JP3318760B2 - 表示装置 - Google Patents

表示装置

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JP3318760B2
JP3318760B2 JP20718691A JP20718691A JP3318760B2 JP 3318760 B2 JP3318760 B2 JP 3318760B2 JP 20718691 A JP20718691 A JP 20718691A JP 20718691 A JP20718691 A JP 20718691A JP 3318760 B2 JP3318760 B2 JP 3318760B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、信号線及び走査線間に
それぞれ液晶画素が配置されてなる液晶パネルをライト
バルブとして用いた、例えば液晶プロジェクタや液晶テ
レビジョン等の液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶パネルをライトバルブとして使用
し、カラー映像を出力する液晶表示装置として、例えば
液晶プロジェクタやカラー液晶テレビジョン等がある。
例えば1板式の液晶プロジェクタでは、3原色RGB
(赤、緑、青)カラーフィルタを有する液晶パネルに対
してハロゲンランプ等の光源からの光を入射する。この
液晶パネルは、例えばTNモード透過型液晶に水平及び
垂直方向の電極が配置されてマトリクス状の画素が形成
されており、RGBカラーフィルタに対応した各画素に
おいて、RGBビデオ信号に基づいてTN液晶が画素単
位で駆動(透過率制御)されることにより、液晶パネル
の出力光としてカラー映像を得ることができる。そし
て、液晶パネルからの出力光は投射レンズによりスクリ
ーン投影される。
【0003】また、図10に光学系ブロックの一例を示
すように、3原色RGB光(赤、緑、青)にそれぞれ対
応する3枚の液晶パネル10R,10G,10Bを設け
た3板式の液晶プロジェクタも実施されている。
【0004】この場合、光源(ハロゲンランプ)11か
ら出射された光は直接、又は赤外線を透過し可視光を反
射する放物面によってなるコールドリフレクタ12に反
射してから、コールドフィルタ13に達する。コールド
フィルタ13によって赤外線は反射され、可視光が透過
される。
【0005】このようにコールドリフレクタ12及びコ
ールドフィルタ13によって赤外線成分が除去された可
視光成分は、特定の波長の光を選択的に反射させるダイ
クロイックミラー14,15を使用してR光、B光、G
光の3色に分光され、各液晶パネル10R,10G,1
0Bに入射されることになる。
【0006】即ちダイクロイックミラー14ではB光の
みが反射され、このB光はさらにミラー16に反射して
液晶パネル10Bに入射される。また、R光とG光が到
達するダイクロイックミラー15ではG光のみが反射さ
れ、液晶パネル10Gに入射される。さらにダイクロイ
ックミラー14,15を通過したR光はミラー17,1
8に反射されて液晶パネル10Rに入射される。
【0007】各液晶パネル10R,10G,10Bはそ
れぞれの色に対応する映像信号ER,EG .EB に基づ
いて各画素の透過率が制御されるように駆動されている
ため、各液晶パネル10R,10G,10Bからの出射
光を、ダイクロイックプリズム19を用いて合成し、こ
の合成光を投射レンズ20でスクリーン投影することに
よりカラー映像が得られる。
【0008】ところで、周知のとおり、光には図11に
示すように直交する2つの偏光面(直線偏光)を持って
おり、これらは一般にP偏光成分(以下、P波という)
とS偏光成分(以下、S波という)と呼ばれている。そ
して、上記のような液晶表示装置でライトバルブとして
使用される液晶パネルは、入射された光(P波とS波)
のうち一方の偏光成分のみを使用し、他方の偏光成分を
排除してしまう構造になっている。
【0009】つまり、映像表示のための液晶パネルにお
いては、例えば図12に示すように偏光板1によって一
方の偏光成分(例えばP波)のみが透過され、TNモー
ド透過型液晶に水平及び垂直方向の電極2が配置されて
マトリクス状の画素が形成された液晶セル3に導入され
るが、他方の偏光成分(例えばS波)は偏光板1を透過
せず、液晶表示動作には供されない。
【0010】この例において偏光板1を透過するP波が
入射される液晶セル3(各画素)においては、電圧印加
状態に伴って液晶分子4がその配列状態を図12(a)
の状態から図12(b)の状態にまで変化させることに
よって透過率が制御される。
【0011】つまり、印加電圧オフの図12(a)の場
合は、液晶分子4の旋光性により導入されたP波は90
°ねじれて偏光板5に達する。偏光板5は偏光板1と配
光軸方向が直交しているため、偏光板5に達した光はそ
のまま透過され、S波として出力されることになる。ま
た、印加電圧オンの図12(b)の場合は、液晶分子4
による旋光性が失われ、入射されたP波はそのまま偏光
板5に達するため、偏光板5において遮断される。すな
わち印加電圧によって光の透過率を制御できる。
【0012】従って、液晶セル3において、映像信号に
基づいて、マトリクス状に形成された画素単位に印加電
圧レベルを制御すれば、液晶パネルの出力として映像光
を得ることができる。なお、以上は所謂ノーマリホワイ
ト型の場合であり、偏光板1,5の配光軸方向を平行と
すれば、電圧オフ時において光が遮断されるノーマリブ
ラック型となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
液晶パネルを利用した液晶表示装置では、上述したよう
に、光源からの光のうちP波或はS波の一方の偏光成分
のみを使用しているため、光の利用効率が1/2になっ
てしまい、有効利用されていないという問題がある。こ
のため、高輝度の映像表示を実現することが困難であっ
た。特にB光成分が少ないハロゲンランプを光源に採用
したような場合などには、きれいな白色を表現すること
が難しく、これらのことから光源からの光の利用効率を
向上させ、高輝度、高い色温度の映像を実現する技術が
望まれていた。
【0014】また、映像光として利用されない半分の光
成分は熱エネルギーに変換されて発散されるため、冷却
手段も必要となるという欠点もあった。
【0015】本発明はこのような問題点に鑑みて、請求
項1の発明は、光源系から出力された光を、映像信号に
基づいて駆動されるライトバルブに入射し、このライト
バルブからの射出光を用いて映像表示をなす表示装置に
おいて、上記光源系を、光源と、その背部に設けられた
反射手段、並びに前記光源及び前記反射手段により照射
された光の偏光面を回転させる1/4波長板からなる第
1の光源系と、光源と、その背部に設けられた反射手
段、並びに前記光源及び前記反射手段により照射された
光の偏光面を回転させる1/4波長板からる第2の光
源系と、前記第1の光源系及び前記第2の光源系の双方
より互いに逆方向から照射される光のうち第1の偏光成
分を反射し、第2の偏光成分を透過させる偏光分離手段
と、前記偏光分離手段により前記ライトバルブの方向と
は逆方向に反射される第1の偏光成分を反射して前記偏
光分離手段に折り返す反射手段とで構成し、前記光源系
は、前記偏光分離手段を透過した第2の偏光成分であっ
て、前記第1又は第2の光源系に入射されて反射される
ことで第1の偏光成分に変換されたものを、当該変換を
経ることなく前記ライトバルブの方向に出力される第1
の偏光成分と共に前記ライトバルブの方向に出力するこ
とを特徴とする表示装置を提供するものである。
【0016】
【作用】例えば偏光ビームスプリッタを用いて液晶パネ
ルに導入可能な偏光成分と導入不能な偏光成分(S波と
P波)を分割し、導入可能な偏光成分はそのまま液晶パ
ネルに導くとともに、導入不能な偏光成分については例
えば1/4波長板を利用して偏光方向を逆転させる光学
系を構成し、これを液晶パネルに導入することにより、
光源から出力された光成分を有効利用できることにな
る。
【0017】
【実施例】図1は本発明の一実施例としての液晶プロジ
ェクタの投影光学系を示すものである。30a,30b
は光源となるハロゲンランプ、31a,31bはハロゲ
ンランプ30a,30bからの出射光を前方方向に集中
するとともに、赤外線成分を透過して可視光のみを反射
させるコールドリフレクター、32a,32bは赤外線
を反射して可視光成分を透過するコールドフィルタであ
る。コールドリフレクター31a,31b及びコールド
フィルタ32a,32bによって、ハロゲンランプ30
a,30bからの出射光のうち、赤外線成分を除去され
た可視光成分が取り出され、映像表示に供される。
【0018】33a,33bは透過する光の偏光面を4
5°回転させる1/4波長板である。また、34B1
34B2 はB光成分のみを反射させるダイクロイックミ
ラー、34GはG光成分のみを反射させるダイクロイッ
クミラー、34RはR光成分のみを反射させるダイクロ
イックミラーである。35Bはダイクロイックミラー3
4B1 ,34B2 によって導かれるB光についてS波を
反射し、P波を透過する偏光ビームスプリッタ、36a
はミラーである。
【0019】37Rはダイクロイックミラー34Rで反
射されたR光が入射される液晶パネルであり、前記図1
2に示したように偏光板1,5、透明電極2、液晶セル
3の各層を有するように形成されている。そして、例え
ば図2のようにアクティブマトリクス方式で画素が形成
される。このマトリクス部では、ゲートライン駆動回路
によって線順次方式でゲートラインG1 〜Gm が走査さ
れ各水平ライン毎に能動素子T(TFT:薄膜トランジ
スタ)がオンとされるとともに、信号ライン駆動回路に
より信号ラインS1 〜Sn にRビデオ信号ER に基ずい
た駆動電圧が印加され、キャパシタCに信号電荷が供給
される。この信号電荷により、液晶LCは次の走査まで
駆動(励起)される。以上の走査により各画素(液晶セ
ル)の透過率が制御され、液晶パネル37RからR映像
光が得られる。なお、各画素における透過率制御動作は
前記図12で説明したものと同様であるため説明を省略
する。
【0020】また37Gはダイクロイックミラー34G
で分光されたG光が入射される液晶パネルであり、液晶
パネル37Rと同様に構成を有する。従って、Gビデオ
信号EG に基ずいた駆動電圧が印加されることにより各
画素(液晶セル)の透過率が制御され、G映像光が得ら
れる。
【0021】さらに37Bは偏光ビームスプリッタ35
Bを介して入射されるB光についての液晶パネルであ
り、同様にBビデオ信号EG に基ずいた駆動電圧が印加
されることによりB映像光が得られる。
【0022】38は液晶パネル37R及び液晶パネル3
7から出力されたR光及びG光を反射させ、また液晶パ
ネル37Bから出力された光を透過することにより、
R,G,B各映像光を合成するダイクロイックプリズム
であり、このダイクロイックプリズム38によって合成
されカラー映像光とされた光は、投射レンズ39を介し
てスクリーン投影されることになる。
【0023】ところで、この実施例においてライトバル
ブとして使用される各液晶パネル37R,37G,37
Bは前述したように一方の偏光成分、ここでは例えばS
波のみを有効な光成分として機能し、他方の偏光成分で
ある例えばP波が供給されてもこれを排除され、熱エネ
ルギーとして消費される。つまり、半分の光成分は無駄
にされている。
【0024】そこで本実施例の液晶プロジェクタでは、
特に液晶パネル37Bについては従来無駄に消費されて
いた光成分をも映像光として使用できるようにし、ダイ
クロイックプリズム38で合成された合成光内において
R光,G光に比べてB光成分を増加させることができる
ようにすることにより、高い色温度の映像光、すなわち
きれいな白色映像を得ることができるようにしている。
以下、本実施例におけるR光、G光、及び有効利用され
るB光の光路について説明する。
【0025】R光はハロゲンランプ30aの出力光から
取り出される。すなわち図1から分かるようにハロゲン
ランプ30aから出力された光成分(R光,G光,B
光)については、R光及びG光がダイクロイックミラー
34Rに達し、ダイクロイックミラー34RによってR
光成分のみが反射されて分離され、液晶パネル37Rに
達する。そして液晶パネル37RではR光のうちのS波
のみが有効利用されてR映像光として出力される。一
方、ハロゲンランプ30bから出力されるR光成分につ
いては、ダイクロイックミラー34B2 ,34Gを透過
してしまうため、液晶パネル37Rには導入されず、映
像光としての利用に供されない。
【0026】またG光はハロゲンランプ30bの出力光
から取り出される。すなわちハロゲンランプ30bから
出力された光成分については、R光及びG光がダイクロ
イックミラー34Gに達し、ダイクロイックミラー34
GによってG光成分のみが反射されて分離され、液晶パ
ネル37Gに達する。そして液晶パネル37GではG光
のうちのS波のみが有効利用されてG映像光として出力
される。一方、ハロゲンランプ30aから出力されるG
光成分については、ダイクロイックミラー34B1 ,3
4Rを透過してしまうため、液晶パネル37Gには導入
されず、映像光としての利用に供されない。
【0027】そして、B光の光路は図3,図4に示され
るようになる。まず図3でハロゲンランプ30aから出
力されるB光成分についての光路を説明する。ハロゲン
ランプ30aから出力されコールドリフレクター31
a,コールドフィルタ32a,1/4波長板33aを介
してダイクロイックミラー34B1 に反射されたB光成
分は、偏光ビームスプリッタ35Bに導かれる。そし
て、この偏光ビームスプリッタ35Bで、まずS波成分
S1のみが反射され、液晶パネル37Bに導入される。
すなわちハロゲンランプ30aから出力されたB光成分
のうち先ず半分の光成分がB映像光としての利用に供さ
れる。
【0028】一方、偏光ビームスプリッタ35Bを透過
したP波成分BP1は、ダイクロイックミラー34B2
反射され、1/4波長板33bに導入され、円偏光とな
る。そしてコールドフィルタ32bを通ってコールドリ
フレクター31bに反射され、逆位相の円偏光となる。
さらにコールドフィルタ32bを通った後1/4波長板
33bを通過することによって、直線偏光のS波BS2
なる。
【0029】S波BS2はダイクロイックミラー34B2
で反射し、さらに偏光ビームスプリッタ35Bで反射さ
れてミラー36aに達する。そしてミラー36aで反射
されて偏光ビームスプリッタ35B及びダイクロイック
ミラー34Bに反射して再び1/4波長板33bに達
し、円偏光となる。さらにコールドリフレクター31b
に反射して位相が反転した後1/4波長板33bを通過
することにより直線偏光のP波BP2となる。
【0030】P波BP2はダイクロイックミラー34B2
に反射されるが偏光ビームスプリッタ35Bでは透過さ
れてダイクロイックミラー34B1 に達し、これに反射
されて1/4波長板33aに入射される。そして円偏光
となった後コールドリフレクター31aに反射して位相
が反転され、再び1/4波長板33aを通過して直線偏
光のS波BS3となる。
【0031】S波BS3はダイクロイックミラー34B1
に反射して偏光ビームスプリッタ35Bに導かれ、偏光
ビームスプリッタ35Bに反射されて液晶パネル37B
に導入されることになる。つまり、以上の光路が形成さ
れることにより、最初に偏光ビームスプリッタ35Bを
透過して液晶パネル37Bに導入されなかったP波成分
P1は最終的にS波BS3となって偏光ビームスプリッタ
35Bに反射されて液晶パネル37Bに導入される。S
波は液晶パネル37BにおいてB映像光の生成に利用さ
れることになるため、従ってハロゲンランプ31aから
出力されるB光成分のほぼ全てを映像光として有効に利
用することができることになる。
【0032】次に図4でハロゲンランプ30bから出力
されるB光成分についての光路を説明する。ハロゲンラ
ンプ30bから出力されコールドリフレクター31b,
コールドフィルタ32b,1/4波長板33bを介して
ダイクロイックミラー34B2 に反射されたB光成分
は、偏光ビームスプリッタ35Bに導かれる。そして、
この偏光ビームスプリッタ35Bで、まずS波成分BS1
のみが反射されてミラー36aに達し、また、P波成分
P1は偏光ビームスプリッタ35Bを透過することにな
る。
【0033】まず、偏光ビームスプリッタ35Bを透過
したP波成分BP1は、ダイクロイックミラー34B1
反射され、1/4波長板33aに導入され、円偏光とな
る。そしてコールドフィルタ32aを通ってコールドリ
フレクター31aに反射され、逆位相の円偏光となり、
さらにコールドフィルタ32aを通った後1/4波長板
33aを通過することによって、直線偏光のS波BS2
なる。
【0034】S波BS2はダイクロイックミラー34B1
で反射して偏光ビームスプリッタ35Bに達すると、こ
の偏光ビームスプリッタ35Bで反射されて液晶パネル
37Bに導入される。すなわちハロゲンランプ30bか
ら当初P波成分として出力されたB光成分の半分の光成
分は、S波BS2に変換されてB映像光としての利用に供
される。
【0035】一方、偏光ビームスプリッタ35Bに反射
してミラー36aに達したS波成分BS1は、ミラー36
aに反射されて再び偏光ビームスプリッタ35Bに反射
され、ダイクロイックミラー34B2 に達する。そして
ダイクロイックミラー34B2 に反射されて1/4波長
板33bに導入され、円偏光となる。そしてコールドフ
ィルタ32bを通ってコールドリフレクター31bに反
射され、逆位相の円偏光となり、さらにコールドフィル
タ32bを通った後1/4波長板33bを通過すること
によって、直線偏光のP波BP2となる。
【0036】P波BP2はダイクロイックミラー34B2
に反射されるが偏光ビームスプリッタ35Bでは透過さ
れてダイクロイックミラー34B1 に達し、これに反射
されて1/4波長板33aに入射される。そして円偏光
となった後コールドリフレクター31aに反射して位相
が反転され、再び1/4波長板33aを通過して直線偏
光のS波BS3となる。
【0037】S波BS3はダイクロイックミラー34B1
に反射して偏光ビームスプリッタ35Bに導かれ、偏光
ビームスプリッタ35Bに反射されて液晶パネル37B
に導入されることになる。つまり、以上の光路で、ハロ
ゲンランプ30bから当初S波成分として出力されたB
光の半分の光成分は、最終的にS波BS3とされてB映像
光としての利用に供される。従ってハロゲンランプ31
aから出力されるB光成分のほぼ全ては液晶パネル37
Bに導入され、映像光として有効に利用されることにな
る。
【0038】すなわち、この実施例において映像光とし
て有効利用される光成分は、R光についてはハロゲンラ
ンプ30aから出力されたうちのS波成分、G光はハロ
ゲンランプ30bから出力された内のS波成分とされて
いるのに対し、B光についてはハロゲンランプ30aか
ら出力されたS波成分とP波成分及びハロゲンランプ3
0bから出力されたS波成分とP波成分が利用されてい
ることになり、つまり光の利用効率としてはR光:G
光:B光=1:1:4となり、カラー映像光としてのB
光成分を十分に得ることができる。このため本実施例の
液晶プロジェクタでは高い色温度の映像表現が可能にな
り、きれいな白色表示が実現される。
【0039】図5は本発明の他の実施例を示す液晶プロ
ジェクタの光学系ブロックであり、B光だけでなく、R
光及びG光についてもハロゲンランプ31a、31bか
ら出力されるほぼすべての光成分を映像光として利用で
きるようにするものである。この図5において図1と同
一部分については同一符合を付し説明を省略する。つま
り、この実施例は、図1におけるダイクロイックミラー
34R,34Gが配置されていた部分に偏光ビームスプ
リッタ35R,35Gを配置するとともに、さらにミラ
ー36b,36c,36d,36eを追加配置した構成
となっている。偏光ビームスプリッタ35Rは供給され
たR光についてS波を反射し、P波を透過する作用を有
し、また偏光ビームスプリッタ35Gは供給されたG光
についてS波を反射し、P波を透過する作用を有する。
【0040】以下、R,G,B各光の光路について説明
する。ただしB光については上記図1の実施例と全く同
様(図3,図4の光路)であるため、説明を省略する。
【0041】この実施例におけるR光の光路は図6,図
7に示される。まず図6に示すように、ハロゲンランプ
30aから出力されコールドリフレクター31a,コー
ルドフィルタ32a,1/4波長板33aを介してダイ
クロイックミラー34B1 に達し、これを透過したR光
成分は、偏光ビームスプリッタ35Rに導かれる。そし
て、この偏光ビームスプリッタ35Rで、まずS波成分
S1のみが反射され、液晶パネル37Rに導入される。
すなわちハロゲンランプ30aから出力されたR光成分
のうち先ず半分の光成分がB映像光としての利用に供さ
れる。
【0042】一方、偏光ビームスプリッタ35Rを透過
したP波成分RP1は、ミラー36c,36dに反射され
るとともに、偏光ビームスプリッタ35G,ダイクロイ
ックミラー34B2 を透過して1/4波長板33bに導
入され、円偏光となる。そしてコールドフィルタ32b
を通ってコールドリフレクター31bに反射され、逆位
相の円偏光となり、さらにコールドフィルタ32bを通
った後1/4波長板33bを通過することによって、直
線偏光のS波RS2となる。
【0043】S波RS2はダイクロイックミラー34B
2 、偏光ビームスプリッタ35Gを透過し、ミラー36
d、36cに反射されて偏光ビームスプリッタ35Rに
達し、これに反射してミラー36bに達する。そしてミ
ラー36bで反射した後、再び偏光ビームスプリッタ3
5R、ミラー36c,36dに反射され、さらに偏光ビ
ームスプリッタ35G,ダイクロイックミラー34B2
を透過して1/4波長板33bに達し、円偏光となる。
そしてコールドリフレクター31bに反射して位相が反
転した後1/4波長板33bを通過することにより直線
偏光のP波RP2となる。
【0044】P波RP2は、ダイクロイックミラー34B
2 、偏光ビームスプリッタ35Gを透過し、ミラー36
d,36cに反射されて偏光ビームスプリッタ35Rに
達し、さらにこの偏光ビームスプリッタ35R及びダイ
クロイックミラー34B1 を透過して1/4波長板33
aに入射される。そして円偏光となった後コールドリフ
レクター31aに反射して位相が反転され、再び1/4
波長板33aを通過して直線偏光のS波RS3となる。
【0045】S波RS3はダイクロイックミラー34B1
を透過して偏光ビームスプリッタ35Rに導かれ、この
偏光ビームスプリッタ35Rに反射されて液晶パネル3
7Rに導入されることになる。つまり、最初にハロゲン
ランプ31aからP波として出力された光成分も最終的
にS波RS3となって液晶パネル37Rに導入される。S
波は液晶パネル37RにおいてR映像光の生成に利用さ
れるため、ハロゲンランプ31aから出力されるR光成
分のほぼ全てが映像光として利用されることになる。
【0046】次に図7でハロゲンランプ30bから出力
されるR光成分についての光路を説明する。ハロゲンラ
ンプ30bから出力されコールドリフレクター31b,
コールドフィルタ32b,1/4波長板33bを介した
R光成分は、ダイクロイックミラー34B2 、偏光ビー
ムスプリッタ35Gを透過した後ミラー36d,36c
に反射されて偏光ビームスプリッタ35Rに導かれる。
そして、この偏光ビームスプリッタ35Rで、まずS波
成分RS1のみが反射されてミラー36bに達し、また、
P波成分RP1は偏光ビームスプリッタ35Bを透過する
ことになる。
【0047】まず、偏光ビームスプリッタ35Rを透過
したP波成分RP1は、ダイクロイックミラー34B1
透過して1/4波長板33aに導入され、円偏光とな
る。そしてコールドリフレクター31aに反射されて逆
位相の円偏光となった後、さらに1/4波長板33aを
通過することによって、直線偏光のS波RS2となる。
【0048】S波RS2はダイクロイックミラー34B1
を透過して偏光ビームスプリッタ35Rに達すると、こ
の偏光ビームスプリッタ35Rで反射されて液晶パネル
37Rに導入される。すなわちハロゲンランプ30bか
ら当初P波成分として出力されたR光の半分の光成分
は、S波RS2に変換されてR映像光としての利用に供さ
れる。
【0049】一方、偏光ビームスプリッタ35Rを反射
してミラー36bに達したS波成分RS1は、ミラー36
bに反射された後、偏光ビームスプリッタ35R、ミラ
ー36c,36dに反射され、偏光ビームスプリッタ3
5G、ダイクロイックミラー34B2 を透過して1/4
波長板33bに導入され、円偏光となる。そしてコール
ドリフレクター31bに反射されて逆位相の円偏光とな
り、再び1/4波長板33bを通過することによって、
直線偏光のP波RP2となる。
【0050】P波RP2はダイクロイックミラー34B
2 、偏光ビームスプリッタ35Gを透過し、ミラー36
d,36cに反射された後、偏光ビームスプリッタ35
Rを透過してダイクロイックミラー34B1 に達し、こ
れを透過して1/4波長板33aに入射される。そして
円偏光となった後コールドリフレクター31aに反射し
て位相が反転され、再び1/4波長板33aを通過して
直線偏光のS波RS3となる。
【0051】S波RS3はダイクロイックミラー34B1
を透過して偏光ビームスプリッタ35Rに導かれ、この
偏光ビームスプリッタ35Rに反射されて液晶パネル3
7Rに導入されることになる。従って、ハロゲンランプ
30bから当初S波成分として出力されたR光成分の半
分の光成分は、最終的にS波RS2とされてR映像光とし
ての利用に供される。
【0052】図5の実施例におけるG光の光路は図8,
図9に示される。まず図8に示すように、ハロゲンラン
プ30aから出力されコールドリフレクター31a,コ
ールドフィルタ32a,1/4波長板33aを介したG
光成分は、ダイクロイックミラー34B1 、偏光ビーム
スプリッタ35Rを透過した後ミラー36c,36dに
反射されて偏光ビームスプリッタ35Gに導かれる。そ
して、この偏光ビームスプリッタ35Gで、まずS波成
分GS1のみが反射されてミラー36eに達し、また、P
波成分GP1は偏光ビームスプリッタ35Gを透過するこ
とになる。
【0053】まず、偏光ビームスプリッタ35Gを透過
したP波成分GP1は、ダイクロイックミラー34B2
透過して1/4波長板33bに導入され、円偏光とな
る。そしてコールドリフレクター31bに反射されて逆
位相の円偏光となった後、さらに1/4波長板33bを
通過することによって、直線偏光のS波GS2となる。
【0054】S波GS2はダイクロイックミラー34B2
を透過して偏光ビームスプリッタ35Gに達すると、こ
の偏光ビームスプリッタ35Gで反射されて液晶パネル
37Gに導入される。すなわちハロゲンランプ30aか
ら当初P波成分として出力されたG光の半分の光成分
は、S波GS2に変換されてG映像光としての利用に供さ
れる。
【0055】一方、偏光ビームスプリッタ35Gを反射
してミラー36eに達したS波成分GS1は、ミラー36
eに反射された後、偏光ビームスプリッタ35G、ミラ
ー36d,36cに反射され、偏光ビームスプリッタ3
5R、ダイクロイックミラー34B1 を透過して1/4
波長板33aに導入され、円偏光となる。そしてコール
ドリフレクター31aに反射されて逆位相の円偏光とな
り、再び1/4波長板33aを通過することによって、
直線偏光のP波GP2となる。
【0056】P波GP2はダイクロイックミラー34B
1 、偏光ビームスプリッタ35Rを透過し、ミラー36
c,36dに反射された後、偏光ビームスプリッタ35
Gでは透過されてダイクロイックミラー34B2 に達
し、これを透過して1/4波長板33bに入射される。
そして円偏光となった後コールドリフレクター31bに
反射して位相が反転され、再び1/4波長板33bを通
過して直線偏光のS波GS3となる。
【0057】S波GS3はダイクロイックミラー34B2
を透過して偏光ビームスプリッタ35Gに導かれ、この
偏光ビームスプリッタ35Gに反射されて液晶パネル3
7Gに導入されることになる。従って、ハロゲンランプ
30aから当初S波成分として出力されたG光の半分の
光成分は、最終的にS波GS2とされてG映像光としての
利用に供される。
【0058】次に図9でハロゲンランプ30bから出力
されるG光成分についての光路を説明する。ハロゲンラ
ンプ30bから出力されコールドリフレクター31b,
コールドフィルタ32b,1/4波長板33bを介して
ダイクロイックミラー34B2 に達し、これを透過した
G光成分は、偏光ビームスプリッタ35Gに導かれる。
そして、この偏光ビームスプリッタ35Gで、まずS波
成分GS1のみが反射され、液晶パネル37Gに導入され
る。すなわちハロゲンランプ30bから出力されたG光
成分のうち、まず半分の光成分がG映像光としての利用
に供される。
【0059】一方、偏光ビームスプリッタ35Gを透過
したP波成分GP1は、ミラー36d,36cに反射され
るとともに、偏光ビームスプリッタ35R,ダイクロイ
ックミラー34B1 を透過して1/4波長板33aに導
入され、円偏光となる。そしてコールドリフレクター3
1aに反射されて逆位相の円偏光となった後、1/4波
長板33aを通過することによって、直線偏光のS波G
S2となる。
【0060】S波GS2はダイクロイックミラー34B
1 、偏光ビームスプリッタ35Rを透過し、ミラー36
c、36dに反射されて偏光ビームスプリッタ35Gに
達し、これに反射してミラー36eに達する。そしてミ
ラー36eで反射した後、再び偏光ビームスプリッタ3
5G、ミラー36d,36cに反射され、さらに偏光ビ
ームスプリッタ35R,ダイクロイックミラー34B1
を透過して1/4波長板33aに達し、円偏光となる。
そしてコールドリフレクター31aに反射して位相が反
転した後1/4波長板33aを通過することにより直線
偏光のP波GP2となる。
【0061】P波GP2は、ダイクロイックミラー34B
1 、偏光ビームスプリッタ35Rを透過し、ミラー36
c,36dに反射されて偏光ビームスプリッタ35Gに
達し、さらにこの偏光ビームスプリッタ35G及びダイ
クロイックミラー34B2 を透過して1/4波長板33
bに入射される。そして円偏光となった後コールドリフ
レクター31bに反射して位相が反転され、再び1/4
波長板33bを通過して直線偏光のS波GS3となる。
【0062】S波GS3はダイクロイックミラー34B2
を透過して偏光ビームスプリッタ35Gに導かれ、この
偏光ビームスプリッタ35Gに反射されて液晶パネル3
7Gに導入されることになる。つまり、最初にハロゲン
ランプ31bからP波として出力された光成分も最終的
にS波GS3となって液晶パネル37Gに導入され、G映
像光として利用されることになる。従って、ハロゲンラ
ンプ31bから出力されるR光成分のほぼ全ても映像光
として利用される。
【0063】この実施例では以上のとおり、映像光とし
て有効利用される光成分は、R光、G光、B光の全てに
ついて、ハロゲンランプ30aから出力されたS波成分
とP波成分及びハロゲンランプ30bから出力されたS
波成分とP波成分が利用されていることになり、比較的
ヒータの短いハロゲンランプ等を光源として採用して
も、非常に高輝度のカラー映像光を得ることができる。
【0064】なお、いずれの実施例においても、光源と
して2個のハロゲンランプを使用しているが、これによ
り、平行光成分が多く、液晶パネルに対する有効光が増
加するという利点もある。さらに、液晶パネルにおいて
利用されず、熱として無駄に発散されてしまう成分を解
消したことから、冷却手段を設けることも不要になり、
製造コストの削減にも有効である。
【0065】なお、各液晶パネル37R,37G,37
BではS波が導入されて映像光として利用されるものと
したが、各液晶パネル37R,37G,37BがP波を
導入する構成を採っているときは、それに応じて光学系
(光学素子)を変更すればよい。
【0066】ところで、上記実施例は液晶プロジェクタ
の例で説明したが、液晶パネルをライトバルブとして使
用した表示装置であればどのような表示装置であっても
本発明は適用できる。もちろん光学系の構成は上記例に
限定されるものではない。また、液晶パネルを3枚使用
した3板式に限らず、2板式、1板式のもの等において
も本発明は採用できる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように本発明の液晶表示装
置は、光源から出力されたP偏光成分とS偏光成分から
なる光成分のうち、液晶パネルに導入される一方の偏光
成分を液晶パネルに導く光学系と、液晶パネルに導入さ
れない他方の偏光成分を、液晶パネルに導入される一方
の偏光成分に変換してから液晶パネルに導くことができ
る光学系とを有するように構成することにより、光源か
らの出力光を映像光として著しく有効利用できることに
なり、映像の高輝度化や、高色温度の映像を容易に実現
することができるという効果がある。さらに、1/4波
長板を用いることにより、光の出射方向を自由に変更で
きると共に、光源系を複数用いて、より一層の映像の高
輝度化や、高色温度の映像を容易に実現することができ
るというさらなる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す光学ブロック図であ
る。
【図2】本実施例の液晶パネルのマトリクス部の等価回
路図である。
【図3】本実施例におけるB光の光路の説明図である。
【図4】本実施例におけるB光の光路の説明図である。
【図5】本発明の他の実施例を示す光学ブロック図であ
る。
【図6】図5の実施例におけるR光の光路の説明図であ
る。
【図7】図5の実施例におけるR光の光路の説明図であ
る。
【図8】図5の実施例におけるG光の光路の説明図であ
る。
【図9】図5の実施例におけるG光の光路の説明図であ
る。
【図10】従来の液晶プロジェクタの光学ブロック図で
ある。
【図11】光の直線偏光の説明図である。
【図12】液晶パネルの動作の説明図である。
【符号の説明】
30a,30b ハロゲンランプ 31a,31b コールドリフレクター 32a,32b コールドフィルタ 33a,33b 1/4波長板 34B1 ,34B2 ,34R,34G ダイクロイック
ミラー 35B,35R,35G 偏光ビームスプリッタ 36a,36b,36c,36d,36e ミラー 37B,37R,37G 液晶パネル 38 ダイクロイックプリズム 39 投射レンズ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源系から出力された光を、映像信号に
    基づいて駆動されるライトバルブに入射し、このライト
    バルブからの射出光を用いて映像表示をなす表示装置に
    おいて、 上記光源系を、 光源と、その背部に設けられた反射手段、並びに前記光
    源及び前記反射手段により照射された光の偏光面を回転
    させる1/4波長板からなる第1の光源系と、 光源と、その背部に設けられた反射手段、並びに前記光
    源及び前記反射手段により照射された光の偏光面を回転
    させる1/4波長板からる第2の光源系と、 前記第1の光源系及び前記第2の光源系の双方より互い
    に逆方向から照射される光のうち第1の偏光成分を反射
    し、第2の偏光成分を透過させる偏光分離手段と、 前記偏光分離手段により前記ライトバルブの方向とは逆
    方向に反射される第1の偏光成分を反射して前記偏光分
    離手段に折り返す反射手段とで構成し、 前記光源系は、前記偏光分離手段を透過した第2の偏光
    成分であって、前記第1又は第2の光源系に入射されて
    反射されることで第1の偏光成分に変換されたものを、
    当該変換を経ることなく前記ライトバルブの方向に出力
    される第1の偏光成分と共に前記ライトバルブの方向に
    出力することを特徴とする表示装置。
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