JP3331375B2 - 電磁加速プラズマによる溶射方法及び装置 - Google Patents

電磁加速プラズマによる溶射方法及び装置

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JP3331375B2
JP3331375B2 JP2000266351A JP2000266351A JP3331375B2 JP 3331375 B2 JP3331375 B2 JP 3331375B2 JP 2000266351 A JP2000266351 A JP 2000266351A JP 2000266351 A JP2000266351 A JP 2000266351A JP 3331375 B2 JP3331375 B2 JP 3331375B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁加速プラズマ
による溶射方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラズマによる溶射方法は、セラミック
ス、金属、プラスチック等の微粉末状材料を、プラズマ
で加熱し、溶融させて液状微粒子とし、この液状微粒子
をプラズマジェットとともに、固体基材の表面に高速で
衝突させ、基材上にその材料の被膜を形成させる方法で
ある。このようなプラズマ溶射では、その材料微粉末を
基材上に衝突させる速度に限界がある上、プラズマジェ
ットの高密度化にも限界がある。その結果、基材上に形
成される材料の被膜中には空隙が多数存在するため、緻
密な被膜を形成することが非常に難しいという問題があ
る。一方、プラズマジェットを高速化するために、プラ
ズマを電磁加速する方法がレーガン溶射法として知られ
ている。このレールガン溶射法は以下のようにして実施
される。即ち、パルス大電流電源に接続された2本のレ
ール状導体間に導電性を持つ溶射材料を配設し、次いで
スイッチを閉じ、パルス電源からパルス大電流をレール
と導電性溶射材料に投入する。これにより、レールと溶
射材料に囲まれる空間に磁場が発生し、この空間が拡張
される方向にレールと溶射材料がローレンツ力を受け
る。このときレールは強固に固定しておき、溶射材料だ
けを可動状態にしておく。それにより、溶射材料はロー
レンツ力を受けて、加速しながらレール間を移動する。
このパルス大電流投入時に、レールガンは溶射材料を加
熱する効果もあり、それにより溶射材料はプラズマ化さ
れる。この加熱・加速された溶射材料はガン出ロ近傍に
設置した固体基材の表面に衝突し、その固体表面に材料
の皮膜が形成される。このとき、溶射材料を加熱・加速
するプラズマは前述のプラズマ溶射の場合よりも遥かに
高速・高密度であるので、より基材との密着性の高い、
緻密な皮膜を得ることができる。しかしながら、この方
法の場合には、溶射材料にパルス大電流を通電する手法
をとるので、その材料は金属などの導電性材料に制限さ
れるという問題がある。また、その出発溶射材料の形状
は板状のものが一般的であり、そのため、微粉体状のも
のを出発溶射材料とする一般的なプラズマ溶射皮膜と比
較して、溶射皮膜中の粒子サイズがあまり均一にはなら
ない。そのため膜厚に関しても不均一になりやすいとい
う問題がある。さらに、レールガン電極を保持する絶縁
部材が溶射皮膜形成時において、高温のプラズマ流にさ
らされるため、その絶縁部材が溶射皮膜中へ不純物とし
て混入する問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、超高速で高
密度のパルスプラズマを用いる溶射方法であって、金
属、セラミックス、プラスチック等のあらゆる材料に適
用することが可能で、かつ不純物量の低減された材料被
膜を与えるプラズマ溶射方法及び装置を提供することを
その課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成す
るに至った。即ち、本発明によれば、先端が開口し、後
端が電気絶縁体で封止された筒体内における筒体の先端
開口から離れた部分に微粉末状溶射材料をパルス的に供
給する工程と、該微粉末状溶射材料の供給直後に、該筒
体の中心部に該筒体の長さ方向に沿って配設された陽極
と該筒体内壁面との間にパルス電圧を印加するととも
に、該筒体内における前記筒体の先端開口から離れた部
分の溶射材料供給部付近に高温のパルスプラズマを発生
させる工程と、該高温パルスプラズマを該筒体内におい
て前記筒体の先端開口から離れた部分から該筒体開口に
向けて電磁加速させるとともに、該高温パルスプラズマ
により該筒体内に供給された微粉末状溶射材料を溶融さ
せて液状微粒子化させる工程と、該筒体開口から、該溶
射材料の液状微粒子を該電磁加速された高温パルスプラ
ズマとともに筒外へ射出させる工程からなることを特徴
とする電磁加速プラズマによる溶射方法が提供される。
また、本発明によれば、前記の方法を実施するための装
置であって、先端が開口し、後端が電気絶縁体で封止さ
れた筒体からなる陰極と、該筒体の中心部に該筒体の長
さ方向に沿って配設された陽極と、該筒体内における該
先端開口部から離れた部分に微粉末状溶射材料をパルス
的に供給する溶射材料供給装置と、該陽極と該陰極との
間に電圧をパルス的にかつ該微粉末状溶射材料の該筒体
内への供給直後に印加し、前記筒体の先端開口から離れ
た部分の該溶射材料供給部分近傍で発生した高温パルス
プラズマを該筒体内において該筒体開口に向けて電磁加
速させるパルス電源とを備えていることを特徴とする電
磁加速プラズマによる溶射装置が提供される。なお、本
願発明につきまして、依然として不明確、不明瞭な点が
ございましたら、産総研 知的財産部 リエゾン室 工
業推進官 木村(電話0298−61−5285)まで
ご連絡して頂ければ幸いであります。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の電磁加速プラズマを用い
る溶射方法は、その溶射材料が導電体に制限される従来
のレールガン溶射方法とは異なり、その溶射材料が制限
されず、微粉末状のものであれば導電体及び絶縁体を問
わず、どのような材料に対しても適用し得るという有利
な特徴を有する。
【0006】本発明の溶射方法の原理を図面を参照して
説明する。図1は、本発明で用いるプラズマ射出装置
(プラズマガン)の説明断面図を示す。図1(a)は、
筒体の長手方向の断面図、図1(b)は筒体の垂直方向
の断面図を示す。図1において、1は筒体(円筒体)、
2は陽極、3は先端開口、4は電気絶縁体を示す。Pは
パルスプラズマ、Rは磁束を示す。図1は、コンデンサ
バンク(パルス電源)により、陰極を形成する筒体1と
陽極2との間に電圧を印加し、パルスプラズマPが、矢
印Qの方向に流れる電流によって形成される磁束(磁
場)Rによる電磁力により加速されている状態を示す。
筒体1内のプラズマPは、筒体内に形成される磁場Rに
よってローレンツ力を受け、先端開口3の方向に加速的
に移動され、その開口3から高速のプラズマとなって射
出される。この場合、開口3から射出するプラズマの速
度は、通常、2km/秒以上、好ましくは3km/秒以
上である。その上限値は、特に制約されないが、通常、
20km/秒程度である。また、筒体内に形成されるプ
ラズマを加速させる電磁力は1MPa(メガパルス)以
上、好ましくは2MPa以上である。その上限値は、特
に制約されないが、通常、50MPa程度である。
【0007】前記筒体1は、銅やカーボン等の導電体材
料から形成される。その形状は、通常、円筒体である
が、その断面形状が6角形や8角形等の多角形の筒体で
あってもよい。筒体1の内径Dは、1〜10cm、好ま
しくは2〜5cmである。その長さ(絶縁体4の左端面
から開口3の先端面までの長さ)Lは、30〜200c
m、好ましくは40〜80cmである。また、そのL/
D比は、200〜3、好ましくは40〜10である。
【0008】陽極2は、銅や、カーボン等の導電体から
なり、その断面形状は、円形状や、多角形(四角形、6
角形、8角形等)の棒状体等であることができる。その
直径は、通常、1〜5cm、好ましくは1〜2cmであ
る。
【0009】陽極2と陰極1との間に印加する電圧はパ
ルス電圧である。このパルス電圧のピーク電圧は、通
常、3kV以上、好ましくは5kV以上である。その上
限値は、特に制約されないが、通常、30kV程度であ
る。また、そのパルス電圧の印加により生じるパルス電
流は、そのピーク電流で、通常、80キロA(アンペ
ア)以上、好ましくは100キロA以上である。その上
限値は、特に制約されないが、通常、300キロA程度
である。パルス電圧を発生させるための電圧印加時間
は、通常、0.01〜10m秒、好ましくは0.1〜
0.5m秒である。
【0010】本発明においては、筒体1内に微粉末状溶
射材料(以下、単に材料とも言う)をパルス的に供給
し、その供給直後にパルス電圧を印加し、その電圧の印
加により発生するパルスプラズマとともに、その材料を
高速で開口3から筒外へ射出させる。この場合、その先
端開口3から射出する材料の速度は、その材料の種類や
大きさ等により変るが、通常、50m/秒以上、好まし
くは100m/秒以上である。その上限値は、通常、3
00m/秒程度である。
【0011】本発明においては、筒体内への材料の供給
は、パルス的に行われ、その材料の供給開始から供給終
了までの時間は、通常1ミリ〜100ミリ秒、好ましく
は2ミリ〜10ミリ秒である。筒体内への材料供給装置
は、材料を前記短時間において筒体内へ供給し得るもの
であればよく、従来公知の各種のものを用いることがで
きる。このようなものとしては、例えば、電磁バルブを
備えた粉体供給装置や、粉体噴出ノズルを備えた粉体噴
射装置(特開2000−94332号公報等を参照)等
が挙げられる。材料の平均粒径は、通常、1〜200μ
m、好ましくは10〜100μm、より好ましくは30
〜80μmである。材料の供給量は、内径がD(cm)
の筒体の断面積(πD2/4)(cm2)に対する材料の
容積V(cm3)の比[V/(πD2/4)]が、通常、
0.1〜1、好ましくは0.2〜0.6となるような割
合である。
【0012】本発明においては、パルス電圧の印加時期
は、材料の供給直後であるが、その具体的時間は、材料
の供給終了時からパルス電圧印加開始時までの時間の長
さで2〜30m秒、好ましくは3〜6m秒である。
【0013】筒体内におけるパルスプラズマの発生は、
従来公知の各種の方法により実施することができる。こ
のような方法としては、筒体内に、プラズマ発生に必要
な高温の熱量を与えるような方法であればよく、例え
ば、筒体内に導電体の細線(銅細線、ニクロム線等)を
張設しておき、この細線に大電流を流してその細線を爆
発(焼失)させる方法、筒体内で爆薬を燃焼させる方
法、筒体内にレーザ光を照射する方法、筒体内にプラズ
マを投入する方法等がある。本発明においては、プラズ
マ発生のためにプラズマ用のガスを用いるが、このプラ
ズマ用ガスは、常温において気体状を示すガスであれば
よい。このようなガスとしては、アルゴンガス、ヘリウ
ムガス、窒素ガス、キセノンガス、水素ガス等の無機ガ
スが用いられる他、メタン等の有機ガスを用いることも
できる。プラズマ用ガスを筒体内への供給する方法は、
特に制約されず、材料とは別に連続的又は断絶的(パル
ス的)に供給する方法や、材料とともに供給する方法等
がある。プラズマ用ガスの供給量は、内径がDcmの筒
体の断面積(πD2/4)cm2に対するプラズマ用ガス
のモル数M比[M/(πD2/4)]が、0.01〜1
0、好ましくは0.5〜5となるような割合である。
【0014】次に、本発明の方法について、図面を参照
しながらさらに詳細に説明する。図2〜図6は、本発明
のプラズマ溶射装置を用いて行われる工程図を示す。図
2は、パルス電源(コンデンサバンク)の充電工程図を
示す。図3は、材料の供給(噴射)工程説明図を示す。
図4は、パルスプラズマ発生工程説明図を示す。図5
は、材料を含むプラズマの磁気加速工程図を示す。図6
は、材料を含むプラズマを基材表面へ衝突させる工程図
を示す。図2〜図6において、11は材料噴射装置を示
し、12は材料、13は加圧ガス管、14は開閉バルブ
を示す。Wは導電体細線、Pはプラズマ、Sは基板を示
す。図1に示したのと同じ符号は、同じ意味を有する。
【0015】図2に示した状態において、パルス電源
(コンデンサーバンク)15を充電する。充電終了後、
材料噴射装置11に連結する加圧ガス管13に付設され
た開閉バルブ14を瞬時(パルス的)に開閉して加圧ガ
スをその装置11内に導入させ、その装置11内の材料
とともに、筒壁5に形成された透孔10から筒内へパル
ス的に噴射させる(図3)。この場合、材料を筒内へ噴
射させる加圧ガスは、プラズマ用ガスとしても作用す
る。
【0016】次に、その材料の筒内への噴射終了直後に
パルス電源15のスイッチを入れて、筒内に張設されい
る導電体細線Wを焼失させるとともに、その際に発生す
る熱量によってガスはプラズマ化され、高温のパルスプ
ラズマPが発生する(図4)。材料噴出用の透孔10の
位置は、プラズマ発生用の導電体細線付近であればよ
く、導電体細線の前方又は後方、好ましくはやや後方の
位置である。透孔10の位置と導電体細線Wとの距離
は、通常、100mm以内、好ましくは50mm以内で
ある。このようにして発生された高温プラズマPは、筒
体内に形成された電磁力により、筒体の先端開口3の方
向へ加速的に移動するが、その際、筒体内に存在する材
料12を捕集する。この捕集された材料は、その高温プ
ラズマにより溶融されて液状微粒子に変換される(図
5)。材料の液状微粒子を含むパルスプラズマPは、筒
体1の先端開口3から高速度で噴出され、基板Sに衝突
し、その基板表面には、その材料12の被膜が形成され
る(図6)。
【0017】このようにして基板S上に形成された材料
被膜は、先端開口3から射出される材料を含むパルスの
速度が非常に高い速度であることから、空隙を含まず、
非常に緻密性及び密着性の良いものである。しかも、そ
の被膜には、高温プラズマPが電気絶縁材料4と接触す
ることがないので、その電気絶縁材料4に起因する不純
物の混入を生じない。本発明によれば、1回の溶射操作
により、5〜30μmの厚さの材料被膜を形成させるこ
とができる。
【0018】本発明によれば、基材上に対して、導電性
や非導電性の材料の被膜を形成することができる。本発
明の場合、特に、炭化ホウ素(B4C)や、窒素ホウ素
(BN)、炭化タングステン(WC)、モリブデン、タ
ングステン等の高融点材料の緻密でかつ密着性の良い被
膜を基板上に有利に形成させることができる。なお、基
板としては、セラミック基板(シリコン、ガラス、アル
ミナや、金属基板(SUSや、タングステン、モリブデ
ン等)の他、プラスチック基板等が用いられる。
【0019】本発明においては、材料の筒体内への供給
(噴射)はできる限り短時間でかつ安価に行うことが好
ましいが、このための材料供給(噴射)装置の例を図7
及び図8に示す。図7は材料供給装置の分解説明図を示
す。図7において、101は透孔104を有する第1筒
体を示し、102は透孔105を有する第2筒体を示
し、103はその中心部に透孔106を有する蓋体を示
す。第1筒体101は、上部にリード線107、108
が埋設され、それらのリード線107、108の一方の
各端部間には導電体細線109が接続されている。リー
ド線107、108の他方の各端部には、被覆電線11
0、111が接続されている。第1筒体101及び第2
筒体102は、いずれも電気絶縁体(プラスチック等)
で形成されている。また、第1筒体と第2筒体とは、一
体に連結し得るように、その筒壁にはネジ孔が形成され
ている。前記導電体細線は、銅線やニクロム線、タング
ステン線等であることができ、その細線の太さは、直径
で50〜200μm、好ましくは80〜120μmであ
る。また、リード線間に張設される導電体細線1本の数
は1つ又は複数(2〜10本)であることができる。蓋
体103は、板体(円板)部112と、その中心部に立
設された筒体(円筒)部113とからなる。板体部11
2は、大寸法のもので、本発明の装置の固定化手段とし
て用いられる。その大きさは、本発明の装置を適用する
プラズマガン(筒体)の直径よりも大きなものであれば
よい。この板体部112の外周縁部には、ネジ止め用の
透孔114が透設されている。筒体部113の透孔10
6の上端部には、連結間118を介して加圧ガス管11
9が連結される。蓋体103の材質は特に制約されない
が、鉄、しんちゅう等の金属の他、プラスチック、セラ
ミックス等であることができる。
【0020】図7において、115及び117は0−リ
ングを示し、116は機械的エネルギーや熱的エネルギ
ーの印加により破壊可能な透孔封止用材料を示す。
【0021】図8に材料供給装置をプラズマ溶射装置に
対して適用した場合の状態図を示す。図8において、1
21は筒体101と102とを連結させる止めネジを示
し、122は固定用金具を示し、123は蓋体103を
固定用金具122に固定化するための止めネジを示す。
Lは透孔105に充填された粉体を示す。図8におい
て、1は筒体を示し、2は陽極を示し、10はその筒体
1の壁部5に形成した透孔を示す。Aは筒体内に形成さ
れた粉体を噴射出するプラズマ形成用空間を示す。蓋体
103を固定用金具122にネジ止めするには、止めネ
ジの先端を板体部112の周縁部に透設された透孔11
4内に挿通させ、固定用金具122のネジ孔124にネ
ジ止めする。筒体1の下部壁部は、図8に示すように、
平面状に切削されて固定金具122に固定化しやすくな
っている。また、その筒体1の上部壁部は、第1筒体1
01の固定化を容易にするように、平面形状に切削され
ている。
【0022】図7及び図8の装置を用いて筒体1の空間
Aに粉体Lを噴射させるには、加圧ガス管118を介し
て加圧ガスを透孔106内に導入する。次に被覆電線1
10と111との間にパルス電源により高電圧をパルス
的に印加し、導電体細線109に大量の電流を流す。す
ると、導電体細線は、この大量の電流により瞬時に爆発
(焼失)し、その細線の上方近傍に配設されている封止
用材料116は、その際に発生する高温の熱量により瞬
時に焼失して、透孔105は開口する。透孔105が開
口すると、透孔105内に充填されていた粉体Lは、加
圧ガス管119に連絡する加圧ガスの圧力により、その
下方の筒体1の空間A内にパルス的に噴射される。前記
の材料噴射装置によれば、プラズマが発生する以前の空
間又はプラズマが発生している空間に対して、その溶射
材料としての粉末を所定時期にパルス的にかつ効率的に
噴射することができる。また、その1回の噴射量面大量
にすることができる。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。
【0024】実施例1 図2に示す装置を用いて、基板に対する材料の被膜を形
成した。この場合の主要操作条件を以下に示す。なお、
材料12としては、平均粒径が約60μmの微粉末状炭
化ホウ素B4Cを用いた。また、その材料の供給装置1
1としては、図7及び図8に示した構造のものを用い
た。
【0025】(1)筒体1 (i)材質:銅 (ii)内径D:4cm (iii)長さL:40cm (iv)L/D:10 (2)陽極2 (i)材質:銅 (ii)直径:1.5cm (iii)長さ:50cm
【0026】(3)材料供給装置11(図7、図8) (i)封止用材料116:厚さ40μmのポリ塩化ビニ
リデンフィルム (ii)加圧ガスの圧力:8気圧、筒体1内の圧力:0気
圧 (iii)加圧用ガス(プラズマ用ガス):アルゴンガス (iv)銅細線109の太さ:直径100μm (v)銅細線焼失用パルス電源の電圧:1.0kV (vi)電圧の印加時間:200マイクロ秒 (vii)材料Lの供給量:1.0g
【0027】(4)パルス電源15 (i)印加電圧(ピーク電圧):5.9kV (ii)電圧印加時間:300マイクロ秒 (iii)電圧印加開始時期:材料Lの筒内への供給終了
後:4ミリ秒 (5)導電体細線W (i)材質:銅線 (ii)太さ:直径100μm (6)筒体1内の状態 (i)温度(プラズマのピーク温度):約1万℃ (ii)筒体1と陽極2との間のパルス電流(ピーク電
流):100キロA (iii)電磁力:約10MPa
【0028】(7)筒体1の先端開口3 (i)開口からのパルスプラズマの流出速度:2.5m
/秒 (ii)開口からの材料Lの射出速度:2.5km/秒 (8)基板S (i)材質:SUS304(ステンレス) (ii)基板表面上の材料被膜の厚さ:10μm (iii)該被膜の均一性及び緻密性:良好
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、基材上に、各種の微粉
末状材料からなる高品質の被膜を容易かつ効率よく形成
することができる。従って、本発明は、電気・電子分野
における各種材料の被膜を形成する方法として有利に適
用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる溶射装置(プラズマガン)の説
明断面図を示す。
【図2】本発明のプラズマ溶射装置におけるパルス電源
の充電工程を示す。
【図3】溶射装置内への溶射用材料を供給する工程説明
図を示す。
【図4】溶射装置内でパルスプラズマを発生させる工程
説明図を示す。
【図5】溶射装置内でパルスプラズマを電磁加速する工
程説明図を示す。
【図6】溶射用材料を含むパルスプラズマを基板に衝突
させる工程説明図を示す。
【図7】粉体噴射装置の分解説明図を示す。
【図8】粉体噴射装置をプラズマ溶射装置に適用した場
合の状態図を示す。
【符号の説明】
1 筒体(陰極) 2 陽極 3 開口 4 電気絶縁体 5 筒壁 11 材料噴射装置 12 材料 13 加圧ガス管 15 パルス電源 101 第1筒体 102 第2筒体 103 蓋体 109 導電体細線 116 封止用材料 119 加圧ガス管 122 固定用金具 L 材料(粉体)
フロントページの続き (72)発明者 藤原 修三 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術 院物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 北村 順也 大阪府枚方市津田山手2−8−1 株式 会社イオン工学研究所内 審査官 鈴木 正紀 (56)参考文献 特開 平6−76986(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 4/00 B05B 1/24 B05D 1/08 C23C 4/12 H05H 1/42

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端が開口し、後端が電気絶縁体で封止
    された筒体内における筒体の先端開口から離れた部分
    微粉末状溶射材料をパルス的に供給する工程と、該微粉
    末状溶射材料の供給直後に、該筒体の中心部に該筒体の
    長さ方向に沿って配設された陽極と該筒体内壁面との間
    にパルス電圧を印加するとともに、該筒体内における前
    記筒体の先端開口から離れた部分の溶射材料供給部付近
    高温のパルスプラズマを発生させる工程と、該高温パ
    ルスプラズマを該筒体内において前記筒体の先端開口か
    ら離れた部分から該筒体開口に向けて電磁加速させると
    ともに、該高温パルスプラズマにより該筒体内に供給さ
    れた微粉末状溶射材料を溶融させて液状微粒子化させる
    工程と、該筒体開口から、該溶射材料の液状微粒子を該
    電磁加速された高温パルスプラズマとともに筒外へ射出
    させる工程からなることを特徴とする電磁加速プラズマ
    による溶射方法。
  2. 【請求項2】 該パルスプラズマを加速させるための電
    磁力が1MPa以上である請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 請求項1の方法を実施するための装置で
    あって、先端が開口し、後端が電気絶縁体で封止された
    筒体からなる陰極と、該筒体の中心部に該筒体の長さ方
    向に沿って配設された陽極と、該筒体内における該先端
    開口部から離れた部分に微粉末状溶射材料をパルス的に
    供給する溶射材料供給装置と、該陽極と該陰極との間に
    電圧をパルス的にかつ該微粉末状溶射材料の該筒体内へ
    の供給直後に印加し、前記筒体の先端開口から離れた部
    分の該溶射材料供給部分近傍で発生した高温パルスプラ
    ズマを該筒体内において該筒体開口に向けて電磁加速さ
    せるパルス電源とを備えていることを特徴とする電磁加
    速プラズマによる溶射装置。
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