JP3331831B2 - 消音装置 - Google Patents

消音装置

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JP3331831B2
JP3331831B2 JP21850695A JP21850695A JP3331831B2 JP 3331831 B2 JP3331831 B2 JP 3331831B2 JP 21850695 A JP21850695 A JP 21850695A JP 21850695 A JP21850695 A JP 21850695A JP 3331831 B2 JP3331831 B2 JP 3331831B2
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晴夫 浜田
和喜男 山田
卓也 末藤
健一 矢追
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  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制御音を付加する
ことにより広帯域な騒音を低減する能動消音装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来のディジタル型の能動消音装置の構
成を図12に示す。この消音装置は、騒音源情報検知セ
ンサー24と、制御音源22と、制御状態評価センサー
21、及び制御信号演算部23を有しており、評価セン
サー21の設置点における音圧レベルが最小になるよう
に制御を行うものである。3次元空間においては、評価
センサー21の設置点とその周囲に消音領域が形成され
る。図中、20は騒音源、A/Dはアナログ−ディジタ
ル変換部、D/Aはディジタルアナログ変換部である。
制御信号演算部23は、騒音伝播特性の変化及び制御信
号伝達特性の変化に追随するために適応フィルタが使用
され、このフィルタ係数Wの更新にはFiltered
−X LMSアルゴリズムなどがよく使用される。
【0003】また、騒音源情報検知センサー24を必要
とせず、制御状態評価センサー21のみによる制御構成
として、図11に示すように、制御回路内部で騒音源情
報を推定し消音を行う制御方式も存在するが、消音可能
な騒音が周期性のものや狭帯域なものに限られており、
広帯域なランダム騒音に対しては効果が小さいものとな
ってしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、広帯域
騒音を消音しようとする場合、消音しようとする場所に
設置される制御状態評価センサー以外に、騒音源情報検
知センサーを一般に騒音源の近傍に設置し、制御状態評
価センサーと相関性(コヒーレンス)の高い信号を検知
することが要求される。また、ディジタル演算に伴う制
御時間遅れや制御音源を含む音響伝達特性の遅れ要素が
存在するために両センサーはある一定の距離以上間隔を
開けて設置することが要求される。また、騒音源が複数
種類存在する場合などには、騒音源情報検知センサーを
多く必要とし、制御ハードウェア規模が大きくなるなど
の問題点があった。
【0005】一方、イヤーディフェンダなどに使用され
るアナログ回路による制御では、騒音源情報検知センサ
ーは必要とせず、フィードバック制御により広帯域騒音
を消音するものであるが、制御安定性の問題や、制御系
の時間遅れを小さくするために、制御スピーカとマイク
ロホンを近接させることが必要とされ、そのため形成さ
れる消音領域がイヤーディフェンダと耳介で形成される
極小閉空間のみに限られるなどの問題を有している。
【0006】本発明は、このような点に鑑みてなされた
ものであって、その目的とするところは、騒音源情報検
知センサーを必要とせず、制御状態評価センサーのみで
大きい消音領域を安定に生成できる消音装置を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によれ
ば、上記の課題を解決するために、図1に示すように、
騒音を有する場に設置され騒音場の音響情報を検知する
センサー21と、音波干渉を生じさせ消音を行うための
制御音源22と、センサー21から得られた情報を用い
て所望の制御状態を得るための制御音源22の駆動信号
を生成する演算部23からなる消音装置において、上記
演算部23は制御信号生成部1と適応フィルタ係数生成
部2からなり、制御信号生成部1は、制御音源22から
センサー21までの伝達関数Cを模擬したフィルタ係数
3を有し、これを用いて上記センサー21で得られた音
響情報の中から制御音源22より伝搬した音響信号のみ
を差し引く演算部4と、この演算によって得られる騒音
のみに起因する信号を取り込み適応フィルタ係数生成部
2によって決定されたフィルタ係数5に基づいて制御信
号を生成する演算部6を有し、適応フィルタ係数生成部
2は、上記の騒音のみに起因する信号を予め設定された
異なる特性を有する一個以上N個のフィルタ7を通すこ
とによってN種類のフィルタ通過信号S1、S2、S3
を生成する疑似信号生成部と、このうちの第k番目の通
過信号Skとこの信号を上記制御音源22からセンサー
21までの伝達関数Cを模擬したフィルタ3及びこの後
段に位置する上記N個のフィルタ7に対応するN個の適
応フィルタ8のうちk番目の適応フィルタをカスケード
に通過させることによって生成される信号との差を最小
にするようk番目の適応フィルタ係数8を更新する更新
係数演算部9とを有し、さらにこの演算をN種類の信号
について同様に行うことでそれぞれに更新されたN個の
適応フィルタ係数8の各フィルタ係数のタップごとのN
個の和を含む演算によって制御信号生成部1のフィルタ
係数5を生成する演算部10を有することを特徴とする
ものである。
【0008】次に、請求項2の発明によれば、図9に示
すように、騒音を有する場に設置され騒音場の音響情報
を検知するセンサー21と、音波干渉を生じさせ消音を
行うための制御音源22と、センサー21から得られた
情報を用いて所望の制御状態を得るための制御音源22
の駆動信号を生成する演算部23からなる消音装置にお
いて、上記演算部23は制御信号生成部1と適応フィル
タ係数生成部2からなり、制御信号生成部1は、制御音
源22からセンサー21までの伝達関数Cを模擬したフ
ィルタ係数3を有し、これを用いて上記センサー21で
得られた音響情報の中から制御音源22より伝搬した音
響信号のみを差し引く演算部4と、この演算によって得
られる騒音のみに起因する信号を取り込み適応フィルタ
係数生成部2によって決定されたフィルタ係数5に基づ
いて制御信号を生成する演算部6を有し、適応フィルタ
係数生成部2は、上記の騒音のみに起因する信号を予め
設定された異なる特性を有する一個以上N個のフィルタ
7を通すことによってN種類のフィルタ通過信号S1、
S2、S3を生成する疑似信号生成部と、このうちの第
k番目の通過信号Skとこの信号を上記制御音源22か
らセンサー21までの伝達関数Cを模擬したフィルタ3
及びこの後段に位置する一種類の適応フィルタ8をカス
ケードに通過させることによって生成される信号との差
を最小にするよう一種類の適応フィルタ係数8を更新す
る更新係数演算部9を有し、さらにこの演算をN種類の
信号について同様に行うことで更新された一種類の適応
フィルタ係数8を制御信号生成部1のフィルタ係数5と
して使用することを特徴とするものである。
【0009】請求項3の発明によれば、上記フィルタ7
のうち一つは上記騒音のみに起因する信号をそのまま通
過させるものである。また、請求項4の発明によれば、
上記フィルタ7の全部又は一部が制御対象周波数領域を
複数の帯域に分割する低域通過又は高域通過又は帯域通
過又は帯域阻止フィルタで構成されるものである。さら
に、請求項5の発明によれば、上記帯域通過又は帯域阻
止フィルタが同一周波数帯域を通過又は阻止させる異な
る次数の複数のフィルタで構成されるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について説明する。本発明の消音装置は、図11に示
す従来の適応予測制御による消音装置が狭帯域のランダ
ム騒音にしか対応できない点に鑑みて、適応フィルタ係
数生成部2に複数個のディジタルフィルタ7(図1の消
音装置では、フィルタH1、H2、H3の3個)を設け
て、各フィルタを通過した信号S1、S2、S3のそれ
ぞれについて、従来の適応予測制御による適応フィルタ
係数W1、W2、W3の生成を行い、これらの適応フィ
ルタ係数W1、W2、W3を演算部10により帯域合成
して、制御信号生成部1の適応フィルタ係数W4を得る
ものである。フィルタH1、H2、H3の特性は、例え
ば、図2に示すように、広い帯域を複数の狭い帯域に分
割するような特性となっており、個々のフィルタH1、
H2、H3を通過した信号S1、S2、S3は、それぞ
れ狭帯域のランダム騒音であるから、従来の適応予測制
御により適応フィルタ係数W1、W2、W3の生成を行
うことができ、実施に際しては、従来の適応予測制御に
よる消音装置の適応フィルタ係数生成部を複数用意し、
これらの入力部に適切なデジタルフィルタをそれぞれ設
ければ良い。
【0011】以下、本発明の消音装置の作用について説
明する。本発明の消音装置は、音響情報検知センサー2
1に到達する未来の騒音を予測して制御するものであ
る。まず、センサー21に入力された情報の中から、制
御音源22からセンサー21へ伝達される音響信号を制
御回路内部で減算することにより、騒音源20のみが形
成する騒音情報を生成する。この騒音源20のみに起因
する信号には、騒音源20そのものの特性に依存する情
報と、騒音源20からセンサー21に到達するまでの空
間音響特性の情報が含まれており、この両方が畳み込ま
れた情報として観測される。この信号自身の自己相関性
が強い場合、すなわち、周期性騒音や、狭帯域な騒音、
あるいは空間音響伝達特性に強い共鳴が生じている場合
などは、それらの信号の時間的前後相関性を利用して消
音信号を生成する適応フィルタを構成することが可能で
ある。ところが、この信号が完全白色な場合、すなわち
信号の自己相関が無い場合には、消音信号を生成する適
応フィルタを構成できない。
【0012】本発明においては、自己相関の少ない騒音
源情報信号を用いて、これを予め設定しておいたフィル
タに通すことにより擬似的に自己相関性の高い信号を作
り出し、この信号を基に過去と現在の写像関係を学習
し、現在から未来信号を予測する適応フィルタを構成す
るものであって、例えば、請求項4では、騒音源のみに
起因する音響信号を複数の狭帯域な信号に分割するフィ
ルタを通過させることでそれぞれの狭帯域フィルタを畳
み込んだ自己相関性を有する信号とし、これらの各狭帯
域信号のみが騒音源情報であるとみなして、これらの各
信号を消去するように、それぞれに対応した適応予測フ
ィルタを設け、係数を逐次更新して各狭帯域騒音を消去
可能な係数を学習する。このようにして各帯域に対して
学習した個々の予測フィルタのタップごとの和をとって
帯域を合成し、ランダム騒音に対する予測フィルタとし
て用いることでランダム騒音が予測可能な範囲で消音さ
れる。
【0013】また、請求項2では、各狭帯域信号に対し
て同一の適応予測フィルタを用いて、各帯域信号ごとに
この一つのフィルタ係数を更新する。このようにするこ
とで、どの帯域の信号に対しても消音可能なフィルタ係
数、すなわち過去と現在の写像関係を各帯域において学
習したフィルタ係数が形成され、このフィルタがそのま
ま広帯域ランダム騒音の現在から未来への写像関係に適
用される。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。ま
ず、実施例1を図1及び図2に基づいて説明する。この
消音システムは、請求項1に記載された発明の一実施例
であって、一つの制御音源と、一つの音響情報検知セン
サー、及び制御回路により、広帯域のランダム騒音を消
音するものであり、適応フィルタ係数生成部2は3個の
FIR型適応フィルタを有し、また、それぞれの適応フ
ィルタに対応した騒音のみに起因する信号から疑似信号
を作り出すIIRバタワース型フィルタを構成する異な
る3個のディジタルフィルタを有する。適応フィルタ係
数を更新するアルゴリズムとして、ここでは、LMSア
ルゴリズムを用いている。適応フィルタ係数生成部2の
各フィルタW1、W2、W3は、設定されたディジタル
フィルタH1、H2、H3を通過した自己相関を有する
信号成分を消去可能なフィルタ係数となる。制御信号生
成部1のフィルタ係数W4は、各タップごとの和とし
て、すなわち、W4=W1+W2+W3として、各サン
プリング周期毎に更新され、実空間での広帯域騒音を消
去するフィルタとして作用する。
【0015】ここでは、演算量を考慮して適応フィルタ
の係数更新にLMSアルゴリズムを用いたが、RLS
(又はFTF)アルゴリズムでも良く、演算量は増える
が、むしろこれを用いる方が消音性能の向上となる。ま
た、ここでは、制御信号生成部1のフィルタ係数W4を
W4=W1+W2+W3としたが、W4=(W1+W2
+W3)/3のような構成とすることもできる。
【0016】次に、本発明の実施例2を図1及び図3に
基づいて説明する。本実施例は、請求項1の一実施例で
あって、疑似信号を作り出すディジタルフィルタH1、
H2、H3として特性の異なる3個のくし形フィルタを
使用するものである。それぞれのくし形フィルタは互い
に異なる周波数を通過あるいは阻止し、すべての消音対
象とする周波数を包括するように構成されている。
【0017】次に、本発明の実施例3を図4及び図5に
基づいて説明する。本実施例は、請求項3の一実施例で
あって、制御信号生成部のフィルタ係数を作り出すため
の適応フィルタとして3個の適応フィルタを用い、その
内の一つの適応フィルタの係数更新は疑似信号生成のた
めのディジタルフィルタを用いず騒音のみに起因する信
号を用いている。このようにすることで消音対象とする
騒音信号に対して予測可能なフィルタ係数を生成する従
来型の適応予測制御の利点を併用することができる。
【0018】次に、本発明の実施例4を図1及び図6に
基づいて説明する。本実施例は、請求項4の一実施例で
あって、疑似信号を作り出すディジタルフィルタH1、
H2、H3としてIIRバタワース型フィルタで構成さ
れた低域通過フィルタ(LPF)、帯域通過フィルタ
(BPF)、高域通過フィルタ(HPF)の3個を消音
対象とする周波数領域を包含するように構成している。
【0019】次に、本発明の実施例5を図1及び図7に
基づいて説明する。本実施例は、請求項4の一実施例で
あって、疑似信号を作り出すディジタルフィルタH1、
H2としてIIRバタワース型フィルタで構成された帯
域通過フィルタ(BPF)、帯域阻止フィルタ(BE
F)の2個を消音対象とする周波数領域を包含するよう
に構成している。
【0020】次に、本発明の実施例6を図1及び図8に
基づいて説明する。本実施例は、請求項5の一実施例で
あって、疑似信号を作り出すディジタルフィルタH1、
H2、H3としてIIRバタワース型フィルタで構成さ
れた帯域通過フィルタ(BPF)を2次、4次、8次の
3個の異なる次数で構成されている。同一の周波数帯域
でありながら異なる次数で構成することで、それぞれの
フィルタH1、H2、H3を通過した信号の自己相関性
が異なることとなり、騒音信号の現在から未来への写像
関係に3つの自由度を持つこととなり、帯域通過フィル
タ1個のみを使用する場合に比べて消音性能が向上す
る。このような同一通過帯域を複数の特性の異なるフィ
ルタで構成することは、次数の違いのみでなく、バター
ワース型とチェビシュフ型などのフィルタタイプの異な
るもので構成してもよい。また、帯域通過フィルタだけ
でなく、どのタイプのフィルタに適用しても良い。
【0021】次に、本発明の実施例7を図9及び図2に
基づいて説明する。この消音システムは、請求項2の一
実施例であって、一つの制御音源と、一つの音響情報検
知センサー、及び制御回路により広帯域のランダム騒音
を消音するものであり、適応フィルタ係数生成部2は3
個のFIR型適応フィルタを有し、また、それぞれの適
応フィルタに対応した騒音のみに起因する信号から疑似
信号を作り出すIIRバタワース型フィルタを構成する
異なる3個のディジタルフィルタH1、H2、H3を有
する。適応フィルタ係数を更新するアルゴリズムとし
て、ここでは、LMSアルゴリズムを用いている。適応
フィルタ係数生成部2のフィルタW1は、設定されたデ
ィジタルフィルタH1、H2、H3を通過した自己相関
を有する信号成分を消去可能なフィルタ係数となる。制
御信号生成部1のフィルタ係数W1は、適応フィルタ係
数生成部2のフィルタ係数をそのまま使用する。このフ
ィルタ係数は各サンプリング周期毎に更新され、実空間
での広帯域騒音を消去するフィルタとして作用する。こ
のように構成することで周波数軸上で互いに隣り合う疑
似信号生成フィルタ同士の相互干渉による悪影響が存在
する場合にもその影響を受けない消音信号生成フィルタ
となる。
【0022】ここでは、演算量を考慮して適応フィルタ
の係数更新にLMSアルゴリズムを用いたが、RLS
(又はFTF)アルゴリズムでも良く、演算量は増える
がむしろこれを用いる方が消音性能の向上となる。
【0023】次に、本発明の実施例8を図9及び図3に
基づいて説明する。本実施例は、請求項2の一実施例で
あって、疑似信号を作り出すディジタルフィルタH1、
H2、H3として特性の異なる3個のくし形フィルタを
使用するものである。それぞれのくし形フィルタは互い
に異なる周波数を通過あるいは阻止し、すべての消音対
象とする周波数を包括するように構成されている。
【0024】次に、本発明の実施例9を図10及び図5
に基づいて説明する。本実施例は、請求項3の一実施例
であって、制御信号生成部のフィルタ係数を作り出すた
めの適応フィルタとして3個の適応フィルタを用い、そ
の内の一つの適応フィルタの係数更新は疑似信号生成の
ためのディジタルフィルタを用いず騒音のみに起因する
信号を用いている。このようにすることで消音対象とす
る騒音信号に対して予測可能なフィルタ係数を生成する
従来型の適応予測制御の利点を併用することができる。
【0025】次に、本発明の実施例10を図9及び図6
に基づいて説明する。本実施例は、請求項4の一実施例
であって、疑似信号を作り出すディジタルフィルタH
1、H2、H3としてIIRバタワース型フィルタで構
成された低域通過フィルタ(LPF)、帯域通過フィル
タ(BPF)、高域通過フィルタ(HPF)の3個を消
音対象とする周波数領域を包含するように構成してい
る。
【0026】次に、本発明の実施例11を図9及び図7
に基づいて説明する。本実施例は、請求項4の一実施例
であって、疑似信号を作り出すディジタルフィルタとし
てIIRバタワース型フィルタで構成された帯域通過フ
ィルタ(BPF)、帯域阻止フィルタ(BEF)の2個
を消音対象とする周波数領域を包含するように構成して
いる。
【0027】次に、本発明の実施例12を図9及び図8
に基づいて説明する。本実施例は、請求項5の一実施例
であって、疑似信号を作り出すディジタルフィルタH
1、H2、H3としてIIRバタワース型フィルタで構
成された帯域通過フィルタ(BPF)を2次、4次、8
次の3個の異なる次数で構成している。同一の周波数帯
域でありながら異なる次数で構成することで、それぞれ
のフィルタを通過した信号の自己相関性が異なることと
なり、騒音信号の現在から未来への写像関係に3つの自
由度を持つこととなり、帯域通過フィルタ1個のみを使
用する場合に比べて消音性能が向上する。このような同
一通過帯域を複数の特性の異なるフィルタで構成するこ
とは、次数の違いのみでなく、バターワース型とチェビ
シュフ型などのフィルタタイプの異なるもので構成して
もよい。また、帯域通過フィルタだけでなく、どのタイ
プのフィルタに適用しても良い。
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明においては、空間
の消音位置に設置された制御状態評価センサーの入力信
号のみをもとに、消音対象騒音が広帯域なものであって
も、その信号の成分毎に未来の騒音信号を予測しながら
消音するものであるから、従来のように広帯域騒音を消
音するために必要であった騒音源情報検知センサーを用
いる必要がなく、したがって、多数の騒音源が存在し、
そのすべての騒音源ごとに騒音源情報検知センサーを設
置することが困難である場合や、また、騒音源と空間の
消音領域生成位置が近接しているために十分な制御信号
演算時間を取れず制御システムを構築するのが困難であ
った場合に対しても有効となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1及び実施例2及び実施例4〜
6の消音装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例1及び実施例7で使用するディ
ジタルフィルタの特性を示す説明図である。
【図3】本発明の実施例2及び実施例8で使用するディ
ジタルフィルタの特性を示す説明図である。
【図4】本発明の実施例3の消音装置の構成を示すブロ
ック図である。
【図5】本発明の実施例3及び実施例9で使用するディ
ジタルフィルタの特性を示す説明図である。
【図6】本発明の実施例4及び実施例10で使用するデ
ィジタルフィルタの特性を示す説明図である。
【図7】本発明の実施例5及び実施例11で使用するデ
ィジタルフィルタの特性を示す説明図である。
【図8】本発明の実施例6及び実施例12で使用するデ
ィジタルフィルタの特性を示す説明図である。
【図9】本発明の実施例7及び実施例8及び実施例10
〜12の消音装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施例9の消音装置の構成を示すブ
ロック図である。
【図11】従来の適応予測制御による消音装置の構成を
示すブロック図である。
【図12】従来のFiltered−X型の消音装置の
構成を示すブロック図である。
【符号の説明】 1 制御信号生成部 2 適応フィルタ係数生成部 3 フィルタ係数 4 演算部 5 フィルタ係数 6 演算部 7 ディジタルフィルタ 8 適応フィルタ係数 9 更新係数演算部 10 演算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢追 健一 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電 工株式会社内 審査官 吉川 康男 (56)参考文献 特開 平5−39710(JP,A) 特開 平5−67948(JP,A) 特開 平6−167985(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10K 11/178 F01N 1/06 H03H 17/02 601 H03H 21/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 騒音を有する場に設置され騒音場の音
    響情報を検知するセンサーと、音波干渉を生じさせ消音
    を行うための制御音源と、センサーから得られた情報を
    用いて所望の制御状態を得るための制御音源の駆動信号
    を生成する演算部からなる消音装置において、上記演算
    部は制御信号生成部と適応フィルタ係数生成部からな
    り、 制御信号生成部は、制御音源からセンサーまでの伝達関
    数を模擬したフィルタ係数を有し、これを用いて上記セ
    ンサーで得られた音響情報の中から制御音源より伝搬し
    た音響信号のみを差し引く演算部と、この演算によって
    得られる騒音のみに起因する信号を取り込み適応フィル
    タ係数生成部によって決定されたフィルタ係数に基づい
    て制御信号を生成する演算部を有し、 適応フィルタ係数生成部は、上記の騒音のみに起因する
    信号を予め設定された異なる特性を有する一個以上N個
    のフィルタを通すことによってN種類のフィルタ通過信
    号を生成する疑似信号生成部と、このうちの第k番目
    (1≦k≦N)の通過信号とこの信号を上記制御音源か
    らセンサーまでの伝達関数を模擬したフィルタ及びこの
    後段に位置する上記N個のフィルタに対応するN個の適
    応フィルタのうちk番目の適応フィルタをカスケードに
    通過させることによって生成される信号との差を最小に
    するようk番目の適応フィルタ係数を更新する更新係数
    演算部とを有し、さらにこの演算をN種類の信号につい
    て同様に行うことでそれぞれに更新されたN個の適応フ
    ィルタ係数の各フィルタ係数のタップごとのN個の和を
    含む演算によって制御信号生成部のフィルタ係数を生成
    する演算部を有することを特徴とする消音装置。
  2. 【請求項2】 騒音を有する場に設置され騒音場の音
    響情報を検知するセンサーと、音波干渉を生じさせ消音
    を行うための制御音源と、センサーから得られた情報を
    用いて所望の制御状態を得るための制御音源の駆動信号
    を生成する演算部からなる消音装置において、上記演算
    部は制御信号生成部と適応フィルタ係数生成部からな
    り、 制御信号生成部は、制御音源からセンサーまでの伝達関
    数を模擬したフィルタ係数を有し、これを用いて上記セ
    ンサーで得られた音響情報の中から制御音源より伝搬し
    た音響信号のみを差し引く演算部と、この演算によって
    得られる騒音のみに起因する信号を取り込み適応フィル
    タ係数生成部によって決定されたフィルタ係数に基づい
    て制御信号を生成する演算部を有し、 適応フィルタ係数生成部は、上記の騒音のみに起因する
    信号を予め設定された異なる特性を有する一個以上N個
    のフィルタを通すことによってN種類のフィルタ通過信
    号を生成する疑似信号生成部と、このうちの第k番目
    (1≦k≦N)の通過信号とこの信号を上記制御音源か
    らセンサーまでの伝達関数を模擬したフィルタ及びこの
    後段に位置する一種類の適応フィルタをカスケードに通
    過させることによって生成される信号との差を最小にす
    るよう一種類の適応フィルタ係数を更新する更新係数演
    算部を有し、さらにこの演算をN種類の信号について同
    様に行うことで更新された一種類の適応フィルタ係数を
    制御信号生成部のフィルタ係数として使用することを特
    徴とする消音装置。
  3. 【請求項3】 上記フィルタのうち一つが上記騒音の
    みに起因する信号をそのまま通過させるものであること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の消音装置。
  4. 【請求項4】 上記フィルタの全部又は一部が制御対
    象周波数領域を複数の帯域に分割する低域通過又は高域
    通過又は帯域通過又は帯域阻止フィルタで構成されるこ
    とを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の消音装
    置。
  5. 【請求項5】 上記帯域通過又は帯域阻止フィルタが
    同一周波数帯域を通過又は阻止させる異なる次数の複数
    のフィルタで構成されることを特徴とする請求項4に記
    載の消音装置。
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