JP3312032B2 - 優れた光化学的及び熱的安定性を有するポリエステル粒子(コンパウンド)の製造方法及びその用途 - Google Patents

優れた光化学的及び熱的安定性を有するポリエステル粒子(コンパウンド)の製造方法及びその用途

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、未染色の又はスパン染色したフィラメント
に用いる、優れた光化学的及び熱的安定性を有するポリ
エステル粒子(コンパウド)の製造方法並びにその用途
に関する。
環境保護の理由のために及び、長いフィラメントと、
一定水準及び良好な着色堅牢度の大量のフィラメントが
熱可塑性フィラメントへ要求される用途のために、いわ
ゆるスピン染色工程が成功裏に確立されている(ドイツ
特許第2708789号)。主に、良好な又は乏しい耐光堅牢
度を有するポリマー溶解性で、熱安定性の有機染料が使
用されていた。耐光堅牢度についての常に増大する要求
に伴い、例えば、自動車設計部門において、染色された
繊維材料が、光の影響のみならず、かなりの熱の作用に
も同時に曝されており、有機及び無機顔料の使用量が増
大している。スピン染色に使用することができる顔料の
色の範囲は、依然として非常に狭いものであるので、ポ
リマー溶解性染料の継続使用が避けられない。これらの
染料成分は主に、いわゆる色直し(シェイディング)染
料であるために、極端な光及び熱の作用は、通常の退色
のみならず、より重大な欠陥である色ずれさえも引き起
こす。UV照射からスパン染色繊維材料を有効に保護する
ためには、いわゆるUV吸収剤を付加的に使用しなければ
ならない。
しかしながら、これらの添加剤の技術的応用は、特に
これらの昇華する傾向のために及びそれらの180℃未満
という低い融点のために、特に不都合であることがわか
った。従って、従来のダスティング方法、例えば、ダブ
ルコーン乾燥器又はタンブラー中で、約150℃を超える
温度で高真空中同時乾燥する方法は、添加剤の損失及び
排気ユニットの汚染並びに粉体/添加剤床のクラッキン
グにより使用が不可能となる。添加剤の、近代的で、連
続的且つより効果的なスピンラインへの連続的計量、即
ち、連続乾燥器からの熱粒体への押出機の直前での添加
は、焼結、粒体パイプ及びブリッジ部の閉塞等の公知の
問題により実現不可能である。冷粒体への添加において
さえも、問題を押出機の溶融ゾーンへ単にシフトさせる
だけであり、そこでは、供給の問題並びに添加剤の早す
ぎる溶融による圧力/速度調節の制御の失敗が、満足で
信頼性のある製造を不可能にする。
また、染料の製造は、紡糸口金直前においてポリエス
テル溶融流に直接注入できることが知られており(ケミ
ファーザー/テキスタイル−インダストリー(Chemiefa
ser/Textil−Industrie)、1978、第1048〜49頁)、こ
こでは、分散媒を選択することが必要であり、それは溶
融したポリエステルの温度で液体でなければならず、ま
た後者と完全に相溶性のあるものでなければならない。
本発明の目的は、上記した欠点を有していないポリエ
ステルコンパウンド粒子の製造方法であって、該方法は
未染色の又はスパン染色したフィラメント、特にポリエ
ステルフィラメントの光化学的及び熱的安定性を改良し
た、生地及び産業用途に用いる、マルチフィラメント、
モノフィラメント、フロック及びステープルファイバー
の製造のための方法を提供することである。
かかる目的は、本発明における、UV吸収剤と着色剤を
室温でポリエステル粉末と共に混合する第一工程、及び
第二工程において、1〜100重量%のこの混合物を0〜9
9重量%のPET粒体と共に、二軸スクリューコンパウンド
押出機の冷却された供給ゾーンに計量し、該供給物を溶
融し、混練し、そして均質化し、水浴で冷却されたポリ
マーストランドを切断することにより達成された。
着色剤とUV吸収剤を所定の基質と粉末の形態で室温に
おいて混合することが、所望の度合いに希釈することに
おいて、好都合であることがわかった。この供給混合物
は、次いで、スピニング押出機中に直接ではなく、二軸
スクリューコンパウンド押出機に計量し、そして、それ
を溶融し、混練し、そして均質化し、そして水浴で冷却
した着色ストランドを切断してコンパウンド粒体を得
る。押出機の供給ゾーンは、好ましくは加熱しない。
UV吸収剤をこの時に基質に導入するので、添加剤に関
連する製法の問題点が解消される。本発明のコンパウン
ドは、いかなる適当なラインでの問題を起こすことな
く、溶融紡糸することができる。
適当な着色剤は180℃を超える融点を有するものであ
る。ペリノン及びアントラキノン染料等の着色剤及び有
機及び無機顔料が特に適当であることが明らかになっ
た。
適当なUV吸収剤は市販のUV吸収剤であり、例えば、2
−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス
(1−メチル−1−フェニル)フェノール等である。
UV吸収剤のこのグループは、135〜145℃の範囲の融点
を有している。酸化防止剤等の更なる添加剤及び、好ま
しくはUV吸収剤と酸化防止剤の混合物もまた、適当であ
る。
最終ポリエステル繊維に対し、0.1〜5%の濃度の、
好ましくは0.1〜1%、特には0.2〜0.5%のUV吸収剤の
添加は、驚くべきことに、スパン染色したポリエステル
の耐光堅牢度(耐光堅牢度+ファクラ(Fakra)試験)
を少なくとも1.0〜1.5段階増加し、そして破断強度の損
失を、少なくとも50%減少した。
耐光堅牢度(破断強度の損失の%)を定量するための
フィラメントの試料は、SN−ISO 105 B02標準の耐光
堅牢度試験方法に従い、光に曝し、そして得られた破断
強度の損失の%を以下の式(ここで(BS)は、破断強度
を示す)で計算した。
ファクラ(FAKRA)は、DIN 75202により行った。
本発明を実施例に基づき更に詳細に説明する。
実施例1 少なくとも85重量%のポリエチレンテレフタレート単
位及び0.05重量%のTiO2並びにUV吸収剤の量を変えたも
のから成るポリエステルを調製した。UV吸収剤は、ポリ
エステル粉末と室温において混合し、そして混合物をコ
ンパウンドした。得られたコンパウンドを公知の方法に
より紡糸した。試験結果を、未染色のポリエステルフィ
ラメントについて、第1表に示す。量は重量%で記載し
た。
試験番号1〜5は、UV吸収剤の量が増加するにつれ破
断強度の損失が減少することを示している。
実施例2 本実施例において、0.3重量%の染料「エストフィル
・グリューン(Estofil Grun)S−3GL」(クラリアン
ト(CLARIANT)、ヒューニング(Huningue)、フランス
の商標)を添加した以外は、実施例1と同様にして一連
の試験を行った。試験結果を、染色したポリエステルフ
ィラメントについて、第2表に示す。
試験6〜10は、驚くべきことに、破断強度の損失が染
料の存在により、最小値を通過し、そしてUV吸収剤の濃
度が0.2〜0.3%の間である場合にそうであることを示し
ている。
本発明の方法により、先行技術に比較して、スパン染
色したポリエステルヤーンの破断強度の損失が約50%減
少することを最初に可能にした。耐光堅牢度は少なくと
も1段階改良され、FAKRAは少なくとも1.5段階改良され
た。
本発明の製法は、溶融紡糸が可能なポリアミドコンパ
ウンド粒体の製造にも同様の方法で適している。
本発明によるポリエステルコンパウンド粒体は、光堅
牢性及び熱安定性を意図した造形熱可塑性物品の製造に
使用することが可能である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 3/20 WPI/L(QUESTEL)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも85重量%のポリエチレンテレフ
    タレート単位を含むポリエステル製の光化学的及び熱的
    安定性を有するマルチフィラメント又はモノフィラメン
    トの製造方法であって、該マルチフィラメント又はモノ
    フィラメントが、135から145℃に融点を有するUV吸収剤
    を該マルチフィラメント又はモノフィラメントの全量に
    対し0.2から0.5重量%含有し、該方法が、 a) 前記UV吸収剤及び着色剤を室温でポリエステル粉
    末と混合して混合物とする工程であって、該ポリエステ
    ル粉末が少なくとも85重量%のポリエチレンテレフタレ
    ートを含み、該着色剤が180℃を超える融点を有するこ
    とを特徴とする工程と、 b) 前記混合物を二軸スクリューコンパウンド押出機
    の冷却された供給ゾーンに計量する工程と、 c) 前記混合物を前記二軸スクリューコンパウンド押
    出機中で溶融し、混練し、そして均質化してポリマース
    トランドを形成する工程と、 d) 引き続き該ポリマーストランドを水浴中で冷却し
    て冷却されたストランドを形成し、該冷却されたストラ
    ンドを切断してコンパウンドを形成し、次に該コンパウ
    ンドを溶融紡糸して前記マルチフィラメント又はモノフ
    ィラメントを形成し、これによって前記UV吸収剤を該マ
    ルチフィラメント又はモノフィラメント中に導入する工
    程と を含む、光化学的及び熱的安定性を有するマルチフィラ
    メント又はモノフィラメントの製造方法。
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