JP3330868B2 - デマルチプレクサ - Google Patents

デマルチプレクサ

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JP3330868B2 JP05228398A JP5228398A JP3330868B2 JP 3330868 B2 JP3330868 B2 JP 3330868B2 JP 05228398 A JP05228398 A JP 05228398A JP 5228398 A JP5228398 A JP 5228398A JP 3330868 B2 JP3330868 B2 JP 3330868B2
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宮本  裕
和男 萩本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ通信シ
ステムにおいて、時分割多重された光データ信号を、低
速の信号に分離するためのデマルチプレクサに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】光時分割多重方式による光ファイバ通信
システムにおいては、高速に多重された信号を、電気回
路により構成された受信回路で受信可能な信号速度に間
引くためのデマルチプレクサが必要であり、これまで、
光変調器を光ゲートとして用いる構成が用いられて来
た。光ゲートを用いたデマルチプレクサの代表的な構成
例を図2(a)に示す。ここでは1/n=1/4(1/
nは繰り返し周波数短縮レート)の場合の例を示してい
る。光ゲート1の入力は、時分割多重された光データ信
号Aである。この光データ信号Aから、1/4のレート
に間引いた信号を分離するためには、光ゲート1の制御
信号入力端子1bに、クロック抽出回路6により抽出し
た、光データ信号Aと位相同期した1/4の繰り返し周
波数を持つ電気クロック信号Cを入力すればよい。同図
(b)に、電気クロック信号Cによる信号の分離のタイ
ムチャートを示す。光ゲート1は、電気クロック信号C
の振幅が1に近づくに従い、透過状態になり、また、0
に近づくに従い、不透過の状態となる。つまり、光ゲー
ト1は、クロック周期で透過、不透過の状態を繰り返す
光ゲートとして振る舞う。このため、理想的な状態で
は、光ゲート開の状態で到来した光データ信号Aは、光
ゲート1の出力端子1cに出力されるが、光ゲート閉の
状態で到来した光データ信号Aは、消光され、光出力端
子1cに現れない。この様にして、4ピット並びの光デ
ータ信号Aから、特定の位置の1ピットが出力される、
つまり、1/4のレートに間引かれた信号が分離される
訳である。
【0003】また、デューティの小さなクロック信号を
得る手段として光クロックを用いる方法がある。図3
(a)に、光クロックを用いたデマルチプレクサの構成
例を示す。光データ信号Aの1/n(但しn≧2の整
数)の繰り返し周波数を持つ光クロック信号Bを出力す
る光クロック抽出回路2を設け、光クロック信号Bを光
増幅器3で増幅した後、電気信号に変換する受光素子8
と、受光素子8からの電気信号を増幅する増幅器7を介
して、電気クロック信号Cを光ゲート1の制御信号入力
端子1bに印加する電圧印加手段5とを設けている。光
クロック抽出回路2としてモード同期レーザーなどを用
いて実現することが出来る。モード同期レーザーの共振
器長を、所望のクロック周波数に設定することで、入力
された光データ信号Aと同期のとれた、1/nのレート
のクロック信号を抽出でき、さらに、モード同期をかけ
ることによってデューティが小さな光クロックパルス列
の発生が可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、クロッ
ク抽出回路6により発生したクロック信号を用いる従来
構成ではゲート幅を短縮する上で、本質的な問題があ
る。すなわち、電気回路により構成したクロック抽出回
路6の最も代表的なものは、微分・全波整流器を用いた
回路構成や、フェーズロックループ(PLL)回路を用
いた構成であり、所望の1/n周波数の分周クロックを
発生するために、トグルフリップフロップを用いたり、
あるいは周波数可変発振器が用いられる。この場合、発
生されるクロック信号のデューティは50%の矩形波か
正弦波にならざるを得ない。例えば図2(b)に示すよ
うに、クロックに正弦波を用いる場合、信号の立ち上が
り、立ち下がりがデータ信号に対して非常に遅く、ゲー
トが閉じきらないうちに、次の信号パルスが到来してし
まう。このため、本来消光されるべき近接パルスが出力
に洩れ込んで、符号間干渉を生じさせ、符号誤り率を増
大させる。以上述べた理由から、クロック抽出回路6に
よって発生させた、デューティの大きなクロック信号で
は、十分なゲートの短縮が行えないという問題がある。
【0005】また一方、光クロック信号を用いる場合に
は、光ゲート1を駆動する電気信号を得るため必要とな
る受光素子8の出力が不足するという問題がある。従
来、高速の受光素子としてPINフォトダイオードが一
般に用いられてきた。しかし、PINフォトダイオード
の高速動作が可能なのは、入射光強度が1mWまでの領
域であり、入射光強度がそれ以上となる領域では、出力
パルスに裾引きが現れ、デューティの低いパルスが得ら
れない。このため、PINフォトダイオードの出力振幅
は、高々、100mV程度に制限される。光ゲート1と
して用いられる変調器の中でも、駆動電圧が小さい電界
吸収型変調器でさえ、1V以上の電圧振幅は必須である
ため、PINフォトダイオードの出力振幅を増幅するた
めの増幅器7が必要となる。したがってPINフォトダ
イオードの出力パルスが、小さいデューティを実現して
いても、増幅器の帯域制限による波形の鈍りから、デュ
ーティが大きくなってしまうという問題がある。
【0006】以上に述べたように、電気回路により発生
したクロック信号では、十分に小さいデューティを実現
できないこと、また、デューティの小さい光クロック信
号を用いたとしても、光ゲート1を駆動するのに十分な
振幅を得るために用いる増幅器7が帯域制限となること
が従来技術の問題点であった。
【0007】本発明は上述の課題を解決するためになさ
れたもので、十分に小さいデューティで、光ゲートを駆
動するのに十分な振幅を得ることをを実現し、ゲート幅
の短縮ができ、より高速の光データ信号を分離し得るデ
マルチプレクサを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明においては、時分割多重された光データ信号
の入力端子、出力端子および光入出力間の損失を制御す
るための制御信号入力端子を有する光ゲートと、上記光
データ信号を入力し、上記光データ信号の1/n(但し
n≧2の整数)の繰り返し周波数を持つ光クロック信号
を出力する光クロック抽出回路と、上記光クロック信号
を電気信号に変換する受光素子と、上記受光素子の出力
が直接入力されて電気クロック信号を生成し、上記光ゲ
ートの制御信号入力端子に入力する電圧印加手段とを有
するデマルチプレクサであって、上記受光素子に、電圧
振幅が上記光ゲートの駆動電圧以上であり、かつデュー
ティの小さい電気クロック信号を発生させる高出力受光
素子を用いる。
【0009】また、上記高出力受光素子として、単一走
行キャリアフォトダイオードを用いる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るデマルチプ
レクサの実施の形態を示す構成図である。図に示すよう
に、時分割多重された光データ信号Aの入出力端子1
a、1cおよび光入出力間の損失を制御するための制御
信号入力端子1bを有する光ゲート1と、光データ信号
Aを入力し、光データ信号Aの1/n(但しn≧2の整
数)の繰り返し周波数を持つ光クロック信号Bを出力す
る光クロック抽出回路2と、光クロック信号Bを増幅す
る光増幅器3と、光増幅器3からの出力光を電気信号に
変換する高出力受光素子4と、高出力受光素子4の出力
から電気クロック信号Cを生成し、光ゲート1の制御信
号入力端子1bに印加する電圧印加手段5とにより構成
されている。
【0011】光クロック信号Bを高速・高出力の高出力
受光素子4で光電気変換することで、デューティの小さ
な電気クロック信号Cを発生し、これによって電気回路
の増幅器を全く用いず、直接光ゲート1を駆動してゲー
ト幅の狭いデマルチプレクサを実現している点が従来構
成とは異なる。光増幅器3は極めて広帯域であるので、
帯域制限要因にはならない。また、高出力受光素子4と
光ゲート1を電圧印加手段5を介して直結させているた
め、帯域制限要因が少なく、高速動作に有利である。
【0012】高出力受光素子4には、高出力・広帯域動
作を特徴とする単一走行キャリアフォトダイオード、U
TC‐PD(T.Ishibashi,et al,“Uni-Travelin
g‐Carrier Photodiode”Tech.Dig.on Ultrafas
t Electronics and Optoelectronics,p.166,1
997)を用いることが出来る。UTC‐PDは、3-d
B帯域80GHzを維持しつつ、70mA以上の光電流
を出力することができ、変調器を直接駆動するに十分な
1V以上の電圧振幅を持つ短電気パルス列の発生を可能
としている。
【0013】本構成の従来構成に対する優位性を示すた
め、二つの構成のデマルチプレクサのゲート幅を比較し
た。一つは、光ゲート1の制御信号入力端子1bに単一
走行キャリアフォトダイオードを接続し、クロックとし
て、モード同期レーザーにより発生させた短光パルス列
を用いた本発明の構成である。もう一方は、クロックと
して、電気の正弦波を用いた従来構成のものである。ど
ちらの構成も光ゲート1として同一の電界吸収型光変調
器を用い、クロック周波数は10GHzであり、光ゲー
ト1の制御信号入力端子1bでの振幅は等しい。ここで
は光ゲート1の入力端子1aに入射した連続光を、クロ
ック信号で切り出した時のパルス幅をゲート幅としてい
る。両方の構成で、ゲート幅を比較した結果を図4に示
す。電界吸収型変調器の消光特性の非線形性により、バ
イアス電圧を深くしていくに従い、ゲート幅の短縮がで
きる。しかしながら、電気の正弦波クロックを用いた従
来構成ではゲート幅は22ps程度までしか短縮できな
い。一方、本発明による構成では、ゲート幅は8ps程
度と、従来構成の1/3近くまでゲート幅を狭くできて
おり、より高速のデータ信号から低レートの信号を分離
し得ることが明らかである。
【0014】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、高
出力受光素子の出力で光ゲートを直接駆動することで、
帯域制限要素が少なく、十分に小さいデューティで、光
ゲートを駆動するのに十分な振幅を得ることを実現し、
ゲート幅の短縮ができ、より高速の光データ信号を分離
し得るデマルチプレクサが得られた。
【0015】また、高出力受光素子として、単一走行キ
ャリアフォトダイオードを用いることにより上記効果を
確認することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るデマルチプレクサの実施の形態を
示す構成図である。
【図2】電気回路により構成されたクロック抽出回路を
持つ従来のデマチプレクサの構成図である。
【図3】光クロック抽出回路と、PIN-PDを用いた
従来のデマルチプレクサの構成図である。
【図4】本発明と従来構成のデマルチプレクサのゲート
幅の比較図である。
【符号の説明】
1……光ゲート 1a…入力端子 1b…制御信号入力端子 1c…出力端子 2……光クロック抽出回路 3……光増幅器 4……高出力受光素子 5……電圧印加手段 6……クロック抽出回路 7……増幅器 8……受光素子 A……光データ信号 B……光クロック信号 C……電気クロック信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 板橋 通孝 (56)参考文献 特開 平9−214470(JP,A) 特開 平9−102776(JP,A) 特公 平8−13025(JP,B2) 清水直文、渡邊則之、古田知史、石橋 忠夫、宮本裕、萩本和男,超高速1.55 ミクロン帯単一走行キャリア・フォトダ イオード,電子情報通信学会技術研究報 告,日本,社団法人電子情報通信学会, 1997年11月5日,Vol.97,No. 358,OCS97−75,99−104 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04J 14/08 H04B 10/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】時分割多重された光データ信号の入力端
    子、出力端子および光入出力間の損失を制御するための
    制御信号入力端子を有する光ゲートと、上記光データ信
    号を入力し、上記光データ信号の1/n(但しn≧2の
    整数)の繰り返し周波数を持つ光クロック信号を出力す
    る光クロック抽出回路と、上記光クロック信号を電気信
    号に変換する受光素子と、上記受光素子の出力が直接入
    力されて電気クロック信号を生成し、上記光ゲートの制
    御信号入力端子に入力する電圧印加手段とを有するデマ
    ルチプレクサであって、 上記受光素子に、電圧振幅が上記光ゲートの駆動電圧以
    上であり、かつデューティの小さい電気クロック信号を
    発生させる高出力受光素子を用いることを特徴とするデ
    マルチプレクサ。
  2. 【請求項2】上記高出力受光素子として、単一走行キャ
    リアフォトダイオードを用いることを特徴とする請求項
    1に記載のデマルチプレクサ。
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JP5372634B2 (ja) * 2009-07-15 2013-12-18 アンリツ株式会社 サンプリング波形測定装置
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Title
清水直文、渡邊則之、古田知史、石橋忠夫、宮本裕、萩本和男,超高速1.55ミクロン帯単一走行キャリア・フォトダイオード,電子情報通信学会技術研究報告,日本,社団法人電子情報通信学会,1997年11月5日,Vol.97,No.358,OCS97−75,99−104

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