JP3329820B2 - 低温耐性ピルビン酸リン酸ジキナーゼ活性を有するポリペプチド及びそれをコードするdna並びに該dnaを含む組換えベクター及び形質転換植物 - Google Patents

低温耐性ピルビン酸リン酸ジキナーゼ活性を有するポリペプチド及びそれをコードするdna並びに該dnaを含む組換えベクター及び形質転換植物

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象三 太田
悟 宇佐美
ニゲル ジェームス バーネル
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物に低温耐性を付与する手段としての新
規な低温耐性ピルビン酸リン酸ジキナーゼ(以下、「PP
DK」と言うことがある)活性を有するポリペプチド、そ
れをコードするクローン化されたDNA及び該DNAを含む組
換えベクターに関する。さらにまた、本発明は、上記本
発明のDNAにより形質転換された植物に関する。
【0002】
【従来の技術】
C4植物は強光・高温・低CO2といった条件での光合成
能力は高いが、一部の低温条件に適応したものを除き、
一般に低温では光合成量が大きく低下する。PPDK(EC2.
7.9.1、ATP、ピルビン酸及びオルトリン酸からAMP、ホ
スホエノールピルビン酸及びピロリン酸を生じる反応を
触媒)はC4経路の重要な酵素の一つであるが、その活性
は葉組織の光合成速度に比べて十分とはいえず、C4光合
成の炭酸固定を律速する酵素の一つである。またPPDKは
低温感受性酵素であることが発見と同時に指摘されてい
る。トウモロコシPPDKの場合、11.7℃に酵素活性の変曲
点があり、この温度はトウモロコシの生育の限界温度と
一致している。これらのことから、PPDKはC4植物の光合
成速度が低温で低下する一因であると考えられており、
PPDKの低温感受性の改善によりC4植物であるトウモロコ
シの生育限界温度を引き下げることができるかも知れな
い。キク科植物フラベリア・ブローニイ(Flaveria bro
wnii)はC3/C4中間型に分類され、そのPPDKは0℃の低
温処理においてもほとんど失活しないことが知られてい
る(Burnell JN:A comparative study of the cold−se
nsitivity of pyruvate,Pi dikinase in Flaveria spec
ies.Plant Cell Physiol.31,295−297(1990))。
【0003】 もし、上記フラベリア・ブローニイの低温耐性PPDKを
コードする遺伝子をクローニングし、それを用いて植物
を形質転換すれば、植物に低温耐性を付与することがで
きると期待される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、植物に低温耐性を付与する
手段として、新規な低温耐性PPDK活性を有するポリペプ
チド、それをコードするクローン化されたDNA及び該DNA
を含む組換えベクターを提供することである。さらにま
た、本発明の目的は、上記本発明のDNAにより形質転換
された植物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願発明者らは、鋭意研究の結果、フラベリア・ブロ
ーニイの完全なPPDK遺伝子をクローニングし、その塩基
配列及びそれがコードするアミノ酸配列を決定すること
に成功し、また、該PPDK遺伝子のうち、低温耐性を付与
する領域を同定することに成功し、本発明を完成した。
【0006】 すなわち、本発明は、配列表の配列番号5に示すアミ
ノ酸配列の832〜955番目の部分で、ピルビン酸リン酸ジ
キナーゼのアミノ酸配列の相同部分を置換した、低温耐
性ピルビン酸リン酸ジキナーゼ活性を有するポリペプチ
ドを提供する。また、本発明は、上記本発明のポリペプ
チドをコードするクローン化されたDNAを提供する。さ
らに、本発明は、上記本発明のDNAを含み、宿主中で低
温耐性ピルビン酸リン酸ジキナーゼ活性を有するポリペ
プチドを発現することができる組換えベクターを提供す
る。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明により、低温耐性を有する、フラベリア・ブロ
ーニイのPPDK遺伝子がクローニングされ、その塩基配列
及びそれがコードする推定アミノ酸配列が決定された。
該塩基配列及びアミノ酸配列が配列表の配列番号5に示
されている。この配列は、下記実施例において詳述する
ように、フラベリア・ブローニイの緑葉から全RNAを抽
出し、常法に基づきcDNAライブラリーを作製し、フラベ
リア・バイデンチス(Flaveria bidentis)(配列番号
1)及びトウモロコシのPPDK遺伝子の塩基配列(配列番
号2)の相同性の高い領域をプローブとしてプラークハ
イブリダイゼーションを行い、陽性クローンを選択して
クローニングし、ダイデオキシ法にて塩基配列を決定す
ることにより決定された。この配列は、同属のフラベリ
ア・バイデンチスのPPDK遺伝子と高い相同性を有し、ト
ウモロコシのPPDKとも比較的高い相同性を有し、さら
に、フラベリア・ブローニイの緑葉から直接精製された
PPDKのN末端配列、C末端配列及び内部配列と完全に一
致しているので、フラベリア・ブローニイのPPDK遺伝子
であることは明らかである。なお、フラベリア・バイデ
ンチスのPPDK遺伝子配列は、トウモロコシcDNAをプロー
ブとしてプラークハイブリダイゼーションを行い、陽性
クローンを選択してクローニングし、ダイデオキシ法に
て決定した。
【0008】 配列番号5に示すアミノ酸配列は新規なものであり、
同属のフラベリア・バイデンチスのPPDKのアミノ酸配列
と比較して40個のアミノ酸残基が相違している。また、
トウモロコシのPPDKのアミノ酸配列とは180個程度のア
ミノ酸残基が相違している。配列番号5に示されるフラ
ベリア・ブローニイのPPDKのアミノ酸配列は、このよう
に特に同属のフラベリア・バイデンチスのPPDKのアミノ
酸配列と高い相同性を有するが、フラベリア・バイデン
チスのPPDKは低温感受性であるのに対し、フラベリア・
ブローニイのPPDKは低温耐性であり、わずかなアミノ酸
配列の相違が重要な形質の相違をもたらしている。本発
明は、この配列番号5に示されるアミノ酸配列をコード
するクローン化されたPPDK遺伝子を提供する。上述のよ
うに、このアミノ酸配列は新規であり、また、低温耐性
を有するという顕著な効果を有するものである。本発明
の遺伝子は、配列番号5に示される塩基配列を有するも
のに限定されるものではなく、このアミノ酸配列をコー
ドするものであれば、いずれの塩基配列を有していても
よい。
【0009】 本願発明者らは、また、配列番号5に示されるフラベ
リア・ブローニイのPPDK遺伝子のうち、低温耐性を付与
することに関与している領域を同定することを試みた。
すなわち、下記実施例に詳述するように、フラベリア・
ブローニイのPPDK遺伝子を制限酵素でおよそ均等な大き
さになるように3分割し、分割した領域をトウモロコシ
のPPDK遺伝子の対応領域と交換してキメラPPDK遺伝子を
形成し、該キメラ遺伝子がコードするPPDKが低温耐性を
有するか否かを調べた。その結果、フラベリア・ブロー
ニイの最後の1/3の領域中に低温耐性を付与する領域が
存在することが確認された。さらに、この最後の1/3の
領域をおよそ均等に制限酵素で2分割し、そのいずれに
低温耐性を付与する領域が存在するかを同様な方法で確
認した。その結果、配列番号5に示されるフラベリア・
ブローニイのPPDK遺伝子のXho I部位よりも下流、すな
わち、配列番号5に示すアミノ酸配列のうち、832番目
のアルギニンから955番目のバリンまでのアミノ酸配列
(以下、この配列を「低温耐性付与配列」と言うことが
ある)中に低温耐性を付与する機能が存在していること
が確認された。
【0010】 すなわち、PPDKの低温耐性に関与する領域は、C末端
から全長の1/6の範囲に存在することが判明した。一
方、配列表の配列番号1にはフラベリア・バイデンチス
のPPDKをコードする遺伝子の塩基配列及び推定アミノ酸
配列が、配列番号2にはトウモロコシのPPDKをコードす
る遺伝子の塩基配列及び推定アミノ酸配列が示されてい
る(Journal of Biochemistry 263,11080−11083(198
8))。配列番号3にはバクテリアであるバクテロイデ
ス・シンバイオサス(Bacteriodes symbiosus)のPPDK
をコードする遺伝子の塩基配列及び推定アミノ酸配列が
示されている(Biochemistry 29,10757−10765(199
0))。配列番号4にはバクテリアであるエンタモエバ
・ヒストリチカ(Entamoeba histolytica)のPPDKをコ
ードする遺伝子の塩基配列及び推定アミノ酸配列が示さ
れている(Molecular and Biochemical Parasitology 6
2,153−156(1993))。上記のように、PPDKに低温耐性
を付与する領域が、C末端から全長の1/6の範囲内にあ
ることが本発明により判明したので、これらの配列番号
1ないし4に示されるアミノ酸配列のC末端から全長の
6分の1の範囲における少なくとも1つ以上のアミノ酸
残基を他のアミノ酸残基に置換することにより、低温耐
性PPDKを得ることが可能である。なお、ここで、「低温
耐性」とは、酵素を0℃の温度下に20分間放置した際
に、その活性が放置前の60%以上あることを意味する。
【0011】 上述のように、配列番号5に示すアミノ酸配列のう
ち、832番目のアルギニンから955番目のバリンまでの領
域が低温耐性を規定しているので、配列番号1ないし4
に記載される低温感受性PPDKの対応部分を、配列番号5
に示すアミノ酸配列のうち、832番目のアルギニンから9
55番目のバリンまでのアミノ酸配列に置き換えることに
より、その低温感受性PPDKを低温耐性に変えることがで
きる。この知見は非常に重要であり、これを利用して、
所望のPPDKに低温耐性を付与することができる。また、
PPDKに低温耐性を付与する方法としては、下記実施例の
ように、フラベリア・ブローニイPPDK中の低温耐性付与
配列を低温感受性PPDKの対応部分と交換することにより
キメラ遺伝子を作製する方法に限定されるものではな
く、その植物自身の低温感受性PPDKの対応部分を、部位
特異的変異(site−directed mutagenesis)によりフラ
ベリア・ブローニイPPDKの低温耐性付与配列と同じ配列
になるように改変することも可能である。従って、上記
低温耐性付与配列を含み、PPDK活性を有するポリペプチ
ドをコードするクローン化されたDNAはいずれも本発明
の範囲に包含される。特に、配列番号1に示すアミノ酸
配列の869番目をプロリンに置換したPPDK並びに885番目
及び952番目をロイシン及びバリンにそれぞれ置換したP
PDKは低温耐性を有する。
【0012】 フラベリア・ブローニイのPPDK遺伝子、又は、その低
温耐性付与配列を含み、PPDK活性を有するDNAで植物を
形質転換することにより、低温耐性の植物を作出するこ
とができる。この際、形質転換する植物の好ましい例と
して、トウモロコシ、サトウキビ、キビ、ヒエ及びソル
ガム等を挙げることができるがこれらに限定されるもの
ではない。
【0013】 植物の形質転換方法は既に確立されており、アグロバ
クテリウム・ツメファシエンスを用いた方法を好ましく
採用することができる。アグロバクテリウム・ツメファ
シエンスを用いた植物の形質転換方法はこの分野におい
て周知であり、これにより双子葉植物(たとえば特開平
4−330234号公報)でも単子葉植物(WO 94/00977)で
も形質転換することができる。あるいは、植物のプロト
プラストに常法であるエレクトロポレーション法等によ
り導入することもできるし、DNAをタングステン粒子等
に付着させ、植物の胚に打ち込むことによって形質転換
を行うことも可能である。これら形質転換の具体的方法
は下記実施例に記載されている。
【0014】 実施例 以下、本発明を実施例に基づき、より具体的に説明す
る。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるもので
はない。
【0015】 1.フラベリア・ブローニイのPPDK遺伝子のクローニング
及び塩基配列決定 (1)cDNAライブラリーの作製と完全長cDNAのクローニ
ング (i)cDNAライブラリーの作製 F.browniiの緑葉(60g)より塩酸グアニジン/フェノ
ール法により全RNAを単離した。この方法によりリチウ
ム沈澱の後26.5mgのRNAを得ることができた。次にOligo
dTセルロース タイプ7(ファルマシア)を充填した
カラムを用い、常法に従い13.2mgのRNAから118.9μgの
ポリA(+)RNAを得た。cDNAライブラリーの作製にはT
imeSaver cDNA Synthesis kit(ファルマシア),Lambda
ZAP IIベクター(ストラタジーン)およびcDNA clonin
g system λgt10(アマシャム)に添付されているパッ
ケージング試薬を用いた。EcoR I/Not Iリンカーを用い
Lambda ZAP IIベクターのEcoR IサイトにDNA断片が挿入
されたcDNAライブラリーを作製した。作製したcDNAライ
ブラリーのサイズは41.5万pfuであった。また宿主細胞
としてXL1−Blueをもちいた。
【0016】 (ii)プローブの調製 プロセシング部位付近に相当するプライマー5′:GAC
GGCTAAAAAGAGGGT(フラベリア・バイデンチスのPPDKのc
DNAとトウモロコシPPDKのcDNAの相同性の高い部分に基
づいて設計)およびRプライマーR:TATCGAGAAACCTTCTAT
AC(フラベリア・バイデンチスのPPDKの配列の一部、相
補鎖)により逆転写PCRでF.brownii RNAより増幅された
断片をもつpCR IIベクター(インビトロジェン社より市
販)を鋳型とし、同プライマーによりPCRで断片を増
幅、電気泳動後SUPREC−01(宝酒造)によりゲルからDN
Aを回収した。この過程で成熟タンパク質のN末端の下
流24bpより始まる428bPのDNA断片を得ることができる。
この断片をMultiprime DNA labelling system(アマシ
ャム)を用い32Pで標識しプローブを調製した。
【0017】 (iii)完全長フラベリア・ブローニイcDNAのクローニ
ング 上記DNA断片をプローブとしてcDNAライブラリーをプ
ラークハイブリダイゼーション法によりスクリーニング
した。ハイブリダイゼーションフィルターとしてHybond
N+(アマシャム)を用い、ハイブリダイゼーションの
条件は6xSSC,5xデンハルト液,0.1%SDS,100μg/ml変性
サケ精巣DNA中で65℃ overnightとた。洗浄条件は2xSS
C,0.1%SDSで室温5分,2xSSC,0.1%SDSで室温90分,さ
らに1xSSC,0.1%SDSで68℃90分とした。この結果、28個
の独立した陽性プラークを得た。このうちシグナルの強
かった11プラークを選び2次スクリーニングをおこなっ
た。2次スクリーニングは2回目の洗浄時間を60分とし
た以外は前述の1次スクリーニングと同様の方法でおこ
なった。その結果、6クローンから単一ファージ由来の
独立した陽性プラークを得た。挿入DNA断片部分のサイ
ズを調べるため前述のRプライマーとM13PrimerM4(GTT
TTCCCAGTCACGAC,宝酒造)およびM13PrimerRV(CAGGAAAC
AGCTATGAC,宝酒造)をプライマーとしファージを鋳型と
してPCRをおこなった。この結果、2クローンが完全長
であった。次に、in vivo Excisionを行い挿入DNA断片
部分をプラスミドベクターpBruescript II SK(−)
(ストラタジーン)にサブクローニングした。サブクロ
ーニングした組換えプラスミドをp411およびp631と命名
した。
【0018】 上記のように作製したライブラリーは、上記PCRによ
り、十分長いインサートを含むcDNAスクリーニングに向
くライブラリーであることがわかった。従って、フラベ
リアブローニのmRNAの単離には今回の方法を適用し、さ
らに今回のように大量のRNAの処理により大量のmRNAを
一度に得ることが有利である。
【0019】 また、上記cDNAライブラリーは、上述のように十分長
いインサートを多く含んでいるため、上記のように目的
タンパク質のプロセッシング部位付近のプライマーを用
いたプローブを調製することにより、完全長cDNAのスク
リーニングを容易に行うことが可能であった。
【0020】 (2)cDNA全塩基配列の決定と予想されるアミノ酸配列
の比較 p631の挿入cDNA断片について全塩基配列を決定するた
めDeletion mutantsを作製した。Deletion mutantsの作
製はKilo−Sequence用Deletion Kit(宝酒造)を用いお
こなった。ただし、エキソヌクレアーゼIIIの反応の停
止はあらかじめ65℃に保温したマングビーンヌクレアー
ゼバッファー(Mung Bean Nuclease Buffer)に移すこ
とによりおこなった。塩基配列の決定には、Qiagen Pla
smid Mini Kit(Diagen)を用いて精製したプラスミド
を使用し、Taq DyeDeoxy Terminator Cycle Sequencing
Kit(ABI)およびApplied Biosystems 373A DNA Seque
ncer(ABI)を用いおこなった。塩基配列は一部を除き
両方の鎖について決定した。決定された塩基配列を基に
アミノ酸配列を決定した。決定された塩基配列及びアミ
ノ酸配列を配列表の配列番号5に示す。
【0021】 なお、単離したcDNAの塩基配列の決定のためにデリー
ションクローンの作製を試みたが、エキソヌクレアーゼ
IIIによる削り込み反応は、反応液を単にマングビーン
ヌクレアーゼバッファーに変えただけでは止まらないた
め、マングビーンヌクレアーゼバッファーを予め65℃に
暖めておくことが重要であった。また、挿入遺伝子の上
流側からの削り込みだけではベクターとのつなぎ目から
数えて約600〜900bpまでの部分の塩基配列が決定できな
いため両方向からの削り込みが必要であった。
【0022】 一方、フラベリア・ブローニイからPPDKを直接精製
し、そのN末端領域、C末端領域及び内部領域のアミノ
酸配列を決定した。PPDKの精製は次のようにして行っ
た。3培量の抽出Bufferを用いてフラベリア・ブローニ
イの緑葉をすりつぶす→遠心後上精を30%硫安飽和とし
沈澱するタンパクを除く→さらに70%飽和硫安でタンパ
クを回収、Sephadex G25(ファルマシア社製)で脱塩す
る→DEAE−Sepharoseカラム(ファルマシア社製)を通
す→カラムに吸着しているタンパクを50−400mMのKCl濃
度勾配により溶出する→活性のあるフラクションを集め
70%飽和硫安で濃縮,Sephadex G25で脱塩する→ヒドロ
キシアパタイトカラムにかける→リン酸Bufferのリン酸
濃度を10mMから40mMに上げて吸着タンパク質を溶出する
→活性のあるフラクションを集め70%飽和硫安で濃縮,S
ephadex G25で脱塩する。その後SDS−PAGE電気泳動を行
ないPPDKのバンドを切取り、ゲルからタンパクを電気溶
出により回収した。このような手順で精製したPPDKサン
プル約5〜10nmolを得た。このようにして得られた精製
PPDKは、SDS−PAGEで1本のバンドを示した。
【0023】 次いで、得られた精製PPDKのN末端配列、C末端配列
及び内部配列を決定した。すなわち、N末端のアミノ酸
配列は、タンパク質をPVDF膜に転写し、気相アミノ酸シ
ーケンサーを用い行なった。C末端配列は精製したPPDK
をカルボキシペプチダーゼYにより消化し、遊離してく
るアミノ酸組成と消化時間の関係から推定した。内部の
アミノ酸配列はタンパク質をプロテアーゼで消化した時
に生じるペプチドのN末側からアミノ酸配列を明かにす
ることにより決定した。詳細な方法は以下のとおりであ
る。まずN末のアミノ酸配列を決定する時の方法に準じ
てフラベリア・ブローニイの緑葉よりPPDKをある程度精
製し、通常のSDS−PAGE電気泳動を行なった後、ゲルを
クマシーBrilliant Blue R250で染色、PPDKのバンドを
切り取る。切り取ったゲルを平衡化buffer(Tris−HCl
pH6.8 125mM,EDTA 1mM,0.1% SDS)中で平衡化しウエル
に挿入、2回目のSDS−PAGE電気泳動を行なう。この時
平衡化したゲルとともに重層液(Tris−HCl pH6.8 125m
M,EDTA 1mM,0.1% SDS,0.01% BPB,20%グリセロール)
および酵素液(Tris−HCl pH6.8 125mM,EDTA 1mM,0.1%
SDS,0.01% BPB,10%グリセロール,リシルエンドペプ
チダーゼ1〜5μgまたはV8プロテアーゼ0.01〜0.1μ
g)を加えておきしばらく泳動した後、濃縮ゲル中でタ
ンパク質の消化を行なう(電源offとし45分間放置)。
その後泳動を再開し、N末のアミノ酸配列を決定する時
の方法に準じてPVDF膜に転写、気相アミノ酸シーケンサ
ーを用い消化断片のN末端よりアミノ酸配列を決定し
た。
【0024】 上記のように決定したN末端配列、C末端配列及び内
部配列を以下に示す。 N末端配列:Asn Pro Val Ser Pro Pro Val(72〜78) C末端配列:Leu−Ala Ala*−Val Val(948〜955) 内部配列(1):Lys Leu Tyr Gly GluPhe Leu Val Asn
Ala Gln Gly−Asp Val Val Ala(349〜365) 内部配列(2):Gln Leu Leu Ala Pro Pro Ala Met Ser
Asn Ala Leu−Thr(592〜605) 内部配列(3):Leu Thr Ala Asp Thr Gly Met Ser Lys
Asp Glu Ile Tyr Ser Arg Ile Glu(721〜738) 内部配列(4):Ala− − −Ser Phe Gly Thr Asn As
p Leu Cys Gln Met Val Phe Gly−Ser(844〜862) なお、上記アミノ酸配列において、「*」はグルタミン
であるが用いた分析機器では分析不能であるものを示
し、「−」は分析結果が不明瞭なものを示す。また、括
弧内は、配列番号5に示すアミノ酸配列の対応部分のア
ミノ酸番号を示す。内部配列(2)及び(4)では、配
列番号5の対応部分の配列と一部異なっているが、これ
はアミノ酸シークエンサーのエラーによるものと考えら
れる。周知のように、アミノ酸シークエンサーのエラー
はかなりの頻度で起きるのに対し、DNAシークエンサー
のエラーはほとんど起きない。
【0025】 配列番号5に示すアミノ酸配列と、上記の精製PPDKか
ら直接決定された部分アミノ酸配列とは良く一致してお
り、配列番号5に示されるアミノ酸配列がPPDKのアミノ
酸配列であることが確認された。なお、配列番号5に示
すアミノ酸配列を公知のフラベリア・バイデンチスのPP
DK及びトウモロコシのPPDKのアミノ酸配列と比較したと
ころ、成熟タンパク部分で40個(フラベリア・バイデン
チス),及び180個程度(トウモロコシ)のアミノ酸が
異なっていた。また、上記の結果から、配列番号5に示
すアミノ酸配列のうち、1番目から71番目のアミノ酸配
列は成熟タンパク質に存在せず、膜の通過に必要なトラ
ンジットペプチドであり、膜通過後にプロセッシングさ
れるものと解される。フラベリア・ブローニイとフラベ
リア・バイデンチスの成熟タンパク質中のアミノ酸残基
の相違点を下記表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】 2.フラベリア・ブローニイPPDKの大腸菌における生産と
低温耐性の測定 上記のようにして単離したフラベリア・ブローニイPP
DKcDNAから実際に低温耐性酵素が生産されることを確認
するために大腸菌での発現を次のようにして行った。
【0028】 トランジットペプチドの除去および発現ベクターと読
み枠を合わせて結合するための制限酵素部位の導入を以
下のように行った。p631をSac Iで切断し再環状化して
得たp631Sac(p631のSac I以降を欠失したプラスミド)
を鋳型として、プロセシング部位付近の配列に基づきEc
oR V部位を含むプライマー4:GATATCAATCCGGTGTCTCCTCC
と、ベクターの配列に相補的なプライマーM13 RV(宝酒
造)との組合せでPCRを行い、増幅された断片をpCR II
にサブクローニングした。制限酵素EcoR VおよびSac I
を用いてN末端部分を含む断片をpCR IIから切り出し、
p631のSac I−Hind III断片(PPDK cDNAの残りの部分を
含む)およびNco Iで切断しKlenow酵素で末端を平滑化
した後Hind IIIで切断したpKK233−2とともに3断片連
結反応を行った(図1)。このプラスミドをE.coli MV1
184に形質転換し発現実験に用いた。1mlの前培養液を9m
lの新しいLB培地(50mg/lのアンピシリンを含む)に希
釈し、37℃で3時間振盪培養後IPTGを5mMとなるよう添
加し、さらに3時間培養したのち遠心により菌体を回収
した。菌体を0.5mlの抽出バッファー(50mM Hepes−KOH
pH7.5,10mM MgSO4,1mM EDTA,5mM DTT)に懸濁し、リ
ゾチームを約0.5mg/mlとなるように加え氷上で5分間処
理後、超音波破砕装置(コスモバイオUCD−130T型)に
より氷冷しながら30秒間隔、5分間処理し酵素を抽出し
た。微量遠心機で10分遠心し、上清をカラムバッファー
(50mM Hepes−KOH pH7.0,10mM MgCl2,2mM EDTA,10mM D
TT)で平衡化したSephadex G25カラムを通し低分子物質
を除いた後、25℃で30分以上放置して4量体への会合を
行い、活性測定に用いた。
【0029】 フラベリア・ブローニイ、フラベリア・バイデンチス
およびトウモロコシ(ハーベストクイーン)のPPDK cDN
Aから大腸菌内で生産されたPPDKはSDS−PAGE上で植物由
来の酵素とほぼ同じ泳動度を示した。各々のcDNAから予
想される成熟酵素の分子量はいずれも同じ程度である
が、SDS−PAGEでの見かけ上の分子量はかなり異なって
いる。これは各ポリペプチドに含まれるアミノ酸組成の
違いによるもので、タンパクの削り込みプロセシングや
糖鎖付加などの翻訳後修飾によるものではないことが明
らかとなった。大腸菌で生産された各種PPDKの低温耐性
は、対応する植物酵素と一致した。すなわち、フラベリ
ア・ブローニイPPDKの低温耐性にはこの植物に特有な補
助因子や翻訳後のプロセシングは必要なく、このcDNAを
トウモロコシに導入して発現させれば低温耐性PPDKが生
産されるものと期待される。なお、図2は、酵素を0℃
の温度下に置いてからの経過時間とPPDKの相対活性の関
係を示すものである。
【0030】 なお、上記工程において、大腸菌で活性のあるPPDKを
生産するにはトランジットペプチドを除去した形のcDNA
を作製して発現ベクターに組み込んだが、その際の切り
取る位置を正確に植物由来酵素のN末端位置と対応する
場所に合わせることが重要だった。
【0031】 すなわち、フラベリア・ブローニーcDNAの発現実験を
行う時点で既にトウモロコシ及びフラベリア・バイデン
チスPPDKの発現に成功しており、どちらもトウモロコシ
の切断部位を参照してうまく発現できていた。そこでフ
ラベリア・ブローニーcDNAにおいてもプライマー2を用
いて同じ位置で切断して発現ベクターを作製し、発現を
試みたがPPDKは全く生産できなかった。そこで葉由来酵
素のN末端配列に基づいて、N末端に7残基多く含むよ
うな発現ベクターをプライマー3を用いて作製し、発現
を試みたところPPDKの生産が確認された。しかしこの段
階でもまだ発現量が少なく、低温耐性を測定するのに十
分な酵素量が得られなかった。そこでさらにN末端側に
1残基延長した発現ベクターをプライマー4を用いて作
製し、発現実験を行ったところ大量のPPDKが生産でき、
その低温耐性を確認できた。なお、プライマー2及びプ
ライマー3の塩基配列は次のとおりであった。 プライマー2:CGGTGTCTCCTCCGGATATCACGGCTAAAAAGAG プライマー3:TTGATATCCCGGTTGTCTCCTCCGGTA
【0032】 3.フラベリア・ブローニイPPDK遺伝子中の低温耐性付与
領域の決定 (1)フラベリア・ブローニイとフラベリア・バイデン
チスのキメラ 常法に従い制限酵素を用いて組換えた。pKK−brownii
のEcoR I−Hind III断片をpKK−bidentis(フラベリア
・バイデンチスのcDNAを、pKK−browniiの構築方法と同
様の方法によりpKK−223−2に組み込んで得られたプラ
スミド)の相当する断片と交換してpKK−011、逆にpKK
−bidentisのEcoR I−Hind III断片をpKK−browniiの相
当する断片と交換してpKK−100を作製した。同様にNde
I−Hind III断片を相互に交換してpKK−001およびpKK−
110を作製した。またpKK−110のXho−Hind III断片をpK
K−bidentisの相当する断片と交換してpKK−1101を、pK
K−bidentisのXho I−Hind III断片をpKK−browniiの相
当する断片と交換してpKK−1110を作製した。Xho I−Hi
nd III断片をさらに細かく相互に組換えるため、PCRに
よる断片の結合を行った(linking PCR法)。bidentis
とbrowniiのXho I−Hind III断片の中で塩基配列が同じ
である場所に、互いに相補的なプライマーlink−F:GCAG
AGATGATGTTGGCAAGおよびlink−R:CTTGCCAACATCATCTCTGC
を作製した。pBluescript SK(−)にサブクローニング
したbrowniiまたはbidentisのXho I−Hind III断片を鋳
型に用い、link−F/RV、M4/link−Rの組み合わせで第
1回目のPCRを行った。得られた断片(計4種類)をゲ
ル切り出しにより精製し、brownii前半とbidentis後
半、またはbidentis前半とbrownii後半の断片を混合し
て鋳型とし、プライマーM4/RVにより第2回目のPCRを行
った。増幅された結合断片をXho IおよびHind IIIで切
断し、pKK−bidentisの相当する部分と置き換えてpKK−
link01およびpKK−link10を作製した。linking PCRの組
換え部位とHind IIIの間にあるPst I部位を利用しても
う一組のキメラ遺伝子を作製した。pKK−link10のXho I
−Pst I断片およびpKK−bidentisのPst I−Hind III断
片をpKK−bidentisのXho I−Hind III部位に組み込み
(3断片連結反応)、pKK−link101とした。またpKK−b
identisのXho I−Pst I断片およびpKK−browniiのPst I
−Hind III断片を同様にしてpKK−bidentisのXho I−Hi
nd III部位に組み込んでpKK−link110とした。
【0033】 フラベリア・ブローニイとフラベリア・バイデンチス
のPPDKの成熟タンパク部分に見られる40ヶ所のアミノ酸
置換は酵素のN末およびC末よりに比較的多く、中央の
活性中心付近には少ない。そこでまず両遺伝子に共通に
存在する制限酵素EcoR IおよびNde I部位を用いてcDNA
を前・中・後の3つの部分に分け、これらを相互に交換
してキメラ遺伝子を作製し、どの部分が低温耐性に関与
しているかを調べた。その結果、フラベリア・ブローニ
イcDNAの後半1/3を持つ場合に低温耐性が獲得され、逆
にフラベリア・バイデンチスcDNAの後半1/3を持つ場合
は低温感受性となった。次に後半1/3領域を制限酵素Xho
Iにより2つの部分に分け、pKK−bidentisの相当する
部分にそれぞれ導入して低温耐性を測定した。その結
果、Xho I部位以降(最もC末より1/6の領域)が低温耐
性に必要十分であった。次に後半1/6領域(Xho I−Hind
III断片、7個のアミノ酸置換を含む)についてlinkin
g PCR法によりキメラ遺伝子を作製し、pKK−bidentisに
導入して低温耐性を測定した。その結果、4個の置換を
含む最も後ろの領域を持つキメラ酵素pKK−link10は低
温耐性で、3個の置換を含む前半領域を持つキメラ酵素
pKK−link01は低温失活した。そこでこの後半領域を制
限酵素Pst Iにより組換え、2個ずつのアミノ酸置換を
持つキメラ遺伝子を作製して低温耐性を測定したが、い
ずれのキメラ酵素も低温耐性を示し、耐性に関わる領域
が2ヶ所以上存在すると推定された。
【0034】 (2)トウモロコシとフラベリア・ブローニイのキメラ プライマーPPDK−F:CTCACTGTTCGAAGAGAAGCおよびNde
I部位を含むmNde I:CATATGCTCTGTCCGGCATAATC(相補鎖
側)を用い、トウモロコイPPDK cDNAを鋳型としてPCRを
行い、得られた断片をpCR IIにサブクローニングした。
この断片をSac IおよびNde IによりpCR IIから切り出
し、pKK−PPDKのSac I−Sma I断片(ベクター断片)お
よびF.brownii PPDK cDNAをHind IIIで切断しKlenow酵
素で末端を平滑化した後Nde Iで切断して得た断片とと
もに3断片連結反応を行い(図3)、pKK−mz/bro(Nd
e)を得た。またプライマーPPDK−FおよびXho I部位を
含むmXho I:CTCGAGGGATCTCAATCATTG(相補鎖側)を用い
てトウモロコシPPDK cDNAを鋳型としてPCRを行い、得ら
れた断片をpCR IIにサブクローニングした後Sac Iおよ
びXho IによりpCR IIから切り出し、pKK−mz/bro(Nd
e)のSac I−Xho I断片(ベクター断片)と結合し、pKK
−mz/bro(Xho)を得た。
【0035】 トウモロコシPPDKとbrownii PPDK C末1/3領域(Nde I
−Hind III断片)あるいは1/6領域(Xho I−Hind III断
片)のキメラ酵素はいずれもbrowniiと同レベルの強い
低温耐性を示した。このように、アミノ酸配列が相当異
なるトウモロコシPPDKを低温耐性化できたことから、こ
の後半1/3領域あるいは1/6領域を導入することにより各
種植物起源のPPDKを低温耐性化できると考えられる。今
回作製したトウモロコシ/F.browniiキメラPPDKはトウモ
ロコシPPDKのトランジットペプチドをそのままの形で利
用できるので、トランジット部分もフラベリア・ブロー
ニイPPDK由来の形質転換体で低温耐性PPDKの葉緑体への
輸送に問題がみられる場合、このキメラ遺伝子を代わり
に導入することで解決されると考えられる。
【0036】 (3)点変異クローン pKK−browniiのXho I−Hind III断片について、一残
基ずつbrownii型→bidentis型のアミノ酸置換を作製し
た。またpKK−bidentisのXho I−Hind III断片について
一残基ずつbidentis型→brownii型のアミノ酸置換を作
製した。変異導入はF.browniiおよびF.bidentis PPDK c
DNAのXho I−Hind III断片をそれぞれpBluescript IISK
(−)にサブクローニングし、メガラベルキット(宝酒
造)およびMutan−Kキット(宝酒造)を用いKunkel法
に基づき行なった。変異導入に用いたプライマーの配列
は表2に示したとおりである。変異した塩基配列をDNA
シーケンサーにより確認した後、これらの断片をpKK−b
identisのXho I−Hind III部位に組み込んだ。
【0037】
【表2】
【0038】 pKK−1110のXho I−Hind III領域の相違アミノ酸を一
つずつbidentis型に置換した酵素はすべて低温耐性を示
し、低温耐性を付与する変異は複数存在すると考えられ
た(一つの残基を変更しただけでは耐性が損なわれな
い)。そこで逆にpKK−bidentisのXho I−Hind III領域
の相違アミノ酸を一つずつbrownii型に置換し、低温耐
性酵素となるかどうかを調べた。すなわち、0℃20分間
処理後の酵素活性を調べた。その結果、869Gln→Pro変
異が低温耐性を獲得し(前記低温処理後の活性がもとの
60〜70%)、また885Ile→Leuおよび952Ile→Val変異は
やや低温失活しにくく、上記(1)のキメラ酵素pKK−l
ink110の結果と併せて考えるとこれら二つの変異が共存
するときに低温耐性を獲得するものと推定される。以上
の結果から、869Pro・885Leu・952Valの3残基が低温耐
性に関与するものと結論された。browniiの低温耐性に
関わるこれらの残基のうち869Pro・885Leuについてはト
ウモロコシPPDKでもbrownii型となっている。従ってこ
れらの残基がbrownii型であるだけでは低温耐性を獲得
するとは限らず、browniiあるいはbidentisのアミノ酸
配列の中で初めて完全な耐性を付与するものであると考
えられるため、アミノ酸配列がかなり異なる他種PPDKを
低温耐性化する場合は点変異導入ではなく、トウモロコ
シPPDKに対して行ったように領域単位で導入したキメラ
遺伝子を作製することが好ましい。
【0039】 4.フラベリア・ブローニイPPDK遺伝子によるトウモロコ
シの形質転換 Gordon−Kamm W.J.et al.(The Plant Cell 2:603−6
18,1990)、あるいはKoziel M.G.et al.(Bio/Technolo
gy 11:194−200,1993)らの方法に従い、pKK−brownii
をタングステンあるいは金の微細な粒子にコーティング
し、トウモロコシの未熟胚あるいは懸濁培養細胞に打ち
込む。導入処理した細胞から形質転換細胞の選抜を行っ
た後、得られた形質転換カルスを常法により培養し、植
物体を再生する、形質転換方法はパーティクルガン法に
限られず、エレクトロポレーション法(Rhodes C.A.et
al.,Science 240:204−207,1988)、PEG法(Armstrong
C.L.et al.,Plant Cell Reports 9:335−339,1990)、
ティッシューエレクトロポレーション法(D'Halluin K.
et al.,The Plant Cell 4:1495−1505,1992)、あるい
はアグロバクテリウム法(Hiei Y.and Komari T.WO 940
0977)などが含まれる。得られた植物体から種子を得、
発芽させ、得られた植物の葉からPPDKを分離してその低
温耐性を調べる。形質転換された植物及び形質転換され
ていない植物について、光合成速度に対する温度の効果
を調べる。低温においてより高い光合成速度を示すトウ
モロコシ植物を何世代にもわたって増殖させ、異なる温
度において光合成速度を測定することにより及び植物体
から単離したPPDKの低温耐性を測定することにより調べ
られる形質転換の安定性を確保する。
【0040】 5.フラベリア・ブローニイPPDK遺伝子によるフラベリア
・バイデンチスの形質転換 配列番号5に示す完全長cDNAを含み、レポーター遺伝
子を含む中間ベクターを、アグロバクテリウム・ツメフ
ァシエンスのディスアームドTiプラスミドに導入する。
これはDraper J et al eds.Plant Genetic Transfomati
on and Gene Expression−a laboratory manual,Blackw
ell Scientific Publications(ISBN 0−632−02172−
1)に記載された方法により行うことができる。
【0041】 一方、フラベリア・バイデンチスの葉組織又はカルス
を前記アグロバクテリウム・ツメファシエンスに感染さ
せる。これは、該組織又はカルスをアグロバクテリウム
・ツメファシエンスと共存培養することにより行うこと
ができる。感染細胞を薬剤耐性に基づき選択する。選択
されたカルスから常法により植物体を再生する。得られ
た植物体から種子を得、発芽させ、得られた植物の葉か
らPPDKを分離してその低温耐性を調べる。形質転換され
た植物及び形質転換されていない植物について、光合成
速度に対する温度の効果を調べる。低温においてより高
い光合成速度を示すフラベリア・バイデンチス植物を何
世代にもわたって増殖させ、異なる温度において光合成
速度を測定することにより及び植物体から単離したPPDK
の低温耐性を測定することにより調べられる形質転換の
安定性を確保する。
【0042】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:2915 配列の型:核酸 配列
【0043】 配列番号:2 配列の長さ:2880 配列の型:核酸 配列
【0044】 配列番号:3 配列の長さ:2610 配列の型:核酸 配列
【0045】 配列番号:4 配列の長さ:2722 配列の型:核酸 配列
【0046】 配列番号:5 配列の長さ:3180 配列の型:核酸 配列
【0047】 配列番号:6 配列の長さ:18 配列の型:核酸 配列
【0048】 配列番号:7 配列の長さ:20 配列の型:核酸 配列
【0049】 配列番号:8 配列の長さ:17 配列の型:核酸 配列
【0050】 配列番号:9 配列の長さ:17 配列の型:核酸 配列
【0051】 配列番号:10 配列の長さ:23 配列の型:核酸 配列
【0052】 配列番号:11 配列の長さ:34 配列の型:核酸 配列
【0053】 配列番号:12 配列の長さ:27 配列の型:核酸 配列
【0054】 配列番号:13 配列の長さ:20 配列の型:核酸 配列
【0055】 配列番号:14 配列の長さ:20 配列の型:核酸 配列
【0056】 配列番号:15 配列の長さ:20 配列の型:核酸 配列
【0057】 配列番号:16 配列の長さ:23 配列の型:核酸 配列
【0058】 配列番号:17 配列の長さ:21 配列の型:核酸 配列
【0059】 配列番号:18 配列の長さ:18 配列の型:核酸 配列
【0060】 配列番号:19 配列の長さ:20 配列の型:核酸 配列
【0061】 配列番号:20 配列の長さ:18 配列の型:核酸 配列
【0062】 配列番号:21 配列の長さ:24 配列の型:核酸 配列
【0063】 配列番号:22 配列の長さ:19 配列の型:核酸 配列
【0064】 配列番号:23 配列の長さ:21 配列の型:核酸 配列
【0065】 配列番号:24 配列の長さ:20 配列の型:核酸 配列
【0066】 配列番号:25 配列の長さ:22 配列の型:核酸 配列
【0067】 配列番号:26 配列の長さ:20 配列の型:核酸 配列
【0068】 配列番号:27 配列の長さ:18 配列の型:核酸 配列
【0069】 配列番号:28 配列の長さ:23 配列の型:核酸 配列
【0070】 配列番号:29 配列の長さ:23 配列の型:核酸 配列
【0071】 配列番号:30 配列の長さ:24 配列の型:核酸 配列
【0072】 配列番号:31 配列の長さ:20 配列の型:核酸 配列
フロントページの続き (56)参考文献 FEBS Lett.273(1,2) p.116−121(1990) J.Biol.Chem.263(23) p.11080−11083(1988) Plant Cell Physio l.31(2)p.295−297(1990) FEBS Lett.,1996年,396, 152−156 Plant Mol.Biol., 1995年,27(5),969−980 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 WPI(DIALOG) CA(STN) BIOSIS(DIALOG) MEDLINE(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列表の配列番号5に示すアミノ酸配列の
    832〜955番目の部分で、ピルビン酸リン酸ジキナーゼの
    アミノ酸配列の相同部分を置換した、低温耐性ピルビン
    酸リン酸ジキナーゼ活性を有するポリペプチド。
  2. 【請求項2】配列表の配列番号1に示すアミノ酸配列の
    869番目をプロリンに置換したアミノ酸配列を有する低
    温耐性ピルビン酸リン酸ジキナーゼ活性を有するポリペ
    プチド。
  3. 【請求項3】配列表の配列番号1に示すアミノ酸配列の
    885番目及び952番目をロイシン及びバリンにそれぞれ置
    換したアミノ酸配列を有する低温耐性ピルビン酸リン酸
    ジキナーゼ活性を有するポリペプチド。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
    ポリペプチドをコードするクローン化されたDNA。
  5. 【請求項5】請求項4記載のDNAを含み、宿主中で低温
    耐性ピルビン酸リン酸ジキナーゼ活性を有するポリペプ
    チドを発現することができる組換えベクター。
JP51552495A 1993-12-03 1994-12-01 低温耐性ピルビン酸リン酸ジキナーゼ活性を有するポリペプチド及びそれをコードするdna並びに該dnaを含む組換えベクター及び形質転換植物 Expired - Fee Related JP3329820B2 (ja)

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