JP3329934B2 - 木材製品の処理方法 - Google Patents

木材製品の処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、家の中で、台所、浴
室、便所など日常において水を使う部分である水回りで
使用される木製品の抗菌・抗カビ・防ダニ処理に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】木自身が有する長所として 重量が軽い割には強度が大で靱性にも富んでいる。 加工が比較的しやすい。 感触が柔らかく、暖かな感じがし、外観が優美であ
る。 比較的安価である。 温度・音・電気などの伝導率が低く、ほとんど絶縁的
である。 等が挙げられるように種々の分野に使用されているが、
特に日常的な水回り製品にもかなりよく利用されてきて
いる。
【0003】しかし、その反面、腐朽、虫害、風化を受
けやすいという欠点を有し、従来からこの欠点を解消す
るための種々の検討がなされてきている。例えば、これ
らの欠点を解消するための薬剤を塗布あるいは吹き付け
によって表面を処理する方法がある。しかしこの方法は
木材に吸収される薬剤の量は僅かであって、その浸透す
る深さは非常に浅いものなので、処理が十分でなく効果
の持続性が低く、長期的に見ればあまり良い方法とは言
えなかった。また、丁寧に処理しても処理むらができや
すく、数回繰り返して処理する必要がありたいへん面倒
な作業であると同時に塗布はすり込むように強めに塗る
必要があり、場合によっては木表面を傷めることがあっ
た。そして時には、この処理むらによって木目質感が損
なわれることがあった。
【0004】その他に、注入法があり、特に加圧注入法
が注目されてきている。この加圧注入法の一般的な方法
として、密閉容器に木材と処理薬剤を入れ、その後、加
圧ポンプによって薬液の圧力を高めて(場合によって
は、減圧と加圧を組み合わせて行うこともある。)木材
内に薬液を加圧注入する方法として知られている。この
方法は、薬剤の浸透深度が高く、均一でしかも吸収量が
大きいので効果も大きく、近年広く行われている。
【0005】しかし、これらの従来の方法は、いずれも
加工前に処理するものであるため、製品となったときに
は、処理効果がうすれてしまっていて、実際使用すると
きには、十分衛生的とは言えないことがあった。また特
に、常に水を使うような場所では、ぬめりや黒ずみなど
が発生し、不快感があるなどの問題があった。
【0006】一方で、薬剤は防菌、防カビ剤としてアル
コール、フェノール系などの有機系のものが主流で使用
されているが、この有機系の薬剤は危険性も高く又寿命
も長くないという欠点を有していた。
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決し、最終製品として現在の木製品に抗菌・抗カビ
・防ダニ性能を付加することによって、木製品の本来の
木肌感触を失うことなく、ぬめりや黒ずみを抑え、木製
品の清潔感を向上させるとともに、耐久性を向上させる
ものである。さらに薬剤による安全性も確保するもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、水回りの木製
品の処理において、成形後に最大粒径10μm以下の抗
菌・抗カビ・防ダニ用溶解性硝子を1〜10重量%含む
水溶液を、加圧注入処理にて5.0〜15.0kgf/
cm2 の範囲で180〜300分間加圧処理を施すこと
を特徴とするものであり、より好ましくは加圧処理の前
工程として650〜720mmHgの範囲で60〜90
分間減圧処理を施すことに特徴を有するものである。
【0008】またここで言う溶解性硝子がZnOを含有
するものであって、更には溶解性硝子の組成が酸化物表
示でB2 3 :45〜60モル%、SiO2 :10〜3
0モル%、Na2 O:5〜20モル%のものにZnOが
20〜40モル%を含むことを特徴とするものである。
【0009】溶解性硝子とは、水によって一定期間内に
ほぼ一定の量の組成物を溶出する硝子のことであって、
この溶解性硝子自体は公知である。この溶解性硝子に種
々の機能を持たせたものは、近年注目されてきている。
【0010】そこで、われわれはこの溶解性硝子を用い
て、木製品に抗菌・抗カビ、防ダニ処理をすることにつ
いて、様々な検討を重ねてきた。しかし、加工前に処理
を施したものはいずれも、日常によく水を使用するある
いは湿気の多いところではすぐに処理効果がうすれてし
まいその結果かなりこまめに清掃しないと黒ずみやぬめ
りが発生していることがわかってきた。そのためにわれ
われは加工後に処理することについて、さらに検討を進
めたところ、注入処理を行うと一番効果が高く、まず、
減圧処理にて650〜720mmHgを行った後で、
5.0〜15.0kgf/cm2 の加圧処理を施せば抗
菌・抗カビ、防ダニに対してより良い結果が生まれた。
そして前者の工程は、60〜90分間行うのがよく、後
者の工程は、180〜300分間行う必要がある。そし
てさらに、従来、溶解性硝子を固体のまま使用していた
ものを水溶液あるいはエマルジョン体で供給することで
処理をより確実なものとすることができた。
【0011】この水溶液あるいはエマルジョン体は、ガ
ラス化した抗菌・抗カビ・防ダニ用溶解性硝子を、溶媒
として水を主成分としたものに混合するのみでよい。ま
た、この水溶液あるいはエマルジョン体は、水溶液中に
1〜10重量%含まれるのがよい。これより少ないと効
果は低く、逆にこれ以上混合させても効果があまりかわ
らないことと、水に溶解性硝子が溶けにくいためであ
る。
【0012】一方、溶解性硝子は、酸化物表示で、B2
3 :45〜60モル%、SiO2:10〜30モル
%、Na2 O:5〜20モル%の硝子主成分に抗菌・抗
カビ・防ダニ作用を現す銀、銅、亜鉛の金属酸化物を含
有させることによって、長期間一定量この金属イオンが
溶けだし、効果が生じるのである。ここで、B2 3
45モル%より少なければ、溶出してくる金属イオンの
量が少なく、抗菌効果が十分発揮されない。又、60モ
ル%より多ければ、溶出してくる金属イオンの量が過剰
になり、無駄となってしまうためである。SiO2 、N
2 O、の範囲内が金属イオン溶出に対して一番良く、
ガラス化範囲内であるからである。特にZnOを含有し
たものは、我々の種々の試みにより変色を防ぐ作用もあ
ることが同時に判っており、日用品など、日頃よく目に
つくものは特にZnOがより好ましい。この時、ZnO
は、上記硝子に20〜40モル%を含むことがよりよ
い。これより含有量が少ないと、抗菌効果が低くなって
しまい、逆にこれ以上含有させると、ガラスに対して割
合が多くなってしまうため、混合、ガラス化の面で不利
になるためである。以下の実施例によって更に詳細に本
発明を明らかにする。
【0013】
【実施例】
(実施例1)B2 3 :50モル%、SiO2 :20モ
ル%、Na2 O:5モル%の硝子をベースにZnOを2
5モル%含有した溶解性硝子を作成し、湿式粉砕機にて
最大粒径5μmになるように粉砕した。更に水に10重
量%となるように液を調整した。そして、予め用意した
市販の木製のまな板にまず700mmHgの減圧処理を
60分した後で、7.0kgf/cm2 の加圧処理を施
した。また、比較として、処理していないまな板と効果
の違いを比較した。その結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】表1に示されるように明らかに菌の繁殖の
防止が確認された。
【0016】(実施例2) (1) 抗菌試験 実施例1で用いた本発明のまな板と、比較例として成形
前に加圧処理をした後にまな板を成形したものとの効果
の違いを次の方法によって確認した。まず、それぞれの
サンプル(5×5cm)に水を付けて、1日吸水させ、
その後、大腸菌3×106 個/mlを含む1/50濃度
の普通ブイヨン0.5mlを滴下した。それから、フィ
ルムで覆い、サンプル表面を濡れた状態にし、35℃に
て24時間培養した。培養後にフィルムを取ってSCD
寒天培地上にサンプルをスタンプし、その後この関連培
地を35℃にて24時間培養し、生菌の有無をコロニー
の形成有無にて判断した。その結果を表2に示す。
【0017】
【表2】
【0018】表2からもわかるように加工後に加圧処理
を施した本発明の方が比較例に比べて効果が高いことが
確認された。
【0019】(2) 抗カビ試験 (1) で用いたものと同じものをサンプルとして用い、次
のように抗カビ試験を行った。それぞれのサンプル(5
×5)に水を付けて、1日吸水させ、その後、青カビ2
×105 個/mlを含む1/10ポテトデキストロース
0.5mlを滴下した。それから、25℃にて1週間、
高湿下に放置し、放置後サンプルをポテトデキストロー
ス寒天培地上にスタンプし、25℃で4日間培養しカビ
の繁殖の有無を観察した。その結果、実施例では繁殖が
全く無かったが、比較例では繁殖があり、抗カビの効果
についても差が生じた結果となった。
【0020】
【発明の効果】最終製品として現在の木製品に抗菌・抗
カビ・防ダニ性能を付加することによって、木製品の本
来の木肌感触を失うことなく、ぬめりや黒ずみを抑え、
木製品の清潔感を向上させるとともに、耐久性を向上さ
せえたものである。成形後に処理を施すために、効果の
持続性の面で大幅に向上することができたものであり、
容易に現在の工程にも組み込むことができる。さらに無
機系の薬剤を用いているため、人体に対して安全であっ
て作業環境上も問題が生じることがない。また、Zn含
有溶解性硝子を使用すれば、変色に関しても問題なく、
使用時に紫外線等によっても変色が皆無である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水回りの木製品の処理において、成形後
    に最大粒径10μm以下の抗菌・抗カビ・防ダニ用溶解
    性硝子を1〜10重量%含む水溶液を、加圧注入処理に
    て5.0〜15.0kgf/cm2 の範囲で180〜3
    00分間加圧処理を施すことを特徴とする木材製品の処
    理方法。
  2. 【請求項2】 加圧処理を施す前に650〜720mm
    Hgの範囲で60〜90分間減圧処理を施す工程を有す
    る請求項1に記載の木材製品の処理方法。
  3. 【請求項3】 溶解性硝子がZnOを含有する請求項1
    又は2に記載の木材製品の処理方法。
  4. 【請求項4】 酸化物表示でB2 3 :45〜60モル
    %、SiO2 :10〜30モル%、Na2 O:5〜20
    モル%の溶解性硝子にZnOが20〜40モル%である
    ことを特徴とする請求項3に記載の木材製品の処理方
    法。
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