JP3309954B2 - 有底筒状ワークの高周波焼入装置及び高周波焼入方法 - Google Patents

有底筒状ワークの高周波焼入装置及び高周波焼入方法

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JP3309954B2
JP3309954B2 JP15016197A JP15016197A JP3309954B2 JP 3309954 B2 JP3309954 B2 JP 3309954B2 JP 15016197 A JP15016197 A JP 15016197A JP 15016197 A JP15016197 A JP 15016197A JP 3309954 B2 JP3309954 B2 JP 3309954B2
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cylindrical work
induction hardening
cooling liquid
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日吉 渡邊
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有底筒状ワークの
内面に高周波焼入を施す有底筒状ワークの高周波焼入装
置と、高周波焼入方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】有底筒状ワークの内面に高周波焼入を施
す有底筒状ワークの高周波焼入装置として代表的なもの
は、固定された有底筒状ワークの内側に挿入される高周
波加熱コイルと、この高周波加熱コイルを上昇させる移
動機構と、高周波加熱コイルによって加熱された部分を
冷却すべく前記高周波加熱コイルとともに移動する内側
冷却ジャケットと、この内側冷却ジャケットとともに移
動し、有底筒状ワークの外周を冷却する外側冷却ジャケ
ットとを有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た代表的な有底筒状ワークの高周波焼入装置には以下の
ような問題点がある。まず、有底筒状ワークの高周波焼
入の際の冷却に二種類の冷却ジャケットが必要となるた
め、冷却液のための配管の取りまわしを含めて、冷却の
ための機構が複雑になる。また、冷却ジャケットの移動
機構も必要となり、全体の構成が複雑になる。さらに、
冷却ジャケットから噴射される冷却液にもむらが生じる
ため、高周波焼入にむらが生じるおそれがある。
【0004】本発明は上記事情に鑑みて創案されたもの
であって、冷却ジャケットのための配管や移動機構を不
要として全体の構成を簡素化するとともに、高周波焼入
にむらが生じない有底筒状ワークの高周波焼入装置と高
周波焼入方法とを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る有底筒状ワ
ークの高周波焼入装置は、有底筒状ワークの内面に高周
波焼入を施す有底筒状ワークの高周波焼入装置であっ
て、有底筒状ワークの内面を加熱する高周波加熱コイル
と、冷却液を貯溜する貯溜タンクと、この貯溜タンクに
貯溜された冷却液に高周波加熱コイルで内面が加熱され
た有底筒状ワークを浸漬させるべく有底筒状ワークと貯
溜タンクとを相対移動させる移動機構と、浸漬された有
底筒状ワークの内側と冷却液とで囲まれた空間を減圧し
て、有底筒状ワークの貯溜タンクに対する相対移動に応
じて、前記空間の液面を有底筒状ワークで囲まれた部分
以外の液面と同一にする減圧手段とを有している。
【0006】また、本発明に係る有底筒状ワークの高周
波焼入方法は、有底筒状ワークの内面に高周波焼入を施
す有底筒状ワークの高周波焼入方法であって、有底筒状
ワークの内面を高周波加熱コイルで加熱しつつ、当該有
底筒状ワークを貯溜タンクに貯溜された冷却液に浸漬
し、有底筒状ワークと冷却液とで囲まれた空間を減圧し
て、有底筒状ワークの貯溜タンクに対する相対移動に応
じて、前記空間の液面を有底筒状ワークで囲まれた部分
以外の液面と同一にするようになっている。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1の実施の形態
に係る有底筒状ワークの高周波焼入装置による高周波焼
入の初期の状態を示す概略的構成図、図2は本発明の第
1の実施の形態に係る有底筒状ワークの高周波焼入装置
による高周波焼入の中期の状態を示す概略的構成図、図
3は本発明の第1の実施の形態に係る有底筒状ワークの
高周波焼入装置による高周波焼入の後期の状態を示す概
略的構成図、図4は本発明の第2の実施の形態に係る有
底筒状ワークの高周波焼入装置による高周波焼入の初期
の状態を示す概略的構成図、図5は本発明の第2の実施
の形態に係る有底筒状ワークの高周波焼入装置による高
周波焼入の中期の状態を示す概略的構成図、図6は本発
明の第2の実施の形態に係る有底筒状ワークの高周波焼
入装置による高周波焼入の後期の状態を示す概略的構成
図、図7は本発明の第3の実施の形態に係る有底筒状ワ
ークの高周波焼入装置による高周波焼入の初期の状態を
示す概略的構成図、図8は本発明の第3の実施の形態に
係る有底筒状ワークの高周波焼入装置による高周波焼入
の中期の状態を示す概略的構成図、図9は本発明の第3
の実施の形態に係る有底筒状ワークの高周波焼入装置に
よる高周波焼入の後期の状態を示す概略的構成図であ
る。
【0008】本発明の第1の実施の形態に係る有底筒状
ワークの高周波焼入装置は、有底筒状ワークの内面に高
周波焼入を施す有底筒状ワークの高周波焼入装置であっ
て、有底筒状ワークWの内面を加熱する高周波加熱コイ
ル100と、冷却液Lを貯溜する貯溜タンク200と、
この貯溜タンク200に貯溜された冷却液Lに高周波加
熱コイル100で内面が加熱された有底筒状ワークWを
浸漬させるべく有底筒状ワークWを下向きに移動させる
移動機構300と、浸漬された有底筒状ワークWの内側
と冷却液Lとで囲まれた空間SPを減圧して、有底筒状
ワークWの貯溜タンク200に対する相対移動に応じ
て、前記空間SPの液面L1を有底筒状ワークWで囲ま
れた部分以外の液面と同一にする減圧手段400とを有
している。
【0009】まず、高周波加熱コイル100は、従来の
有底筒状ワークの高周波焼入装置において使用されてい
たものと同様のものであって、有底筒状ワークWの内面
に対応した形状に形成されている。この高周波加熱コイ
ル100は、導電性を有するパイプから構成されてお
り、自身の過熱を防止するために冷却液を循環させるよ
うになっている。
【0010】一方、冷却液Lを貯溜する貯溜タンク20
0は、冷却液Lの温度を一定に保つための図外のヒータ
や温度センサ等が設けられている。前記高周波加熱コイ
ル100は、この貯溜タンク200に貯溜された冷却液
Lの上に取り付けられている。この貯溜タンク200
は、有底筒状ワークWが浸漬された時に、有底筒状ワー
クWの浸漬された部分の体積に相当する冷却液Lが溢れ
るように、一方の壁(図面では右側の壁)が他方の壁
(図面では左側の壁)より背低になっている。
【0011】また、有底筒状ワークWを下側に向かっ
て、すなわち冷却液Lの液面L1に向かって移動させる
移動機構300は、貯溜タンク200の下方に設けられ
た機械室500に設置されたシリンダ310と、このシ
リンダ310のシャフト320と、このシャフト320
の先端に取り付けられた載置台を兼ねたコンセントリン
グ330とを有している。
【0012】前記移動機構300を構成するシリンダ3
10のシャフト320が最大に伸びた場合には、コンセ
ントリング330は冷却液Lの液面L1の上で、かつ高
周波加熱コイル100の上方に位置するようになってい
る。また、図3に示すように、シリンダ310のシャフ
ト320が最も縮んだ場合には、高周波加熱コイル10
0が有底筒状ワークWの最頂部近傍に位置するようにな
っている。
【0013】前記減圧手段400は、貯溜した冷却液L
の液面L1から先端が突出した減圧用パイプ410を有
しており、この減圧用パイプ410は後端が大気と連通
している。また、この減圧用パイプ410の先端は、高
周波加熱コイル100より背低の位置に設定されてい
る。
【0014】また、この減圧手段400は、冷却液Lに
浸漬された有底筒状ワークWの内側と冷却液Lとで囲ま
れた空間SPを減圧するものである。すなわち、有底筒
状ワークWの下端部が冷却液Lに浸漬されることにより
構成される空間SPから空気を抜くことによって、冷却
液Lの液面L1が他の部分の液面L1と同一になるよう
にするのである。
【0015】次に、上述のように構成された有底筒状ワ
ークの高周波焼入装置による有底筒状ワークWの高周波
焼入について説明する。まず、移動機構300のシリン
ダ310のシャフト320を最大に伸ばしておき、その
先端のコンセントリング330に有底筒状ワークWを載
置する。
【0016】図外の高周波電源から高周波加熱コイル1
00に高周波電流を供給する。また、この状態で移動機
構300により有底筒状ワークWを下側に移動させる。
すると、高周波加熱コイル100は有底筒状ワークWの
内面を加熱する。
【0017】移動機構300は、一定の速度で有底筒状
ワークWを下側に移動させ、有底筒状ワークWの内面は
下側から上側に向かって高周波加熱コイル100によっ
て加熱される。
【0018】内面が加熱された有底筒状ワークWは、貯
留タンク200に貯留された冷却液Lに浸漬されること
により冷却されて高周波焼入が施される。
【0019】ここで、有底筒状ワークWが冷却液Lに浸
漬されることによって有底筒状ワークWと冷却液Lとの
間に形成される空間SPを減圧しないならば、有底筒状
ワークWの内面の全面にわたって高周波焼入を施すこと
ができない。
【0020】すなわち、前記空間SPの減圧が行なわな
ければ、有底筒状ワークWを下側に向かって移動させて
も空間SPを構成する冷却液Lの液面L1は有底筒状ワ
ークWとの間で相対的な位置を変えないので、有底筒状
ワークWの下端部以外には冷却液Lによる冷却が行なわ
れず、高周波焼入も施されないのである。
【0021】かかる事態を避けるため、この有底筒状ワ
ークの高周波焼入装置では減圧手段400が設けられて
いる。すなわち、有底筒状ワークWが下側に移動するに
つれて、冷却液Lが有底筒状ワークWの内面を冷却する
ように、前記空間SPを減圧して、冷却液Lの液面L1
が常に他の部分の液面L1と同一になるようにしている
のである。
【0022】このようにして、高周波焼入コイル100
で加熱された有底筒状ワークWの内面は高周波焼入が施
される。
【0023】なお、有底筒状ワークWが冷却液Lに浸漬
されると、有底筒状ワークWの浸漬された部分の体積に
応じた量の冷却液Lが、図2及び図3に矢印Aで示すよ
うに溢れて、冷却液Lの液面L1を一定に保持する。
【0024】1つの有底筒状ワークWの高周波焼入が完
了すると、移動機構300は有底筒状ワークWを冷却液
Lから持ち上げて、図示しないハンドリング装置によっ
て、高周波焼入が施された有底筒状ワークWをコンセン
トリング330から外し、新たな有底筒状ワークWをコ
ンセントリング330にセットする。
【0025】また、貯留タンク200には、液面L1を
一定にするため図外の冷却液供給部から常に新しい冷却
液Lが供給されているので、冷却液Lは図2及び図3に
示す矢印Aのようにオーバーフローしている。
【0026】次に、本発明の第2の実施の形態に係る有
底筒状ワークの高周波焼入装置について図4〜図6を参
照しつつ説明する。この有底筒状ワークの高周波焼入装
置が第1の実施の形態に係るものと相違する点は、有底
筒状ワークWを冷却液Lに浸漬させる際に、前記空間S
Pに臨んだ冷却液Lを吸引する冷却液抜き部600を有
している点である。
【0027】この冷却液抜き部600は、特に小型の有
底筒状ワークWの場合には、空間SPが小さいので、加
熱された有底筒状ワークWにより冷却液Lが過熱される
ため、有効な高周波焼入が行なえないことがある点に鑑
みて設けられたものである。
【0028】この冷却液抜き部600は、先端が液面L
1より僅かに下方になった吸引管610を有している。
【0029】すなわち、この冷却液抜き部600は、有
底筒状ワークWにより過熱された冷却液Lが、前記空間
SPに臨んだ場所にあるため、図5及び図6に矢印Bで
示すように、この過熱された冷却液Lを吸引することに
より、周囲から温度の低い冷却液Lを有底筒状ワークW
の周囲への流れを作るのである。
【0030】例えば、この冷却液抜き部600を設けて
いない場合、径φ80の有底筒状ワークWであれば、周
囲の冷却液Lの温度は80〜90℃であるのに対し、冷
却液抜き部600を設けた場合には35〜40℃になっ
た。
【0031】次に、本発明の第3の実施の形態に係る有
底筒状ワークの高周波焼入装置について図7〜図9を参
照しつつ説明する。この本発明の第3の実施の形態に係
る有底筒状ワークの高周波焼入装置が上述した第2の実
施の形態に係る有底筒状ワークの高周波焼入装置と相違
する点は、冷却液抜き部600が有底筒状ワークWの高
周波焼入の最終段階で冷却液Lを空間SPに向かって噴
射し、当該空間SPを冷却液Lで満たす点にある。
【0032】すなわち、高周波加熱コイル100は冷却
液Lの液面L1より上側に固定的に設けられているた
め、有底筒状ワークWが最も下にまで下がった場合でも
有底筒状ワークWの最頂部は冷却液Lによる冷却が行な
われないのである。この場合、最頂部の冷却は、冷却液
Lで前記空間SPを満たしてやることで実現できる。
【0033】このため、冷却液抜き部600に三方弁6
30を設ける。この三方弁630には、冷却液Lを吸引
する配管である吸引管610と、この吸引管610から
の冷却液Lを吸引する第1配管640と、空間SPを冷
却液Lで満たす場合に冷却液Lを空間SPに向かって供
給する第2配管650とが接続されている。
【0034】かかる三方弁630を有する有底筒状ワー
クの高周波焼入装置による有底筒状ワークWの高周波焼
入について説明する。
【0035】この有底筒状ワークの高周波焼入装置は、
有底筒状ワークWが最も下がるまでは上述した第1及び
第2の実施の形態に係る有底筒状ワークの高周波焼入装
置と同様の動作を行なう。
【0036】すなわち、冷却液抜き部600では、三方
弁630が吸引管610と第1配管640との間を開
け、吸引管610と第2配管650との間を閉じてお
く。これにより、図8に矢印Bで示す冷却液Lの流れが
発生し、周囲から温度の低い冷却液Lを有底筒状ワーク
Wの周囲へと導くことができる。
【0037】なお、減圧手段400によって空間SPを
減圧して、冷却液Lの液面L1を一定に維持しているの
は上述の場合と同様である。
【0038】図9に示すように、有底筒状ワークWが最
も下がって最頂部の近傍に高周波加熱コイル100が位
置したならば、高周波加熱コイル100への通電を停止
するとともに、三方弁630により前記第1配管640
と吸引管610との間を閉じると同時に、第2配管65
0と吸引管610との間を開ける。
【0039】そして、図9に矢印Cで示すように、第2
配管650及び吸引管610を介して冷却液Lを前記空
間SPに供給する。これにより、図9に示すように、前
記空間SPは冷却液Lで満たされて、最頂部及びその周
囲の内面が冷却されて高周波焼入が施される。
【0040】なお、上述した移動機構300は、有底筒
状ワークWを下側に移動させるものとしたが、本発明が
これに限定されるわけではない。例えば、有底筒状ワー
クWは固定しておき、貯留タンク200を高周波加熱コ
イル100ともに上側に移動させるようにしてもよく、
有底筒状ワークWの下側への移動と貯留タンク200及
び高周波加熱コイル100の上側への移動とを同時に行
なうようにしてもよい。
【0041】また、有底筒状ワークWの最頂部の近傍の
冷却については、冷却液抜き部600に三方弁630を
設けておき、この三方弁630の切換によって空間SP
に冷却液Lを供給して満たすように説明したが、次のよ
うに行うことも可能である。
【0042】すなわち、有底筒状ワークWの最頂部近傍
の加熱が終了したならば、貯溜タンク200を急速に上
昇させて、空間SPを冷却液Lで満たすのである。これ
は、空間SPが減圧用パイプ410を介して大気と連通
されているため、貯溜タンク200を急上昇させると、
空間SPにあった空気が減圧用パイプ410を介して外
部に排気されるため可能となる。
【0043】
【発明の効果】本発明に係る有底筒状ワークの高周波焼
入装置は、有底筒状ワークの内面に高周波焼入を施す有
底筒状ワークの高周波焼入装置であって、有底筒状ワー
クの内面を加熱する高周波加熱コイルと、冷却液を貯溜
する貯溜タンクと、この貯溜タンクに貯溜された冷却液
に高周波加熱コイルで内面が加熱された有底筒状ワーク
を浸漬させるべく有底筒状ワークと貯溜タンクとを相対
移動させる移動機構と、浸漬された有底筒状ワークの内
側と冷却液とで囲まれた空間を減圧して、有底筒状ワー
クの貯溜タンクに対する相対移動に応じて、前記空間の
液面を有底筒状ワークで囲まれた部分以外の液面と同一
にする減圧手段とを備えている。
【0044】このため、特に有底筒状ワークに冷却液を
噴射する冷却ジャケットが不要となり、これに伴って冷
却ジャケットに冷却液を供給する配管や、冷却ジャケッ
トの移動機構が不要となって全体として構成を簡単にす
ることができる。また、高周波加熱コイルによって加熱
された部分が冷却液に浸漬されるため、高周波焼入のむ
らの原因となる冷却にむらが生じず、均一な高周波焼入
を施すことができる。
【0045】また、請求項2に係る有底筒状ワークの高
周波焼入装置では、有底筒状ワークを冷却液に浸漬させ
る際に、前記空間に臨んだ冷却液を吸引する冷却液抜き
部を有している。
【0046】このため、加熱された有底筒状ワークの冷
却によって過熱された冷却液を吸引し、有底筒状ワーク
の周囲には常に過熱されていない冷却液が導かれるの
で、高品質の高周波焼入が可能となる。特に、有底筒状
ワークと冷却液の液面とで構成される空間が小さい小型
の有底筒状ワークで効果的である。
【0047】さらに、請求項3に係る有底筒状ワークの
高周波焼入装置では、前記冷却液抜き部は、高周波加熱
コイルが有底筒状ワークの最頂部近傍にまで達した場合
に、冷却液の吸引を停止するとともに、冷却液を前記空
間に供給して前記空間を冷却液で満たすように構成され
ている。
【0048】このため、高周波焼入が施しにくい有底筒
状ワークの最頂部の近傍にまで冷却液が供給されるた
め、この部分も確実に冷却されるので高周波焼入が保証
される。
【0049】また、請求項4に係る有底筒状ワークの高
周波焼入装置のように、前記移動機構が、有底筒状ワー
クの最頂部近傍にまで達して当該部分の加熱が終了した
後に、貯溜タンクを素早く上昇させるようにすると、前
記空間は自然と冷却液で満たされるので、高周波焼入が
施しにくい有底筒状ワークの最頂部の近傍も確実に冷却
されるので高周波焼入が保証される。
【0050】また、本発明に係る有底筒状ワークの高周
波焼入方法は、有底筒状ワークの内面に高周波焼入を施
す有底筒状ワークの高周波焼入方法であって、有底筒状
ワークの内面を高周波加熱コイルで加熱しつつ、当該有
底筒状ワークを貯溜タンクに貯溜された冷却液に浸漬
し、有底筒状ワークと冷却液とで囲まれた空間を減圧し
て、有底筒状ワークの貯溜タンクに対する相対移動に応
じて、前記空間の液面を有底筒状ワークで囲まれた部分
以外の液面と同一にするようになっている。
【0051】このため、この有底筒状ワークの高周波焼
入方法による場合には、特に有底筒状ワークに冷却液を
噴射する冷却ジャケットが不要となり、これに伴って冷
却ジャケットに冷却液を供給する配管や、冷却ジャケッ
トの移動機構が不要となって有底筒状ワークの高周波焼
入装置の構成を全体として簡単にすることができる。ま
た、高周波加熱コイルによって加熱された部分が冷却液
に浸漬されるため、高周波焼入のむらの原因となる冷却
にむらが生じず、均一な高周波焼入を施すことができ
る。
【0052】また、請求項6に係る有底筒状ワークの高
周波焼入方法では、有底筒状ワークを冷却液に浸漬させ
る際に、前記空間に臨んだ冷却液を吸引するようになっ
ているので、加熱された有底筒状ワークの冷却によって
過熱された冷却液を吸引し、有底筒状ワークの周囲には
常に過熱されていない冷却液が導かれるので、高品質の
高周波焼入が可能となる。特に、有底筒状ワークと冷却
液の液面とで構成される空間が小さい小型の有底筒状ワ
ークで効果的である。
【0053】さらに、請求項7に係る有底筒状ワークの
高周波焼入方法では、高周波加熱コイルが有底筒状ワー
クの最頂部近傍にまで達した場合に、冷却液の吸引を停
止するとともに、冷却液を前記空間に供給して前記空間
を冷却液で満たすようになっている。
【0054】このため、高周波焼入が施しにくい有底筒
状ワークの最頂部の近傍にまで冷却液が供給されるた
め、この部分も確実に冷却されるので高周波焼入が保証
される。
【0055】また、請求項8に係る有底筒状ワークの高
周波焼入方法のように、有底筒状ワークの最頂部近傍に
まで達して当該部分の加熱が終了した後に、貯溜タンク
を素早く上昇させるようにすると、前記空間は自然と冷
却液で満たされるので、高周波焼入が施しにくい有底筒
状ワークの最頂部の近傍も確実に冷却されるので高周波
焼入が保証される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る有底筒状ワー
クの高周波焼入装置による高周波焼入の初期の状態を示
す概略的構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る有底筒状ワー
クの高周波焼入装置による高周波焼入の中期の状態を示
す概略的構成図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る有底筒状ワー
クの高周波焼入装置による高周波焼入の後期の状態を示
す概略的構成図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る有底筒状ワー
クの高周波焼入装置による高周波焼入の初期の状態を示
す概略的構成図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る有底筒状ワー
クの高周波焼入装置による高周波焼入の中期の状態を示
す概略的構成図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る有底筒状ワー
クの高周波焼入装置による高周波焼入の後期の状態を示
す概略的構成図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る有底筒状ワー
クの高周波焼入装置による高周波焼入の初期の状態を示
す概略的構成図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る有底筒状ワー
クの高周波焼入装置による高周波焼入の中期の状態を示
す概略的構成図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る有底筒状ワー
クの高周波焼入装置による高周波焼入の後期の状態を示
す概略的構成図である。
【符号の説明】
100 高周波加熱コイル 200 貯留タンク 300 移動機構 400 減圧手段 W 有底筒状ワーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C21D 9/40 C21D 9/40 B (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 1/10 C21D 1/42 C21D 9/00 C21D 9/40

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有底筒状ワークの内面に高周波焼入を施
    す有底筒状ワークの高周波焼入装置において、有底筒状
    ワークの内面を加熱する高周波加熱コイルと、冷却液を
    貯溜する貯溜タンクと、この貯溜タンクに貯溜された冷
    却液に高周波加熱コイルで内面が加熱された有底筒状ワ
    ークを浸漬させるべく有底筒状ワークと貯溜タンクとを
    相対移動させる移動機構と、浸漬された有底筒状ワーク
    の内側と冷却液とで囲まれた空間を減圧して、有底筒状
    ワークの貯溜タンクに対する相対移動に応じて、前記空
    間の液面を有底筒状ワークで囲まれた部分以外の液面と
    同一にする減圧手段とを具備したことを特徴とする有底
    筒状ワークの高周波焼入装置。
  2. 【請求項2】 有底筒状ワークを冷却液に浸漬させる際
    に、前記空間に臨んだ冷却液を吸引する冷却液抜き部を
    具備したことを特徴とする請求項1記載の有底筒状ワー
    クの高周波焼入装置。
  3. 【請求項3】 前記冷却液抜き部は、高周波加熱コイル
    が有底筒状ワークの最頂部近傍にまで達した場合に、冷
    却液の吸引を停止するとともに、冷却液を前記空間に供
    給して前記空間を冷却液で満たすことを特徴とする請求
    項2記載の有底筒状ワークの高周波焼入装置。
  4. 【請求項4】 前記移動機構は、有底筒状ワークの最頂
    部近傍にまで達して当該部分の加熱が終了した後に、貯
    溜タンクを素早く上昇させることにより、有底筒状ワー
    クの内側と冷却液とで囲まれた空間を冷却液で満たすこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の有底筒状ワークの
    高周波焼入装置。
  5. 【請求項5】 有底筒状ワークの内面に高周波焼入を施
    す有底筒状ワークの高周波焼入方法において、有底筒状
    ワークの内面を高周波加熱コイルで加熱しつつ、当該有
    底筒状ワークを貯溜タンクに貯溜された冷却液に浸漬
    し、有底筒状ワークと冷却液とで囲まれた空間を減圧し
    て、有底筒状ワークの貯溜タンクに対する相対移動に応
    じて、前記空間の液面を有底筒状ワークで囲まれた部分
    以外の液面と同一にすることを特徴とする有底筒状ワー
    クの高周波焼入方法。
  6. 【請求項6】 有底筒状ワークを冷却液に浸漬させる際
    に、前記空間に臨んだ冷却液を吸引することを特徴とす
    請求項5記載の有底筒状ワークの高周波焼入方法。
  7. 【請求項7】 高周波加熱コイルが有底筒状ワークの最
    頂部近傍にまで達した場合に、冷却液の吸引を停止する
    とともに、冷却液を前記空間に供給して前記空間を冷却
    液で満たすことを特徴とする請求項6記載の有底筒状ワ
    ークの高周波焼入方法。
  8. 【請求項8】 有底筒状ワークの最頂部近傍にまで達し
    て当該部分の加熱が終了した後に、貯溜タンクを素早く
    上昇させることにより、有底筒状ワークの内側と冷却液
    とで囲まれた空間を冷却液で満たすことを特徴とする請
    求項5又は6記載の有底筒状ワークの高周波焼入方法。
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