JP3322200B2 - 導波路型光スイッチ - Google Patents
導波路型光スイッチInfo
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- JP3322200B2 JP3322200B2 JP164298A JP164298A JP3322200B2 JP 3322200 B2 JP3322200 B2 JP 3322200B2 JP 164298 A JP164298 A JP 164298A JP 164298 A JP164298 A JP 164298A JP 3322200 B2 JP3322200 B2 JP 3322200B2
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- Optical Integrated Circuits (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導波路型光スイッ
チに関する。
チに関する。
【0002】
【従来の技術】光通信システムが高度化するにつれて、
低挿入損失、低クロストーク特性及び自己保持特性をも
った空間分割型光スイッチの要求が高まっている。
低挿入損失、低クロストーク特性及び自己保持特性をも
った空間分割型光スイッチの要求が高まっている。
【0003】従来、空間分割型光スイッチとして、図1
1に示すように、光導波路の交差部にギャップを設け、
このギャップ内への液体の注入/除去によって光導波路
とギャップ界面の全反射条件を制御することにより光ス
イッチングするものが提案されている。尚、図11
(a)は従来の導波路型光スイッチの側面図であり、図
11(b)は図11(a)のA−A線断面図である。
1に示すように、光導波路の交差部にギャップを設け、
このギャップ内への液体の注入/除去によって光導波路
とギャップ界面の全反射条件を制御することにより光ス
イッチングするものが提案されている。尚、図11
(a)は従来の導波路型光スイッチの側面図であり、図
11(b)は図11(a)のA−A線断面図である。
【0004】図11(a)、(b)に示すように、光ス
イッチは、基板1上に低屈折率のバッファ層2を設け、
その上に略矩形断面形状の高屈折率のコア層3をT字状
に形成し、これらコア層3−1,3−2,3−3の交差
部12にギャップ13を設け、そのギャップ13の両端
に屈折率整合用液体(コア層3−1,3−2,3−3の
屈折率と等しい屈折率の値を持つ液体)が充填された液
体充填部6aと空隙部6bとを設け、コア層3−1,3
−2,3−3、ギャップ13、交差部12、液体充填部
6a、空隙部6b及びバッファ層2の上部に低屈折率の
クラッド層4を形成したものである。
イッチは、基板1上に低屈折率のバッファ層2を設け、
その上に略矩形断面形状の高屈折率のコア層3をT字状
に形成し、これらコア層3−1,3−2,3−3の交差
部12にギャップ13を設け、そのギャップ13の両端
に屈折率整合用液体(コア層3−1,3−2,3−3の
屈折率と等しい屈折率の値を持つ液体)が充填された液
体充填部6aと空隙部6bとを設け、コア層3−1,3
−2,3−3、ギャップ13、交差部12、液体充填部
6a、空隙部6b及びバッファ層2の上部に低屈折率の
クラッド層4を形成したものである。
【0005】液体充填部6a及び空隙部6bの近傍には
ヒータ8−1,8−2が設けられ、ヒータ8−1にはリ
ード部9−1,9−2が接続され、ヒータ8−2にはリ
ード部9−3,9−4が接続されている。リード部9−
1とリード部9−2との間には直流電源10−1とスイ
ッチ11−1とが接続され、リード部9−3とリード部
9−4との間には直流電源10−2とスイッチ11−2
とが接続されている。通常、スイッチ11−1がオフ状
態で、スイッチ11−2がオン状態であり、屈折率整合
用液体は液体充填部6a、ギャップ13内に満たされて
いる。図に示した状態では、コア層3−1内を矢印5−
1方向に伝搬してきた入力光信号は、交差部12を通過
し、コア層3−2内を伝搬し、矢印5−2方向に出力さ
れる。
ヒータ8−1,8−2が設けられ、ヒータ8−1にはリ
ード部9−1,9−2が接続され、ヒータ8−2にはリ
ード部9−3,9−4が接続されている。リード部9−
1とリード部9−2との間には直流電源10−1とスイ
ッチ11−1とが接続され、リード部9−3とリード部
9−4との間には直流電源10−2とスイッチ11−2
とが接続されている。通常、スイッチ11−1がオフ状
態で、スイッチ11−2がオン状態であり、屈折率整合
用液体は液体充填部6a、ギャップ13内に満たされて
いる。図に示した状態では、コア層3−1内を矢印5−
1方向に伝搬してきた入力光信号は、交差部12を通過
し、コア層3−2内を伝搬し、矢印5−2方向に出力さ
れる。
【0006】次にスイッチ11−2をオフ状態にし、ス
イッチ11−1をオン状態にすると、液体充填部6a内
及びギャップ13内の液体は、空隙部6bに移送され、
交差部12は空隙になるので、コア層3−1内を伝搬し
ていた入力光信号は、その空隙で全反射されてコア層3
−3内を伝搬し、矢印5−3方向に出力される。
イッチ11−1をオン状態にすると、液体充填部6a内
及びギャップ13内の液体は、空隙部6bに移送され、
交差部12は空隙になるので、コア層3−1内を伝搬し
ていた入力光信号は、その空隙で全反射されてコア層3
−3内を伝搬し、矢印5−3方向に出力される。
【0007】以上において、空隙部6bの容積を液体充
填部6aの容積よりも大きくしておき、スイッチ11−
1(11−2)をオフ(オン)、オン(オフ)すること
により、矢印5−1方向の入力光信号を矢印5−2方向
或いは矢印5−3方向へ切替えて伝搬させることができ
る。
填部6aの容積よりも大きくしておき、スイッチ11−
1(11−2)をオフ(オン)、オン(オフ)すること
により、矢印5−1方向の入力光信号を矢印5−2方向
或いは矢印5−3方向へ切替えて伝搬させることができ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図11
に示した従来の導波路型光スイッチには、以下のような
問題点があった。
に示した従来の導波路型光スイッチには、以下のような
問題点があった。
【0009】(1) 矢印5−1方向の入力光信号を矢印5
−2方向に出力させる場合と、矢印5−3方向に出力さ
せる場合とでは、光信号の減衰量に大きな差が生じた。
すなわち、矢印5−2方向へは比較的低損失で伝搬させ
ることができるが、矢印5−3方向へ切替えて出力させ
る場合には偏波依存性損失が加わるために大きな損失を
伴った。このように光路を切替えることにより光損失の
アンバランスが生じると、光回線設計が困難になる。
−2方向に出力させる場合と、矢印5−3方向に出力さ
せる場合とでは、光信号の減衰量に大きな差が生じた。
すなわち、矢印5−2方向へは比較的低損失で伝搬させ
ることができるが、矢印5−3方向へ切替えて出力させ
る場合には偏波依存性損失が加わるために大きな損失を
伴った。このように光路を切替えることにより光損失の
アンバランスが生じると、光回線設計が困難になる。
【0010】(2) 矢印5−2方向の出力光信号と矢印5
−3方向の出力光信号との光アイソレーションを大きく
とることができない(約15dB)。すなわち、矢印5
−1方向の入力光信号を矢印5−2方向へ伝搬させる場
合に、矢印5−3方向にも入力光信号が漏洩し、逆に、
矢印5−1方向の入力光信号を矢印5−3方向へ伝搬さ
せる場合に、矢印5−2方向へ入力光信号が大きく漏洩
してしまう。これは、クロストーク特性の劣化を引き起
こす。
−3方向の出力光信号との光アイソレーションを大きく
とることができない(約15dB)。すなわち、矢印5
−1方向の入力光信号を矢印5−2方向へ伝搬させる場
合に、矢印5−3方向にも入力光信号が漏洩し、逆に、
矢印5−1方向の入力光信号を矢印5−3方向へ伝搬さ
せる場合に、矢印5−2方向へ入力光信号が大きく漏洩
してしまう。これは、クロストーク特性の劣化を引き起
こす。
【0011】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、低損失で、光路を切替えても損失の変化がない導波
路型光スイッチを提供することにある。
し、低損失で、光路を切替えても損失の変化がない導波
路型光スイッチを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、基板上の低屈折率層の中に、断面が略矩形
状を成し1つの光入力部と2つの光出力部とで略Y字形
状を成すようにパターニングされた該低屈折率層よりも
高屈折率のコア層が設けられ、光入力部とそれら2つの
光出力部との間に空隙部がそれぞれ設けられ、それら2
つの空隙部は溝で連結され、いずれかの空隙部内にコア
層の屈折率と略等しい屈折率を有する屈折率整合液体が
注入されており、光入力部のコア層から伝搬してきた光
を2つの光出力部のコア層のいずれかに出力させるよう
に屈折率整合液体を一方の空隙部から他方の空隙部に移
送可能に構成されているものである。
に本発明は、基板上の低屈折率層の中に、断面が略矩形
状を成し1つの光入力部と2つの光出力部とで略Y字形
状を成すようにパターニングされた該低屈折率層よりも
高屈折率のコア層が設けられ、光入力部とそれら2つの
光出力部との間に空隙部がそれぞれ設けられ、それら2
つの空隙部は溝で連結され、いずれかの空隙部内にコア
層の屈折率と略等しい屈折率を有する屈折率整合液体が
注入されており、光入力部のコア層から伝搬してきた光
を2つの光出力部のコア層のいずれかに出力させるよう
に屈折率整合液体を一方の空隙部から他方の空隙部に移
送可能に構成されているものである。
【0013】上記構成に加え本発明は、2つの空隙部の
近傍にヒータがそれぞれ設けられ、それらヒータにリー
ド部を介して電圧を電気的スイッチングにより印加する
ことによって屈折率整合液体を一方の空隙部から他方の
空隙部に移送可能に構成するのが好ましい。
近傍にヒータがそれぞれ設けられ、それらヒータにリー
ド部を介して電圧を電気的スイッチングにより印加する
ことによって屈折率整合液体を一方の空隙部から他方の
空隙部に移送可能に構成するのが好ましい。
【0014】上記構成に加え本発明は、低屈折率層は、
コア層の下面を覆うバッファ層と、コア層の側面を覆う
第1のクラッド層と、コア層の上面を覆う第2のクラッ
ド層からなるのが好ましい。
コア層の下面を覆うバッファ層と、コア層の側面を覆う
第1のクラッド層と、コア層の上面を覆う第2のクラッ
ド層からなるのが好ましい。
【0015】上記構成に加え本発明は、基板にはSiO
2 を用い、コア層はSiO2 基板表面の凹部内に埋め込
まれ、その上にクラッド層が覆われているのが好まし
い。
2 を用い、コア層はSiO2 基板表面の凹部内に埋め込
まれ、その上にクラッド層が覆われているのが好まし
い。
【0016】上記構成に加え本発明は、基板にはSiO
2 を用い、SiO2 基板の上にコア層が形成され、コア
層の側面に第1クラッド層が形成され、コア層と第1ク
ラッド層の上には第2クラッド層が形成されているのが
好ましい。
2 を用い、SiO2 基板の上にコア層が形成され、コア
層の側面に第1クラッド層が形成され、コア層と第1ク
ラッド層の上には第2クラッド層が形成されているのが
好ましい。
【0017】上記構成に加え本発明は、ヒータ及びリー
ド部は、低屈折率層内或いは低屈折率層の上面のいずれ
かに形成されているのが好ましい。
ド部は、低屈折率層内或いは低屈折率層の上面のいずれ
かに形成されているのが好ましい。
【0018】上記構成に加え本発明は、光入力部から2
つの光出力部へ分岐する分岐角を2°〜15°とするの
が好ましい。
つの光出力部へ分岐する分岐角を2°〜15°とするの
が好ましい。
【0019】上記構成に加え本発明は、コア層或いは低
屈折率層の一部はポリマ材料で構成するのが好ましい。
屈折率層の一部はポリマ材料で構成するのが好ましい。
【0020】上記構成に加え本発明は、複数のY分岐を
カスケード接続し、M入力N出力(M≧1、N≧2)光
スイッチとしてもよい。
カスケード接続し、M入力N出力(M≧1、N≧2)光
スイッチとしてもよい。
【0021】上記構成に加え本発明は、ヒータにパルス
状の電圧を印加してもよい。
状の電圧を印加してもよい。
【0022】上記構成に加え本発明は、上記溝に上記屈
折率整合液体を貯えるタンクが設けられているのが好ま
しい。
折率整合液体を貯えるタンクが設けられているのが好ま
しい。
【0023】本発明によれば、Y分岐構造を用いている
ので、入力側の導波路の光軸に対し、出力側の導波路が
線対称となる。このため、光路を切替えたときの入力側
の導波路の光軸に対する出力側の導波路の曲げ角度が等
しいため、光損失のアンバランスがほとんど生じない。
また、出力側導波路が入力側導波路の光軸に対して非対
称である従来のT字形状の導波路型光スイッチに比べて
本発明の導波路型光スイッチは、極めて低損失で、か
つ、偏光依存性も少なく、光路を切替えたときの光クロ
ストーク特性も良好である。しかも本発明の導波路型光
スイッチは、光アイソレーション特性に優れると共に、
小型に実装することができる。さらに本発明の導波路型
光スイッチは装置内にコンパクトに実装することができ
る。また、M×N型光スイッチ(M≧1,N≧2)も容
易に実現できるため、大規模なマトリクス光スイッチを
小型、低損失、低コストで実現することができる。また
さらに、光路を切替えるときにのみ電圧を供給する、い
わゆる自己保持型光スイッチとして作用するので消費電
力を軽減することができる。さらに、空隙部を連結する
溝にタンクが設けられ、屈折率整合液体を余分に注入し
ておくことができるので、高速かつ低損失な光スイッチ
ングができ、しかも、長期信頼性を持たせることができ
る。
ので、入力側の導波路の光軸に対し、出力側の導波路が
線対称となる。このため、光路を切替えたときの入力側
の導波路の光軸に対する出力側の導波路の曲げ角度が等
しいため、光損失のアンバランスがほとんど生じない。
また、出力側導波路が入力側導波路の光軸に対して非対
称である従来のT字形状の導波路型光スイッチに比べて
本発明の導波路型光スイッチは、極めて低損失で、か
つ、偏光依存性も少なく、光路を切替えたときの光クロ
ストーク特性も良好である。しかも本発明の導波路型光
スイッチは、光アイソレーション特性に優れると共に、
小型に実装することができる。さらに本発明の導波路型
光スイッチは装置内にコンパクトに実装することができ
る。また、M×N型光スイッチ(M≧1,N≧2)も容
易に実現できるため、大規模なマトリクス光スイッチを
小型、低損失、低コストで実現することができる。また
さらに、光路を切替えるときにのみ電圧を供給する、い
わゆる自己保持型光スイッチとして作用するので消費電
力を軽減することができる。さらに、空隙部を連結する
溝にタンクが設けられ、屈折率整合液体を余分に注入し
ておくことができるので、高速かつ低損失な光スイッチ
ングができ、しかも、長期信頼性を持たせることができ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて詳述する。
図面に基づいて詳述する。
【0025】図1(a)は本発明の導波路型光スイッチ
の一実施の形態を示す側面図、図1(b)は図1(a)
のB−B線断面図である。尚、図11に示した部材と同
様の部材には共通の符号を用いた。
の一実施の形態を示す側面図、図1(b)は図1(a)
のB−B線断面図である。尚、図11に示した部材と同
様の部材には共通の符号を用いた。
【0026】この導波路型光スイッチは、コア層3−1
(光入力部)内に矢印5−1方向に入射した入力光信号
をコア層3−2(光出力部)或いはコア層3−3(光出
力部)のいずれかへ切替えて伝搬させるようにしたもの
である。光路の切替えは、スイッチ11をS1側かS2
側に切替えて薄膜状のヒータ8−1かヒータ8−2にパ
ルス電源10からのパルス電圧を印加することによって
コア層3−2(或いはコア層3−3)側の液体注入部6
−1(或いは液体注入部6−2)内を液体7で満たすか
空隙にすることで実現できる。すなわち、矢印5−1方
向の入力光信号をコア層3−2側に出力させたい場合に
は、スイッチ11をS2側に倒してヒータ8−2にパル
ス電圧を印加し、液体注入部6−2内を空隙とし、コア
層3−2側の液体注入部6−1内を液体7で満たせばよ
い。
(光入力部)内に矢印5−1方向に入射した入力光信号
をコア層3−2(光出力部)或いはコア層3−3(光出
力部)のいずれかへ切替えて伝搬させるようにしたもの
である。光路の切替えは、スイッチ11をS1側かS2
側に切替えて薄膜状のヒータ8−1かヒータ8−2にパ
ルス電源10からのパルス電圧を印加することによって
コア層3−2(或いはコア層3−3)側の液体注入部6
−1(或いは液体注入部6−2)内を液体7で満たすか
空隙にすることで実現できる。すなわち、矢印5−1方
向の入力光信号をコア層3−2側に出力させたい場合に
は、スイッチ11をS2側に倒してヒータ8−2にパル
ス電圧を印加し、液体注入部6−2内を空隙とし、コア
層3−2側の液体注入部6−1内を液体7で満たせばよ
い。
【0027】これとは逆に、矢印5−1方向の入力光信
号をコア層3−1からコア層3−3側に出力させたい場
合には、スイッチ11をS1側に倒してヒータ8−1に
パルス電圧を印加し、液体注入部6−1内に満たされて
いた液体7を溝からなる連結部14を通して液体注入部
6−2内に移動させ、液体注入部6−2内に液体7を満
たせばよい。
号をコア層3−1からコア層3−3側に出力させたい場
合には、スイッチ11をS1側に倒してヒータ8−1に
パルス電圧を印加し、液体注入部6−1内に満たされて
いた液体7を溝からなる連結部14を通して液体注入部
6−2内に移動させ、液体注入部6−2内に液体7を満
たせばよい。
【0028】ここで、液体7は、前述したようにコア層
3の屈折率と等しい屈折率整合液体であり、例えばメチ
ルシクロヘキサノール、テトラクロルメタン、トリクロ
ロニトロメタン、シクロヘキシルクロライド、7−シク
ロヘキシルオダデカン、フロロベンゼン、テレピンオイ
ル等或いは上記液体を少なくとも2種類混合した液体が
用いられる。
3の屈折率と等しい屈折率整合液体であり、例えばメチ
ルシクロヘキサノール、テトラクロルメタン、トリクロ
ロニトロメタン、シクロヘキシルクロライド、7−シク
ロヘキシルオダデカン、フロロベンゼン、テレピンオイ
ル等或いは上記液体を少なくとも2種類混合した液体が
用いられる。
【0029】これらの液体を選ぶためのもう一つの選定
条件は、液体の沸点であり、85℃〜160℃の範囲の
ものを選択するのが好ましい。
条件は、液体の沸点であり、85℃〜160℃の範囲の
ものを選択するのが好ましい。
【0030】ヒータ8−1(8−2)は薄膜導体で形成
され、例えばCr、W、Ag等の薄膜導体パターンから
なる。このヒータ8−1、8−2に印加する電圧として
は、通常の直流電圧でもよいが、パルス電圧が好まし
い。すなわち、液体注入部6−1内に満たされている液
体7内に気泡を発生させ、その気泡を大きくすることに
よって上記液体を連結部14を介して他の液体注入部6
−2内にすばやく移送させるには、パルス幅を狭くする
と共に、そのパルス繰り返し周波数を高くしていくのが
好ましい。
され、例えばCr、W、Ag等の薄膜導体パターンから
なる。このヒータ8−1、8−2に印加する電圧として
は、通常の直流電圧でもよいが、パルス電圧が好まし
い。すなわち、液体注入部6−1内に満たされている液
体7内に気泡を発生させ、その気泡を大きくすることに
よって上記液体を連結部14を介して他の液体注入部6
−2内にすばやく移送させるには、パルス幅を狭くする
と共に、そのパルス繰り返し周波数を高くしていくのが
好ましい。
【0031】次に図1に示した導波路型光スイッチの構
造について説明する。
造について説明する。
【0032】基板1にはSi、GaAsのような半導体
基板、石英ガラス、バイコールガラス、多成分系ガラス
のようなガラス基板、アルミナ、ムライト等のセラミッ
クス基板、YIG、GGG等の磁性材料基板、或いはプ
ラスチック基板、サファイヤ基板等を用いることができ
る。
基板、石英ガラス、バイコールガラス、多成分系ガラス
のようなガラス基板、アルミナ、ムライト等のセラミッ
クス基板、YIG、GGG等の磁性材料基板、或いはプ
ラスチック基板、サファイヤ基板等を用いることができ
る。
【0033】基板1上には屈折率nb のバッファ層2が
形成されている。バッファ層2にはガラスやポリマ等の
透明な光学材料が用いられる。バッファ層2の上には高
屈折率nw (nw >nb )のコア層3が形成されてい
る。このコア層3は図1(b)のコア層3−1,3−
2,3−3に示すようにY字形状にパターン化されてい
る。
形成されている。バッファ層2にはガラスやポリマ等の
透明な光学材料が用いられる。バッファ層2の上には高
屈折率nw (nw >nb )のコア層3が形成されてい
る。このコア層3は図1(b)のコア層3−1,3−
2,3−3に示すようにY字形状にパターン化されてい
る。
【0034】コア層3(3−1,3−2,3−3)の側
面には屈折率nc1(nc1<nw )の第1クラッド層4−
1が設けられている。液体注入部6−1,6−2及び連
結部14はコア層3がない領域である。但し、液体注入
部6−1,6−2のいずれか一方には屈折率整合用液体
が満たされている。液体注入部6−1,6−2の近傍の
第1クラッド層4−1内にはヒータ8−1,8−2が埋
め込まれており、各々のヒータ8−1,8−2の両端に
はリード部9−1,9−2,9−3,9−4が取付けら
れている。リード部9−1とリード部9−2との間には
パルス電源10のパルス電圧が印加されるようになって
いる。コア層3−1からコア層3−2とコア層3−3へ
分岐する分岐角θは、2°から15°の範囲から選択す
るのが好ましい。分岐角θが15°よりも大きくなると
損失が増大する。コア層3及び第1クラッド層4−1の
上には屈折率nc2(nc2<nw )の第2クラッド層4−
2が設けられており、液体注入部6−1,6−2及び連
結部14の蓋となっている。このため液体7が液体注入
部6−1,6−2及び連結部14以外にこぼれないよう
になっている。
面には屈折率nc1(nc1<nw )の第1クラッド層4−
1が設けられている。液体注入部6−1,6−2及び連
結部14はコア層3がない領域である。但し、液体注入
部6−1,6−2のいずれか一方には屈折率整合用液体
が満たされている。液体注入部6−1,6−2の近傍の
第1クラッド層4−1内にはヒータ8−1,8−2が埋
め込まれており、各々のヒータ8−1,8−2の両端に
はリード部9−1,9−2,9−3,9−4が取付けら
れている。リード部9−1とリード部9−2との間には
パルス電源10のパルス電圧が印加されるようになって
いる。コア層3−1からコア層3−2とコア層3−3へ
分岐する分岐角θは、2°から15°の範囲から選択す
るのが好ましい。分岐角θが15°よりも大きくなると
損失が増大する。コア層3及び第1クラッド層4−1の
上には屈折率nc2(nc2<nw )の第2クラッド層4−
2が設けられており、液体注入部6−1,6−2及び連
結部14の蓋となっている。このため液体7が液体注入
部6−1,6−2及び連結部14以外にこぼれないよう
になっている。
【0035】次に図1に示した導波路型光スイッチの導
波路構造パラメータについて述べる。
波路構造パラメータについて述べる。
【0036】シングルモード伝送用の場合には、コア層
3と第1クラッド層4−1(第2クラッド層4−2)と
の比屈折率差Δ或いはコア層3とバッファ層2との比屈
折率差Δは、0.20%〜2.5%の範囲で選択するの
が好ましく、コア層3の厚さ及び幅は2μm〜10μm
の範囲、バッファ層2の厚さは数μm〜数十μmの範
囲、第1クラッド層4−1の厚さはコア層3の厚さと同
じ、第2クラッド層4−2の厚さも数μmから数十μm
の範囲で選択するのが好ましい。尚、バッファ層2、コ
ア層3、クラッド層4−1,4−2の材料としては、S
iO2 に屈折率制御用添加物Ti、Ge、P、Na、
K、Zn、N、B、F等を少なくとも1種類添加したも
の、SiO2 、ポリマ材料等が用いられる。
3と第1クラッド層4−1(第2クラッド層4−2)と
の比屈折率差Δ或いはコア層3とバッファ層2との比屈
折率差Δは、0.20%〜2.5%の範囲で選択するの
が好ましく、コア層3の厚さ及び幅は2μm〜10μm
の範囲、バッファ層2の厚さは数μm〜数十μmの範
囲、第1クラッド層4−1の厚さはコア層3の厚さと同
じ、第2クラッド層4−2の厚さも数μmから数十μm
の範囲で選択するのが好ましい。尚、バッファ層2、コ
ア層3、クラッド層4−1,4−2の材料としては、S
iO2 に屈折率制御用添加物Ti、Ge、P、Na、
K、Zn、N、B、F等を少なくとも1種類添加したも
の、SiO2 、ポリマ材料等が用いられる。
【0037】図2は本発明の導波路型光スイッチの他の
実施の形態を示す断面図である。
実施の形態を示す断面図である。
【0038】同図に示す導波路型光スイッチは、SiO
2 基板1自体がクラッド(図1に示したバッファ層2と
第1クラッド層4−1に相当する部分)を兼用したもの
であり、この基板1にコア層3を埋め込むための凹字断
面形状の溝を形成し、この溝内にコア層3を埋め込み、
コア層3を埋め込んだSiO2 基板1の全表面をクラッ
ド層4で覆ったものである。
2 基板1自体がクラッド(図1に示したバッファ層2と
第1クラッド層4−1に相当する部分)を兼用したもの
であり、この基板1にコア層3を埋め込むための凹字断
面形状の溝を形成し、この溝内にコア層3を埋め込み、
コア層3を埋め込んだSiO2 基板1の全表面をクラッ
ド層4で覆ったものである。
【0039】図3は本発明の導波路型光スイッチの他の
実施の形態を示す断面図である。
実施の形態を示す断面図である。
【0040】同図に示す導波路型光スイッチは、SiO
2 基板1自体がバッファ層(図1に示したバッファ層2
に相当する部分)を兼用したものであり、この基板1上
にコア層3と第1クラッド層4−1を形成し、それぞれ
の層を覆うように第2クラッド層4−2を形成したもの
である。
2 基板1自体がバッファ層(図1に示したバッファ層2
に相当する部分)を兼用したものであり、この基板1上
にコア層3と第1クラッド層4−1を形成し、それぞれ
の層を覆うように第2クラッド層4−2を形成したもの
である。
【0041】図4(a)は本発明の導波路型光スイッチ
の他の実施の形態を示す側面図であり、図4(b)は図
4(a)のC−C線断面図である。
の他の実施の形態を示す側面図であり、図4(b)は図
4(a)のC−C線断面図である。
【0042】図1に示した導波路型光スイッチとの相違
点は、ヒータ8−1,8−2及びリード部9−1,9−
2,9−3,9−4がバッファ層2内に形成されている
点である。
点は、ヒータ8−1,8−2及びリード部9−1,9−
2,9−3,9−4がバッファ層2内に形成されている
点である。
【0043】図1に示した導波路型光スイッチには、ヒ
ータ8−1,8−2及びリード部9−1,9−2,9−
3,9−4が第1クラッド層4−1内に形成されてい
る。これらのヒータ8−1,8−2及びリード部9−
1,9−2,9−3,9−4を、バッファ層2内、第1
クラッド層4−1内或いは第2クラッド層4−2内のい
ずれに実装するのかは、導波路形成プロセスの容易性、
液体注入部6−1(6−2)の気密性等を考慮に入れて
決める。尚、コア層3及び第1クラッド層4−1を形成
した後に液体注入部6−1(或いは液体注入部6−2)
に液体を注入し、その後に第2クラッド層4−2で覆っ
て封止するのが好ましい。
ータ8−1,8−2及びリード部9−1,9−2,9−
3,9−4が第1クラッド層4−1内に形成されてい
る。これらのヒータ8−1,8−2及びリード部9−
1,9−2,9−3,9−4を、バッファ層2内、第1
クラッド層4−1内或いは第2クラッド層4−2内のい
ずれに実装するのかは、導波路形成プロセスの容易性、
液体注入部6−1(6−2)の気密性等を考慮に入れて
決める。尚、コア層3及び第1クラッド層4−1を形成
した後に液体注入部6−1(或いは液体注入部6−2)
に液体を注入し、その後に第2クラッド層4−2で覆っ
て封止するのが好ましい。
【0044】図5は本発明の導波路型光スイッチの他の
実施の形態を示す平面図である。
実施の形態を示す平面図である。
【0045】同図に示す導波路型光スイッチは、コア層
3−1から2つのコア層3−2,3−3に分岐するY分
岐部での放射損失を小さくし、かつフォトリソグラフィ
やドライエッチングによりパターニングしやすい構造に
するため、分岐部の頂点15を平坦化したものである。
3−1から2つのコア層3−2,3−3に分岐するY分
岐部での放射損失を小さくし、かつフォトリソグラフィ
やドライエッチングによりパターニングしやすい構造に
するため、分岐部の頂点15を平坦化したものである。
【0046】図6(a)は本発明の導波路型光スイッチ
の他の実施の形態を示す側面図であり、図6(b)は図
6(a)のD−D線断面図である。
の他の実施の形態を示す側面図であり、図6(b)は図
6(a)のD−D線断面図である。
【0047】同図に示す導波路型光スイッチは、1入力
4出力のいわゆる1×4型光スイッチであり、矢印5−
1方向に入力した入力光信号を出力側に矢印5−2,5
−3,5−4,5−5のいずれかの方向に切替えて出力
させるようにしたものである。例えば、矢印5−1方向
に入力した入力光信号を矢印5−2方向に出力させる場
合には、ヒータ8−2,8−4にパルス電圧を印加して
液体7−1,7−2を液体注入部6−1,6−3内に注
入すればよい。また、矢印5−1方向に入力した入力光
信号を矢印5−5方向に出力させる場合には、ヒータ8
−1,8−5にパルス電圧を印加して液体7−1,7−
3を液体注入部6−2,6−6内に注入すればよい。こ
のように矢印5−2,5−3,5−4,5−5のいずれ
かの方向に切替えて出力させることができる。
4出力のいわゆる1×4型光スイッチであり、矢印5−
1方向に入力した入力光信号を出力側に矢印5−2,5
−3,5−4,5−5のいずれかの方向に切替えて出力
させるようにしたものである。例えば、矢印5−1方向
に入力した入力光信号を矢印5−2方向に出力させる場
合には、ヒータ8−2,8−4にパルス電圧を印加して
液体7−1,7−2を液体注入部6−1,6−3内に注
入すればよい。また、矢印5−1方向に入力した入力光
信号を矢印5−5方向に出力させる場合には、ヒータ8
−1,8−5にパルス電圧を印加して液体7−1,7−
3を液体注入部6−2,6−6内に注入すればよい。こ
のように矢印5−2,5−3,5−4,5−5のいずれ
かの方向に切替えて出力させることができる。
【0048】本発明は、上記実施の形態に限定されな
い。例えば、図6に示した導波路型光スイッチは、1×
4型光スイッチの例であったが、図6に示した導波路型
光スイッチのようにM×N型光スイッチ(M≧1,N≧
2)を構成することができる。また、ヒータ8−1,8
−2は第2クラッド層4−2の上面に形成してもよい。
このようにヒータ8−1,8−2を上面に形成すると、
液体注入部6−1,6−2の気密封止性がよくなり、光
スイッチの実装が容易になる。
い。例えば、図6に示した導波路型光スイッチは、1×
4型光スイッチの例であったが、図6に示した導波路型
光スイッチのようにM×N型光スイッチ(M≧1,N≧
2)を構成することができる。また、ヒータ8−1,8
−2は第2クラッド層4−2の上面に形成してもよい。
このようにヒータ8−1,8−2を上面に形成すると、
液体注入部6−1,6−2の気密封止性がよくなり、光
スイッチの実装が容易になる。
【0049】図7(a)は本発明の導波路型光スイッチ
の他の実施の形態を示す側面図であり、図7(b)は図
7(a)のE−E線断面図である。
の他の実施の形態を示す側面図であり、図7(b)は図
7(a)のE−E線断面図である。
【0050】図1に示した導波路型光スイッチとの相違
点は、溝からなる連結部14の途中にタンク(液体タン
ク)16が設けられている点である。連結部14はタン
ク16を挟んで連結部14−a,14−bに別れてい
る。矢印5−1方向の入力光信号をコア層3−1からコ
ア層3−3側に出力させたい場合には、スイッチ11を
S1側に倒してヒータ8−1にパルス電圧を印加し、液
体注入部6−1、連結部14−a、タンク16内に満た
されていた液体7を連結部14−bを通して液体注入部
6−2内に移動させ、液体注入部6−2内に液体7を満
たせばよい。このように液体注入部6−1、連結部14
−aを通してタンク16内にも液体7を注入しておくの
は、 1)液体注入部6−1内の液体不足による不要な散乱損
失や反射損失を低減すること、 2)より短時間で液体を液体注入部6−1から6−2側
へ移送すること、 3)長期間の使用に対して液体の不足が生じないように
すること、を図るためである。
点は、溝からなる連結部14の途中にタンク(液体タン
ク)16が設けられている点である。連結部14はタン
ク16を挟んで連結部14−a,14−bに別れてい
る。矢印5−1方向の入力光信号をコア層3−1からコ
ア層3−3側に出力させたい場合には、スイッチ11を
S1側に倒してヒータ8−1にパルス電圧を印加し、液
体注入部6−1、連結部14−a、タンク16内に満た
されていた液体7を連結部14−bを通して液体注入部
6−2内に移動させ、液体注入部6−2内に液体7を満
たせばよい。このように液体注入部6−1、連結部14
−aを通してタンク16内にも液体7を注入しておくの
は、 1)液体注入部6−1内の液体不足による不要な散乱損
失や反射損失を低減すること、 2)より短時間で液体を液体注入部6−1から6−2側
へ移送すること、 3)長期間の使用に対して液体の不足が生じないように
すること、を図るためである。
【0051】この導波路型光スイッチの構造は、図1に
示した導波路型光スイッチとほぼ同じであり、共通部分
は説明を省略する。この導波路型光スイッチでは、液体
注入部6−1,6−2及び連結部14−a,14−b、
タンク16はコア層3がない領域である。液体注入部6
−1,6−2のいずれか一方には屈折率整合用液体7が
満たされており、連結部14−a,14−bのいずれか
一方及びタンク16にも液体7が満たされているのが好
ましい。第2クラッド層4−2が液体注入部6−1,6
−2、連結部14−a,14−b及びタンク16の蓋と
なっており、液体7が液体注入部6−1,6−2、連結
部14−a,14−b及びタンク16以外にこぼれない
ようになっている。
示した導波路型光スイッチとほぼ同じであり、共通部分
は説明を省略する。この導波路型光スイッチでは、液体
注入部6−1,6−2及び連結部14−a,14−b、
タンク16はコア層3がない領域である。液体注入部6
−1,6−2のいずれか一方には屈折率整合用液体7が
満たされており、連結部14−a,14−bのいずれか
一方及びタンク16にも液体7が満たされているのが好
ましい。第2クラッド層4−2が液体注入部6−1,6
−2、連結部14−a,14−b及びタンク16の蓋と
なっており、液体7が液体注入部6−1,6−2、連結
部14−a,14−b及びタンク16以外にこぼれない
ようになっている。
【0052】この導波路型光スイッチの導波路構造パラ
メータは、図1に示した導波路型光スイッチの導波路構
造パラメータに加え、液体注入部6−1,6−2の幅
を、コア層3の幅と等しく、深さもコア層3の深さとほ
ぼ等しくする。液体注入部6−1,6−2の長さは数十
μm〜2mmの範囲が好ましい。この長さは、短いほど
ヒータ8−1,8−2へ印加する電圧を低くすることが
でき、かつ液体7の移送速度(即ち、光スイッチング速
度)を速くすることができる。この長さを長くしておく
と、ヒータ8−1,8−2への印加電圧を高くしなけれ
ばならず、液体7の移送速度も遅くなるが、反面、多量
の液体7を液体注入部内に満たしておくことができる。
液体7が多量に満たされていると、長期間使用したこと
により液体7が減少しても、光スイッチの劣化を小さく
抑えることができる。連結部14−a,14−bの幅
は、コア層3の幅よりも狭くしておき、この部分への光
の漏れ込みを抑える。連結部14−a,14−bの幅
は、1.5μm〜4μmの範囲が好ましい。タンク16
の容積は、100μm3 〜25000μm3 (タンク1
6の部分の面積としては、20μm2 〜2500μ
m2 )の範囲が好ましい。このタンク16の容積が大き
いほど、多量の液体7を貯えることができる。なお、連
結部14−a,14−b及びタンク16の深さは、液体
注入部6−1,6−2の深さと同じくらいである。
メータは、図1に示した導波路型光スイッチの導波路構
造パラメータに加え、液体注入部6−1,6−2の幅
を、コア層3の幅と等しく、深さもコア層3の深さとほ
ぼ等しくする。液体注入部6−1,6−2の長さは数十
μm〜2mmの範囲が好ましい。この長さは、短いほど
ヒータ8−1,8−2へ印加する電圧を低くすることが
でき、かつ液体7の移送速度(即ち、光スイッチング速
度)を速くすることができる。この長さを長くしておく
と、ヒータ8−1,8−2への印加電圧を高くしなけれ
ばならず、液体7の移送速度も遅くなるが、反面、多量
の液体7を液体注入部内に満たしておくことができる。
液体7が多量に満たされていると、長期間使用したこと
により液体7が減少しても、光スイッチの劣化を小さく
抑えることができる。連結部14−a,14−bの幅
は、コア層3の幅よりも狭くしておき、この部分への光
の漏れ込みを抑える。連結部14−a,14−bの幅
は、1.5μm〜4μmの範囲が好ましい。タンク16
の容積は、100μm3 〜25000μm3 (タンク1
6の部分の面積としては、20μm2 〜2500μ
m2 )の範囲が好ましい。このタンク16の容積が大き
いほど、多量の液体7を貯えることができる。なお、連
結部14−a,14−b及びタンク16の深さは、液体
注入部6−1,6−2の深さと同じくらいである。
【0053】図8(a)は本発明の導波路型光スイッチ
の他の実施の形態を示す側面図であり、図8(b)は図
8(a)のF−F線断面図である。
の他の実施の形態を示す側面図であり、図8(b)は図
8(a)のF−F線断面図である。
【0054】図4に示した導波路型光スイッチとの相違
点は、溝からなる連結部14の途中にタンク16が設け
られている点であり、このタンク16は、図7に示した
タンク16とは構造が異なる。即ち、タンク16を曲面
構造とすることにより、タンク16内壁面への液体7の
濡れをよくし、タンク16内での液体7の流れを円滑に
したものである。
点は、溝からなる連結部14の途中にタンク16が設け
られている点であり、このタンク16は、図7に示した
タンク16とは構造が異なる。即ち、タンク16を曲面
構造とすることにより、タンク16内壁面への液体7の
濡れをよくし、タンク16内での液体7の流れを円滑に
したものである。
【0055】図9は本発明の導波路型光スイッチの他の
実施の形態を示す平面図である。
実施の形態を示す平面図である。
【0056】図5に示した導波路型光スイッチとの相違
点は、溝からなる連結部14の途中にタンク16が設け
られている点である。
点は、溝からなる連結部14の途中にタンク16が設け
られている点である。
【0057】図10(a)は本発明の導波路型光スイッ
チの他の実施の形態を示す側面図であり、図10(b)
は図10(a)のG−G線断面図である。
チの他の実施の形態を示す側面図であり、図10(b)
は図10(a)のG−G線断面図である。
【0058】図6に示した導波路型光スイッチとの相違
点は、溝からなる連結部14−1,14−2,14−3
の途中にそれぞれタンク16−1,16−2,16−3
が設けられている点であり、各タンク16−1,16−
2,16−3は、いずれも曲面構造となっている。
点は、溝からなる連結部14−1,14−2,14−3
の途中にそれぞれタンク16−1,16−2,16−3
が設けられている点であり、各タンク16−1,16−
2,16−3は、いずれも曲面構造となっている。
【0059】以上において本発明の導波路型光スイッチ
は以下のような効果を有する。
は以下のような効果を有する。
【0060】(1) 光路を切替えても損失のアンバランス
が生じない。
が生じない。
【0061】(2) 超低損失光スイッチを実現することが
できる。
できる。
【0062】(3) 偏光依存性が極めて小さい。
【0063】(4) クロストーク特性の劣化が小さい。
【0064】(5) 出力側導波路が入力側導波路の光軸に
対して線対称であるので、製造が容易であり、かつ、製
造偏差に基づく損失、クロストーク、偏光依存性損失等
もそれぞれの出力導波路に対して略対称な特性となる。
対して線対称であるので、製造が容易であり、かつ、製
造偏差に基づく損失、クロストーク、偏光依存性損失等
もそれぞれの出力導波路に対して略対称な特性となる。
【0065】(6) 入力側導波路と出力側導波路とが反対
方向に配置されているので、装置内への光スイッチの実
装が容易となり、入出力間の光アイソレーション特性も
大きくとれる。
方向に配置されているので、装置内への光スイッチの実
装が容易となり、入出力間の光アイソレーション特性も
大きくとれる。
【0066】(7) パルス電圧を印加することにより、光
スイッチング速度を速くすることができる。
スイッチング速度を速くすることができる。
【0067】(8) 非常に製造しやすい構造のため、低コ
ストで再現性の良い光スイッチを実現することができ
る。
ストで再現性の良い光スイッチを実現することができ
る。
【0068】(9) 空隙部を連結する溝にタンクを設けて
屈折率整合液体を貯えるようにしたので、高速の光スイ
ッチングができる。また、長期間使用しても屈折率整合
液体の不足による光スイッチング動作の劣化が少ない。
屈折率整合液体を貯えるようにしたので、高速の光スイ
ッチングができる。また、長期間使用しても屈折率整合
液体の不足による光スイッチング動作の劣化が少ない。
【0069】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。
な優れた効果を発揮する。
【0070】低損失で、光路を切替えても損失の変化が
ない導波路型光スイッチの提供を実現できる。
ない導波路型光スイッチの提供を実現できる。
【図1】(a)は本発明の導波路型光スイッチの一実施
の形態を示す側面図、(b)は(a)のB−B線断面図
である。
の形態を示す側面図、(b)は(a)のB−B線断面図
である。
【図2】本発明の導波路型光スイッチの他の実施の形態
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図3】本発明の導波路型光スイッチの他の実施の形態
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図4】(a)は本発明の導波路型光スイッチの他の実
施の形態を示す側面図であり、(b)は(a)のC−C
線断面図である。
施の形態を示す側面図であり、(b)は(a)のC−C
線断面図である。
【図5】本発明の導波路型光スイッチの他の実施の形態
を示す平面図である。
を示す平面図である。
【図6】(a)は本発明の導波路型光スイッチの他の実
施の形態を示す側面図であり、(b)は(a)のD−D
線断面図である。
施の形態を示す側面図であり、(b)は(a)のD−D
線断面図である。
【図7】(a)は本発明の導波路型光スイッチの他の実
施の形態を示す側面図であり、(b)は(a)のE−E
線断面図である。
施の形態を示す側面図であり、(b)は(a)のE−E
線断面図である。
【図8】(a)は本発明の導波路型光スイッチの他の実
施の形態を示す側面図であり、(b)は(a)のF−F
線断面図である。
施の形態を示す側面図であり、(b)は(a)のF−F
線断面図である。
【図9】本発明の導波路型光スイッチの他の実施の形態
を示す平面図である。
を示す平面図である。
【図10】(a)は本発明の導波路型光スイッチの他の
実施の形態を示す側面図であり、(b)は(a)のG−
G線断面図である。
実施の形態を示す側面図であり、(b)は(a)のG−
G線断面図である。
【図11】(a)は従来の導波路型光スイッチの側面図
であり、(b)は(a)のA−A線断面図である。
であり、(b)は(a)のA−A線断面図である。
3−1,3−2,3−3 コア層 6−1,6−2 液体注入部(空隙部) 7 液体(屈折率整合液体) 8−1,8−2 ヒータ 14 連結部(溝) 16 タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 26/08 G02B 6/12
Claims (11)
- 【請求項1】 基板上の低屈折率層の中に、断面が略矩
形状を成し1つの光入力部と2つの光出力部とで略Y字
形状を成すようにパターニングされた該低屈折率層より
も高屈折率のコア層が設けられ、該光入力部とそれら2
つの光出力部との間に空隙部がそれぞれ設けられ、それ
ら2つの空隙部は溝で連結され、いずれかの空隙部内に
前記コア層の屈折率と略等しい屈折率を有する屈折率整
合液体が注入されており、前記光入力部のコア層から伝
搬してきた光を前記2つの光出力部のコア層のいずれか
に出力させるように前記屈折率整合液体を一方の空隙部
から他方の空隙部に移送可能に構成されていることを特
徴とする導波路型光スイッチ。 - 【請求項2】 上記2つの空隙部の近傍にヒータがそれ
ぞれ設けられ、それらヒータにリード部を介して電圧を
電気的スイッチングにより印加することによって上記屈
折率整合液体を一方の空隙部から他方の空隙部に移送可
能に構成した請求項1に記載の導波路型光スイッチ。 - 【請求項3】 上記低屈折率層は、上記コア層の下面を
覆うバッファ層と、上記コア層の側面を覆う第1のクラ
ッド層と、上記コア層の上面を覆う第2のクラッド層か
らなる請求項1に記載の導波路型光スイッチ。 - 【請求項4】 上記基板にはSiO2 を用い、上記コア
層は該SiO2 基板表面の凹部内に埋め込まれ、その上
にクラッド層が覆われている請求項1に記載の導波路型
光スイッチ。 - 【請求項5】 上記基板にはSiO2 を用い、該SiO
2 基板の上にコア層が形成され、コア層の側面に第1ク
ラッド層が形成され、コア層と第1クラッド層の上には
第2クラッド層が形成されている請求項1に記載の導波
路型光スイッチ。 - 【請求項6】 上記ヒータ及びリード部は、上記低屈折
率層内或いは上記低屈折率層の上面のいずれかに形成さ
れている請求項2に記載の導波路型光スイッチ。 - 【請求項7】 上記光入力部から上記2つの光出力部へ
分岐する分岐角を2°〜15°とした請求項1に記載の
導波路型光スイッチ。 - 【請求項8】 上記コア層或いは上記低屈折率層の一部
はポリマ材料で構成されている請求項1に記載の導波路
型光スイッチ。 - 【請求項9】 複数のY分岐をカスケード接続し、M入
力N出力(M≧1、N≧2)光スイッチとした請求項1
に記載の導波路型光スイッチ。 - 【請求項10】 上記ヒータにパルス状の電圧を印加し
た請求項2に記載の導波路型光スイッチ。 - 【請求項11】 上記溝に上記屈折率整合液体を貯える
タンクが設けられている請求項1に記載の導波路型光ス
イッチ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP164298A JP3322200B2 (ja) | 1997-09-26 | 1998-01-07 | 導波路型光スイッチ |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26207497 | 1997-09-26 | ||
JP9-262074 | 1997-09-26 | ||
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