JP3306065B2 - 超伝導体のトランス／リアクタの巻線支持体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 従来の巻線のトランス／リアクタに関して市販のかつ
競争力ある製品となるのと同時にトランス／リアクタに
超伝導体巻線を設ける１つの重要な条件は、不可避な交
流損失を最小にすることである。同様にシート巻き巻線
が従来のトランス／リアクタに用いられ、損失を減少さ
せるために超伝導体をシート又はテープとして設計可能
である。同時に、磁場の方向に対して伝導体の方向を最
適に選択することが非常に重要である。本発明は、磁場
の方向が伝導体の面に一致するよう伝導体を配置する巻
線支持体に関する。

図面の簡単な説明 第１図はトランス・コアの脚部のまわりの２つの同心
状トランス巻線の磁場形状を概略的に図示している。

第２図は、現状の技術により、いかに従来のシート巻
きトランスが損失を可能な限り低くするよう設計されて
いるかを示す。

第３図は、本発明による超伝導体トランス巻線の巻線
支持体の一端がいかに設計されているかを示す。

第４図はトランスの２つの超伝導単層巻線の巻線支持
体を図示する。

従来の技術、問題点 超伝導体の特徴は、電流密度が金属伝導体より非常に
高い点である。トランス巻線／リアクタ巻線に使用すべ
き超伝導体はテープの形状を適切に与えられる、すなわ
ちその幅が厚さより相当大きい。テープは金属マトリク
スに埋め込まれた多数の超伝導フィラメントから構成さ
れることが望ましい。しかしながら、これはこのような
導体では巻線の機械的強度が発生しうる磁力を支持する
のに十分ではないことを意味する。それ故、導体は巻線
支持体の形式の機械的支持を必要とする。従来の技術は
現在の所超伝導体のトランス／リアクタを含んでいない
ため、このような巻線の巻線支持体の設計に関して従来
の技術も存在しない。

トランスに関しては、トランス・コアの脚部３の周り
の２つの同心状巻線１、２の磁場構成は第１図に示すよ
うな外観を有する。巻線間に延びる実質的に軸方向の漏
れ磁束４は巻線の端部でコアに入るために多かれ少なか
れ放射方向に偏向される。これにより巻線の端部は放射
方法成分を有する磁束によって横切られ、これは導体中
に過電流を発生し、損失を生じさせる。

それ故、従来技術を説明する際に、磁場の方向に対し
て所要の方向を得るために長い間用いられてきた従来の
シート巻きトランス巻線の技術から開始するのが自然で
ある。この技術の典型的例は米国特許第4 323 870号に
開示されている。磁場の構成に影響を与えようとする代
わりに、伝導体材料は磁場に追随するように作られる。
これは、各点の磁場ベクトルが伝導体面の接線であるよ
うにテープを形成することで実施される。このようにし
て、電流変位は除去可能である。上述の米国特許の第１
図と同一である添付の第２図は、この所要効果を達成す
るためにシート巻き巻線をいかに設計可能であるかを図
示している。コア脚部に向かう内向きの丸めは、コア脚
部に向かう端部で、機械的な観点からは必ずしも本当は
必要ではない巻線支持体５を丸めることによりもたらさ
れ、外向きの丸めは異なる種類のくさびまたはライニン
グにより実行可能である。しかしながら、この方法は、
空間要求を増大させ、巻線の増大した半径は損失を増加
させ、相対的に時間がかかり困難な巻線作業を必要とす
る。

発明の要旨と利点 本発明による巻線支持体は実質的に真っ直ぐで、円形
・円筒管状体を含む。巻線を配置すべき側には、その両
端に向かって、伝導体の幅に等しい幅を有する平面で支
持体に沿って螺旋スロットが設けられる。このようにし
て、端部へ向かう支持体の周りのスロットの各巻きが円
錐の円錐台の包絡面を実質的に構成する面を形成する。
円錐の直線的円錐台の包絡面の母線と支持体の軸中心線
との間の角度は、全点の包絡面が磁場の方向と一致する
よう支持体の端部へ向けて連続的に増加している。支持
体の中央部分はスロットなしの円形・円筒状包絡面を有
している。支持体の端部へ沿った螺旋状スロットのた
め、超伝導体テープは全支持体に沿って１つ以上の層で
連続的に巻かれることが可能となる。

シート巻き巻線の上述の技術に対する上述の設計の１
つの利点は、巻線が円形・円筒形状を与えられる点であ
る。これは、第２図による磁場への適合性に対する空間
の増加が必要ないため、よりコンパクトな設計のトラン
スであることを意味する。

本発明による渦電流の発生を最小とする可能性に加え
て、前記の巻線支持体は別の利点を与える。伝導体中の
電流強度と伝導体が置かれる磁界の大きさとの積に比例
し、電流を坦持する伝導体が受ける、電力周波数の２倍
の周期の力は、全ての点で基礎（base）に垂直な方向と
なる。これは、伝導体を支持体に結合するのに用いられ
る結合体は小さな応力を受けることを意味する。

望ましい実施例の説明 超伝導特性の巻線伝導体のトランス／リアクタには、
コア脚部（limb）と巻線支持体との間にいわゆるクライ
オスタット（cryostat）壁を設けることが適当である。
第３図は巻線支持体の端部６の断面を詳細な実施例で図
示している。クライオスタット壁は第３図では７で指示
され、巻線の超伝導テープは８で示されている。

第３図はまた、上述の円錐の直線円錐台への母線（ge
neratrix）９と支持体の軸中央線との間の角度「ｖ」が
支持体の端部へ向かうにつれていかに増加していくかを
示す。この様にして、支持体はその端部へ向けて階段状
のテーパー形状で終了する。

第４図は巻線支持体６のその全軸長での断面を図示し
ている。第３図に示した実施例に対応する、支持体の他
端へ向かうスロットの階段状テーパー形状の終端もこの
図面から明らかである。巻線の中央部分に沿った磁場は
コア脚部に平行に延び、それ故巻線支持体の中央部分は
コア脚部に平行な面を有する。第４図のこの説明部分は
巻線支持体の実施例とリアクタの巻線およびトランスの
巻線付き内部巻線支持体に対応する。

トランスの外部超伝導巻線と同じ効果を達成するた
め、この巻線は対応する巻線支持体10に固定すべきであ
る。断面の観点からみると、この外部支持体は２つの支
持体の間の真ん中の面に対して反転した形状を有してい
る。２つの巻線の間の空間11は何らかの絶縁用に意図し
てある。もしくは、上述したように、超伝導テープが所
要層数だけ連続的に支持体上に巻かれるようにスロット
が支持体の端部に沿って螺旋状にある。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ホルンフェルト，スベン スウェーデン国エス ― 724 62 ベ ステルオース，ゲトガタン ４ アー (56)参考文献 特公 昭63−58362（ＪＰ，Ｂ２) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) H01F 6/00 - 6/06 H01F 27/28

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】超伝導テープの形式の伝導体の巻線用の巻
   線支持体において、該巻線支持体は、実質的に真っ直ぐ
   な円形・円筒管状体（６）から構成され、前記支持体の
   巻線を配置すべき側であって前記支持体の端部側におい
   て、前記支持体の周りに前記テープの幅に等しい幅の平
   面を有し前記支持体に沿った螺旋スロットが設けられ、
   該スロットの各巻きは円錐の円錐台の包絡面を実質的に
   形成し、前記包絡面の母線（９）と前記支持体の中心軸
   との間の角度（ｖ）は、前記各巻きの包絡面がその全て
   の点で、前記巻線により発生される磁場の方向と一致す
   るよう、前記支持体の端部へ向けて前記各巻き毎に増加
   する、超伝導テープの形式の伝導体の巻線用の巻線支持
   体。