JP3323872B2 - レーザー素子 - Google Patents
レーザー素子Info
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Description
るいは加工・熱源用などとして、広く実用に供されてい
る。そして、この種のレーザー光源としては、可視光ル
ビーレーザー、赤外光の YAGレーザー、 YLFレーザーな
どの固体レーザー、可視光Arレーザー、紫外光窒素レー
ザーなどの気体レーザーが、一般的によく知られてい
る。また、半導体技術の開発に伴い、赤外GaAs系半導体
レーザーが開発され、レーザー素子(レーザー光発振
器)は、大幅にコンパクト化されている。
記録などを行う際の情報密度を上げるため、光源などで
短波長化が望まれており、最近では半導体レーザーも赤
外光領域から可視光領域へと短波長化が進められてい
る。たとえば、ZnSe系の半導体レーザーで、 450nm付近
までの発振が実用化されようとしている。ここで、小型
レーザーで赤外光領域から、紫外光領域での発振を実現
し得れば、前記光記録などを行う際の情報密度を、さら
に大幅に向上し得るので、たとえば光ディスク装置など
のコンパクト化を容易に図ることが可能となる。
が可能な半導体レーザーは、前記GaAs系半導体レーザ
ー、およびZnSe系半導体レーザーが知られているのみ
で、紫外光領域で発振する小型レーザーは未だ知られて
いない。つまり、実用上大きな期待をもたれながら、波
長が 450nm以下で発振する小型レーザーは、実現するに
至っていない。
ながら、赤外光波長領域から紫外光波長領域での発振
(発光)が可能な小型レーザー素子の提供を目的とす
る。
素子は、基板上の所定領域内に形成され、かつ所定波長
で発光する発光部と、前記発光部の周囲の領域に形成さ
れ、周辺部と屈折率の異なる点状領域が1μm以下のピ
ッチで、かつ所定の一次元方向のみがピッチが異なるよ
うに配置されることで該所定の一次元方向にのみ前記所
定波長の光を伝播するレーザー共振器と、を具備するこ
とを特徴とする。
るピッチを成す点状の格子が周期的に存在すると、前記
格子のピッチと同程度の波長の波が回折されること、こ
の現象に基づいてその領域に存在し得る定常波の波長が
限定されること、さらに、金属や半導体中の電子は結晶
格子の周期性によって、定常波の限定がバンド構造の形
成として現れるということを着眼点とした研究が進めら
れている。すなわち、可視光の波長程度のピッチで、そ
の周辺部とは屈折率が異なる点状領域を格子状に形成
し、電子波の代わりに可視光波長領域の電磁波を用いた
バンド構成を対象とする、いわゆるフォトニックバンド
の研究が盛んになされており、マイクロ波やミリ波での
実験も知られている。
研究に着目し、さらに超 LSI技術を応用した場合、サブ
μm までの極微小ピッチの格子形成が可能で、この極微
小ピッチの格子形成により可視光領域から紫外光領域で
のフォトニックバンドを実現することができ、またこの
ような周期的格子により形成されたバンドに対し、バン
ドギャップに相当する波長の光は反射されるという知見
を得た。さらにこのような知見に基づき研究を進めた結
果、上述したような点状領域を少なくとも一次元方向に
1μm 以下のピッチで形成すれば、前記一次元方向には
所定波長の光が部分的に伝播されることを見出し、本発
明を達成するに至ったものである。
ピッチで配置された点状領域の配列中央部に配設され
て、所定波長の光が一次元両方向に部分的に伝播されて
もよいが、発光部を点状領域の配列の端部付近に配設し
て、この点状領域の配列とは反対側は所定波長の光が伝
播せず反射される点状領域の配置としてもよい。さらに
ここで、所定波長の光が部分的に伝播する一次元方向に
対して、二次元方向ないし三次元方向に電磁波波長が伝
播しないような格子構造にすると、発振しきい値を低減
できる。そして、この場合、格子配列としては、たとえ
ば体心立方格子や面心立方格子などが挙げられ、また格
子点の形態としては、球,正四面体,正八面体,正十六
面体などが挙げられる。
とすることにより、容易に紫外光を発振するレーザー素
子を形成し得る。すなわち、ポリシランは高感度の感光
性体を有しており、露光部がシロキサン化して屈折率が
0.3程度変化するので、可視光から紫外光の波長程度の
ピッチで格子の形成を容易に行うことができる。しかも
ポリシランは 340nm付近で発光するので、それ自体発光
部となって小型の紫外光レーザーとして機能し得るから
である。なお、ポリシランを素材とした場合は、前記の
ごとくレーザー共振器となる格子の所定位置への発光部
の挿着を要しないが、たとえばNd3+: Y3 Al5 O12ガラ
スなどの発光性ガラス、AlAs系半導体やSeZn系半導体、
色素系の各種発光材料をドープした形態などによって、
所定位置への発光部の形成・挿着を行ってもよい。また
このとき、レーザー共振器となる格子についても素材は
特にポリシランに限定されず、感光性を有しかつ露光部
で屈折率が変化する素材であれば、同様にして格子の形
成を行うことができる。
分的に伝播させる光の波長λに対し点状領域(格子点)
のピッチ Pはλ/ 2の正数倍(1μm 以下)、径の大き
さはP/10以上, 9・ P/10以下となるように点状領域
を配置すればよい。また、この点状領域の配置数は、光
が部分的に伝播する一次元方向に10周期程度以上であ
り、点状領域と周辺部との屈折率差は 0.1以上であれば
よい。
フォトニックバンドを形成する点状領域(格子点)は、
1種の波長選択ミラーとして機能するので、点状領域の
配置数やピッチ間隔などを変化させることにより、選択
する波長および反射率を任意に設定し得ることになる。
そして、一次元方向に配置された点状領域(格子点)間
の所定位置に配設した発光部を光もしくは電流によって
励起し、反転分布状態を形成すると、前記点状領域が共
振器ミラーとなって、共振方向へレーザー光を発振す
る。一方、前記レーザー光が発振する共振方向に対し
て、その周辺部(二次元方向ないし三次元方向)を、電
磁波波長の伝播が抑制されるような点状領域の配置とす
ると、さらに反転分布状態を採り易くなる。つまり、二
次元方向などへの自然放出発光が減少して、発振しきい
値が大幅に下がることになり、安定したレーザー機能を
保持・発揮する。
実施例を説明する。
部構成例を断面的に示したもので、ポリシランを素材と
して、10μm 角の立方体を成している。この構成例で
は、三次元方向に配置された点状領域(格子点)配列1
a,1b,1c,1e,1f,1gなどにおいて各点状領域(格子
点)1の間隔(ピッチ)が一定である一方、点状領域
(格子点)配列1dにおいて点状領域(格子点)1の間隔
(ピッチ)が、前記点状領域(格子点)配列1a,1b,1
c,1e,1f,1gなどの場合と異なっている。つまり、点
状領域(格子点)配列1dにおいては、部分的に点状領域
(格子点)1の間隔(ピッチ)を小さめに設定し、この
点状領域(格子点)配列1dの間の所定位置に発光部2を
配設した構成を採っている。
とともに、より具体的に説明すると、先ず下記[化1]
に一般式を示すポリシラン(分子量 200,000)を、LB法
(Langmuir Brodgett 法)によって、支持基板上に厚さ
0.6μm 成膜し、全面を紫外線で照射してシロキサン化
させる。
積層・成膜し、このポリシラン層を選択的に露光する
と、露光部がシロキサン化する一方未露光部が 0.1μm
角の点状領域(格子点)1となり、 0.7μm 間隔(ピッ
チ)の点状領域(格子点)配列1aが形成される。その
後、前記点状領域(格子点)配列1a面上に、同様にして
厚さ 0.6μm のポリシラン層を積層・成膜して、全面を
紫外線で照射し、さらに厚さ 0.1μm のポリシラン層を
積層・成膜し、このポリシラン層を選択的に露光する
と、露光部がシロキサン化する一方未露光部が 0.1μm
角の点状領域(格子点)1となり、前記点状領域(格子
点)配列1aと同様の 0.7μm 間隔(ピッチ)の点状領域
(格子点)配列1bが形成される。以下、同様の工程を繰
り返して、支持基板上に6層の点状領域(格子点)配列
を形成する。なお、図中1bは5層目の点状領域(格子
点)配列、1cは6層目の点状領域(格子点)配列をそれ
ぞれ示す。
に、同様にして厚さ 0.6μm のポリシラン層を積層・成
膜して、発光部2となる領域以外の面を紫外線で照射
し、さらに厚さ 0.1μm のポリシラン層を積層・成膜
し、このポリシラン層を選択的に露光する。このとき、
図1 (b)に平面的に示すごとく、外径 1μm 程度の発光
部2に対し所定の一方向(図1 (b)で左方向)について
は、 0.1μm 角の点状領域(格子点)1を0.66μm 間隔
(ピッチ)で一次元方向に配置させる。次いでこのよう
な点状領域(格子点)配列1d面上に、厚さ 0.6μm のポ
リシラン層を積層・成膜して、発光部2となる領域以外
の面を紫外線で照射してシロキサン化させる。さらに厚
さ 0.1μm のポリシラン層を積層・成膜し、このポリシ
ラン層を選択的に露光する工程と、厚さ 0.6μm のポリ
シラン層を積層・成膜して、全面を紫外線で照射する工
程を繰り返して、6層の点状領域(格子点)配列を前記
発光部2上に順次形成して、10μm 角の六方晶格子体か
ら成るレーザー素子を得る。
て、パルス幅 5nsec、波長 337nmの光を、窒素レーザー
によって励起させたところ、紫外光領域波長で所要のレ
ーザー発振を呈した。すなわち、前記窒素レーザーで発
光部2を励起させ、点状領域(格子点)1からの各方向
への発光を受光器にて集光して観測した結果、励起出力
を10μW から10mWへ上げるに伴い、波長 350nmをピーク
とする発光半値全幅が20nmから 5nmへと細くなり、また
減衰時定数も20nsecから 4nsecへと速くなってレーザー
発振を行っていることが確認された。
ーザー素子を構成した場合を例示したが、本発明はこれ
に限定されるものでなく、同様に微細な加工が可能な他
の素材を用いて格子を形成してもよい。さらに、所定波
長の光が部分的に伝播する一次元方向に対して、二次元
方向ないし三次元方向に電磁波波長が伝播しないよう
に、上記では発光部周囲の一次元方向のみをピッチの異
なる格子構造としたが、要は一次元方向以外の方向への
光伝播が抑制・防止されればよいので、所定波長の光が
部分的に伝播する一次元方向に対して、その周辺部が所
定波長の光を伝播しないような光屈折率の異なる構成と
しておいてもよい。
ザー素子によれば、発光部を励起することによって、反
転分布状態が容易に形成され、前記点状領域が共振器ミ
ラーとなって、共振方向へレーザー光を発振するので、
小型レーザーとして有効に機能する。
示す断面図、 (b)は図1 (a)の要部構成例における所定
波長の光を部分的に伝播する点状領域配例の平面図。
1g…点状領域(格子点)配列 2…発光部
Claims (2)
- 【請求項1】 基板上に形成され、かつ所定波長で発光
する発光部と、 前記発光部の周囲の領域に形成され、周辺部と屈折率の
異なる点状領域が1μm以下のピッチで、かつ所定の一
次元方向のみがピッチが異なるように配置されることで
該所定の一次元方向にのみ前記所定波長の光を伝播する
レーザー共振器と、 を具備することを特徴とするレーザー素子。 - 【請求項2】 点状領域および発光部がポリシランから
成ることを特徴とする請求項1記載のレーザー素子。
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---|---|---|---|
JP23504193A JP3323872B2 (ja) | 1993-09-21 | 1993-09-21 | レーザー素子 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP23504193A JP3323872B2 (ja) | 1993-09-21 | 1993-09-21 | レーザー素子 |
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Family Applications (1)
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JP23504193A Expired - Fee Related JP3323872B2 (ja) | 1993-09-21 | 1993-09-21 | レーザー素子 |
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-
1993
- 1993-09-21 JP JP23504193A patent/JP3323872B2/ja not_active Expired - Fee Related
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