JP3333666B2 - 高利得光増幅器用導波路 - Google Patents
高利得光増幅器用導波路Info
- Publication number
- JP3333666B2 JP3333666B2 JP20260795A JP20260795A JP3333666B2 JP 3333666 B2 JP3333666 B2 JP 3333666B2 JP 20260795 A JP20260795 A JP 20260795A JP 20260795 A JP20260795 A JP 20260795A JP 3333666 B2 JP3333666 B2 JP 3333666B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- core
- waveguide
- refractive index
- optical amplifier
- added
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Optical Integrated Circuits (AREA)
- Lasers (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通信、計測、情報
処理の分野に適したガラス導波路、特に光の増幅を伴う
高利得光増幅器用導波路及びその製造方法に関する。
処理の分野に適したガラス導波路、特に光の増幅を伴う
高利得光増幅器用導波路及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通信、計測、情報処理の分野において、
光をより高度に利用するため種々の機能を有する光集積
回路の研究が活発に行われている。このような光集積回
路を構成する基本要素の一つとして光増幅器がある。特
に光通信分野においては、信号伝送媒体となる光ファイ
バの低損失波長帯(1.5μm帯)の光増幅が実現し、
実用段階に入っている。
光をより高度に利用するため種々の機能を有する光集積
回路の研究が活発に行われている。このような光集積回
路を構成する基本要素の一つとして光増幅器がある。特
に光通信分野においては、信号伝送媒体となる光ファイ
バの低損失波長帯(1.5μm帯)の光増幅が実現し、
実用段階に入っている。
【0003】図8は波長1.5μm帯の光増幅器用導波
路の従来例を示す図であり、図9はそのA−A線断面図
である。
路の従来例を示す図であり、図9はそのA−A線断面図
である。
【0004】図8及び図9において光増幅器用導波路
は、カリウム及び銀のイオン交換によりコーニング02
11ガラス1に導波路2を形成し、さらにこの導波路2
上にEr(エルビウム)元素の添加されたリン酸系ガラ
スからなる板3を密着させた構造を有している。
は、カリウム及び銀のイオン交換によりコーニング02
11ガラス1に導波路2を形成し、さらにこの導波路2
上にEr(エルビウム)元素の添加されたリン酸系ガラ
スからなる板3を密着させた構造を有している。
【0005】この光増幅器用導波路は、その導波路2の
長さが4.9mmの場合、0.9734μmの励起光を
入射することにより波長1.523μmの信号光におい
て10dB以上の増幅率が得られる(W.J.Wang
s,S.I.Najafi,S.Honkanen,
Q.He,C.Wu and J.Glinski:E
lectron.Lett.,1992,28,pp.
1872−1873)。
長さが4.9mmの場合、0.9734μmの励起光を
入射することにより波長1.523μmの信号光におい
て10dB以上の増幅率が得られる(W.J.Wang
s,S.I.Najafi,S.Honkanen,
Q.He,C.Wu and J.Glinski:E
lectron.Lett.,1992,28,pp.
1872−1873)。
【0006】一方、SiO2 系のEr元素添加導波路型
増幅器は、石英基板上に火炎堆積法によるスート形成及
びEr元素の含浸技術により、波長1.5μm帯の光増
幅を実現し、長さ350mmの導波路において24dB
の増幅率が得られる(服部、北川:電子情報通信学会)
・集積光技術研究会,IPT−93−11,1993,
pp.19−24)。
増幅器は、石英基板上に火炎堆積法によるスート形成及
びEr元素の含浸技術により、波長1.5μm帯の光増
幅を実現し、長さ350mmの導波路において24dB
の増幅率が得られる(服部、北川:電子情報通信学会)
・集積光技術研究会,IPT−93−11,1993,
pp.19−24)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8及
び図9に示した光増幅器用導波路は、コーニング021
1ガラス1上の導波路2の断面形状が半円状で非対称性
構造であると共に、信号光の増幅は導波路2のコアから
染み出た光のみが増幅を受ける。このため、光増幅器用
導波路の出射端におけるビームスポットの形状は真円と
はならず、このような光増幅器用導波路の出射端に断面
形状が真円の光ファイバを接続すると、接続損失が大き
くなるものと考えられる。
び図9に示した光増幅器用導波路は、コーニング021
1ガラス1上の導波路2の断面形状が半円状で非対称性
構造であると共に、信号光の増幅は導波路2のコアから
染み出た光のみが増幅を受ける。このため、光増幅器用
導波路の出射端におけるビームスポットの形状は真円と
はならず、このような光増幅器用導波路の出射端に断面
形状が真円の光ファイバを接続すると、接続損失が大き
くなるものと考えられる。
【0008】また、導波路2が湾曲部分を有する場合、
特にリング共振器に導波路を利用する場合にはその部分
での損失が増大する。さらにリン酸系ガラスは水分の吸
着や機械的強度の点から信頼性が低いためデバイスへの
適用範囲に制限がある。
特にリング共振器に導波路を利用する場合にはその部分
での損失が増大する。さらにリン酸系ガラスは水分の吸
着や機械的強度の点から信頼性が低いためデバイスへの
適用範囲に制限がある。
【0009】一方、SiO2 系の導波路型増幅器用の導
波路は、光ファイバとの結合損失が低く、信頼性の点で
も優れているものの、ホスト材料であるSiO2 が網目
構造を有することからEr元素の均一添加濃度が500
0ppm程度が限度であり、それ以上の添加は濃度消光
現象を招きやすくなる。このため、高い増幅度を得るに
は導波路長を長くしなければならない。
波路は、光ファイバとの結合損失が低く、信頼性の点で
も優れているものの、ホスト材料であるSiO2 が網目
構造を有することからEr元素の均一添加濃度が500
0ppm程度が限度であり、それ以上の添加は濃度消光
現象を招きやすくなる。このため、高い増幅度を得るに
は導波路長を長くしなければならない。
【0010】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、小形で高利得かつ信頼性の高い高利得光増幅器用導
波路及びその製造方法を提供することにある。
し、小形で高利得かつ信頼性の高い高利得光増幅器用導
波路及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、低屈折率を有する下部SiO2 系クラッド
層と、該クラッド層の上に形成され希土類元素が添加さ
れた特定部分を有する高屈折率コアと、該コアを覆う上
部SiO2 系クラッド層とを備えた高利得光増幅器用導
波路において、上記コアの希土類元素の添加された特定
部分のみをリン酸系材料で構成すると共に積層構造と
し、上記コアの一部に湾曲部分を形成し、その湾曲部分
の中心より外側に上記高屈折率コア中の希土類元素の添
加された特定部分を配したものである。
に本発明は、低屈折率を有する下部SiO2 系クラッド
層と、該クラッド層の上に形成され希土類元素が添加さ
れた特定部分を有する高屈折率コアと、該コアを覆う上
部SiO2 系クラッド層とを備えた高利得光増幅器用導
波路において、上記コアの希土類元素の添加された特定
部分のみをリン酸系材料で構成すると共に積層構造と
し、上記コアの一部に湾曲部分を形成し、その湾曲部分
の中心より外側に上記高屈折率コア中の希土類元素の添
加された特定部分を配したものである。
【0012】本発明は上記構成に加え、高屈折率コア中
の希土類元素の添加された特定部分を、導波路中を伝搬
する励起光の界分布の中心付近に配したものである。
の希土類元素の添加された特定部分を、導波路中を伝搬
する励起光の界分布の中心付近に配したものである。
【0013】本発明は上記構成に加え、高屈折率コアの
特定部分を構成するリン酸系材料中のP 2 O 5 の量を5
0wt%以上としたものである。
特定部分を構成するリン酸系材料中のP 2 O 5 の量を5
0wt%以上としたものである。
【0014】本発明は上記構成に加え、高屈折率コアの
特定部分以外の領域は、SiO 2 を主成分とし、Ge、
Ti、P等の屈折率制御用ドーパントを少なくとも1種
類は含む材料からなるものである。
特定部分以外の領域は、SiO 2 を主成分とし、Ge、
Ti、P等の屈折率制御用ドーパントを少なくとも1種
類は含む材料からなるものである。
【0015】本発明は上記構成に加え、高屈折率コアの
特定部分に添加される希土類元素として、Pr、Nd、
Er、Ho、Tm、Sm等を少なくとも1種類含有する
ものである。
特定部分に添加される希土類元素として、Pr、Nd、
Er、Ho、Tm、Sm等を少なくとも1種類含有する
ものである。
【0016】本発明は上記構成に加え、高屈折率コアの
特定部分には、助成ドーパントとしてYb、Al、Cr
等の元素が少なくとも1種類含まれているものである。
特定部分には、助成ドーパントとしてYb、Al、Cr
等の元素が少なくとも1種類含まれているものである。
【0017】
【0018】
【0019】リン酸系材料は、その構造が鎖状構造であ
るためEr元素等の希土類元素を高濃度に添加したとき
に起こる濃度消光現象を抑制することができるという長
所がある。また、SiO2 材料は光ファイバとの相性が
良く水分の浸入にも強く機械的強度も高いという長所が
ある。
るためEr元素等の希土類元素を高濃度に添加したとき
に起こる濃度消光現象を抑制することができるという長
所がある。また、SiO2 材料は光ファイバとの相性が
良く水分の浸入にも強く機械的強度も高いという長所が
ある。
【0020】本発明の増幅器用導波路は、リン酸系材料
からなるコアを、SiO2 からなるクラッドで覆ったの
で、短い長さでコアの濃度を高くすることができると共
に、水分の影響を受けず機械的強度を高くすることがで
きる。また、コアの希土類元素の添加された特定部分を
リン酸系材料で構成すると共に、コアをこの特定部分と
希土類元素の添加されていないSiO2 系部分との積層
構造としたので、リン酸系材料で構成される希土類元素
の添加されたコアの特定部分をコア中を伝搬する励起光
の界分布の略中心に配することができ、効率的な励起が
可能となり、小形で高利得が得られる。
からなるコアを、SiO2 からなるクラッドで覆ったの
で、短い長さでコアの濃度を高くすることができると共
に、水分の影響を受けず機械的強度を高くすることがで
きる。また、コアの希土類元素の添加された特定部分を
リン酸系材料で構成すると共に、コアをこの特定部分と
希土類元素の添加されていないSiO2 系部分との積層
構造としたので、リン酸系材料で構成される希土類元素
の添加されたコアの特定部分をコア中を伝搬する励起光
の界分布の略中心に配することができ、効率的な励起が
可能となり、小形で高利得が得られる。
【0021】他方、SixOyNz組成のガラス材料
は、SiO2 系ガラス材料クラッドとの屈折率差Δを0
〜7%程度までの範囲で制御することができるため、多
成分系ガラスからなるコアとの屈折率を略等しく設定す
ることが可能となり、コア中を伝搬するモードがより安
定になる。
は、SiO2 系ガラス材料クラッドとの屈折率差Δを0
〜7%程度までの範囲で制御することができるため、多
成分系ガラスからなるコアとの屈折率を略等しく設定す
ることが可能となり、コア中を伝搬するモードがより安
定になる。
【0022】また、コア全体の屈折率差Δを大きく取る
ことができるため、コアサイズを縮小することが可能と
なり、デバイス全体をより小形にすることができる。
ことができるため、コアサイズを縮小することが可能と
なり、デバイス全体をより小形にすることができる。
【0023】また、SixOyNz組成のガラス材料
は、屈折率制御用ドーパントを添加したSiO2 系ガラ
ス材料よりも低損失な材料であると共に、SiO2 系ガ
ラス材料と同様に水分の浸入に強く機械的強度も高い。
このため、低損失で信頼性の高い光増幅器用導波路が実
現する。
は、屈折率制御用ドーパントを添加したSiO2 系ガラ
ス材料よりも低損失な材料であると共に、SiO2 系ガ
ラス材料と同様に水分の浸入に強く機械的強度も高い。
このため、低損失で信頼性の高い光増幅器用導波路が実
現する。
【0024】また、コアをリン酸塩系ガラス等の多成分
ガラス材料で構成される希土類元素の添加された特定部
分と、希土類元素の添加されないSixOyNz組成の
ガラス材料からなる部分との積層構造としたので、希土
類元素の添加された特定部分をコア中を伝搬する励起光
の界分布の略中心に配することができ、効率的な励起が
可能となる。
ガラス材料で構成される希土類元素の添加された特定部
分と、希土類元素の添加されないSixOyNz組成の
ガラス材料からなる部分との積層構造としたので、希土
類元素の添加された特定部分をコア中を伝搬する励起光
の界分布の略中心に配することができ、効率的な励起が
可能となる。
【0025】すなわち、小形で高い利得を有する信頼性
の高い光増幅器用導波路が実現する。
の高い光増幅器用導波路が実現する。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を添
付図面に基づいて詳述する。
付図面に基づいて詳述する。
【0027】図1は本発明の前提となった高利得光増幅
器用導波路の外観斜視図である。
器用導波路の外観斜視図である。
【0028】同図に示すように10はSiO2 からなる
基板であり、この基板10の上には低屈折率を有する下
部SiO2 系クラッド層としての第1クラッド層11が
形成され、第1クラッド層11の上にはリッジ状のコア
12と、コア12を覆う上部SiO2 系クラッド層とし
ての第2クラッド層13とが形成されている。
基板であり、この基板10の上には低屈折率を有する下
部SiO2 系クラッド層としての第1クラッド層11が
形成され、第1クラッド層11の上にはリッジ状のコア
12と、コア12を覆う上部SiO2 系クラッド層とし
ての第2クラッド層13とが形成されている。
【0029】コア12はEr元素が添加された特定部分
12aを有しており、この特定部分12aはリン酸系材
料で構成されていると共にコア12の略中心に位置して
いる。すなわちコア12は、Er元素の添加されている
リン酸系材料コア部分12aと、Er元素の添加されて
いないSiO2 系材料コア部分(下側コア層)12b
と、Er元素の添加されていないSiO2 系材料コア部
分(上側コア層)12cとからなる積層構造となってい
る。
12aを有しており、この特定部分12aはリン酸系材
料で構成されていると共にコア12の略中心に位置して
いる。すなわちコア12は、Er元素の添加されている
リン酸系材料コア部分12aと、Er元素の添加されて
いないSiO2 系材料コア部分(下側コア層)12b
と、Er元素の添加されていないSiO2 系材料コア部
分(上側コア層)12cとからなる積層構造となってい
る。
【0030】次に作用を述べる。
【0031】リン酸系材料は、その構造が鎖状構造であ
るためEr元素等の希土類元素を高濃度に添加したとき
に起こる濃度消光現象を抑制することができるという長
所がある。また、SiO2 材料は光ファイバとの相性が
良く水分の浸入にも強く機械的強度も高いという長所が
ある。本発明の増幅器用導波路は、リン酸系材料からな
るコアを、SiO2 からなるクラッドで覆ったので、短
い長さでコアの濃度を高くすることができ、水分の影響
を受けず機械的強度を高くすることができる。また、コ
アの希土類元素の添加された特定部分をリン酸系材料で
構成すると共に、コアをこの特定部分と希土類元素の添
加されていないSiO2 系コア部分との構造としたの
で、リン酸系材料で構成される希土類元素の添加された
コアの特定部分のコア中を伝搬する励起光の界分布の略
中心に配することができ、効率的な励起が可能となり、
小形で高利得が得られる。
るためEr元素等の希土類元素を高濃度に添加したとき
に起こる濃度消光現象を抑制することができるという長
所がある。また、SiO2 材料は光ファイバとの相性が
良く水分の浸入にも強く機械的強度も高いという長所が
ある。本発明の増幅器用導波路は、リン酸系材料からな
るコアを、SiO2 からなるクラッドで覆ったので、短
い長さでコアの濃度を高くすることができ、水分の影響
を受けず機械的強度を高くすることができる。また、コ
アの希土類元素の添加された特定部分をリン酸系材料で
構成すると共に、コアをこの特定部分と希土類元素の添
加されていないSiO2 系コア部分との構造としたの
で、リン酸系材料で構成される希土類元素の添加された
コアの特定部分のコア中を伝搬する励起光の界分布の略
中心に配することができ、効率的な励起が可能となり、
小形で高利得が得られる。
【0032】次に図2を参照して高利得光増幅器用導波
路の製造方法について述べる。
路の製造方法について述べる。
【0033】まずSiO2 −GeO2 焼結体をターゲッ
ト材料として、SiO2 基板10上に形成された第1ク
ラッド層11上に、スパッタリング法によりSiO2 −
GeO2 組成の下側コア層12bとなるコア膜12bb
を3.5μm形成する。ここで、GeO2 は屈折率制御
用のドーパントであり、光ファイバの屈折率制御用のド
ーパントとしても汎用されている材料である(図2
(a)、(b))。
ト材料として、SiO2 基板10上に形成された第1ク
ラッド層11上に、スパッタリング法によりSiO2 −
GeO2 組成の下側コア層12bとなるコア膜12bb
を3.5μm形成する。ここで、GeO2 は屈折率制御
用のドーパントであり、光ファイバの屈折率制御用のド
ーパントとしても汎用されている材料である(図2
(a)、(b))。
【0034】Er元素の添加されたリン酸系材料をター
ゲットとしてスパッタリング法により1μm厚のEr元
素添加リン酸系コア層12aとなるコア膜12aaを、
コア膜12bb上に形成する(図2(c))。
ゲットとしてスパッタリング法により1μm厚のEr元
素添加リン酸系コア層12aとなるコア膜12aaを、
コア膜12bb上に形成する(図2(c))。
【0035】コア膜12aaの上に再度SiO2 −Ge
O2 焼結体をターゲット材料としたスパッタリング法に
より、厚さ3.5μmのSiO2 −GeO2 組成の上側
コア層12cとなるコア膜12ccを形成する。ここ
で、ターゲットとして使用したリン酸系材料はP
2 O5 :60%、SiO2 :39%、Er2 O3 :0.
5−1wt%で構成されている。ただし、Er元素以外
にもNd(ネオジム)、Pr(プラセオジム)、Sm
(サマリウム)、Ce(セリウム)、Ho(ホルミウ
ム)、Tm(ツリウム)等の希土類元素を少なくとも1
種類含んだものを適宜用いることにより、増幅する波長
域を種々に設定することができる。また、助成ドーパン
トとして、Yb(イッテルビウム)、Cr(クロム)、
Al(アルミニウム)等を共ドープすることによって励
起効率のアップ及び広帯域化を図ることもできる。ただ
し、コア膜12aa、12bb、12ccの厚さを2μ
m以上にすると、クラッド層11、13との線膨張係数
の違いからコアやクラッドにクラックが発生することが
あるため、Er元素添加リン酸系のコア膜12aa、1
2bb、12ccの厚さを2μm以下にすることが望ま
しい(図2(d))。
O2 焼結体をターゲット材料としたスパッタリング法に
より、厚さ3.5μmのSiO2 −GeO2 組成の上側
コア層12cとなるコア膜12ccを形成する。ここ
で、ターゲットとして使用したリン酸系材料はP
2 O5 :60%、SiO2 :39%、Er2 O3 :0.
5−1wt%で構成されている。ただし、Er元素以外
にもNd(ネオジム)、Pr(プラセオジム)、Sm
(サマリウム)、Ce(セリウム)、Ho(ホルミウ
ム)、Tm(ツリウム)等の希土類元素を少なくとも1
種類含んだものを適宜用いることにより、増幅する波長
域を種々に設定することができる。また、助成ドーパン
トとして、Yb(イッテルビウム)、Cr(クロム)、
Al(アルミニウム)等を共ドープすることによって励
起効率のアップ及び広帯域化を図ることもできる。ただ
し、コア膜12aa、12bb、12ccの厚さを2μ
m以上にすると、クラッド層11、13との線膨張係数
の違いからコアやクラッドにクラックが発生することが
あるため、Er元素添加リン酸系のコア膜12aa、1
2bb、12ccの厚さを2μm以下にすることが望ま
しい(図2(d))。
【0036】基板10上に形成されたコア膜12aa、
12bb、12cc上に導波路となる部分のマスキング
を行い、CHF3 ガスを用いた反応性イオンエッチング
により例えば幅約8μmのリッジ状の導波路コア12を
形成する(図2(e))。
12bb、12cc上に導波路となる部分のマスキング
を行い、CHF3 ガスを用いた反応性イオンエッチング
により例えば幅約8μmのリッジ状の導波路コア12を
形成する(図2(e))。
【0037】この導波路コア12の上には、第1クラッ
ド層11と同じ屈折率を有するクラッド膜をスパッタリ
ング法により形成し、第2クラッド層13とする。ただ
し、これはスパッタリング法に限らずプラズマCVD等
の方法を用いてもよい(図2(f))。
ド層11と同じ屈折率を有するクラッド膜をスパッタリ
ング法により形成し、第2クラッド層13とする。ただ
し、これはスパッタリング法に限らずプラズマCVD等
の方法を用いてもよい(図2(f))。
【0038】以上において図1、2に示した高利得光増
幅器用導波路及びその製造方法は、 (1) Er元素の添加されている部分がリン酸系材料で構
成されているため、従来のSiO2 系よりもEr元素を
高濃度かつ均一に添加できる。
幅器用導波路及びその製造方法は、 (1) Er元素の添加されている部分がリン酸系材料で構
成されているため、従来のSiO2 系よりもEr元素を
高濃度かつ均一に添加できる。
【0039】(2) 励起光の光強度の高いコアの中心部分
のみを構成することにより、高い励起効率を得ることが
できる。
のみを構成することにより、高い励起効率を得ることが
できる。
【0040】(3) コア中のリン酸系材料の占める割合は
ごくわずかであり、大部分が光ファイバと同種の材料で
構成できるため、接続時の損失は低く、機械的にも安定
である等の特長を有する。
ごくわずかであり、大部分が光ファイバと同種の材料で
構成できるため、接続時の損失は低く、機械的にも安定
である等の特長を有する。
【0041】尚、実際に光ファイバを高利得光増幅器用
導波路に突き合わせ、波長0.98μmの励起光を入射
したところ、接続時損失は0.5dB以下であり、1.
5μm帯の蛍光強度は従来のSiO2 系材料に比べて1
0倍以上の値を示した。
導波路に突き合わせ、波長0.98μmの励起光を入射
したところ、接続時損失は0.5dB以下であり、1.
5μm帯の蛍光強度は従来のSiO2 系材料に比べて1
0倍以上の値を示した。
【0042】また、図1、2に示した高利得光増幅器用
導波路及びその製造方法では、Er元素を含むリン酸系
ガラスからなるコア層12aを導波路コア12の中心に
のみ配したが、用途によってはEr元素を含むリン酸系
ガラス層と、Er元素を含まないSiO2 系ガラス層を
交互に多層積層した構造の導波路コアでも高い増幅度を
得ることが可能である。
導波路及びその製造方法では、Er元素を含むリン酸系
ガラスからなるコア層12aを導波路コア12の中心に
のみ配したが、用途によってはEr元素を含むリン酸系
ガラス層と、Er元素を含まないSiO2 系ガラス層を
交互に多層積層した構造の導波路コアでも高い増幅度を
得ることが可能である。
【0043】図3は本発明の高利得光増幅器用導波路の
一実施の形態を示す図であり、図4はその特徴を説明す
るための説明図である。
一実施の形態を示す図であり、図4はその特徴を説明す
るための説明図である。
【0044】これはEr元素を含むリン酸系コアをリン
グ共振器の曲り部分に適用し、リング共振器型レーザを
構成したものである。
グ共振器の曲り部分に適用し、リング共振器型レーザを
構成したものである。
【0045】図3において、励起光Leを入射するため
の直線状の導波路20、リング共振部21、レーザ光を
出射するための直線状の導波路22及び両導波路20、
22とリング共振部21とを結合するためのカプラ部2
3でリング共振器24が形成されている。
の直線状の導波路20、リング共振部21、レーザ光を
出射するための直線状の導波路22及び両導波路20、
22とリング共振部21とを結合するためのカプラ部2
3でリング共振器24が形成されている。
【0046】リング共振部21の外周にはEr元素を含
むリン酸系コア部25が形成されている。尚、26はレ
ーザ光を取り出すための光ファイバをそれぞれ示してい
る。
むリン酸系コア部25が形成されている。尚、26はレ
ーザ光を取り出すための光ファイバをそれぞれ示してい
る。
【0047】図3に示した実施の形態の特長は、図4に
示すようにEr元素を含むリン酸系コア部25の領域
を、リング共振器24を構成するリング共振部21の曲
り導波路コア27の中心より外側に配したことにある。
直線状の導波路コア28中を伝搬する励起光Leの界分
布29は、直線状の導波路コア28の中心に対して対称
であるが、曲率半径Rの曲り導波路コア27中を伝搬す
る励起光Leの界分布30は、リング共振部21の曲り
導波路コア27の外側に片寄った形(エッジモード)と
なり、必然的に光強度の高い領域も外側にシフトする。
示すようにEr元素を含むリン酸系コア部25の領域
を、リング共振器24を構成するリング共振部21の曲
り導波路コア27の中心より外側に配したことにある。
直線状の導波路コア28中を伝搬する励起光Leの界分
布29は、直線状の導波路コア28の中心に対して対称
であるが、曲率半径Rの曲り導波路コア27中を伝搬す
る励起光Leの界分布30は、リング共振部21の曲り
導波路コア27の外側に片寄った形(エッジモード)と
なり、必然的に光強度の高い領域も外側にシフトする。
【0048】本実施の形態によれば、Er元素を含むリ
ン酸系コア部25の領域を曲り導波路コア27の中心よ
り外側に配しているため、励起光Leの強度の高い部分
がEr元素を含むリン酸系コア部25の領域と略重畳す
るので励起光Leを有効に利用することが可能となる。
ン酸系コア部25の領域を曲り導波路コア27の中心よ
り外側に配しているため、励起光Leの強度の高い部分
がEr元素を含むリン酸系コア部25の領域と略重畳す
るので励起光Leを有効に利用することが可能となる。
【0049】図5は図3に示したリング共振器型レーザ
の製造方法を示す図である。
の製造方法を示す図である。
【0050】図2に示した導波路と同様に、SiO2 基
板31上の第1クラッド層32上にEr元素を含まない
SiO2 系のコア層33を形成し(図5(a))、コア
層33の上にEr元素を含むリン酸系のコア層34を形
成する(図5(b))。
板31上の第1クラッド層32上にEr元素を含まない
SiO2 系のコア層33を形成し(図5(a))、コア
層33の上にEr元素を含むリン酸系のコア層34を形
成する(図5(b))。
【0051】コア層34の上からちょうどEr元素を含
むリン酸系コア部がリング共振部21の曲り導波路コア
27の中心より外側に配置できるようにマスキング及び
エッチングを行い、Er元素添加リン酸系コア部25を
形成する(図5(c))。
むリン酸系コア部がリング共振部21の曲り導波路コア
27の中心より外側に配置できるようにマスキング及び
エッチングを行い、Er元素添加リン酸系コア部25を
形成する(図5(c))。
【0052】続いてさらにEr元素添加リン酸系コア部
25を覆うように上側コア層35を形成する(図5
(d))。
25を覆うように上側コア層35を形成する(図5
(d))。
【0053】再度導波路コアのマスキング及びエッチン
グを行い、リッジ状の曲り導波路コア27とする(図5
(e))。
グを行い、リッジ状の曲り導波路コア27とする(図5
(e))。
【0054】最後に、スパッタリング法により第1クラ
ッド層と同じ屈折率を有する第2クラッド層36を形成
することによりリング共振器24が形成される(図5
(f))。尚、図5(f)は図3のB−B線断面図とな
っている。
ッド層と同じ屈折率を有する第2クラッド層36を形成
することによりリング共振器24が形成される(図5
(f))。尚、図5(f)は図3のB−B線断面図とな
っている。
【0055】図3に示した実施の形態によれば高いフィ
ネスと低いしきい値とを有するリング共振器を作製する
ことができる。
ネスと低いしきい値とを有するリング共振器を作製する
ことができる。
【0056】ところで、図1に示した高利得光増幅器用
導波路の場合、希土類元素の添加されていない部分を構
成するGe、Ti、P等の屈折率制御用ドーパントを少
なくとも1種類含むSiO2 系材料コアは、ドーパント
の量を増加させると伝搬光の散乱損失が増大するので、
SiO2 クラッド層との屈折率差Δの制御範囲はせいぜ
い0〜1%程度である。
導波路の場合、希土類元素の添加されていない部分を構
成するGe、Ti、P等の屈折率制御用ドーパントを少
なくとも1種類含むSiO2 系材料コアは、ドーパント
の量を増加させると伝搬光の散乱損失が増大するので、
SiO2 クラッド層との屈折率差Δの制御範囲はせいぜ
い0〜1%程度である。
【0057】このため、Er元素の添加されたリン酸塩
系ガラス材料部分との屈折率差Δの整合がとれなくなる
場合がある。Er元素の添加されていないコア部分の屈
折率は、Er元素の添加されたコア部分の屈折率と等し
いか僅かに低い値とすることが好ましい。よって損失を
増加させずにEr元素の添加されていないコア部分の屈
折率の制御範囲を拡大し、Er元素の添加された特定部
分と、Er元素の添加されていない部分との間の整合が
とれるようにすることが望ましい。
系ガラス材料部分との屈折率差Δの整合がとれなくなる
場合がある。Er元素の添加されていないコア部分の屈
折率は、Er元素の添加されたコア部分の屈折率と等し
いか僅かに低い値とすることが好ましい。よって損失を
増加させずにEr元素の添加されていないコア部分の屈
折率の制御範囲を拡大し、Er元素の添加された特定部
分と、Er元素の添加されていない部分との間の整合が
とれるようにすることが望ましい。
【0058】そこで本発明者らは、損失を増加させずに
Er元素の添加された特定部分と、Er元素の添加され
ていない部分との間の整合がとれる高利得光増幅器用導
波路を提案した。
Er元素の添加された特定部分と、Er元素の添加され
ていない部分との間の整合がとれる高利得光増幅器用導
波路を提案した。
【0059】図6は本発明の前提となった他の高利得光
増幅器用導波路の外観斜視図である。
増幅器用導波路の外観斜視図である。
【0060】図1に示した高利得光増幅器用導波路との
相違点は、高屈折率コアの希土類元素の添加されていな
い部分をSixOyNz組成の材料で構成した点であ
る。
相違点は、高屈折率コアの希土類元素の添加されていな
い部分をSixOyNz組成の材料で構成した点であ
る。
【0061】図6において、40はSiO2 ガラスから
なる基板であり、この基板40の上には低屈折率を有す
る下部SiO2 クラッド層(第1クラッド層)41が形
成され、第1クラッド層41の上にはリッジ状のコア4
2と、コア42を覆う上部SiO2 系クラッド層(第2
クラッド層)43とが形成されている。
なる基板であり、この基板40の上には低屈折率を有す
る下部SiO2 クラッド層(第1クラッド層)41が形
成され、第1クラッド層41の上にはリッジ状のコア4
2と、コア42を覆う上部SiO2 系クラッド層(第2
クラッド層)43とが形成されている。
【0062】ここで、基板40はSiO2 ガラスに限定
されるものではなく、多成分ガラスやSi、GaAs、
InP等の半導体基板、強誘電体基板を用いてもよい。
されるものではなく、多成分ガラスやSi、GaAs、
InP等の半導体基板、強誘電体基板を用いてもよい。
【0063】コア42は、Er元素が添加された特定部
分42aを有しており、この特定部分42aはリン酸塩
系ガラス等の多成分ガラス材料で構成されていると共
に、コア42の略中心に位置している。すなわち、コア
42はEr元素の添加されているリン酸塩系ガラス等の
多成分系ガラス材料コア部分42aと、Er元素の添加
されていないSixOyNz組成のガラス材料からなる
コア部分(下側コア層)42bと、Er元素の添加され
ていないSixOyNz組成のガラス材料からなるコア
部分(上側コア層)42cとからなる積層構造となって
いる。
分42aを有しており、この特定部分42aはリン酸塩
系ガラス等の多成分ガラス材料で構成されていると共
に、コア42の略中心に位置している。すなわち、コア
42はEr元素の添加されているリン酸塩系ガラス等の
多成分系ガラス材料コア部分42aと、Er元素の添加
されていないSixOyNz組成のガラス材料からなる
コア部分(下側コア層)42bと、Er元素の添加され
ていないSixOyNz組成のガラス材料からなるコア
部分(上側コア層)42cとからなる積層構造となって
いる。
【0064】次に作用について述べる。
【0065】SixOyNz組成のガラス材料は、Si
O2 系ガラス材料クラッドとの屈折率差Δを0〜7%程
度までの範囲で制御することができるため、リン酸塩、
フッ化物、カルコゲナイドガラス等の多成分系ガラスか
らなるコアとの屈折率を略等しく設定することが可能と
なり、コア中を伝搬するモードがより安定になる。
O2 系ガラス材料クラッドとの屈折率差Δを0〜7%程
度までの範囲で制御することができるため、リン酸塩、
フッ化物、カルコゲナイドガラス等の多成分系ガラスか
らなるコアとの屈折率を略等しく設定することが可能と
なり、コア中を伝搬するモードがより安定になる。
【0066】また、コア全体の屈折率差Δを大きく取る
ことができるため、コアサイズを縮小することが可能と
なり、デバイス全体をより小形にすることができる。
ことができるため、コアサイズを縮小することが可能と
なり、デバイス全体をより小形にすることができる。
【0067】また、SixOyNz組成のガラス材料
は、Ge、Ti、P等の屈折率制御用ドーパントを添加
したSiO2 系ガラス材料よりも低損失な材料であると
共に、SiO2 系ガラス材料と同様に水分の浸入に強く
機械的強度も高い。このため、低損失で信頼性の高い光
増幅器用導波路が実現する。
は、Ge、Ti、P等の屈折率制御用ドーパントを添加
したSiO2 系ガラス材料よりも低損失な材料であると
共に、SiO2 系ガラス材料と同様に水分の浸入に強く
機械的強度も高い。このため、低損失で信頼性の高い光
増幅器用導波路が実現する。
【0068】また、コアをリン酸塩系ガラス等の多成分
ガラス材料で構成される希土類元素の添加された特定部
分と、希土類元素の添加されないSixOyNz組成の
ガラス材料からなる部分との積層構造としたので、希土
類元素の添加された特定部分をコア中を伝搬する励起光
の界分布の略中心に配することができ、効率的な励起が
可能となる。
ガラス材料で構成される希土類元素の添加された特定部
分と、希土類元素の添加されないSixOyNz組成の
ガラス材料からなる部分との積層構造としたので、希土
類元素の添加された特定部分をコア中を伝搬する励起光
の界分布の略中心に配することができ、効率的な励起が
可能となる。
【0069】すなわち、小形で高い利得を有する信頼性
の高い光増幅器用導波路が実現する。
の高い光増幅器用導波路が実現する。
【0070】次に図6に示した高利得光増幅器用導波路
の製造方法を図7を参照しつつ述べる。
の製造方法を図7を参照しつつ述べる。
【0071】予めSiO2 からなる基板40上に第1ク
ラッド層41を形成しておき、Siをターゲット材料と
して(酸素ガス及び窒素ガスを所望の混合比で導入しな
がら)、DCスパッタリング法により第1クラッド層4
1の上に、厚さ1.0μmの(SixOyNz組成の下
側コア42bとなる)コア膜42bbを形成する。尚、
このコア膜42bbの屈折率は1.520(波長0.6
33μm)であった。このSixOyNzからなるコア
膜42bbの屈折率は、導入する酸素ガスと窒素ガスと
の混合比を変えることによって、第1クラッド層41と
の屈折率差Δを0〜7%までの範囲で調整することが可
能である。尚、このSixOyNzからなるコア膜42
bbは、プラズマCVD法や蒸着法等によっても形成す
ることも可能である(図7(a)、(b))。
ラッド層41を形成しておき、Siをターゲット材料と
して(酸素ガス及び窒素ガスを所望の混合比で導入しな
がら)、DCスパッタリング法により第1クラッド層4
1の上に、厚さ1.0μmの(SixOyNz組成の下
側コア42bとなる)コア膜42bbを形成する。尚、
このコア膜42bbの屈折率は1.520(波長0.6
33μm)であった。このSixOyNzからなるコア
膜42bbの屈折率は、導入する酸素ガスと窒素ガスと
の混合比を変えることによって、第1クラッド層41と
の屈折率差Δを0〜7%までの範囲で調整することが可
能である。尚、このSixOyNzからなるコア膜42
bbは、プラズマCVD法や蒸着法等によっても形成す
ることも可能である(図7(a)、(b))。
【0072】Er元素の添加されたリン酸系材料をター
ゲットとしてスパッタリング法により厚さ1μmの(E
r添加リン酸塩系ガラスコア層42aとなる)コア膜4
2aaをコア膜42bb上に形成する。このコア膜42
aaの屈折率は1.522であった(図7(c))。
ゲットとしてスパッタリング法により厚さ1μmの(E
r添加リン酸塩系ガラスコア層42aとなる)コア膜4
2aaをコア膜42bb上に形成する。このコア膜42
aaの屈折率は1.522であった(図7(c))。
【0073】コア膜上42aaに再度DCスパッタリン
グ法により、厚さ1.0μm、屈折率1.520の(上
側コア層42cとなる)SixOyNzコア膜42cc
を形成する。
グ法により、厚さ1.0μm、屈折率1.520の(上
側コア層42cとなる)SixOyNzコア膜42cc
を形成する。
【0074】ここで、コア膜42ccを形成するために
使用したリン酸塩系材料ターゲットは、P2 O5 :6
5.5%、SiO2 :24%、Er2 O3 :0.5wt
%で構成されている。ただし、Er元素以外にもNd、
Pr、Sm、Ce、Ho、Tm、Yb等の希土類元素を
少なくとも1種類含んだものを適宜用いることにより、
増幅する波長域を種々に設定することも可能である。た
だし、Er添加されたリン酸塩系ガラスコア膜42aの
厚さを2μm以上にすると、Er元素の添加されていな
いコア膜42b、42c及び第2クラッド層43との線
膨張係数の違いから膜にクラックが発生することがある
ため、Er添加リン酸系コア層42aの厚さを2μm以
下にすることが望ましい(図7(d))。
使用したリン酸塩系材料ターゲットは、P2 O5 :6
5.5%、SiO2 :24%、Er2 O3 :0.5wt
%で構成されている。ただし、Er元素以外にもNd、
Pr、Sm、Ce、Ho、Tm、Yb等の希土類元素を
少なくとも1種類含んだものを適宜用いることにより、
増幅する波長域を種々に設定することも可能である。た
だし、Er添加されたリン酸塩系ガラスコア膜42aの
厚さを2μm以上にすると、Er元素の添加されていな
いコア膜42b、42c及び第2クラッド層43との線
膨張係数の違いから膜にクラックが発生することがある
ため、Er添加リン酸系コア層42aの厚さを2μm以
下にすることが望ましい(図7(d))。
【0075】基板40上に形成されたコア膜42aa、
42bb、42cc上に導波路となる部分のマスキング
を行い、CHF3 ガスを用いた反応性イオンエッチング
により、幅3μmのリッジ状の導波路コア42を形成す
る(図7(e))。
42bb、42cc上に導波路となる部分のマスキング
を行い、CHF3 ガスを用いた反応性イオンエッチング
により、幅3μmのリッジ状の導波路コア42を形成す
る(図7(e))。
【0076】この導波路コア42の上には、第1クラッ
ド層41と同じ屈折率を有する膜をスパッタリング法に
より形成し、第2クラッド層43とする。ただし、これ
はスパッタリング法に限定されるものではなく、プラズ
マCVD等の方法を用いてもよい(図7(f))。
ド層41と同じ屈折率を有する膜をスパッタリング法に
より形成し、第2クラッド層43とする。ただし、これ
はスパッタリング法に限定されるものではなく、プラズ
マCVD等の方法を用いてもよい(図7(f))。
【0077】尚、実際に試作した導波路に波長0.98
μmの励起光を入射したところ、波長1.535μmの
蛍光強度は従来のSiO2 系材料に比較して10倍以上
の値を示した。また、波長1.5μmの損失は0.5d
B/cm以下であった。
μmの励起光を入射したところ、波長1.535μmの
蛍光強度は従来のSiO2 系材料に比較して10倍以上
の値を示した。また、波長1.5μmの損失は0.5d
B/cm以下であった。
【0078】また、本実施の形態では、Erを含むリン
酸塩系ガラスからなるコアを導波路コアの中心にのみ配
したが、Er元素を含むリン酸塩系ガラス等の多成分ガ
ラス層とErを含まないSixOyNzガラス層を交互
に多層積層した構造の導波路とすることも可能である。
酸塩系ガラスからなるコアを導波路コアの中心にのみ配
したが、Er元素を含むリン酸塩系ガラス等の多成分ガ
ラス層とErを含まないSixOyNzガラス層を交互
に多層積層した構造の導波路とすることも可能である。
【0079】このSixOyNz材料組織の膜は、プラ
ズマCVD法やスパッタリング法、蒸着法等により形成
することが可能である。
ズマCVD法やスパッタリング法、蒸着法等により形成
することが可能である。
【0080】以上において、Er元素の添加されている
鎖状構造を有するリン酸塩系材料コア部分とEr元素の
添加されていないSiO2 系材料あるいはSixOyN
z組成の材料で構成されるコア部分との積層構造からな
り、かつ、Er元素の添加されているリン酸塩系材料コ
ア部分はコア全体の一部分に限定されているため、 (1) リン酸系材料コア部分には高濃度にEr元素が添加
可能となり、短尺で高利得を有したまま、光ファイバと
の反射及びモード不整合等の結合損失も低い増幅器用導
波路を作製することができる。
鎖状構造を有するリン酸塩系材料コア部分とEr元素の
添加されていないSiO2 系材料あるいはSixOyN
z組成の材料で構成されるコア部分との積層構造からな
り、かつ、Er元素の添加されているリン酸塩系材料コ
ア部分はコア全体の一部分に限定されているため、 (1) リン酸系材料コア部分には高濃度にEr元素が添加
可能となり、短尺で高利得を有したまま、光ファイバと
の反射及びモード不整合等の結合損失も低い増幅器用導
波路を作製することができる。
【0081】(2) リン酸系ガラスの占める領域は、導波
路コアの一部分であり、表面に露出しない構造であるた
め、外部からの水分の影響を受けず、かつ機械的強度の
高い実用に適した増幅器用導波路を作製することができ
る。
路コアの一部分であり、表面に露出しない構造であるた
め、外部からの水分の影響を受けず、かつ機械的強度の
高い実用に適した増幅器用導波路を作製することができ
る。
【0082】(3) リン酸塩系ガラス材料コア部分に高濃
度のEr元素の添加が可能となり、短尺で高利得を有し
たまま、光ファイバとの反射及びモード不整合等の結合
損失も低い増幅器用導波路を作製することができる。
度のEr元素の添加が可能となり、短尺で高利得を有し
たまま、光ファイバとの反射及びモード不整合等の結合
損失も低い増幅器用導波路を作製することができる。
【0083】(4) リン酸塩系ガラス材料の占める領域
は、導波路コアの一部分であり、表面に露出しない構造
であるため、外部からの水分の影響を受けず、かつ機械
的強度の高い実用に適した増幅器用導波路を作製するこ
とができる。
は、導波路コアの一部分であり、表面に露出しない構造
であるため、外部からの水分の影響を受けず、かつ機械
的強度の高い実用に適した増幅器用導波路を作製するこ
とができる。
【0084】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。
な優れた効果を発揮する。
【0085】(1) コアの希土類元素の添加された特定部
分をリン酸系材料で構成すると共に略中心に位置させた
ので、小形で高利得かつ信頼性の高い高利得光増幅器用
導波路を実現することができる。
分をリン酸系材料で構成すると共に略中心に位置させた
ので、小形で高利得かつ信頼性の高い高利得光増幅器用
導波路を実現することができる。
【0086】コアの希土類元素の添加された特定部分を
リン酸系材料で構成し、高屈折率コアの希土類元素の添
加されない部分をSixOyNz組成の材料で構成する
共に略中心に位置させたので、小形で高利得かつ信頼性
の高い高利得光増幅器用導波路を実現することができ
る。
リン酸系材料で構成し、高屈折率コアの希土類元素の添
加されない部分をSixOyNz組成の材料で構成する
共に略中心に位置させたので、小形で高利得かつ信頼性
の高い高利得光増幅器用導波路を実現することができ
る。
【図1】本発明の前提となった高利得光増幅器用導波路
の外観斜視図である。
の外観斜視図である。
【図2】図1に示した高利得光増幅器用導波路の製造方
法を示す図である。
法を示す図である。
【図3】本発明の高利得光増幅器用導波路の一実施の形
態を示す図である。
態を示す図である。
【図4】図3に示した高利得光増幅器用導波路の特長を
説明するための説明図である。
説明するための説明図である。
【図5】図3に示したリング共振器型レーザの製造方法
を示す図である。
を示す図である。
【図6】本発明の前提となった他の高利得光増幅器用導
波路の外観斜視図である。
波路の外観斜視図である。
【図7】図6に示した高利得光増幅器用導波路の製造方
法を示す図である。
法を示す図である。
【図8】光増幅器用導波路の従来例を示す図である。
【図9】図8に示した光増幅器用導波路のA−A線断面
図である。
図である。
11 下部SiO2 系クラッド層(第1クラッド層) 12 コア 12a 希土類元素の添加された特定部分 12b、12c 希土類元素の添加されていない部分 13 上部SiO2 系クラッド層(第2クラッド層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本郷 晃史 茨城県土浦市木田余町3550番地 日立電 線株式会社アドバンスリサーチセンタ内 (72)発明者 大平 健太郎 茨城県土浦市木田余町3550番地 日立電 線株式会社アドバンスリサーチセンタ内 審査官 金高 敏康 (56)参考文献 特開 平4−359230(JP,A) 特開 平3−274272(JP,A) 特開 平6−216439(JP,A) 特開 平6−112555(JP,A) 特開 平5−313034(JP,A) 特開 昭63−21240(JP,A) 特開 昭64−2025(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 3/00 - 3/30 G02B 6/12 G02F 1/35 JICSTファイル(JOIS)
Claims (6)
- 【請求項1】 低屈折率を有する下部SiO2 系クラッ
ド層と、該クラッド層の上に形成され希土類元素が添加
された特定部分を有する高屈折率コアと、該コアを覆う
上部SiO2 系クラッド層とを備えた高利得光増幅器用
導波路において、上記コアの希土類元素の添加された特
定部分のみをリン酸系材料で構成すると共に積層構造と
し、上記コアの一部に湾曲部分を形成し、その湾曲部分
の中心より外側に上記高屈折率コア中の希土類元素の添
加された特定部分を配したことを特徴とする高利得光増
幅器用導波路。 - 【請求項2】 上記高屈折率コア中の希土類元素の添加
された特定部分を、導波路中を伝搬する励起光の界分布
の中心付近に配した請求項1記載の高利得光増幅器用導
波路。 - 【請求項3】 上記高屈折率コアの特定部分を構成する
リン酸系材料中のP 2 O 5 の量を50wt%以上とした
請求項1記載の高利得光増幅器用導波路。 - 【請求項4】 上記高屈折率コアの特定部分以外の領域
は、SiO 2 を主成分とし、Ge、Ti、P等の屈折率
制御用ドーパントを少なくとも1種類は含む材料からな
る請求項1記載の高利得光増幅器用導波路。 - 【請求項5】 上記高屈折率コアの特定部分に添加され
る希土類元素として、Pr、Nd、Er、Ho、Tm、
Sm等を少なくとも1種類含有する請求項1記載の高利
得光増幅器用導波路。 - 【請求項6】 上記高屈折率コアの特定部分には、助成
ドーパントとしてYb、Al、Cr等の元素が少なくと
も1種類含まれている請求項1記載の高利得光増幅器用
導波路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20260795A JP3333666B2 (ja) | 1994-12-05 | 1995-08-08 | 高利得光増幅器用導波路 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6-300693 | 1994-12-05 | ||
JP30069394 | 1994-12-05 | ||
JP20260795A JP3333666B2 (ja) | 1994-12-05 | 1995-08-08 | 高利得光増幅器用導波路 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08213690A JPH08213690A (ja) | 1996-08-20 |
JP3333666B2 true JP3333666B2 (ja) | 2002-10-15 |
Family
ID=26513483
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20260795A Expired - Fee Related JP3333666B2 (ja) | 1994-12-05 | 1995-08-08 | 高利得光増幅器用導波路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3333666B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7283101B2 (en) | 2003-06-26 | 2007-10-16 | Andrew Corporation | Antenna element, feed probe; dielectric spacer, antenna and method of communicating with a plurality of devices |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100442063B1 (ko) * | 2002-01-29 | 2004-07-30 | 주식회사 럭스퍼트 | 상부 증폭방식의 도파로 증폭기 |
JP2004037990A (ja) * | 2002-07-05 | 2004-02-05 | Nec Corp | 光導波路及びその製造方法 |
JP2004095839A (ja) * | 2002-08-30 | 2004-03-25 | Nec Corp | 導波路型光増幅器及びその製造方法 |
US20060078254A1 (en) * | 2004-10-08 | 2006-04-13 | Djordjev Kostadin D | Vertically coupling of resonant cavities to bus waveguides |
JP2006332137A (ja) * | 2005-05-23 | 2006-12-07 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 発光素子 |
JP2019164260A (ja) * | 2018-03-20 | 2019-09-26 | 住友大阪セメント株式会社 | 光変調器 |
-
1995
- 1995-08-08 JP JP20260795A patent/JP3333666B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7283101B2 (en) | 2003-06-26 | 2007-10-16 | Andrew Corporation | Antenna element, feed probe; dielectric spacer, antenna and method of communicating with a plurality of devices |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08213690A (ja) | 1996-08-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6549688B2 (en) | Monolithically-integrated optical device and method of forming same | |
CA2040527C (en) | Rare earth element-doped optical waveguide and process for producing the same | |
EP0415167B1 (en) | An optical amplifier | |
JPH0669570A (ja) | 平面導波路型光増幅器 | |
JPH01260405A (ja) | 光フアイバ及びそれを用いた光学装置 | |
JP3333666B2 (ja) | 高利得光増幅器用導波路 | |
US5185847A (en) | Optical amplifier in the 1.26 μm to 1.34 μm spectrum range | |
US5128801A (en) | Integrated optical signal amplifier | |
US20030002771A1 (en) | Integrated optical amplifier | |
JP3425734B2 (ja) | 光導波路の製造方法 | |
JPH05251796A (ja) | 1.3μm帯光増幅器 | |
CA2035408C (en) | Integrated optical signal amplifier | |
JP2721537B2 (ja) | ガラス導波路 | |
JP3067231B2 (ja) | 光増幅器用光導波路の製造方法 | |
JPH04359230A (ja) | 希土類元素添加光導波路及びその製造方法 | |
EP1306947B1 (en) | Planar lightwave circuit type optical amplifier | |
JP3029303B2 (ja) | マルチファイバ光増幅器およびそれを用いた多心光ファイバの接続構造 | |
JP2859763B2 (ja) | 単一モード伝送用機能性ガラス導波路 | |
JP2003149481A (ja) | 光増幅器集積型導波路 | |
JPH05283770A (ja) | 光信号増幅器 | |
US20040257639A1 (en) | Waveguide optical amplifier | |
JPH11109143A (ja) | 希土類元素添加光ファイバおよびそれを用いた広帯域光ファイバ増幅器 | |
JPH08125257A (ja) | 光増幅装置 | |
JPH05291655A (ja) | プレーナ光導波路形レーザ素子及びレーザ装置 | |
JPH04102806A (ja) | 光導波路及び光増幅器 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |