JP3310952B2 - ウィンチコントロールシステム - Google Patents

ウィンチコントロールシステム

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JP3310952B2
JP3310952B2 JP11041499A JP11041499A JP3310952B2 JP 3310952 B2 JP3310952 B2 JP 3310952B2 JP 11041499 A JP11041499 A JP 11041499A JP 11041499 A JP11041499 A JP 11041499A JP 3310952 B2 JP3310952 B2 JP 3310952B2
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勝美 三歩一
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、野球場、ゴルフ
場、ゴルフ練習場や多目的運動施設などにおいて、防球
・防風・防護用やスペースの仕切りに用いるネットの上
昇・下降・開閉等を行う電動ウィンチのコントロールシ
ステムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、野球場やゴルフ練習場等では、立
設した複数の支柱間に張設する防球・防護用ネットの上
昇・下降を遠隔で操作したり、強風や積雪の場合に支柱
の転倒などを防止するために自動的にネットの降下を行
うようなシステムが提供されている。
【0003】図4は従来のゴルフ練習場のネット装置の
一例の概略を示した図である。図4に示すネット装置
は、ゴルフ練習場の周囲に複数の支柱Pを立設し、支柱P
の上端部に滑車K1を備え、さらに支柱P上端部の滑車
K1に隣接した位置と地面との間にガイドワイヤ4を張
り渡してある。そして、支柱Pの下部に取り付けられた
電動ウィンチWのワイヤ2を滑車K1に架渡し、ネット
Nの上端部nがワイヤ2の先端部に固定してある。従っ
て、電動ウィンチWのドラム(図示せず)を回転させてド
ラムの外周にワイヤ2を巻取りあるいは巻戻す(繰り出
す)ことによって、ネットNをガイドワイヤ4に沿って
上昇させたり下降させたりすることができる。また、電
動ウィンチWは例えばクラブハウス内に設置された図示
しない集中制御盤によって遠隔的に操作可能になってい
る。
【0004】ここで、ネットNを上昇させる場合にはワ
イヤ2の先端(すなわち、ネットNの上端部nが固定さ
れた部分)にはネットNの荷重がかかっているので、ワ
イヤ2を電動ウィンチWに巻き取っていけば常にスムー
スにネットNを上昇させることができる。一方、ネット
Nを下降させるにはワイヤ2を電動ウィンチWから繰り
出していくことになる。すなわち、ネットNはワイヤ2
が繰り出されるに従って、ガイドワイヤ4に沿って下降
していくことになる。しかしながら、ネットNを下降さ
せる作業中に、ネットNが風圧を大きく受けてガイドワ
イヤ4や支柱Pに圧接したりまつわりついたり、何らか
の原因でネットNが支柱Pやその他ネット装置の構造物
に引っかかったとき、ワイヤ2に負荷されている張力が
極端に弱くなってしまう場合がある。そのような場合
に、そのままワイヤ2の繰り出しを継続させてしまう
と、電動ウィンチWのドラムに緊張して巻き付けられて
いたワイヤ2に緩みが生じてドラム外径方向に膨らむな
どしていわゆる乱巻状態になり、緩んだワイヤ2が既に
巻き取られている他列のワイヤ2に絡まったりする。例
えば、ドラムが右回転し巻下げ方向のワイヤ2がドラム
下側から繰り出されるとすれば、緩んだワイヤ2がドラ
ム上側にからまったときドラムがなお右回転続行中であ
ればワイヤ2は巻上げ方向に巻き取られしまう。その結
果、作業者はネットNの下降中と認識しているにもかか
わらず、実際にはネットNは逆に上昇方向に進行し、ネ
ットNの上端部nとワイヤ2との固定部分が滑車K1に
引っ掛かったままドラムが回転続行する結果、ワイヤ2
の破断やネット装置の架設構造物の破損に至る。
【0005】従って、風やネットNの架設構造物へのか
らまりなどワイヤ2の張力を失わせる原因がある場合で
あっても、ワイヤ2の張力を持たせてネットを下降させ
ることができる電動ウィンチが望まれる。
【0006】図5は上記した問題点を改善するためのネ
ット装置の一例の概略を示した図である。図5に示すネ
ット装置では、支柱Pの上端部に滑車K1を備え、滑車K
1と対峙して地面側に滑車K2を設置している。そし
て、支柱Pの下部に取り付けられた電動ウィンチWのワ
イヤ2を滑車K1及び滑車K2に架渡し、ネットNの上
端をガイドワイヤ4を介してワイヤ2に固定してある。
従って、電動ウィンチWのドラム(図示せず)を回転させ
てワイヤ2が矢印A方向に進むようにドラムの外周にワ
イヤ2を巻き取っていけばネットNをガイドワイヤ4に
沿って上昇させることができる。また、ワイヤ2が矢印
B方向に進むようドラムの外周にワイヤ2を巻き取って
いけば、ネットNをガイドワイヤ4に沿って下降させる
ことができる。このように、図5に示したネット装置で
は、風が強い場合などでもワイヤに張力を持たせてネッ
トNを下降させることができる。
【0007】図5に示したネット装置に使用される電動
ウィンチWの例として、図6、図7及び図8に示すウィ
ンチがある。例えば図6に示されるキャプスタイン型ウ
ィンチは、ドラムDの中心にワイヤ2をあらかじめ1回
から数回程度巻き付けて、ワイヤ2の両端を滑車K1、
K2(図5参照)を介してネットN上部に固定し、ネッ
トを上下させる。しかしながら、キャプスタイン型ウィ
ンチを上記したネット装置で使用した場合、使用してい
るうちに経年的に生じるワイヤ2の伸びを吸収できず、
又、ドラムが急傾斜のために、ワイヤ2がせり上がった
りドラムの底部に落ちたりして、次第にワイヤ2の張力
に緩みが生じるのを防止することが出来ない。このよう
なワイヤ2の張力の緩みは、ワイヤの巻き取りに緩みを
生じさせ、ワイヤ2の巻き取り位置がずれるなど乱巻の
原因となる。
【0008】そこで、図7に示すように、2個のドラム
(又はシーブ)31、32を備え、ドラム31とドラム
32とにローラ33を介してワイヤ2を張架し、ローラ
33に錘W1(あるいはテンション装置)を設けてワイヤ
2の伸びを吸収させるようにした電動ウィンチをネット
装置に用いることが考えられる。しがしながら、このよ
うな構成では電動ウィンチの装置自体が大型化するし、
ワイヤ2の伸びを吸収するにしてもやはり限界がある。
【0009】この点をさらに改善するために、図8に示
す電動ウィンチでは、2個のドラム34、35を備え、
ワイヤ2の一端をドラム34に固定し、ワイヤ2の他端
をドラム34に固定し、片方のドラム(図ではドラム3
4)に駆動モータMをギアGを介してとり付けると共
に、ドラム34とドラム35の回転をチェーンを介して
連動可能にさせ、ドラム34に取り付けたクラッチ37
がドラム34とドラム35との回転の連動・解除を切り
替えることができるようになっている(実公昭7−43
114号公報参照)。この電動ウィンチでは、例えばネ
ットを上昇させるためにドラム34にワイヤを巻き取っ
ていくときには、ドラム34をモータMにより巻き取り
方向に回転させることにより、クラッチ37がドラム3
5の回転をドラム34の回転との連動から開放させるよ
うにする。従って、ネットNの上昇をおこなうときには
ドラム35はドラム34に巻き取られるワイヤ2に引っ
張られることにより回転するのみである。一方、上昇し
たネットの下降を行うためには、ドラム34からドラム
35の方向に向かってドラム35にワイヤ2を巻き取っ
ていくが、この場合モータMによるドラム34の回転は
ネット上昇のときとは逆に回転することになり、この逆
回転によりクラッチ37はドラム35とドラム34との
回転を連動させるようにする。そのため、ネットNをド
ラム35の回転により強制的に下降させることができ
る。しかしながら、この場合、下降回転を開始する時点
において、既にワイヤ2が相当巻き取られているドラム
34とワイヤ2を繰り出したためワイヤ2がほとんど巻
かれていないドラム35とでは径の差が大きくなってい
る。そのため、ドラム34とドラム35とが連動して回
転するとき、下降回転の開始時では、ドラム34が一回
転したとき繰り出されるワイヤ2の長さは、ドラム35
が一回転したとき巻き込むワイヤ2の長さに比し長い。
従って、ドラム34から繰り出されるワイヤ2をドラム
35に所望の速度で巻き取っていくには、ドラム35の
回転を増速する必要がある。一方、ドラム34からドラ
ム35へのワイヤ2の巻き取りが進行し、ドラム35の
周速がドラム34の周速を追い越した時点からは、ドラ
ム34から繰り出されるワイヤ2はドラム35の回転に
より強制的に引っ張られるようになり、ワイヤ2に過大
な張力がかかるので、ワイヤ2の破断などの事故が起こ
りやすくなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は上記した従
来技術の問題点にかんがみてなされたものであり、以下
の3点を主要な目的とするものである。 (1)ネットの下降時に強風など何らかの原因によりネ
ットが支柱等に圧接したりからまったりした場合にもワ
イヤの乱巻を起こすことなく一定の速度でネットをスム
ースに下降させることができ、またワイヤへの負担を軽
減し安全性および性能の向上を図った電動ウィンチのコ
ントロールシステムを提供する。 (2)既設の電動ウィンチに替えて本発明による電動ウ
ィンチコントロールシステムを採用するときに、新たな
電気設備工事を行うことなく、低いコストで容易に移行
できるような電動ウィンチのコントロールシステムを提
供する。 (3)電動ウィンチを電動ウィンチ設置場所と遠隔との
両方で操作可能なように切替えができ、装置の安全性と
操作性の向上を図った電動ウィンチのコントロールシス
テムを提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明では、ネット等の
物体の下降時にも一定の張力を保ってスムースに該物体
を下降させるために、ウィンチコントロールシステムを
以下のように構成した。すなわち、ワイヤ2の一端を固
定した第1のドラムD1と、ワイヤ2の他端を固定した
第2のドラムD2とを備え、ワイヤ2を第1のドラムD1
から上方に設けた滑車K1と下方に設けた滑車K2と第2
のドラムD2とに架渡し、上方・下方の滑車K1・K2間
でワイヤ2に端部を固定したネット状あるいはシート状
物体Nを上昇下降させるウィンチ装置30のコントロー
ルシステムにおいて、ウィンチ装置30に、第1のドラ
ムD1を回転させる第1のモータM1と、第2のドラムD
2を回転させる第2のモータM2と、第2のモータM2の
回転を制御する周波数変換装置8と、第2のドラムD2
の下部に設けられたワイヤ2のたるみを検出するたるみ
検出部7とを設け、物体Nを上昇させるときに第1のモ
ータM1を正転駆動させて第1のドラムD1にワイヤ2を
巻き取らせ第2のモータM2は駆動させず、物体Nを下降
させるときに第1のモータM1を逆転駆動させると共に
第2のモータM2を駆動して第2のドラムD2にワイヤ2
を巻き取らせながら、たるみ検出部7でワイヤ2のたる
みを検出してたるみ量信号を周波数変換装置8に送信
し、たるみ量信号に基づいて周波数変換装置8がワイヤ
2の張力を一定に保つよう第2のモータM2の回転を制
御する。
【0012】ここで、ウィンチ装置30に三相交流電源
を供給するとともに物体Nの上昇・下降指令を送信する
遠隔操作部10を設け、第1のモータM1には遠隔操作
部10より直接電源を供給し、第2のモータM2には周
波数変換装置8を介して電源を供給すると共に、遠隔操
作部10からの上昇・下降指令を判別し周波数変換装置
10に第2のモータM2を駆動するための信号を送信す
る回転方向判別器9を設けることにより、ウィンチ装置
30の遠隔操作を可能にすると共に、既設の電動ウィン
チに替えて本発明による電動ウィンチコントロールシス
テムを採用するときに、容易に移行できるようになって
いる。
【0013】また、周波数変換装置8と、回転方向判別
器9と、遠隔操作部10からの電源供給線の接続スイッ
チ11とを制御ボックス20に収納し、制御ボックス2
0の扉を接続スイッチ11に連動させ、制御ボックス2
0の扉を閉じないとウィンチ装置30が作動しないよう
に構成すれば、ウィンチ装置30の安全性の向上が図れ
る。
【0014】さらに、制御ボックス20に手元操作ユニ
ット12を接続可能にし、制御ボックス20の扉が閉じ
ていないときに手元操作ユニット12を制御ボックス2
0に接続して、ウィンチ装置30を直接操作可能にする
ことにより、ウィンチ装置30の安全性及び操作性の向
上を図ることができる。
【0015】なお、たるみ検出部7を、ウィンチ装置3
0の両側スタンド31にシャフト73によって回転自在
に取り付けられた一組のアーム72と、前記第2のドラ
ムD2と平行にアーム72に取り付けられたローラ71
と、シャフト73に取り付けられた角度検出センサ74
とによって構成し、角度検出センサ74が、第2のドラ
ムD2の巻き取り位置手前でワイヤ2の上部に接してい
るローラ71の位置を、アーム72の回転角度によって
ワイヤ2のたるみ量として検出するようにすれば、比較
的シンプルな構成と部品によって、たるみ検出部7を構
成することが出来る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態について説明する。まず、図1(a)、(b)を
用いて、本発明によるウィンチコントロールシステムを
用いたネット装置の概略について説明する。ネット装置
の構成は図5で示したネット装置と基本的には同じもの
である。従って、図5と共通する構成要素は共通する参
照符号で示してあり、説明を省略する。
【0017】図1(a)に示すように、ネットNの上
昇、下降を行うためのウィンチ装置30は、ネットNの
上昇時にワイヤ2を巻き取るドラムD1と、ネットNの
下降時にワイヤ2を巻き取るドラムD2とを備えてお
り、ワイヤ2の一端はドラムD1に固定され、ワイヤ2
の他端はドラムD2に固定されている。従って、ワイヤ
2が矢印A方向に向かってドラムD1に巻き取られてい
くとき、ネットNはガイドワイヤ4に沿って上昇してい
く。一方、ワイヤ2が矢印B方向に向かってドラムD2
に巻き取られていくとき、ネットNはガイドワイヤ4に
沿って下降していく。
【0018】ここで、ワイヤ2はドラムD2に巻き取ら
れる手前でたるみ検出部7に接しており、このたるみ検
出部7からのたるみ量信号に基づき、ドラムD2の回転
を制御するのが、本発明の第一のポイントである。この
制御については、後段で図2及び図3を用いて詳述す
る。
【0019】なお、滑車K2とドラムD2との距離Xが
あまりとれない設置場所では、ワイヤ2を急勾配でドラ
ムD2に巻き取ることになるので、図1(a)に示す構
成のままではドラムD2の幅方向にワイヤ2が整列巻き
されずに一部分に片寄って巻かれてしまう(いわゆるだ
んご状態になる)可能性が高い。従って、図1(b)に
示すように、ウィンチ装置30にワイヤシーブ13を設
けて、ドラムD2にワイヤ2を導入する。
【0020】次に、図2を用いて本発明によるウィンチ
コントロールシステムの構成について説明する。なお、
図2において太い実線は電源供給線を示し、細い実線の
矢印は信号線を示している。
【0021】本発明によるウィンチコントロールシステ
ムは、まず大きく分けて3つのブロック、すなわち、遠
隔操作部10、制御ボックス20及びウィンチ装置30
から構成される。
【0022】ここで、遠隔操作部10は、ネット装置や
ウィンチ本体とは離れた位置、例えばクラブハウス内や
事務所内等に設けられている。遠隔操作部10は、ウィ
ンチ装置30への三相交流電源からの電源供給のON、
OFFと、ドラムD1及びD2を回転させるモータM
1、M2の正転、逆転の指令を送るものである。以下の
説明では、正転というときはネットNを上昇させるとき
の回転方向、逆転というときはネットNを下降させると
きの回転方向を指すものとする。
【0023】ウィンチ装置30は、ネットNの上昇及び
下降を行うためのウィンチ本体及びその付属装置を含む
ものである。その主要な構成要素は、図2に示すよう
に、ギアG1を介してモータM1によって駆動されるド
ラムD1と、モータM1に設けられた電磁ブレーキ6
と、ギアG2を介してモータM2によって駆動されるド
ラムD2と、ドラムD2の近傍に設けられドラムD2に
巻き取られるワイヤ2のたるみ量を検出してたるみ量信
号を送るたるみ検出部7である。
【0024】制御ボックス20は、モータM1及びモー
タM2に電源を供給すると共にその駆動を制御してお
り、図1では図示していないがウィンチ装置30の近傍
に設けられている。制御ボックス20には、周波数変換
装置8、回転方向判別器9及びドアスイッチ11が設け
られ、手元操作ユニット12が付属している。周波数変
換装置8は、三相交流電源からの電源供給を受けモータ
M2に電源を供給するとともに、たるみ検出部7からの
たるみ量信号に基づきワイヤ2の張力を一定に保つため
にモータM2の回転を増減速する制御を行うためのイン
バータ制御ユニットである。回転方向判別器9は、遠隔
操作部10からの正転あるいは逆転の三相交流電源信号
を判別して、周波数変換装置8に正転あるいは逆転を指
令する信号を送信する。ここで、モータM1にはドアス
イッチ11を介して遠隔操作部10から直接三相交流電
源が供給されているが、モータM2には、周波数変換装
置8を介して電源が供給されている。このとき、周波数
変換装置8は遠隔操作部10から三相交流の逆転あるい
は正転の電源のみ受電し、この電源はインバータの電源
としてのみ利用されるので、周波数変換装置8に遠隔操
作部10からの正転、あるいは逆転を指令する信号が必
要となる。この信号を作成するために回転方向判別器9
が設けられているのである。なお、本発明によるウィン
チコントロールシステムでは、正転のときはモータM2
を駆動させず、逆転のときのみモータM2を駆動させる
ようになっているので(後段の動作の説明参照)、回転
方向判別器9は正転のとき何ら信号を周波数変換装置8
に送信せず逆転のときのみモータM2を駆動させる信号
を周波数変換装置8に送信するように構成できる。
【0025】なお、安全にウィンチ装置30を作動させ
るために、制御ボックス20の扉(図示せず)にドアスイ
ッチ11を設け、遠隔操作部10から電源の供給がON
になっているときも扉を閉めたときにのみ遠隔操作可能
なようになっている。遠隔操作部10とウィンチ装置3
0が作動する場所とは離れているため、ウィンチ装置3
0側で準備が整っていない場合など運転開始に不都合が
あるにもかかわらず、遠隔操作部10からの指令により
いきなりウィンチ装置30が作動するなどの危険を防止
するためである。また、制御ボックス20の扉が開いて
いるとき、手元操作ユニット12を制御ボックス20に
接続することができ、ウィンチ装置30を直接操作でき
るようになっている。例えばドラムやワイヤの取付け、
取外し時など、直接ウィンチ装置30を監視しながらす
ぐに操作を行いたいとき、遠隔操作部10でのみウィン
チ装置30を操作可能とすると、遠隔操作部10側の作
業者とウィンチ装置30側の作業者が大声や無線電話等
でその都度連絡をとりながら作業する必要があり煩雑で
あるばかりでなく、連絡不十分のため危険が生じる場合
もある。従って、本発明のように制御ボックス20の扉
を開けて遠隔操作部10からの操作をできないようにし
ておいた上、手元操作ユニット12で直接ウィンチ装置
30を操作できるようにすると、安全性、操作性が格段
に向上する。
【0026】次に、図1及び図2を用いて本発明による
ウィンチコントロールシステムの動作について説明す
る。
【0027】まず、ネットNを上昇させるときの動作に
ついて説明する。制御ボックス20の扉を閉めると、ド
アスイッチ11が閉じて遠隔制御回路が構成される。遠
隔操作部10からネットNの上昇を指令する正転信号が
モータM1に送られると、モータM1はギアG1を介し
てドラムD1を駆動させ、ワイヤ2がドラムD1に巻き
取られていく。一方、正転信号を受信した回転方向判別
器9は周波数変換装置8にはモータ駆動を行うための信
号は何ら送らないので、モータM2は電源OFFのまま
である。従って、ワイヤ2がドラムD1に巻き取られて
いくとき、ドラムD2はドラムD1に巻き取られるワイ
ヤ2に引っ張られて回転するだけである。このとき、モ
ータM2は駆動していないため駆動伝達系の抵抗により
ドラムD2にはワイヤ2の進行方向に対して適度の逆向
きの張力がかかるために、ワイヤ2はドラムD1にきれ
いに巻き取られていく。
【0028】次に、ネットNを下降させる動作について
説明する。遠隔制御部10からネットNの下降を指令す
る逆転信号を受信した回転方向判別部9は、周波数変換
装置8に対してモータを駆動させるための信号を送る
と、周波数変換装置8はあらかじめ設定されている基準
周波数に基づく回転でモータM2を駆動するための駆動
電圧をモータM2に供給し、モータM2はギアG2を介
してドラムD2を回転させワイヤ2を巻き取っていく。
ここで、ドラムD2のワイヤ2巻き取り位置近傍に設置
されたたるみ検出部7は、ワイヤ2のたるみ量を検出
し、たるみ量信号を周波数変換装置8にフィードバック
し、周波数変換装置8は、基準周波数とフィードバック
されたたるみ量とを比較演算し、その偏差に基づき、ワ
イヤ2のたるみが一定の張力になるようモータM2の回
転を補正するための駆動電圧をモータM2に送る。この
ようにワイヤ2のたるみ量に基づき常にモータM2の回
転をコントロールするので、ネットNの下降作業中に風
その他何らかの原因でネットNが支柱P等の構造物に絡
まったりした場合にもワイヤ2の張力を一定にして下降
動作を継続することが出来る。
【0029】ここで、本発明において、周波数変換装置
8をドラムD2側(すなわち、巻下げドラム側)に設け
た理由について説明する。周波数変換装置8をドラムD
1側(すなわち巻上げドラム側)に設けたとすると、下
降動作時に、モータM1は逆回転しマイナス負荷となる
ので、モータM1本体が発電機になり、この発電作用を
抑えるための放電抵抗等が必要になる。これに対し、本
発明による場合は、ドラムD2側のモータM2は上昇時
には作動させず下降動作時に作動するだけなので下降動
作時のマイナス負荷はモータM1が負担することにな
り、モータM2にはマイナス負荷はかからない。このよ
うに、本発明では周波数変換装置8をモータM2側に設
けたことにより放電抵抗等は不要となる。さらに、本発
明においては、周波数変換装置8及びモータ2は主とし
てワイヤ2のたるみを一定の張力に保つための制御を行
うために設けられているので、モータM1側に設けるの
に比して負荷が極小のため、モータM2側に用いる周波
数変換装置8やモータM2はモータM1側に用いたとす
る場合よりも小型のものですむ。
【0030】最後に、図3を用いてたるみ検出部7の構
成についてより詳細に説明する。図3はウィンチ装置3
0の概略を示した斜視図である。ドラムD1及びD2は
スタンド31にとり付けられており、図示していないモ
ータM1及びM2によって駆動される。なお、スタンド
31の外周に沿って本来はスタンド31を支持するため
のフレームが取り付けられているが、ここではたるみ検
出部7の構成を分かりやすく示すためにフレームの図示
は省略してある。スタンド31両側のドラムD2取付け
位置の下部にはシャフト73が回転自在にそれぞれ取り
付けられており、シャフト73にはアーム72が取り付
けられている。アーム72の先端にはローラ71がドラ
ムD2と平行に取り付けられている。このローラ71
は、ドラムD2に巻き取られるワイヤ2の上側に接して
おり、ワイヤ2のたるみあるいは張りに応じて一定の角
度の範囲で自由に移動することができる。ワイヤ2の張
力が緩み出すとアーム72は矢印D方向に移動し、ワイ
ヤ2の張力が増すと矢印C方向に移動する。片側のシャ
フト73には、角度検出センサ74が取り付けられてお
り、アーム72の回転角度を検出する。この角度検出セ
ンサ74によって検出されたアーム72の回転角度に応
じてワイヤ2のたるみ具合を検出でき、このたるみ量信
号を周波数変換装置8にフィードバックすることにより
ドラムD2を駆動するモータM2の回転をワイヤ2が一
定の張力を保つ様に制御する。シャフト73にバネ等を
取り付けることにより、アーム72を特定の方向に付勢
させるようにしてもよい。なお、角度検出センサ74と
して、ポテンショメータや光電式回転角センサなどを用
いることができる。
【0031】
【発明の効果】本発明によるウィンチコントロールシス
テムは以上説明したように構成されており、以下に記載
するような効果を奏する。 (1)ネットの下降時に、ワイヤのたるみ量を検出しそ
の値をフィードバックしながら巻取りドラムの回転を制
御することによって常にワイヤに一定の張力を保たせな
がらネットの下降をおこなうので、強風など何らかの原
因によりネットが架設構造物等にからまったり圧接した
ときもワイヤの乱巻を起こすことなくスムースにネット
を下降させることができる。従って、ワイヤの破断や架
設構造物等の破損を起こすことがなく常に安全にネット
の上昇・下降ができる。 (2)既設の従来型電動ウィンチは、遠隔制御部から三
相交流電源が供給されているので、新規に電気工事など
を行わなくても容易に本発明によるウィンチコントロー
ルシステムに置き換えることができ、設置用コストの低
減を図ることができる。 (3)本システムでは、2つのドラムにそれぞれ駆動用
のモータを設けているが、下降用の巻き取りドラムに設
けたモータは上昇時には駆動させず、下降時にも主とし
てワイヤのたるみを一定の張力に補正するためにモータ
の回転制御を行うようにしているので、制御用の周波数
変換装置やモータは出力の小さいもので対処でき、全体
としてコストパフォーマンスが良い。 (4)本システムによれば、遠隔操作部から電源が供給
されていても、制御ボックスの扉を閉めなければウィン
チを作動させず、また手元操作ユニットを接続すること
によりウィンチを側で直接操作できるようにしてあるの
で、安全性、操作性に優れている。 (5)本システムでは、2つのドラムにそれぞれ駆動用
のモータを設けているので、下降用の巻き取りドラム側
にトラブルが発生しても、該ドラムよりワイヤを取外し
ておけば通常のウィンチとして上昇下降動作が可能であ
り、緊急時の対応にも配慮したシステムである。
【0032】なお、本明細書の実施の形態の欄では、本
システムをネット装置に適用した例を記載したが、本シ
ステムはこのようなネット装置に限らず、多目的ホール
の仕切り装置や面積の広い幕等シート状物体の掲揚装
置、舞台装置等、種々の装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるウィンチコントロールシステムを
用いたネット装置の概略構成を示した図である。
【図2】本発明によるウィンチコントロールシステムの
構成を示したブロック図である。
【図3】たるみ検出部の構成を示す斜視図である。
【図4】従来のネット装置の概略構成を示した図であ
る。
【図5】従来のネット装置の改良例の概略構成を示した
図である。
【図6】従来のネット装置に用いられている電動ウィン
チの一例を示した図である。
【図7】従来のネット装置に用いられている電動ウィン
チの一例を示した図である。
【図8】従来のネット装置に用いられている電動ウィン
チの一例を示した図である。
【符号の説明】
2 ワイヤ 4 ガイドワイヤ 6 電磁ブレーキ 7 たるみ検出部 8 周波数変換装置 9 回転方向判別器 10 遠隔操作部 11 ドアスイッチ 12 手元操作ユニット 20 制御ボックス 30 ウィンチ装置 D1、D2 ドラム M1、M2 モーター N ネット

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワイヤの一端を固定した第1のドラムと、
    該ワイヤの他端を固定した第2のドラムとを備え、該ワ
    イヤを該第1のドラムから上方に設けた滑車と下方に設
    けた滑車と該第2のドラムとに架渡し、該上方・下方滑
    車間で該ワイヤに端部を固定したネット状あるいはシー
    ト状物体を上昇下降させるウィンチ装置のコントロール
    システムにおいて、 該ウィンチ装置に、該第1のドラムを回転させる第1の
    モータと、該第2のドラムを回転させる第2のモータ
    と、該第2のモータの回転を制御する周波数変換装置
    と、該第2のドラムの下部に設けられた該ワイヤのたる
    みを検出するたるみ検出部とを設け、 該物体を上昇させるときに該第1のモータを正転駆動さ
    せて該第1のドラムに該ワイヤを巻き取らせ該第2のモ
    ータは駆動させず、該物体を下降させるときに該第1の
    モータを逆転駆動させると共に該第2のモータを駆動し
    て該第2のドラムにワイヤを巻き取らせながら、該たる
    み検出部で該ワイヤのたるみを検出してたるみ量信号を
    該周波数変換装置に送信し、該たるみ量信号に基づいて
    該周波数変換装置が該ワイヤの張力を一定に保つよう該
    第2のモータの回転を制御するウィンチコントロールシ
    ステム。
  2. 【請求項2】前記ウィンチ装置に三相交流電源を供給す
    るとともに前記物体の上昇・下降指令を送信する遠隔操
    作部を設け、前記第1のモータには該遠隔操作部より直
    接電源を供給し、前記第2のモータには前記周波数変換
    装置を介して電源を供給すると共に、該遠隔操作部から
    の上昇・下降指令を判別し前記周波数変換装置に前記第
    2のモータを駆動するための信号を送信する回転方向判
    別器を設けた、請求項1に記載のウィンチコントロール
    システム。
  3. 【請求項3】前記周波数変換装置と、前記回転方向判別
    器と、前記遠隔操作部からの電源供給線の接続スイッチ
    とを制御ボックスに収納し、該制御ボックスの扉を該接
    続スイッチに連動させ、該制御ボックスの扉を閉じない
    と前記ウィンチ装置が作動しないようにした、請求項2
    に記載のウィンチコントロールシステム。
  4. 【請求項4】前記制御ボックスに手元操作ユニットを接
    続可能にし、前記制御ボックスの扉が閉じていないとき
    に該手元操作ユニットを前記制御ボックスに接続したと
    き、前記ウィンチ装置を直接操作可能にした、請求項3
    に記載のウィンチコントロールシステム。
  5. 【請求項5】前記たるみ検出部は、前記ウィンチ装置の
    両側スタンドにシャフトによって回転自在に取り付けら
    れた一組のアームと、前記第2のドラムと平行に該アー
    ムに取り付けられたローラと、前記シャフトに取り付け
    られた角度検出センサとによって構成され、該角度検出
    センサが、前記第2のドラムの巻き取り位置手前でワイ
    ヤの上部に接している該ローラの位置を、該アームの回
    転角度によって該ワイヤのたるみ量として検出する、請
    求項1に記載のウィンチコントロールシステム。
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