JP3311406B2 - 分光測定装置 - Google Patents
分光測定装置Info
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Description
ものである。さらに詳しくは、この発明は化学、食品、
薬品、材料、エレクトロニクス等の諸分野における微粒
子表面の分光測定に有用な分光測定装置に関するもので
ある。
料、エレクトロニクス等の諸分野において、微粒子とそ
の周囲媒体との界面における物性や反応機構を解析する
ことは、新技術や新製品の開発等にとって非常に重要な
問題になっている。このような界面状態を分析する方法
としては、分光測定が通常用いられているが、この分光
測定には、蛍光分光法や、過渡吸収分光法等が知られて
いる。
な測定を可能とする測定方法ではあるが、対象となる被
測定物質が蛍光性を有していなければならない。このた
め、蛍光分光法の適用範囲には制約がある。一方、過渡
吸光分光法については、光化学反応中間体の解析に適用
可能であるもののその検出感度は低く、たとえば、マイ
クロメートル程度の微粒子中の被測定物質に対する吸光
度の測定では、光路長が短いために十分な吸光度を得る
ことが不可能である。
は、微粒子特性の高精度な解析を可能とする分光測定は
不可能であった。この発明は、上記の通りの従来技術の
課題を解決するためになされたものであり、液相中に被
測定物質を含んだ微粒子が存在する場合においても、高
精度で微粒子の界面状態の分光測定を可能とする新しい
分光測定装置を提供することを目的としている。
を解決するものとして、CWレーザー光による捕捉が可
能であり、蛍光色素と被測定物質とを含有する微粒子
の、液相中での周囲媒体との界面における被測定物質の
過渡吸光度および過渡吸収スペクトルを、 (A)微粒子が光共振器として働くという微粒子の光共
振現象と、 (B)被測定物質を励起用パルスレーザー光により励起
し、微粒子の共振波長で吸収を有する中間体を生成さ
せ、微粒子中に中間体が存在している遅延時間内に、微
粒子内の蛍光色素を発光させるためのポンプ用パルスレ
ーザー光を照射することで、微粒子の光共振が中間体に
よる吸収によって阻害されるという現象とに基づく光強
度の変化により測定する分光測定装置であって、 (a)蛍光色素と被測定物質とを各々励起するためのパ
ルスレーザー発振器、 (b)このパルスレーザー発振器から発振した2種の波
長のパルスレーザー光のどちらか一方を遅延させるため
の光学的遅延装置、(c)液相中の微粒子を非接触で捕捉固定するためのC
Wレーザー発振器、 (d)パルスレーザー発振器から発振したパルスレーザ
ー光およびCWレーザー 発振器から発振したCWレーザ
ー光を集光して試料に照射するための顕微鏡システム、
および、 (e)試料の発光を検出するための検出器を備えてなる
ことを特徴とする分光測定装置を提供する。
ては、微粒子の光共振を利用し、過渡吸光度測定および
過渡吸収スペクトル測定を行うことを可能としている。
このため、微粒子を構成する被測定物質を励起するため
のパルスレーザー光(励起用パルスレーザー光)と微粒
子に光共振を起こさせるパルスレーザー光(ポンプ用パ
ルスレーザー光)とを発振するパルスレーザー発振器を
備えている。
媒体よりも高い屈折率をもち、かつ、測定波長において
透明な材料で作られた微粒子は光共振器として働くとの
現象を利用している。つまり、微粒子形状および大きさ
に固有の複数の共振波長では光は共振器内に効率よく閉
じこめられ、微粒子内部を伝播し、その結果、微粒子直
径の102 倍から104 倍の光路長を得ることが可能と
なる。
と、微粒子のサイズに比べて非常に長い光路長をとるこ
とができ高感度に吸光度を測定することが可能となる。
図1はこの発明の分光測定の原理を示した概念図である
が、たとえばこの図1に例示したように、CWレーザー
光によって捕捉(トラッピング)することができる微粒
子(10)にはあらかじめ蛍光色素(11)と被測定物
質(12)とを含有させておき、被測定物質(12)
は、パルスレーザー発振器から発振された励起用パルス
レーザー光(13)により励起され、微粒子の共振波長
で吸収を有する中間体(14)を生成させる。
る、微粒子内の蛍光色素(11)を発光させるためのポ
ンプ用パルスレーザー光(15)を、パルスレーザー発
振器から発振した2種の波長のパルスレーザー光のどち
らか一方を遅延させるための光学的遅延装置を用いて、
励起用パルスレーザー光(13)より所定の時間だけ遅
延させて微粒子(10)に照射する。微粒子(10)中
に中間体(14)が存在している遅延時間内にポンプ用
パルスレーザー光(15)を照射すると、微粒子の光共
振はこの中間体(14)による吸収により阻害される。
その光共振が阻害された結果は光強度の減少として現れ
る。従って、ポンプ用パルスレーザー光(15)の有無
による微粒子の光共振波長における光強度の変化により
所定の遅延時間における過渡吸光度が高感度で測定され
ることになる。さらに微粒子の直径や蛍光色素濃度等の
条件を選ぶことにより複数の発振線を得ることも可能で
あり、発振強度の変化から高感度で過渡吸収スペクトル
を測定することも可能となる。
明について説明する。
した構造を一つの態様として示すことができる。すなわ
ち、分光測定装置は、液相中の微粒子に含有させた蛍光
色素と被測定物質とを励起するためのパルスレーザー発
振器(2)、このパルスレーザー発振器(2)から発振
した2波長のパルスレーザーのどちらか一方を遅延させ
るための光学的遅延装置(3)、液相中の微粒子を非接
触で捕捉固定するためのCWレーザー発振器(1)、こ
れらのレーザー光を集光して試料に照射するための顕微
鏡システム(4)、そして試料の発光を検出するための
検出器(5)を備えている。これらの内、CWレーザー
発振器(1)の配備については限定的でなく、微粒子を
非接触で捕捉固定することのできる適宜な手段を任意に
採用することができる。
試料に照射される光路において、レンズ(6)、励起用
レーザー光反射ミラー(7a)、捕捉用レーザー光反射
ミラー(7b)、およびミラー(8)を備えることがで
きる。顕微鏡システム(4)としては、励起用レーザー
光/ポンプ用レーザー光/捕捉用レーザー光の反射ミラ
ー(7c)、対物レンズ(4a)、および、試料台(4
b)を備えることができる。
を用いる場合には、そのレーザー光(20)としてCW
−YAGレーザー光(波長1064nm)を使用することがで
き、被測定物質の励起用レーザー光(22)にはQスイ
ッチYAGレーザーの第3高周波を、ポンプ用レーザー
光(21)にはQスイッチレーザーの第2高周波を用い
ることができる。なお、励起用レーザー光(22)とポ
ンプ用レーザー光(21)とは同一のレーザー光を使用
した方がタイミングを合わせる上で容易であるが、もち
ろん、この発明においては、これに限定されるものでは
ない。
光(22)に対するポンプ用レーザー光(21)の遅延
時間を所定のものとするため、ポンプ用レーザー光(2
1)の光路上に光学的遅延装置(3)が設置されている
が、もちろん、これは励起用レーザー光(22)の光路
上にあってもよい。そして液相中の微粒子試料は顕微鏡
下に置かれ、ダイクロイックミラーなどのミラーで同軸
にされた上記の3つのレーザー光は顕微鏡システム
(4)の対物レンズ(4a)で集光され試料台(4b)
上の試料に照射される。試料からの発光は対物レンズ
(4a)で集められ検出器(5)で検出される。
クリル酸メチル)(屈折率:1.49)からなる直径3
0μmの球形微粒子に、励起により中間体を生成する物
質として9,10−ジフェニルアントラセンを2×10
-3mol/lの濃度で、蛍光色素としてローダミンBを
9×10-3mol/lの濃度で含有させた。水中に分散
させたこの微粒子にポンプ用レーザー光(波長532n
m、パルス幅40ps、エネルギー51μJ)を顕微鏡
の対物レンズ(100倍)で直径60μm程度に集光し
て照射した。
からは590nmを中心とする7〜8個のレーザー発振
線が見られた。ポンプ用レーザー光に数百ps先行して
励起光(波長355nm、パルス幅40ps、エネルギ
ー1.3mJ)を同じ光学系を用いて集光、照射する
と、レーザー発振強度が減衰し、従来では測定できなか
った微粒子界面のジフェニルアントラセンの励起状態の
吸収が測定できた。
って、液相に被測定物質を含有する微粒子が存在する場
合においても高感度で過渡吸光度および過渡吸光スペク
トルの測定が可能となる。
図である。
ペクトルの関係を示した図である。
レーザー光反射ミラー 8 ミラー 10 微粒子 11 蛍光色素 12 被測定物質 13 励起用レーザー光 14 中間体 15 ポンプ用レーザー光 20 捕捉用レーザー光 21 ポンプ用レーザー光 22 励起用レーザー光
Claims (1)
- 【請求項1】 CWレーザー光による捕捉が可能であ
り、蛍光色素と被測定物質とを含有する微粒子の、液相
中での周囲媒体との界面における被測定物質の過渡吸光
度および過渡吸収スペクトルを、 (A)微粒子が光共振器として働くという微粒子の光共
振現象と、 (B)被測定物質を励起用パルスレーザー光により励起
し、微粒子の共振波長で吸収を有する中間体を生成さ
せ、微粒子中に中間体が存在している遅延時間内に、微
粒子内の蛍光色素を発光させるためのポンプ用パルスレ
ーザー光を照射することで、微粒子の光共振が中間体に
よる吸収によって阻害されるという現象とに基づく光強
度の変化により測定する分光測定装置であって、 (a)蛍光色素と被測定物質とを各々励起するためのパ
ルスレーザー発振器、 (b)このパルスレーザー発振器から発振した2種の波
長のパルスレーザー光のどちらか一方を遅延させるため
の光学的遅延装置、(c)液相中の微粒子を非接触で捕捉固定するためのC
Wレーザー発振器、 (d)パルスレーザー発振器から発振したパルスレーザ
ー光およびCWレーザー 発振器から発振したCWレーザ
ー光を集光して試料に照射するための顕微鏡システム、 および、 (e)試料の発光を検出するための検出器を備えてなる
ことを特徴とする分光測定装置。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01295893A JP3311406B2 (ja) | 1993-01-28 | 1993-01-28 | 分光測定装置 |
CA002114371A CA2114371C (en) | 1993-01-28 | 1994-01-27 | Method of spectrometry and apparatus therefor |
US08/186,991 US5469255A (en) | 1993-01-28 | 1994-01-27 | Method and apparatus for spectrometric measurement of particulate surfaces |
DE69430338T DE69430338T2 (de) | 1993-01-28 | 1994-01-28 | Verfahren zur Spectrometrie |
EP94300646A EP0610036B1 (en) | 1993-01-28 | 1994-01-28 | Method of spectrometry |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01295893A JP3311406B2 (ja) | 1993-01-28 | 1993-01-28 | 分光測定装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06221923A JPH06221923A (ja) | 1994-08-12 |
JP3311406B2 true JP3311406B2 (ja) | 2002-08-05 |
Family
ID=11819775
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01295893A Expired - Fee Related JP3311406B2 (ja) | 1993-01-28 | 1993-01-28 | 分光測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3311406B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101235145B1 (ko) * | 2011-06-21 | 2013-02-20 | 광주과학기술원 | 연속파 레이저 및 광전증배관을 이용하는 분광분석장치 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19960370C2 (de) * | 1999-12-14 | 2001-11-22 | Rubitec Gesellschaft Fuer Innovation & Technologie Ruhr Univ Bochum Mbh | Optischer Temperatursensor |
KR101787579B1 (ko) * | 2016-03-31 | 2017-10-19 | 주식회사 아스타 | 근적외선 형광을 이용한 질량 분석 장치 및 방법 |
CN106645033B (zh) * | 2016-09-29 | 2019-05-17 | 西南科技大学 | 光学元件激光损伤一体化超快诊断装置 |
-
1993
- 1993-01-28 JP JP01295893A patent/JP3311406B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101235145B1 (ko) * | 2011-06-21 | 2013-02-20 | 광주과학기술원 | 연속파 레이저 및 광전증배관을 이용하는 분광분석장치 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH06221923A (ja) | 1994-08-12 |
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