JP3320376B2 - 放電ランプおよびその製造方法 - Google Patents

放電ランプおよびその製造方法

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JP3320376B2 JP06848099A JP6848099A JP3320376B2 JP 3320376 B2 JP3320376 B2 JP 3320376B2 JP 06848099 A JP06848099 A JP 06848099A JP 6848099 A JP6848099 A JP 6848099A JP 3320376 B2 JP3320376 B2 JP 3320376B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長寿命な放電ラン
プおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、高圧水銀ランプやメタルハライド
ランプに代表される放電ランプは、さまざまな用途に使
用されており、社会生活の中で必要不可欠なものとして
普及している。最近は、より豊かな社会生活への向上の
ために、放電ランプの高性能化が期待されている。とり
わけ地球環境保護への対応から、放電ランプの長寿命化
は、最も期待されるところの一つであり、したがって今
日まで多くの長寿命化技術が発明されている。
【0003】放電ランプは、一般に、ガラス管内に一対
の電極を封入して、二つの電極の対向する放電空間は、
適当なガスが充填されて、発光部とされる。この発光部
内には、水銀又は金属ハライドが充填されて、水銀ラン
プ、また、メタルハライドランプとして利用される。ガ
ラスには、通常、石英ガラスなどの石英ガラスが利用さ
れ、電極には、タングステンが利用される。
【0004】ダブルエンド型の高圧放電ランプについて
は、特開平2−223131号公報には、石英管の2箇
所を加熱して狭搾部を2箇所作成し、予め形成した第1
のタングステン電極を第1の狭搾部に位置付けしてガラ
ス管を加熱封着し、充填ガスと発光物質を装入してのち
管端を封止し、次いで、第2の電極を他方の第2の狭搾
部に配置して同様に、ガラス管を加熱封着して、第1と
第2の封着部の間の空間が発光部として利用される。こ
の従来技術において、電極の封着が、従来のバーナーに
よる加熱であり、ガス充填と管端封じは、充填ガスでハ
イクリーン雰囲気にしたグローボックス内にガラス管を
保持しておこなわれ、その後に大気中で第2電極の封着
が行われている。
【0005】放電ランプにおいて、寿命に影響を及ぼす
最も大きな要素の一つに、その構成材料に含まれるH2
Oなどの不純物の存在である。例えば、放電ランプの石
英ガラス、通常は、石英ガラスにはOH基を含み、ラン
プ点灯中には、ガラス中のOH基は、放電空間に放出さ
れ、高温(約3000K)で加熱されるタングステン電
極の蒸発を促進し、しばしば発光管の黒化や失透を早期
に生じさせて、放電ランプの寿命を低下させる。
【0006】このガラスに含まれるOH基の寿命に及ぼ
す影響を抑制し、ランプを長寿命化する製造方法が、例
えば、特開平9−102277号公報と特開平9−10
2278号公報に開示されている。これらに先行技術の
ランプの製造方法は、(1)ガラスの加熱加工のための加
熱源として、酸素水素バーナーに代えて、プロパン酸素
バーナーやプラズマトーチを使用して加工時にガラスに
混入するOH基を少なくすること、(2)さらに加工時混
入したOH基を除去するために、加工後、ガラスないし
はランプを真空中で高温に加熱してH2Oとして放出さ
せ、ガラス中のOH基レベルを加工前の状態に戻すこと
から成っている。
【0007】この製造方法による効果として、酸素水素
バーナーで加工したランプの場合、85%であった点灯
時間2400時間後の光束維持率が、91%に向上した
との内容が記述されている。
【0008】また特開平2−220328公報は、同様
に、1200℃で約6時間、高温真空熱処理を施す放電
ランプの製造方法を開示している。この製造法では、図
16(A、B)に示すように、発光管部206が成形され
た両端が開いた石英管201の一端から、電極組立体が
挿入され、これは、タングステン電極8と、モリブデン
からなるシール箔209と、モリブデンの電流供給体2
10と、から構成されていた。そして石英管201は、
シール箔209の領域において、約2200℃以上の成
形に適した温度にまで加熱され、同時にアルゴンArを
開放端から供給して管210の中を通過させていた。圧
潰温度に達したならば、圧潰ジョー13を押圧させて、
シール箔20を封着して、第1の封止部14を成形する
(第1電極封止工程)。この製造方法は、そしてこの第
1電極が封止された石英管201を、次に1200℃で
約6時間、高温真空熱処理が、行なわれる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特開平9−
102277号公報や特開平9−102278号公報に
開示されているランプの製造方法では、ガラス以外のラ
ンプ構成材料に含まれる不純物についての考慮がなされ
ていない。
【0010】特に封入ガスや発光物質に含まれるH2
とガラス表面の吸着水の不純物は、ランプ完成直後から
発光管内部に存在することになるため、ランプ点灯後、
ガラスから放出される不純物より、早い時期にランプ特
性に悪い影響を及ぼす。このため、特開平9−1022
77号公報や特開平9−102278号公報に開示され
ているランプの製造方法では、点灯初期の寿命劣化を十
分に抑制できないという課題がある。
【0011】上記の特開平9−102277号公報や特
開平9−102278号公報、及び、特開平2−220
328号公報には、従来のランプの製造方法において、
高温真空熱処理によりガラス中のOH基含有量を減少さ
せる方法が開示されている。一般に、ガラスが高温にし
熱的に作用させられると、ガラスの成分であるSiやO
と化合したOH基が分解されてガス分子(H2ガスやH2
Oガス)となり易い。
【0012】したがって高温熱処理を施した場合、見か
け上はOH基が減少しても、実はそれはH2ガスやH2
ガスの形に変化したに過ぎず、ランプの寿命特性に悪影
響を及ぼす不純物は実質的に除去されない場合がある。
しかも、H2ガスやH2Oガスは、SiやOと化合した不
純物(OH基)よりも、ガラス内を拡散しやすい。
【0013】それゆえこれらガス構成原子の除去が不十
分な場合、かえって熱処理を施すことで、ガラスから放
出される不純物は増加し、ランプ寿命の低下を促進する
という問題がある。
【0014】さらに特開平2−220328号に示すよ
うに、両端が開いた石英管201内にアルゴンArを流
しながら加熱により電極組立体(208,209,21
0)を封止すると、シール箔209部に小さなアルゴン
気泡が残りやすく、十分に封止部14のところで気密が
保てない課題がある。さらに石英管201の両端部が開
放されているので、周囲の雰囲気が、アルゴンと共に、
容易に管内に流れ込む。例えば、図16(A)、(B)に示
された第1電極封止工程を大気雰囲気中で行う場合、空
気がアルゴンと共に石英管201内に流れ込み、それが
電極8を酸化し汚染すると言う課題もある。
【0015】本発明の目的は、上記の課題に鑑み、ラン
プを構成するガラス及び封入ガスに起因した寿命低下の
原因を防止して、寿命の長い放電ランプを提供するもの
である。本発明の別の目的は、ランプ寿命に関与する不
純物の混入を防止した放電ランプ製造するための方法を
提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の放電ランプは、
石英ガラスからなる発光部とこの発光部に突出した電極
組立体が封止された封止部と、発光部に気密充填された
希ガスとから成り、発光部内における水素、酸素、及び
それらの化合物の存在量と、封止部ガラス内に存在する
OH基の含有量とを共に一定量以下に規定することによ
り、発光部ガラスの黒化と失透の発生を遅延させて、ラ
ンプ寿命を高める。
【0017】より詳しくは、本発明の放電ランプは、発
光部内には、希ガス中に水素、酸素、及びそれらの化合
物(例えば、水)を実質的に含まない。ランプ使用中で
これらのガス成分は、電極先端に生じる溶融部分を飛散
させ、発光管内壁を汚すが、本発明は、これらのガスを
規制することにより、この汚染を防止する。
【0018】本発明においては、これらの元素ないし化
合物を実質的に含むか否かは、希ガスとの相対関係か
ら、発光分光学的に判定され得る。即ち、3mAの電流
を供給してグロー放電させる際に発光部内に存在する水
素、酸素、及びそれらの化合物の分光スペクトルの最大
強度が、該希ガスの主発光の分光スペクトル強度の1/
1000以下とするものである。
【0019】さらに、本発明は、封止部を形成する石英
ガラス中に含まれるOH基の含有量が重量比で5ppm
以下とされる。これにより、ランプ使用中に、封止部ガ
ラスから放電ガス中へ放出される酸素、水素それらの化
合物の量を減少させる。
【0020】本発明は、石英ガラスからなる発光部とこ
の発光部に突出した電極が封止された封止部と、発光部
に気密充填された希ガスとから成るランプを製造する方
法を含む。発光部内における水素、酸素、及びそれらの
化合物(即ち、水)の存在量と、封止部ガラス内に存在
するOH基の含有量とを一定量以下に規定するための放
電ランプの製造方法を実現する。
【0021】即ち、重量比で5ppm以下のOH基を含
有する石英ガラス管を使用して、発光部を加熱形成し、
次いで、電極の封着をレーザまたはプラズマの照射によ
り直管部を加熱・軟化し、発光部に隣接して封着部に電
極を封止し、次いで、ガラス管内に予め水含有量を低減
した希ガスを封入する。ガラス管へのレーザまたはプラ
ズマの照射は、従来の酸素水素炎による加熱溶融に比し
て、電極封着部でのOH基の含有量を実質的に増大させ
ず、希ガス中の水含有量も増加させない。そこで、ラン
プの使用中に発光部ガラスの黒化と失透の発生を遅延さ
せて、ランプ寿命を高める。
【0022】詳しくは、上記構成の放電ランプを製造す
る方法は、重量比で5ppm以下のOH基を含有する石
英ガラス管を加熱・軟化して所定の形状の発光部を形成
する発光部成形工程と、続いて、発光部に隣接する直管
部内に電極組立体を挿入し、直管部分を加熱・軟化し
て、電極組立体を封止する電極封止工程と、発光部内に
常温で固体または液体の発光物質を所定量挿入するドー
シング工程と、発光部内に所定量の希ガスを封入し、気
密に充填するガス充填工程とを少なくとも含む製造方法
であって、ガス充填工程において、ガラス管内に予め水
含有量の少ない希ガスを封入し、かつ封止工程で、レー
ザまたはプラズマの照射により、直管部を加熱・軟化
し、電極を封止するものである。
【0023】ガス充填工程は、希ガスを、水素、酸素、
およびそれらの化合物を除去する手段を通過させて、発
光管内部に封入することを含む。この除去手段は、希ガ
スを低温に冷却して、特に、含有水を液体として除去す
る方法が採用される。
【0024】また発光部成形工程で、石英ガラス管を加
熱・軟化する際にレーザ照射またはプラズマ放射をする
ことにより、ガラス中のOH基ないし溶解H2Oを増加
させずに所定の形状の発光部を形成することができる。
【0025】本発明の放電ランプの製造方法は、第1及
び第2の電極組立体を封止部に封止する工程において、
管内に減圧して希ガスを封入したガラス管両端を密封し
た後、石英ガラス管を加熱軟化して封じるので、封止部
におけるOH基の含有量を低減することができ、電極の
酸化や汚染を防止して、長期ランプ使用中のランプ内面
の黒化や失透を防止するのに有効である。
【0026】本発明の方法は、さらに、電極組立体の封
止工程で、石英ガラス管をレーザまたはプラズマ照射に
より加熱軟化させて封じることができ、封止部における
ガラス中のOH基含有量の増加を防止でき、OH基含有
量が少なく、長期ランプ使用中のランプ内面の黒化や失
透を防止して、寿命を長くした放電ランプが製造でき
る。
【0027】本発明の製造方法は、石英ガラス表面に吸
着した水分を除去するための真空熱処理工程が付加し、
かつその真空熱処理工程後は、石英ガラス表面が通常空
気にさらされることなく、乾燥した希ガスまたは窒素ガ
ス雰囲気内でランプが完成されることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の放電ランプは、石英ガラ
スからなる発光部と、一対の電極を封止するために、同
じく石英ガラスからなり発光部に隣接する封止部と、発
光部に気密充填された希ガスとを少なくとも備えてい
る。このような放電ランプは、ダブルエンドランプとシ
ングルエンドランプを含む。ダブルエンドランプは、発
光部内に、一対の電極が対向して、先端部間に放電ギャ
ップを設けて、おおむね一直線状に配置されている。電
極の基部が、発光部の両側に伸びる封止部に封止され
て、固定される。シングルエンドランプは、一対の電極
が並列に配置されて、その両方の基部は、1つの封止部
内に並列に封止されている。
【0029】ランプの例として、ダブルエンドランプ
は、図1(A)に示すように、一般に、おおむね管状な
いし部分的に球状の発光部とその両側に電極封着部とが
石英ガラスより一体に成形され、各封着部には、それぞ
れ電極組立体が封止されて、電極の先端が発光部内に突
出し、電極が放電ギャップを設けて対向している。各電
極組立体には、外部電源と接続するためのリードを含
む。
【0030】ランプは、溶融石英ガラスから成形され
て、電極組立体は、電極と、電極接続されるリード箔
と、リード箔に接続されたリードとからなっている。電
極は、発光部内に突出して、直接に放電を発生させるの
で、高融点金属、特に好ましくは、タングステンが融点
が高いので好ましく利用される。リード箔は、電極構造
体に可撓性を与えて、封止された電極への外力の付加を
減ずるもので、加工性の高いモリブデン箔が利用され
る。また、リードは、高融点金属の中から、適当に選ば
れるが、好ましくは、タングステンが利用される。
【0031】放電ランプは、発光部に希ガスが充填密封
されている。希ガスとしては、アルゴン、キセノンなど
が利用される。放電ランプは、発光の輝度を高め、色相
を調製するために、発光剤として、水銀、メタルハライ
ドを含んでもよい。
【0032】本発明の放電ランプには、発光部内の希ガ
ス中に実質的に酸素、水素、それらの化合物を含まな
い。これらの元素とその化合物は、分光学的に以下のよ
うに規定される。即ち、発光部内の電極に3mAの電流
を供給してグロー放電させた際発光部内に存在する水
素、酸素、及びそれらの化合物の分光スペクトルの最大
強度が、該希ガスの主発光の分光スペクトル強度に対し
て1/1000以下である含有量とされる。
【0033】同時に、本発明のランプにおいては、電極
組立体を封着するための封止部石英ガラスが、重量比で
5ppm以下のOH基を有することである。
【0034】本発明は、このように、発光部内の希ガス
中の酸素、水素、それらの化合物の含有量と封止部にお
ける石英ガラス中のOH基含有量とを同時に規制するこ
とにより、特にタングステン電極における酸化や溶融飛
散を防止し、石英ガラスの発光部内面の曇りや失透を軽
減し、遅延化する。封止部中のOH基も、長期のランプ
使用で、高温に保持されて、発光部内希ガス中に移行
し、タングステン電極の酸化や揮発の原因になる。
【0035】さらに、発光部を形成する石英ガラスは、
OH基の含有量が重量比で10ppm以下であるのが好
ましく、特に、重量比で5ppm以下とする。発光部に
含まれるOH基は絶対量が封止部に比べて少ないけれど
も、長期使用中に発光部内側にH2Oの形で、放出され
るので、OH基含有量は、低減するのが好ましい。従っ
て、発光部の失透に対する抵抗性を考慮すると、より好
ましい発光部1のガラスに含まれるOH基量は、封止部
2a,2bのガラスに含まれるOH基と同程度の(0よ
り大きく)5ppm以下とするのが好ましい。発光部と
封止部のガラスに含まれるOH基が異なる構成のランプ
より、同程度のOH基が含まれる構成の放電ランプの方
が生産しやすく経済的でもある。
【0036】さらに、放電ランプの発光部1内に金属ハ
ロゲン化物を添加した、いわゆるメタルハライドランプ
においては、発光部1のガラスに含まれるOH基量が少
ないほうが、寿命特性には有利である。ガラスに含まれ
るOH基は、金属ハロゲン化物とガラスとの反応(ガラ
スの失透現象)を促進し、早期にガラス(発光部1)を
劣化させるからである。
【0037】本発明においては、封止部を形成する石英
ガラスは、電極との界面領域付近において、残留圧縮応
力を有するのが好ましい。好ましくは、残留圧縮応力
は、25MPa以上である。
【0038】放電ランプの発光部1内に金属ハロゲン化
物を添加した、いわゆるメタルハライドランプにおいて
は、電極3付近に残留する圧縮応力は、特に有利に働
く。圧縮応力は、温度の低い電極3とガラスの界面付近
への金属ハロゲン化物の進入を抑制して、金属ハロゲン
化物の蒸気圧低下を防止し、それゆえ、発光特性を良好
にする。
【0039】本発明においては、発光部のガラスには、
残留引張応力が形成される場合があるが、残量引張り応
力は、48MPa以下であることが好ましい。特に、こ
の残留応力を7MPa以下にすることが好ましい。残留
引張応力の低減は、発光部の割れの防止に有効である。
特に、上記ガラスの残留応力が、3.5MPa以下とす
る。
【0040】発光部1の外表面に存在する引張応力は、
石英ガラスの引張強度限界値約48MPaより低けれ
ば、ランプの動作には問題はないが、発光部1の外表面
にキズがある場合、残留引張応力が大きいほど、発光部
1は外部からの力で容易に破損(割れ)してしまう。従
って残留引張応力の大きさは、一般の板ガラスの引張強
度設計値である7MPa以下が好ましい。外管を有しな
い放電ランプでは、外部の影響を受けやすいので、さら
に引張応力はより小さい方が好ましく、特に、3.5M
Pa(約2:1の安全係数)以下が好ましい。
【0041】本発明の放電ランプは、発光部内部に、希
ガスとともに、水銀が封入されて、水銀ランプとして利
用される。また、発光部内部に、希ガスと共に、金属ハ
ロゲン化物が封入されて、メタルハライドランプとして
利用される。
【0042】本発明の放電ランプの製造方法において
は、(a)発光部成形工程において、OH基含有量5pp
m以下の石英ガラス管を加熱して所望形状に軟化させて
発光部を形成される。(a)電極封止工程において、発光
部に通ずる直管部内に電極組立体を挿入し、直管部分を
加熱・軟化して、電極が封止される。発光部内に常温で
固体または液体の発光物質を所定量装入するドーシング
工程(c)が設けられ、次いで、発光部内に所定量の希
ガスを充填して気密に封入するガス充填工程(d)が設
けられる。 上記の製造方法は、シングルエンド型でも
ダブルエンド型のどちらのランプにも適用され得る。
【0043】この製造方法において、ガス充填工程で発
光部内に充填すべき乾燥希ガスは、3mAの電流を供給
してグロー放電させた際の該希ガスの主発光分光ペクト
ル強度に対する発光部内に存在する水素、酸素、及びそ
れらの化合物の発光分光スペクトルの最大強度の比が1
/1000以下のものが利用される。この製造方法にお
いては、充ガス填工程後の封止部の石英ガラス中のOH
基含有量が重量比で5ppm以下にされる。
【0044】特に、ダブルエンド型ランプの製造方法に
は、以下の方法が好ましく、採用される。製造方法は、 (a) 重量比で5ppm以下のOH基を含有する一端が閉
じられた石英ガラス管を加熱・軟化し、所定の形状の発
光部を形成する発光部形成工程と、 (b) 石英ガラス管の開放端部から、発光管部に通じる直
管部内に、第一の電極組立体を挿入して所定の位置に配
置して後、開放端部から石英ガラス管内を真空排気し且
つ大気圧以下の乾燥した希ガスを封入して、開放端部を
加熱・軟化させて閉じ、第一の電極組立体が配置された
石英ガラス管部を加熱・軟化させて第一の電極組立体を
封止する電極封止工程と、 (c) まだ電極が封止されていない発光部に通じる直管部
の閉じられた端部を開放して、その開放端部から発光管
部に室温で固体または液体の発光物質を所定量だけ挿入
するドーシング工程と、 (d) ドーシング工程で開放された端部から、発光管部に
通じる直管部内に、第二の電極組立体を挿入して所定の
位置に配置する工程と、 (e) 開放端部から石英ガラス管内を真空排気して、大気
圧以下の乾燥希ガスを封入して、開放端部を加熱・軟化
させて閉じるガス充填工程と、 (f) 第二の電極組立体が配置された石英ガラス管部を加
熱・軟化させて第二の電極組立体を封止する電極封止
と、を含む。
【0045】本発明の方法においては、ガス充填工程に
おいては、完成した放電ランプを3mAの電流を供給し
てグロー放電させた際に希ガスの発光強度の1/100
0以下の最大発光強度となる量の水素、酸素およびそれ
らの化合物を含んだ希ガスを封入される。さらに、第一
の電極組立体と第二の電極組立体の電極封止工程におい
ては、レーザまたはプラズマ照射により石英ガラス管
加熱・軟化し、第一および第二の電極組立体を封止す
る。
【0046】本発明の別の方法は、 (a) 重量比で5ppm以下のOH基を含有する石英ガラ
ス管を加熱・軟化し、所定の形状の発光部を形成する発
光部形成工程と、 (b) 石英ガラス管の開放端部から、発光管部に通じる直
管部内に、第一の電極組立体と第二の電極組立体とを挿
入して所定の位置に配置し、かつ同時に発光管部に室温
体または液体の発光物質を所定量だけ挿入するドー
シング工程と、 (c) 開放端部から石英ガラス管内を真空排気したあと大
気圧以下の乾燥した希ガスを封入して、開放端部を加熱
・軟化させて閉じるガス充填工程と、 (d) 続いて第一の電極および第二の電極組立体が配置さ
れた石英ガラス管部を加熱・軟化させて第一の電極およ
び第二の電極組立体を封止する電極封止工程と、を含
む。
【0047】この製造方法においては、ガス充填工程に
おいて、完成した放電ランプを3mAの電流を供給して
グロー放電させた際の希ガスの発光強度の1/1000
以下の最大発光強度となる量の水素、酸素およびそれら
の化合物を含んだ希ガスが封入される。さらに、第一及
び第二の電極組立体の電極封止工程において、レーザま
たはプラズマ照射により石英ガラス管を加熱して軟化さ
せ、第一及び第二の電極組立体が封止される。2つの電
極組立体の封止が、第一の電極組立体の封止後に行われ
る。
【0048】上記の製造方法に共通して、ガス充填工程
において、発光部に封入すべき希ガス中の水含有量が、
モル比で5ppm以下であるのが好ましく、特に、1p
pm以下である。このために、ガス充填工程に先立っ
て、好ましくは、充填すべき希ガスから水素、酸素、お
よびそれらの化合物の全部又は一部を除去する工程を含
む。その手段には、充填すべき希ガスを冷却し、希ガス
に含まれる水分を凝固させることが採用される。
【0049】上記製造方法の発光部成形工程において
も、発光部が、石英ガラス管をレーザまたはプラズマを
照射することによって、加熱・軟化して、形成されるこ
とができる。 また、この発光部成形工程が、乾燥した
希ガスまたは窒素ガス雰囲気内で行われてもよい。
【0050】上記製造方法が、発光部成形工程後に、石
英ガラス管を高温加熱して発光部の残留応力を除去する
加熱処理工程を含むのがよい。これにより、発光部にお
ける残留引張応力を除去ないしは緩和することができ
る。
【0051】上記製造方法には、好ましくは、真空中で
加熱するガラス表面吸着水を除去する脱着真空熱処理工
程を含み、且つ真空熱処理工程後の各工程が、石英ガラ
ス表面が空気に暴露されることなく乾燥した希ガスまた
は窒素ガスの雰囲気内で実施されて、ランプを完成させ
ることができる。乾燥した希ガス、または窒素ガスの水
分は、モル比で5ppm以下、特に、1ppm以下とす
るのが好ましい。
【0052】このような、脱着真空熱処理工程は、発光
部成形工程に先立って行い、特に、発光部成形工程にお
けるレーザまたはプラズマの照射が、併用される。この
脱着真空熱処理工程は、発光部成形工程後であって且つ
ドーシング工程に先立って行うことができ、又は、電極
封止工程後であって、ドーシング工程に先立って実施す
ることもできる。
【0053】本発明の製造方法における発光物質に関し
て、さらに、ドーシング工程の前に又は後に、発光物質
を真空中で熱処理する真空熱処理工程を付加してもよ
い。製造工程での発光物質の酸化を防止すめるために
は、電極封止工程において、発光部の一部を冷却しなが
ら発光部から延在する直管部分を加熱・軟化して電極を
封止するのが好ましい。
【0054】電極封止工程において、直管部分の石英ガ
ラスと電極とが高温で接触する状態まで直管部分を加熱
・軟化し電極封止するのが好ましい。
【0055】[実施例]図1(A)において、放電ラン
プは、石英ガラスからなる略球状の発光部1と、その両
側に発光部1に通じる封止部2a、2bが接続され、発
光部1内には、電流を導入して封入ガスを放電させる一
対のタングステンの放電用電極3、3の突端部30が配
置されている。
【0056】また、図1(B)に示すように、放電用電
極3には、モリブデンのリード箔4が接続され、このリ
ード箔は、モリブデン製の外部電流導入リード線5に接
続されて、電極組立体6を形成している。電極組立体6
は、放電用電極3の基部31とリード箔4全体と、リー
ド線5の先側一部が、石英ガラスにより封止されて、放
電ランプの封止部2a、2bを形成している。
【0057】このような電極組立体6は、モリブデン箔
4の塑性変形によって石英ガラスとの熱膨張の差を吸収
する箔シール構造が採用されている。図1(A)に示す
ランプの例では、発光部1の内容積が約0.45cc
で、タングステン電極3の直径は0.45mm、球形発
光部1内のタングステン電極3の間隙、すなわち電極間
距離は1.5mmである。
【0058】発光部1内には、この例では、ランプの始
動を補助するための希ガスとしてアルゴンガスと、発光
物質として水銀7が封入されて、高圧水銀ランプをなし
ている。上記例では、水銀5の封入量は約90mgであ
り、アルゴンガスの封入量は、室温度において200m
barの圧力で封入されている。また発光部1のガラス
は重量比で平均約10ppm(数箇所の平均値)、また
封止部2a、2bのガラスは重量比で約5ppm(数箇
所の平均値)のOH基を含有している。
【0059】図2(A、B)は、発光部1および封止部
2a,2bそれぞれのガラスの赤外線域の分光透過率を
示している(横軸は波数cm-1、縦軸は透過率%を表わ
す)が、ガラスのOH基含有量は、波数約3846cm
-1の透過率と波数約3663cm-1の透過率の比から求
めた。
【0060】図3は、図1(A)に示す電極3と封止部
2aのガラスとの界面付近を拡大した図である。図3の
斜線部10が示すように、本実施例の放電ランプは、電
極3の界面付近のガラスに、電極方向に平行に、圧縮応
力が残留している。この残留応力は、例えば、約25M
Paであった。また、発光部1の外表面には約7MPa
の引張応力があった。
【0061】さらに本実施例の放電ランプは、発光部1
内に存在する水素、酸素、およびそれらの化合物、例え
ば、水の量が、3mAの電流でランプをグロー放電させ
た際のそれらの発光強度が、アルゴンの主発光スペクト
ルの強度の1/1000以下とされる。
【0062】発光強度の測定は、自動分光装置が利用さ
れ。図4は、利用可能な測定装置を示すが、これは、放
電ランプのグロー放電を受光して伝送する光ファイバー
11(長さ3m)と、伝送光を回折するグレーティング
が1200G/mmの分光器12(マックファーソン
社、MC−209型)と、回折光を検出するマルチチャ
ンネル型のCCD検出器13(プリストンインスツルメ
ンツ社、TE/CCD1152UV型)と、CCD検出
器13をコントロールするCCDコントローラ14(プ
リストンインスツルメンツ社、型式ST−135)と、
検出器13からの光検出データを表示するパーソナルコ
ンピュータ15(日本電気株式会社製造、型式PC−9
821)とから構成されている。
【0063】図5(A)と(B)は、図1(A)に示す
本実施の形態のランプを3mAの電流を供給し、グロー
放電させた際の水素(H;波長656.2nm)と酸素
(O;777.2nm、777.4nm、777.5n
m)を分光測定した結果で、横軸は波長(nm)、縦軸
は発光強度(任意尺度)を表わす。両者水素と酸素の発
光は検出されていない。
【0064】以上のような構成の実施例の放電ランプ
を、定各電力150W一定で、点灯し、点灯時間に対す
る光束維持率の変化を調べた。結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】表1には、比較例として、以下の3つのラ
ンプ(比較A〜C)の結果も付記する。比較Aのランプ
は、封止部2a、2bのガラスのOH基含有量が約10
ppmで、それ以外は実施例と同様に形成された。比較
Bのランプは、3mAの電流でランプをグロー放電させ
たとき、水素(H)、酸素(O)、およびそれらの化合
物の発光強度が、アルゴンの772.4nm波長の1/
1000以上で、発光強度が検知された。それ以外は実
施例と同様の構成である。比較Cのランプは、封止部2
a,2bのガラスのOH基含有量が約10ppmで、か
つ3mAの電流でランプをグロー放電させたとき、水素
(H)、酸素(O)、およびそれらの化合物の発光が、
アルゴンの772.4nm波長の1/1000以上で検
知され、それ以外は実施例と同様である。
【0067】実施例に示すランプは、10時間後の光束
維持率が90%と良好で、2000時間後も80%の光
束を維持することができた。他方比較例のランプA,
B,Cは、10時間後の光束維持率は80%以下と不良
であった。目視観察でもランプA,B,Cは黒化がひど
く、2000時間に至るまでに、不点灯(光束維持率0
%)の状態になった。
【0068】以上のように封止部2a,2bのガラスの
OH基含有量が約5ppm程度と小さく、かつ発光部1
内に存在する水素(H)、酸素(O)、およびそれらの
化合物の量が、3mAの電流でランプをグロー放電させ
た際の発光が、希ガスの発光強度の1/1000以下の
強度で、実質的に検知されない程度であれば、長時間の
発光による黒化が少なく光束維持率が良好である、すな
わち長寿命であることが判る。
【0069】これは、高温で動作する電極3を容易に酸
化、蒸発させ発光部1の黒化を促進する水素(H)、酸
素(O)、およびそれらの化合物の量が、微量であり点
灯初期の黒化が抑制されること、および封止部2a,2
bのガラス内部にOH基が少ないために点灯時間が増加
するに連れてガラスから放出される水素(H)、酸素
(O)、およびそれらの化合物も微量であることに起因
する。
【0070】本実施例に示すランプの別の特徴は、封止
部2a、2bにおいて、電極3付近からのクラックの成
長が抑制され、点灯中のリーク(気密漏れ)が少ないこ
とである。これは、電極3とガラスの界面付近に、圧縮
応力が存在することによるものである。
【0071】本発明の製造方法の例を、図6のフローチ
ャートを参照して、以下に述べる。 (1)発光部成形工程においては、石英ガラス管の中央
付近を加熱、軟化し、型成形により発光部1を成形す
る。 (2)第一電極封止工程では、発光部1に隣接するいず
れか一方の直管部内に電極組立体6を挿入し、加熱、軟
化して電極組立体6を封止し、封止部2aを形成する。
【0072】(3)ドーシング工程では、そして発光部
1から延在するもう一方の直管部(封止部2bとなる)
を通じて、発光部1内に水銀7をドーシングする。 (4)ガス充填工程は、同じ直管部を通じて、発光部1
内にアルゴンガスを200mbar封入する。 (5)第二電極封止工程では、最後に残された直管部に
電極組立体6を挿入し、第一電極封止工程と同様に、加
熱、軟化して電極組立体6を封止し、封止部2bを形成
する。
【0073】以上の流れに従う本実施例の放電ランプ製
造方法では、(2)第一電極封止工程から(5)第二電
極封止工程までが、乾燥したアルゴンガス雰囲気(露点
約−76℃、水分含有量はモル比で約1ppm)で行な
われる。以上の放電ランプの製造方法では、ガラス中の
OH基を除去するための高温真空熱処理を含まない。
【0074】(1)発光部成形工程においては、上記の
図7(A)〜(D)は図6に手順を示すが、まず、図7
(A)に示すように、一端が閉じられた外径約6mm、
内径約2mmの石英ガラス管60を準備する。この石英
ガラス管60は重量比約5ppmのOH基を含んでい
る。このような石英ガラス管は、例えば、ゼネラル・エ
レクトリック社から214石英管なる名称で製造・販売
されており、簡単に入手できる。
【0075】次に石英ガラス管60の両端を、回転およ
び接近離反移動可能なチャック(図には示していない)
で保持する。そして図7(B)に示すように、石英ガラス
管60を矢印62に示すように回転させながら、石英ガ
ラス管60の中央部を加熱、軟化させる。これは矢印6
3で示すプロパンバーナで行なう。加熱部が軟化した
後、石英ガラス管60の両端を、矢印62に示すよう
に、互いに接近させ、石英ガラス管60の加熱部に厚肉
部64を作る。
【0076】そして図7(C)に示すように、加熱を停止
したのち、直ちに成形用型66を厚肉部64の周辺に配
置する。これと同時に、石英ガラス管60の開放端から
乾燥したアルゴンなどの高圧ガスを、石英ガラス管60
内に導入して、厚肉部64を成形用型66にそって、外
径が約11mmになるまで膨張させる。こうして、図7
(D)に示すように石英ガラス管67に発光部1が成形さ
れ、発光部成形工程が終わる。
【0077】このように成形された発光部1は、石英ガ
ラス中のOH基の含有量が約10ppmにまで増加す
る。これはプロパンバーナで加熱されガラスに、プロパ
ンの燃焼で生じた水が、浸入するためである。また加熱
されたガラスの外面に成形用型66をあてがって発光部
1が成形されるとき、外面は内面より急速に温度が低下
する。ゆえに発光部1の外表面には残留引張応力が残
る。その強度は外径約11mmを有する発光部1では、
約7MPaである。外径をより大きくし、したがって曲
率を小さくすれば残留引張応力はより大きくなる。外面
を窒素ガスなどを吹き付けて強制的に冷却すれば、同様
に残留引張応力は大きくなる。
【0078】次に図6の(2)第一電極封止工程につい
て、第一電極封止工程は乾燥したアルゴンガス雰囲気
(露点約−76℃、水分含有量は約1ppm)で行なわ
れる。まず図8(A)に示すように、発光部成形工程で作
成した発光部1が成形された石英ガラス管67の開放さ
れた一端から電極組立体6を挿入し、電極3の一端が発
光部1内に配置されるように、電極組立体6を石英ガラ
ス管67内部に配置する。
【0079】続いて図8(B)に示すように、この状態で
まず、矢印61で示すように、石英ガラス管67を回転
させ、そして矢印80で示すように、石英ガラス管67
内部を圧力が1×10-3Torr程度、特に好ましく
は、1×10-4Torrまで真空排気する。その後、矢
印81で示すように、周囲の雰囲気ガス、つまり乾燥し
たアルゴンガスを約200mbar前後導入する。そし
て電極組立体6を挿入した石英ガラス管67の端部を加
熱、軟化し封止する。これは矢印82で示すCO 2レー
ザで行う。石英ガラス管の内部の気密がたもてるなら
ば、その端部はレーザで溶融封止しなくてもよく、例え
ば、キャップを端部に被せるか、開閉弁を取着して、密
封してもよい。
【0080】そして続く図8(C)に示すように、今度
は、矢印82で示すCO2レーザにて、電極組立体6付
近の石英ガラス管67の部位を加熱する。このとき石英
ガラス管67は矢印61に示すように、回転している。
CO2レーザは電極3からモリブデン箔4の方向に適当
な長さにわたって横移動する。ただし発光部1は加熱し
ない。このとき石英ガラス管67内部の圧力は200T
orrと低いから、加熱部分が軟化するにつれて、石英
ガラス管67の内外の圧力差により、加熱された石英ガ
ラス管67の部位は縮んでいく。
【0081】ガラスが接触しその熱が電極3まで十分伝
わり、したがって電極3が赤熱し、かつモリブデン箔4
のところで十分気密が保たれる程度に、石英ガラス管6
7が縮んだところで加熱を停止する。照射径が約6mm
で、出力が200Wのレーザでは、約30秒前後の加熱
時間が必要である。タングステンは石英ガラスの約10
倍の膨張係数を有するので、加熱が停止し、電極3が冷
える段階で、電極3とガラスとの接触付近に、図3にお
いて説明したように、圧縮応力が残る。この応力は、例
えば、約25MPaである。上記の封止部における残留
圧縮応力は、電極3付近の加熱時間、またはレーザの出
力で制御できる。加熱時間やレーザ出力を増加すると、
その応力は、増加する。電極3とガラスが接触しないよ
うにコントロールすれば、応力は、生じない。
【0082】最後に封止部2aが形成されていない発光
部1に隣接する直管部の端部(図8(C)中で、左側)付
近を切断すれば(端部の密封にキャップや開放弁を使用
する場合は、これらを開放して)、図8(D)に示すよう
に、発光部1と一つの電極組立体6が封止され、電極3
とガラスの接触付近に残留圧縮応力がある封止部2aを
有する石英ガラス管83が完成し、第一電極封止工程が
完了する。
【0083】第一電極封止工程では、CO2レーザの照
射で加熱加工されるので、この部位でガラス中ののOH
基量は増加は避けられる。これは、レーザ加熱は、プロ
パンバーナによる加熱に伴う水の発生がないからであ
る。ゆえに、封止部2aに含有するOH基量は、加工前
の石英ガラス管60と同じ約5ppmを維持することが
できる。したがってガラスのOH基を除去するための高
温真空熱処理は特に必要ない。高温真空熱処理を施した
ガラスからは、ランプの寿命特性を悪くする水素ガスや
水分が放出され易い。上記のように加工され完成するラ
ンプは、ガラスからの水素ガスや水分の放出が少なく、
長寿命なランプとなる。
【0084】また図8(C)において、CO2レーザにて
電極組立体6付近の石英ガラス管67の部位を加熱する
過程においては、CO2レーザで石英ガラス管67を加
熱したときに、加熱部の石英ガラス管が縮むのであれ
ば、管内の封入圧力は200mbarより高く、例えば
300mbarの圧力〜それ以上にすることができる。
さらに管内は、ガスを封入せずに真空とすることもでき
る。また導入ガスも加熱中に電極組立体6が酸化しない
ものであれば、他のガス、例えば乾燥した窒素ガスも使
用することができる。
【0085】また図8(C)において、電極組立体6を封
止する場合、石英ガラス管67の加熱部分が、石英ガラ
ス管67の内外の圧力差で縮むことに加えて、加熱部分
を一対の耐熱性の挟み片で挟み、または圧迫して締め付
けることもなされる。さらにCO2 レーザは、電極3か
らモリブデン箔4の方向に適当な長さにわたって横移動
させたが、モリブデン箔4の方向から電極3の方向に移
動してもよいし、往復横移動させることもできる。さら
に必要とする封止幅をカバーできるぐらいに広い照射径
を有すれば、横移動させる必要はない。
【0086】続いて図6の(3)ドーシング工程を、図
9を用いて説明する。ドーシング工程では、図9に示す
ように、石英ガラス管83の開口端より水銀7を発光部
1内に導入する。これは開口端から管状針90を挿入
し、その先端が発光部1の中央近くにきたとき、針を止
めて行なう。管状針90は乾燥したアルゴンガス源に連
通しており、このガス流が管状針90を通じて水銀7を
押し出す。ドーシング工程も、第一電極封止工程と同様
に、乾燥したアルゴンガス雰囲気(露点約−76℃)で
行なわれる。
【0087】次に図6に示した(4)ガス充填工程と
(5)第二電極封止工程について説明する。図10(A)
に示すように、水銀7をドーシングした石英ガラス管8
3の開口端から電極組立体6を挿入する。電極3の一端
が発光部1内で、封止部2a側の電極3の先端から約
1.5mm離れた位置に配置されるように、電極組立体6
を石英ガラス管83内部に配置する。
【0088】続いて図10(B)に示すように、この状態
でまず、矢印61で示すように、石英ガラス管83を回
転させ、そして矢印80で示すように、石英ガラス管8
3内部を圧力が1×10-3Torr程度まで真空排気す
る。その後、図10(C)中に矢印81で示すように、乾
燥した周囲のアルゴンガス(露点−76℃、モル比で約
1ppmの水分量)を約200mbar導入する。そし
て電極組立体6を挿入した石英ガラス管83の開口部付
近を矢印82で示すCO2レーザで加熱、軟化し封止す
る。
【0089】そして続く図10(D)で、今度は、矢印8
2で示すCO2レーザにて、未封止の電極組立体6付近
の石英ガラス管83の部位を加熱し、図8(C)と同様
に、第二の電極封止を行なう。
【0090】以上のようにして、図10(E)に示すよう
な、発光部1と電極組立体6が封止され、電極3とガラ
スの接触付近に残留圧縮応力がある封止部2a、2bを
有し、発光部1に200mbarのアルゴンガスと水銀7が
気密に充填された石英ガラス管90が完成し、ガス充填
工程と第二電極封止工程が同時に完了する。最後に図1
0(E)の両端を切断し、リード線5を外部に露呈させれ
ば、図1(A)に示した放電ランプが完成する。
【0091】実施例の放電ランプの製造方法の別の特徴
は、電極組立体6が封止される工程(第1電極封止工
程;図8(C)および第二電極封止工程;図10
(D))は、石英ガラス管の両端が閉じられた状態でな
されるので、モリブデン箔4の周辺が、アルゴンガスの
気泡が残らず、確実に気密封止できる点である。ガラス
管は、同時に両端が閉じられているので、石英ガラス管
外部からの不純物の進入が完全に抑えられ、それ故、こ
の製造法は、電極が汚染されず、寿命を長くするランプ
の製造に適している。さらに両端が閉じられて、石英ガ
ラス管外部からの不純物の進入が完全に抑えられている
ので、石英ガラス管67あるいは83をレーザで加熱・
軟化し電極組立体6を封止する工程(第1電極封止工
程;図8(c)および第二電極封止工程;図10
(d))は、寿命に悪影響を与える不純物を比較的多く
含む雰囲気中、例えば空気中でも、行うことが出来る。
【0092】電極組立体6を封止する工程第1電極封止
工程;図8(C)および第二電極封止工程;図10
(D))は、長時間のレーザの加熱により、比較的多く
の石英(SiO2)やシリコン(Si)が蒸発し、それ
がアルゴン雰囲気のクリーン度を低下させ、特にドーシ
ング工程とガス充填工程で発光管1内に挿入する物質を
汚染し、最終的に完成したランプの寿命を悪くする場合
がある。そのために、蒸発する石英やシリコンをアルゴ
ン雰囲気から除去するために多くの費用と時間を必要と
する場合がよくある。よって両端が閉じられているため
に、アルゴンガス雰囲気以外の場所でレーザ加熱が出来
る本実施例の製造方法は、蒸発する石英やシリコンでド
ーシング工程やガス充填工程が汚染される心配がなくな
り、よりクリーンなランプの製造が可能である。
【0093】なお、上述したように図10(B)で少なく
とも1×10-3Torr程度まで真空排気し、その後、
図10(C)で1ppm程度の水を含んだアルゴンガスを
充填し完成したランプは、3mAの電流でランプをグロ
ー放電させたとき、水素(H)、酸素(O)、およびそ
れらの化合物の発光の強度は、アルゴンの発光強度の1
/1000以下となり、実質的には検知されないが、こ
こに例示した真空排気の到達真空度の値や封入アルゴン
ガスの水分量は、好ましい十分条件である。例えば5p
pm(露点約−65℃)程度の水分を含んだアルゴンガ
スでも許容できる。
【0094】真空排気の到達真空度がより高く、封入ア
ルゴンガスの水分はより少ない方が、寿命の点から言え
ば、より好ましい。到達真空度は、現在では、真空ポン
プの排気能力を高めれば1×10-10Torr程度は容
易に得られる。アルゴンガスの水 分量の下限は、実用
的にはモル比で0.001ppm(露点約−110℃)
程度である。この値は検出限界にほぼ等しい。以上の点
から、封入するアルゴンガスが含む水分量は0.001
ppmから1ppmまでの範囲である。
【0095】各工程が行なわれる周囲の雰囲気ガスの水
分量は、雰囲気ガスを発光部への封入ガスに使用できる
点を考慮すれば、モル比で5ppm以下、好ましくは
0.001ppm〜1ppmの範囲が利用できる。アル
ゴンガスの水分量を減少するには、アルゴンガス源をよ
り高純度のものにし、そのガスを、直接ランプに導入す
るよりも、水分を除去する手段を介して、石英ガラス管
内にガスを導入する方が実用的である。
【0096】水分を除去する手段として、図11に示す
ように、冷却装置が使用できる。この装置は、ステンレ
ス管100内を矢印101で示すアルゴンガスを通し
て、矢印102で示す液体窒素を、ステンレス製の容器
103内で吹きかけて、−76℃以下の温度に冷却し、
アルゴン中の水の蒸気圧を低下させる。例えばアルゴン
ガスを−110℃に冷却するように、液体窒素102の
吹き付け量をコントロールすると、アルゴンガスに含ま
れる水分量はモル比で約0.001ppmまで低下でき
る。アルゴンガスは、その融点−190℃まで温度を低
下することが可能である。その水分量はおおよそ9.2
×10-12ppmまで低減できる。
【0097】さらにこの場合、アルゴンガス101の水
分量が間接的に冷媒の温度で管理できる効果が得られ
る。ガスの水分量を直接管理する(これは非常に高価で
精度の高い分析装置が必要である)製造工程より維持、
管理が簡単で、実用的である。その他、水分を除去する
手段は、アルミナなどの化学・物理吸着材を使用するも
のでもよい。
【0098】また図10(D)では、レーザ加熱中、発光
部1内の水銀7が蒸発するのを防止するために、例えば
アルゴンガスを比較的高い圧力で発光部1に吹き付け
て、発光部を冷却することができる。また水や液体窒素
などの冷媒が流れるチューブを発光部1に接触させる
か、またはその周辺に配置して発光部を冷却することが
できる。
【0099】本実施例では、発光物質として水銀を封入
した放電ランプの製造方法を例に説明したが、同様の製
造方法で金属ハロゲン化物が添加されるメタルハライド
ランプを製造することができる。この場合は、図12に
示すように、ドーシング工程に続いて、図9の石英ガラ
ス管83を真空中で加熱する真空熱処理を付加すること
もできる。これは吸着性の強い金属ハロゲン化物の水分
除去に有効で、メタルハライドランプの黒化や失透抑制
効果が強い。発光物質のこのような真空熱処理は、ドー
シング工程の前に予め行なうこともできる。ただし熱処
理後に発光物質が空気にふれることは避けねばならな
い。
【0100】この実施例の製造方法は、水銀を封入しな
い、希ガス放電ランプの製造も可能である。この場合
は、ドーシング工程は省略できる。
【0101】発光部1を成形した後に、熱処理工程を付
加して、発光部の残留引張応力を小さくすることもされ
る。
【0102】また、発光部成形工程は、CO2レーザで
加工することも可能である。この場合は、発光部1のO
H基量は、加工前の石英ガラス管60と同じ、約5pp
m程度となる。この少ないOH基を有する発光部1の成
形工程は、メタルハライドランプの製造に特に有効であ
る。少ないOH基が、より一層、ガラスと金属ハロゲン
化物との反応を抑制する。
【0103】さらにCO2レーザを用いることで、図1
3に示すように発光部成形工程からランプ完成にいたる
工程を乾燥したアルゴンガス雰囲気内で行なうことがで
きる。さらに図14に示すように、ガラス表面に吸着し
た水分を除去する工程を付加することもなされる。この
工程ではガラスを100℃〜1000℃の範囲の温度で
真空熱処理する。好ましい温度範囲は400℃から60
0℃である。この工程後、大気に触れることなくガラス
を加工すれば、不純物として発光部1内に吸着水分が残
ることがなく、従ってより長寿命の放電ランプが製造可
能である。このガラスの真空熱処理工程は、発光部成形
工程と第一電極封止の間や、第一電極封止とドーシング
工程の間に入れることができる。また熱処理後、さらに
ガラスの温度を100℃から300℃に維持し、各工程
を完結するのが好ましく、吸着水分除去としてはより効
果が高い。
【0104】封止部の加工には、レーザ照射として、C
2レーザ又はYAGレーザが利用でき、プラズマ照射
として、アルゴンプラズマが利用できる。出発原料の石
英ガラスは、OH基含有量約5ppm以下のものが好ま
しく、特に、これよりOH基量が少ない石英ガラスが利
用される。本実施例では希ガスとしてアルゴンガスを封
入しているが、希ガスはキセノンガスやクリプトンガス
も利用される。本発明の放電ランプの製造方法は、封入
する希ガスの種類に影響を受けない。
【0105】また本実施例では乾燥したアルゴン雰囲気
内で放電ランプを製造しているが、他の乾燥した非酸化
性ガス、例えば、窒素ガスに置換可能である。発光部1
内が大気にさらされる心配がない封止部2a,2bのレ
ーザによる封止作業(図8(d)や図10(d)に示す)
は、空気中で行なうことが可能である。
【0106】本実施例の変形した放電ランプの製造方法
を図15(A〜F)を使用して説明する。 この製造方
法は、図6に示した工程図において、(2)第1電極封止
工程と(3)ドーシング工程と(4)ガス充填工程と(5)第二
電極封止工程を、同じ機会に行うことを特徴とする。
【0107】まずバルブ成形工程で発光部1が成形さ
れ、かつ両端部が開かれた石英ガラス管150を用意
し、その一端Aから電極組立体6を挿入し、電極3の一
端が発光部1内の所定の位置に配置されるように、電極
組立体6を配置する(図15(A))。次に他方の開か
れた一端Bから管状針90を通じて水銀7を発光部1内
に導入する(図15(B);ドーシング工程)。続いて同
じ一端Bから別の電極組立体6を挿入し、同じく電極3
の一端が発光部1内の所定の位置に配置されるように、
電極組立体6を配置する(図15(C))。
【0108】次に図15(D)に示すように、この状態で
矢印61で示すように、ガラス管67を回転させ(図に
は示さないが、この動作は石英ガラス管150の両端部
付近を回転可能なチャックで保持し、チャックを回転さ
せることでなされる)、そして矢印80で示すように、
石英ガラス管150内部を圧力が1×10-3Torr以
下になるまで、両端A、Bから真空排気する。その後、
5ppmより少ない水分を含んだ、好ましくは水分1p
pm以下の乾燥アルゴンガス(矢印81)を約200m
bar前後導入する。そして石英ガラス管150の両端
部を加熱・軟化し、封止する(ガス充填工程)。この封
止のための加熱は、矢印82で示すようにCO2レーザ
で行う。
【0109】続いて電極組立体6付近の石英ガラス管
50の部位を電極3からモリブデン箔4の方向に適当な
長さにわたってCO2レーザで加熱・軟化し、2つの電
極組立体6を封止する(図15(E);第1電極および第
二電極封止工程)。2つ電極組立体6の封止は、同時に
行うこともでき、また片方ずつ順次行ってもよい。最後
に図15(E)の両端を切断し、リード線5を外部に引き
出せば、図1に示した構造を有する放電ランプが完成す
る(図15(F))。
【0110】図15(A〜F)に示した実施例を変形し
た放電ランプの製造方法によれば、図6に示した(2)第
1電極封止工程と(3)ドーシング工程と(4)ガス充填工程
と(5)第二電極封止工程を、同時に行うので、製造に要
する時間を、大幅に短縮でき、従って、容易に実施例に
示した構造の放電ランプを提供することができる。同時
にドーシング工程前に、図8(D)に示すように、ドーシ
ング工程前に、石英ガラス管の閉ざされた一端を切断す
ることがない。そのために石英ガラス管を切断したとき
発生する小さなガラス破片が石英ガラス管内部、つまり
発光部1内に入り込むことが完全にない。それゆえ発光
部1の不純物を極限的に少なくすることができ、さらに
長い寿命を有する放電ランプの提供を可能にする。
【0111】
【発明の効果】本発明の放電ランプは、発光部内に存在
する水素(H)、酸素(O)、およびそれらの化合物の
量は、低電流でグロー放電させた場合に、光検出時間で
発光が実質的に検出されない程度の量とし、かつ封止部
を形成する石英ガラスのOH基量を、重量比で0より大
きく5ppm以下としたので、ランプの使用中で、発光
ガス中の水素、酸素、水に起因した発光部ガラス内面の
黒化や失透を防止して、長寿命化を実現することができ
る。
【0112】本発明のランプは、封止部の石英ガラス
に、電極との接触界面の近傍に残留圧縮応力を形成した
ので、ガラスとの電極との密着性が高く、電極3付近か
らのクラックの成長が抑制され、点灯中のリーク(気密
漏れ)が少なくでき、特に、金属ハロゲンランプでは、
温度の低い電極3とガラスの界面付近への金属ハロゲン
化物の進入を抑制して、金属ハロゲン化物の蒸気圧低下
を防止し、それゆえ、発光特性を良好にする。
【0113】本発明の放電ランプの製造方法は、充填す
べき希ガス中の水含有量を規制して、発光部内に存在す
る水素、酸素およびそれらの化合物の量を、低電流でグ
ロー放電させた際に発光が実質的に検出されない程度の
微量とすることができ、ランプの使用中で、発光ガス中
の水素、酸素、水に起因した発光部ガラス内面の黒化や
失透を防止して、長寿命化したランプを製造することが
できる。
【0114】本発明の放電ランプの製造方法は、第1及
び第2の電極組立体を封止部に封止する工程において、
管内に減圧して希ガスを封入したガラス管両端を密封し
た後、石英ガラス管を加熱軟化して封じるので、封止部
におけるOH基の含有量を低減することができ、電極の
酸化や汚染を防止して、長期ランプ使用中のランプ内面
の黒化や失透を防止するのに有効である。
【0115】本発明の方法は、さらに、電極組立体の封
止工程で、石英ガラス管をレーザまたはプラズマ照射に
より加熱軟化させて封じることができ、封止部における
ガラス中のOH基含有量の増加を防止でき、OH基含有
量の少なくして、長期ランプ使用中のランプ内面の黒化
や失透を防止した放電ランプが製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の放電ランプの断面図(A)
と、これに使用される電極組立体の斜視図(B)を示
す。
【図2】 本実施の実施形態に係る放電ランプの発光部
と封止部におけるガラス分光透過率を示すグラフ(A、
B)。
【図3】 本発明の実施形態の放電ランプの封止部の部
分断面図。
【図4】 本発明の実施の形態の放電ランプのグロー放
電時の発光強度測を定する装置の概念図。
【図5】 本実施例の放電ランプのグロー放電時の分光
強度を示すグラフ(A、B)。
【図6】 本発明の実施形態の放電ランプの製造工程を
示すフローチャート。
【図7】 本発明の実施形態に係る製造方法において、
放電ランプの発光部を成形する工程を示すための石英管
の断面図(A〜D)。
【図8】 本発明の実施形態に係る製造工程において、
放電ランプの第一電極封止工程を示す石英管の断面図
(A〜D)。
【図9】 本発明の実施形態に係る放電ランプの製造工
程で、ドーシング工程を示すための石英管の断面図。
【図10】 本発明の実施形態のガス充填工程と第二電
極封止工程を示すための石英管の断面図(A〜E)。
【図11】 本発明の実施形態のガス充填工程に先立
ち、封入ガスの水分を除去する装置を示す断面図。
【図12】 本発明の実施形態に係る放電ランプの製造
工程を示すフローチャート。
【図13】 本発明の別の実施形態に係る放電ランプの
製造工程を示すフローチャート。
【図14】 本発明の別の実施形態に係る放電ランプの
製造工程を示すフローチャート。
【図15】 本発明の実施例に係る放電ランプの製造工
程を示すための石英管断面図(A〜F)。
【図16】 従来の放電ランプの製造法を示すための石
英管断面図(A、B)。
【符号の説明】
1 発光部 2a 封止部 2b 封止部 3 タングステン電極 4 モリブデン箔 7 水銀 6 タングステン薄膜 82 レーザ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01J 61/30 H01J 61/30 C 61/36 61/36 B (56)参考文献 特開 平9−245738(JP,A) 特開 昭57−84548(JP,A) 特開 平6−203795(JP,A) 特開 平9−102277(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 61/16 H01J 9/24 H01J 9/32 H01J 9/39 H01J 9/395 H01J 61/30 H01J 61/36

Claims (33)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石英ガラスからなる発光部と、該発光部
    内に配置された電極と、該電極を封止する石英ガラスか
    ら成る封止部と、前記発光部に気密充填された希ガスと
    から成る放電ランプであって、 前記電極に3mAの電流を供給してグロー放電させた際
    の該希ガスの主発光分光スペクトル強度に対する前記
    発光部内に存在する水素の発光分光スペクトルの強度の
    比が1/12000以下であり、前記発光部内に存在す
    る酸素の発光分光スペクトルの強度の比が1/1000
    以下であり、前記発光部内に存在するHgHの発光分光
    スペクトルの強度の比が1/10000以下であり、 且つ前記封止部の石英ガラス中のOH基含有量が重量比
    で5ppm以下である放電ランプ。
  2. 【請求項2】 前記封止部の石英ガラスが、電極との界
    面領域付近において、残留圧縮応力を有する請求項1に
    記載の放電ランプ。
  3. 【請求項3】 前記残留圧縮応力が、25MPa以上で
    且つ当該石英ガラスの圧壊強度以下である請求項2記載
    の放電ランプ。
  4. 【請求項4】 前記発光部の石英ガラス中のOH基含有
    量が重量比で10ppm以下であり、且つ、該石英ガラ
    ス中の残留引張応力が、48MPa以下である請求項1
    記載の放電ランプ。
  5. 【請求項5】 前記残留引張応力が、7MPa以下であ
    る請求項4に記載の放電ランプ。
  6. 【請求項6】 前記残留引張応力が、3.5MPa以下
    である請求項4に記載の放電ランプ。
  7. 【請求項7】 前記発光部の石英ガラス中のOH基含有
    量が、重量比で5ppm以下である請求項4に記載の放
    電ランプ。
  8. 【請求項8】 前記発光部内部に、希ガスと共に水銀が
    封入されている請求項1ないし7のいずれかに記載の放
    電ランプ。
  9. 【請求項9】 前記発光部内部に、希ガスと共に金属ハ
    ロゲン化物が封入されている請求項1ないし7に記載の
    放電ランプ。
  10. 【請求項10】 前記希ガスがアルゴンガスである請求
    項1ないし9のいずれかに記載の放電ランプ。
  11. 【請求項11】 (a)重量比で5ppm以下のOH基を
    含有する石英ガラス管を加熱・軟化し、所定形状の発光
    部を形成する発光部成形工程と、 (b)前記発光部に通ずる直管部内に電極組立体を挿入
    し、該直管部部分を加熱・軟化して、電極組立体を封止
    する電極封止工程と、 (d)前記発光部内に所定量の希ガスを充填して気密に封
    入するガス充填工程と、 を含む放電ランプの製造方法であって、 ガス充填工程で充填すべき前記希ガスは、完成した放電
    ランプに3mAの電流を供給してグロー放電させた際の
    該希ガスの主発光分光ペクトル強度に対する、前記発光
    部内に存在する水素の発光分光スペクトルの強度の比が
    1/12000以下であり、前記発光部内に存在する酸
    素の発光分光スペクトルの強度の比が1/1000以下
    であり、前記発光部内に存在するHgHの発光分光スペ
    クトルの強度の比が1/10000以下であり、 且つガス充填工程後の前記電極組立体が封止された封止
    部の石英ガラス中のOH基含有量が重量比で5ppm以
    下である放電ランプの製造方法。
  12. 【請求項12】 電極封止工程の後でガス充填工程の前
    に、(c)前記発光部内に常温で固体または液体の発光物
    質を所定量挿入するドーシング工程を含む請求項11の
    放電ランプの製造方法。
  13. 【請求項13】 (a)重量比で5ppm以下のOH基を
    含有する一端が閉じられた石英ガラス管を加熱・軟化
    し、所定の形状の発光部を形成する発光部形成工程と (b)石英ガラス管の開放端部から、前記発光管部に通じ
    る直管部内に、第一の電極組立体を挿入して所定の位置
    に配置して後、その開放端部から前記石英ガラス管内を
    真空排気し且つ大気圧以下の乾燥した希ガスを封入し
    て、当該開放端部を閉じ、第一の電極組立体が配置され
    た前記石英ガラス管の部分を加熱・軟化させて第一の電
    極組立体を封止する電極封止工程と、 (c)まだ電極が封止されていない前記発光部に通じる直
    管部の閉じられた端部を開放して、その開放端部から前
    記発光管部に室温で固体または液体の発光物質を所定量
    だけ挿入するドーシング工程と、 (d)ドーシング工程で開放された端部から、前記発光管
    部に通じる直管部内に、第二の電極組立体を挿入して所
    定の位置に配置する工程と、 (e)第二の電極組立体が挿入されている開放端部から前
    記石英ガラス管内を真空排気して、大気圧以下の乾燥し
    た希ガスを封入して、当該開放端部を加熱・軟化させて
    閉じるガス充填工程と、 (f)第二の電極組立体が配置された前記石英ガラス管の
    部分を加熱・軟化させて第二の電極組立体を封止する電
    極封止工程と、 を含み、 ガス充填工程においては、完成した放電ランプを3mA
    の電流を供給してグロー放電させた際に希ガスの発光強
    度の1/1000以下の最大発光強度となる量の水素、
    酸素およびHgHを含んだ封入ガスを封入し、 第一の電極組立体と第二の電極組立体の電極封止工程に
    おいては、レーザまたはプラズマ照射により前記石英ガ
    ラス管を加熱・軟化し、第一および第二の電極組立体を
    封止する放電ランプの製造方法。
  14. 【請求項14】 (a)重量比で5ppm以下のOH基を
    含有する石英ガラス管を加熱・軟化し、所定の形状の発
    光部を形成する発光部形成工程と、 (b)前記石英ガラス管の開放端部から、発光管部に通じ
    る直管部内に、第一の電極組立体と第二の電極組立体と
    を挿入して所定の位置に配置し、かつ同時に前記発光管
    部に室温で固体または液体の発光物質を所定量だけ挿入
    するドーシング工程と、 (c)開放端部から石英ガラス管内を真空排気したあと大
    気圧以下の乾燥した希ガスを封入して、開放端部を加熱
    ・軟化させて閉じるガス充填工程と、 (d)続いて第一の電極および第二の電極組立体が配置さ
    れた前記石英ガラス管の部分を加熱・軟化させて第一の
    電極および第二の電極組立体を封止する電極封止工程
    と、を含む放電ランプの製造方法であって、 ガス充填工程においては、完成した放電ランプを3mA
    の電流を供給してグロー放電させた際に希ガスの発光強
    度の1/1000以下の最大発光強度となる量の水素、
    酸素およびHgHを含んだ封入ガスを封入し、 第一及び第二の電極組立体の電極封止工程においては、
    レーザまたはプラズマ照射により前記石英ガラス管を加
    熱・軟化し、第一及び第二の電極組立体を封止する放電
    ランプの製造方法。
  15. 【請求項15】 第二の電極組立体の電極封止工程が、
    第一の電極組立体の電極封止工程の後に行われる請求項
    14に記載の放電ランプの製造方法。
  16. 【請求項16】 ガス充填工程において、前記発光部に
    封入すべき希ガス中の水含有量が、モル比で5ppm以
    下である請求項11ないし15のいずれかに記載の放電
    ランプの製造方法。
  17. 【請求項17】 ガス充填工程において前記発光部に封
    入すべき希ガス中に、水含有量がモル比で1ppm以下
    である請求項11ないし15のいずれかに記載の放電ラ
    ンプの製造方法。
  18. 【請求項18】 ガス充填工程に先立って、充填すべき
    希ガスから水素、酸素、および水分の全部又は一部を除
    去する除去工程を含む請求項11ないし15のいずれか
    に記載の放電ランプの製造方法。
  19. 【請求項19】 除去工程において、充填すべき希ガス
    を冷却し、希ガスに含まれる水分を凝固させる請求項1
    8記載の放電ランプの製造方法。
  20. 【請求項20】 発光部成形工程において、前記発光部
    が、石英ガラス管をレーザまたはプラズマを照射するこ
    とによって、加熱・軟化して、形成される請求項11な
    いし19のいずれかに記載の放電ランプの製造方法。
  21. 【請求項21】 発光部成形工程が、乾燥した希ガスま
    たは窒素ガス雰囲気内で行われる請求項20に記載の放
    電ランプの製造方法。
  22. 【請求項22】 上記製造方法が発光部成形工程後に、
    石英ガラス管を高温加熱して前記発光部の残留応力を除
    去する加熱処理工程を含む請求項11ないし21いずれ
    かに記載の放電ランプの製造方法。
  23. 【請求項23】 上記製造方法が、真空中で加熱するガ
    ラス表面吸着水を除去する脱着真空熱処理工程を含み、
    且つ脱着真空熱処理工程後の各工程が、少なくとも前記
    発光部の内表面若しくは前記発光部となるべき石英ガラ
    ス内表面が空気に暴露されることなく乾燥した希ガスま
    たは窒素ガスの雰囲気内で実施されて、ランプを完成さ
    せる請求項11ないし22のいずれかに記載の放電ラン
    プの製造方法。
  24. 【請求項24】 脱着真空熱処理工程を、発光部成形工
    程に先立って行い、発光部成形工程がレーザまたはプラ
    ズマの照射により石英ガラス管を加熱・軟化させてなさ
    れる請求項23記載の放電ランプの製造方法。
  25. 【請求項25】 脱着真空熱処理工程が、発光部成形工
    程後であって且つドーシング工程に先立って行う請求項
    23記載の放電ランプの製造方法。
  26. 【請求項26】 脱着真空熱処理工程が、電極封止工程
    後であって、ドーシング工程に先立って実施される請求
    項23記載の放電ランプの製造方法。
  27. 【請求項27】 前記乾燥した希ガス、または前記窒素
    ガスは、モル比で5ppm以下の水を含む請求項23な
    いし26のいずれかに記載の放電ランプの製造方法。
  28. 【請求項28】 前記乾燥した希ガス、または前記窒素
    ガスは、モル比で1ppm以下の水を含む請求項27記
    載の放電ランプの製造方法。
  29. 【請求項29】 ドーシング工程の前に又は後に、発光
    物質を真空中で熱処理する真空熱処理工程を付加した請
    求項23ないし28のいずれかに記載の放電ランプの製
    造方法。
  30. 【請求項30】 電極封止工程において、前記発光部の
    一部を冷却しながら当該発光部から延在する直管部分を
    加熱・軟化して電極を封止する請求項11ないし29の
    いずれかに記載の放電ランプの製造方法。
  31. 【請求項31】 電極封止工程において、直管部分の石
    英ガラスと電極とが高温で接触する状態まで直管部分を
    加熱・軟化し電極封止する請求項11ないし30のいず
    れかに記載の放電ランプの製造方法。
  32. 【請求項32】 ガス充填工程においては、完成した放
    電ランプに3mAの電流を供給してグロー放電させた際
    の希ガスの主発光分光ペクトル強度に対する、前記発光
    部内に存在する水素の発光分光スペクトルの強度の比が
    1/12000以下であり、前記発光部内に存在する酸
    素の発光分光スペクトルの強度の比が1/1000以下
    であり、前記発光部内に存在するHgHの発光分光スペ
    クトルの強度の比が1/10000以下である、請求項
    13ないし31のいずれか一つに記載の放電ランプの製
    造方法。
  33. 【請求項33】 前記希ガスがアルゴンガスである請求
    項11ないし32のいずれかに記載の放電ランプの製造
    方法。
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