JP3307592B2 - 放電加工機の電源装置 - Google Patents

放電加工機の電源装置

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JP3307592B2
JP3307592B2 JP21774998A JP21774998A JP3307592B2 JP 3307592 B2 JP3307592 B2 JP 3307592B2 JP 21774998 A JP21774998 A JP 21774998A JP 21774998 A JP21774998 A JP 21774998A JP 3307592 B2 JP3307592 B2 JP 3307592B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被加工物と電極と
の間に形成される極間(ギャップ)に電圧を印加して放
電を発生させ被加工物を加工する放電加工機の電源装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】放電加工の1サイクルは、電圧を印加し
放電が発生するのを待っている段階、絶縁破壊が起こり
放電が発生している段階、及び絶縁回復を図るべく電圧
の印加を休止している段階からなる。それぞれの段階の
時間のうち、放電待ち時間τWは制御不可能な時間であ
るが、放電時間及び休止時間は、制御可能な時間であ
り、例えばそれぞれオン時間τON及びオフ時間τOFF
して設定される。そして、放電加工は、放電段階にてな
されるため、その加工速度は、“τON/(τW +τ ON
τOFF )”が大きいほど、向上することとなる。
【0003】加工速度を向上させるべく、放電が安定し
て発生するようにするため、放電加工中の電圧よりも高
い電圧が放電発生用に使用される。図8は、そのような
従来の放電加工機の電源装置の回路構成の一例を示す図
であって、形彫り放電加工機に関するものである。電極
Eには、加工用の低電圧(70〜80V)を印加する主
電源V12の正極がスイッチング用トランジスタT1
2、電流制限用抵抗器R11及び逆流防止用ダイオード
D14を介して接続される一方、被加工物(ワーク)W
には、主電源V12の負極が接続されている。同様に、
電極Eには、放電誘発用の高電圧(100〜300V)
を印加するサーチ電源V22の正極がスイッチング用ト
ランジスタT22及び電流制限用抵抗器R21を介して
接続される一方、被加工物Wには、サーチ電源V22の
負極が接続されている。ダイオードD12及びD22
は、電源の接続が切断されたときに負荷のインダクタン
ス成分によって誘起される起電力からトランジスタT1
2及びT22を保護すべく、インダクタンスの蓄積エネ
ルギを負荷側に放出するものである。
【0004】図9は、極間電圧Vgの時間的変化を示す
波形図である。まず、時刻t0 において極間にサーチパ
ルスが印加されるが、極間は絶縁状態にあるため、極間
電圧Vgにはサーチ電圧V22が表れる。やがて、待ち
時間τW 経過後の時刻t1 にて極間の絶縁破壊が起こ
り、放電が始まると、それが検出され、直ちに極間に主
電源の電圧V12が印加されて放電が継続する。放電中
の極間電圧Vgは、主として加工パルスの電流値と極間
の抵抗とで定まる値V0となる。放電時間すなわち加工
パルスの幅τONが経過した時刻t2 においては、加工パ
ルス及びサーチパルスともオフにされる。なお、サーチ
パルスは、加工パルスをオンとした時点でオフにしても
よい。かくして、極間の絶縁が回復し、休止時間すなわ
ちオフ時間τOFF 経過後の時刻t10には、再び次のサイ
クルが開始される。
【0005】ところで、放電加工においては、同一個所
に放電が集中すると、異常放電が誘発され、加工面の質
が悪化する。上記した図8の例では、極間に印加される
パルス電圧の極性は、常に同じであるが、その極性を適
宜切り替えるようにすると、イオン化された極間が中和
され、集中放電の防止に効果があることが知られてい
る。
【0006】図10は、両極性パルスを使用する放電加
工機の電源装置の回路構成の一例を示す図である(特開
平7−9257号公報参照)。また、図11は、図10
の回路の動作を説明するための主要部の電圧又は電流の
波形図である。この回路では、特にサーチ電源は設けら
れていない。そして、待ち時間τW 及び放電時間τON
は、主電源V12から電極Eを正とし被加工物Wを負と
する極性の電圧が極間に印加される一方、休止時間τ
OFF では、補助電源V32から電極Eを負とし被加工物
Wを正とする極性の電圧が極間に印加されるように、ス
イッチング用トランジスタT12及びT13が制御され
る。なお、補助電源V32から印加される電圧は、放電
を発生させない程度の電圧である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図10に示される電源
装置においては、サーチ電源がなく、主電源がサーチ電
源を兼ねているため、極間への印加電圧が低くなって放
電が安定して発生せず、加工速度が低下するという問題
が生ずる。特に、加工液として油を使用する場合には、
絶縁電圧が高いため、放電が発生しにくくなる。この問
題点に加え、次のような問題も生ずる。
【0008】すなわち、主電源(正極電源)V12と補
助電源(負極電源)V32とを設けた場合、それらの電
源間における干渉が問題となる。図10(A)及び図1
1に示されるように、放電時間τONにおいて、放電電流
onは、主電源V12の正極からトランジスタT12、
ダイオードD14、抵抗器R11及び放電ギャップ(電
極Eと被加工物Wとの間)を介して主電源V12の負極
へと流れる。そして、トランジスタT12がオフとされ
た時点においては、負荷のインダクタンス成分による誘
導起電力が電流を流し続けようとする。その誘導電流i
off は、図10(B)及び図11に示されるように、休
止時間τOFF の初期において、被加工物Wから補助電源
V32、ダイオードD12、ダイオードD14及び抵抗
器R11を介して電極Eへと流れる。すなわち、補助電
源V32を充電する方向に電流i off が流れる。このよ
うな電源の干渉に堪えるためには、補助電源V32の電
流容量を大きくしなければならない。
【0009】また、図10に示されるようにトランジス
タT12のドレイン・ソース間にかかる電圧をVds12と
すると、休止時間τOFF 中のようにトランジスタT33
がオンでトランジスタT12がオフとなるときには、図
11に示されるように、Vds12は、主電源及び補助電源
の両電圧を加えた電圧“V12+V32”となる。トラ
ンジスタT33についても同様である。したがって、ト
ランジスタT12及びT33としては定格電圧の高いト
ランジスタを使用しなければならないが、一般には、高
速スイッチング素子は定格電圧が低いため、スイッチン
グ素子の耐圧を考慮すると、電源電圧を高く設定するこ
とができない。
【0010】本発明は、以上のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的は、電源の干渉、装置の大
型化、コストの上昇等を招くことなく、放電を安定させ
る高いサーチ電圧の使用及び極間のイオン化の中和を図
る両極性電圧の使用が可能な放電加工機の電源装置を提
供することにより、放電加工における加工速度及び加工
精度を向上させることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、電極Eと被加工物Wとの極間に前
記電極Eを正とし前記被加工物Wを負とする極性のサー
チ電圧を印加する正極サーチ電源20と、前記極間に前
記電極Eを負とし前記被加工物Wを正とする極性のサー
チ電圧を印加する負極サーチ電源30と、前記正極サー
チ電源20または前記負極サーチ電源30からサーチ電
圧が前記極間に印加され放電が発生した時点で前記極間
に加工用パルス電圧を印加する主電源10とを具備し、
前記正極サーチ電源20、前記負極サーチ電源30及び
前記主電源10の各電源回路は、直流電源V22、V3
2、V12からそれぞれ前記直流電源V22、V32、
V12の正極端子及び負極端子ともスイッチング素子T
22、T23、T32、T33、T12、T13を介し
て前記電極E及び被加工物Wに並列に接続され、前記直
流電源V22、V32、V12の正極端子に接続したス
イッチング素子T22、T32、T12の出力端子と前
記直流電源V22、V32、V12の負極端子との間に
該スイッチング素子T22、T32、T12を帰還電流
から保護するダイオードD22、D32、D12が接続
され、前記直流電源V22、V32、V12の負極端子
に接続したスイッチング素子T23、T33、T13の
出力端子に接続して、該スイッチング素子T23、T3
3、T13を帰還電流から保護するダイオードD23、
D33、D13のアノード端子は、それぞれ前記直流電
源V22、V32、V12と負極端子を共通に接続され
るとともに、前記直流電源V22、V32、V12のい
ずれよりも高電位の直流電源V21、V31、V11の
正極端子に接続されるよう構成することを特徴とした放
電加工機の電源装置が提供される。
【0012】また、本発明によれば、前記直流電源V2
1、V31、V11は、前記正極サーチ電源20、前記
負極サーチ電源30及び前記主電源10の各電源回路の
一次側電源であり、前記一次側電源に負極端子を共通と
する安定化電源部22、32、12をそれぞれ設け、前
記安定化電源部22、32、12の出力をそれぞれ前記
直流電源V22、V32、V12とし、前記各電源回路
の一方の極はそれぞれ電流調整用抵抗R21、R31、
R11を介して出力され、前記主電源10及び前記主電
源10と同極性のサーチ電源はそれぞれ逆流防止用のダ
イオードD14、D24を介して出力される。
【0013】また、本発明によれば、前記正極サーチ電
源20及び前記負極サーチ電源30が加工用パルス電圧
を印加する電源として使用される。
【0014】
【作用】正極サーチ電源20、負極サーチ電源30、及
び主電源10の各電源回路が、それぞれ直流電源V2
2、V32、V12の正極端子及び負極端子ともにスイ
ッチング素子T22、T23、T32、T33、T1
2、T13を介して電極E及び被加工物Wに並列に接続
される。また、直流電源V22、V32、V12の正極
端子に接続したスイッチング素子T22、T32、T1
2の出力端子と直流電源V22、V32、V12の負極
端子との間にスイッチング素子T22、T32、T12
を帰還電流から保護するダイオードD22、D32、D
12が接続される。さらに、直流電源V22、V32、
V12の負極端子に接続したスイッチング素子T23、
T33、T13の出力端子に接続して、スイッチング素
子T23、T33、T13を帰還電流から保護するダイ
オードD23、D33、D13のアノード端子は、それ
ぞれ直流電源V22、V32、V12と負極端子を共通
に接続されるとともに、直流電源V22、V32、V1
2のいずれよりも高電位の直流電源V21、V31、V
11の正極端子に接続されたので、電源が干渉すること
なく、高いサーチ電圧及び両極性電圧の使用が可能とな
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施形態について説明する。
【0016】図1は、本発明に係る放電加工機の電源装
置の一実施形態を示す回路構成図である。この装置は、
サーチ電圧により放電が発生した時点で、電極Eと被加
工物Wとの間に形成される極間に、電極Eを正とし被加
工物Wを負とする極性の加工用パルス電圧を印加する主
電源10と、極間に電極Eを正とし被加工物Wを負とす
る極性のサーチ電圧を印加する正極サーチ電源20と、
極間に電極Eを負とし被加工物Wを正とする極性のサー
チ電圧を印加する負極サーチ電源30と、を備える。そ
して、主電源10は、安定化電源部12とパルス出力部
14と電流調整部16とから構成される。同様に、正極
サーチ電源20は、安定化電源部22とパルス出力部2
4と電流調整部26とから構成され、負極サーチ電源3
0は、安定化電源部32とパルス出力部34と電流調整
部36とから構成される。
【0017】主電源10の安定化電源部12は、直流電
源V11、スイッチング用トランジスタとしての電界効
果トランジスタ(FET)T11、平滑回路を形成する
コイルL11及びコンデンサC11、並びにコイルの蓄
積エネルギを負荷側に放出させるダイオードD11から
なる定電圧回路であり、トランジスタT11のゲートに
入力される信号G11のデューティ比に応じた出力電圧
V12を作成する。正極サーチ電源20の安定化電源部
22及び負極サーチ電源30の安定化電源部32も、同
一の回路構成を有する。
【0018】主電源10のパルス出力部14は、2個の
スイッチング用トランジスタT12及びT13並びに2
個のダイオードD12及びD13からなるブリッジ回路
となっている。コンデンサC12及びC13は、それぞ
れ、安定化電源部12の出力電圧(2次側電圧)V12
及び入力電圧(1次側電圧)V11の交流成分を除去す
るものである。
【0019】ここで、ブリッジ回路について説明する。
パルス出力回路としては、図2(A)に示されるよう
に、トランジスタTとダイオードDとで単純に構成する
ことも可能である。なお、ダイオードDは、負荷のイン
ダクタンス成分Lに蓄積されたエネルギを負荷側に放出
させるものであり、トランジスタTがオフにされたとき
にインダクタンス成分Lによって誘起される電圧からト
ランジスタTを保護する機能を果たす。
【0020】しかし、図2(A)の回路では、トランジ
スタTがオフにされた後も、ある程度の時間、誘起され
た電流が流れ続けるため、電流がオフする時間が長く、
すなわちパルス電流の立下り速度が遅くなる。そこで考
えられたのが図2(B)のブリッジ回路である。このブ
リッジ回路では、トランジスタT12及びT13が同時
にオンにされるとともに同時にオフにされる。このブリ
ッジ回路では、トランジスタオン状態で流れていた電流
の方向と同一の方向の誘起電流がオフ時点でも流れ続け
ようとするのに対し、電圧Vがそれを阻止するように働
くため、スイッチングオフが迅速化する。なお、4個の
スイッチ及び4個のダイオードにより負荷に対して双方
向の電流を供給しうるブリッジをフルブリッジと称し、
図2(B)のブリッジをハーフブリッジと称することも
ある。
【0021】主電源10のパルス出力部14は、図2
(B)のブリッジ回路を採用するものである。ただし、
負極側ダイオードD13のカソードは、安定化電源部1
2の入力電圧V11の正極に接続されている。その作用
については後述する。そして、正極サーチ電源20のパ
ルス出力部24及び負極サーチ電源30のパルス出力部
34も、同一の回路構成を有している。
【0022】主電源10の電流調整部16は、電流制限
用抵抗器R11及び逆流防止用ダイオードD14を介し
てパルス出力部14の正極側出力を電極Eに接続すると
ともに、パルス出力部14の負極側出力を被加工物Wに
接続する。正極サーチ電源20の電流調整部26も、同
一の回路構成を有している。そして、主電源10側の逆
流防止用ダイオードD14と正極サーチ電源20側の逆
流防止用ダイオードD24とは、相互に他方からの逆流
を防止するものである。負極サーチ電源30の電流調整
部36は、パルス出力部34の正極側出力を被加工物W
に接続するとともに、電流制限用抵抗器R31を介して
パルス出力部34の負極側出力を電極Eに接続する。
【0023】電圧制御部40は、各安定化電源部12、
22及び32の出力電圧V12、V22及びV32を監
視しつつ、トランジスタT11、T21及びT31への
ゲート信号G11、G21及びG31のデューティ比を
フィードバック制御することにより、出力電圧V12、
V22及びV32の値を所定値に維持する制御回路であ
る。また、極間検出部44は、極間電圧を感知し、所定
のしきい値と比較することにより、放電を検出し、放電
検出信号を出力する回路である。また、パルス制御部4
2は、所定の放電時間τON及び休止時間τOFF を達成し
つつ、後述する図3に示されるような放電サイクルを実
現するように、トランジスタT12、T13、T22、
T23、T32及びT33へのゲート信号G12、G1
3、G22、G23、G32及びG33を制御する回路
である。さらに、電源制御部46は、各安定化電源部が
出力すべき電圧を電圧制御部40に指示し、また、放電
検出用のしきい値電圧を極間検出部44に指示し、さら
に、パルス制御部42に対して放電時間τON及び休止時
間τOFF を指示するとともにパルス制御部42の起動及
び停止を制御する回路である。
【0024】図3は、図1の回路の動作を説明すべく主
要部の電圧又は電流の波形を示すタイムチャートであ
る。同図には、上から順に、極間電圧Vg、主電源10
のパルス出力部14の出力電圧V1、正極サーチ電源2
0のパルス出力部24の出力電圧V2、負極サーチ電源
30のパルス出力部34の出力電圧V3、トランジスタ
T12のドレイン・ソース間電圧Vds12、トランジスタ
T13のドレイン・ソース間電圧Vds13、放電電流
on、及び休止時間τOFF の初期に現れる誘導電流i
off が示されている。
【0025】放電サイクルは、待ち時間τW 、放電時間
τON及び休止時間τOFF からなるが、図3のVg、V2
及びV3に示されるように、サーチ電源としては、正極
サーチ電源と負極サーチ電源とが交互に使用されてい
る。したがって、一極性のみの電圧を極間に印加する場
合の弊害(タール状の化合物が加工面に付着する現象
等)が除去され、加工面の質が良好になる。また、図3
のVds12に示されるように、トランジスタT12のドレ
イン・ソース間には、トランジスタオフ時点において安
定化電源部12の出力電圧V12がかかるが、これが最
大値である。また、図3のVds13に示されるように、ト
ランジスタT13のドレイン・ソース間には、トランジ
スタオフ時点において安定化電源部12の入力電圧V1
1がかかるが、これが最大値である。また、パルス出力
部24及び26における各トランジスタについても同様
である。したがって、図11のVds12として示される場
合のようにトランジスタに高電圧が加わることがないた
め、電源電圧を高く設定することができる。
【0026】図4から図7までは、図1の回路の動作を
説明するための図である。これらの図においては、各安
定化電源部12、22及び32についてその入力電圧V
11、V21及びV31並びに出力電圧V12、V22
及びV32のみが示される等、動作説明に必要な要素の
みが示されている。
【0027】まず、主電源10が極間に接続されると
き、すなわちトランジスタT12及びT13がオンにさ
れるときには、図4のionに示されるように、V12の
正極からT12、R11、D14、E、W及びT13を
介してV12の負極へと戻るループに電流を流すように
V12の起電力が作用する。それと同時に、V12の起
電力は、図4のi13に示されるように、V12の正極
からT12、R11、D14、R31、D33、V3
1、D32及びT13を介してV12の負極へと戻るル
ープにも電流を流すように作用する。しかしながら、主
電源10の安定化電源部12の出力電圧V12は、負極
サーチ電源30の安定化電源部32の入力電圧V31よ
りも小さくなるように設定されているため、逆方向の起
電力としてV31を有するループに電流が流れることは
ない。すなわち、主電源10と負極サーチ電源30との
干渉は生じない。
【0028】次に、主電源10と極間との接続が解除さ
れるとき、すなわちトランジスタT12及びT13がオ
フにされるときには、図5のioff に示されるように、
負荷のインダクタンス成分による誘導起電力によってW
からD13、V11、D12、R11及びD14を介し
てEへと戻るループに電流が流れる。すなわち、主電源
のパルスをオフにしたときのフライバック電流は、図1
0(B)の例と異なり、他の電源に流れ込むことはな
い。このことは、同様の回路構成を有する正極サーチ電
源20及び負極サーチ電源30についてもいえることで
ある。
【0029】次に、図6に示されるように、正極サーチ
電源20が極間に接続されるとき、すなわちトランジス
タT22及びT23がオンにされるときには、V22の
正極からT22、R21、D24、E、W及びT23を
介してV22の負極へと戻るループに電流を流すように
V22の起電力が作用する。それと同時に、V22の起
電力は、図4のi23に示されるように、V22の正極
からT22、R21、D24、R31、D33、V3
1、D32及びT23を介してV22の負極へと戻るル
ープにも電流を流すように作用する。しかしながら、正
極サーチ電源20の安定化電源部22の出力電圧V22
は、負極サーチ電源30の安定化電源部32の入力電圧
V31よりも小さくなるように設定されているため、逆
方向の起電力としてV31を有するループに電流が流れ
ることはない。すなわち、正極サーチ電源20と負極サ
ーチ電源30との干渉は生じない。
【0030】最後に、図7に示されるように、負極サー
チ電源30が極間に接続されるとき、すなわちトランジ
スタT32及びT33がオンにされるときには、V32
の正極からT32、W、E、R31及びT33を介して
V32の負極へと戻るループに電流を流すようにV32
の起電力が作用する。それと同時に、V32の起電力
は、図7のi31に示されるように、V32の正極から
T32、D13、V11、D12、R11、D14、R
31及びT33を介してV32の負極へと戻るループに
電流を流すように作用する。しかしながら、負極サーチ
電源30の安定化電源部32の出力電圧V32は、主電
源10の安定化電源部12の入力電圧V11よりも小さ
くなるように設定されているため、逆方向の起電力とし
てV11を有するループに電流が流れることはない。す
なわち、負極サーチ電源30と主電源10との干渉は生
じない。
【0031】また、V32の起電力は、図7のi32に
示されるように、V32の正極からT32、D23、V
21、D22、R21、D24、R31及びT33を介
してV32の負極へと戻るループに電流を流すように作
用する。しかしながら、負極サーチ電源30の安定化電
源部32の出力電圧V32は、正極サーチ電源20の安
定化電源部22の入力電圧V21よりも小さくなるよう
に設定されているため、逆方向の起電力としてV21を
有するループに電流が流れることはない。すなわち、負
極サーチ電源30と正極サーチ電源20との干渉は生じ
ない。かくして、3つの電源間で干渉を生ずることが確
実に回避される。
【0032】また、仕上げ加工時に、加工用パルス電圧
を印加する電源として正極サーチ電源20又は負極サー
チ電源30を使用してもよい。それによって仕上げ加工
の精度を向上させることが可能となる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る放電
加工機の電源装置においては、放電を安定させる高いサ
ーチ電圧の使用及び極間のイオン化の中和を図る両極性
電圧の使用が、電源の干渉、装置の大型化、コストの上
昇等を招くことなく、可能となる。本電源装置の採用に
より、放電加工における加工速度及び加工精度の更なる
向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る放電加工機の電源装置の一実施形
態を示す回路構成図である。
【図2】ブリッジ回路について説明するための図であ
る。
【図3】図1の回路の動作を説明すべく主要部の電圧又
は電流の波形を示すタイムチャートである。
【図4】図1の回路において主電源が極間に接続される
ときの動作を説明するための図である。
【図5】図1の回路において主電源と極間との接続が解
除されるときの動作を説明するための図である。
【図6】図1の回路において正極サーチ電源が極間に接
続されるときの動作を説明するための図である。
【図7】図1の回路において負極サーチ電源が極間に接
続されるときの動作を説明するための図である。
【図8】サーチ電源を採用する従来の放電加工機の電源
装置の回路構成の一例を示す図である。
【図9】図8の回路における極間電圧の時間的変化を示
す波形図である。
【図10】両極性パルスを使用する従来の放電加工機の
電源装置の回路構成の一例を示す図である。
【図11】図10の回路の動作を説明すべく主要部の電
圧又は電流の波形を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
E…電極 W…被加工物 10…主電源 12…安定化電源部 14…パルス出力部 16…電流調整部 20…正極サーチ電源 22…安定化電源部 24…パルス出力部 26…電流調整部 30…負極サーチ電源 32…安定化電源部 34…パルス出力部 36…電流調整部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極Eと被加工物Wとの極間に前記電極
    Eを正とし前記被加工物Wを負とする極性のサーチ電圧
    を印加する正極サーチ電源20と、 前記極間に前記電極Eを負とし前記被加工物Wを正とす
    る極性のサーチ電圧を印加する負極サーチ電源30と、 前記正極サーチ電源20または前記負極サーチ電源30
    からサーチ電圧が前記極間に印加され放電が発生した時
    点で前記極間に加工用パルス電圧を印加する主電源10
    とを具備し、 前記正極サーチ電源20、前記負極サーチ電源30及び
    前記主電源10の各電源回路は、直流電源V22、V3
    2、V12からそれぞれ前記直流電源V22、V32、
    V12の正極端子及び負極端子ともスイッチング素子T
    22、T23、T32、T33、T12、T13を介し
    て前記電極E及び被加工物Wに並列に接続され、 前記直流電源V22、V32、V12の正極端子に接続
    したスイッチング素子T22、T32、T12の出力端
    子と前記直流電源V22、V32、V12の負極端子と
    の間に該スイッチング素子T22、T32、T12を帰
    還電流から保護するダイオードD22、D32、D12
    が接続され、 前記直流電源V22、V32、V12の負極端子に接続
    したスイッチング素子T23、T33、T13の出力端
    子に接続して、該スイッチング素子T23、T33、T
    13を帰還電流から保護するダイオードD23、D3
    3、D13のアノード端子は、それぞれ前記直流電源V
    22、V32、V12と負極端子を共通に接続されると
    ともに、前記直流電源V22、V32、V12のいずれ
    よりも高電位の直流電源V21、V31、V11の正極
    端子に接続されるよう構成することを特徴とした放電加
    工機の電源装置。
  2. 【請求項2】 前記直流電源V21、V31、V11
    は、前記正極サーチ電源20、前記負極サーチ電源30
    及び前記主電源10の各電源回路の一次側電源であり、
    前記一次側電源に負極端子を共通とする安定化電源部2
    2、32、12をそれぞれ設け、前記安定化電源部2
    2、32、12の出力をそれぞれ前記直流電源V22、
    V32、V12とし、前記各電源回路の一方の極はそれ
    ぞれ電流調整用抵抗R21、R31、R11を介して出
    力され、前記主電源10及び前記主電源10と同極性の
    サーチ電源はそれぞれ逆流防止用のダイオードD14、
    D24を介して出力される請求項1に記載の放電加工機
    の電源装置。
  3. 【請求項3】 前記正極サーチ電源20及び前記負極サ
    ーチ電源30が加工用パルス電圧を印加する電源として
    使用される請求項1または2に記載の放電加工機の電源
    装置。
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