JP3324278B2 - 波形整形回路 - Google Patents

波形整形回路

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JP3324278B2
JP3324278B2 JP13069194A JP13069194A JP3324278B2 JP 3324278 B2 JP3324278 B2 JP 3324278B2 JP 13069194 A JP13069194 A JP 13069194A JP 13069194 A JP13069194 A JP 13069194A JP 3324278 B2 JP3324278 B2 JP 3324278B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、入力信号の立ち上がり
エッジ及び立ち下がりエッジを正弦波状に波形整形する
波形整形回路に関し、特に通信用の2値データの立ち上
がりエッジ及び立ち下がりエッジを正弦波状に波形整形
して通信線路に生じる放射ノイズを防止するのに好適な
波形整形回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、データ通信を行なうに当たっ
て、通信ドライバから、通信用の2値データに対応した
通信信号を通信線路上にそのまま送出するようにしてい
ると、通信線路の電圧が2値データの変化に対応して急
峻に変化し、通信線路から放射ノイズが発生することが
知られている。
【0003】そこで、従来より、例えば特開平4−28
4757号公報に開示されているように、データ通信用
の通信ドライバに、送信すべき2値データの立ち上がり
エッジ及び立ち下がりエッジを正弦波状に波形整形する
波形整形回路を設けて、2値データの立ち上がり及び立
ち下がりに伴う通信線路の急激な電圧変化を抑え、通信
線路に生じる放射ノイズを低減するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の波形
整形回路では、上記公報に開示されているように、指数
変換回路や積分回路等のリニア回路を使用して、入力信
号のエッジを正弦波状に波形整形するようにされていた
ため、その構成が複雑で、しかも調整が必要であり、特
性のばらつき,歩留りの悪化があった。
【0005】従って、従来の波形整形回路は、例えば通
信ドライバと共に一つの樹脂モールド内に収納するとい
うように、IC化を図ることが困難であり、こうした波
形整形回路を使用する通信装置等の大型化,コストアッ
プ等を招くといった問題があった。
【0006】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
ので、指数変換回路や積分回路等のリニア回路を使用す
ることなく、入力信号のエッジを正弦波状に波形整形で
きる波形整形回路を提供することにより、波形整形回路
をIC化して、該波形整形回路を使用する装置の小型化
及び低コスト化を容易に図ることができるようにするこ
とを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の発明は、ハイ・ローいず
れかのレベルに切り替えられる入力信号を受け、該入力
信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを正弦波
状に波形整形して出力する波形整形回路であって、互い
に直列接続され、上記入力信号を所定の遅延時間だけ順
次遅延して出力する複数のバッファ回路と、一端が上記
各バッファ回路の出力端子に夫々接続され、他端が互い
に接続された複数の抵抗器と、一端が上記複数の抵抗器
の他端に接続され、他端が上記入力信号のハイ・ローい
ずれかのレベルと同電位に保持された基準抵抗器と、を
備え、上記複数の抵抗器の抵抗値を、当該抵抗器が接続
されたバッファ回路が上記直列接続された複数のバッフ
ァ回路のうちの中心側であるほど抵抗値が小さく、両端
側であるほど抵抗値が大きくなるように、各々設定し、
上記複数の抵抗器と上記基準抵抗器との接続点から波形
整形後の信号を出力するように構成してなることを特徴
としている。
【0008】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の波形整形回路と同様、ハイ・ローいずれかのレ
ベルに切り替えられる入力信号を受け、該入力信号の立
ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを正弦波状に波形
整形して出力する波形整形回路であって、互いに直列接
続され、上記入力信号を所定の遅延時間だけ順次遅延し
て出力する複数のバッファ回路と、一端が上記各バッフ
ァ回路の出力端子に夫々接続され、他端が互いに接続さ
れた複数の抵抗器と、一端が上記複数の抵抗器の他端に
接続され、他端が上記入力信号のハイ・ローいずれかの
レベルと同じ基準電位に保持された基準抵抗器と、を備
え、上記複数のバッファ回路の遅延時間を、当該バッフ
ァ回路が上記直列接続された複数のバッファ回路のうち
の中心側であるほど遅延時間が短く、両端側であるほど
遅延時間が長くなるように、各々設定し、上記複数の抵
抗器と上記基準抵抗器との接続点から波形整形後の信号
を出力するように構成してなることを特徴としている。
【0009】また更に、請求項3に記載の発明は、上記
請求項1又は請求項2に記載の波形整形回路において、
更に、上記各バッファ回路の出力端子と上記複数の抵抗
器との間に、夫々、バッファ回路を設けたことを特徴と
している。
【0010】
【作用及び発明の効果】まず本発明の波形整形回路は、
図6(a)に例示する基本回路のように、互いに直列接
続された複数のバッファ回路B1,B2,…Bnと、一
端が各バッファ回路B1,B2,…Bnの出力端子に接
続された複数の抵抗器R1,R2,…Rnと、一端が各
抵抗器R1,R2,…Rnの他端に接続された基準抵抗
器Roとにより構成される。
【0011】そして、複数のバッファ回路B1〜Bnの
うち、初段のバッファ回路B1には、波形整形すべき2
値信号(つまり入力信号Vin)が入力され、基準抵抗器
Roの各バッファ回路B1,B2,…Bnとの接続点と
は反対側端部は、入力信号Vinのハイ・ローいずれかの
レベル(VH又はVL)と同じ基準電位Vcに保持され、
基準抵抗器Roと複数の抵抗器R1,R2,…Rnとの
接続点から、波形整形後の出力信号Vout が取り出され
る。
【0012】このように構成された本発明の波形整形回
路においては、入力信号Vinがハイ・ローいずれかのレ
ベル(VH又はVL)に保持されている場合には、各バッ
ファ回路B1〜Bnからの出力信号も、この入力信号V
inと同レベル(VH又はVL)に保持される。
【0013】そしてこの状態では、基準電位Vcと入力
信号Vinとが異なっている場合(Vc≠Vin)には、当
該波形整形回路は、図6(b1)に示すように、入力信
号Vinと基準電位Vcとの電位差△Vを、抵抗器R1〜
Rnの並列回路と基準抵抗器Roとにより分圧する分圧
回路と等価になり、出力信号Vout は、入力信号Vinと
基準電位Vcとの電位差△V、換言すれば入力信号のハ
イレベルVH とローレベルVL との電位差(VH−VL)
を、抵抗器R1〜Rnの並列回路と基準抵抗器Roとで
分圧した一定の電圧レベルVRRとなる。
【0014】また逆に、基準電位Vcと入力信号Vinと
が同電位である場合(Vc=Vin)には、当該波形整形
回路は、図6(b2)に示すように、抵抗器R1〜Rn
と基準抵抗器Roとを全て並列接続した回路と等価にな
るため、各抵抗器には電流は流れず、出力信号Vout
は、基準電位Vc(=入力信号Vin)と同じ電圧レベル
となる。
【0015】一方、この状態で入力信号が反転すると
(VH→VL又はVL→VH)、バッファ回路B1〜Bnの
出力信号が、初段のバッファ回路B1から順に反転して
行き、最終的には、出力信号Vout がVcからVRR又は
VRRからVcへと切り替わる。ところで、このように出
力信号Vout がVcからVRR又はVRRからVcへと切り
替わる過渡時には、まず初段のバッファ回路B1の出力
レベルが反転し、次に2段目のバッファ回路B2の出力
レベルが反転する、というように、各バッファ回路B
1,B2,…Bnの遅延時間△T1,△T2,…△Tn
が経過する度に、各バッファ回路B1,B2,…Bnの
出力レベルが順次反転するため、出力信号Vout も各バ
ッファ回路B1,B2,…Bnの出力レベルの反転に同
期して、階段状に変化する。
【0016】すなわち、まず、入力信号Vinが、基準電
位Vcとレベルの異なる信号から基準電位Vcと同レベ
ルの信号に反転した場合には、入力信号Vinの反転後、
初段のバッファ回路B1の遅延時間△T1が経過した時
点で、当該波形整形回路は、図6(b1)に示した状態
から、図6(c1)に示すように、反転前の入力信号V
in′と基準電位Vcとの電位差△Vを、2段目以降の抵
抗器R2〜Rnの並列回路と、基準抵抗器Roと初段の
抵抗器R1との並列回路と、により分圧する分圧回路と
等価な状態に変化する。また、その後更に2段目のバッ
ファ回路B2の遅延時間△T2が経過すると、当該波形
整形回路は、図6(d1)に示すように、反転前の入力
信号Vin′と基準電位Vcとの電位差△Vを、3段目以
降の抵抗器R3〜Rnの並列回路と、基準抵抗器Roと
初段の抵抗器R1と2段目の抵抗器R2との並列回路
と、により分圧する分圧回路と等価な状態に変化する。
【0017】このように、本発明の波形整形回路におい
ては、入力信号Vinが、基準電位Vcとレベルの異なる
信号から基準電位Vcと同レベルの信号に反転した場合
には、反転前の入力信号Vin′と基準電位Vcとの電位
差△Vを分圧する分圧抵抗の比が、各バッファ回路B1
〜Bnの遅延時間が経過する度に順次変化して行き、最
終的には、図6(b2)に示すように全ての抵抗器R
o,R1〜Rnを並列接続した回路と等価になる。従っ
て、この場合、当該波形整形回路からの出力信号Vout
は、VRRから、VR1,VR2,…へと階段状に変化して行
き、最終的には基準電位Vcに保持されることになる。
【0018】一方、入力信号Vinが、基準電位Vcと同
レベルの信号から基準電位Vcとレベルの異なる信号に
反転した場合には、反転後、初段のバッファ回路B1の
遅延時間△T1が経過した時点で、当該波形整形回路
は、図6(b2)に示した状態から、図6(c2)に示
すように、反転後の入力信号Vinと基準電位Vcとの電
位差△Vを、初段の抵抗器R1と、基準抵抗器Roと2
段目以降の抵抗器R2〜Rnとの並列回路と、により分
圧する分圧回路に等価な状態に変化する。また、その後
更に、2段目のバッファ回路B2の遅延時間△T2が経
過すると、当該波形整形回路は、図6(d2)に示すよ
うに、反転後の入力信号Vinと基準電位Vcとの電位差
△Vを、初段の抵抗器R1と2段目の抵抗器R2との並
列回路と、基準抵抗器Roと3段目以降の抵抗器R3〜
Rnとの並列回路と、により分圧する分圧回路と等価な
状態に変化する。
【0019】このように、本発明の波形整形回路におい
ては、入力信号Vinが、基準電位Vcと同レベルの信号
から基準電位Vcとレベルの異なる信号に反転した場合
には、反転前の入力信号Vin′である基準電位Vcをそ
のまま出力信号Vout として出力する状態から、反転後
の入力信号Vinと基準電位Vcとの電位差△Vを分圧し
た出力信号Vout を出力する状態に変化し、しかもその
分圧時の分圧抵抗の比は、各バッファ回路B1〜Bnの
遅延時間が経過する度に順次変化し、最終的には、図6
(b1)に示すように、入力信号Vinと基準電位Vcと
の電位差△Vを、抵抗器R1〜Rnの並列回路と基準抵
抗器Roとで分圧するようになる。従って、この場合、
当該波形整形回路からの出力信号Vout は、Vcから、
V1R,V2R,…へと階段状に変化して行き、最終的には
一定電圧VRRに保持されることになる。
【0020】以上のように、本発明の波形整形回路にお
いては、入力信号Vinの立ち上がり又は立ち下がり時
に、出力信号Vout が、VcからVRR或はVRRからVc
へと、バッファ回路B1〜Bnの個数に応じて階段状に
変化するようになるのであるが、バッファ回路B1〜B
nの遅延時間及び抵抗器R1〜Rnの抵抗値を一定にし
た場合には、入力信号Vinが変化した際の過渡時に、出
力信号Vout が、一定時間毎に一定量だけ変化すること
になり、本発明の所期の目的である入力信号Vinの立ち
上がりエッジ及び立ち下がりエッジを正弦波状に変化さ
せた出力信号Vout を得ることはできない。
【0021】そこで、請求項1に記載の波形整形回路に
おいては、各バッファ回路B1〜Bnの出力端子に接続
された複数の抵抗器R1〜Rnの抵抗値を、その抵抗器
が接続されたバッファ回路が複数のバッファ回路B1〜
Bnのうちの中心側ほど(つまり中段のバッファ回路B
(n/2)ほど)抵抗値が小さく、両端側ほど(つまり初段
のバッファ回路B1及び最終段のバッファ回路Bnほ
ど)抵抗値が大きくなるように設定している。
【0022】従って、請求項1に記載の波形整形回路に
おいては、入力信号Vinの立ち上がり又は立ち下がり時
に、出力信号Vout がVcからVRR又はその逆へと段階
的に変化する際、初段側及び最終段側のバッファ回路の
出力信号が反転したときの出力信号Vout の変化量が、
中段側のバッファ回路の出力信号が反転したときの出力
信号Vout の変化量に比べて小さくなる。この結果、各
バッファ回路B1〜Bnの遅延時間が一定であったとし
ても、出力信号Vout は、入力信号Vinの立ち上がり又
は立ち下がり直後には小さな変化量で変化し、その後除
々に変化量が増加し、更に最終値であるVc又はVRRに
近付くにつれて変化量が除々に減少することになり、結
局、出力信号Vout は正弦波状に変化することになる。
【0023】このため、請求項1に記載の波形整形回路
によれば、従来装置のように指数変換回路や積分回路等
のリニア回路を使用することなく、バッファ回路と抵抗
器とだけで、入力信号の立ち上がりエッジ及び立ち下が
りエッジを正弦波状に波形整形した出力信号を生成する
ことができる。そして、このようにバッファ回路と抵抗
器とだけで実現できるため、従来装置に比べて回路構成
が簡単になり、IC化も容易に図ることができる。従っ
て、波形整形回路、延いては波形整形回路を使用する通
信装置等の各種装置の小型化,低コスト化を図ることが
できる。
【0024】一方、請求項2に記載の波形整形回路にお
いては、入力信号Vinを順次遅延して出力する複数のバ
ッファ回路B1〜Bnの遅延時間を、バッファ回路が複
数のバッファ回路B1〜Bnのうちの中心側であるほど
(つまり中段のバッファ回路B(n/2)ほど)遅延時間が
短く、両端側であるほど(つまり初段のバッファ回路B
1及び最終段のバッファ回路Bnほど)遅延時間が長く
なるように設定している。
【0025】従って、請求項2に記載の波形整形回路に
おいては、入力信号Vinの立ち上がり又は立ち下がり時
に、出力信号Vout がVcからVRR又はその逆へと段階
的に変化する際、初段側及び最終段側のバッファ回路の
出力信号の反転に伴い出力信号Vout が変化するのに要
する時間が、中段側のバッファ回路の出力信号の反転に
伴い出力信号Vout が変化するのに要する時間に比べて
長くなる。この結果、各抵抗器R1〜Rnの抵抗値が一
定であったとしても、出力信号Vout は、入力信号Vin
の立ち上がり直後にはゆっくりと変化し、その後除々に
変化速度が増加し、更に最終値であるVc又はVRRに近
付くにつれて変化速度が遅くなり、結局、出力信号Vou
t は正弦波状に変化することになる。
【0026】このため、請求項2に記載の波形整形回路
によれば、請求項1に記載の波形整形回路と同様、従来
装置に比べて回路構成を簡素化して、IC化を容易に図
ることができるようになり、波形整形回路、延いては波
形整形回路を使用する通信装置等の各種装置の小型化を
容易に図ることができるようになる。
【0027】また次に、請求項3に記載の波形整形回路
においては、各バッファ回路B1〜Bnの出力端子と複
数の抵抗器R1〜Rnとの間に、夫々、バッファ回路を
設けるようにしている。このため、入力信号遅延用の各
バッファ回路B1〜Bnに加わる負荷が、その出力信号
のレベルにかかわらず常に一定となり、各バッファ回路
B1〜Bnの遅延動作をより安定させることができる。
【0028】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面と共に説明す
る。まず図1は、車載用LAN等で使用されるデータ通
信用の通信ドライバにおけるデータ送信部の構成を表わ
す電気回路図である。
【0029】図1に示す如く、本実施例のデータ送信部
は、送信用の2値データを入力信号Vinとして受け、そ
の入力信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを
正弦波状に波形整形して出力する波形整形回路10と、
波形整形回路10から出力される波形整形後の出力信号
Vout を受け、この出力信号Vout に対応したハイ・ロ
ー2種の送信用電圧(非反転信号及び反転信号)を生成
するバッファ回路20と、バッファ回路20にて生成さ
れた非反転信号及び反転信号を電圧−電流変換して、伝
送路40を構成する2本の通信線路L1,L2に夫々電
流iL1,iL2を流し込む電圧電流変換回路30とか
ら構成されている。
【0030】ここでまず波形整形回路10は、入力信号
Vinを所定の遅延時間だけ順次遅延して出力するため
に、互いに直列接続された9個のバッファ回路B1〜B
9と、これら各バッファ回路B1〜B9の出力端子に夫
々接続された9個の抵抗器R1〜R9と、一端がこれら
9個の抵抗器R1〜R9のバッファ回路B1〜B9とは
反対側端部に接続され、他端が入力信号Vinのローレベ
ルの電位と同電位となるように接地された基準抵抗器R
oとから構成されており、入力信号Vinは初段のバッフ
ァ回路B1に入力され、抵抗器R1〜R9と基準抵抗器
Roとの接続点から波形整形後の出力信号Vout が出力
される。
【0031】そして、各バッファ回路B1〜B9の遅延
時間△T1〜△T9は、全て同じ所定時間(本実施例で
は、22nsec.)に設定され、基準抵抗器Roの抵抗値
は、100Ωに設定されている。また、各バッファ回路
B1〜B9の出力端子に接続された9個の抵抗器R1〜
R9のうち、初段と最終段の抵抗器R1,R9の抵抗値
は30kΩに、2段目と後から2段目の抵抗器R2,R
8の抵抗値は10kΩに、3段目と後から3段目の抵抗
器R3,R7の抵抗値は6.8kΩに、4段目と後から
4段目の抵抗器R4,R6の抵抗値は5.6kΩに、中
段(つまり真ん中)の抵抗器R5の抵抗値は5.1kΩ
に、夫々設定されている。すなわち、抵抗器R1〜R9
の抵抗値は、その抵抗器が接続されたバッファ回路が複
数のバッファ回路B1〜B9のうちの中心側であるほど
抵抗値が小さく、両端側であるほど抵抗値が大きくなる
ように各々設定されているのである。
【0032】このように構成された本実施例の波形整形
回路10においては、入力信号Vinがハイレベル(本実
施例では、5V)に保持されている場合には、各バッフ
ァ回路B1〜B9からの出力信号もハイレベル(5V)
となり、入力信号Vinがローレベル(本実施例ではグラ
ンド電位、すなわち0V)に保持されている場合には、
各バッファ回路B1〜B9からの出力信号もローレベル
(0V)となる。そして、入力信号Vinがハイレベル
(5V)で、バッファ回路B1〜B9からの出力信号も
全てハイレベル(5V)になっている場合には、当該波
形整形回路10は、入力信号Vinを、抵抗器R1〜R9
の並列回路と基準抵抗器Roとにより分圧する分圧回路
として動作し、そのとき基準抵抗器Roの両端に生じる
電圧(本実施例では、501mVとなる)を出力信号V
out として出力する。また逆に、入力信号Vinがローレ
ベル(0V)で、バッファ回路B1〜B9からの出力信
号も全てローレベル(0V)になっている場合には、基
準抵抗器Roには電流は流れないため、出力信号Vout
はローレベル(0V)となる。
【0033】このように本実施例の波形整形回路10に
おいては、入力信号Vinがロー・ハイいずれかのレベル
に保持され、各バッファ回路B1〜B9からの出力信号
も入力信号Vinに対応したレベルに保持されている状態
では、出力信号Vout も、その入力信号Vinのレベルに
応じて、ハイレベル(501mV)又はローレベル(0
V)となる。
【0034】ところで、このように出力信号Vout がハ
イレベル(501mV)又はローレベル(0V)に保持
されている状態で、入力信号Vinが反転すると、各バッ
ファ回路B1〜B9からの出力信号は、各バッファ回路
B1〜B9の遅延時間に従って、初段のバッファ回路B
1から順に反転して行く。このため、入力信号Vinの反
転後、出力信号Vout が入力信号Vinに対応したハイレ
ベル(501mV)又はローレベル(0V)に安定する
までの過渡時には、出力信号Voutは階段状に変化する
ことになる。
【0035】すなわち、まず、入力信号Vinがローレベ
ル(0V)からハイレベル(5V)に立ち上がった際に
は、その後、初段のバッファ回路B1の遅延時間△T1
(22nsec.)が経過した時点で、このバッファ回路B
1の出力信号がローレベル(0V)からハイレベル(5
V)に変化する。従って、このとき、当該波形整形回路
10は、入力信号Vin(5V)を、初段の抵抗器R1
と、2段目以降の抵抗器R2〜R9及び基準抵抗器Ro
からなる並列回路とにより分圧する分圧回路として動作
するようになり、図2に示すように、出力信号Vout
が、ローレベル(0V)から15mVに変化する。
【0036】またバッファ回路B1の出力信号がハイレ
ベル(5V)に変化した後、2段目のバッファ回路の遅
延時間△T2(22nsec.)が経過すると、このバッフ
ァ回路B2の出力信号がローレベル(0V)からハイレ
ベル(5V)に変化するため、当該波形整形回路10
は、入力信号Vin(5V)を、初段及び2段目の抵抗器
R1,R2からなる並列回路と、3段目以降の抵抗器R
3〜R9及び基準抵抗器Roからなる並列回路とにより
分圧する分圧回路として動作するようになり、出力信号
Vout は、図2に示すように、15mVから59.9m
Vに変化する。
【0037】また更に、バッファ回路B2の出力信号が
ハイレベル(5V)に変化した後、3段目のバッファ回
路の遅延時間△T3(22nsec.)が経過すると、この
バッファ回路B3の出力信号がローレベル(0V)から
ハイレベル(5V)に変化するため、当該波形整形回路
10は、入力信号Vin(5V)を、初段から3段目まで
の抵抗器R1〜R3からなる並列回路と、4段目以降の
抵抗器R4〜R9及び基準抵抗器Roからなる並列回路
とにより分圧する分圧回路として動作するようになり、
出力信号Vout は、図2に示すように、59.9mVか
ら126mVに変化する。
【0038】このように、入力信号Vinが、ローレベル
(0V)からハイレベル(5V)に立ち上がった場合、
当該波形整形回路10内では、入力信号Vin(5V)を
分圧する分圧抵抗の比が所定の遅延時間(22nsec.)
毎に順次変化するため、それに応じて、出力信号Vout
が、ローレベル(0V)から、15mV,59.9m
V,126mV…というように順次上昇し、最終的には
ハイレベル(501mV)に保持される。
【0039】一方、入力信号Vinがハイレベル(5V)
からローレベル(0V)に立ち下がった際には、その
後、初段のバッファ回路B1の遅延時間△T1(22n
sec.)が経過した時点で、このバッファ回路B1の出力
信号がハイレベル(5V)からローレベル(0V)に変
化するが、このとき、2段目以降のバッファ回路B2〜
B9の出力信号はハイレベル(5V)であるため、当該
波形整形回路10は、反転前の入力信号Vin′(5V)
を、2段目以降の抵抗器R2〜R9と、初段の抵抗器R
1及び基準抵抗器Roからなる並列回路とにより分圧す
る分圧回路として動作するようになり、出力信号Vout
が、501mVから489mVに変化する。
【0040】またバッファ回路B1の出力信号がローレ
ベル(0V)に変化した後、2段目のバッファ回路の遅
延時間△T2(22nsec.)が経過すると、このバッフ
ァ回路B2の出力信号がハイレベル(5V)からローレ
ベル(0V)に変化するため、当該波形整形回路10
は、反転前の入力信号Vin′(5V)を、3段目以降の
抵抗器R3〜R9の並列回路と、抵抗器R1,R2及び
基準抵抗器Roからなる並列回路とにより分圧する分圧
回路として動作するようになり、出力信号Voutは、4
86mVから441mVに変化する。
【0041】このように、入力信号Vinが、ハイレベル
(5V)からローレベル(0V)に立ち下がった場合、
当該波形整形回路10内では、反転前の入力信号Vin′
(5V)を分圧する分圧抵抗の比が所定の遅延時間(2
2nsec.)毎に順次変化するため、それに応じて、出力
信号Vout が、ハイレベル(501mV)から、486
mV,441mV…というように順次低下し、最終的に
はローレベル(0V)に保持される。
【0042】また、上記のように、入力信号Vinの立ち
上がり時及び立ち下がり時には、出力信号Vout が階段
状に変化することになるのであるが、本実施例の波形整
形回路10においては、抵抗器R1〜R9の抵抗値が、
初段及び最終段側ほど大きく、中段側ほど小さくなるよ
うに設定されているため、初段側及び最終段側のバッフ
ァ回路の出力信号が反転したときの出力信号Vout の変
化量が、中段側のバッファ回路の出力信号が反転したと
きの出力信号Vout の変化量に比べて小さくなる。
【0043】つまり、入力信号Vinの変化に伴い各バッ
ファ回路B1〜B9の出力信号が順次反転する際、初段
及び最終段のバッファ回路B1,B9の出力信号の反転
に伴い生じる出力信号Vout の変化量は15mVである
のに対し、前後2段目のバッファ回路B2,B8の出力
信号の反転に伴い生じる出力信号Vout の変化量は4
4.9mV,前後3段目のバッファ回路B3,B7の出
力信号の反転に伴い生じる出力信号Vout の変化量は6
6.1mV、前後4段目のバッファ回路B4,B6の出
力信号の反転に伴い生じる出力信号Vout の変化量は8
1mV、中心である5段目のバッファ回路の出力信号の
反転に伴い生じる出力信号の変化量は87mVとなる。
【0044】この結果、図3に示す如く、入力信号Vin
がローレベルからハイレベル或はハイレベルからローレ
ベルに変化した際には、出力信号Vout は、その変化直
後には小さな変化量で変化し、その後除々に変化量が増
加し、更に最終値であるハイレベル(501mV)或は
ローレベル(0V)に近付くにつれて変化量が徐々に減
少することになる。従って、出力信号Vout は、階段状
に変化するものの、全体的は、入力信号Vinの立ち上が
りエッジ及び立ち下がりエッジを正弦波状に波形整形し
たものとなる。
【0045】次に、バッファ回路20は、図1に示す如
く、オペアンプOP1と、NPN型のトランジスタTR
1と、抵抗値が同じ一対の抵抗器Ra,Rbとから構成
されている。そして、オペアンプOP1の非反転入力端
子には、波形整形回路10からの出力信号Vout が入力
され、その反転入力端子は、抵抗器Rbを介して接地さ
れている。またオペアンプOP1の出力端子は、トラン
ジスタTR1のベースに接続されており、トランジスタ
TR1のエミッタは、抵抗器Rbを介して接地されたオ
ペアンプOP1の反転入力端子に接続され、トランジス
タTR1のコレクタは、抵抗器Raを介して電源ライン
(5V)に接続されている。
【0046】このように構成されたバッファ回路20に
おいては、波形整形回路10からの出力信号Vout がロ
ーレベル(0V)であれば、オペアンプOP1の反転入
力端子,延いてはトランジスタTR1のエミッタ側電圧
がローレベル(0V)に保持される。従って、この状態
では、抵抗器Ra,Rbには電流が流れず、トランジス
タTR1のコレクタ側電圧も電源電圧(5V)に保持さ
れる。
【0047】一方、波形整形回路10からの出力信号V
out がローレベル(0V)から上昇すると、オペアンプ
OP1の反転入力端子もその電圧レベルまで上昇するた
め、抵抗器Rbに出力信号Vout に対応した電流が流れ
る。また抵抗器Rbに電流が流れる際には、トランジス
タTR1を介して抵抗器Raにも同電流が流れる。この
ため、出力信号Vout がローレベル(0V)から上昇す
ると、トランジスタTR1のエミッタ側電圧は出力信号
Vout と同電圧となり、トランジスタTR1のコレクタ
側電圧は電源電圧(5V)から出力信号Vout 分を差し
引いた電圧となる。
【0048】つまり、入力信号Vinがハイレベル(5
V)であり、波形整形回路10からの出力信号Vout も
ハイレベル(501mV)になっている場合には、トラ
ンジスタのエミッタ側電圧は、出力信号Vout と同じ約
0.5Vとなり、トランジスタのコレクタ側電圧は、電
源電圧(5V)から出力信号Vout 分を差し引いた約
4.5Vとなる。
【0049】そして、バッファ回路20からは、上記の
ように波形整形回路10からの出力信号Vout に応じ
て、5〜4.5Vの間で変化するコレクタ側電圧と、0
〜0.5Vの間で変化するエミッタ側電圧とが、夫々、
非反転信号,反転信号として出力される。
【0050】また次に、電圧電流変換回路30は、図1
に示す如く、オペアンプOP2,OP3と、PNP型の
トランジスタTR2と、NPN型のトランジスタTR3
と、抵抗値が同じ一対の抵抗器Rc,Rdとから構成さ
れている。そして、オペアンプOP2の非反転入力端子
には、バッファ回路20から非反転信号として出力され
るコレクタ側電圧が入力され、その反転入力端子は、抵
抗器Rcを介して電源ライン(5V)に接続されてい
る。またオペアンプOP2の出力端子は、トランジスタ
TR2のベースに接続されており、トランジスタTR2
のコレクタは伝送路40を構成する一方の通信線路L1
に接続され、トランジスタTR2のエミッタは、抵抗器
Rcを介して電源ライン(5V)に接続されたオペアン
プOP2の反転入力端子に接続されている。
【0051】一方、オペアンプOP3の非反転入力端子
には、バッファ回路20から反転信号として出力される
エミッタ側電圧が入力され、その反転入力端子は、抵抗
器Rdを介して接地されている。またオペアンプOP2
の出力端子は、トランジスタTR3のベースに接続され
ており、トランジスタTR3のコレクタは伝送路40を
構成するもう一方の通信線路L2に接続され、トランジ
スタTR3のエミッタは、抵抗器Rdを介して接地され
たオペアンプOP3の反転入力端子に接続されている。
【0052】このように構成された電圧電流変換回路3
0においては、波形整形回路10からの出力信号Vout
がローレベル(0V)で、バッファ回路20のコレクタ
側電圧が電源電圧(5V)、エミッタ側電圧がグランド
電位(0V)である場合には、抵抗器Rc,Rdの両端
には電位差が生じないため、抵抗器Rc,Rdには電流
が流れない。この結果、通信線路L1,L2にも電流は
供給されない。
【0053】一方、波形整形回路10からの出力信号V
out がローレベル(0V)から上昇し、バッファ回路2
0のコレクタ側電圧が電源電圧(5V)から出力信号V
out分を差し引いた電圧となり、エミッタ側電圧が出力
信号Vout と同電圧になると、抵抗器Rc,Rdの両端
に、波形整形回路10からの出力信号Vout と同じ電位
差が生じ、抵抗器Rc,Rdに、この出力信号Vout を
各抵抗器Rc,Rdの抵抗値で除算した電流iL1,i
L2が流れるようになる。この結果、図3に示すよう
に、通信線路L1には、トランジスタTR2を介して、
電流iL1が流れ込み、通信線路L2には、トランジス
タTR3を介して、負の電流iL2が流れ込む(つまり
通信線路L2からは電流iL2が引き込まれる)ことに
なる。なお、図3において、各電流iL1,iL2は、
波形整形回路10からの出力信号Vout がハイレベル
(501mV)であるとき、25mAとなるように記載
されているが、これは、抵抗器Rc,Rdの抵抗値を約
20Ω(=501/25)に設定した場合を表わしてい
る。
【0054】以上説明したように、本実施例の通信ドラ
イバにおいては、送信用の2値データを伝送路40を介
して他の装置に送信するに当たって、まずその2値デー
タを入力信号Vinとして波形整形回路10に入力するこ
とにより、波形整形回路10において、その立ち上がり
エッジ及び立ち下がりエッジを正弦波状に波形整形し、
次にバッファ回路20において、波形整形後の信号(出
力信号Vout )に対応した非反転信号及び反転信号を生
成し、次に電圧電流変換回路30において、その生成さ
れた非反転信号及び反転信号を電流に変換して、波形整
形後の出力信号Vout に対応した電流iL1を通信線路
L1に流し込むと共に、通信線路L2から波形整形後の
出力信号Vout に対応した電流iL2を引き込むことに
よって、通信線路L1,L2からなる伝送路40を介し
て2値データを他の装置に送信するようにされている。
【0055】このため、本実施例の通信ドライバにおい
ては、通信用の2値データの立ち上がり或は立ち下がり
に伴い、通信線路L1,L2の電圧が急峻に変化するよ
うなことはなく、通信線路L1,L2から放射ノイズが
発生するのを防止できる。特に本実施例の通信ドライバ
を、データ通信を高速に行なう車両用LANに使用した
場合、波形整形回路10を用いず、送信用データをその
ままバッファ回路20に入力するようにすると、通信線
路L1,L2からの放射ノイズによって、車両に搭載さ
れたラジオ等の他の通信装置の受信特性に影響を与える
ことになるが、本実施例では、通信ドライバのデータ送
信部に波形整形回路10を設けて、送信用データの立ち
上がりエッジ及び立ち下がりエッジを正弦波状に波形整
形するようにしているため、通信線路L1,L2からの
放射ノイズを抑えて、他の通信装置の受信特性に影響を
与えるのを防止できる。
【0056】なお、本実施例の通信ドライバを使用して
実際に伝送路40にデータを送信した場合と、波形整形
回路10を設けていない通信ドライバを使用して実際に
伝送路40にデータを送信した場合とで、夫々、伝送路
40から放射されるノイズを測定した結果、本実施例の
ように波形整形回路10を使用した場合には、波形整形
回路10を使用しない場合に比べて、放射ノイズをFM
放送周波数帯で最大30dB以上低減できることが確認
できた。
【0057】またこのように本実施例の波形整形回路1
0によれば、通信ドライバ用の波形整形回路として使用
することにより、伝送路40からの放射ノイズを低減す
ることができるようになるのであるが、本実施例の波形
整形回路10は、従来装置のように、指数変換回路や積
分回路等のリニア回路を使用しておらず、単にバッファ
回路B1〜B9と抵抗器R1〜R9及びRoとだけで構
成されているため、従来装置に比べて、回路構成を簡素
化することができ、IC化を容易に図ることができる。
【0058】従って、例えば、波形整形回路10を、バ
ッファ回路20等の他の通信用回路と共に、通信ドライ
バICとして一体化する、というようなこともでき、波
形整形回路10を使用する装置を容易に小型化できる。
なお、波形整形回路10からの出力信号Vout は、波形
整形回路10を構成するバッファ回路の個数に応じて段
階的に変化するため、リニア回路を用いた従来装置のよ
うに連続的に変化する出力信号を生成することはできな
いが、バッファ回路の個数を増加すれば段階的に変化す
る出力信号の1回当たりの変化量を小さくすることがで
きるため、波形整形回路10を使用する装置に応じて、
換言すれば波形整形回路10の用途に応じて、バッファ
回路の個数を増減することにより、所望の信号を生成で
きる。
【0059】ここで、上記実施例の波形整形回路10に
おいては、バッファ回路B1〜B9の出力端子に、抵抗
器R1〜R9を直接接続するように構成したが、例え
ば、図4に示す如く、バッファ回路B1〜B9の出力端
子と抵抗器R1〜R9との間に、夫々、バッファ回路D
1〜D9を設けるようにしてもよい。そして、このよう
に構成した場合には、入力信号遅延用の各バッファ回路
B1〜B9に加わる負荷を一定にすることができる。こ
の結果、各バッファ回路B1〜B9の遅延動作がより安
定し、波形整形回路10から安定した出力信号Vinを出
力させることができる。
【0060】また、上記実施例の波形整形回路10にお
いては、各バッファ回路B1〜B9の遅延時間を一定と
し、各バッファ回路B1〜B9に接続される抵抗器R1
〜R9の抵抗値を、初段及び最終段側の抵抗器ほど抵抗
値が大きく、中心側の抵抗器ほど抵抗値が小さくなるよ
うに設定することにより、入力信号Vinの立ち上がりエ
ッジ及び立ち下がりエッジを夫々正弦波状に波形整形で
きるようにしたが、各抵抗器R1〜R9の抵抗値は一定
とし、各バッファ回路B1〜B9の遅延時間を、初段及
び最終段側のバッファ回路ほど遅延時間が長く、中心側
のバッファ回路ほど遅延時間が短くなるように設定して
も、入力信号Vinの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエ
ッジを正弦波状に波形整形することができる。すなわ
ち、波形整形回路10内の抵抗器R1〜R9の抵抗値を
全て同じ値に設定した場合、各バッファ回路B1〜B9
の出力が反転した際の出力信号Vout の変化量は一定値
になるが、各バッファ回路B1〜B9の遅延時間△T1
〜△T9を、初段及び最終段のバッファ回路B1,B9
の遅延時間△T1,△T9が最も長く、中段のバッファ
回路B5の遅延時間△T5が最も短くなるように、つま
り、△T1(△T9)>△T2(△T8)>△T3(△
T7)>△T4(△T6)>△T5となるように設定す
れば、図5に示す如く、出力信号Vout は、入力信号V
inの立ち上がり直後にはゆっくりと変化し、その後除々
に変化速度が増加し、更に最終値であるハイレベル(又
はローレベル)に近付くにつれて変化速度が遅くなる。
このため、各バッファ回路B1〜B9の遅延時間を調整
することによっても、入力信号Vinの立ち上がりエッジ
及び立ち下がりエッジを正弦波状に波形整形した出力信
号Vout を生成することができるようになるのである。
【0061】また更に、これらを組み合せ、波形整形回
路10内の抵抗器R1〜R9の抵抗値を、上記実施例の
ように、初段及び最終段側の抵抗器ほど抵抗値が大き
く、中心側の抵抗器ほど抵抗値が小さくなるように設定
し、しかも、バッファ回路B1〜B9の遅延時間を、上
記のように初段及び最終段側のバッファ回路ほど遅延時
間が長く、中心側のバッファ回路ほど遅延時間が短くな
るように設定してもよい。そしてこのようにすれば、出
力信号Vout の立ち上がり及び立ち下がり波形を、所望
の正弦波状に、より高精度に設定することができるよう
になる。
【0062】また上記実施例では、波形整形回路10を
データ通信を行なう通信ドライバに使用して、伝送路4
0からの放射ノイズを低減する場合について説明した
が、本発明の波形整形回路は、ハイ・ローいずれかのレ
ベルに切り替えられる信号であれば、その立ち上がりエ
ッジ及び立ち下がりエッジを正弦波状に波形整形するこ
とができるため、例えば、自動変速機の変速段やロック
アップ等を制御するために自動変速機に設けられたリニ
アソレノイドの通電電流をデューティ制御する電子制御
装置等、モータやソレノイドをデューティ制御する装置
において、デューティ制御のための制御信号(つまりパ
ルス信号)を波形整形するのにも使用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の通信ドライバにおけるデータ送信部の
構成を表わす電気回路図である。
【図2】実施例の波形整形回路の動作を説明する説明図
である。
【図3】実施例の通信ドライバにおけるデータ送信時の
各部の信号を表わすタイムチャートである。
【図4】実施例の波形整形回路の他の構成例を表わす電
気回路図である。
【図5】波形整形回路内のバッファ回路の遅延時間を調
整した際の動作を説明する説明図である。
【図6】本発明の構成及びその動作を説明する説明図で
ある。
【符号の説明】 10…波形整形回路 B1〜B9,Bn…バッファ
回路 R1〜R9,Rn…抵抗器 Ro…基準抵抗器 20…バッファ回路 30…電圧電流変換回路 40…伝送路 L1…通信線路 L2…通信線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−284757(JP,A) 特開 昭60−141008(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 25/03 H04L 25/49 H03K 4/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハイ・ローいずれかのレベルに切り替え
    られる入力信号を受け、該入力信号の立ち上がりエッジ
    及び立ち下がりエッジを正弦波状に波形整形して出力す
    る波形整形回路であって、 互いに直列接続され、上記入力信号を所定の遅延時間だ
    け順次遅延して出力する複数のバッファ回路と、 一端が上記各バッファ回路の出力端子に夫々接続され、
    他端が互いに接続された複数の抵抗器と、 一端が上記複数の抵抗器の他端に接続され、他端が上記
    入力信号のハイ・ローいずれかのレベルと同電位に保持
    された基準抵抗器と、 を備え、上記複数の抵抗器の抵抗値を、当該抵抗器が接
    続されたバッファ回路が上記直列接続された複数のバッ
    ファ回路のうちの中心側であるほど抵抗値が小さく、両
    端側であるほど抵抗値が大きくなるように、各々設定
    し、 上記複数の抵抗器と上記基準抵抗器との接続点から波形
    整形後の信号を出力するように構成してなることを特徴
    とする波形整形回路。
  2. 【請求項2】 ハイ・ローいずれかのレベルに切り替え
    られる入力信号を受け、該入力信号の立ち上がりエッジ
    及び立ち下がりエッジを正弦波状に波形整形して出力す
    る波形整形回路であって、 互いに直列接続され、上記入力信号を所定の遅延時間だ
    け順次遅延して出力する複数のバッファ回路と、 一端が上記各バッファ回路の出力端子に夫々接続され、
    他端が互いに接続された複数の抵抗器と、 一端が上記複数の抵抗器の他端に接続され、他端が上記
    入力信号のハイ・ローいずれかのレベルと同電位に保持
    された基準抵抗器と、 を備え、上記複数のバッファ回路の遅延時間を、当該バ
    ッファ回路が上記直列接続された複数のバッファ回路の
    うちの中心側であるほど遅延時間が短く、両端側である
    ほど遅延時間が長くなるように、各々設定し、 上記複数の抵抗器と上記基準抵抗器との接続点から波形
    整形後の信号を出力するように構成してなることを特徴
    とする波形整形回路。
  3. 【請求項3】 上記各バッファ回路の出力端子と上記複
    数の抵抗器との間に、夫々、バッファ回路を設けたこと
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の波形整形回
    路。
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