JP3330935B2 - ヘモフィルス・インフルエンザ用アドヘシン−オリゴ糖複合体ワクチン - Google Patents

ヘモフィルス・インフルエンザ用アドヘシン−オリゴ糖複合体ワクチン

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本出願は、1990年12月21日に出願された米国特許出願
第07/631,698号の一部継続出願である。本出願は、この
出願の全体を、参考文献として包含するものである。
本発明は、一般に、ヘモフィルス・インフルエンザ
(Haemophilus influenzae、インフルエンザ菌)に対す
るワクチンに関するものである。特に、本発明は、H.イ
ンフルエンザb型の多糖莢膜のフラグメントに対応する
合成オリゴ糖が、H.インフルエンザのアドヘシンタンパ
ク質に結合されている複合体ワクチンに関するものであ
る。このワクチンは、ヒト、特に幼い乳幼児、あるいは
他の哺乳動物の侵襲性ならびに非侵襲性のH.インフルエ
ンザによる感染に対して使用することができる。
H.インフルエンザ(Hi)は2つのグループ、すなわち
多糖莢膜を有する株と、有さない株に分けられる。莢膜
を有する株は、莢膜と参照用抗血清との血清学的な反応
によって、種々の型の分けられる。a型からf型まで同
定されている。莢膜を有さない株は、どの参照用抗血清
とも反応せず、これらは、型別不能(non−typable)と
して知られている。
Hiは、世界的に見ても、重要な健康上の問題となって
いる。b型株(type bstrain)(Hi b)は、Hiの諸株の
中でも特に毒性が強く、5歳以下の幼児に、髄膜炎、急
性喉頭蓋炎をはじめとする生命を脅かしかねない感染症
をひきおこす。b型の髄膜炎の致死率は、近代的抗生物
質を用いた最高の治療を行った場合でも約5%で、生存
者の25−35%もに、神経学的後遺症が見られる。実際、
b型株によって生じる細菌性髄膜炎は、米国における後
天性の精神遅滞の主因であると特定されている。こうし
た状況にかんがみ、世界保健機構も、Hi bに対する有効
なワクチンの開発を、優先事項としている。
型別不能のHiは、各種の疾患、たとえば、肺炎、菌血
症、髄膜炎、産褥熱、気管支炎、副鼻腔炎、結膜炎、中
耳炎をひきおこす。型別不能のHiは、小児ならびに青少
年の中耳炎全体の約20−40%をひきおこしている。慢性
ならびに反復性の中耳炎の現在の治療では、一般に、抗
生物質が投与される。小児は、感染しても長期的な免疫
が生じないので、多重感染に罹患する可能性がある。
H.インフルエンザに対する真に効果的なワクチンを見
いだすべく、多大な時間、費用、そして努力が費やされ
てきた。Hi bは、幼い乳幼児にとって重大な脅威である
ので、Hi bに対するワクチンは重点的に開発されてき
た。残念ながら、認可されているb型多糖ワクチンは、
Hi bが最も脅威を及ぼしているグループである、18ヵ月
以下の乳幼児に対して有効ではない。
b型の莢膜に対して誘導された抗体が、髄膜炎をはじ
めとする侵襲性のHi bによる感染から個々人を防御する
ことは、長年にわたって知られている。フィンランドに
おける無作為臨床二重盲検では、あるb型多糖ワクチン
が、月齢24ヵ月から72ヵ月の間に免疫感作した小児で
は、症状の出現に、90%有効であることが見いだされ
た。しかし、このワクチンは、18カ月未満の小児に対し
て何ら防御免疫を付与せず、18−23ヵ月の小児では、限
定された免疫を付与するにとどまった。Peltola,et a
l.,N.Engl.J.Med.,310:1561−1566,1984。b型の多糖
は、T細胞非依存性の免疫応答を誘導し、このことが、
おそらく、乳幼児で免疫原性が低い理由である。
こうしたデータにもとづいて、米国では1985年に、3
種のb型多糖ワクチンが認可され、月齢24−60ヵ月の小
児への使用が勧告された。これらのワクチンは、明らか
に重大な問題を抱えている。これらのワクチンは、H.イ
ンフルエンザによる疾患に最も罹患しやすいグループで
ある24カ月未満の小児を適切に防御しないのである。
さらに、多糖が天然の供給源から得られたものである
という事実に関しても、種々の問題がある。精製したと
はいっても、多糖のフラグメントはさまざまな長さを有
しており、したがって、所望されるほどには、特性が調
べられていない。このことから、再現性、ならびに効力
のばらつきをめぐる問題が生じる。また、天然に存在す
る多糖を病原体から単離せねばならないので、製造なら
びにワクチンの使用に際して、安全性を考慮する必要が
ある。
多糖をよりよい免疫原とすべく、さまざまな試みがな
されてきた。多糖、あるいはそのフラグメントは、種々
の免疫原タンパク質、たとえばジフテリアあるいは破傷
風のトキソイドと共有結合されてきた。たとえば、1987
年6月16日にアンダーソン(Anderson)に対して発効さ
れた米国特許第4,673,574号、1989年2月28日にアンダ
ーソン(Anderson)らに対して発効された米国特許第4,
808,700号、1987年11月11日付の欧州特許庁公開第0 2
45 045号、ならびに1984年1月18日付の欧州特許庁公
開第0 098 581号を参照されたい。本発明は、参考文
献として、これらのすべてを包含するものである。
複合体ワクチンのいくつかは、小児、特に幼児で、従
来の多糖ワクチンと比べて高い安全性ならびに免疫原性
を示した。こうしたデータからは、これらの複合体ワク
チンが、T細胞依存性の抗原として機能していることが
示唆される。T細胞依存性の応答は、患者の、より良い
全身的免疫応答を可能とする。米国では、1種の複合体
ワクチンが、月齢15−18ヵ月の乳児用に認可されてお
り、2種の複合体ワクチンが2ヵ月という低月齢の乳児
用として認可されている。
医療従事者が現在使用することのできるワクチンに
は、いくつかの重大な制約がある。まず、現行のワクチ
ンは、Hi b以外の他のHiの感染を防御することができな
い。多糖は、型別不能なH.インフルエンザでは見いださ
れないので、抗多糖抗体は、こうした型別不能の株に対
しては、非防御性である。第二に、現行のワクチンは、
再現性、効力、ならびに安全性に関して問題を生じる。
現在、こうした制約を克服するべく、いくつかの経路
から研究がなされている。一つのアプローチは、Hi b多
糖の合成方法を開発することであった。Hi b莢膜は、下
記の式: で表される、交互に位置するリボース分子とリビトール
の分子がホスホジエステル結合で結合された線状ホモポ
リマーから構成されている。このポリマーは、ポリリボ
シルリビトールホスフェートとして知られており、PRP
と略記される。
天然源から得られるPRPは、粗製の分解多糖で、分子
量も200KDから200,000KDのばらつきがある。
数少ないグループが、小型のPRPオリゴ糖の合成に成
功している。たとえば、本発明に参考文献として包含す
る、1989年6月21日付の欧州特許庁公開第0 320 942
号には、2−20単位の合成PRPオリゴ糖を合成し、そし
て合成されたPRPオリゴ糖を、免疫原タンパク質、特に
破傷風あるいはジフテリアのトキシンあるいはトキソイ
ドと共有結合で結合させることが開示されている。オリ
ゴ糖は、スペーサを介して、タンパク質に結合されてい
る。オリゴマーの生成にあたっては、ホスフィットトリ
エステル合成法が使用されている。本発明に参考文献と
して包含する、1988年8月3日付の欧州特許庁公開第0
276 516号にも、モノマー2−20個の長さの合成PRP
オリゴ糖、その担体タンパク質との結合、ならびにHi b
に対するワクチンとしての複合体の使用が開示されてい
る。オリゴ糖は、オリゴマーの生成に際して、ホスフィ
ットトリエステル合成法を使用することによって生成さ
れている。これらのいずれの方法でも、PRPオリゴ糖の
生成に際しては、溶液型の合成テクニックが使用されて
いる。
本発明に参考文献として包含する、Elie et al.,Rec
l.Trav.CHim.Pays−Bas,108:219−223,1989には、PRPヘ
キサマーの固相合成が開示されている。単位の結合は、
ホスフィットトリエステル法を用い、孔調節ガラス(co
ntrolled−poreglass)を固体支持体として使用するこ
とによって行われている。
合成PRPフラグメントの使用には、天然源から得たPRP
と比べて、有利な点がいくつかある。合成PRPは、化学
的によく調べられており、特性もよくわかっている。ま
た合成PRPの方が品質が優れており、ヒトで副作用を生
じる可能性が低い。合成PRPを使用すると、天然源から
得たPRPに付随していた再現性、効力、ならびに安全性
に関する問題も解決される。さらに、天然に存在するPR
Pは、一般に、タンパク質担体の鎖に沿ってランダムな
箇所で架橋するのに対して、合成PRPは、単一の箇所で
結合させることができるので、望ましくないエピトープ
が生じにくくなる。
こうした研究によって、既存のワクチンはまちがいな
く改善されるものの、そうして生成されたワクチンに
も、まだなお、欠点がある。第一に、PRPの合成は複雑
で、効率も相当低い。したがって、合成方法を改善する
必要がある。第二に、上述の改善は、Hi bに対するワク
チンに限定されるものである。
もう一つのアプローチは、タンパク質に重点を置くも
のであった。現在入手可能なデータのいくつかは、複合
体ワクチンのタンパク質部分と炭水化物部分とが、独立
した免疫原として作用していることを示唆するものであ
る。したがって、免疫原性を増強しようとする際には、
タンパク質成分の選択が重要となる。複合体ワクチン
が、タンパク質成分として、H.インフルエンザから誘導
した免疫原性タンパク質あるいはポリペプチドを有する
方が、「ナンセンス」なタンパク質を有するより望まし
いはずである。
少なくとも一つのグループが、Hi bの外膜タンパク質
を、PRPフラグメントと結合させている。本発明に参考
文献として包含する、1989年10月25日付の欧州特許庁公
開第0 338 265号を参照されたい。この出願には、Hi
bの38ならびに40KDの外膜タンパク質、ならびにその単
離と精製が開示されている。この2種のタンパク質は極
めてよく似ており、ダブレットとして存在するので、タ
ンパク質2(P2)、あるいはタンパク質b/cとして知ら
れている。分子量は、タンパク質を得るのに使用した株
によって異なる。この2種のタンパク質は交差反応性
で、アミノ酸組成が極めてよく似ており、アミノ末端な
らびにカルボキシ末端の配列が同一である。これらのタ
ンパク質は、還元的アミノ化によって、PRPフラグメン
トに結合されている。このPRPフラグメントは、標準的
な方法を使用して、天然に存在するPRPから得られたも
のである。この出願には、担体タンパク質自体が免疫性
を付与している可能性があることが記載されている。
このアプローチにも、ある程度制約がある。外膜タン
パク質は、Hi bの型や特定の型の中の血清型によって異
なる可能性があるのである。Granoff et al.,in S.H.Se
ll and P.F.Wright(ed.),Haemophilus Influenzae:Ep
idemiology,Immunology,and Prevention,New York,Else
vier Biomedical,1982。したがって、特定の外膜タンパ
ク質に基づいたワクチンは、広範囲の病原性H.インフル
エンザ菌に対してはおろか、Hi bのあらゆる株に対して
でさえ、有効でない可能性がある。
他の研究は、ワクチンに、Hiタンパク質ならびにペプ
チドを単独で使用することに研究の重点を置いてきた。
たとえば、本発明に参考文献として包含する、1990年3
月22日付のPCT公開第WO 90/02557号を参照されたい。
この出願には、分子量が約16KDである、抗原的に関連し
た2種のHi外膜タンパク質が開示されている。さらに、
この出願には、外膜タンパク質の関連融合タンパク質お
よびペプチドフラグメント、タンパク質の精製方法、な
らびにその遺伝子工学による製造方法も開示されてい
る。これらは、いずれも、ワクチンの免疫原として有用
であると主張されている。この種のワクチンも、すぐ上
で述べたような欠点を有するものである。
侵襲性ならびに非侵襲性のH.インフルエンザに対し
て、特に、月齢2−6ヵ月の乳児で有効な、安全なワク
チンが緊急に必要とされていることは明らかである。こ
うした理想的なワクチンは、H.インフルエンザの大半あ
るいは全ての株の表面で見いだされる決定基に対する抗
体を誘導することによって、2つのカテゴリーのそれぞ
れの多岐にわたる各種の株に対しても有効となるはずで
ある。
本発明は、既存の技術の制約を克服し、こうした必要
性に応えるものである。本発明は、新規な合成PRPを、
新たに単離、精製したH.インフルエンザのアドヘシンタ
ンパク質に結合したものを提供するものである。
H.インフルエンザに対するワクチンにアドヘシンタン
パク質を使用できることは、極めて望ましいことであ
る。アドヘシンタンパク質は、その機能のしかたからし
て、特定の種類の細菌の各種の株の間で、高度に保存さ
れていると考えられている。これは、アドヘシンタンパ
ク質が、感染過程の最初の工程である細菌の宿主への付
着を、細菌を宿主細胞に結合させることによって媒介す
るタンパク質分子であるからである。このように、アド
ヘシンは、ヘモフィルスのすべての株に(莢膜の有無に
かかわらず)存在することが予想されている。したがっ
て、本発明のワクチンは、Hiの多岐にわたる型ならびに
株に対して有効なはずである。また、アドヘシンタンパ
ク質にもとづくワクチンは、他の外膜タンパク質に基づ
くワクチンより、その外膜タンパク質が誘導される細菌
株に対してであっても、有効なはずである。アドヘシン
タンパク質に対する抗体は、細菌が、宿主動物の組織に
付着するのを阻止するはずである。付着は、Hiによる感
染の最初の工程である。感染をこの時点で阻止すること
は、とりうる最良のアプローチであるはずである。
本発明の新規なPRPも、既存の技術と比べて、各種の
利点を有するものである。本発明の新規なPRPは、天然
源から得たPRPと比べて、よく調べられ、特性もわかっ
ており、さらに、品質も優れている。また、本発明の新
規なPRPは、上述した合成PRPより、さらに効率的に製造
されている。
発明の概要 本発明の目的は、免疫原性オリゴ糖−H.インフルエン
ザのアドヘシンタンパク質複合体ならびにその製造方法
を提供することにある。
本発明の他の目的は、H.インフルエンザから哺乳類を
防御するためのワクチンを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、哺乳類においてH.インフ
ルエンザに対する免疫反応を引き出す方法を提供するこ
とにある。
本発明の別の目的は、精製されたH.インフルエンザの
アドヘシンタンパク質を提供することにある。
本発明の更なる目的は、動物宿主においてH.インフル
エンザに対する抗原反応を引き出すことができる精製さ
れたポリペプチドを提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、精製されたH.インフルエ
ンザのアドヘシンタンパク質の生産方法を提供すること
にある。
本発明の更なる目的は、アドヘシンタンパク質および
誘導されたポリペプチドをコードするDNA、該DNAを含む
ベクター、該DNAまたは該ベクターにより形質転換され
た微生物、ならびに、かかる物質の作製方法を提供する
ことにある。
本発明の更なる目的は、本質的に同数のモノマー単位
を有する合成PRPオリゴ糖からなる組成物ならびに合成P
RPの製造方法を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、合成PRPの製造用中間体
として有用な化合物ならびに該化合物の製造方法を提供
することにある。
本発明の更なる目的および利点は、一部は以下の説明
において示され、一部はこの説明から明らかであり、ま
た、本発明の実施によって習得されるだろう。本発明の
目的および利点は、請求の範囲で特に規定した手段およ
び組合せによって達成されるだろう。
ここに具体化されかつ十分に説明された本発明の目的
を達成するために、本発明は、H.インフルエンザから哺
乳類を防御するワクチンにおいて有用な免疫原性オリゴ
糖−タンパク質複合体を提供する。この複合体はH.イン
フルエンザのアドヘシンタンパク質に結合されたPRPフ
ラグメント(好ましくは、合成オリゴ糖)から構成され
る。好ましくは、オリゴ糖は2〜30個のリボシルリビト
ールホスフェートモノマーを含み、1〜30のかかるオリ
ゴ糖が該タンパク質に結合される。別の態様では、オリ
ゴ糖はアドヘシンタンパク質の活性部位であるポリペプ
チドに結合される。
好ましくは、複合体は次式: 〔式中、mは1〜30、nは2〜30、Rは(CH2)pCH2NH
または(CH2CH2O)pCH2CH2NHCSNHであり、ここでpは1
〜3の整数であり、そしてXはH.インフルエンザのアド
ヘシンタンパク質または該タンパク質の活性部位を含む
そのフラグメントである〕 で表される。
ワクチンは薬学的に許容される担体中に免疫有効量の
該複合体を含むものである。好ましくは、ワクチンはさ
らにアジュバントを含んでいる。ヒトや他の哺乳類への
該ワクチンまたは複合体の投与はT細胞依存性防御免疫
反応を引き出す。
本発明は、さらに、精製されたH.インフルエンザのア
ドヘシンタンパク質ならびに該アドヘシンタンパク質か
ら誘導された修飾タンパク質およびポリペプチド(ただ
し、このような誘導タンパク質およびポリペプチドは該
アドヘシンタンパク質と免疫学的に交差反応性である)
を含むものである。好ましくは、かかる誘導体は該アド
ヘシンタンパク質の1以上のエピトープを含んでいる。
特に好ましい態様では、エピトープが受容体結合部位で
もある。該タンパク質およびポリペプチドは、合成PRP
に結合させずに、ワクチン中で使用することもできる。
一つの好ましい態様において、アドヘシンタンパク質
は約41,000ダルトンの分子量を有する、より小さいH.イ
ンフルエンザ外膜タンパク質である。他の態様では、ア
ドヘシンタンパク質は約47,000ダルトンの分子量を有す
るH.インフルエンザ外膜タンパク質である。
一つの態様において、アドヘシンタンパク質はH.イン
フルエンザバクテリアから精製される。Hi膜を可溶化す
る。この可溶化された物質はアドヘシンタンパク質を含
んでいる。この物質を不溶性の物質から分離し、そして
該タンパク質分子が受容体に結合するのに十分な時間に
わたってアドヘシンタンパク質の受容体と接触させる。
受容体は不溶性の固体支持体に固定させておく。その結
果、該タンパク質が可溶化された物質から分離される。
その後、該タンパク質分子を受容体から遊離させて、精
製された形で該タンパク質を回収する。
別の態様において、本発明のアドヘシンタンパク質お
よび関連ポリペプチドは、好ましくは、遺伝子工学的技
法により調製された組換えタンパク質およびポリペプチ
ドである。それらは、該タンパク質またはポリペプチド
をコードするDNAによって形質転換された適当な宿主細
胞により産生される。
本発明のアドヘシンタンパク質をコードする、単離さ
れたまたは実質的に純粋なDNA配列は次のようにして得
られる。アドヘシンタンパク質の受容体あるいはアドヘ
シンに対する抗体(好ましくは、モノクローナル抗体)
を用いて、H.インフルエンザDNAを含むゲノミックライ
ブラリーをスクリーニングする。ライブラリーはベクタ
ーに機能しうる状態で回収可能に挿入された異なるDNA
配列を含むクローンから構成され、この場合、各ベクタ
ーはDNAのただ1つの配列を含んでいる。モノクローナ
ル抗体または受容体がアドヘシンを産生するクローンを
同定する。こうして、クローンを単離する。好ましく
は、該クローンから外因性のDNA配列を回収する。
本発明は、さらに、例えば単一のまたは複数の突然変
異によって、このDNAから誘導された、単離されたまた
は実質的に精製されたDNAを含むものである。好ましく
は、このようなDNAは高ストリンジェント条件下でゲノ
ミックライブラリーから得られたDNAとハイブリダイズ
するものである。
本発明は、さらに、次式: 〔式中、nは2〜30の整数であり、そしてR1は(CH2)p
CHOまたは(CH2CH2O)pCH2CH2NH2であり、ここでpは1
〜3の整数である〕 で表される合成PRPオリゴ糖を含むものである。
さらに別の態様において、本発明は、本発明の合成PR
Pの製造用中間体として有用な化合物を提供する。それ
は次式: 〔式中、nは2〜30の整数であり、Bnはベンジルであ
り、そしてR2は(CH2)pCH(OR3または(CH2CH2O)
pCH2CH2R4であり、ここでpは1〜3の整数であり、R3
は炭素数1〜4の長さのアルキル基であり、そしてR4
アミノ基に変換し得る基である〕で表される。
この化合物は固相合成により製造される。連鎖開始用
のモノマーは次式: 〔式中、Bnはベンジルであり、そしてMMTrはモノメトキ
シトリチルである〕で表される化合物である。このモノ
マーを固相にカップリングさせ、その後脱トリチル化す
る。得られた脱トリチル化化合物は、次式: 〔式中、Bnはベンジルであり、そしてMMTrはモノメトキ
シトリチルである〕で表される連鎖伸長用のモノマーと
カップリングさせる。その後、得られた化合物を脱トリ
チル化する。希望する長さのオリゴマーが得られるま
で、連鎖伸長(chainelongation)と脱トリチル化工程
を十分な回数繰り返す。その後、連鎖終結(chaintermi
nation)用のモノマーを添加する。連鎖終結用のモノマ
ーは次式: 〔式中、Bnはベンジルであり、そしてR2は(CH2)pCH
(OR3または(CH2CH2O)pCH2CH2R4であり、ここで
pは1〜3の整数であり、R3は炭素数1〜4の長さのア
ルキル基であり、そしてR4はアミノ基に変換し得る基で
ある〕で表される。その後、支持体に結合されたオリゴ
マーのホスホネート基を酸化してホスフェート基を形成
させる。得られた化合物は固体支持体から切り離して回
収する。
その後、この中間体の保護基を水素化によって除去す
る。R2が(CH2CH2O)pCH2CH2R4である場合、これは本発
明の合成PRPをもたらす。R2が(CH2)pCH(OR3であ
る場合には、水素化した化合物をさらに選択的な酸加水
分解にかける。
本発明の好ましい複合体を製造するにあたって、R1
(CH2)pCHOである場合は、還元的アミノ化によって合
成PRPをHiアドヘシンタンパク質とカップリングさせ、
そしてR1が(CH2CH2O)pCH2CH2NH2である場合は、対応
するイソチオシアネートを製造し、次いでこのイソチオ
シアネートをタンパク質とカップリングさせる。
本明細書に組み込まれてその一部を構成する添付の図
面は本発明の一つの実施態様を例示しており、上記の説
明とともに本発明の原理を理解するうえで役立つだろ
う。
図面の簡単な説明 図1は、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によ
る外膜調製物の分析を示す。試料は次のもの(レーン)
を含んでいた:1、クーマシーブルーで染色したヘモフィ
ルス・インフルエンザb型からの全外膜タンパク質調製
物;2、35S標識全外膜タンパク質のオートラジオグラフ
ィー;3、固定化受容体アシアロ−GM1から溶出された35S
標識アドヘシンタンパク質のオートラジオグラフィー;
4、ナンセンス糖脂質の固定化グロボシドから溶出され
た物質のオートラジオグラフィー。矢印はP1とP2の間を
泳動する分子量約41kDのアドヘシンを示す。
図2は、糖脂質受容体アシアロ−GM1に対するヘモフ
ィルスアドヘシンの中和を示す。ヘモフィルス・インフ
ルエンザb型由来の〔35S〕メチオニン標識膜をマウス
血清の連続希釈液とインキュベートしてから、受容体
(0.5μg/ウェル)に結合させた。使用したマウス血清
は、ヘモフィルス膜で免疫しておいた、M−0からM−
4と名づけた5匹のマウスから得た。未感作マウスから
の血清(NMS)を陰性対照として使用した。
図3は、選択したモノクローナル抗体によるアシアロ
−GM1へのヘモフィルス膜結合の阻止を示す。ヘモフィ
ルス由来の〔35S〕メチオニン標識膜をハイブリドーマ
培養物の上清とインキュベートしてから、受容体(0.5
μg/ウェル)に結合させた。Gb4の陰性受容体対照は受
容体リガンド相互作用の特異性を示す。図2で用いたマ
ウス血清(M−2)(希釈率1:500)は強い陽性阻止を
示す。培地はアシアロ−GM1への膜の結合を全く阻止し
ない。2つのクラスの陽性阻止ハイブリドーマが見つか
った。Hib 10は結合の全阻止を示す。Hib 30およびHib
43は部分的(約35%)阻止を示す。Hib 2のような多く
のハイブリドーマ培養物は阻止を示さなかった。結合に
ついて試験したハイブリドーマ培養物はすべてELISAに
おいて膜との陽性反応を示した。2回の反復試験ウェル
間の変動を示すために誤差バーを示してある。
図4は、47kDaのヘモフィルスアドヘシンの同定およ
び特性決定を示す。膜結合を部分的に阻止するモノクロ
ーナル抗体Hib 43は、それが認識するタンパク質の分子
量を同定するためにウエスタンブロットで反応させた。
全細胞は、プロテイナーゼKで処理することなく、また
は試験緩衝液中で溶解する前にプロテイナーゼKで処理
して、あるいは試料緩衝液中で溶解した後にプロテイナ
ーゼKで処理して(左から右へ読む)泳動させた。未処
理は47kDaのタンパク質を同定する。溶解前のプロテイ
ナーゼKによる全細胞の処理は、本来の位置にあるこの
タンパク質の該プロテアーゼに対する感受性を示すもの
である。一方、溶解後のプロテイナーゼKによる処理
は、本来の位置から破壊された後の該プロテアーゼに対
する一般的感受性を示すものである。pMC101で形質転換
されたEschericHia coli XL−1は、Hib 43と反応する4
7kDaのヘモフィルスタンパク質を発現する。この47kDa
タンパク質もXL−1/pMC101全細胞のプロテイナーゼK処
理に対して感受性であった。これらのデータは両宿主に
おける該タンパク質の表面位置を示唆するものである。
図5は、47kDaアドヘシンをコードするヘモフィルス
・インフルエンザb型の領域の制限マップを示す。Hib
43モノクローナル抗体と反応する47kDaタンパク質をも
たらす10.5kbp Eco R1フラグメントを、ヘモフィルスラ
ムダZAP II遺伝子バンクからクローン化した。ベクター
pSK(−)中にこの挿入部を含むプラスミドを誘導する
ために、ヘルパーファージR408を使用した。この10.5kb
pフラグメント内のこのタンパク質をコードしている遺
伝子の位置は矢印により示されている。転写方向もまた
矢印により示され、欠失分析により決定された。太線は
ベクターDNAを示す。
図6は、Hib 47kDaタンパク質を発現するEschericHia
coliの糖脂質結合表現型を示す。E.coli XL−1由来
の、または3と称するpMC101で形質転換されたXL−1由
来の膜の能力を標準結合アッセイにより比較した。連続
希釈液を受容体活性を有する糖脂質から調製した:アシ
アロ−GM1、アシアロ−GM2、スルファチド、または陰性
対照Gb4。XL−1/pMC101は、ヘモフィルスと同様に、こ
れらの受容体に高親和性でもって結合する。
発明の詳細な説明 以下、本発明の目下のところ好ましい態様に詳細に言
及しながら説明を行なう。これらの態様は後述の実施例
とあいまって、本発明の原理を説明するのに役立つであ
ろう。
本発明は、H.インフルエンザに対するワクチンとして
有用な免疫原性オリゴ糖−H.インフルエンザアドヘシン
タンパク質複合体、精製されたH.インフルエンザのアド
ヘシンタンパク質および関連タンパク質ならびにポリペ
プチド、該タンパク質およびポリペプチドをコードする
DNA、該DNAを含有し該タンパク質およびポリペプチドを
産生する宿主細胞、合成PRPオリゴ糖およびその合成に
有用な中間体、ならびにこれらの物質の製造および使用
方法を包含する。
免疫原性複合体 この複合体は、精製H.インフルエンザのアドヘシンタ
ンパク質と化学的に結合したポリリボシルリビトールホ
スフェートフラグメントを含有する。好ましくは、この
PRPフラグメントは合成オリゴ糖である。1から約30、
好ましくは約5から20の天然フラグメントまたは合成オ
リゴ糖が上記タンパク質に結合している。
該フラグメントは、本明細書が包含する教示に適用さ
れた多糖をタンパク質またはポリペプチドに共有結合さ
せる公知の技法で、上記タンパク質に結合させる。ここ
での好ましい技法は還元的アミノ化またはイソチオシア
ネートカップリングである。
任意のアドヘシンタンパク質を使用することができ
る。1つの態様においては、精製アドヘシンタンパク質
はP1またはP2とは別個の、分子量約41,000ダルトンのマ
イナーHi外膜タンパク質である。
また別の好ましい態様では、精製アドヘシンタンパク
質はP1〜P6とは別個の、分子量約47,000ダルトンのHi外
膜タンパク質である。
あるいはまた、このタンパク質をアドヘシンタンパク
質の活性部位であるポリペプチドと置換することも可能
である。ここで用いる「活性部位」という用語は、エピ
トープ(抗原決定基)、またはエピトープであってもな
くてもよいH.インフルエンザ受容体結合部位を意味す
る。ここで使用する「受容体」とは、Hiアドヘシンタン
パク質に結合する高分子である。この高分子は、好まし
くはスフィンゴ糖脂質である。本発明の範囲を制限する
意図はないが、その結合部位はエピトープであると思わ
れる。
PRPフラグメントが天然資源から得たものであれば長
さは様々であるが、好ましくは約8から120単量体のも
のがよい。このようなフラグメントは、例えば先に参照
した欧州特許庁公報第0 338 265号に記述された方法な
どの公知の技法によって得られる。
合成PRPは、ホスホジエステル結合によってリボース
分子とリビトール分子が交互に結ばれた線状ホモポリマ
ーで、下記の式によって表される: ここでnは2から30、好ましくは5〜20である。このよ
うな合成PRPには、本発明による新奇なもののほかに公
知のものも含まれる。例えば、先に述べた欧州特許庁公
報第0 320 942号および第0 276 516号は、本発明の複合
体に使用可能な合成PRPを開示している。
好ましくは、合成PRPは下記の式で表される化合物で
ある: ここでnは2から30の整数で、R1は(CH2)pCHOまたは
(CH2CH2O)pCH2CH2NH2であり、pは1から3の整数で
ある。好ましくは、nは5〜20で、pは1である。合成
PRPは、対イオンを伴う。好ましくは、対イオンはナト
リウム(Na+)である。
合成オリゴ糖は通常、それによってタンパク質に結合
する化学的スペーサーまたはリンカーを含有する。この
ようなスペーサーは、PRPとタンパク質を結びつける役
割を果たし、これは複合体が投与されたときに動物宿主
に与える副作用が制限されているか、または無い化学結
合であればいかなるものでもよい。このようなスペーサ
ーには、本発明による新規なスペーサーのほかに、公知
のものも含まれる。公知のスペーサーには、先に述べた
欧州特許庁公報第0 320 942号および第0 276 516号に開
示されているもの、ならびに1989年5月16日にMarburg
らに許可された米国特許第4、830、852号に開示されて
いるものが含まれる。この米国特許は、参考として本明
細書中に組み入れる。好ましくは、化学的スペーサーは
下記の式によって表される成分である: ここでRは(CH2)pCH2NHまたは(CH2CH2O)pCH2CH2NHC
SNHで、pは1〜3の整数、好ましくは1である。
本発明の最も好ましい態様において、複合体は以下の
式によって表される: ここでmは1〜30、nは2〜30,Rはpが1〜3の整数で
ある(CH2)pCH2NHまたは(CH2CH2O)pCH2CH2NHCSNH、
およびXはH.インフルエンザのアドヘシンタンパク質ま
たはその活性部位を含有するそのタンパク質フラグメン
トである。好ましくは、mは5〜20、nは5〜20、およ
びpは1である。上記の式中、記号Xは以下に論じるあ
る種の誘導または修飾タンパク質またはポリペプチドを
も表すことがある。複合体は対イオンを伴なう。好まし
くは、このイオンはNa+である。
アドヘシンタンパク質 本発明はさらに精製されたH.インフルエンザのアドヘ
シンタンパク質を包含する。本明細書中で用いる「精製
された」という用語およびその関連用語は、そのタンパ
ク質が重量で少なくても95%の純度、好ましくは重量で
少なくても98%純粋、そして最も好ましくは重量で少な
くても99%の純度であることを意味する。このタンパク
質は、以下のものからなる群から選択される受容体に結
合する。すなわち、フコシルアシアロ−GM1、アシアロ
−GM1、およびアシアロ−GM2で、これらはすべてGalNAc
(β1−4)Gal(β1−4)Glc(β1−1)Cerと略
記されるN−アセチルガラクトサミン(β1−4)ガラ
クトース(β1−4)グルコース−(β1−1)セラミ
ドという構造を有する。
ある好ましい態様においては、このタンパク質はSDS
−PAGEによって測定された分子量が約41KDのマイナーな
外膜タンパク質である。このタンパク質は、Hiについて
同定された種々の主要な外膜タンパク質から識別可能で
ある。特に、このタンパク質は、P1およびP2として知ら
れている外膜タンパク質のポリアクリルアミドゲル上の
バンドの間に、それらよりも薄い1本のバンドとして現
れる。図1を参照されたい。
この精製Hiアドヘシンタンパク質は好ましくは天然資
源から次のようにして調製される。Hi細菌膜を標準的方
法によって得て、これを可溶化剤(例えば界面活性剤)
を用いて可溶化する。好ましくは、膜を界面活性剤と混
合し、混合物を超音波処理する。最も好ましい可溶化剤
は、約1.0%から約1.5%、好ましくは約1.3%のオクチ
ルグルコピラノシドを含有する溶液である。アドヘシン
タンパク質は可溶化された物質の中に存在する。残りの
膜由来の不溶性物質は、好ましくは遠心により分離され
る。
上清液を、不溶性固体支持体またはマトリックス(例
えばマイクロタイターウエルまたはゲル)に付着させた
受容体(該タンパク質と結合する)と一定時間、タンパ
ク質が受容体と結合するのに十分な条件下で接触させ、
タンパク質を他の物質から分離する。アドヘシンタンパ
ク質の好ましい受容体は、フコシルアシアロ−GM1、ア
シアロ−GM1、アシアロ−GM2である。これらの受容体
は、参考としてここに組み入れるKrivanら、Proc.Natl.
Acad.Sci.USA,85:6157−6161(1988)に開示されている
手順にしたがって調製することができる。最も好ましい
受容体であるアシアロ−GM1は、市販もされている。こ
れらの受容体のすべては、炭水化物配列GalNAc(β1−
4)Gal(β1−4)Glcを含有し、したがってアドヘシ
ンタンパク質の精製のための受容体としても使用可能で
ある。この配列は、標準的炭水化物合成方法を用いて調
製することができる。
次に、アドヘシンタンパク質を適切な溶離剤を用いて
溶離する。溶離剤は溶液中の遊離受容体、SDS溶離緩衝
液、またはKSCN、塩化ナトリウムまたは塩酸グアニジン
のようなカオトロピック剤でありうる。溶離したタンパ
ク質を次に受容体に対して試験し、そのタンパク質が受
容体と結合することを確認する。単離されたタンパク質
の純度をSDS−PAGEによって分析する。一般に、最も好
ましい受容体を用いたアフィニティー精製後、タンパク
質の純度は約99%となろう。
大量のアドヘシンタンパク質の精製には、クロマトグ
ラフィーが好ましい。受容体は疎水性ゲル支持体、例え
ばオクチルアガロースなどに固定する。このマトリック
スは、HirabayasHiらが他の糖脂質について記述してい
るように、塩の存在下で受容体を疎水性ゲルに吸着させ
て調製する。HirabayasHiら、J.Biochem.,94:327−330
(1983)を参考としてここに組み入れる。糖脂質アフィ
ニティーマトリックスの調製には光活性化可能なヘテロ
二官能性架橋剤もまた使用されてきた。Lingwood,C.,J.
Lipid Res.,25:1010−1012(1984)を参考としてここに
組み入れる。この場合、受容体活性脂質はゲル支持体に
共有結合で架橋される。次に、タンパク質を溶離する前
に、好ましくはカラムを適切な緩衝液、例えばTMS緩衝
生理食塩水で徹底的に洗浄する。
より好ましい方法は、アドヘシンを、標準的方法で調
製された抗アドヘシンモノクローナル抗体を用いるアフ
ィニティークロマトグラフィーによって精製することで
ある。この場合、抗体は臭化シアンまたはスクシンアミ
ドエステルによって活性化されたアガロースゲル(Affi
−Gel,BioRad Inc.)、または当業者に知られている他
の方法によって活性化されたそれに共有結合される。超
音波処理抽出物は上記のようにゲルの上に置く。
別の好ましい態様においては、アドヘシンタンパク質
は分子量約47,000ダルトンのH.インフルエンザ外膜タン
パク質を含有する。このタンパク質は、分子量に基づい
て、またこのタンパク質は外膜タンパク質であるのに対
しP1〜P6は統合された(integral)膜タンパク質である
という事実に基づいて、公知のHiタンパク質P1〜P6から
区別可能である。このタンパク質はまた先に述べた受容
体およびスルファチド[SO3 -−ガラクトース(β1−
1)セラミド]と結合し、1%サルコシル(Sarkosyl)
(N−ラウロイルサルコシン)に可溶性である。
このタンパク質は、好ましくは以下のようにして精製
された形で調製する。膜結合タンパク質を除去し、アド
ヘシンタンパク質と共に他の膜結合タンパク質をも含有
する抽出物を生成する溶液を使用して、Hi膜を抽出す
る。好ましくは、この溶液は非イオン性界面活性剤、例
えばサルコシルまたはオクチルグルコピラノシドなどで
ある。不溶性物質は、好ましくは遠心にかけて、抽出物
から分離する。これによって、アドヘシンタンパク質を
含有する上清液が生成される。次に、この上清液をアド
ヘシンタンパク質を認識するモノクローナル抗体と接触
させる。抗体は不溶性固体支持体に結合させておく。こ
の接触は、一定時間、アドヘシンタンパク質がモノクロ
ーナル抗体に結合するのに十分な標準的反応条件の下で
行なう。好ましくは、固体支持体はクロマトグラフィー
のカラムに使用される物質である。次に、アドヘシンタ
ンパク質を抗体から除去し、それによってタンパク質が
精製された形で回収される。好ましくは、非イオン性界
面活性剤溶液は、上清液をアフィニティークロマトグラ
フィーにかける前に上清液から除去する。このような除
去は、好ましくは上清液を透析し、実質的に界面活性剤
を含まない透析物を得ることによって達成される。
モノクローナル抗体は、本明細書に記載の教示が与え
られれば、標準的技法によって調製可能である。このよ
うな技法は、例えば1981年6月2日にWandsらに許可さ
れた米国特許第4,271,145号および1980年4月1日にKop
rowskiらに許可された米国特許第4,196,265号に開示さ
れており、両特許は参考としてここに組み入れる。要約
すると、Hi膜を用いてマウスに免疫性を与える。このマ
ウス由来の脾臓細胞とミエローマ細胞を融合してハイブ
リドーマを調製する。融合産物をスクリーニングしてHi
膜と結合する抗体を産生するものを探す。次に陽性クロ
ーンをスクリーニングして、Hi膜との結合がHiアドヘシ
ン受容体によって阻止されるものを同定する。陽性ハイ
ブリドーマクローンを単離し、それらのクローンからモ
ノクローナル抗体を回収する。
DNA 本発明のアドヘシンタンパク質は遺伝子工学の技術に
よって産生されることが好ましい。この場合、アドヘシ
ンタンパク質はこのタンパク質をコードするDNAによっ
て形質転換された適切な宿主細胞によって産生される。
本発明のDNAは、先に述べた受容体と結合するタンパ
ク質またはポリペプチドをコードする単離されたまたは
実質的に精製されたDNA配列(すなわち、ポリデオキシ
リボヌクレオチド)である。本明細書中に使用する「単
離された」という用語およびその諸変形は、このDNAが
普通Hiアドヘシンタンパク質に付随する他のタンパク質
またはポリペプチドをコードするDNAから分離されてい
ることを意味する。したがって、本発明のDNAはプラス
ミドのなどの微生物ベクターまたはバクテリオファージ
が有するようなウイルスベクターにクローン化された
時、もしそのようなクローンが普通Hiアドヘシンタンパ
ク質に付随する他のタンパク質またはポリペプチドをコ
ードするDNAを含有するクローンから単離されているな
らば、上記のタンパク質またはポリペプチドをコードす
るDNAを含む。ここで用いる「実質的に純粋な」という
表現またはその諸変形は、そのDNAが本発明のタンパク
質またはポリペプチドをコードしないDNAおよびRNAを実
質的に含まないことを意味する。すなわち、本発明のDN
Aを含有するいかなる試料においても、他のDNAおよびRN
Aは重量で約1%以下、好ましくは約0.2%以下しか含ま
れていない。
好ましくは、本発明のDNAは、アドヘシンに対する受
容体またはモノクローナル抗体のいずれかを用いて、H.
インフルエンザDNAを含有する適切なゲノムライブラリ
ーをスクリーニングして得られる。このようなライブラ
リーは、単一種類の微生物[一般的には大腸菌K12(XL
−1)などの細菌]の複数のコロニーを含有する。この
微生物には、一般的にこれと適合するプラスミド、コス
ミドまたはファージベクターに組み込むことにより、複
数の外来DNAが挿入されている。より詳細には、上記ラ
イブラリーはDNAの異なる配列が機能しうるようにかつ
回収可能な状態で挿入されている複数のベクターのクロ
ーンを含有する。この各ベクターはDNAの1配列のみを
含有する。これらのベクターは、プラスミド、コスミ
ド、ファージミドまたはファージゲノムでありうる。使
用するライブラリーのタイプにより必要であれば、DNA
のセグメントを適切な条件下でそれが発現されるような
方法で(すなわち、適切な方向と正しい読み枠で、かつ
RNAポリメラーゼ結合配列およびリボソーム結合配列を
含む適切な発現配列をもたせて)ベクターに挿入してお
くことも可能である。微生物はアドヘシンタンパク質を
発現しないもの、例えば大腸菌HB101などである。
上記ライブラリー由来のクローンを受容体または抗体
と接触させ、結合するクローンを同定する。これらのク
ローンを単離し、それらの1つから外来DNA配列を回収
する。好ましくは、この配列が上記タンパク質をコード
するかどうかを決定するために調べる。
好ましくは、このゲノムライブラリーは、ファージ、
特にバクテリオファージラムダによって感染させたバク
テリア、例えば大腸菌よりなる。ファージに感染したバ
クテリアによって生成されたプラークを、モノクローナ
ル抗体を用いてスクリーニングし、アドヘシンタンパク
質を産生するバクテリアを含有するプラークを同定す
る。このスクリーニングは、プラークをモノクローナル
抗体と接触させ、標準的技法を用いて結合が起こったか
どうかを 決定することを含む。好ましくは、イムノアッセイが用
いられる。
この好ましい態様においては、次に陽性プラークを精
製し、標準的技法によりヘルパーファージを用いて精製
プラーク内のバクテリアにプラスミドの形成を誘導する
ことによって、陽性クローンを単離する。
またこれに代わる好ましい態様においては、Hiアドヘ
シンタンパク質をコードするDNAを含有するコロニー
を、参照としてここに組み入れるOlsvickら、29tHiCAA
C,Houston,Tex.1989にしたがって、DYNAビーズ(Bead
s)を用いて検出することも可能であろう。先に記述し
た受容体はトシル化DYNAビーズM280に架橋され、次にこ
れらの受容体含有ビーズはアドヘシンタンパク質を発現
するコロニーを吸着するのに使用されるであろう。アド
ヘシンを発現しないコロニーは洗浄によって除去され、
適切な富化が達成されるまでこのプロセスが繰り返され
るであろう。次に、推定上のアドヘシン発現コロニーを
プレートし、各コロニーを35S−メチオニンで代謝標識
し、前述のように受容体と結合する能力を試験すること
によって確認されるであろう。数個の付着クローン由来
のDNAが、共有配列を同定するために比較され、これら
共有配列はさらにサブクローン化されて特徴づけられる
であろう。
また別の好ましい態様においては、特定病原体の非付
着性突然変異体を構築することによって、特定のアドヘ
シンの遺伝子がその位置を突き止められ、同定されるで
あろう。これは、参照としてここに組み入れるManoil
ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82:81129−81133(1985)
に記述されているようにTnPhoAなどのような転位因子を
用いて突然変異体を創製することによって達成されよ
う。アルカリンフォスファターゼ陽性突然変異体は輸出
された(exported)タンパク質内での突然変異を示すで
あろう。各病原体のアドヘシンは膜の外膜に位置し、そ
のため輸出されているので、この突然変異体のセット
は、突然変異体のサブセットのかなり減少したものを含
有するであろう。それらは次に結合活性の喪失について
スクリーニングされるであろう。
当業者には、Hiアドヘシンタンパク質のDNA配列は、
ここに開示する教示にかんがみて公知技術によって改変
され得ることが認識されるであろう。例えば、元のコド
ンがコードしていたのと同じアミノ酸をコードする異な
るコドンに置き換えることが可能である。あるいはま
た、置き換えられたコドンが、タンパク質の免疫原性に
影響を及ぼさない、またはその免疫原性を向上させる異
なるアミノ酸をコードすることも可能である。例えば、
単一または複数の変異を創製するオリゴヌクレオチド特
異的、部位特異的突然変異誘発または他の技術が使用で
きる。すなわち、ここに参照として組み入れるBotstein
およびShortle,“Strategies and Applications of In
Vitro Mutagenesis,"Science,229:1193−1210(1985)
に記述されているような置換、挿入、欠失、および転位
などである。これらの改変DNAは、公知技術を本明細書
が含有する教示に応用すると得ることができるので、本
発明の特許請求範囲内にある。
さらに、当業者には、本発明のDNA配列(またはその
フラグメント)を、中程度から高いストリンジェンシー
の条件下でこれとハイブリダイズする他のDNA配列を当
業界で公知の一般的技術を用いて得るために使用できる
ことが認識されるであろう。したがって、本発明のDNA
はこのようなDNAを包む。
本発明のDNAは、発現ベクターを構築するために公知
技術にしたがって使用され、本明細書に含有される教示
を考慮して適切に改変されうる。次に、構築された発現
ベクターは、本発明のアドヘシンの発現と産生のために
微生物を形質転換するのに使用される。このような技術
には、米国特許第4、440、859号、1984年4月3日にRu
tterらに付与;第4、530、901号、1985年7月23日にWe
issmanに付与;第4、582、800号、1986年4月15日にCr
owlに付与;第4、677、063号、1987年6月30日にMark
らに付与;第4、678、751号、1987年7月7日にGoedde
lに付与;第4、704、362号、1987年11月3日にItakura
らに付与;第4、710、463号、1987年12月1日Murrayに
付与;第4、757、006号、1988年7月12日にToole,Jr.
らに付与;第4、766、075号、1988年8月23日にGoedde
lらに付与;および第4、810、648号、1989年3月7日
にStalkerに許可、に開示された技術が含まれる。これ
らの米国特許はすべて参照としてここに組入れてある。
本発明のDNAは、適切な宿主細胞に導入するために、
様々な他のDNA配列に連結することできる。相手となるD
NAは宿主細胞の性質によって決まるであろう。また、DN
Aの宿主細胞への導入方法、およびエピソームの維持ま
たは取組みが望ましいかどうかも宿主細胞の性質によっ
て決まるであろう。
一般的に、本発明のDNAはプラスミド等の発現ベクタ
ーに発現のための適切な方向で、かつ正しい読み枠に挿
入される。必要であれば、DNAを、所望の宿主によって
認識される適切な転写および翻訳調節ヌクレオチド配列
に結合してもよい。このような調節配列は一般に発現ベ
クターに備わっているものであるが。次に、ベクターを
標準的技法により宿主に導入する。
一般的に、すべての宿主がベクターによって形質転換
される訳ではない。したがって、形質転換宿主細胞を選
択する必要があるだろう。1回選択技法は、発現ベクタ
ーに任意の必要な調節エレメントと共に、形質転換細胞
中の選択可能な特性(例えば抗生物質耐性)をコードす
るDNAを組み込むことを含む。あるいはまた、このよう
な選択可能な特性の遺伝子が別のベクター上にあること
も可能で、このベクターは所望の宿主細胞を同時形質転
換するのに使用される。本発明に使用される好ましい発
現ベクターは、プラスミドpMC101である。好ましい宿主
細胞は大腸菌である。
形質転換宿主細胞は、本発明のタンパク質またはポリ
ペプチドを発現する。このような細胞は公知の技法によ
って培養され、タンパク質またはポリペプチドは公知の
技法によって回収される。使用する宿主と発現系によ
り、本発明の組換えタンパク質およびポリペプチドは、
形質転換宿主細胞によって産生される融合タンパク質の
1部分であることもある。このようなタンパク質は公知
の技法により回収し、所望されない部分は公知の技法に
より除去することができる。あるいはまた、その融合タ
ンパク質自体が組換えタンパク質またはポリペプチド単
独よりも免疫原性が強い場合があり、そのためそれ自体
でワクチンに使用されることもある。
所望であれば、本明細書に記載の発見および教示にし
たがって変更し、応用した標準的タンパク質精製技法を
使って、アドヘシンをさらに精製することができる。こ
のような技法には、電気泳動、遠心分離、ゲル瀘過、沈
殿、透析、クロマトグラフィー(イオン交換クロマトグ
ラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、免疫吸
着剤アフィニティークロマトグラフィー、逆相高速液体
クロマトグラフィーおよびゲル浸透高速液体クロマトグ
ラフィーを含む)、等電点電気泳動、およびこれらの変
形あるいは組合わせが含まれる。
これらの技法の1つまたはいくつかを、物理的または
化学的特徴により分子を分離するために考案された手順
において連続的に採用する。これらの特徴には、タンパ
ク質の疎水性、電荷、結合能力、および分子量が含まれ
る。各技法により得られた物質の種々の画分について、
アドヘシン受容体と反応する能力を試験する。
次に、そのような活性を示す画分を連続手順の中の次
の技法にかけ、新しい画分を再度試験する。このプロセ
スは、受容体に反応する唯一の画分が残り、そしてその
画分がポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけると単一
バンドを示すまで、繰返される。
好ましい技法には、参照としてここに組み入れる1984
年5月1日にChuらに付与された米国特許第4、446、12
2号により同定され記述されているものが含まれる。好
ましくは、アドヘシンは受容体アフィニティークロマト
グラフィーまたはモノクローナル抗体アフィニティーク
ロマトグラフィーによって精製される。
修飾アドヘシン 本発明のアドヘシンは、公知のタンパク質修飾技法に
よって修飾することができる。このような修飾には、タ
ンパク質を少なくとも1個の活性部位を含む複数のフラ
グメントに分割すること、1個またはそれ以上のアミノ
酸のタンパク質またはそのフラグメントへの付加、置換
または削除が含まれる。好ましくは、このような誘導タ
ンパク質またはポリペプチドは、Hiアドヘシンタンパク
質に対して免疫学的に交差反応性であり、したがって動
物宿主においてH.インフルエンザへの抗原応答を引き出
すことが可能である。最も好ましくは、このような誘導
タンパク質またはポリペプチドもまた、フコシルアシア
ロ−GM1、アシアロ−GM1、およびアシアロ−GM2からな
る群より選択されるH.インフルエンザ受容体と結合する
(本明細書中に使用する「ポリペプチド」という用語
は、しばしばペプチドと呼ばれるアミノ酸のより短い鎖
をも含む。)。このような修飾は、タンパク質の免疫原
性を増強することもあるし、またはそのような活性に何
ら影響を及ぼさないこともある。修飾技法には、参照と
してここに組み入れる1985年7月2日にStevensに付与
された米国特許第4,526,716号に開示されているものが
含まれる。
本発明のタンパク質は、その免疫原性にとって必要で
はない1つまたはそれ以上のアミノ酸配列を含むことが
ある。例えば、抗原の特定エピトープのアミノ酸配列の
みが免疫原性活性にとって必要だ、という場合もある。
不必要な配列は当技術分野で周知の技法によって除去す
ることができる。例えば、不必要なアミノ酸配列は、ト
リプシン、パパイン等の酵素または関連タンパク質分解
酵素を用いた限定タンパク質加水分解により除去するこ
とができる。
この後の方法は、本発明のアドヘシンタンパク質には
特に有用であると期待される。このタンパク質は共通配
列を有する数個の関連受容体と結合するので、受容体結
合部位として働く良く保存された領域をもっていなけれ
ばならない。この部位が、本発明のとりわけ好ましいポ
リペプチドである。
あるいはまた、本明細書に記載する教示があれば、タ
ンパク質の種々の免疫原性エピトープおよび/または受
容体結合部位に対応するポリペプチドを、当技術分野で
周知の方法により化学的に合成することも可能である。
それらの方法には、参照としてここに組み入れる1981年
9月22日にGoldbergに付与された米国特許第4、290、9
44号に開示されている方法が含まれる。
Hiアドヘシンタンパク質または上に論じたポリペプチ
ドに実質的に相同な修飾タンパク質またはポリペプチド
は、本明細書が含有する教示にかんがみて、公知の技法
および通常の実験法を用いて調製することが可能であ
る。ここで用いる「実質的に相同な」という表現は、免
疫学的に交差反応性であることを意味する。このような
タンパク質またはポリペプチドは、本発明のアドヘシン
タンパク質に対して作製された抗体と結合するという事
実によって同定することができる。これらの抗体は標準
的技法によって調製可能である。これらの修飾タンパク
質またはポリペプチドのあるものは、それが誘導された
もとのタンパク質またはポリペプチドに較べて、免疫原
性が増強されていることがある。
このように、本発明は合成的に誘導したペプチドまた
はアドヘシンタンパク質のフラグメントを含む、起点、
構造および作用メカニズム(例えば免疫原性効果、また
は先に述べた受容体と結合可能である、等)という共通
のエレメントを有する1クラスの誘導タンパク質および
ポリペプチドを包含する。これらは本発明の範囲内にあ
る。なぜなら、一旦本発明の教示を与えられれば、それ
らは当業者によって過度の実験を行なうことなく調製さ
れ得るからである。さらに、本発明のタンパク質または
ポリペプチドのエピトープまたは受容体結合部位が一旦
同定されると、当業者はエピトープまたは受容体結合部
位を修飾したり、またはそれらの誘導体を作製できるの
で、そのような修飾または誘導体は本発明の範囲内にあ
る。そのような誘導タンパク質およびポリペプチドは、
好ましくは本明細書中で先に規定した意味において純粋
である。
本発明のHiアドヘシンタンパク質(およびそこから誘
導される関連タンパク質ならびにポリペプチド)は、複
合体ワクチンとして有用であるばかりでなく、それ自体
免疫原として有用である。したがって、それは哺乳類、
齧歯類、霊長類およびヒトを含む動物用ワクチンに使用
可能である。好ましい使用は、ヒト用ワクチン、好まし
くは子供用ワクチン、特に好ましくは嬰児用ワクチンで
ある。
そのようなワクチンは、当業者にとって公知の技法に
よって調製可能であり、そして例えば上記の抗原、薬学
的に許容される担体、適切な補助剤、およびワクチンに
伝統的に使用されているその他の物質などを含有するで
あろう。ワクチンに使用される抗原の免疫学的に効果的
な量は、本明細書の教示にかんがみて、当技術分野で公
知の手段により決定される。
合成PRP さらに本発明は次式: (式中、nは2〜30の整数で、好ましくは5〜20であ
り、そしてR1は(CH2)pCHOまたは(CH2CH2O)pCH2CH2N
H2であり、ここでpは1〜3の整数で、好ましくは1で
ある。)で示される新規な合成PRPを包含する。この新
規な合成PRPが調製可能なことによりすべてのPRPオリゴ
糖が同じ長さを有する(すなわち同じ数のモノマー単位
を有する)組成物の調製が可能となり、これはフラグメ
ントの長さが非常にばらついている天然原料から得たPR
Pとは対照的である。
本発明のPRPは、固相合成と高効率のH−ホスホネー
ト法の組合せによりホスホジエステル結合を作って調製
する。この調製は官能基をさらに増やしたゲルの利用を
ともなうこともあり、これは商業的規模での操作にさら
に適する。
一般的なアプローチは、オリゴマーである保護リボシ
ルリビトールホスフェート誘導体を以下のステップによ
り調製することである。最初に、連鎖開始反応用モノマ
ーを固相にカップリングさせる。このモノマーは次式: (式中、Bnはベンジルであり、そしてMMTrはモノメトキ
シトリチルである。)で示される。表1の化合物7を参
照されたい。好ましい固相はメリフィールドタイプのア
ミノ樹脂である。連鎖開始反応モノマー(化合物7)の
固相へのカップリングは、公知の技術、例えば、無水コ
ハク酸と反応させた後に、その得られた化合物7のコハ
ク酸エステルを固相のアミノ基にカップリングさせるこ
とにより行なう。ここで負荷する量の決定は、酸処理の
際に放出したトリチル陽イオンの比色定量により行な
う。次に、このカップリングされた化合物を例えばジク
ロロメタン中でトリフルオロ酢酸で処理して脱トリチル
化する。
連鎖伸長反応は先の脱トリチル化連鎖開始モノマーを
次式: (式中、Bnはベンジルであり、そしてMMTrはモノメトキ
シトリチルである。)で示される化合物とカップリング
させて行なう。表1の化合物8を参照されたい。(この
化合物は対イオンと会合する。このイオンはトリエチル
アンモニウムなどの有機カチオンが好ましい。)このカ
ップリングは塩化ピバロイルなどの縮合試薬を用いて行
なう。次に、この得られた化合物を脱トリチル化する。
連鎖伸長/脱トリチル化のステップを所望の長さのオリ
ゴ糖を作るために十分な回数繰り返す。例えば、nがオ
リゴ糖中のPRPモノマーの所望の数を示す場合では、連
鎖伸長/脱トリチル化のサイクルを連鎖開始モノマーと
最初の連鎖伸長モノマーとのカップリング後にn−2回
繰り返す。
この連鎖に次式: (式中、Bnはベンジルであり、そしてR2は(CH2)pCH
(OR3または(CH2CH2O)pCH2CH2R4であり、ここで
pは1〜3であり、R3は長さが1〜4炭素のアルキル基
であり、そしてR4はアミノ基に変換することのできる基
である。)で示される連鎖終結モノマーをカップリング
させて連鎖反応を停止させる。表2の化合物10と12を参
照されたい。(この化合物は対イオンと会合する。この
イオンはトリエチルアンモニウムなどの有機カチオンが
好ましい。)好ましくは、pは1であり、そしてR3はメ
チルまたはエチルである。好ましくは、R4は、N3、トリ
フルオロアセチル、ベンジルオキシカルボニルまたはフ
ルオレニルメトキシカルボニルである。
次に固相結合オリゴマーのホスホネート基を酸化して
ホスフェート基を形成させる。これはピリジン水溶液中
でヨウ素で処理して行なうことが好ましい。
次に、得られた化合物をこの固体支持体から好ましく
はメタノリシスによる切断により除去する。回収された
化合物は次式: (式中、nは2〜30の整数で、好ましくは5〜20であ
り、Bnはベンジル、そしてR2は前記と同義である。)で
示される。表3の化合物13と15を参照されたい。(この
化合物は対イオンと会合する。このイオンはアンモニウ
ムまたは置換アンモニウムが好ましい。) 次に、得られた化合物を木炭に担持させたパラジウム
で水素化して脱保護する。R2が(CH2)pCH(OR3
ある場合、さらにこの水素化化合物を例えばトリフルオ
ロ酢酸水溶液と処理する選択的酸加水分解に供する。得
られたPRPオリゴマーは、標準的な技術により、好まし
くはイオン交換クロマトグラフィー、HPLCまたはゲル濾
過により精製する。表3の化合物14と16を参照された
い。
連鎖開始モノマーの化合物7と連鎖伸長モノマーの化
合物8の合成を表1に示す。容易に入手できるメチル2,
3−イソプロピリデン−ベータ−D−リボフラノシド
(化合物1)(Leonard,et al.,J.Het.Chem.3:485(196
6))を出発材料に用いる。化合物1を臭化アリル/水
酸化ナトリウムによりN,N−ジメチルホルムアミド中で
アリル化して、予想された5−O−アリル化合物2を蒸
留可能な油状物として得る。この化合物は、蟻酸水溶液
による加水分解、水素化ホウ素ナトリウムによる還元、
塩化トリフェニルメチル/ピリジンによるトリチル化、
塩化ベンジル/水酸化ナトリウムによるN,N−ジメチル
ホルムアミド中でのベンジル化、そして酢酸水溶液によ
る加水分解からなる一連の反応に供した。得られた化合
物3はシリカゲルクロマトグラフィーで精製する。
化合物1を塩化ベンジル/水酸化ナトリウムによりN,
N−ジメチルホルムアミド中でベンジル化して、予想さ
れた5−O−ベンジル化合物4を蒸留可能な油状物とし
て得る。この化合物を蟻酸水溶液による加水分解および
ピリジン中での塩化ベンゾイルによるベンゾイル化から
なる一連の反応に供して化合物5を得て、これをクロマ
トグラフィーと結晶化により精製する。化合物5をさら
にジクロロメタン中で臭化水素で処理して臭化グリコシ
ルを調製した後にメタノールとコリジンで処理する一連
の反応に供する。こうして得られたオルトエステルを次
にメトキシドナトリウムによりメタノール中で脱ベンゾ
イル化する。この得られた生成物を臭化アリル/水酸化
ナトリウムによりN,N−ジメチルホルムアミド中でアリ
ル化し、シリカゲルクロマトグラフィーによる精製後に
化合物6が得られる。
グリコシル化は2つの方法により行なうことができ
る。好適な方法では、化合物6を塩化トリメチルシリル
で処理してその対応する塩化グリコシルを得て、これを
分子篩の存在下に化合物3で処理すると、同様のリビト
ールグリコシドが得られる。別法では、化合物6を化合
物3の存在下にエステル交換反応させる。こうして得ら
れたリビトールオルトエステルを次にその場で(in sit
u)転位させてリビトールグリコシドを得る。
次に、このグリコシドをメトキシドナトリウムにより
メタノール中で脱ベンゾイル化し、そして塩化ベンジル
/水酸化ナトリウムによりN,N−ジメチルホルムアミド
中でベンジル化した。得られた5−O−アリル−2,3,4
−トリ−O−ベンジル−1−O−(3−O−アリル−2,
5−ジ−O−ベンジル−ベータ−D−リボフラノシル)
−D−リビトールを塩化トリス−(トリフェニルホスフ
ィン)ロジウム(I)/塩化第二水銀/水で処理して脱
アリル化し、続けて塩化モノメトキシトリチルによりモ
ノメトキシトリチル化する。こうして得られた連鎖開始
モノマー(化合物7)はクロマトグラフィーで精製す
る。
化合物7とホスホン酸/5,5−ジメチル−2−オキソ−
2−クロロ−1,3,2−ジオキサホスホリナン化合物との
縮合反応により連鎖伸長モノマー(化合物8)が得られ
る。
連鎖終結用モノマーの合成を表2に示す。化合物6を
塩化トリメチルシリルと反応させてその対応する塩化物
を得て、これを分子篩の存在下に適当なアルコールと反
応させて該当アルコールのベータ−グリコシドを得る。
前記アルコールは、2−(2−アジドエトキシ)エタノ
ール、2−[(2−ベンジルオキシカルボニルアミド)
エトキシ]エタノールまたは2,2−ジエトキシエタノー
ルが好ましい。前記ベータグリコシドを、化合物7の調
製の場合のように、脱ベンゾイル化、ベンジル化および
脱アリル化の一連の反応に供して化合物9または化合物
11を得る。化合物8の調製に用いた同じ方法にしたがっ
てホスホン酸/5−5−ジメチル−2−オキソ−2−クロ
ロ−1,2,3−ジオキサ−ホスホリナンとの縮合により、
所望のスペーサー含有モノマー(化合物10または12)を
得る。
化合物7、8および10または12を用いる固相合成後に
得られた具体的なPRPオリゴマーを表3に示す。化合物1
3と15は固相支持体から除去した後の保護オリゴマーで
あり、化合物14と16は脱保護後の最終オリゴマーであ
る。
新規なPRPの好ましい使用は免疫原性のある新規な複
合体の調製にある。ここに含まれる教示に適用された標
準的な技術により本オリゴマーを本発明のタンパク質ま
たはポリペプチドのいずれかにカップリングさせる。ス
ペーサーがアルデヒド基で終わる場合、好ましい技法は
RoyらのJ.Carbohydr.Chem.6:161−165(1987)およびLe
eらのCarbohydr.Res.,77:149−156(1979)に記載され
ているような水素化ホウ素ナトリウムを用いる還元的ア
ミノ化である。スペーサーがアミノ基で終わる場合、Ka
llinらのGlycoconjugate J.,3:311−319(1986)および
ZopfらのMethods Enzymol.,50:171−175(1978)に記載
の方法にしたがって、PRPをチオホスゲン等の活性化チ
オ炭酸誘導体で処理してイソチオシアネートに変換さ
せ、次にこれをpH9〜10でタンパク質にカップリングさ
せる。このタンパク質/炭水化物の比率の決定はローリ
ーのタンパク質決定法とリボース決定法の組合せにより
行なう。この比率は主に初期反応混合物中でのタンパク
質に対する炭水化物の比率および用いられるスペーサー
の種類の関数となっている。実施例3に示されるよう
に、アミノ基で終わるスペーサーの利用(化合物16)の
結果、アルデヒド基で終わるスペーサーの利用(化合物
14)によるよりもさらに多数のオリゴ糖がタンパク質に
カップリングする。最終複合物の式を表4に示す。
ワクチン 上記のアドヘシン−オリゴ糖複合体ならびにそれらの
タンパク質成分は、H.インフルエンザの侵入株および非
侵入株の両方に対してワクチン中に用いることができ
る。複合ワクチンはH.インフルエンザb型に対して最も
高い有用性を有するものと思われる。
これらのワクチンは免疫量の免疫原を薬学的に許容さ
れる担体中に包含させたものである。免疫原と担体を一
緒にしたものは、水性溶液、乳濁液または懸濁液であっ
てもよい。免疫有効量は、ここに記載の教示によれば、
過度な実験を行なわずに公知の手段を用いて決定するこ
とができる。一般に、免疫原の量は1投与あたり0.1〜1
00マイクログラムとする。前記担体は当業者に知られて
いるものであって、安定剤、希釈剤および緩衝液が挙げ
られる。適当な安定剤として、炭水化物、例えばソルビ
トール、ラクトース、マニトール、デンプン、スクロー
ス、デキストランおよびグルコースそれにタンパク質、
例えばアルブミンまたはカゼインが挙げられる。適当な
希釈剤として、塩溶液、ハンクス液およびリンガー液が
挙げられる。適当な緩衝液として、アルカリ金属リン酸
塩、アルカリ金属炭酸塩またはアルカリ土類金属炭酸塩
が挙げられる。本ワクチンは免疫原性を高めるために1
種類以上のアジュバントを含んでもよい。適当なアジュ
バントとして、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウ
ムまたは酸化アルミニウムであるか、もしくはMarcol 5
2などの鉱油または植物油および1種類以上の乳化剤か
らなる組成物が挙げられる。
このワクチンは他の免疫原を含有してもよい。そうし
た混合ワクチンはいくつかの免疫原に対する免疫性が1
回の投与により得ることができるという利点がある。他
の免疫原としては、公知のDPTワクチンに用いられてい
るものが挙げられる。
本発明のワクチンは、ここに記載の教示を考慮して、
当業者に知られている技術を用いて調製する。通常、免
疫原は担体と混合して、溶液、懸濁液または乳濁液とす
る。上記の1種類以上の添加剤を担体に存在させてもよ
いし、またはその後に添加してもよい。このワクチン調
製物を保存目的のために例えば凍結乾燥により乾燥させ
てもよい。この場合、その後の適当な液体担体の添加に
よりこの調製物を液体ワクチンに再構成することができ
る。
これらワクチンをヒトまたは他の哺乳類、例えば齧歯
類および霊長類の動物に投与する。本ワクチンは人間の
子供に投与することが好ましく、18カ月未満の子供が最
も好ましい。本ワクチンは投与量を1回または2回以上
に分けて投与することができる。本ワクチンはこの種の
ワクチンに関して公知の投与経路により投与してもよ
い。好ましい経路は筋肉または皮下注射である。したが
って、本発明は、侵入または非侵入Hiによる感染に対し
て哺乳動物を防御するために、Hiの免疫応答を哺乳動物
中に誘導させる方法も包含する。この方法は、免疫有効
量の本発明免疫原を宿主へ投与して行い、好ましくは本
発明のワクチンを宿主に投与する。
試薬 本発明のタンパク質/ポリペプチド複合物およびオリ
ゴマーは、Hiの病原性、毒性および伝染性の性質ならび
に宿主防衛機構に関する科学研究用の試薬としても有用
である。研究用試薬として有用な本発明の組成物は、求
める情報または分析を得るために有効量のタンパク質/
ポリペプチド複合体またはオリゴマーを含有する。特別
な研究目標を達成するために必要なその量の決定は、対
象とする具体的な研究の種類に依存するもので、ここに
記載の教示が与えられれば、そうした研究に従事する者
のルーチン的で容易な技術の範囲内にある。
本発明の教示を特定の問題または環境に応用させること
は、ここに記載の教示に基づけば当業者の能力の範囲内
にあることを理解されたい。本発明の生成物およびそれ
らの調製方法とそれらの利用は以下の実施例で記載す
る。
実施例1 合成PRPオリゴ糖の製造 本発明の合成PRPオリゴ糖を、ここに記載したとおり
に、そして表1〜3の反応式に示したとおりに製造す
る。
メチル 5−o−アリル−2,3−イソプロピリデン−β
−D−リボフラノシド(化合物2) メチル 2,3−o−イソプロピリデン−β−D−リボ
フラノシド(化合物1、50.0g)、N,N−ジメチルホルム
アミド(250ml)および粉末の水酸化ナトリウム(55.0
g)の溶液を攪拌し、その間に臭化アリル(50.0ml)を
滴下した。2時間後、過剰の臭化アリルをメタノール
(50ml)の添加により分解した。さらに1時間攪拌した
後、混合物を水とトルエンとに分配した。有機層を水で
洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。炭酸バ
リウム(250mg)を加え、油を90〜95℃、0.75mmHgで蒸
留した。化合物2の収率は約90%であった。
5−o−アリル−2,3,4−トリ−o−ベンジル−D−リ
ビトール(化合物3) ギ酸水溶液(25ml)中のメチル 5−o−アリル−2,
3−o−イソプロピリデン−β−D−リボフラノシド
(化合物2、1.5g)を、油浴で100℃、10時間加熱し、
次いで濃縮し、水とともに2回共蒸発させた。主に5−
o−アリル−D−リボースおよび残留ギ酸を含む、得ら
れたシロップ状の物質を水(25ml)に溶解し、pHを水性
アンモニアで7に調整した。水素化ホウ素ナトリウム
(0.5g)を添加し、混合物を3時間攪拌し、次いで酢酸
でpH7に調整し、濃縮した。酢酸−メタノール(1:1)を
用いた3回の共濃縮およびメタノールを用いた2回の共
濃縮の後、残留物を水(50ml)に溶解し、この溶液をDo
wex−50Wx2(H+型、50〜100メッシュ、2×20cm)イ
オン交換樹脂のカラムにゆっくりと流した。主に5−o
−アリル−D−リビトールを含む溶出液を濃縮し、ピリ
ジン中に取り上げ、濃縮し、再度ピリジン(25ml)中に
取り上げた。塩化トリフェニルメチル(8.0g)を添加
し、混合物を室温で16時間攪拌し、次に、メタノール
(2.0ml)を加えた。15分後、混合物をジクロロメタン
と水とに分配した。有機層を水、硫酸、炭酸水素ナトリ
ウム水溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、濃
縮した。残留物をN,N−ジメチルホルムアミド(25ml)
中に溶解した。この溶液を攪拌しながら粉末の水酸化ナ
トリウム(3.5g)を加え、続いて塩化ベンジル(4.40m
l)を滴下した。2時間後、メタノール(5ml)を加え、
15分後混合物をトルエンと水とに分配した。有機層を水
で洗い、濃縮した。残留物を90%酢酸水溶液(50ml)に
溶解し、100℃で2時間加熱し、次いで濃縮し、トルエ
ンとともに共濃縮した。残留物をシリカゲルのクロマト
グラフィーにより精製した。化合物はトルエン−酢酸エ
チル(9:1)で溶出した。シロップ状の化合物3の収率
は48%であった。
メチル 5−o−ベンジル−2,3−イソプロピリデン−
β−D−リボフラノシド(化合物4) メチル−2,3−イソプロピリデン−β−D−リボフラ
ノシド(化合物1、50g)、N,N−ジメチルホルムアミド
(250ml)および粉末の水酸化ナトリウム(50g)の溶液
を攪拌し、その間に塩化ベンジル(64ml)を滴下した。
2時間後、過剰の塩化ベンジルをメタノール(50ml)の
添加により分解した。さらに1時間攪拌した後、混合物
を水とトルエンとに分配した。有機層を水で洗浄し、硫
酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。炭酸バリウム(25
0mg)を加え、油を115〜120℃、0.4mmHgで蒸留した。化
合物4の収率は約90%であった。
メチル 5−o−ベンジル−2,3−ジ−o−ベンゾイル
−β−D−リボフラノシド(化合物5) ギ酸−水(95:5、200ml)中のメチル 5−o−ベン
ジル−2,3−o−イソプロピリデン−β−D−リボフラ
ノシド(化合物4、23g)の溶液を室温で30分間維持
し、次に氷中で冷却した。この冷却溶液を、砕いた氷と
水酸化ナトリウム水溶液(2000ml中に240g)とジクロロ
メタン(1000ml)の激しく攪拌した混合物を注入した。
この混合物を分別漏斗で十分に振って、有機層を分離
し、水層に500ml部のジクロロメタンで4回抽出した。
主にメチル 5−o−ベンジル−β−D−リボフラノシ
ドを含む有機抽出液を合わせ、濃縮した。無水ピリジン
(50ml)を加え、混合物を濃縮し、再度無水ピリジン
(150ml)を加えた。氷中でこの混合物を冷却しながら
塩化ベンゾイル(34ml)を滴下した。該混合物をさらに
室温で一晩攪拌し、次に水(2ml)を加えて過剰の塩化
ベンゾイルを分解した。その後、混合物を水(1000ml)
とジクロロメタン(500ml)とに分配した。有機層を2M
の硫酸水溶液で、次いで1Mの炭酸水素ナトリウム水溶液
で洗浄した。濃縮してシロップを得、これをシリカゲル
のカラムで精製した。純粋な物質を含む画分をプール
し、濃縮した。該物質を冷却下にメタノールから結晶化
させた(融点68−69℃)。化合物5の収率は22〜41%で
あった。また、クロマトグラフィーにより、出発物質
(化合物4)が純物質として得られた。
3−o−アリル−5−o−ベンジル−1,2−o−メトキ
シベンジリデン−α−D−リボフラノース(6) ジクロロメタン(150ml)、メタノール(3.0ml)、お
よび臭化アセチル(6.0ml)を混合することによりジク
ロロメタン中の臭化水素溶液を調製した。次いで、メチ
ル 2,3−ジ−o−ベンゾイル−5−o−ベンジル−β
−D−リボフラノシド(化合物5、4.62g)を添加し、
混合物を室温で30分攪拌し、その後、主に2,3−ジ−o
−ベンゾイル−5−o−ベンジル−α−D−リボフラノ
シルブロミドを含む混合物を氷中で冷却し、その間にコ
リジン(25ml)を攪拌しながら滴下し、次いでメタノー
ル(10ml)を加えた。この混合物を室温でさらに3時間
攪拌し、次いで水で洗い、濃縮し、そしてメタノールと
ともに共濃縮した。主に3−o−ベンゾイル−5−o−
ベンジル−1,2−o−メトキシベンジリデン−α−D−
リボフラノースを含む残留物をメタノール(50ml)に溶
解し、メタノール中のナトリウムメトキシドの溶液(0.
5M,20ml)を加えた。室温で2時間後、混合物をCO2(固
体)の添加により中和し、次いで濃縮し、N,N−ジメチ
ルホルムアミドとともに1回共濃縮した。残留物をN,N
−ジメチルホルムアミド(50ml)に溶解して室温で攪拌
し、この間に粉末の水酸化ナトリウム(3.0g)、続いて
臭化アリル(3.0ml)を加えた。1時間後、混合物を水
とトルエンとに分配し、有機層を水で洗って濃縮した。
残留物は溶離剤としてトルエン−酢酸エチル−ピリジン
(90:10:1)を使ってシリカゲルのクロマトグラフィー
により精製した。相応の画分をプールし、濃縮後に無色
のシロップとして化合物6(1.90%,48%)を得た。
2,3,4−トリ−o−ベンジル−1−o−(2,5−ジ−o−
ベンジル−β−D−リボフラノシル)−5−o−モノメ
トキシトリチル−D−リビトール(化合物7) グリコシル化方法A 化合物3(4.6g)と6(4.0g)を無水ニトロメタン
(60ml)に溶解した。薄層クロマトグラフィーが化合物
6の完全なエステル交換を示すまで、ニトロメタンを連
続的に添加して一定容量で連続蒸留によりメタノールを
除去した。臭化水銀(II)(500mg)を加え、そして薄
層クロマトグラフィーが新しい生成物の製造を示すま
で、ニトロメタンを連続的に添加して一定容量で溶媒を
留去した。混合物を濾過し、濃縮し、残留物を0.04Mの
メタノール性ナトリウムメトキシド(50ml)に溶解し
た。室温で1時間後、混合物をCO2(固体)の添加によ
り中和し、次いで濃縮し、N,N−ジメチルホルムアミド
とともに1回共濃縮した。残留物をN,N−ジメチルホル
ムアミド(50ml)に溶解して室温で攪拌し、この間に粉
末の水酸化ナトリウム(3.0g)、続いて臭化アリル(3.
0ml)を加えた。1時間後、混合物を水とトルエンとに
分配し、有機層を水で洗って濃縮した。残留物は溶離剤
としてトルエン−酢酸エチル(9:1)を使って短いシリ
カゲルカラムのクロマトグラフィーにより精製した。5
−o−アリル−2,3,4−トリ−o−ベンジル−1−o−
(3−o−アリル−2,5−ジ−o−ベンジル−β−D−
リボフラノシル)−D−リビトールを含む画分をプール
し、濃縮した。残留物をエタノール−トルエン−水(3
0:12:4、75ml)に溶解し、この溶液を、薄層クロマトグ
ラフィーが完全な転化を示すまで、トリス(トリフェニ
ルホスフィン)ロジウム(I)クロリド(200mg)の存
在下で還流した。次に混合物をジクロロメタンで希釈
し、飽和塩化カリウム水溶液で洗浄し、濃縮した。残留
物を10:1アセトン−水(30ml)に溶解し、酸化水銀
(I)(3.0g)次いで塩化水銀(3.0g)を加えた。室温
で30分攪拌した後、固体を濾過により除去し、濾液をジ
エチルエーテルと水に分配し、ヨウ化カリウム水溶液で
洗浄し、乾燥して濃縮した。主に2,3,4−トリ−o−ベ
ンジル−1−o−(2,5−ジ−o−ベンジル−β−D−
リボフラノシル)−D−リビトールを含む残留物を無水
ピリジン(50ml)に取り上げ、塩化モノメトキシトリチ
ル(3.5g)を加えた。混合物を一夜攪拌し、その後メタ
ノールを加えて過剰の塩化物を分解した。30分後、混合
物をジクロロメタンと水とに分配し、硫酸水溶液および
重炭酸ナトリウム水溶液で洗い、乾燥し、濃縮した。残
留物は溶離剤としてトルエン−酢酸エチル(9:1、1%
のピリジンを含む)を使ってシリカゲルカラムのクロマ
トグラフィーにより精製した。相応の画分をプールし、
濃縮後に無色のシロップとして化合物7(4.9g、6から
計算して50%)を得た。
4グリコシル化方法B 化合物6(4.0g)を塩化トリメチルシリル(20ml)に
溶解した。室温で20分後、溶液を濃縮し、次いで無水ジ
クロロメタンとともに共濃縮した。残留物を粉末の4Aモ
レキュラーシーブ(5.0g)と化合物3(4.6g)を含む無
水ジクロロメタン(25ml)に溶解した。この混合物を室
温で一夜攪拌した後に濾過し、濃縮した。残留物を0.04
Mのメタノール性ナトリウムメトキシド(50ml)に取り
上げて、上記方法Aで述べたように処理した。
2,3,4−トリ−o−ベンジル−1−o−(2,5−ジ−o−
ベンジル−β−D−リボフラノシル)−5−o−モノメ
トキシトリチル−D−リビトール 3−H−ホスホネー
ト(化合物8) 化合物7(4.9g)を無水ピリジンに取り上げ、濃縮乾
固させ、その後ピリジン(20ml)に取り上げ、そしてピ
リジン(20ml)中のホスホン酸(4.1g)の溶液に加え
た。5,5−ジメチル−2−オキソ−2−クロロ−1,3,2−
ジオキサホスホリナン(5.0g)を加えた。薄層クロマト
グラフィーが完全な転化を示したら、1Mの重炭酸トリエ
チルアンモニウム水溶液(5ml)を加え、混合物をジク
ロロメタン(200ml)と0.5Mの重炭酸トリエチルアンモ
ニウム水溶液(130ml)とに分配した。有機層を濃縮
し、残留物は溶離剤としてジクロロメタン中のメタノー
ルの段階的勾配(0−20%、1%のピリジンを含む)を
使って短いシリカゲルカラムのクロマトグラフィーによ
り精製した。非晶質の化合物8の収率は80〜90%であっ
た。
2,2−ジエトキシエチル 2,5−ジ−o−ベンジル−β−
D−リボフラノシド(化合物9、p=1、R3=エチル) 化合物6(2.0g)と塩化トリメチルシリル(15ml)の
混合物を室温に20分間維持し、次いで濃縮し、そして無
水ジクロロメタンとともに共濃縮した。残留物をグリコ
ールアルデヒドジエチルアセタール(1.0g)、粉末の4A
モレキュラーシーブ(3.0g)および無水ジクロロメタン
(15ml)と混合し、室温で一夜攪拌した後、濾過して濃
縮した。残留物を0.04Mのメタノール性ナトリウムメト
キシド(25ml)に取り上げた。室温で1時間後、混合物
をCO2(固体)の添加により中和し、次いで濃縮し、N,N
−ジメチルホルムアミドとともに1回共濃縮した。残留
物をN,N−ジメチルホルムアミド(20ml)に溶解して室
温で攪拌し、この間に粉末の水酸化ナトリウム(3.0
g)、続いて塩化ベンジル(3.0ml)を加えた。TLCが完
全な転化を示したら、メタノール(2ml)を加え、15分
後混合物を水とトルエンとに分配し、有機層を水で洗っ
て濃縮した。残留物は溶離剤としてトルエン−酢酸エチ
ル(8:2)を使って短いシリカゲルカラムのクロマトグ
ラフィーにより精製した。相応の画分を集めて濃縮し、
その後エタノール−トルエン−水(30:12:4、50ml)に
取り上げ、この溶液を、薄層クロマトグラフィーが完全
な転化を示すまで、トリス(トリフェニルホスフィン)
ロジウム(I)クロリド(100mg)の存在下で還流し
た。その後、混合物をジクロロメタンで希釈し、飽和塩
化カリウム水溶液で洗い、濃縮した。残留物をアセトン
−水(10:1、20ml)に溶解し、酸化第二水銀(2.0g)、
続いて塩化第二水銀(2.0g)を加えた。室温で30分攪拌
後、濾過により固体を除き、濾液をジエチルエーテルと
水とに分配し、ヨウ化カリウム水溶液で洗い、乾燥して
濃縮した。溶離剤としてトルエン−酢酸エチル(8:2)
を使って短いシリカゲルカラムで精製してシロップ状の
化合物9を得た。収率は60〜65%であった。
2−〔2−(ベンジルオキシカルボニルアミド)エトキ
シ〕エチル 2,5−ジ−o−ベンジル−β−D−リボフ
ラノシド(化合物11、p=1、R4=NHCOOBn) 化合物6(2.0g)と塩化トリメチルシリル(15ml)の
混合物を室温に20分間維持し、次いで濃縮し、そして無
水ジクロロメタンとともに共濃縮した。残留物を2−
〔2−(ベンジルオキシカルボニルアミド)エトキシ〕
エタノール(1.5g)、粉末の4Aモレキュラーシーブ(3.
0g)および無水ジクロロメタン(15ml)と混合し、室温
で一夜攪拌した後、濾過して濃縮した。残留物を0.04M
のメタノール性ナトリウムメトキシド(25ml)に取り上
げた。室温で1時間後、混合物をCO2(固体)の添加に
より中和し、次いで濃縮し、N,N−ジメチルホルムアミ
ドとともに1回共濃縮した。残留物をN,N−ジメチルホ
ルムアミド(20ml)に溶解して室温で攪拌し、この間に
新たに調製した酸化銀(3.0g)、次いで臭化ベンジル
(3.0ml)を加えた。TLCが完全な転化を示した後で混合
物を濾過した。濾液を水とトルエンとに分配し、有機層
を水およびチオ硫酸ナトリウム水溶液で洗い、濃縮し
た。残留物は溶離剤としてトルエン−酢酸エチル(8:
2)を使って短いシリカゲルカラムのクロマトグラフィ
ーにより精製した。相応の画分を集めて濃縮し、次いで
ジオキサン(14ml)中の二酸化セレン(570mg)および
酢酸(0.4ml)を用いて還流下で40分間処理した。その
後混合物はセライトを介して濾過した。クロマトグラフ
ィー精製後のシロップ状化合物11の収率は50%であっ
た。
2−(2−アジドエトキシ)エチル 2,5−ジ−o−ベ
ンジル−β−D−リボフラノシド(化合物11、p=1、
R4=N3) 化合物6(2.0g)と塩化トリメチルシリル(15ml)の
混合物を室温に20分間維持し、次いで濃縮し、そして無
水ジクロロメタンとともに共濃縮した。残留物を2−
(2−アジドエトキシ)エタノール(2.0g)、粉末の4A
モレキュラーシーブ(3.0g)および無水ジクロロメタン
(15ml)と混合し、室温で一夜攪拌した後、濾過して濃
縮した。残留物を0.04Mのメタノール性ナトリウムメト
キシド(25ml)に取り上げた。室温で1時間後、混合物
をCO2(固体)の添加により中和し、次いで濃縮し、N,N
−ジメチルホルムアミドとともに1回共濃縮した。残留
物をN,N−ジメチルホルムアミド(20ml)に溶解して室
温で攪拌し、この間に粉末の水酸化ナトリウム(3.0
g)、続いて塩化ベンジル(3.0ml)を加えた。TLCが完
全な転化を示したら、メタノール(2ml)を加え、15分
後混合物を水とトルエンとに分配し、有機層を水で洗っ
て濃縮した。残留物は溶離剤としてトルエン−酢酸エチ
ル(8:2)を使って短いシリカゲルカラムのクロマトグ
ラフィーにより精製した。適当な画分を回収して濃縮
し、次いで本質的に化合物9の調製について記載したよ
うに、トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム
(I)クロリドおよび塩化水銀/酸化水銀(I)で連続
的に処理した。クロマトグラフィー精製後のシロップ状
化合物11の収率は50%であった。
2,2−ジエトキシエチル 2,5−ジ−o−ベンジル−β−
D−リボフラノシド 3−H−ホスホネート(化合物1
0、p=1、R3=エチル) 本質的に化合物8の製造について記載したとおりに、
化合物9をホスホン酸および縮合試薬で処理して、非晶
質の化合物10を得た(67%)。
2−〔2−(ベンジルオキシカルボニルアミド)エトキ
シ〕エチル 2,5−ジ−o−ベンジル−β−D−リボフ
ラノシド 3−H−ホスホネート(化合物12、p=1、
R4=NHCOOBn) 本質的に化合物8の製造について記載したとおりに、
化合物11をホスホン酸および縮合試薬で処理して、非晶
質の化合物12を得た。(75%)。
2−(2−アジドエトキシ)エチル 2,5−ジ−o−ベ
ンジル−β−D−リボフラノシド 3−H−ホスホネー
ト(化合物12、p=1、R4=N3) 本質的に化合物8の製造について記載したとおりに、
化合物11をホスホン酸および縮合試薬で処理して、非晶
質の化合物12を得た。(70%)。
固相合成:連鎖開始 1.化合物7の3−スクシネートの製造 4−ジメチルアミノピリジン(1mmol)を含む無水ピ
リジン(25ml)中の化合物7(4mmol)の溶液に、無水
コハク酸(10mmol)を添加した。一夜攪拌後、水(0.5m
l)を加えた。3時間後、混合物をトルエン−酢酸エチ
ル(1:1)と水性リン酸緩衝液(pH6.5)とに分配した。
有機相を緩衝液で洗い、濃縮した。得られた化合物7の
3−スクシネートは五酸化リンを用いて減圧下で乾燥し
た。
2.固相への3−スクシネートのカップリング 上で得られたスクシネート(樹脂のアミノ基含量に対
して10当量)をジクロロメタン(5ml/g)に溶解し、少
量のジクロロメタン中のジシクロヘキシルカルボジイミ
ド(樹脂のアミノ基含量に対して5当量)の溶液と混合
した。混合物を室温で15分間攪拌し、濃縮した。残留物
をN,N−ジメチルホルムアミド(5ml/g)に溶解し、この
溶液を濾過し、その後メリーフィールド型アミノメチル
樹脂(N,N−ジメチルホルムアミドで予め洗浄したも
の)に加えた。6時間後、樹脂をN,N−ジメチルホルム
アミド、次いでピリジンで洗った。この樹脂をピリジン
−無水酢酸(9:1)で2時間処理し、ピリジンで洗い、
その後ジクロロメタンで洗った。官能化度は、乾燥して
計量した樹脂を1,2−ジクロロエタン中の0.5%のトリフ
ルオロ酢酸で処理し、上清中のトリチルカチオン含量を
分光光度分析(495nm)により概算して測定した。代表
的な値は0.5mmol/gであった。
固相合成:連鎖伸長サイクル 固相合成の操作は、ガラスフィルターの底部、攪拌機
(小規模バッチは底部フィルターを通して乾燥窒素を押
しすすめることにより攪拌した)、液体出口(底部)、
および液体入口(頂部)を備えた反応容器からなる半自
動装置で行った。液体は吸引により底部フィルターを通
して容器から取り出し、そして他の容器からテフロンチ
ューブを通して窒素を押しすすめることにより頂部で加
えた。
1.トリチルの脱保護 トリチルカチオンがもはや放出されなくなるまで(分
光光度分析により測定)樹脂をジクロロメタン中のトリ
フルオロ酢酸の0.5%溶液で処理し、次いで樹脂をジク
ロロメタン、続いてジクロロメタン−ピリジン(4:1)
で洗った。
2.カップリング ジクロロメタン(2ml/mmol塩化物)中の塩化ピバロイ
ル(樹脂ヒドロキシル基に対して4当量)を、ジクロロ
メタン−ピリジン(4:1)(8ml/mmol塩化物)中の化合
物8(4当量)の溶液に加えた。2分後、混合物を樹脂
に加えた。攪拌を10分間続け、その後樹脂を順次ピリジ
ン、ジクロロメタン−ピリジン(4:1)およびジクロロ
メタンで洗った。各カップリング段階の収率は、脱保護
段階で放出されたトリチルカチオンの量を分光光度分析
により測定して、97〜99%であった。
連鎖終結 脱トリチル化樹脂を(2)のように処理したが、化合
物8の代わりに化合物9または11を用いた。
酸化 98%の水性ピリジン中の新たに調製した1%ヨウ素溶
液で樹脂を30分間処理し、その後順次ピリジンおよびジ
クロロメタンで洗った。
樹脂からの除去 樹脂をジオキサン−メタノール(1:1)中のナトリウ
ムメトキシド(0.05M)により室温で16時間処理し、酢
酸を加え、混合物を濾過し、濾液を濃縮した。NMR分析
によると、樹脂は不純物とともに化合物13(連鎖終結の
ために10を使用した場合)または15(連鎖終結のために
12を使用した場合)を含んでいた。
脱保護 1.化合物13の化合物14への転化 上記のように樹脂から分離した物質を、酢酸(0.3
%)を含む酢酸エチル−エタノール−水(1:2:2)(0.1
ml/mg物質)に溶解し、10%Pd/C(0.5−2mg/mg物質)を
加えた。この混合物を60℃、大気圧下で一夜水素化し、
濾過し、pH7に調整して濃縮した。残留物をジエチルエ
ーテルと水とに分配した。水層を分離し、濃縮した。残
留物を50%トリフルオロ酢酸水溶液中に0℃で取り上げ
た。4時間後、混合物を0℃でアンモニアによりpH7に
中和し、その後混合物を約10mg/mlの容量にまで濃縮
し、Fractogel TSK HW−50の充填カラムに加え、そして
10mMの重炭酸アンモニウム緩衝液pH6.2で溶出した。相
応の画分を集め、濃縮し、水(0.1ml/mg物質)に再溶解
した。この溶液をDowex−50x8(Na型、水で溶離)の充
填カラムにゆっくり通した。相応の画分を集め、凍結乾
燥した。D2O溶液によるNMR分光分析は、とりわけ、4.9
−5.1ppmの領域にアノマープロトンからのシグナルと、
5.1−5.2ppmにスペーサー単位(アルデヒドプロトン、
二水化物型)からのシグナルを示した。成功したカップ
リングサイクルの量(すなわち、化合物14に関する式中
のnの値)は、それぞれアノマーシグナルとスペーサー
シグナルについて積分することにより証明された。
2.化合物15の化合物16への転化 本質的に化合物13の化合物14への転化について記載し
たように、樹脂から分離した物質を処理したが、トリフ
ルオロ酢酸による処理を省いた。凍結乾燥した生成物の
D2O溶液によるNMR分光分析は、とりわけ、4.9−5.1ppm
の領域にアノマープロトンからのシグナルと、3.2ppmに
スペーサー単位(CH2Nトリプレット)からのシグナルを
示した。成功したカップリングサイクルの量(すなわ
ち、化合物16に関する式中のnの値)は、それぞれアノ
マーシグナルとスペーサーシグナルについて積分するこ
とにより証明された。また、溶離剤として2.5%アセト
ニトリルを含む0.1M酢酸トリエチルアンモニウム水溶液
(pH5.3)を使って、Nucleosil C−18の分離用HPLCによ
り14および16の精製を行った。
実施例2 Hibアドヘシンの精製 バクテリアを規定培地で24時間増殖させ、35S−メチ
オニンで代謝的に標識した。細胞を回収し、食塩水中で
3回遠心して洗浄し、約20mlの10mMヘペス緩衝液pH7.4
中に浮遊させ、氷上で冷やした。その後、バクテリア浮
遊液を、Bronson Sonicatorを使って4に設定してそれ
ぞれ30秒間ずつ6回氷上で音波処理した。音波抽出液を
10,000x g、4℃で10分間遠心し、得られた外膜タンパ
ク質(OMP)をペレットを、使用するまで、プロテアー
ゼ阻害剤(PIC I & PIC II)含有ヘペス緩衝液中に保
存した。
次に、OMPを100,000x g、4℃で30分間遠心し、得ら
れたペレットを、1.3%のオクチルグルコピラノシド(S
igma)を含有する4mlの10mMヘペス緩衝液pH8.0中に懸濁
し、5分間音波処理し、室温で30分間インキュベートし
た。得られた可溶化OMPを再度100,000x g、4℃で30分
間遠心し、部分精製されたアドヘシンを含有する上清を
デカントし、取っておいた。
アドヘシンは受容体−アフィニティー固相法により次
のように精製した。上清を150mM NaClおよび1%ウシ血
清アルブミン(BSA)を含む50mMトリス−HCl、pH7.8で1
/10に希釈し、予めBSAでブロックしておいた受容体被覆
マイクロタイターウェル(0.8μgのガングリオテトラ
シルセラミド/ウェル)中でインキュベートした。受容
体を含まない対照ウェルも用いた。室温で2時間インキ
ュベーション後、ウェルを冷食塩水で4回洗った。受容
体に結合したアドヘシンは、ウェルを、予め60℃に加熱
しておいた0.1%SDSを含む0.05mlの10mMトリス−HCl、p
H7.8とともに37℃で30分間インキュベートして溶出し
た。SDS溶出緩衝液をウェルから除き、SDS−PAGEおよび
オートラジオグラフィーでタンパク質を分析した。
また、アドヘシンは、脂質受容体を適当なゲル固体支
持体に固定したアフィニティークロマトグラフィーカラ
ムを用いても精製することができる。音波抽出液をゲル
の頂部に加え、カラムを洗って未結合物質を除去する。
その後、アドヘシンをSDS溶出緩衝液またはNaClやKSCN
のようなカオトロピック剤で溶出し、透析した後にSDS
−PAGEおよびオートラジオグラフィーで分析する。
精製したアドヘシンタンパク質の分子量はSDS−ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動により測定した。図1は、
次のレーンでの試料の分析を示す:1、クーマシーブルー
で染色したHaemophilus influenzae b型からの全外膜タ
ンパク質調製物;2、35S−標識全外膜タンパク質のオー
トラジオグラフィー;3、固定化受容体アシアロ−GM1か
ら溶出された35S−標識アドヘシンタンパク質のオート
ラジオグラフィー;4、ナンセンス糖脂質の固定化グロボ
シドから溶出された物質のオートラジオグラフフィー。
矢印はP1とP2の間を泳動する分子量約41kDのアドヘシン
を示す。
実施例3 受容体へのアドヘシン結合の中和 BALB Cマウスに、完全フロインドアジュバント中の部
分精製アドヘシンタンパク質(Hib OMP)(1:1)10μ
gを腹腔内(IP)注射した。1か月後、不完全フロイン
ドアジュバントを使って2回目のIP注射(10μgのタン
パク質)を行ってマウスを追加免疫し、続いて10日後に
3回目の注射を行った。
その後、受容体結合アッセイで35S−標識Hibアドヘシ
ンに対する中和活性について抗血清を検査した。この場
合、さまざまな希釈度の抗血清および正常マウス血清を
35S−標識Hibアドヘシンタンパク質とともに室温で1時
間インキュベートし、次いでアシアロ−GM1または陰性
対照としてのグロボシドを被覆したマイクロタイターウ
ェルに加えた。マイクロタイターウェルを室温で2時間
インキュベートした後、ウェルを洗い、プレートから切
り取り、βシンチレーションカウンターを使って放射能
を測定した。結果を図2に示す。これらの結果から、ア
ドヘシンは免疫原性があること、さらにアドヘシンに対
する抗体はアドヘシンの受容体結合活性を効果的に中和
することがわかる。
実施例4 ヘモフィルス・インフルエンザアドヘシンの同定とクロ
ーニング 1.受容体に結合する膜タンパク質 膜タンパク質は以下のようにして調製した。ヘモフィ
ルスを定常期まで増殖させ、ペレット化し、緩衝食塩水
に再懸濁し、超音波破砕した。その後、これを12,000×
gで15分間遠心分離し、続いて上清を100,000×gで1
時間遠心分離した。得られた残渣ペレットはヘモフィル
ス膜を含んでおり、それを生理食塩水に再懸濁し、ここ
に参考として組み込むKrivan,et al.,Proc.Natl.Acad.S
ci.USA,85:6157−6161(1988)に記載されるように、ア
ドヘシン活性を試験した。すなわち、膜を[35S]メチ
オニンで代謝的に標識した細胞(培地中1μ−Ci/ml)
から調製した。糖脂質をクロロホルム:メタノール(1:
1,vol:vol)に再懸濁し、96−ウェルのマイクロタイタ
ープレート内に連続的に希釈した。これらのプレートを
乾燥させ、Tris/BSA(25mM Tris,pH7.5,1%ウシ血清ア
ルブミン)で5回洗浄した後、2×106CPMの標識膜を各
ウェルに添加し、室温にて2時間インキュベートした。
その後、プレートをTris/BSAにて5回洗浄し、個々のウ
ェルを切り出し、シンチレーションカウンター上で計測
し、各ウェルに結合したCPM量を決定した。これによりH
i膜はHi全細胞と同様に結合することが示された。
2.ヘモフィルスのアドヘシンを阻止するモノクローナル
抗体の生産 Balb/cマウスをヘモフィルスから得た膜で免疫し、そ
れらの血清を膜の受容体への結合を阻止する抗体の開発
のために試験した(図2)。これらのマウスから得た脾
臓をここに参考として組み込むHarlow,et al.,Antibodi
es:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laborat
ory,Cold Spring Harbor,NY)(1985)に従って、SP2/o
−AG14(ATCC CRL 8287)マウスミエローマ細胞との融
合に使用した。4つの別個の融合体から得られた750個
の陽性の融合ハイブリドーマ培養物を、膜と反応する抗
体の生産に対してELISAでスクリーニングした。ELISAは
次のようにして行った。1μgのタンパク質を含む膜を
96ウェルマイクロタイタープレートを被覆するのに使用
した。被覆されたウェルをPBS(リン酸塩緩衝食塩水,10
mMリン酸ナトリウム,pH7.5,167mM塩化ナトリウム)で洗
浄し、その後ハイブリドーマ培養上清100μlとインキ
ュベートした。ウェルを洗浄し、ホースラディッシュパ
ーオキシダーゼを結合させた第2のヤギ抗−マウス抗体
100μlとインキュベートし、結合した抗体を比色的に
(Biorad)に測定した。次に、75個の膜反応性ハイブリ
ドーマ培養物についてその膜結合阻止能を試験した(図
3)。ハイブリドーマ培養上清を、4×106CPMの
35S]メチオニン標識膜と1時間室温でインキュベー
トした。その後、この混合物を96ウェルマイクロタイタ
ープレートに固定させた受容体の連続希釈物に添加し、
結合性についてアッセイした。二つのクラスの阻止抗体
が同定された。Hib10と称される第1のクラスは結合を
完全に阻止し、その後これらの膜のリポオリゴ糖成分と
反応することが示された。Hib30ならびにHib43と称され
る第2のクラスは、結合を部分的に阻止した。
3.推定されるアドヘシンの同定 部分的に結合を阻止する抗体を産生するハイブリドー
マ培養物を、Harlowらに従って、安定な細胞株を得るた
めに限界希釈法によってクローン化した。大量の抗体が
Balb/cマウスの腹水中に産生され、各抗体のクラスをHa
rlowらに従って決定した。その抗体をHarlowらに従って
存在しうるタンパク質のアドヘシンを同定するためにヘ
モフィルス膜および全細胞のウェズタンブロットで使用
した。この手法によれば、これらの抗体の全てが約47kD
aのタンパク質を認識した(図4)。Harlowらに従った
これらの抗体を用いたウェスタンブロット分析により、
さらにこのタンパク質の特性を決定した。機能的なアド
ヘシンに対し予想されるように、本タンパク質がヘモフ
ィルスの表面に位置することを示唆する幾つかの証拠と
なる情報がある。第一に、放射標識した全細胞(4×10
6CPM/ウェル)を使用する以外は上記と同様な膜結合阻
止に対するアッセイにおいて、受容体に対する全細胞の
結合能はこれらの抗体によって阻止された。第二に、47
kDaの免疫反応性タンパク質は全細胞をプロテイナーゼ
Kで処理したときに分解された(図4)。すなわち、全
細胞を定常期まで増殖させ、遠心分離(12,000×g)に
よりペレット化し、そしてPBSに再懸濁した。プロテイ
ナーゼKの連続希釈物を該細胞に加え1時間培養した。
細胞をLaemmll,Nature(London),227:680−685(197
0)(ここに参考して組み込む)に従い、SDS−PAGE試料
緩衝液と混合し、ボイルし、そしてSDS−PAGE上で分離
した。このゲルを免疫反応性のある47kDaタンパク質の
存在を検出するためウェスタンブロットした。第三に、
ヨウ素化した全細胞には、抗−アドヘシン抗体によって
可溶化タンパク質から免疫沈降され得る放射標識された
47kDaタンパク質が含まれていた。すなわち、全ヘモフ
ィルスを定常期まで成長させ、遠心分離によりペレット
化する。細胞をPBSに再懸濁し、製造者の推薦に従い、I
odogen(Pierce)を用いてヨウ素化した。細胞を放射免
疫沈降緩衝液(RIPA緩衝液,20mM Tris,pH7.4,150mM NaC
l,1mM EDTA,1%Nonidet P−40,1%デオキシコール酸,0.
1% SDS,1mM PMSF)中で溶解し、その後、ガンマバイン
ド(Gammabind)ビーズ(Pharmacia)と終夜4℃でイン
キュベートした。このビーズを遠心分離(2000×g,5
分)によってペレット化し、0.05% Tween−20を含むPB
Sで5回洗浄し、SDS−PAGE試料緩衝液に再懸濁した。こ
の試料をSDS−PAGEによって分離し、ゲルを乾燥させ、
オートラジオグラフィーにかけた。これにより、47kDa
タンパク質はヨウ素化されやすいことが示された。第四
に、1% Triton X−100で繰り返し抽出した全細胞及び
膜はこの47kDa免疫反応性タンパク質を欠いていた。こ
れは、全細胞または膜を取り出し、それらを界面活性剤
と混合し、該物質を遠心分離(膜に対しては12,000×g,
全細胞に対しては2000×g)によってペレット化し、上
清を取り出すことによって行った。この物質(ペレット
および上清)をSDS−PAGEゲルにより分離し、ウェスタ
ンブロットしたところ、47kDaタンパク質の存在が可溶
性画分(上清)中にHib43抗体により検出された。
4. 47kDaアドヘシンをコードする遺伝子のクローニング
と配列決定 クローニング法はここに参考して組み込むManiatis e
t al.,Moleculan Cloning:A Laboratoty Manual(Cold
Spring Harbor,NY)(1982)に記載されるような標準的
な手法により行った。ヘモフィルス・インフルエンザb
型から全DNAを単離し、製造者の推薦(BoerHinger−Man
heim)に従って制限酵素EcoR Iにて部分消化した。長さ
4−15kbpのDNAフラグメントをショ糖密度勾配により単
離し、Stratagene社により提供されたEco R I−消化の
ラムダZAP II−アームにライゲートした。この結合物を
ファージ粒子中にパッケージングし、(Stratageneのプ
ロトコルに従って)EschericHia coli宿主株,XL−1に
トランスフェクトし、ヘモフィルスタンパク質を発現す
るファージプラークを得た。これらのプラークは、Stra
tagene Picoblue検出キットを用い、Hib43とのイムノブ
ロットスクリーニングに使用した。陽性の反応プラーク
を精製し、Stratageneのプロトコルに従ってヘルパーフ
ァージR408の使用を介したプラスミドの産生を誘導する
のに使用した。これらのプラスミドは、47kDa免疫反応
性タンパク質をコードするヘモフィルスDNA挿入物を担
持していた。pMC101と称されるこれらのプラスミドの一
つの制限酵素地図を図5に示す。47kDaタンパク質を発
現する全てのプラスミドはHi由来の10.5kbpのDNAを含ん
でいた。このタンパク質をコードする遺伝子の位置はpM
C101の欠失分析によって決定し、矢印で示した。この矢
印は転写の方向も示している。欠失分析はベクターpSK
(−)(Stratagene)内に種々の制限フラグメントを含
むpMC101のサブクローンを生成することによって行っ
た。これらのサブククローンを、それぞれがHib43免疫
反応性タンパク質を発現するかどうかの表示と共に図5
に示す。pMC102は約45kDaのタンパク質を発現し、この
ことはこのクローン中のタンパク質のC末端が除去され
たことを示す。成熟タンパク質は47kDaであるから、こ
のことは完全なコード配列が約1500−1800塩基対のDNA
であることを示唆する。したがって、47kDaのタンパク
質をコードする遺伝子の開始部位はこのBamH 1部位から
約1500−1800塩基対の部位であると予想された。47kDa
タンパク質の発現は、pSK(−)に含まれるβ−ガラク
トシダーゼプロモーターに対するその遺伝子の方向に関
わりなく似かよっており、このことは該タンパク質がそ
れ自身のプロモーターの制御下でE.coliにて発現される
ことを示す。このタンパク質を発現するE.coliクローン
の膜を、該タンパク質を発現しないE.coliの膜と比較し
た(図6)。両膜調製物の結合曲線は、該タンパク質が
ヘモフィルスと同様に受容体に高親和性で結合する能力
をE.coliに付与することを示している。
5. 47kDaアドヘシンは新規なタンパク質である。
一連の主要な膜タンパク質の特性が幾人かの研究者に
より決定されている(ここに参考して組み込む、Gonzal
es et al.,Infect.Immun.,55:2993−3000(1987))。
これらは約43kDaのP1および約18kDaのP6を含む。47kDa
アドヘシンがこれらの既に特徴づけられたタンパク質の
いずれでもないということを確認するために分析した。
P1またはP6を発現するE.coliクローンを使用したとき、
いずれのクローンもHib43と反応しないことは、この抗
体がこれらのタンパク質のいずれをも認識しないことを
示している。さらに、P1タンパク質は47kDaアドヘシン
とサイズが似ているので、我々は熱修飾により47kDaア
ドヘシンがP1でないことを示した。P1を発現するE.coli
を室温または100℃で処理後、SDS−PAGEによって分離し
た。P1は熱修飾されることが既に示されている(Gonzal
es et al.)。100℃処理後では、P1は約43kDaの位置に
移動したのに対し、室温処理後では、該タンパク質は約
32kDaの位置に移動した。47kDaタンパク質は熱修飾しな
いことが示された。
6. 47kDaアドヘシンの精製 47kDaタンパク質はKrivanらに従って免疫吸着体とし
てモノクローナル抗体Hib43を用いて均一になるまで精
製した。すなわち、抗体をシアノーゲン活性化したセフ
ァロース4CLビーズ(Pharmacia)に製造者の推薦に従っ
てカップリングした。カップリングした抗体約81mgを含
む4mlのカラムを使用した。Hin47タンパク質を4LのLuri
a Broth培地内で定常期になるまで増殖させたXL−1/pMC
101によって産生させた。細胞を遠心分離(12,000×g,1
5分間)によりペレット化し、PBSに再懸濁し、そして超
音波にかけた。超音波処理物を遠心分離(12,000×g,15
分間)によりペレット化し、上清を遠心分離(1000,000
×g,1時間)によりペレット化した。その結果得られた
膜ペレットを1%サルコシル(N−ラウロイルサルコシ
ン)(Sigma chemical)に再懸濁し、遠心分離(100,00
0×g,1時間)によりペレット化した。上清をPBSに対し
透析し、抗体カラムにアプライした。カラムをPBSにて
洗浄し、結合したタンパク質を3.5M MgCl2にて溶出し
た。本物質をPBSに対して透析し、SDS−PAGE上での分離
によって分析した。ゲルを銀(Biorad)にて染色した。
47kDaタンパク質が均一となるまで精製されたことを示
す単一種として現れた。
7.ヘモフィルス属(genus)に関する47kDaアドヘシンの
保存性 この47kDaタンパク質のヘモフィルス属の保存性を、
表5に挙げた選択された生物からの全細胞のウェスタン
ブロッティングで分析した。型別不能(non−typable)
ヘモフィルス・インフルエンザ株、ヘモフィルス・イン
フルエンザb型株、および型別しなかった(non−type
d)臨床上(clinical)のヘモフィルス・インフルエン
ザ分離株はHib43と反応する約47kDaのタンパク質を有し
ていた。
実施例5 合成PRPのタンパク質へのカップリング 化合物14のオリゴマーの使用 ヒト血清アルブミン(41mg,1.0マイクロモル)のリン
酸緩衝液(0.1M,pH8.0,15ml)を化合物14(40マイクロ
モル)の溶液と混合し、1時間後にシアノホウ水素化ナ
トリウム(26mg,410マイクロモル)を加えた。該混合物
を37℃で4日間穏やかに攪拌し、その後限外濾過し、水
にて希釈し、再び限外濾過した。残った物質を凍結乾燥
し、Bio−Gel P4上のゲル濾過により精製した。適切な
画分を集め凍結乾燥した。(ハプテン/タンパク質分子
として示される)官能化の程度はローリー(Lowry)タ
ンパク質測定法とオルシノール(orcinol)リボース測
定法の組み合わせにより評価した、一般に、5〜10ハプ
テン/タンパク質分子の値が得られた。
化合物16のオリゴマーの使用 水性水酸化ナトリウム(0.5M,6.0ml)、エタノール
(4.0ml)、および酢酸(180μl)の混合物への化合物
16(100マイクロモル)の溶液を、チオホスゲン(30μ
l)を添加しながら攪拌した。10分後、該混合物を酢酸
エチルと水とに分配し、水層を半量まで濃縮し、ヒト血
清アルブミン(164mg,4.0マイクロモル)のホウ酸緩衝
液(0.1M,pH9.3,6ml)溶液に添加した。pHを9.5に調整
し、該混合物を終夜室温で穏やかに攪拌し、限外濾過
し、水にて希釈し、再び限外濾過した。残った物質を凍
結乾燥し、Bio−Gel P4上でゲル濾過によって精製し
た。適当な画分を集め、凍結乾燥した。
(ハプテン/タンパク質分子として示される)官能化の
程度はローリー(Lowry)タンパク質測定法とオルシノ
ール(orcinol)リボース測定法の組み合わせにより評
価した。一般に、10〜20ハプテン/タンパク質分子の値
が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI //(C12P 21/00 C12R 1:19 C12R 1:19) C12N 15/00 A (72)発明者 ノーバーグ ニルス トーマス スエーデン ルンド エス−222 41 ソフィアパークン 2デー 審査官 鈴木 恵理子 (56)参考文献 Acta Pathology Mi crobiology Immunol ogy Scand.Sect Inf ection And Immunit y,Vol.58,No.12(1990), p.4036−4044 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 21/00 C07K 14/285 BIOSIS(DIALOG)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】精製された非熱修飾性H.インフルエンザ
    アドヘシンタンパク質であって、 フコシルアシアロ−GM1、アシアロ−GM1およびアシアロ
    −GM2よりなる群から選択される前記タンパク質の受容
    体に結合し、かつ SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で測定した場合
    に47,000ダルトンの分子量を有する、ことを特徴とする
    前記タンパク質。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の非熱修飾性タンパク質を
    タンパク質分解酵素によって分解することにより得ら
    れ、かつフコシルアシアロ−GM1、アシアロ−GM1および
    アシアロ−GM2よりなる群から選択される前記タンパク
    質の受容体に結合しうるフラグメントである、精製され
    たポリペプチド。
  3. 【請求項3】精製されたH.インフルエンザ アドヘシン
    タンパク質の調製方法であって、 H.インフルエンザ菌の膜を可溶化することにより、前記
    アドヘシンタンパク質を含有する可溶化物質と不溶性物
    質を生成し、 前記不溶性物質から前記可溶化物質を分離し、 前記可溶化物質と、不溶性固相支持体に結合させた、フ
    コシルアシアロ−GM1、アシアロ−GM1およびアシアロ−
    GM2よりなる群から選択される前記アドヘシンタンパク
    質の受容体とを、前記アドヘシンタンパク質が前記受容
    体に結合するのに十分な時間接触させ、そして 前記受容体から前記タンパク質を分離させて、47,000ダ
    ルトン(SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によ
    る)の非熱修飾性アドヘシンタンパク質を精製された形
    で回収する、 各工程を含んでなる方法。
  4. 【請求項4】精製されたH.インフルエンザ アドヘシン
    タンパク質の調製方法であって、 H.インフルエンザ菌の膜を、膜結合タンパク質を取り出
    す溶液により抽出して前記アドヘシンタンパク質を含有
    する抽出物を取得し、 前記抽出物中の固形物質から前記アドヘシンタンパク質
    を含有する上清を分離し、 前記上清と、不溶性固相支持体に結合させた、前記アド
    ヘシンタンパク質に対するモノクローナル抗体とを、前
    記アドヘシンタンパク質が前記モノクローナル抗体に結
    合するのに十分な時間接触させ、そして 前記抗体から前記アドヘシンタンパク質を分離させて、
    47,000ダルトン(SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳
    動による)の非熱修飾性アドヘシンタンパク質を精製さ
    れた形で回収する、 各工程を含んでなる方法。
  5. 【請求項5】H.インフルエンザ アドヘシンタンパク質
    に結合されたポリリボシルリボトールホスフェート(PR
    P)フラグメントを含んでなる免疫原性オリゴ糖−タン
    パク質複合体であって、前記タンパク質がSDS−ポリア
    クリルアミドゲル電気泳動で測定した場合に47,000ダル
    トンの分子量を有する非熱修飾性H.インフルエンザ外膜
    タンパク質であることを特徴とする前記複合体。
  6. 【請求項6】前記PRPフラグメントが合成オリゴ糖であ
    る、請求項5に記載の複合体。
  7. 【請求項7】前記合成オリゴ糖が次式: (式中、nは2〜30である)で表される、交互に存在す
    るリボースとリビトールの分子がホスホジエステル結合
    により結合された線状ホモポリマーである、請求項6に
    記載の複合体。
  8. 【請求項8】1〜30個の前記オリゴ糖が前記非熱修飾性
    タンパク質に結合されている、請求項7に記載の複合
    体。
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Acta Pathology Microbiology Immunology Scand.Sect Infection And Immunity,Vol.58,No.12(1990),p.4036−4044

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