JP3312885B2 - 光伝送システム - Google Patents
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Description
光信号を伝送する光通信システムに関する。
加させるためには、光信号の減衰等を考慮すると光信号
電力を増加する必要があるが、光伝送路として一般的に
用いられる光ファイバはその中を伝搬する光信号の電力
及び伝送距離の増加とともにその非線形性による効果が
顕著となることが知られている。そのため、この非線形
による効果により光伝送システムの伝送可能距離が制限
される。
べるような現象を引き起こすことが一般的に知られてい
る。 (1)光強度変化に応じた信号光自身の位相変化をもた
らす自己位相変調 (2)異なる波長の信号光間又は信号光と光雑音光間の
相互作用を起こす四光波混合 (3)相互位相変調 光ファイバの非線形性に起因する現象は、例えば、G.P.
Agrawal著,NonlinearFiber Optics, Academic Press発
行にその詳細が記載されている。
クトルを拡大するため、光ファイバの波長分散による信
号光波形劣化を増大させる。この波形劣化の原因となる
光ファイバの波長分散は、一般的に2次以上の次数の分
散を意味する。すなわち、自己位相変調効果のみ考え、
この効果の低減又は防止を図る場合には光ファイバの零
分散波長において光信号伝送すれば良いことになる。
る波長の光信号間あるいは光信号と光雑音間の群速度差
に依存し、この群速度差が大きいほど相互作用の大きさ
は小さくなる。この群速度差は、2次分散値にほぼ比例
するので、四光波混合及び相互位相変調効果を低減する
ためには2次分散値が大きくなるようにすればよい。こ
れらの相反する条件を満たすために従来の伝送路は図7
に示す配置であった。図7は、従来の伝送路の配置を示
す図であり、(a)は伝送路の物理的な配置を示し、
(b)は(a)に示された伝送路の2次分散値の分布を
示し、(c)は(a)に示された伝送路の3次分散値の
分布を示す。
れた従来の伝送路は、伝送ファイバ30、光増幅器3
2、伝送ファイバ34、光増幅器36、及び分散補償フ
ァイバ38からなる単位伝送路が縦続接続されてなる。
上記伝送ファイバ30,34は2次分散が零ではなく、
図7に示した例では負の分散値を有する。また、分散補
償ファイバ38は、光信号が伝送ファイバ30,34中
を伝搬した際に生ずる分散を補償するためのものであ
り、図7に示した例では2次分散値が正の値を有する。
このように、従来は2次分散が零でない光ファイバ3
0,34と、ある伝送距離ごとに2次分散値が零になる
ように挿入された分散補償ファイバ38とを組み合わせ
て用いている。
光伝送システムにおいては、2次分散値のみに着目し、
この2次分散値を零とする構成であるので、一般的に用
いられる光ファイバが有する3次以上の高次分散は零と
はならない。例えば、図7に示した例では、3次分散値
に着目すると、伝送ファイバ30、伝送ファイバ34、
及び分散補償ファイバ38の何れもが正の値の3次分散
値を有しており、この分散が何等補償されていない。こ
のため、伝送路を伝搬してきた光信号は、光ファイバが
有する3次以上の高次分散の影響を受けた結果となる。
従来の光システムにおいては3次以上の高分散が全く考
慮されていないため、伝送路全体の影響を受ける。
形性が無視できない場合には送信装置10又は受信装置
20でこれらの分散を補償する装置を挿入しても信号波
形劣化を生ずることになる。上記高次分散のなかでも、
特に3次分散はより高次の分散に比べて相対的に分散値
が最も大きいため問題となる。また、3次分散が零でな
い場合、2次分散値が波長によって異なることになる。
散特性と波長多重信号との関係の説明するための図であ
る。図8において、符号Cpが付された線は、図7中の
分散補償ファイバ38の波長と2次分散値との関係を示
す線であり、符号Cnが付された線は、図7中の伝送フ
ァイバ30,34の波長と2次分散値との関係を示す線
であり、符号Ccが付された線は、図7中の分散補償フ
ァイバ38と伝送ファイバ30,34とを組み合わせた
場合の波長と2次分散値との関係を示す線である。
を用いて波長多重伝送を行う場合には、ある波長(図8
に示した例ではλ2)の光信号に対しては2次分散値を
零にすることができるが、それ以外の信号波長(図8に
示した例ではλ1,λ3,λ4)に対しては2次分散値を
零とすることが不可能になる。その結果、これらの波長
(図8に示した例ではλ1,λ3,λ4)の信号が伝送路
を伝搬すると分散を生じ、しかも伝送路中においてこの
分散が補償されないため2次分散がシステム全体にわた
って累積する。伝搬中の光信号に対して光ファイバの非
線形性が無視できない場合には、送信装置10又は受信
装置20で分散補償を行っても、信号波形劣化を引き起
こすことになり問題であった。
あり、光伝送システムにおいて、光ファイバ中の3次分
散がシステム全体にわたって累積することによる伝送特
性劣化を抑圧する手段を備えることにより簡単な構成で
システムの伝送容量、伝送距離制限を解決する光伝送シ
ステムを提供することを目的とする。
に、本発明は、少なくとも互いに逆符号の2次分散及び
3次分散を有する光ファイバを組み合わせた光ファイバ
伝送路を有し、前記伝送路全体の平均3次分散値を減少
させ、且つ前記伝送路を構成する各々の光ファイバの長
さが、各々の光ファイバの2次分散値と信号のパルス幅
とから決まる2次分散長と、各々の光ファイバ内の信号
の平均電力及び各々の光ファイバの光ファイバ非線形定
数で決まる非線形長との積の平方根で定まる長さよりも
十分短くなるように前記光ファイバをそれぞれ配置する
ことを特徴とする。また、本発明は、前記伝送路内にお
ける任意の区間であって、波長多重信号の各信号間波長
間隔、信号のパルス幅、及び2次分散値によって決まる
ウォークオフ長及びコヒーレンス長よりも十分長い長さ
の区間において、前記伝送路の平均2次分散値を有限値
に保ち、且つ、前記2次分散値と信号のパルス幅とから
決まる2次分散長と、前記光ファイバ内の信号の平均電
力及び前記光ファイバの光ファイバ非線形定数で決まる
非線形長との積の平方根で定まる長さよりも短い長さの
区間において、前記2次分散値が零になるように前記光
ファイバをそれぞれ配置することを特徴とする。更に、
本発明は、光中継器として動作する光増幅器を更に有
し、前記光ファイバの組み合わせにおいて、非線形定数
の小さい光ファイバを前記光増幅器の出力側に配置する
ことを特徴とする。また、本発明は、正符号の前記2次
分散及び3次分散を有する光ファイバと、負符号の前記
2次分散及び3次分散を有する光ファイバとの長さが等
しいことを特徴とする。また、本発明は、前記伝送路
が、上り回線と下り回線とを有し、前記上り回線及び下
り回線に対して前記2次分散値を零とする共通の区間を
設けたことを特徴とする。また、本発明は、前記伝送路
の両端部分の光ファイバは、少なくとも20キロメート
ル以上、前記上り回線及び下り回線共に同種類の光ファ
イバであることを特徴とする。
て互いに逆符号の2次分散及び3次分散を有する光ファ
イバを組み合わせて用い、これら光ファイバのパラメー
タを調整し、配置することにより、光ファイバ非線形性
と光ファイバ分散特性に起因する伝送特性劣化が十分小
さくなるようにしている。本発明に係わる光伝送システ
ムでは、基本的な光送受信及び中継伝送機能は従来どお
りの光送受信器及び光ファイバ伝送路、光増幅中継器に
より実現される。この光ファイバ伝送路を互いに逆符号
の2次分散及び3次分散を有する光ファイバを組み合わ
せを用いて構成することにより、3次分散がシステム全
体にわたって累積することが避けられる。同時に、2次
分散値も自己位相変調効果、相互位相変調効果、四光波
混合による信号劣化を低減するようにその配置を管理し
ているので、これによる影響は2次分散値のみ管理して
いた従来システムと同様に防ぐことができる。本発明に
より、光ファイバ非線形性と光ファイバ分散特性に起因
する伝送特性劣化を大幅に緩和することができ、システ
ムの容量増加、伝送距離増大に効果的である。また、実
際の敷設を考慮して、正符号の前記2次分散及び3次分
散を有する光ファイバと、負符号の前記2次分散及び3
次分散を有する光ファイバとの長さとを等しくし、更
に、上り回線及び下り回線とを有する場合には、上り回
線及び下り回線に対して2次分散値を零とする共通の区
間を設けたので、伝送路を実際に敷設する際の建設及び
保守が容易になる。更に、伝送路の両端部分の光ファイ
バは、少なくとも20キロメートル以上、上り回線及び
下り回線共に同種類の光ファイバを用いているので、保
守が容易且つ迅速に行える。
実施形態による光伝送システムについて詳細に説明す
る。図1は、本発明の一実施形態による光伝送システム
の構成を示すブロック図であり、(a)は伝送路の物理
的な配置を示し、(b)は(a)に示された伝送路の2
次分散値の分布を示し、(c)は(a)に示された伝送
路の3次分散値の分布を示す。
一波長又は波長多重光信号を発生し、送信装置10と受
信装置20との間に設けられた伝送路は、正分散ファイ
バ40、負分散ファイバ42、光増幅器44、正分散フ
ァイバ46、負分散ファイバ48、光増幅器50、正分
散ファイバ52、及び正分散ファイバ54からなる単位
伝送路が縦続接続されてなる。
52,54は、正符号の2次及び3次分散を有し、上記
負分散ファイバ42,48は負符号の2次及び3次分散
を有する。また、上記正分散ファイバ40,46,5
2,54の長さはLpであり、負分散ファイバ42,4
8はLnである。
54の2次及び3次分散をそれぞれD2p,D3pとし、負
分散ファイバ42,48の2次及び3次分散をそれぞれ
D2n,D3nとする。また、正分散ファイバ40,46,
52,54及び負分散ファイバ42,48を組み合わせ
た区間、即ち単位伝送路の平均2次分散値をD2sとし、
平均3次分散をD3sとする。また、システム全長をLと
する。
を考え、光ファイバ内の一波長信号あたりの平均電力を
P、光ファイバ非線形定数をk2、信号のパルス幅を
T0、信号光波長をλ(近似的に全ての信号波長に対し
て共通とする)、波長間隔をΔλとし、下の(1)〜
(5)式に示される特性長を定義する。
バの非線形性の尺度となり、LD2及びLD3はそれぞれ2
次分散長及び3次分散長で、それぞれ2次分散及び3次
分散の大きさの尺度である。ただし、(2)から(5)
式中のD2は簡単のためD2p、D2n、又はD2sのいずれ
かの場合を代表して記述している。同様に、(2)から
(5)式中のD3はD3p、D3n、又はD3sのいずれかを
代表して記述している。尚、本明細書中で用いられる語
句「パルス幅」は、パルス波形の半値全幅若しくは半値
半幅又はパルス波形ピーク値の1/e(ここで、eは指
数関数)の値となるパルスの幅をもって定義してもよ
い。
きさの尺度であり、Lcohはコヒーレンス長で四光波混
合の大きさの尺度となる。ただし、ここではコヒーレン
ス長Lcohは縮退四光波混合の場合を対象としている。
本実施形態では、まず2種類のファイバ長Lp,Lnをそ
れぞれ
の数式で表される値の1/2以下とすることにより、こ
れらの区間内で起こる光ファイバ線形性と2次分散によ
る信号波形劣化を回避することが可能である(例えば、
Journal of Lightwave Technology,vol.13. No.5, p86
2, 1995 参照)。図1では、一単位伝送路内に2種類の
光ファイバを配置しているが、上述の条件を満たしてい
れば、それぞれの光ファイバを中継区間をまたいで配置
してもよいことは明らかである。
間の平均2次分散値D2sを、零ではなく有限の値として
残留させることにより、相互位相変調効果と四光波混合
効果が低減される。しかしながら、一方で平均2次分散
値D2sと光ファイバ線形性に起因する劣化が生ずるの
で、ある距離Lsにおいて2次分散及び3次分散が零又
は十分小さくなるように補償する。このときLsは上記
と同様の理由により
よる信号波形劣化を回避するためにはある距離Lsを
合効果を十分低減するために、ある距離Lsはウォーク
オフ長Lwより十分大きくする必要がある。通常の条件
において、Lcoh<Lwなので、例えば、ある距離Lsは
ウォークオフ長Lw程度以上の値(例えば5倍以上)に
設定すればよい(例えば、電子情報通信学会光通信シス
テム研究会,OCS96−57,p37,1996参
照)。
次分散及び3次分散を零にするためには以下の条件が満
たされている必要がある。
Lsの区間内の正分散ファイバ、負分散ファイバの番号
を表す。また、N及びMはある距離Ls区間内のそれぞ
れファイバの総数を表す。図1に示した例では、正分散
ファイバ46,52を光増幅器44,50各々の出力側
に配置しているが、これは正分散ファイバ46,52の
方が負分散ファイバ42,48よりも非線形定数が小さ
いと仮定し、ファイバ非線形効果の影響を考慮したもの
である。
分散ファイバ46,52よりも非線形定数が小さい場合
又は非線形定数の大きさに関わらず光増幅器出力側にこ
れを配置した場合でも上記の内容に変更はないことは明
らかである。以下、ある距離Lsの範囲の分散配置を同
様に繰り返すことによって本実施形態のシステム全体が
構成される。
システムの波長に対する相対的信号対雑音比の実験結果
と従来の光伝送システムの波長に対する相対的信号対雑
音比の実験結果とを示した図である。この実験結果は、
図1に示した送信装置10から単一波長の10Gb/s
のNRZ(Non-Return-to-Zero)信号(パルス幅100
ps)を送出し、光増幅器44,50を約50km間隔
で配置して中継伝送したものである。尚、パルスのパワ
ーは0.2mWであり、伝送路の全長は9000kmで
ある。
として、図7における伝送ファイバ30の2次分散値を
−1Ps/nm/km、3次分散値を0.07Ps/n
m2/kmとし、500km伝送ごとに2次分散を零に
するような分散補償ファイバ38を挿入した。また、本
発明の一実施形態による構成においては、正分散ファイ
バ40,46,52,54と負分散ファイバ42,48
との組み合わせにより、3次分散値を0.01Ps/n
m2/kmまで低減した。
り、図8を用いて説明したように3次分散が零でないこ
とに起因する2次分散の累積が起こることになる。その
結果、図2に示したように、従来の光伝送システムにお
いては零分散波長伝送時に比較して著しいSNR劣化を
もたらすが、本発明によれば広い波長域において、この
様な劣化が改善されていることが明らかである。
において単純に2次分散と3次分散が零になるように組
み合わせた場合の伝送特性の計算結果の例を示す図であ
る。また、図4は、本発明の一実施形態による光伝送シ
ステムの伝送特性の計算結果を示す図である。図3にお
いては、2種類のファイバを組み合わせた区間の平均2
次分散値D2sを単純に零とし、図4においては、平均2
次分散値D2sを有限の値として残留させている。
て、10Gb/sのNRZ(パルス幅100ps)信
号、信号波長数は8波、波長間隔1nm、一波長あたり
ファイバ内平均信号電力は0.2mWとしている。図3
に示されたように、平均2次分散値D2sを単純に零とし
た場合には著しい信号波形のアイ開口劣化が生ずるが、
図4に示されたように、本実施形態を用いればこれ劣化
は著しく改善されることが明らかである。
たが、次に本発明を実際の光伝送システムに適用する場
合について具体的に説明する。実際の光伝送システムに
用いられる光伝送ケーブルは、互に逆方法の上り回線と
下り回線とが対になり、これら上り回線用の光ファイバ
と下り回線用の光ファイバとが対を含んでなるのが一般
的である。また、単位時間においてある程度以上の情報
量を伝送しなければならないとの要求から、光伝送ケー
ブルは上記光ファイバの対が複数設けられて構成される
のが一般的である。
種類の光ファイバで光伝送路を構成する場合には、上り
回線及び下り回線の何れにも正分散ファイバ及び負分散
ファイバを必要とする。よって、1本の上り回線及び1
本の下り回線からなる光伝送路を考えると、光伝送路を
構成する光伝送ケーブルの組み合わせは4通り必要とな
る。つまり、上り回線及び下り回線共に正分散ファイバ
で構成される光伝送ケーブル、上り回線が正分散ファイ
バ、下り回線が負分散ファイバで構成される光伝送ケー
ブル、上り回線が負分散ファイバ、下り回線が正分散フ
ァイバで構成される光伝送ケーブル、並びに上り回線及
び下り回線共に負分散ファイバで構成される光伝送ケー
ブルである。ただし、上り、下り回線に符号の異なるフ
ァイバを用いる場合には、光伝送ケーブルの接続方向を
互いに逆にすることで互換できることは明らかであるの
で、実際には上述の4種類の光伝送ケーブルの内の3種
類の光伝送ケーブルで済むことになる。
いて、これら3種類のケーブルを必要に応じて複数組み
合わせて光伝送路を構成することは、建設時及び保守上
複雑さを伴う。以下、この問題を解決した本発明の他の
実施形態について説明する。本実施形態による光伝送シ
ステムは、上述した一実施形態と同様に、単一波長又は
波長多重の信号を出力する送信装置と、送信器から出力
された信号を伝送する光伝送路及び光伝送路の有する損
失により減衰した信号の電力を増幅する中継器との繰り
返しにより構成された伝送路と、伝送路によって伝送さ
れた信号を受信する受信器とによって構成されている。
送システムにおける伝送路の概略構成を示すブロック図
である。図5においては、1つの上り回線USと、1つ
の下り回線DSとからなる伝送路について例示してあ
る。図5において、60−1〜60−nは、光伝送路の
有する損失により減衰した信号の電力を増幅する中継器
であり、上り回線US及び下り回線DSを伝搬してきた
光信号をそれぞれ増幅する光増幅器62a,62bを備
えている。64は、2次及び3次の正分散を有する正分
散ファイバ63aと2次及び3次の負分散を有する負分
散ファイバ63bとからなる。本実施形態においては、
正分散ファイバ63aと負分散ファイバ63bとの長さ
が同一に設定されている。
及び3次の正分散を有する正分散ファイバ63aと2次
及び3次の負分散を有する負分散ファイバ63bとを有
する光伝送路である。光伝送路64と光伝送路66とが
異なる点は、光伝送路64においては、正分散ファイバ
63aが上り回線USに配置され、負分散ファイバ63
bが下り回線DSに配置されているが、光伝送路66に
おいては、これらが逆に配置されている点である。
システムにおける伝送路は、光伝送路64、光伝送路6
6、及び中継器60(以下、中継器60−1〜60−n
を区別しない場合には、中継器60として説明する。)
を単位として繰り返し配置されてなることを基本構成と
している。また、本実施形態においては、伝送路の所々
に、伝送路を伝搬してきた光信号の2次及び3次分散累
積を補償するための区間を設けている。この区間には光
伝送路68が設けられている。光伝送路68は上り回線
US及び下り回線DSともに同一種類であって同一長の
光ファイバ69が配置されている。
全く構成が同一であるので、接続を変えれば同一種類の
ものを用いることができる。よって、図5において、光
伝送路64,66と区別していたが、実際には各中継区
間内では1種類の光伝送路62のみを用いて伝送路を構
成することができる。従って、本実施形態では、2種類
の互いに逆符号の分散値を有する光ファイバ63a,6
3bによって構成された各中継区間内において、光ファ
イバ63a,63bの長さが等しくなるよう構成してい
るため、この区間内では1種類の光伝送路62のみを用
いて伝送路を構成することが可能であり、よって伝送路
全体に亘っても、1種類の光伝送路62によって構成す
ることができる。また、伝送路の所々に、伝送路を伝搬
してきた光信号の2次及び3次分散累積を補償するため
の区間には上り回線US及び下り回線DSともに同一種
類であって同一長の光ファイバ69からなる光伝送路6
8を配置している。このため、複数種類のケーブルを用
いる必要が無く、建設及び保守が容易になる。
海底ケーブルの切断等による通信回線の障害が深刻な問
題となるが、このような切断事故は人為的なものが主で
あり、従って水深の浅い浅海部で起こる場合が大半であ
る。水深は岸から離れるほど深くなるのが一般的である
ので、このしょうな障害は、両端局に近い部分、例えば
両端局から100km以内の区間で生ずると考えて良
い。図6は、浅海部の障害を考慮した本発明の他の実施
形態における変形例を示す図である。図6において、符
号f1で示した箇所は、海底区間水深の一例を示す図で
ある。この図に示されたように、80,82においては
水深が浅く、岸から離れるほど水深は深くなる。
2及び下り回線DS1,DS2の計4回線からなる場合
を例示している。本実施形態においては、図5に示した
長さがほぼ同じ正分散ファイバ63a及び負分散ファイ
バ63bをそれぞれ2本づつ有する光伝送路72を用い
ている。本実施形態においても図5と同様に、伝送路は
2つの光伝送路72,72と海底中継器70とを単位と
して構成され、この2つの伝送路は図5に示した場合と
同様に互いに逆向きになるよう接続されている。本実施
形態においては、浅海部80,82に上り回線及び下り
回線ともに同一種類の光ファイバからなる光伝送路を設
けたことを特徴としている。図6に示した例では、上り
回線US1,US2及び下り回線DS1,DS2全てに
ついて2次及び3次の正分散を有する同一長の光ファイ
バを有する光伝送路74,74を浅海部80,82に配
置している。光伝送路74が有する光ファイバの長さ
は、浅海部の距離を考えると20キロメートル以上であ
ることが好ましい。
80,82で生ずる障害の保守用ケーブルは、一種類で
済み、しかも、この光伝送路74,74は同一種類の光
ファイバのみで構成されているので、接続作業等が容易
となる。以上、本発明の他の実施形態について説明し
た。本実施形態は、基本的には、前述の一実施形態を基
本としている。
バの2次分散値と信号のパルス幅とから決まる2次分散
長と、光ファイバ内の信号の平均電力及び光ファイバの
光ファイバ非線形定数で決まる非線形長との積の平方根
よりも十分小さくなるように光ファイバを配置すること
を基本としていたが、上述の他の実施形態の変形例にお
いては、上り回線と下り回線の浅海部において用いられ
る光ファイバの長さを限定したものとなっているので他
の実施形態の変形例は、一見すると一実施形態と矛盾す
るようである。しかしながら海底ケーブルの長さは一般
に数百キロメートル〜数千キロメートルであり、浅海部
の長さは20〜100kmであるので、浅海部に光伝送
路74を用いることで局所的に一実施形態における条件
を満たせない場合でもその影響は無視できるほどであ
る。
したが、本発明は、上記一実施形態、他の実施形態及び
その変形例に制限されず、本発明の範囲内で自由に変更
が可能である。例えば、図5、図6では、上り回線及び
下り回線の数が1本乃至2本の場合について例示した
が、本発明が回線の数に制限されないことはいうまでも
ない。
ば、基本的な光送受信及び中継伝送機能は従来どおりの
光送受信器及び光ファイバ伝送路、光増幅中継器により
実現される。この光ファイバ伝送路を互いに逆符号の2
次分散及び3次分散を有する光ファイバを組み合わせを
用いて構成することにより、3次分散がシステム全体に
わたって累積することが避けられる。また、同時に2次
分散値も信号波形劣化を低減するようにその配置を管理
しているので、これによる影響は2次分散値のみ管理し
ていた従来のシステムと同様に防ぐことができる。本発
明により、光ファイバ非線形性と光ファイバ分散特性に
起因する伝送特性劣化を大幅に緩和することができる。
その結果、従来の光伝送システムの容量増加、伝送距離
増大に効果的であり、システムの対伝送容量あたり低コ
スト化が図られるため、その効果は大きい。また、実際
の敷設を考慮して、正符号の前記2次分散及び3次分散
を有する光ファイバと、負符号の前記2次分散及び3次
分散を有する光ファイバとの長さとを等しくし、更に、
上り回線及び下り回線とを有する場合には、上り回線及
び下り回線に対して2次分散値を零とする共通の区間を
設けたので、伝送路を実際に敷設する際の建設及び保守
が容易になるという効果がある。更に、伝送路の両端部
分の光ファイバは、少なくとも20キロメートル以上、
上り回線及び下り回線共に同種類の光ファイバを用いて
いるので、保守が容易且つ迅速に行えるという効果があ
る。
構成を示すブロック図であり、(a)は伝送路の物理的
な配置を示し、(b)は(a)に示された伝送路の2次
分散値の分布を示し、(c)は(a)に示された伝送路
の3次分散値の分布を示す。
波長に対する相対的信号対雑音比の実験結果と従来の光
伝送システムの波長に対する相対的信号対雑音比の実験
結果とを示した図である。
純に2次分散と3次分散が零になるように組み合わせた
場合の伝送特性の計算結果の例を示す図である。
伝送特性の計算結果を示す図である。
における伝送路の概略構成を示すブロック図である。
態における変形例を示す図である。
は伝送路の物理的な配置を示し、(b)は(a)に示さ
れた伝送路の2次分散値の分布を示し、(c)は(a)
に示された伝送路の3次分散値の分布を示す。
長多重信号との関係の説明するための図である。
バ、42,48,63b…負分散ファイバ、…
(以上、光ファイバ)、44,50…光増幅
器、64,66,68,72,74…光伝送路
Claims (6)
- 【請求項1】 少なくとも互いに逆符号の2次分散及び
3次分散を有する光ファイバを組み合わせた光ファイバ
伝送路を有し、 前記伝送路全体の平均3次分散値を減少させ、且つ前記
伝送路を構成する各々の光ファイバの長さが、各々の光
ファイバの2次分散値と信号のパルス幅とから決まる2
次分散長と、各々の光ファイバ内の信号の平均電力及び
各々の光ファイバの光ファイバ非線形定数で決まる非線
形長との積の平方根で定まる長さよりも十分短くなるよ
うに前記光ファイバをそれぞれ配置することを特徴とす
る光伝送システム。 - 【請求項2】 前記伝送路内における任意の区間であっ
て、波長多重信号の各信号間波長間隔、信号のパルス
幅、及び2次分散値によって決まるウォークオフ長及び
コヒーレンス長よりも十分長い長さの区間において、前
記伝送路の平均2次分散値を有限値に保ち、且つ、前記
2次分散値と信号のパルス幅とから決まる2次分散長
と、前記光ファイバ内の信号の平均電力及び前記光ファ
イバの光ファイバ非線形定数で決まる非線形長との積の
平方根で定まる長さよりも短い長さの区間において、前
記2次分散値が零になるように前記光ファイバをそれぞ
れ配置することを特徴とする請求項1記載の光伝送シス
テム。 - 【請求項3】 光中継器として動作する光増幅器を更に
有し、 前記光ファイバの組み合わせにおいて、非線形定数の小
さい光ファイバを前記光増幅器の出力側に配置すること
を特徴とする請求項1又は請求項2記載の光伝送システ
ム。 - 【請求項4】 正符号の前記2次分散及び3次分散を有
する光ファイバと、負符号の前記2次分散及び3次分散
を有する光ファイバとの長さが等しいことを特徴とする
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の光伝送システ
ム。 - 【請求項5】 前記伝送路は、上り回線と下り回線とを
有し、 前記上り回線及び下り回線に対して前記2次分散値を零
とする共通の区間を設けたことを特徴とする請求項1乃
至請求項4記載の光伝送システム。 - 【請求項6】 前記伝送路の両端部分の光ファイバは、
少なくとも20キロメートル以上、前記上り回線及び下
り回線共に同種類の光ファイバであることを特徴とする
請求項1乃至請求項5記載の光伝送システム。
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Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10-196364 | 1998-07-10 | ||
JP19636498 | 1998-07-10 | ||
JP18973099A JP3312885B2 (ja) | 1998-07-10 | 1999-07-02 | 光伝送システム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000082995A JP2000082995A (ja) | 2000-03-21 |
JP3312885B2 true JP3312885B2 (ja) | 2002-08-12 |
Family
ID=26505649
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP18973099A Expired - Lifetime JP3312885B2 (ja) | 1998-07-10 | 1999-07-02 | 光伝送システム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3312885B2 (ja) |
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-
1999
- 1999-07-02 JP JP18973099A patent/JP3312885B2/ja not_active Expired - Lifetime
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