JP3317782B2 - 毒餌剤容器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の目的】この発明はゴキブリ類を駆除するために
用いられる毒餌剤容器に関する。

【０００２】

【発明の構成】ゴキブリ類は、鋭敏な触覚を備えてお
り、狭く、暗く、空気の流動が少ない空間に居ることを
好む習性を有し、また、ゴキブリ類は狭い隙間に進入す
る習性を有する。一般に、ゴキブリ類を駆除するために
用いられる毒餌剤は、家庭内で乳幼児や愛玩動物が、誤
まってこれを食することを防止するために、容器に収容
して設置されている。

【０００３】本願発明者らは、ゴキブリ類の有効な駆除
剤を開発すべく種々検討した結果、上述のゴキブリ類の
習性を利用して、ゴキブリ類が進入し易い進入口と、ゴ
キブリ類が入り込み、落ち着いて接餌でき、かつ、容易
に方向変換して退去できる空間を有する新規な毒餌剤容
器を見いだし、この発明に至った。

【０００４】すなわち、この発明は、上下２枚の板およ
びこの２枚の板を結合せしめる側壁からなる偏平状毒餌
剤容器であって、前記側壁にはゴキブリ類が接触通過可
能な少なくとも１つの小孔を有し、前記容器の内部は、
ゴキブリ類の触角の先端が接触し得る範囲の高さであ
り、ゴキブリ類が横方向に自由に移動可能な空間を形成
するように、前記小孔に近接しない側壁の内側に毒餌剤
を密接して配設した毒餌剤容器（以下、本願容器と記
す。）に関するものである。

【０００５】本願容器の側壁に設けられる小孔の大きさ
は、駆除対象のゴキブリ類が接触通過可能な大きさであ
り、具体的には、ゴキブリ類が背面、腹面、側面等の体
を小孔の縁に接触させながらかろうじて通過できる程度
の大きさであり、ゴキブリ類の体の大きさがその種類、
成長の程度によって大きく異なるので、変わり得るもの
である。

【０００６】この発明における小孔の形状はゴキブリ類
の体型を考慮すると横長が好ましく、例えば長方形、楕
円形等の形状を挙げることができる。

【０００７】前記小孔は、ゴキブリ類の進入効率を考慮
すると複数個設けられる方が好ましく、この小孔が複数
個設けられる場合、それらは均一でも構わないが、駆除
対象のゴキブリ類の大きさがその種類（例えば、クロゴ
キブリ、チャバネゴキブリ等）、成長の程度により異な
っていることが通常であることから、それら種々のゴキ
ブリ類を本願容器中へより効率的に進入させるためには
それぞれの大きさに応じた、すなわち、不均一な小孔が
設けられる方がより好ましい。

【０００８】本願容器に用いられる毒餌剤は、上記小孔
が近接しない側壁の内側、好ましくは隅部等の、該側壁
が形成する空間の狭窄した部位である側壁の内側に密接
して配設される。

【０００９】本願容器において該毒餌剤は所謂行き止ま
り部分に配設されているので、その環境はゴキブリ類が
好む、狭く、暗く、空気の流動が少ないものとなってお
り、よって落ち着いて摂餌することができ、かつ、容器
内の空間は分断されず連続しており、よってゴキブリ類
は横方向に自由に移動可能な空間、具体的には、ゴキブ
リ類が入り込み、毒餌剤を摂餌した後容易に方向変換し
て本容器から退去できる空間を効率的に確保することが
できる。

【００１０】本願容器の内部の高さは、ゴキブリ類の触
角の先端がその天井に接触し得る範囲である。

【００１１】本願容器に用いられる毒餌剤を移動しない
よう固定するために、本願容器の下板の内側の所定位置
には該毒餌剤を収容、固定する収容枠や本願容器の上板
および／または下板の所定位置には支持棒が設けられる
ことが好ましい。

【００１２】この発明に用いられる毒餌剤は、ゴキブリ
類の駆除に通常使用されている毒餌剤でよく、例えばフ
ェニトロチオン（fenitrothion）、ヒドラメチルノン
（hydramethylnon）を有効成分とするものが挙げられ、
さらにこれらの有効成分はマイクロカプセル化されてい
てもよい。

【００１３】以下、本願実施例を、添付図面に基づいて
さらに詳細に説明する。第１実施例の容器Ａを図１
（ａ）〜（ｃ）に示す。本容器Ａは一辺約４５ｍｍの正
四角形である下板、一辺約４５ｍｍの正四角形である凸
型上板および高さ約１０ｍｍの４枚の側壁１からなり、
内部の高さが約１３ｍｍの合成樹脂製の容器である。こ
の４枚の側壁のうち２枚の側壁には横７ｍｍ、縦４ｍｍ
の長方形の小孔２が設けられ、残りの２枚の側壁には横
21ｍｍ、縦７ｍｍの長方形の小孔３が設けられている。
容器Ａの下板には、収容枠５が隣接した２枚の側壁の内
側に密接して設けられており、直径約15ｍｍ、高さ約６
ｍｍの円柱形の毒餌剤４を収容している。収容枠５で囲
まれた下板の中央部には支持棒９が設けられており、こ
れと対向するように上板にも支持棒９が設けられてお
り、収容枠５と共に毒餌剤を固定している。下板と側
壁、および側壁同士はそれぞれ垂直に接しており、それ
らは一体となって凹型基体ａを形成している。容器Ａの
上板７の四隅には連結用の軸６が備えられており、ま
た、上記凹型基体ａの四隅には該軸６の差し込み穴８が
備えられいる。

【００１４】第２実施例の容器Ｂを図２（ａ）、（ｂ）
に示す。本容器Ｂは正八角形の上下２枚の板および８枚
の側壁１からなる合成樹脂製の容器である。この８枚の
側壁のうち隣接する５枚の側壁にはゴキブリ類の進入用
の長方形状の小孔２および小孔２より大きめの長方形状
の小孔３が交互に設けられている。この下板の内側に
は、上記小孔が設けられていない３枚の側壁の中央の１
枚の内側に密接して収容枠５が設けられており、毒餌剤
４を収容している。この下板と各側壁および側壁同士は
一体となって凹型基体を形成している。容器Ａの上板の
８隅のうち１隅置きの４隅には連結用の軸６が設けられ
ており、上記凹型基体の８隅のうち１隅置きの４隅には
該軸６の差し込み穴８が設けられている。

【００１５】第３実施例の容器Ｃを図３（ａ）、（ｂ）
に示す。本容器Ｃは十字状形の上下２枚の板および連続
した曲面状側壁からなる合成樹脂製容器である。この側
壁１の４か所の凸面のうち３か所には長方形状の小孔２
が設けられており、上記凸面にはさまれた該側壁の２か
所の凹面には小孔２より大型の長方形状の小孔３が設け
られている。この下板と該側壁は一体となっており、凹
型基体を形成している。上板の４か所には連結用軸６が
設けられており、上記凹型基体には該軸６の差し込み穴
８が設けられている。

【００１６】

【発明の効果】この発明は、以上説明したように、ゴキ
ブリ類の容器への進入効率、毒餌剤の摂餌効率が共に高
い形状としたので、ゴキブリ類が容易に入りこんで落ち
ついて摂餌でき、かつ容易に方向転換して退去できる空
間を確保できる利点があるので、この毒餌剤容器を用い
てゴキブリ類を有効に駆除することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）第１実施例の斜視図 （ｂ）第１実施例の上板を外した平面図 （ｃ）第１実施例の縦断面図

【図２】（ａ）第２実施例の斜視図 （ｂ）第２実施例の上板を外した平面図

【図３】（ａ）第３実施例の斜視図 （ｂ）第３実施例の上板を外した平面図

【符号の説明】

Ａ、Ｂ、Ｃ 容器 １ 側壁 ２、３ 小孔 ４ 毒餌剤 ５ 収容枠 ６ 軸 ７ 上板 ８ 差し込み穴 ９ 支持棒 ａ 凹型基体

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下２枚の板およびこの２枚の板を結合
   せしめる側壁からなる偏平状毒餌剤容器であって、前記
   側壁には駆除対象のゴキブリ類が接触通過可能な少なく
   とも１つの小孔を有し、前記容器の内部は、ゴキブリ類
   の触角の先端が接触し得る範囲の高さであり、上記少な
   くとも２つの側壁によって隅部を形成し、この隅部に毒
   餌剤を配置し、上記隅部から離れた位置に上記小孔を設
   けたことを特徴とする毒餌剤容器。
2. 【請求項２】 前記小孔が複数個である請求項１記載の
   毒餌剤容器。
3. 【請求項３】 前記複数個の小孔の大きさが不均一であ
   る請求項２記載の毒餌剤容器。
4. 【請求項４】 正８角形の上下２枚の板および８枚の側
   壁からなる偏平状毒餌剤容器であって、８枚の側壁のう
   ち、隣接する３枚の側壁の中央の側壁の内側に毒餌剤を
   配置し、他の５枚の側壁の少なくとも１か所に、駆除対
   象のゴキブリ類が接触通過可能な小孔を設けたことを特
   徴とする毒餌剤容器。
5. 【請求項５】 十字形状の上下２枚の板および連続した
   曲面状側壁からなる偏平状毒餌剤容器であって、前記曲
   面状側壁の４か所の凸面の内、一つの凸面の内側に毒餌
   剤を配置し、他の３か所の凸面の少なくとも１か所に、
   駆除対象のゴキブリ類が接触通過可能な小孔を設けたこ
   とを特徴とする毒餌剤容器。