JP3332927B2 - 直流電流により加熱される冶金容器の底部電極 - Google Patents

直流電流により加熱される冶金容器の底部電極

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐火材によりライニングされている金属外
套を有し、例えばフェロアロイ製造等に用いられ直流電
流により加熱される冶金容器の底部電極に関する。
【0002】 例えば炉、取鍋等の直流により作動される冶金容器
は、棒の形状で冶金容器の中に突出した陰極として形成
されている電極の他に、底部又は底部領域の中の配置さ
れている陽極を有する。このコンタクト装置の役割は、
冶金容器の中にある溶融金属浴の周辺に陰極コンタクト
を形成することにある。陽極として、冶金容器の底部を
貫通案内されている金属棒又は導電性耐火性練り材料す
なわち煉瓦が使用される。例えばドイツ特許出願公開第
DE3107454A1号公報から、リング状又はリング状の部分
区間によって形成された1つの共通の円の上に取鍋の周
辺に沿って配置されている電極用コンタクト装置が公知
である。このコンタクト装置は、陽極の底部の一部とす
ることも可能である導電性挿入部材に接続されている。
【0003】 この文献からみて公知の底部電極では、冶金容器の底
部の一部にのみしか電極が形成されていない。その上、
公知の電極は小型の冶金容器にしか適さない。これは、
底部の熱膨張の補償機構が、とりわけ大型の冶金容器に
は設けられていないからである。
【0004】 電気的に加熱される溶解炉、例えば直流アーク炉の底
部は、ドイツ特許出願第DE3534750C2号明細書からも公
知である。この文献で発明者は、電気的に加熱される溶
解炉の少なくとも中央領域に、電極として用いられる導
電性材料から成る層を設け、その際、高溶融性で非金属
の材料を用いることを提案している。しかし、この文献
からは、電流供給用導電路と導電性底部との間のコンタ
クトをいかにして実現するかに関する教示は得られな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、できるだけ広い面積のコンタクトを
保証し、溶融金属と冶金容器底部の中に設けられている
電極装置との間の電流伝達とが、耐火性ライニングの熱
負荷とは無関係な電流供給用導電路で保証される、直流
電流により加熱される冶金容器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、本発明により請求の範囲第1項の特徴部
分に記載の特徴により解決される。 本発明では、冶金容器(以下、炉容器ともいう)の耐
火性側壁の下方に配置されている底部が導電性材料から
形成されている。この底部の周辺には金属プレートが設
けられ、それぞれの金属プレートは、炉容器から突出し
ている電流棒に接続されている。個々の金属プレートは
順次に並べられて、中心軸線の周りに配置されているコ
ンタクトプレートリングを形成し、該コンタクトプレー
トリングは導電性を有する底部の外壁にしっかりと当接
し、従って、電流を確実に伝達できる。これらの金属プ
レートの内部には、これらの金属プレートに接続されて
いる電流棒が配置され、これらの電流棒は放射状に炉容
器の壁を貫通して外部へ案内され、炉容器の外部で集中
導線に接続されている。耐火材の熱膨張により、有利に
は銅から形成されている金属プレートとの確実なコンタ
クトが実現される。また、前記金属プレートは、気密構
造により腐食から保護されている。
【0007】 炉容器の底部に導電性の耐火材を用いることにより、
溶融金属浴と銅プレートとの間のコンタクトの高い効率
が得られる。全電極を溶融金属浴の下方に配置すること
により、充填度とは全く無関係なコンタクトが得られ
る。これは、生産する金属の種類によって非常に異なる
導電性において、プロセス工学的に明らかに良好に作用
する。底部電極は陽極として接続されており、従って電
流は、熱により発生する溶融金属浴の流れを援助する。
【0008】 本発明の1つの有利な実施の形態では、プレートリン
グのそれぞれの半部が、別個の導電路に接続されてい
る。このようにして、アーク炉の中で電気エネルギーの
伝達が行われるかぎり、冶金容器の中に突出する電極
と、導電性の底部と接触している溶融金属浴との間のア
ークが制御不能に偏向することが防止される。
【0009】 底部電極の材料として、約15%の炭素を含む微細マグ
ネシア煉瓦が提案される。この材料は、熱伝達度が低
く、導電性が高い。その上、溶融金属浴に添加する一連
の金属、とりわけフェロアロイに対して化学的に高い抵
抗度を有する。
【0010】 しかし底部電極として、大きい容積のプレートの形の
炭素煉瓦も使用できる。更に、底部を練り材料から形成
し、金属部材を埋設することによりこの練り材料の導電
性を制御できる。 導電性耐火材から形成されている底部電極は、冶金容
器の耐火性側壁の下方に保護されて配置されている。金
属外套と底部電極との間に減衰及び絶縁部材が設けら
れ、この減衰及び絶縁部材は金属プレートを押圧して、
底部電極の周辺への確実なコンタクトを実現し、その
際、耐火材を破壊しない。
【0011】 電流を耐火性の底部電極から導線へ案内する金属部分
は、金属製の炉容器に対して絶縁されており、これによ
り、炉容器の金属外套を介して電流が流れるのが防止さ
れる。 導線と、金属プレートに接続されている電流棒との間
のいかなる動きも障害無しに受取ることができるよう
に、これらの導線と電流棒を結ぶ接続線は可撓性ケーブ
ルとして形成されている。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の1つの実施の形態を図面を参照しながら説明
する。
【0013】 第1図は冶金容器の断面図、第2図は電流案内部材の
電気回路の概略図である。 第1図は冶金容器(炉容器)10を示し、この炉容器10
の中に、棒状であり陰極として接続されている棒電極21
が突出している。炉容器10は、金属外套11を有し、金属
外套11の内側には耐火性側壁12と耐火性底部13が設けら
れている。耐火性側壁12の直接下に、炉容器10の底部全
面に亘って、導電性の耐火材から製造された底部電極22
が配設されている。第1図の左側の底部電極22は、練り
材料23から形成されている。練り材料23の中にはこの例
では金属部材27が埋設されている。この金属部材27は、
練り材料23からなる底部電極22内で、その周辺へ向かっ
て星状に配置されており、また、底部電極22の周辺へ向
かって増加する金属成分を有している。第1図の右側で
は底部電極22は、湾曲して示され、2つの煉瓦層24及び
28から形成されている。
【0014】 また、第1図の左側に示すように、底部電極22の周辺
には金属プレート25が取付けられている。この金属プレ
ート25は熱膨張による変形を吸収する減衰及び絶縁部材
26を介して金属外套11により支持されている。金属プレ
ート25には電流棒31が固定され、電流棒31は減衰及び絶
縁部材26及び金属外套11を貫通して炉容器10から導出さ
れている。電流棒31は、ガルバニック分離体として電気
絶縁材32を有する。電流棒31は可撓性ケーブル35を介し
て第1の導電体33及び第2の導電体34に接続されてい
る。陰極側の棒電極21及び陽極側の底部電極22は、整流
器36、変圧器37及びチョークコイル38から成る電流エネ
ルギー装置に接続されている。そして、第1図に示すよ
うに、金属プレート25に加えて支持煉瓦14を配設するこ
ともできる。この支持煉瓦14として形成されている耐火
性リングは、減衰及び絶縁部材26と湾曲状の煉瓦層24,2
8からなる底部電極22との間に配設されている。なお、
前記金属プレート25は、銅製である。
【0015】 第2図は、底面電極22に当接している個々の金属プレ
ート25(第1図の左側参照)と、陰極として接続されて
いる棒電極21と、第1の導電体33,第2の導電体34を含
む回路を概念的に示す。上の図面では、個々の金属プレ
ート25は、炉容器11の一方の半部の金属プレート25が電
流棒31を介して第1の導電体33に接続され、他方の半部
が同様の構造で第2の導電体34に接続されている。第2
図の下の図面では、それぞれ隣接する金属プレート25は
第1の導電体33又は第2の導電体34に接続されている。
【符号の説明】
10 冶金容器(炉容器) 11 金属外套 12 耐火性側壁 13 耐火性底部 14 支持煉瓦 21 棒電極(陰極) 22 底部電極(陽極) 23 練り材料 24,28 煉瓦層 25 金属プレート 26 減衰及び絶縁部材 27 埋め込まれた金属部材 31 電流棒 32 電気絶縁材 33 第1の導電体 34 第2の導電体 35 可撓性ケーブル 36 整流器 37 変圧器 38 チョークコイル I 中心軸線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H05B 7/11 H05B 7/11 審査官 後藤 政博 (56)参考文献 特公 昭63−3709(JP,B2) 特公 平8−23475(JP,B2) 特公 昭61−28914(JP,B2) 特公 平7−89027(JP,B2) 特公 平8−8145(JP,B2) 実公 平6−25839(JP,Y2) 特表 平5−502503(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F27D 11/08 F27D 11/10 F27B 3/00 - 3/28 H05B 7/00 - 7/22

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐火材によりライニングされている金属外
    套を有する冶金容器の耐火性側壁の下方に配置され、導
    電性耐火材から形成された、直流電流により加熱される
    冶金容器の底部電極において、 底部電極(22)の周辺を金属プレート(25)により取囲
    み、 個々の金属プレート(25)が、金属外套(11)を貫通し
    て冶金容器(10)から導出されている電流棒(31)に接
    続され、 電流棒(31)及び金属プレート(25)が、金属外套(1
    1)に対して電気絶縁材(32)により電気的に絶縁され
    ていることを特徴とする直流電流により加熱される冶金
    容器の底部電極。
  2. 【請求項2】前記底部電極(22)が、10〜20%の炭素含
    量を有する焼成マグネシア煉瓦から成ることを特徴とす
    る請求の範囲第1項に記載の直流電流により加熱される
    冶金容器の底部電極。
  3. 【請求項3】前記底部電極(22)と金属外套(11)との
    間に、変形を吸収すると共に絶縁性を有する減衰及び絶
    縁部材(26)が設けられていることを特徴とする請求の
    範囲第1項に記載の直流電流により加熱される冶金容器
    の底部電極。
  4. 【請求項4】前記底部電極(22)が湾曲状の底部電極に
    形成されていることを特徴とする請求の範囲第3項に記
    載の直流電流により加熱される冶金容器の底部電極。
  5. 【請求項5】前記底部電極(22)が導電性の耐火性練り
    材料(23)から成ることを特徴とする請求の範囲第1項
    に記載の直流電流により加熱される冶金容器の底部電
    極。
  6. 【請求項6】導電性の耐火性練り材料(23)が、埋め込
    まれた金属部材(27)を含むことを特徴とする請求の範
    囲第5項に記載の直流電流により加熱される冶金容器の
    底部電極。
  7. 【請求項7】金属プレート(25)の数を半分に分割し、
    それぞれの半部が、冶金容器(10)の回りの外側に配置
    された第1の導電体(33)と第2の導電体(34)に接続
    されていることを特徴とする請求の範囲第1項から第6
    項のいずれか1つの項に記載の直流電流により加熱され
    る冶金容器の底部電極。
  8. 【請求項8】前記第1の導電体(33)及び第2の導電体
    (34)が、整流器(36)と変圧器(37)とチョークコイ
    ル(38)とからなる給電装置に接続されていることを特
    徴とする請求の範囲第7項に記載の直流電流により加熱
    される冶金容器の底部電極。
  9. 【請求項9】金属プレート(25)に接続されている電流
    棒(31)と第1の導電体(33)、及び電流棒(31)と第
    2の導電体(34)と、の間に可撓性ケーブル(35)が設
    けられていることを特徴とする請求の範囲第7項に記載
    の直流電流により加熱される冶金容器の底部電極。
  10. 【請求項10】前記底部電極(22)が陽極として接続さ
    れていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の直
    流電流により加熱される冶金容器の底部電極。
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