、圧力200Pa、マイクロ波電力
1200W、発散磁界の条件の下で、クリ−ニングガス
としてNF3 ガスとN2 ガスを夫々500sccmの流
量で導入し、15分間クリ−ニングを行なった。このよ
うにして120枚のウエハWの成膜処理を行ない、個々
のウエハWにおいてウエハWの温度と成膜されたSiO
2 膜の膜厚を測定した。またクリ−ニングウエハを載置
しない場合においても同様の実験を行なった。図14に
ウエハ温度と膜厚の最大値と最小値を示す。
【0093】この実験結果により、クリ−ニングウエハ
を載置台上に載置した場合には、載置しない場合に比べ
て、ウエハ温度と膜厚の最大値と最小値との差が小さ
く、クリ−ニングウエハにより載置台表面を保護するこ
とにより成膜処理において膜厚の均一性を高めることが
できることが確認された。以上において本実施の形態は
SiO2 膜のクリ−ニングに限らず、CF膜やSiOF
膜のクリ−ニングにも適用することができる。
【0094】続いて本発明のさらに他の実施の形態につ
いて説明する。本実施の形態が上述の実施の形態と異な
る点は、図15に示すように、成膜室22の側壁に形成
された覗き窓22aの外側に光ファイバ62を介して発
光強度を検出するための分光器61を設け、成膜室22
内の活性種の発光強度を測定することによりクリ−ニン
グの終了時を判断することである。前記覗き窓22aは
光を透過する材料例えば石英(SiO2 )、フッ化カル
シウム(CaF2 )等により構成されており、成膜室2
2内の活性種例えばOやC,F等の活性種の発光強度が
分光器61により検出されるように構成されている。そ
の他の構成は上述の図1に示すプラズマ処理装置と同様
である。
【0095】このようなプラズマ処理装置の作用につい
て、CF膜をO2 ガスによりクリ−ニングする場合にお
いて説明する。O2 ガスによるクリ−ニングの際、例え
ば分光器61では成膜室22内のOの活性種の発光強度
が連続的に測定される。ここで成膜室22内ではOや、
CF膜自体が分解してできた生成物やCF膜とOとの反
応によって生じた種々の活性種(CF、C、C2 、C
O、CO2 、F)が存在するが、Oの活性種の発光強度
を測定すると、図16に示すように、Oの活性種は例え
ば777nmや616nm等の波長に固有のピ−クを持
つので、例えば分光器61で最もピ−ク値が高い波長7
77nmの発光強度を測定することにより、Oの活性種
の発光強度のみを選択的に検出することができる。また
発光強度はOの量に比例しており、Oの量が多ければ発
光強度が大きくなり、Oの量が少なければ発光強度が小
さくなる。
【0096】クリ−ニングが進むと、図17の曲線Aに
示すように、Oの活性種の発光強度は次第に大きくなっ
ていき時間Tを過ぎるとほぼ一定となる。即ちクリ−ニ
ング時間が長くなるとOの量は多くなり、時間Tを過ぎ
るとほぼ一定となる。これはクリ−ニング当初は生成さ
れたOの活性種の一部がCF膜の除去に消費されるが、
ある程度クリ−ニングが進みCF膜の残存量が少なくな
ってくるとCF膜の除去により消費されるOの活性種の
量が減ってくるので成膜室22内に残存するOの活性種
の量が多くなり、CF膜が完全に除去されるとOの活性
種の消費量はゼロとなるため、生成されたOの活性種が
そのまま残存することとなってOの量が一定となるから
である。従って活性種量が一定となるまでの時間がクリ
−ニングに要する時間であり、この時間Tがクリ−ニン
グの終点となる。
【0097】一方図17の曲線Bは、CF膜に起因する
活性種例えばCF、C、C2 、CO、CO2 、Fの活性
種の発光強度であり、これらの発光強度はクリ−ニング
が進むとOとは反対に次第に小さくなっていき時間Tを
過ぎるとゼロとなる。即ちクリ−ニング当初は多量のC
F膜が存在するので、これらの活性種の量も多いが、あ
る程度クリ−ニングが進みCF膜の残存量が少なくなっ
てくるとこれに応じて次第に減ってきて、CF膜が完全
に除去されるとゼロとなる。従ってこの場合は活性種量
がゼロになるまでの時間がクリ−ニングに要する時間で
あり、この時間Tがクリ−ニングの終点となる。
【0098】実際にクリ−ニングの際に測定したOの活
性種の波長777nmにおける発光強度を図18に示
す。このようにOの活性種の発光強度は次第に大きくな
ってくるので、この発光強度が一定となったときにクリ
−ニングを終了する。ここでクリ−ニングの終点は、例
えば発光強度の検出値の高低を観察し、この検出値が一
定範囲に収まったときに発光強度を一定とするというプ
ログラムを予め設定しておくことにより判断される。
【0099】このように本実施の形態のプラズマ処理装
置では、成膜室22内に存在するOの活性種の発光強度
を検出することにより、クリ−ニングの終点を決定する
ようにしているので、クリ−ニングの終点を目視で判断
する場合に比べて、この終点の判断を正確に行うことが
できる。このため終点の判断を誤って、成膜室22内に
CF膜が残存してしまったり、既にCF膜が除去されて
いるのにクリ−ニングを続けてしまうようなことがな
く、成膜処理のスル−プットを向上させることができ
る。
【0100】以上において本実施の形態では、CF膜に
起因する活性種の発光強度を検出することによりクリ−
ニングの終点を決定するようにしてもよいし、クリ−ニ
ングガスとしてO2 ガス以外のガスを用いた場合には、
このガスの活性種の発光強度を検出するようにしてもよ
い。また本実施の形態は、ECRプラズマ処理により形
成されたCF膜のクリ−ニングのみならず、プラズマに
より形成されたCF膜のクリ−ニングに適用できる。さ
らにSiO2 膜やSiOF膜のクリ−ニングにも適用で
きる。
【0101】
【発明の効果】本発明によれば、真空容器の内部に付着
したフッ素を含むカ−ボン膜のクリ−ニングに要する時
間を短縮することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るクリ−ニングが実施
されるプラズマ処理装置を示す断面図である。
【図2】CF膜のO2 ガスによるエッチングの特性図で
ある。
【図3】CF膜のO2 ガスのクリ−ニングにおいてマイ
クロ波電力密度の影響を確認するための実験の結果を示
す表である。
【図4】ミラ−磁界と発散磁界とを示す説明図である。
【図5】CF膜のO2 ガスのクリ−ニングにおいて磁界
の影響を確認するための実験の結果を示す表である。
【図6】パルス状にマイクロ波を供給したときの電子エ
ネルギ−を示す特性図である。
【図7】CF膜のクリ−ニングにおいてクリ−ニングガ
スの影響を確認するための実験の結果を示す表である。
【図8】本発明の他の実施の形態に係るクリ−ニングが
実施されるプラズマ処理装置を示す断面図である。
【図9】本発明の他の実施の形態に係るクリ−ニングが
実施されるプラズマ処理装置の他の例を示す断面図であ
る。
【図10】本発明の他の実施の形態に係るクリ−ニング
が実施されるプラズマ処理装置の他の例を示す断面図で
ある。
【図11】本発明の他の実施の形態に係るクリ−ニング
が実施されるプラズマ処理装置の他の例を示す断面図で
ある。
【図12】CF膜のH2 Oガスによるエッチングの特性
図である。
【図13】CF膜のクリ−ニングにおいてクリ−ニング
ガスの影響を確認するための実験の結果を示す表であ
る。
【図14】CF膜のクリ−ニングにおいてクリ−ニング
ウエハの影響を確認するための実験の結果を示す表であ
る。
【図15】本発明のさらに他の実施の形態に係るプラズ
マ処理装置を示す断面図である。
【図16】Oのプラズマの発光強度を示す特性図であ
る。
【図17】CF膜のクリ−ニングの際の活性種の発光強
度を示す特性図である。
【図18】CF膜のクリ−ニングの際のOのプラズマの
発光強度の測定結果を示す特性図である。
【図19】従来のプラズマ処理装置を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
2 真空容器 21 プラズマ室 22 成膜室 23 透過窓 31 導波管 33 メインコイル 34 サブコイル 4 載置台 51 H2 O容器 52 H2 O供給管 53 マスフロ− 61 分光器 62 光ファイバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内藤 容子 神奈川県津久井郡城山町町屋1丁目2番 41号 東京エレクトロン東北株式会社 相模事業所内 (72)発明者 戸澤 昌紀 神奈川県津久井郡城山町町屋1丁目2番 41号 東京エレクトロン東北株式会社 相模事業所内 (72)発明者 平田 匡史 神奈川県津久井郡城山町町屋1丁目2番 41号 東京エレクトロン東北株式会社 相模事業所内 審査官 藤原 敬士 (56)参考文献 特開 平4−345030(JP,A) 特開 平6−53193(JP,A) 特開 平8−153707(JP,A) 特開 平7−169758(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/31 C23C 16/44 H01L 21/205 H01L 21/3065

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のプラズマ処理によりプラズマ処理
    装置内壁部に付着したフッ素添加カーボン膜をクリーニ
    ングにより除去する方法であって、10kW/m3以上
    の電力密度を有するマイクロ波を前記処理装置内に導入
    し、これにより前記処理装置内に導入されたクリーニン
    グガスを活性化してOの活性種を生成し、クリーニング
    を行うことを特徴とするプラズマ処理装置のクリ−ニン
    グ方法。
  2. 【請求項2】 所定のプラズマ処理によりプラズマ処理
    装置内壁部に付着したフッ素添加カーボン膜をクリーニ
    ングにより除去する方法であって、前記処理装置内圧力
    を0.2Paとした状態で、前記処理装置内に導入され
    たクリーニングガスを活性化してOの活性種を生成し、
    クリーニングを行うことを特徴とする請求項1記載の
    ラズマ処理装置のクリ−ニング方法。
  3. 【請求項3】 所定のプラズマ処理によりプラズマ処理
    装置内壁部に付着したフッ素添加カーボン膜をクリーニ
    ングにより除去する方法であって、前記処理装置内にC
    Oガス又はN4O2ガスを含むクリーニングガスを導入し
    てOの活性種を生成し、クリーニングを行うことを特徴
    とする請求項1又は2記載のプラズマ処理装置のクリ−
    ニング方法。
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