JP3323755B2 - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
半導体封止用エポキシ樹脂組成物Info
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Description
び成形時の金型離型性が優れた半導体封止用エポキシ樹
脂組成物に関する。
パッケージは、量産性に優れた樹脂封止方式が多用され
ている。これに用いられる封止材料は成形性、電気特
性、耐熱性等に優れたオルソクレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂と、硬化剤としてフェノール系樹脂を用い、
これらに硬化促進剤,充填剤および各種添加剤を配合し
たエポキシ樹脂組成物が広く用いられている。
軽量化および高性能化等の需要が多い。しかも、パッケ
ージ形状は高密度実装に適した表面実装型半導体装置が
主流となってきた。
化している。特に、TSOP(Thin Small Outline
Package),TQFJ(Thin Quad Outline J−le
adPackage),TQFP(Thin Quad Flat Packag
e)と云った半導体装置の中で、厚さが1mm前後の薄
型表面実装型パッケージの需要が増大している。しか
し、パッケージの封止材層は薄くなっても各種信頼性を
維持する必要があり、封止材にとっては一層の高性能化
が要求される。
ージの破壊強度の絶対値が低下するため、小さな力で容
易に破損する。パッケージの破損は成形の際の金型離型
時に多く発生するため、封止材の硬化性および金型離型
性が重要な特性になる。
は、赤外線やベーパーリフロー方式が主流となっている
が、その際、パッケージは240℃位の高温に曝され
る。そのため、パッケージが吸湿していると、吸湿水分
が気化して急激に体積膨張し、その蒸気圧によって封止
材とチップ界面に剥離が生じたり、あるいは封止材層に
クラックが発生して、実装後の信頼性が低下する。
止樹脂層からの拡散侵入、(2)リードフレームと封止
材との界面からの侵入、が考えられる。表面実装型パッ
ケージに要求される耐はんだリフロー性を向上させるに
は、こうした侵入水分の低減が極めて重要である。
法が提案されており、特に、封止材料の低吸湿化並びに
高接着化が有効であった。
特開平4−48759号公報に開示されているように、
ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂とフェノールアラ
ルキル樹脂硬化剤からなるエポキシ樹脂組成物でパッケ
ージを構成したり、また、特開平4−199856号公
報、特開平4−199857号公報に開示されているよ
うに、ナフタレン骨格を有する低吸湿性エポキシ樹脂組
成物でパッケージを構成することにより、耐はんだリフ
ロー性を改善することが可能になった。
蔵安定性と耐はんだリフロー性を両立させるものとし
て、特開平7−228672号公報に提案されるよう
に、有機リン化合物(電子供与性置換基として、特にア
ルコキシ基を用いると好適)にキノン類を付加反応させ
た硬化促進剤を用いることで可能になった。
材の実用上の大きな課題である吸湿による硬化阻害は改
善できず、この問題は今だに解決されていない。従っ
て、この封止材は、保管中あるいは使用中の環境管理に
制約があり、半導体パッケージの生産性を損なう大きな
要因となっている。
んだリフロー性の改善にはかなり有効ではあるが、封止
材料が吸湿していると成形硬化性が低下すると云う問題
は解決されていない。
性が悪くなるためパッケージが損傷を受け易くなり、し
かも、成型品内部にボイド等が発生し易くなると云う問
題がある。そのため、品質の安定した成型品を得ること
が難しくなり、パッケージの量産化も著しく低下する。
止材の成形硬化性が水分の吸湿量に依存されず、成型金
型との離型性が優れ、しかも内部ボイドの発生が少ない
半導体封止用のエポキシ樹脂組成物を提供することにあ
る。
影響を及ぼすと考えられるエポキシ樹脂、硬化剤、硬化
促進剤、充填剤、滑剤等の各素材、各添加剤、混練条件
および成形条件等について鋭意検討した。その結果、前
記課題は特定の硬化促進剤を用いることにより改善でき
ることを見い出し本発明に至った。本発明の要旨は次の
とおりである。
剤等を含むエポキシ樹脂組成物において、前記硬化促進
剤は式〔1〕
は1〜3の整数、Xはp−ベンゾキノンを示す)で表さ
れる有機リン系化合物を含むことを特徴とする半導体封
止用エポキシ樹脂組成物にある。
剤において、p−ベンゾキノンと付加反応する有機リン
化合物としては、トリス(メチルフェニル)ホスフィン、
トリス(エチルフェニル)ホスフィン、トリス(プロピル
フェニル)ホスフィン、トリス(ブチルフェニル)ホスフ
ィン、トリス(2,4−ジメチルフェニル)ホスフィン、
トリス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフィン等があ
る。これら硬化促進剤の内で特に好適なのは式〔2〕
ィン・p−ベンゾキノンである。
併用することができ、その配合量はエポキシ樹脂100
重量部に対して0.001〜0.1モル、好ましくは0.
005〜0.03モルが好適である。
することができる。しかも、必要に応じて予め70℃以
上で前記エポキシ樹脂あるいは前記硬化剤と加熱、溶融
させて用いてもよい。
知のものを用いることができ、特に、低吸湿性で高接着
性であるビフェニル型エポキシ樹脂が望ましい。それら
の内でも式〔3〕
封止材料としての溶融粘度および硬化物特性のバランス
がよいので、特に、好適である。
する2個以上の官能基を有するものであれば限定されな
いが、特に、式〔4〕
る。
0.5〜1.5当量配合することができ、好ましくは0.
8〜1.2当量配合するのが望ましい。0.5当量未満で
はエポキシ樹脂の硬化が不十分となり、硬化物の耐熱
性、耐湿性、体積固有抵抗および誘電正接等の電気特性
が劣る。また、1.5当量を超えると硬化剤成分が過剰
となり、硬化樹脂中に多量のフェノール性水酸基が残る
ため、耐湿性並びに電気特性が悪くなる。上記硬化剤は
本発明の目的を損なわない範囲において、他の公知の硬
化剤と併用することができる。
および角型の充填剤としては、溶融シリカ、結晶シリ
カ、アルミナ、炭酸カルシウム、含結晶水の水酸化アル
ミニウム、含結晶水の水酸化マグネシウム、含結晶水の
硼酸亜鉛、タルク、クレー、マイカ等の粉末を用いるこ
とができる。
て、50〜90容量%配合するのが望ましい。これら無
機充填剤は硬化物の熱膨張率、熱伝導率、弾性率等の改
良を目的に添加するものである。配合量が50容量%未
満ではこれらの特性を十分に改良できず、90容量%を
超えると樹脂組成物の粘度が著しく上昇して流動性が低
下するので成形が困難になる。
00μmの範囲が望ましい。0.1μm未満では封止材
の粘度が著しく上昇し流動性が低下して成形が困難にな
る。100μmを超えると樹脂成分と充填剤成分とが分
離し易くなり、硬化物特性が不均一になったり、金型の
狭い隙間への充填性が低下する。また、充填剤の形状は
角形より球形のものが流動性や最密充填性等の点で好適
である。
とによりある温度で結晶水が出てくるので、それによっ
て封止材の難燃性を向上することができる。
型の離型性を向上させる目的で、公知の滑剤、例えば、
カルナバワックス、モンタン酸ワックス、オレフィン系
ワックス、ポリアルキレン系ワックス等を用いることが
できる。
強靱化や低弾性率化のために可とう化剤を用いることが
できる。可とう化剤はエポキシ樹脂および硬化剤と非相
溶性、あるいは、一部相溶性のものがガラス転移温度を
あまり下げることがなく硬化物の低弾性率化を図ること
が可能な点から、ブタジエン・アクリルニトリル系共重
合体やそれらの末端または側鎖にアミノ基、エポキシ
基、カルボキシル基を有する変性共重合体、あるいは、
シリコーン系可とう化剤が用いられる。耐湿性や純度の
点からシリコーン系可とう化剤が特に好適である。
樹脂組成物100重量部に対して1〜20重量部が好ま
しい。配合量が1重量部未満では硬化物の強靱性や低弾
性率化に殆ど効果がない。また、20重量部を超えると
樹脂組成物の流動性や高温の機械的強度が著しく低下し
たり、樹脂硬化物表面に可とう化剤が浮き出て成型金型
を汚し、金型の離型性や成型品の品質低下が生じる。
と充填剤との接着性を高めるためのカップリング剤とし
て各種シラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウム
キレート類、アルミニウム・ジルコニウム系化合物等の
公知の添加剤を用いることができる。
半導体装置に適用した場合に優れた耐はんだリフロー性
を示すのは、以下の理由によると考えられる。
たエポキシ樹脂組成物の硬化反応は、湿度依存性がなく
高湿下においても極めて安定しており、しかも高温での
反応硬化性が優れていることから、均質で安定した成型
品が得られる。従って、成形直後の成型品硬度が高くな
ることから強度が向上し、金型離型が容易になるため成
型品は損傷を受けることがなく、均質で安定した半導体
装置を得ることができる。しかも、成形時の反応性は高
く均質なため、成型品内部のボイド発生が極めて少なく
なり、均質で安定した成型品は優れた耐はんだリフロー
性を有するものと考えられる。
に、優れた耐はんだリフロー性を示すのは、ビフェニル
型エポキシ樹脂が低吸湿性、高接着性であり、吸湿して
も硬化阻害を起こすこともないことが大きな要因であ
る。従って、成型品である半導体パッケージの吸湿の絶
対量が少なくなり、リフロー時に発生する水分による体
積膨脹が小さくなるためと考えられる。
キシ樹脂は、パッケージを構成している金属フレームと
樹脂との接着力が高く、両者の隙間から侵入する水分の
侵入量を大幅に減少できるためである。従って、半導体
パッケージのボイドが少なく、均質で安定した成型品が
得られるため、該半導体装置は、高い信頼性のものを得
ることができることは、全く予想できなかった。
明する。
に本実施例および比較例に用いた硬化促進剤の化合物名
と略号を示す。
00℃に加熱した8インチ2軸ミキシングロールで、約
10分間混練した後、混練物を冷却、粉砕して目的の封
止材を得た。得られた封止材を180℃、7MPa、9
0秒間の条件でトランスファー成形した。
をトランスファー成形し、成形金型から開放された直後
の円板の熱時硬度をバーコル硬度計で測定した。
の影響を示す。封止材料を25℃、湿度90%RHで所
定時間吸湿させたときの熱時硬度保持率を求めた。
金属板とその上面に成形した封止材との界面での剪断離
型力を測定して評価した。剪断離型力はクロムメッキし
た金属板を専用の金型に挿入し、その金属板上に15m
mφ×1mmの円板状に封止材を成形した後、金属板を
金型から引き出すように引っ張り、封止材との剪断接着
力を求め、その強度を剪断離型力とした。この結果を表
4に示す。
半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、比較例に比べて、
熱時硬度保持率並びに剪断離型力が格段に優れているこ
とが分かる。
物の成形硬化性は湿度依存性がなく、また優れた金型離
型性を有している。
硬化阻害を起こさず、しかも金型離型性に優れており、
これを用いて封止した半導体装置は、信頼性の優れたも
のを提供することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 エポキシ樹脂と硬化剤と硬化促進剤と充
填剤等を含むエポキシ樹脂組成物において、前記硬化促
進剤が式〔1〕 【化1】 (式中、RはC1〜C4のアルキル基、mは1〜3の整
数、Xはp−ベンゾキノンを示す)で表されるトリス
(メチルフェニル)ホスフィン、トリス(エチルフェニル)
ホスフィン、トリス(プロピルフェニル)ホスフィン、ト
リス(ブチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,4−ジメ
チルフェニル)ホスフィン、または、トリス(2,6−ジ
メチルフェニル)ホスフィンの一つと、p−ベンゾキン
との付加反応物からなる有機リン系化合物を含むことを
特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項2】 前記エポキシ樹脂がビフェニル型エポキ
シ樹脂を含む請求項1に記載の半導体封止用エポキシ樹
脂組成物。 - 【請求項3】 前記硬化剤がキシリレン系樹脂である請
求項1または2に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成
物。 - 【請求項4】 平均粒径0.1〜100μmの球形また
は/および角型の無機充填材を、前記エポキシ樹脂組成
物に対して50〜90容量%含有させた請求項1,2ま
たは3に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
Priority Applications (1)
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JP24996696A JP3323755B2 (ja) | 1996-09-20 | 1996-09-20 | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24996696A JP3323755B2 (ja) | 1996-09-20 | 1996-09-20 | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1087790A JPH1087790A (ja) | 1998-04-07 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24996696A Expired - Lifetime JP3323755B2 (ja) | 1996-09-20 | 1996-09-20 | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101282963B1 (ko) | 2006-05-12 | 2013-07-08 | 삼성전자주식회사 | 에뮬레이션 시스템 및 그 방법 |
-
1996
- 1996-09-20 JP JP24996696A patent/JP3323755B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1087790A (ja) | 1998-04-07 |
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