JP3311124B2 - 液体クロマトグラフィーにおけるグラジエント方法 - Google Patents

液体クロマトグラフィーにおけるグラジエント方法

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  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶出力の異なる少なく
とも2種の移動相を用いる液体クロマトグラフィーに関
し、より詳細には、移動相の組成を変化させて、対象と
する溶出成分を、溶出ピークどうしの分離度および各成
分の定量性を低下することなく短時間で分離ないしは定
量するのに適用されるグラジエント方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、液体クロマトグラフィーにおい
て、2種以上の移動相を使用し測定を行う場合、ステッ
プグラジエント、リニアグラジエント等のグラジエント
方法が適用されている。特に、液体クロマトグラフィー
によって、混合物をその成分ごとに分離する場合、高分
離能のクロマトグラムを短時間で得るには、上記2法に
代表されるグラジエント方法が好適である。
【0003】ステップグラジエント法についてより詳し
く説明する。
【0004】この方法は、2種類以上の移動相を使用
し、各移動相の切り換え弁の開閉または送液ポンプのオ
ン・オフによって2種類以上の移動相を適宜切り替えて
供給することを特徴とする。この方法では、移動相の溶
出力は、その切り換えと同時に段階的に変化する。
【0005】他方、リニアグラジエント法は、やはり2
種類以上の移動相を使用し、各移動相専用の送液ポンプ
の送液量(速度)を調整することによって各移動相の供
給流量を連続的に変化させることを特徴とする。この方
法では、移動相の溶出力は、各送液ポンプの送液速度の
変化に伴って連続的に変化する。
【0006】上記2法は、両者とも、溶出力の最も弱い
移動相が最初に送液され、ついでこれが溶出力のより強
い移動相に順次切り替えられ、または連続的に変化され
ていくグラジエント法である。
【0007】これら2法の利点は、溶出時間の異なる多
くの対象成分を短時間で溶出する場合に特に発揮され
る。なぜなら、グラジエント法は、個々の対象成分に対
して、最も良好な分離能を与え、かつ最も短時間で分離
が可能となる溶出力を示すように、溶離条件を選択して
分析が行えるからである。
【0008】しかし、蛋白質等を含む生体試料のように
多種多様の夾雑物を分析する場合には、クロマトグラム
の多数の溶出ピークの分離能が悪く、個々のピークにそ
れぞれリーディング及びテーリングが発生し、ピークの
幅が広がってしまう現象が多く見受けられる。
【0009】例えば、特開平3−118466に記載の
糖化ヘモグロビンの定量法や、特開昭63−75558
に記載のグリコヘモグロビン分析法に従って血液試料を
分析する場合、個々のピークがかなり幅広になり、明瞭
に分離できない場合がよくある。
【0010】このような場合、カラムの変更なしで分離
状態を改善するには、移動相の溶出力を弱くして各溶出
成分をできるだけゆっくり溶出してやる必要がある。
【0011】しかし、溶出をゆっくり行うことによって
分離能はある程度改善されるが、測定時間は大幅に長く
なってしまう。
【0012】また、ステップグラジエント法、リニアグ
ラジエント法等を用いて、移動相の溶出力を徐々に強め
て、溶出を速めてやろうとすると、ピーク間の谷間部分
がベースライン付近まで落ち切らないうちに、つぎの成
分の溶出ピークの立上りが始まってしまい、該谷間部分
の分割が困難になるため、試料中の各成分の定量性が悪
くなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】一般に液体クロマトグ
ラフィーで対象成分の分離、定量を行う場合、次の2点
の要請がある。
【0014】・ピークの分離度を上げ、個々のピークの
定量性を向上する、 ・ピークの溶出時間を短くし、分析に必要な全時間を短
縮する。
【0015】上記2点の要請は、通常、相反するもので
ある。
【0016】なぜなら、一般に、各ピークの溶出時間を
短縮するためには、 ・移動相の流速を上げる、 ・移動相の分析試料に対する溶出力を上げる、 等の処置をとるが、これにより多くの場合、各ピークの
分離度が低下してしまい、ピーク間の谷間部分がベース
ラインまで落ち切らないうちに、つぎの成分の溶出ピー
クの立上りが始まってしまう等の問題が起きる。
【0017】一般に、試料中の各成分の定量は、その成
分のピークの面積から求められるが、上記理由のため、
各ピークの分離度および各成分の定量性が悪くなってし
まう。
【0018】また逆に、各ピークの分離度を上げ、各成
分の定量性を向上するためには、 ・移動相の流速を下げ、カラム中の移動相の線速度を下
げる、 ・カラム長を長くして、各ピークの分離度を上げる、 等の処置が一般的であるが、これらは対象成分の溶出を
遅らせることなので、結局、分析時間が長くなる。
【0019】上記の相反する要請を同時に満足させる方
策として、カラムに詰める充填剤の改良が進められてお
り、種々の試料物質について短時間で良好な分離性能が
得られている。
【0020】しかし、対象とする試料物質によっては、
定量のために用いるには依然として不十分な分離しか得
られない場合も多い。
【0021】特に、蛋白質等の生体物質の分析では、各
ピークが幅広くなる場合が多いので、上記問題が頻繁に
発生してしまい、個々の対象成分の定量が困難になる。
【0022】本発明の目的は、各ピークの分離度および
各成分の定量性を悪くすることなしに、測定時間を短縮
することができるグラジエント方法を提供することにあ
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成すべく工夫されたものであり、溶出力の異なる少なく
とも2種の移動相を用いる液体クロマトグラフィーにお
いて、対象成分の溶出ピークが立上がり始めた後、移動
相の溶出力を上げるように移動相の組成を段階的もしく
は連続的に変化させて対象成分を溶出させ、ついで対象
成分の溶出ピークが落ち切りる前に、移動相の溶出力を
下げるように移動相の組成を変化させることを特徴とす
る液体クロマトグラフィーにおけるグラジエント方法で
ある。
【0024】本発明によるグラジエント方法は、個々の
対象成分の溶出ごとに繰り返し行われる。
【0025】移動相の溶出力を段階的または連続的に変
化させるには、ステップグラジエント法またはリニアグ
ラジエント法を行う場合と同様に、2種以上の移動相の
切り換え弁または送液ポンプのオン・オフによって各移
動相の供給を適宜切り替えるか、または、各移動相専用
の送液ポンプの送液量(速度)を調整することによって
各移動相の供給流量を連続的に変化させる。
【0026】以下にステップグラジエント法を応用した
本発明のグラジエント方法について説明する。
【0027】図1は、比較的弱い溶出力を持つ移動相I
を用いて、1液のみからなる移動相を用いて対象成分を
分離し、分光光度計を用いて測定したクロマトグラムで
ある。
【0028】この分析に本発明のグラジエント方法を適
応する場合、仮に定量すべき対象成分がピーク1である
とき、ピーク1の溶出が始まるまで移動相Iを送液して
おく。
【0029】そして、ピーク1の溶出に重なるように、
移動相を移動相Iからそれよりも強い溶出力をもつ移動
相IIに切り換える。
【0030】このことにより、ピーク1は図1に示され
るよりも速く溶出し終るが、ピーク1の溶出が終る前
に、移動相を移動相IIから上記移動相I、もしくは移動
相IIよりも弱い溶出力をもつ移動相III に切り換える。
【0031】移動相を移動相Iから移動相IIに切り替え
る(溶出力を上げる)タイミングとしては、移動相Iに
よりピーク1が立上がり始め、ピーク1の溶出物の濃度
(ここでは吸光度が目安になる)が、[(ピーク1の最
大吸光度)−(ピーク1とその前のピークとの間の谷間
部分の最小吸光度)]の1/5以上に達した時点が好ま
しい。
【0032】また、移動相を移動相IIから、それより溶
出力の弱い移動相Iまたは移動相III に切り替える(溶
出力を下げる)タイミングとしては、ピーク1が落ち切
る前において、ピーク1の溶出物の濃度(やはり吸光度
が目安になる)が、[(ピーク1の最大吸光度)−(ピ
ーク1とその次のピークとの間の谷間部分の最小吸光
度)]の1/5以上の時点が好ましい。
【0033】これらのタイミングがずれ、例えば、移動
相Iから移動相IIへの切り替えが、ピーク1の溶出物の
濃度が、[(ピーク1の最大吸光度)−(ピーク1とそ
の前のピークとの間の谷間部分の最小吸光度)]の1/
5未満の時点で行われたり、または、移動相IIから移動
相Iまたは移動相III への切り替えが、ピーク1の溶出
物の濃度が、[(ピーク1の最大吸光度)−(ピーク1
とその次のピークとの間の谷間部分の最小吸光度)]の
1/5未満の時点で行われると、ピーク1の前に溶出し
た成分、または次に溶出されるはずの成分までが、ピー
ク1に重なって溶出し、ピーク1の定量性が失われる恐
れがあり、好ましくない。
【0034】本発明で使用されるカラムおよび移動相
は、通常の液体クロマトグラフィーで使用されるもので
あり、分離対象成分に応じて最適なカラムおよび移動相
が選択される。
【0035】次に、分離対象成分ごとに好ましいカラム
および移動相を例示する。
【0036】(1) 蛋白質 GPC用充填剤を詰めたカラムを使用し、移動相にはリ
ン酸緩衝液等を用いるか、または、充填剤表面を各種ア
ミノ基、カルボキシル基等で修飾したイオン交換タイプ
の充填剤を詰めたカラムを使用し、移動相にはリン酸緩
衝液等を用いる。
【0037】(2) 糖の場合 表面をアミノ基で修飾した充填剤を詰めたカラムを使用
し、移動相にはアセトニトリル/水系緩衝液等の混合溶
媒を用いる。
【0038】(3) ペプチドの場合 通常のODSカラムを使用し、移動相にはアセトニトリ
ル/水系緩衝液等を用いる。
【0039】(4) アミノ酸の場合 表面をスルフォニル基で修飾した充填剤を詰めたカラム
を使用し、移動相にはクエン酸緩衝液、リン酸緩衝液等
を用いる。
【0040】(5) 核酸の場合 表面をアミノ基で修飾した充填剤を詰めたカラムを使用
し、移動相にはアセトニトリル/水系緩衝液等の混合溶
媒を用いる。
【0041】本発明で使用される移動相としては、上記
のような2液系または3液系の場合、移動相IIの1液の
みで溶出を行った場合のピーク1成分の溶出時間が、移
動相Iまたは移動相III のうち溶出力の弱い方の1液の
みで溶出を行った場合のピーク1成分の溶出時間の1/
2〜1/5であることが好ましい。
【0042】また、このグラジエント方法を、個々の対
象成分の溶出ごとに繰り返す場合も、上記の操作の要領
で操作を行い、使用される移動相は、やはり対象とする
成分の溶出に最適になるように選択され、対象成分ごと
にすべて異なる溶出力をもつ移動相を使用することもあ
る。
【0043】また、定量に関係のないピークが複数本隣
接して溶出する場合には、これらのピークをまとめて1
本のピークとして溶出させてもよい。
【0044】本発明によるグラジエント方法をリニアグ
ラジエントを用いて行うことも可能である。
【0045】移動相の溶出力の変化は、段階的に行って
もまた連続的に行ってもよい。連続的な変化をさせるに
は、上記のように溶出される対象成分のピークに応じて
移動相の組成を変える。
【0046】
【作用】本発明方法では、ピークの溶出に応じて移動相
の溶出力を変化させることによって、対象成分の溶出を
速めるとともに、ピーク間の谷間部分をほぼベースライ
ンまで落とすことができる。そのため、ピークどうしの
分離度および各成分の定量性を低下することなく、対象
成分の溶出を速めることができ、分析に必要な時間を短
縮することができる。
【0047】また、個々のピークについて本発明の操作
を繰り返すことにより、分析に必要な全時間を大幅に短
縮することができる。
【0048】
【実施例】次に、実施例により本発明のグラジエント方
法を具体的に説明する。
【0049】<実施例>実施例として、糖尿病の臨床検
査項目であるグリコヘモグロビンの分析を行う。糖尿病
の臨床検査項目としては、グルコヘモグロビンのうち一
般的にHbAlcが測定されているので、HbAlcの
定量を主目的として、本発明によるグラジエント方法を
用いてHbAlcの溶出を行う。
【0050】グラジエント法としては3種類の成分から
なる移動相(移動相I、移動相IIおよび移動層III )を
用いたステップグラジエント法を適用する。
【0051】すなわち、HbAlcよりも先に溶出する
HbAla、HbAlb、HbFについては、より溶出
力の強い移動相IIですばやく溶出させ、HbFの溶出が
終る前に移動相IIを溶出力の弱い移動相Iに切り替え
る。そして、対象とするHbAlcの溶出が始まった
後、移動相Iを再度移動相IIに切り替え、HbAlcの
溶出を早める。HbAlcの溶出が終る前に、移動相II
を移動相Iに切り替え、HbAlc成分の溶出が完全に
終了した後、今度は、移動相Iを最も溶出力の強い移動
相III に切り替え、HbAlc以降の、HbAoを含む
すべての成分をまとめて溶出させる。
【0052】以下に詳しく測定方法を説明する。
【0053】移動相IIを送液ポンプにてカラムへ送液
する。
【0054】試料をカラム上流のインジェクターによ
り注入する。まず、移動相IIによりHbAla、HbA
lb、HbFの各成分が分離、溶出される。
【0055】HbF成分の溶出が終わる前に移動相II
が移動相I に切り換わるように、前もって移動相を切り
換えておく。このようにHbFピークの溶出が終了する
前に移動相IIを移動相Iに切り替えることにより、Hb
FピークとHbAlcピークの間の谷部部分が充分に落
ちる。
【0056】HbAlcの溶出ピークが立上がり始
め、その吸光度が、[(該ピークの最大吸光度)−(該
ピークとその前のピークとの間の谷間部分の最小吸光
度)]の1/5以上に達した時点で移動相Iが移動相II
に切り換わるように、前もって移動相を切り換えてお
く。この結果、HbAlcが移動相IIによりすばやく溶
出される。
【0057】該ピークが落ち切る前に、ピークの吸光
度が、[(該ピークの最大吸光度)−(該ピークとその
次のピークとの間の谷間部分の最小吸光度)]の1/5
以上の時点で移動相が切り換わるように、前もって移動
相IIを移動相Iに切り換えておく。
【0058】HbAlcピークと、その次に溶出され
てくるピークとの間の谷間部分が十分に落ち切った時点
で、移動相Iを移動相III に切り替える。この結果、H
bAoを含む他の成分が移動相III により溶出される。
【0059】HbAoのピークの溶出が終わった後、
移動相III をIに切り換え、次の測定に備える。
【0060】(測定)下記の装置および測定方法を用い
て、グリコヘモグロビンの測定を行う。
【0061】 装置:送液ハポンプ LC−9A (島津製作所社製) インジエクター SIL−9A (島津製作所社製) 検出器 SPD−6AD(島津製作所社製) カラム恒温槽 CTO−6A (島津製作所社製) システムコントローラー SCL−6A (島津製作所社製) データ処理機 C−R6A (島津製作所社製) カラム:MICRONEX−Alc(積水化学工業社製) 移動相:I液(リン酸系緩衝液、pH=6.0、塩濃度=140mM) II液(リン酸系緩衝液、pH=6.0、塩濃度=180mM) III 液(リン酸系緩衝液、pH=7.2、塩濃度=320mM) [グリコヘモグロビンに対する溶出能:III 液>II液>I液] 試料:コントロール血液(国際試薬社製、特注品)の200倍希釈液 測定条件 流速:1.5ml/min 検出波長:415nm カラム温度:40℃ 試料注入量:30μl 溶出条件:時間(分) 0.00→0.35→0.85→1.20→1.85→2.05→3.00 移動相の種類 II I II I III II
【0062】上記測定条件で、グリコヘモグロビンの測
定を行った。得られたクロマトグラムを図2に示す。
【0063】図2から判るように、この方法では、上記
グラジエント法では、1検体の測定を3分間という短時
間で行うことができ、かつHbAlcピークの前後の谷
間部分もベースラインにほぼ落ち切っており、ピークの
単離が実現できている。
【0064】比較例1(従来のステップグラジエント法
) 各ピークの分離を重視し、比較的弱い溶出力の移動相を
用いてグリコヘモグロビンの測定を行った。実施例で使
用した装置を用いて、測定を行う。カラムおよび測定試
料も実施例と同じものを使用する。
【0065】 移動相:I液(リン酸系緩衝液、pH=6.0、塩濃度=140mM) II液(リン酸系緩衝液、pH=7.2、塩濃度=320mM) [グリコヘモグロビンに対する溶出能:II液>I液] 測定条件 流速:1.5ml/min 検出波長:415nm カラム温度:40℃ 試料注入量:30μl
【0066】上記測定条件で、グリコヘモグロビンの測
定を行った。得られたクロマトグラムを図3に示す。
【0067】図3から判るように、この方法では、ピー
クどうしの分離については良い結果が得られるが、1検
体当たりの測定時間が6分間もかかってしまう。
【0068】比較例2(従来のステップグラジエント法
) 測定時間の短縮を重視し、比較的強い溶出力の移動相を
用いてグリヘモグロビンの測定を行った。実施例で使用
した装置を用いて、測定を行う。カラムおよび測定試料
も実施例と同じものを使用する。
【0069】 移動相:I液(リン酸系緩衝液、pH=6.0、塩濃度=160mM) II液(リン酸系緩衝液、pH=7.2、塩濃度=320mM) [グリヘモグロビンに対する溶出能:II液>I液] 測定条件 流速:1.5ml/min 検出波長:415nm カラム温度:40℃ 試料注入量:30μl
【0070】上記測定条件で、グリコヘモグロビンの測
定を行った。得られたクロマトグラムを図4に示す。
【0071】図4から判るように、この方法では、1検
体当たりの測定時間は3分間と短時間で測定ができる
が、各ピーク間の谷間部分が充分に落ち切っていない時
点で次のピークの溶出が始まっており、ピークの分離状
態はあまり良くない。
【0072】比較例3(従来のリニアグラジェント法) 実施例で使用した装置を用いて、測定を行う。カラムお
よび測定試料も実施例と同じものを使用する。
【0073】 移動相:I液(リン酸系緩衝液、pH=6.0、塩濃度=150mM) II液(リン酸系緩衝液、pH=7.2、塩濃度=320mM) [グリヘモグロビンに対する溶出能:II液>I液] 測定条件 流速:1.5ml/min 検出波長:415nm カラム温度:40℃ 試料注入量:30μl 溶出条件:図6に示す
【0074】上記測定条件で、グリコヘモグロビンの測
定を行った。得られたクロマトグラムを図5に示す。
【0075】図5から判るように、この方法では、1検
体当たりの測定時間は3分間と短時間で測定ができる
が、HbAlcピークの後の谷間部分が十分に落ち切っ
ていない時点で次のピークの溶出が始まっており、ピー
クの分離状態はあまり良くない。
【0076】
【発明の効果】本発明によるグラジエント方法では、ピ
ークの溶出に応じて移動相の溶出力を変化させることに
よって、対象成分の溶出を速めるとともに、ピーク間の
谷間部分をほぼベースラインまで落とすことができる。
そのため、ピークどうしの分離度および各成分の定量性
を低下することなく、対象成分の溶出を速めることがで
き、分析に必要な時間を短縮することができる。
【0077】また、個々のピークについて本発明の操作
を繰り返すことにより、分析に必要な前時間を大幅に短
縮することができる。
【0078】こうして、本発明のグラジエント方法によ
れば、ピークどうしの分離度および各成分の定量性を低
下することなく、測定時間を大幅に短縮することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】1液のみからなる移動相を用いた場合のクロマ
トグラムである。
【図2】実施例1で得られたクロマトグラムである。
【図3】比較例1で得られたクロマトグラムである。
【図4】比較例2で得られたクロマトグラムである。
【図5】比較例3で得られたクロマトグラムである。
【図6】比較例3の溶出条件を示すグラフである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶出力の異なる少なくとも2種の移動相
    を用いる液体クロマトグラフィーにおいて、対象成分の
    溶出ピークが立上がり始めた後、移動相の溶出力を上げ
    るように移動相の組成を段階的もしくは連続的に変化さ
    せて対象成分を溶出させ、ついで対象成分の溶出ピーク
    が落ち切りる前に、移動相の溶出力を下げるように移動
    相の組成を変化させることを特徴とする液体クロマトグ
    ラフィーにおけるグラジエント方法。
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